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男「甘い匂いがする…」幼馴染「引っかかったね!」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:09:42 ID:nBHhXFno
男「ぎゃーーーーー!なんじゃこりゃあああああ!」

幼「フフフ、それはね…」

幼「砂糖と間違えて、ハバネロを入れちゃって」

幼「ごまかすために、バニラエッセンスを2瓶入れた」

幼「幼特製、スイートドーナツだよ!」

男「か、辛ぇぇ!死ぬっ!」

男「み、水をくれっ!」




2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:12:08 ID:nBHhXFno
幼「一緒に添えたコーヒーをどうぞ!」

男「ぎゃーーーーーーー!」

男「熱っちぃ!しかも甘っまい!いや、酸っぱい?何だこれ!?」

幼「やっぱりハバネロ食べたら、甘いもの欲しくなると思って」

幼「ハチミツをたっぷり入れておきました!」

幼「しかーし!ハチミツだけだと、味に飽きがくると思ってー」

幼「隠し味に黒酢を入れてみました!」

幼「健康面にも気を配ってみたよ!」

男「隠れてねぇ!酢の味、全然隠れてねぇよ!」

男「口が!口がバカになる!」

男「唾液が止まんねぇ!やべぇ!ちょーやべぇ!!!!」


3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:13:04 ID:nBHhXFno
幼「美味しかった?」

男「俺のあのリアクション見てたらわかるだろうがっ」

幼「ある意味、美味しかったって事だよね?」

男「俺をリアクション芸人みたいな目で見てるのか?コノヤロウ」

男「不味かったよ!」

幼「…」


4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:13:48 ID:nBHhXFno
男「だいたい、スイートドーナツなのに何でハバネロ入れちゃった?」

幼「だから、砂糖と間違えて…ね?」

男「ね?じゃねぇよ!」

男「お前んちの台所では砂糖とハバネロが同じ場所にあるのか?」

幼「まっさかぁ!ハバネロはたまたまテーブルの上にあったんだよ」

男「ハバネロってたまたまある物か?」


5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:14:31 ID:nBHhXFno
男「そしてハバネロごまかすためにバニラエッセンスって!」

男「しかも2瓶って!どんだけ入れてんだよ!」

男「そりゃ甘い匂いがするわけだよ!」

男「だけど味は何一つごまかせてなかったよ!」

男「それにあの見た目…」

男「あの赤いの、ストロベリーにしては、随分赤いなとは思ったんだよ」


6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:15:54 ID:nBHhXFno
幼「見た目を重視してみた結果でした!」

幼「美味く出来てたでしょ?」

男「上手くは出来てたよ!けど美味くはなかったよ!」

男「くっ…俺がミスドのストロベリーが大好物なのを知っての犯行だな?」

幼「犯行って何よ!」

幼「私が作ったドーナツを、男が勝手に食べたからこうなったんでしょ?」

男「いいや、お前はさっき確かにこう言った…」

男「引っかかったね!と!」

幼「言ってないし!」


7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:16:54 ID:nBHhXFno
男「いいや、言ったね!絶対言った!」

幼「ふん、もうイイよ。男、さっさと帰って!」

男「あぁ、帰るさ!」

男「そっちから呼んどいて何だこの仕打ち!」








幼「…上手くいかなかったな…」

幼「せっかく手作りスウィーツで男の心をガッチリキャッチ!と思ったのに…」

幼「美味しいのになー。激辛ドーナツと」

幼「甘酸っぱいコーヒー」


8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:17:49 ID:nBHhXFno
幼「おっとっこっくーん、おっはよー!」

男「おう、おはよう幼」

幼「何か、口の周りが赤く腫れてるみたいだけど、大丈夫?」

男「…俺が寛大な心の持ち主で良かったな、幼」


9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:18:48 ID:nBHhXFno
幼「フフフ。そんな物騒な事を言っていられるのも」

幼「…今のうちだけだよ!」

男「ん?何かあるのか?」

幼「ふふふー。まだナイショ!」

幼「ただ一つ言えるのは…」

幼「お昼休みをお楽しみにって事かな?」

男「…イヤな予感がしやがるぜ…」


10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:19:40 ID:nBHhXFno
幼「男、ご飯食べよう!」

男「おう。ちょっと購買行ってくるわ。待ってて…」

幼「チッチッチ。これを見てよ!」

男「弁当箱だな。しかも2つ」

幼「男の分も、作ってきましたー!」

男「幼、昨日のあの仕打ちの後で…」

男「俺がソレを食べると思うか?」


11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:20:30 ID:nBHhXFno
幼「大丈夫だよー」

幼「中身は普通なんだよー」

幼「ドヤッ」

男「口でドヤッて言うな」

男「…でも何か見た目は美味しそうだな?」

幼「へへー。実はほとんど冷凍食品なんだー」

幼「凍ったままで入れておいて、お昼頃に食べやすくなってるやつ!」


12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:21:20 ID:nBHhXFno
幼「だから、安心して食べられるよ!」

男「むぅ。そう言うなら、何か一つ食べてみろ」

幼「疑り深いなぁ、男は」

幼「じゃあ、とりあえずいただきまーす」

幼「まずは鶏の唐揚げからー」

幼「…うん、美味しい!」

幼「次はーご飯ー」

幼「唐揚げとご飯!最強の組み合わせだね!」


13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:22:14 ID:nBHhXFno
男「わかった。そのお弁当、頂こう」

幼「はーい。どうぞどうぞどうぞー」

男「若干引っかかる勧め方だな…まあ良いか」

男「お!俺の好きなジャガバターが入ってるな!」

男「パクっとな!」

幼「引っかかったね!」

男「ぎゃーーーーーーーーー!」


14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:23:00 ID:nBHhXFno
男「なんじゃこりゃあああああああああ!」

幼「そのおかずだけ、私が作りました!」

幼「美味しい?」

男「何だこの甘さ…これまさか!」

幼「そう、ハチミツと黒酢で味付けしました!」

男「なんでジャガバターにハチミツと黒酢いれちゃった?」

幼「素敵な隠し味?」

男「隠れてねぇよ!ジャガイモの味が隠れちゃったよ!」


15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:24:20 ID:nBHhXFno
男「ご、ご飯で流し込まないと…」

男「って、なんじゃこのご飯!」

幼「酢飯です!」

男「また酢かよ!どんだけ酢が好きなんだよ!」

幼「あ、酢が好きって!」

幼「今ちょっとドヤ顔したでしょ!まったく男ったら!」

男「してねぇよ!お前が今してんのがドヤ顔ってんだ!」

男「ぐぁぁぁ、やるせねぇ!この気持ちどうすればいいんだ!」


16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:25:01 ID:nBHhXFno
幼「じゃあこの水筒の中の…」

男「いや、いい!結構だ!購買行ってくる!」

幼「ちょっと待ってよ!中身は普通にお味噌汁だよ!」

男「お茶とかじゃないんだ?お味噌汁なんだ?」

幼「絶対に飲みたくなると思って!」

男「あぁ、飲みたいけど…普通の味なんだろうな?」

幼「あさげが入ってまーす」


17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:25:53 ID:nBHhXFno
男「お前、一口飲んでみろ?」

幼「はいはーい」

幼「ゴクゴク…っと」

幼「美味しぃ~」

男「それじゃあ、俺にも一杯下さい」

幼「あいよっ!味噌汁一丁!」

男「クンクン…匂いは普通…だな?」

幼「疑り深いなぁ…」

男「ゴクッ」

男「ぎゃーーーーーーー」


18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:26:40 ID:nBHhXFno
幼「はい!またまたオーバーリアクション頂きました!」

男「こ、これは何だ、幼。どんなトリックを使ったんだ?」

男「何故お前はこれを、普通に飲めたんだ…」

幼「私、甘い味噌汁好きなんだー」

幼「あさげにメープルシロップを入れてあるよ!」

幼「甘い匂いが出るか出ないか、ギリギリの所まで入れるのがミソだね!」

幼「ミソ汁だけにね!」

男「」

男「…長い付き合いだが、初めて知った驚愕の事実」

男「出来れば、今、知りたくは無かった…」


19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:27:32 ID:nBHhXFno
幼(はぁ…また失敗しちゃったか…)

幼(長いこと一緒にいるけど)

幼(去年までは給食だったもんね…)

幼(食の好みは解らないか…)

幼(でも…不味い不味い言いながらも)

幼(男は結局全部食べてくれたし…)

幼(頑張ろう!)


20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:28:36 ID:nBHhXFno
幼「男!またお弁当作ってきたよ!」

男「おう…ありがとうよ、幼」

幼「そんな死にそうな顔しないでよ!」

幼「今日のは自信作だよ!」

男「その自信の源はどこにあるんだ?」

幼「お母さんも美味しいって言ってくれた!」


21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:29:33 ID:nBHhXFno
男「…頂こう」

幼「じゃーーーん!」

男「昨日と同じで、見た目は普通だな…」

幼「ふっふっふー。今日の自信の1品は…これだー!」

男「ん?酢の物?」

幼「そうだよ!コレ超美味しいよ!」

男「まぁ、酢の物なんだな?」


22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:30:13 ID:nBHhXFno
男「酢で和えた物なんだな?」

幼「そうだよ!絶対外れのないウチのおふくろの味だよ!」

男「…何か、フリに聞こえるんだけど…」

男「食べて見るか…」

男「パクッ…と…」

幼「引っかかったね!」

男「ぎゃーーーーーーー!」


23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:31:08 ID:nBHhXFno
男「苦っ!なんじゃこりゃ?」

幼「この緑の物はキュウリじゃなくて…ゴーヤーだよ!」

男「おぉう…ゴーヤーか…そうか…苦っ!」

男「ゴーヤーチャンプルーは食べた事あるけど」

男「ここまで苦く無かった…」

幼「ゴーヤーはね、生で食べると、苦いんだよ!」

男「おぉう…今、身をもって体験中だよ…」

男「新感覚。苦酸っぱい」


25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:32:02 ID:nBHhXFno
幼「ドヤッ!」

男「ねぇ、俺のリアクションで、わかるでしょ?」

男「ドヤ顔されても困るんだぜ?」

幼「じ、じゃあ、この水筒の…」

男「また甘い味噌汁か?」

幼「いやいやいやー。昨日あれだけ言われたんだから」

幼「もちろん中身は変えてありますよー」


26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:32:53 ID:nBHhXFno
男「カブセてくるボケに聞こえるんだけど…」

男「何が入ってるの?」

幼「お茶だよ、お茶」

男「それは普通のお茶か?」

幼「普通のお茶だよ!」

幼「テレビでも紹介された、有名なお茶なんだよ!」

幼「ちょっと高いんだから!」

男「おぅ」


27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:33:41 ID:nBHhXFno
幼「それじゃ、私が先に飲んでみるから!」

幼「ゴクゴク…っと」

幼「ぷはーーー。冷えてて美味しい!」

男「俺にも一杯、下さい…」

幼「はーい。どうぞどうぞどうぞー!」

男「ゴクッ…」

男「ぎゃーーーーーーー!」


28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:34:26 ID:nBHhXFno
男「苦い!ただただ苦い!がーーーーー!苦いっ!」

男「何だこれ、罰ゲームかよ!?」

幼「お、男君。良い質問ですねえ」

幼「これはテレビ番組では、主に罰ゲームに使われるお茶です」

幼「でも、健康にはとっても良いんだよ!」


29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:34:29 ID:zZnJlcT2
幼馴染ウザすぎだろこれ
支援


31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:35:07 ID:nBHhXFno
男「ば、罰ゲームで使われてる物を…」

男「芸人でもない、俺に飲ませるとは…な…」

男「」

幼「えっ、男?」

幼「気絶するくらい、苦かったの?」

幼「しっかりして!男!」


33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:35:46 ID:nBHhXFno
幼(今日のお弁当も失敗…)

幼(ウチの親は美味しいって言ってくれたけど…)

幼(やっぱり、私の家族は全員味覚がおかしいんだ…)

幼(男のリアクションが面白いから、良いかなって思ったけど…)

幼(男の口に合わなきゃ意味ない!)

幼(こうなったら…)


34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:36:24 ID:nBHhXFno
幼「おばさん、こんにちは!」

男母「あら、幼ちゃん。急にどうしたの?」

男母「男なら友達と遊びにって行っちゃったわよ?」

幼「知ってて来ました!」

男母「どうしたの?」

幼「私に料理を教えて下さい!」

男母「え?料理?良いけど…理由聞いて良い?」


35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:37:09 ID:nBHhXFno
幼「男君に、美味しいって言ってもらいたいからです!」

男母「あらあら。あの唐変木にねぇ」

幼「実は何度か作って、食べて貰ったんですけど…」

幼「男君には合わないみたいで…」

幼「それで、おばさんに、おふくろの味を教えて欲しいんです!」

男母「わかったわ、幼ちゃん!協力しましょう!」

幼「ありがとうございます!頑張ります!」


36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:38:02 ID:nBHhXFno
男母「…で」

幼「…はい」

男母「何で最後にデスソース入れちゃったの?」

幼「隠し味?」

男母「隠れてないからね、幼ちゃん?」

男母「すっごく辛いハンバーグになっちゃったからね?」

幼「うぅ…」


37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:38:48 ID:nBHhXFno
男母「それにしても…」

男母「幼ちゃんの家って、激辛・激甘な物ばっかり食べてるの?」

幼「…はい。基本的には家族全員激辛党です…」

幼「あと。酸っぱい物と苦い物も大好きです」

男母「これは料理の基本から教えないとダメね」

幼「お、お願いします!頑張ります!」


38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:39:39 ID:nBHhXFno
幼「男、お昼食べよ!」

男「おう、じゃあ今日も購買行くか!」

幼「今日はねぇ…久しぶりに作ってきたんだけど…」

幼「食べてくれる?」

男「また辛かったり、酸っぱかったり」

男「苦かったりするんだろう?」

幼「ふふふー。それは食べてのお楽しみ!」


39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:40:36 ID:nBHhXFno
男「それはまたしても、フリだな?フリなんだな?」

男「俺はお笑い芸人じゃないんだからねっ!?」

幼「あっ、ツンデレ?ツンデレ男ちゃん、可愛い!」

男「ツンデレちゃうわ!」

男「…とにかく」

男「食材を無駄にする訳にはいかないからな!」


40 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:41:16 ID:nBHhXFno
男「頂きます!」

幼「そんな決意に溢れた瞳で見られても」

幼「照れちゃうよ!」

男「重大な決意が必要なんだよ、幼の手料理は!」

幼「…良いから食べてみて!」

男「おう、相変わらず、見た目は普通だな…」

幼「さぁ、食べてみて…」

男「パクッ…」


41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:42:06 ID:nBHhXFno
幼「…」

男「こ、これは…」

幼「これは?」

男「辛すぎず、甘すぎず、酸っぱすぎず、苦すぎない」

男「普通のジャガバターだ!」

幼「!」

男「普通に美味しいぞ、幼!」


42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:42:57 ID:nBHhXFno
幼「えー、そこはもっとグイグイとー」

幼「いつものオーバーリアクションしてくれないとー」

男「素直に喜べよ、美味しいって褒めてるんだぞ?」

幼「うるさいわねっ!照れ隠しよっ!」

幼「察しなさいよっ!馬鹿っ!」

男「ハハハ。ツンデレキャラ向いてないな、幼」


43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:43:44 ID:nBHhXFno
幼「それじゃ、私も食べようかなー」

男「うん、ホントどうしたんだコレ」

幼「フフフ。厳しい修業に耐え、会得したんだよ!」

男「おう、よくわかんないけど頑張ったんだな!えらい!」

ナデナデ

幼「!!」

幼「そ、そんな子供じゃないんだから!」

幼「頭なでられたくらいで、喜んだりしないんだからねっ!」

男「やっぱりツンデレ向いてないな、幼。ハハハ」


44 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:44:30 ID:nBHhXFno
2年後…


男「幼、進路志望どこの大学にしたんだ?」

幼「私?私、進学はするけど大学じゃないよー」

男「え?幼、成績良いだろ?大学進学じゃないの?」

幼「うん。やりたい事あるからねー。専門学校に行くんだー」

幼「男は近くの大学だよね?おばさんから聞いたよー」

幼「頑張ってね!応援するから!」

男「お、おう、頑張るさ!」

男「で、幼のやりたい事って何だ?」

幼「んー。まだ内緒っ!」

男(気になる…)


45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:45:41 ID:nBHhXFno
さらに数ヶ月後…

男「今日でこの校舎ともお別れかー」

幼「卒業かー。感慨深いよねー」

男「で、結局今日まで内緒にしていた」

男「お前の進路はどこなんだ?」

幼「えへへー。実はねー」

幼「料理の専門学校に行くんだー」


46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:46:23 ID:nBHhXFno
男「…遠いのか?」

幼「全然。ほら、駅前にあるじゃん、専門学校」

男「あぁ、あそこか…」

幼「私が遠くに行っちゃうと思った?」

男「…正直、ドキドキだった」

幼「お?素直モードな男は久しぶりだねっ!」

男「俺はいつでも素直だが?」

幼「フフフー。普段はツンデレだよ、ツンデレ!」


47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:47:32 ID:nBHhXFno
男「料理の専門学校行って、何がしたいんだ?」

幼「んー?」

男「やりたい事があるから、大学じゃなくて専門行くんだろ?」

男「やりたい事って何だ?」

幼「んー」

男「答えたくなければ、答えなくても良いよ」


48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:48:20 ID:nBHhXFno
幼「私ねー」

幼「3年前は料理下手だったよねぇ」

男「あぁ、正直酷いモンだったな」

幼「あはは、正直だねぇ」

幼「一番最初に、食べてもらったドーナツ」

幼「不味いって言われて、実はショックだったんだー」

幼「好きな人の為に作ったのに、不味いって言われてねー」

男「えっ?」


49 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:49:13 ID:nBHhXFno
幼「だからねー」

幼「『この人に絶対美味しいって言ってもらいたい』って」

幼「そう思ったんだよねぇ」

男「…」

幼「実はおばさんに弟子入りしてるんだよ?」

男「え?ウチの母ちゃん?マジで?」

幼「マジだよー。ずっと習ってたんだよー」

男「なるほど、俺の口に合う味になってきたと思ったら」

男「そうだったんだな…」


50 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:50:01 ID:nBHhXFno
幼「それでね、男」

幼「私、好きな人に、もっともっと美味しい物を食べてもらいたいの」

男「!」

幼「鈍感でツンデレな男でも、ここまで言えばわかるよね?」

男「…」


51 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:50:46 ID:nBHhXFno
幼「私、男の事が大好きなの」

幼「大好きな人に、大好きな男に」

幼「美味しいよって言ってもらいたいの」

幼「そしてたまに頭を撫でたりしてほしいの」

幼「それが私がやりたい事なのでした!」

幼「この夢は叶うかな?どう思う?男」


52 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:51:32 ID:nBHhXFno
男「あぁ、叶うよ。絶対叶う」

男「俺も幼の事がずっと好きだった」

幼「本当に?」

男「俺さ…」

幼「うん」

男「ちょっと気が早いけどさ」

男「大学卒業してさ」

男「就職するだろ」

幼「うん」


53 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:52:12 ID:nBHhXFno
男「家に帰って来たときにさ」

男「美味しいご飯を用意してくれる人がいたらさ」

男「凄く嬉しいと思うんだ」

男「それが、幼。お前だったら、最高に嬉しいと思うんだ」

幼「…うん」


54 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:52:53 ID:nBHhXFno
男「俺、頑張るから」

男「幼を嫁に貰えるように、頑張るから」

男「それまで待っててくれるか?」

幼「うん。料理の腕を磨いて」

幼「ずっと待ってるよ!」

男「大好きだ、幼」

幼「私も、大好きだよ、男!」


55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:53:32 ID:nBHhXFno
男「甘い匂いがする」

男「お?ドーナツ?」

男「一口大で、食べやすそうだな」

男「幼は…出かけてるのかな?」

男「…食べていいかな?いいよな?」

男「パクッ!」

幼「引っかかったね!」


56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 21:54:14 ID:nBHhXFno
男「ぎゃーーーーー!なんじゃこりゃあああああ!」

幼「フフフ。懐かしいでしょ?」

幼「10年ぶりに、作ってみたんだ!」

幼「激辛ドーナツ!」

幼「ある意味、美味しいでしょ?」

男「だから俺はリアクション芸人じゃねーんだよ!」

男「たまにこういう事するの止めろ!」

幼「いいじゃん、たまには男のナイスリアクションを見たくなるんだよ!」

男「…」

幼「…惚れた弱みだ、仕方ねぇか」

男「当たってるけど、お前が言うなよ!」



おわり


60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 22:26:54 ID:Azu6mQos
Oh・・・
不覚にも感動。


61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/12(火) 22:33:14 ID:6G6TknPM
乙!
笑わせてもらった


64 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/13(水) 01:35:56 ID:EgWICid2
乙!面白かったよ





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