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執事「お嬢様に婚約者?」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:08:28.26 ID:K0kAIKjpO
- メイド「はい、旦那様が選んだ相手と婚約するそうです」
執事「相手はどんな方なんです?」
メイド「それがまだ決まってないとかで…」
執事「ほう…」
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:11:37.87 ID:K0kAIKjpO
- 執事「しかし婚約者になる方も大変ですね」
メイド「なぜです?」
執事「だってうちのお嬢様はあんなですよ?」
お嬢様「ちょっとそれどーいう意味よ」
執事「おやお嬢様、聞いてたんですか」
お嬢様「ここ私の部屋よ」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:16:25.54 ID:K0kAIKjpO
- 執事「これは失礼しました」
お嬢様「あんたに世話されてる私の方が大変だわ」
執事「そんなお嬢様を世話してる僕も大変ですよ」
お嬢様「それがあなたの仕事でしょう?」
執事「まぁ、なんだかんだで楽しく仕事させてもらってます」 - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:21:49.45 ID:K0kAIKjpO
- お嬢様「そ、そう…」
メイド「…」
執事「お嬢様、なんだか顔が赤いですよ?」
お嬢様「えっ、そ、そんなことないわよ!」
執事「そうですか?熱でもあるんじゃ…」
メイド「執事くん、お嬢様の周りのことは私がやりますので」
執事「そうですね、じゃあ僕はもうさがります」
お嬢様「あ…」
執事「では、おやすみなさいお嬢様」
パタン - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:26:00.94 ID:K0kAIKjpO
- 【お屋敷・AM2:00】
執事「さて、見回り見回りっと」
テクテク
執事「この屋敷は無駄に広すぎる…」
テクテク
執事「…ん?お嬢様の部屋に明かりが…」 - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:31:48.58 ID:K0kAIKjpO
- 執事「…」
執事「えい」ガチャ
お嬢様「っだれ!?」
執事「こんばんは」
お嬢様「ななな、なにやってんのよ執事…!」
執事「見回りです、お仕事ですよお仕事」
お嬢様「だからっていきなりドアあけるなんて失礼じゃない…!」
執事「たしかに」
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:36:02.89 ID:K0kAIKjpO
- 執事「で、お嬢様はこんな夜中に一体なにをしてるんです?」
お嬢様「ど、読書よ…」
執事「こんな夜中に本を?」
お嬢様「悪い?」
執事「まあお嬢様がいつ本を読んでいようが構いませんけど」
執事「昨日まではこの時間には寝てたはず」
お嬢様「」ギクッ - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:38:44.37 ID:K0kAIKjpO
- お嬢様「きゅ、急に読みたくなったのよ」
執事「へえ…何読んでるんですか?」
お嬢様「え、えーと…」ゴニョゴニョ
執事「どうかしました?」
お嬢様「な、なにを読んでようと私の勝手でしょ!」
執事「僕に言えないようなものなんですね」
お嬢様「違うわよ!」 - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:42:02.17 ID:K0kAIKjpO
- 執事「じゃあ教えてください」ニッコリ
お嬢様「うぅ…」
執事「さ、早く」
お嬢様「…これ」スッ
執事「…『好きな相手を1週間で落とす方法』?」
お嬢様「…」
執事「なんつーもの読んでるんですかwww」
お嬢様「わ、笑わなくてもいいでしょ!?」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:47:47.65 ID:K0kAIKjpO
- 執事「し、失礼wwしましたwww」
お嬢様「うぅぅ…」
執事「はー、笑った笑った」
お嬢様「最低だわ…」
執事「お嬢様に好きな人がいたとは驚きです」
お嬢様「私だって…こ、恋くらいするわ…」
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:52:50.07 ID:K0kAIKjpO
- 執事「相手はどんな方ですか?」
お嬢様「なんでそんなことあんたに言わなきゃいけないのよ」
執事「まぁいいじゃないですか」
お嬢様「言いたくないわ」
執事「僕に言えないような相手なんですね…!」
お嬢様「そ、そういうわけじゃないけど…」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/06(日) 23:56:05.33 ID:K0kAIKjpO
- 執事「じゃあ教えてください」
お嬢様「いや」
執事「いいじゃないですかー僕だって恋バナしたいですー」
お嬢様「恋バナ…?」
執事「恋の話ですよ」
お嬢様「ふーん…」
執事「さっ、早く吐いちゃってください」
お嬢様「い!や!」
執事「お嬢様のケチー」ブー
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:01:38.39 ID:tH627pUIO
- 執事「にしても急ですね」
お嬢様「なにが?」
執事「その相手、1週間で落とさなきゃなんでしょう?」
お嬢様「ま、まぁ…」
執事「恋ってそんな慌ただしいものでしたっけ」
お嬢様「…よくわからないわ」
執事「まさか初恋ですか?」ニヤニヤ
お嬢様「い、いいじゃない別に!」
執事「いいですねー青春ですねー」
お嬢様「冷やかすのなら出てって頂戴」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:05:26.10 ID:tH627pUIO
- 執事「そんなつもりじゃないですよ、ただ羨ましいなーと思っただけです」
お嬢様「なんでよ」
執事「僕、恋なんてしたことないので」
お嬢様「え…」
執事「だから、これでも純粋に応援してるんですよ?」
お嬢様「応援…」
執事「僕じゃなんの役にも立たないと思いますけど、よかったら相談とか聞きますよ」
お嬢様「そ、そう…」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:10:15.48 ID:tH627pUIO
- お嬢様「…じゃあ、聞いてくれる?」
執事「はい、なんですか?」
お嬢様「あなたもさっき言っていたけれど、私、婚約しなきゃいけないの」
執事「はい」
お嬢様「お父様がまだ相手を決めていないからいいけれど、決まってしまったら私は恋なんて出来なくなってしまうのよ」
執事「まあ、たしかに」
お嬢様「そうなる前に、一度だけでも、自分が好きになった相手と結ばれてみたいと思ったの」
執事「なるほど」 - 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:15:10.77 ID:tH627pUIO
- 執事「けど、それじゃ、相手の方が可哀想じゃないですか?」
お嬢様「…可哀想?」
執事「その本のおかげで、あなたと結ばれたとします」
執事「けどあなたはいずれ婚約者と結婚してしまう」
執事「残された相手の方はどうすればいいんです?」
お嬢様「そ、れは…」
執事「まぁ相手がどんな方かは知らないのでなんとも言えませんが」
お嬢様「…あなたは、いや?」
執事「え?」
お嬢様「あなただったら…どうするの?」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:19:50.54 ID:tH627pUIO
- 執事「僕とお嬢様がそんな関係になることなんてありませんよ」
執事「僕は"執事"ですから」
お嬢様「…」
お嬢様「……そう、よね」
執事「そうですよー、変な質問しないでください」
お嬢様「そうね…」
執事「…お嬢様?」
お嬢様「もう寝るわ、出ていって」
お嬢様「あと、この本はもう捨てて」
執事「え」
お嬢様「早く出ていきなさい」
執事「あ、はい…おやすみなさい」
お嬢様「…おやすみ」
バタン - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:24:00.47 ID:tH627pUIO
-
執事「……」
執事「…なにかまずいこと言ったかな…」
執事「この本、どうしようか」
執事「…僕が読んで、あとで内容を教えてあげますかね」
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:28:59.12 ID:tH627pUIO
- 【お屋敷・AM7:00】
執事「おはようございます、お嬢様」
お嬢様「…おはよう」
メイド「お嬢様、なんだか顔色が良くないですよ?」
お嬢様「そうかしら」
メイド「大丈夫ですか?」
お嬢様「平気よ、問題ないわ」
メイド「ならいいですけど…」
執事「大丈夫ですよメイドさん、学校でも僕がちゃーんと見てますから」
メイド「そう、ですね、じゃあお願いします」
執事「はい」
お嬢様「……」 - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:35:44.11 ID:tH627pUIO
- 【車内】
執事「お嬢様、今日はやけに静かですね」
お嬢様「別にいいでしょう」
執事「張り合いがなくてつまらないです」
お嬢様「あなたの楽しみなんて知らないわ」
執事「…なにかまずいこと言っちゃいました?」
お嬢様「…別に」
執事「やっぱり地雷踏んだか」
お嬢様「学校で、余計なこと言わないでよね」
執事「余計なこととは?」
お嬢様「夜中のこととか、婚約のこと」
執事「わかりました」
運転手「到着しました、いってらっしゃいませ」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:39:30.19 ID:tH627pUIO
- 【教室】
女「おはよー執事くん」
執事「おはようございます、女さん」
男「おーっす執事」
執事「ああ、おはよう男」
男「お嬢様さんも、おはようございます」
お嬢様「…おはようございます、では」
執事「あ、お嬢様…」
お嬢様「ついてこないで」
執事「…かしこまりました」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:44:22.18 ID:tH627pUIO
- 「またよあの"お嬢様"…」ヒソヒソ
「"お嬢様"だからって調子に乗りすぎじゃない?」ヒソヒソ
「執事くんも、あんなのに付き合わされててかわいそー…」ヒソヒソ
男「はーあ、またかよ」
執事「まったく飽きない人たちだ…」
男「まぁお嬢様さんもお嬢様さんだけどな」
男「あーんなツンケンしてたらそりゃあ女子から嫌われるよなぁ」
男「男連中にはモテまくりだけどな」
執事「……」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:49:16.35 ID:tH627pUIO
- 執事「お嬢様はあれでいいんだよ」
男「は?」
執事「あんな女たちなんて放っておけばいい、いざとなったら僕がどうにかする」
男「…相変わらずかっけーなぁ執事」
執事「お嬢様を守るのが僕の仕事なんでね」
男「こりゃあ女子たちもお嬢様さんを叩きたくなるってもんだ」
執事「は?」
男「モテる男はつらいねえ」
執事「なんだよ」
男「なんでもねーよ」 - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:51:53.85 ID:tH627pUIO
- 【学校・昼】
執事「お嬢様、今日のお昼はどちらで?」
お嬢様「屋上で食べるわ」
執事「そうですか、では早速準備を」
お嬢様「けっこうよ」
執事「しかし…」
お嬢様「一人で行くわ、ついて来ないで」
執事「…かしこまりました」
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 00:54:48.73 ID:tH627pUIO
- 執事「やっぱりおかしい」
男「なにが?」
執事「お嬢様の様子がだよ」
男「そうかー?」
執事「これじゃただの"お嬢様"だ」
男「なに言ってるかわかんねえぞ」
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:00:52.63 ID:tH627pUIO
- 【学校・放課後】
執事「さ、帰りましょうか」
お嬢様「…車は来ないの?」
執事「はい、なんでもタイヤがパンクしてしまったようで」
お嬢様「…そう」スタスタ
執事「ちょっと待ってくださいよお嬢様」
お嬢様「なによ?」
執事「どうしたんですか?なんだか今日、変ですよ」
お嬢様「いつも通りよ」
執事「違いますよ」
お嬢様「しつこいわね、いつも通りって言ってるでしょ!」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:02:55.22 ID:tH627pUIO
- 執事「…」
お嬢様「あ…」
執事「…失礼しました」
お嬢様「あの…」
執事「帰りましょう、お嬢様」
お嬢様「…」
執事「……」 - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:10:39.95 ID:tH627pUIO
- 【屋敷・執事の部屋】
執事「……本、読むか」
パラッ
『はじめに』
『好きってどんなことでしょう?あなたの好きはどんな好きですか?あなたの好きな相手はどんな人ですか?今のその人との距離は?"仲良くなりたい""付き合いたい""少しでも距離を縮めたい"…そんなあなたの願いを1週間で叶えます。さあ、早速読んでみましょう』
執事「…ほう」 - 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:16:18.07 ID:tH627pUIO
- 執事「なんだかよくわからないけど、とにかく読んでみるか」
『1日目』
『相手の好みを知りましょう』
『相手の好きな食べ物、音楽、テレビ番組、そして異性のタイプ。これらを知らなくては話になりません。とにかく相手に好きなものを聞いてみましょう。人づてでは意味がありません!あなたから直接聞いてみましょう』
執事「…なるほど」
執事「ちょっと実践してみますか」
執事「…『距離を縮めたい』…お嬢様でいくか」
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:20:01.01 ID:tH627pUIO
- 【屋敷・お嬢様の部屋】
執事「お嬢様ー」コンコン
お嬢様「なにか用かしら?」
執事「入ってもいいですか?」
お嬢様「…どうぞ」
執事「失礼します」
お嬢様「なにかしら」
執事「お嬢様の好きな食べ物はなんですか?」
お嬢様「…はあ?」
執事「あと、好きな音楽と好きなテレビ番組も」
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:30:32.65 ID:tH627pUIO
- お嬢様「その質問に答える意味があるのかしら」
執事「まあ一応は」
お嬢様「…食べ物は甘いもの、音楽はクラッシック、テレビなんて見ないわ」
執事「なるほど…あ、あともう1つ」
執事「好みの異性のタイプは?」
お嬢様「……」
執事「…えーと」
お嬢様「黙秘」
執事「だめです」 - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:34:18.97 ID:tH627pUIO
- お嬢様「なぜあなたにそんなことを教えなくてはならないのかしら?」
執事「別にいいじゃないですか」
お嬢様「いやよ」
執事「お願いします」
お嬢様「いや」
執事「なぜそんな頑なに嫌がるんですか」
お嬢様「それは…」
執事「いいでしょう、減るものでもありませんし」
お嬢様「…わかったわ」
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:38:40.13 ID:tH627pUIO
- お嬢様「…私を理解してくれる人よ」
執事「…なるほど」
執事「お嬢様の好きな方は、お嬢様のことをちゃんと理解されている方なんですね」
お嬢様「…どうかしらね」
執事「?」
お嬢様「理解してくれていると思っていたけれど、そうでもなかったみたい」
執事「え?」
お嬢様「…もういいでしょう、出ていって頂戴」 - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:43:39.63 ID:tH627pUIO
-
パタン
執事「どういうことだ…?」
メイド「あ、執事くん」
執事「メイドさん」
メイド「ちょうどよかった、頼みたいことがあるんです」
執事「なんですか?」
メイド「明後日旦那様が帰ってこられるそうなので、旦那様の部屋の掃除をしてもらいたいんですけど」
執事「旦那様、帰ってくるんですか」
メイド「ええ、…多分、婚約者が決まったんだと思います」
執事「そう、ですか」
メイド「じゃあ頼みますね」 - 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:47:00.33 ID:tH627pUIO
- 【屋敷・旦那様の部屋】
執事「やっぱこの部屋は緊張するなあ」
執事「…明後日か」
執事「僕が今日中にあの本を読み終えて、お嬢様に内容を教えて、お嬢様が明日それを実行すれば…間に合うか」
執事「よし…やってやる!」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 01:58:24.68 ID:eZeZjbJ30
- 執事ェ…
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:01:08.62 ID:tH627pUIO
- 【屋敷・執事の部屋】
執事「時間がない…一気に読むか」
『2日目』
『自分のことを知ってもらいましょう』
『昨日相手に質問したことを、今度は自分で話してみましょう。自分のことを知ってもらうことはとても重要です。』
『3日目』
『相手と約束をしましょう』
『どんな約束でも構いませんがデートの約束がベストです。約束は、あなたと相手を繋げる貴重な糸です。』
『4日目』
『素っ気なくしてみましょう』
『突然のことで、相手はきっと驚くでしょう。それでよいのです。相手があなたのことを気にしてくれることが重要です。』
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:02:14.16 ID:eZeZjbJ30
- なるほど
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:05:47.75 ID:+AvCEL3D0
- ほうほう
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:06:00.66 ID:tH627pUIO
-
『5日目』
『なにか相談してみましょう』
『どんなことでも構いません。恋愛の悩みなんかだと効果的です。』
『6日目』
『ボディタッチしてみましょう』
『さあ、もうすぐです。今回は少しハードルが高いかもしれません。とにかく相手に触りまくりましょう。ただし、大げさではいけません。あくまで自然に!』
『7日目』
『自分の想いを伝えましょう』
『いよいよ最終日です。思い切り相手に告白しましょう。シンプルで構いません。大袈裟でも構いません。とにかく“好きだ”と相手に伝えましょう!』 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:07:57.75 ID:tH627pUIO
- 執事「…これなら1日でいけそうだ…!」
執事「お嬢様に教えてあげなくては」
執事「…の前に、まず実践実践」
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:17:37.61 ID:tH627pUIO
- 【屋敷・お嬢様の部屋】
執事「お嬢様ー!」バァンッ
お嬢様「!?」
執事「お嬢様!聞いてください!」
お嬢様「か、勝手に入ってこないでよ…!」
執事「すみません!とにかく聞いてください!」
お嬢様「な、なにを?」
執事「僕は、カレーが好きです!あとJAZZ!テレビは見ません!」
お嬢様「…は?」
執事「えーと、あと…お嬢様!今度デートしましょう!」
お嬢様「えぇっ!?」
執事「デートですよ、デート!約束です!」
お嬢様「え、な、なんで…」
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:18:42.57 ID:tH627pUIO
- 執事「次は…そっけなく、か…」
お嬢様「で、でででデートなんて…!」
執事「あ、そんな大袈裟なことじゃないんで」
お嬢様「え?」
執事「全然大したことじゃないんで、お気になさらず」
お嬢様「え?は?」
執事「あ、じゃ、そういうことで」
パタン - 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:29:10.25 ID:tH627pUIO
- 執事「次は相談か…」
バァン
執事「お嬢様…」
お嬢様「え、なんでまた…!」
執事「お嬢様、相談に乗ってもらえますか…」
お嬢様「は?相談?」
執事「実は僕、守りたい人がいるんです」
お嬢様「え…」
執事「けど、その人は僕から離れていこうとしていて…どうしたらいいんでしょうか?」
お嬢様「守りたい…人…」
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:31:23.06 ID:tH627pUIO
- 執事「えーと、つぎつぎ…」
執事「お嬢様お嬢様」トントン
お嬢様「な、なによ…」
執事「あれ?なんかちょっと涙目じゃないですか」
お嬢様「そ、そんなわけ…」
執事「どうしたんですか?」ナデナデ
お嬢様「…っ!!」
執事「あ、今度は顔が真っ赤に…まさか熱でも」コツン
お嬢様「っ!!!!!」
執事「ふむ、熱いですね」
お嬢様「だ、大丈夫よ!いいから、離れて…っ」
執事「おっと、失礼しました」パッ - 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:33:50.20 ID:tH627pUIO
- 執事「よし、最後…」
執事「お嬢様!僕はあなたを守りたい!」
お嬢様「な…っ!」
執事「僕はお嬢様のことが好きです」
お嬢様「な、なななななな…」
執事「…というのが、あの本に書いてあったことです」
お嬢様「ななな」
お嬢様「なな……は?」
執事「だから、お嬢様が捨てろと言ったあの本ですよ」
お嬢様「は?!」 - 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:38:33.66 ID:tH627pUIO
- お嬢様「あんた…私のこと馬鹿にしてるの…!?」
執事「いいえ、純粋に応援しているだけです」
お嬢様「だったら…!」
執事「とにかく、急いでくださいお嬢様」
執事「明後日には旦那様が帰ってこられます」
お嬢様「お父様が…?」
執事「きっと婚約者様が決まったのでしょう」
お嬢様「もう、決まったのね…」
執事「だから明日、私がしたことをお嬢様の好きな方にしてください」
お嬢様「…わかったわ」 - 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:43:21.34 ID:tH627pUIO
- お嬢様「1から説明してちょうだい、執事」
執事「はい」
執事「まず、相手の好みを知る」
お嬢様「えぇ」
執事「次に、自分の好みを知ってもらう」
お嬢様「えぇ」
執事「次に、なにか約束をする」
お嬢様「えぇ」
執事「で、素っ気なくする」
お嬢様「で?」
執事「次に、なにか相談をする」
お嬢様「なるほどね」
執事「で、ボディタッチをする」
お嬢様「最後は?」
執事「告白です」 - 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:48:39.57 ID:tH627pUIO
- お嬢様「わかったわ、ありがとう」
執事「いえ、頑張ってくださいお嬢様」
お嬢様「えぇ…早速だけど執事、好きなものは?」
執事「え?」
お嬢様「たしか…カレーとJAZZと言ったかしら」
執事「は、はい」
お嬢様「私の好きなものは…もう言ったからいいわね」
お嬢様「さっき言ってたデート、約束よ」
執事「え?はい…」
お嬢様「じゃ、出ていきなさい」
執事「は?」
お嬢様「出ていけって言ってるの」
執事「は、はい」
バタン - 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:55:54.10 ID:tH627pUIO
- 執事「なんだったんだ…」
お嬢様「執事、入ってきて!」
執事「は、はい」ガチャ
お嬢様「相談…してもいいかしら?」
執事「どうぞ…」
お嬢様「私ね、好きな人がいるの」
執事「知ってますが」
お嬢様「すごく性格が悪くて、いつも喧嘩してしまうの」
執事「はぁ」
お嬢様「おまけに鈍感だしデリカシーないし」
執事「はぁ…」
お嬢様「けど…私のために必死になってくれる人なの」
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 02:58:29.75 ID:tH627pUIO
- 執事「…素敵な方ですね」
お嬢様「えぇ、とっても」スッ
執事「お嬢様…?」
お嬢様「執事…」ギュッ
執事「えっ、お、お嬢様!?」
お嬢様「あなたのことよ、執事」ボソッ
執事「え?な、なにが…」
お嬢様「今言ったこと、全部」
執事「は?…え?」
お嬢様「…」イラッ - 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:02:26.76 ID:tH627pUIO
- お嬢様「だから!私はあんたが好きだって言ってるのよ!」
執事「…え」
お嬢様「ほんっと鈍感ね!いつもは人の嫌なところばかり突いてくるくせに!」
執事「え、えーと…」
お嬢様「本の効果はあったのかしら?」
執事「…!」
お嬢様「私はあなたが好きよ、…あなたは?」
執事「は、はい…」
お嬢様「なに?」
執事「お嬢様のことが、好きです…」 - 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:07:01.74 ID:tH627pUIO
- お嬢様「…ふふっ」
執事「…は、ははは」
お嬢様「素晴らしい本ね、感動したわ」
執事「まったく同感です、お嬢様」
お嬢様「そういえば、お父様が私の婚約者を見つけたみたいよ」
執事「おや…めでたいですね」
お嬢様「そうかしら?」
執事「…残念ですが、その婚約、なかったことにさせていただきます」
お嬢様「あなたにできるのかしら?」
執事「やってみせますよ、必ず」
お嬢様「…頼んだわよ、執事」
執事「かしこまりました」 - 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:14:54.19 ID:tH627pUIO
- 【明後日:屋敷・旦那様の部屋】
お嬢様「お帰りなさい、お父様」
執事「お帰りなさいませ、旦那様」
メイド「お帰りなさいませ」
旦那様「うむ」
お嬢様「お父様にお話しがありますの」
旦那様「なんだね」
執事「お嬢様の婚約の件ですが」
旦那様「婚約?」
執事「申し訳ございませんが、婚約は私が認めません」
旦那様「なにを…」
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:17:07.73 ID:tH627pUIO
- 執事「お嬢様は、僕の恋人です」
お嬢様「そういうことなの、お父様」
旦那様「お前たち、なにを言っている」
執事「だから、婚約は…」
旦那様「婚約とは、なんのことだ」
お嬢様「え?」
執事「え?」
旦那様「え?」 - 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:19:25.10 ID:lFoFkQR00
- え?
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:20:03.25 ID:tH627pUIO
- お嬢様「だ、だって、今日は私の婚約者が決まったから帰ってきたんでしょう…?」
旦那様「いや、普通に仕事が一段落ついたから帰ってきただけだが…」
お嬢様「え?」
旦那様「え?」
執事「……メイドさん」
メイド「な、なんですか」プルプル
執事「肩が笑ってますよ」
メイド「うふふ、ごめんなさいお嬢様、執事くん」 - 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:22:51.82 ID:tH627pUIO
- 執事「あんたが黒幕かー!」
メイド「だってー、お嬢様があーんなに悩んでたのに、執事くんたら全然気が付かないんですものー」
お嬢様「なっ」
メイド「お嬢様が可哀想になってきたので、私が一肌脱いだんですよ☆」
メイド「…て、あれ?」
執事「…」
お嬢様「…」
旦那様「…」 - 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:22:55.33 ID:VvZpUde20
- メイドぉぉ
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:26:43.24 ID:tH627pUIO
- お嬢様「なに余計なことしてんのよー!」
旦那様「執事くん!娘を恋人にするとはいい度胸じゃないか!」
執事「い、いや、これはなんというかその」
メイド「え?え?」
旦那様「こうなったら本当に婚約者を連れてくるしか…!」
お嬢様「だ、だめよお父様!」
旦那様「お前がそういうならやめておこう」
執事「軽いな!」
旦那様「なにか言ったか執事くん」
執事「い、いえなにも」ハハハハ - 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:30:50.38 ID:tH627pUIO
- 【そんなこんなで】
執事「お嬢様ー朝ですよー」コンコン ガチャ
お嬢様「…」スースー
執事「お嬢様ーいい加減起きやがってくださーい」ユッサユッサ
お嬢様「うぅん……」
お嬢様「って執事!?」
執事「おはようございます、お嬢様」
お嬢様「お、おおおはよう…」
執事「さ、早く支度をしてください、遅刻しますよ」
お嬢様「ま、待って!」 - 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:34:44.47 ID:tH627pUIO
- 執事「なにか御用ですか?」
お嬢様「そ、その…えっと…」ゴニョゴニョ
執事「早く言ってください」
お嬢様「う、うるさい!…す、好き、って…い、いいなさいよ!」
執事「好きですよ、お嬢様」ニッコリ
お嬢様「っ…!」
執事「さ、早く支度を」
お嬢様「わ、私も好きよ…執事」
執事「はい、お嬢様」
おわり - 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:35:23.86 ID:9h4Q1ZjE0
- 乙
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:37:17.01 ID:tH627pUIO
- 最後まで書けてよかった
付き合ってくれてありがとう
そしておやすみすぐおはよう - 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 03:39:00.34 ID:tH627pUIO
- ついでに
いおりんかわいいよいおりん
だが美希が好き - 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 04:00:14.34 ID:w3rJ4mJf0
- 乙
みんないい夢みろ - 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/07(月) 04:14:48.87 ID:WrzvD1D20
- 乙乙

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