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岡部「しっかりまゆしぃ……だと……」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:17:28.98 ID:SCf4LcTl0
- ダル「おーっす、オカリン」
岡部「なんだダルか、今日はやけに早いな」
ダル「そりゃ昨日は来れなかったしさ、積んでるゲームを消化したい件」
岡部「まあ何にせよ、ラボに早く来るのは結構なことだ、ラボメンとしての自覚がでてきたようだな」
ダル「いや、そういうわけじゃないけど……」
岡部「フッ……流石はマイ・フェイバリット・ライトアーム、貴様をラボメンに選んだ俺の目に狂いはなかったようだな」
ダル「……あーもう、それでいいです」
岡部「さーて、今日もはりきって未来ガジェットの開発を始めるぞ、ダルよ」
ダル「相変わらずオカリンが人の話を聞かない件」
岡部「ん、何か言ったか?」
ダル「別にー」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:18:19.55 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「ハロー……ってなんだ、岡部と橋田しか居ないのか」
岡部「フッフッフ……何を言う助手よ、このラボは鳳凰院凶真の唯一にして無二の聖地」
岡部「言わば!戦士たちの集うヴァルハラにも値するメッカであるのだ!」
岡部「この俺が!そのような場所から離れる筈がないだろう?」
紅莉栖「……北欧神話と色々混ざってる件について」
ダル「最早手遅れだと思われ」 - 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:19:07.86 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「それにしても、今日はやけにテンションが高いわね、悪いモノでも食べたのかしら?」
ダル「オカリンがテンション高いのはいつものコトでしょ、むしろ平常運転だお」
紅莉栖「……アンタも大変ね、橋田」
橋田「それは言わない約束だお、牧瀬氏」
岡部「くぉらぁ!そこぉ!私語は慎むぅ!この鳳凰院凶真の有り難き御高説をだなぁ……」
紅・ダ「「お断りします」」
岡部「…………むぅ……」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:20:14.23 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「みんなートゥットゥルー♪」
紅莉栖「あら、まゆりにしては早いわね、まだ11時前よ」
まゆり「えへへーまゆしぃは早起きのできるしっかり者なのです」
紅莉栖「そうね、だったら次は早寝を目指すと良いわ」
紅莉栖「早く寝ることにより成長ホルモンが促進されて(ry」
岡部「……長くなりそうだな、ダルよ」
ダル「全くだお、しかも牧瀬氏、語ってる割に効果の程が……」
岡部「ふっ、いくら天才少女といえど、神の領域までは犯せぬようだな」
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:23:18.92 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「……む、まゆりよ、右手に握っているスーパー袋には何が入っているのだ?」
岡部「ああ答えずとも良い、語るに及ばず、と言うやつだな」
岡部「きっとそこには、我が喉の渇きを潤す、ドクターペッパーが入っているのだろう?」
岡部「クックック、流石人質だ……俺の考えをよぅく理解している」
まゆり「オカリンすごいねー、はいっ、注文どおり、ドクターペッパーだよ」
岡部「…………ほへ?」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:26:41.07 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「あっ、ダル君にはダイエットコーラの方が良かったんだよね?」
ダル「うひょー!キンキンに冷えたダイエットコーラキター!まゆ氏、超気が利くお!」
まゆり「紅莉栖ちゃんにもドクターペッパーあるよーはい、どうぞっ」
紅莉栖「あ、ありがとう……確かに気が利くわね、まゆり」
まゆり「えへへーまゆしぃは褒めてもらって、嬉しいのです」 - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:29:28.97 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「……うぉっほん、気を良くしているのは構わないがまゆりよ」
岡部「ひょっとして貴様、自分の買い物を忘れてる……ということはあるまいな?」
まゆり「そんなことないよーまゆしぃのは、ジューシーから揚げナンバーワンなのです」
岡部「クックック……ハーッハッハ!つぅいにボロが出たな!まゆりよ!」
まゆり「ほぇ?」
ダル「んっ……ぷはぁ、どうしたんだお、オカリン?」 - 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:34:07.32 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「ダルよ、我がラボの唯一無二の電子レンジはどうなっている?」
ダル「電話レンジ(仮)としてDメールを送るのに役立ってるお」
岡部「つまり助手よ、電子レンジは今、使えるか?」
紅莉栖「使えるわけ無いでしょうが、扉も外しちゃったし」
岡部「聞いたか、まゆりよ、つまり今!そのジューシーから揚げナンバーワンを食す方法は無いのだ!」
まゆり「うん、知ってるよー」
岡部「…………はへ?」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:40:43.44 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「だからね、まゆしぃは、下のブラウンさんの電子レンジを借りようと思うのです」
岡部「な、何を血迷ったことを!あの偏屈ブラウン管マニアが、ブラウン管以外の電化製品を家においているわけないだろう!」
岡部「それにだな……奴のことだ、きっと、一端使ったからには莫大な請求を……!!」
岡部「嗚呼!その借金のカタに我が助手は!ブラウン管工房で働かされるのだ……!!」
岡部「バイト戦士の下っ端身分、バイト二等兵として!」
紅莉栖「誰が二等兵だ、誰が、そんな阿呆なことせんわ」 - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 17:50:33.80 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「大丈夫だよーまゆしぃ、昨日の内にブラウンさんに電子レンジ使わせてってお願いしていたのです」
まゆり「ブラウンさんの電子レンジおっきいんだよー、一度に沢山、ジューシーから揚げナンバーワンが作れるのです」
ダル「まゆ氏、そのおっきいんだよって、もっかいお願い」
紅莉栖「やめんか、このHENTAI!」
まゆり「だからまゆしぃは、ラボメンみんなで食べれるよう、いーっぱい買ってきたんだよ」
岡部「…………そ、そうであったか……なら良いんだ……なら」
まゆり「あっ、オカリン、鈴さんが呼んでるから作ってくるねー」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:00:16.75 ID:SCf4LcTl0
- ダル「はー、今日のまゆ氏は何だか頼りがいがあるお」
岡部「……おい、ダル、助手、変だとは思わんか?」
ダル「変って何が?」
岡部「まゆりのことだ、まゆりの」
ダル「いつも通りのまゆ氏だと思われ」
岡部「ちっ、がーう!!いつもより明らかにしっかりしていただろう!」
岡部「いつもは、もっと、ほら、こう……危なっかしい、というか、抜けているというか」
岡部「うっかりキャラであっただろうが!」
紅莉栖「……酷い言い方ね、アンタ、まゆりのこと、そんな風に見てたんだ」
岡部「ぐっ…………」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:06:08.92 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「まぁ、言い方は悪いけど、アンタの言ってること、そう間違いじゃないと思うわ」
紅莉栖「まゆりにしては準備周到というか、抜け目が無いというか……」
ダル「つまりはしっかりしてるって事ですね、分かります」
岡部「ほっ、ほら!俺の言った通りであろう!」
紅莉栖「……否定はしないけど、でも……まゆりって、そう頭が悪いってわけじゃないでしょう?」
ダル「確かに普段はうっかりしてるし天然だけど、頭が悪いとは違うと思われ」
紅莉栖「そう、その辺りが改善されてるのよ」
岡部「何か、漫画のキャラに影響されたとか、そんな感じか?」
紅莉栖「さあね、詳しいコトは分からないわ」
紅莉栖「ただ、ある種大人になったってことでしょうね」
岡部「……み、認めんぞ!まだ、まゆりはうっかり屋さんの女子高生なのだ!」
紅莉栖「うっかりしてると、知らない間にすっかり大人になってるわよ」
紅莉栖「あっ!良い機会だからアンタも中二病卒業しちゃいなさいよ!」
岡部「ばっ、馬鹿な事を言うな!俺は決して中二病なんかではない!」
紅・ダ「「お前が言うな」」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:11:47.87 ID:SCf4LcTl0
- 岡部(……それにしても、まゆりも大人になったとは……信じられんな)
岡部(別に見た目が変わった、とか、そういうわけではないのだが……)
まゆり「……?どーしたの、オカリン?何か用?」
岡部「ああ、いや、別にそういうわけではないのだ、特に用は無い」
岡部「……ところで、まゆりに紅莉栖、二人して何をしてるのだ?」
まゆり「紅莉栖ちゃんにお勉強教えてもらってるんだよー」
まゆり「夏休み明けのテストに備えて勉強しないといけないのです」
紅莉栖「良い心がけよ、まゆり、計画的に勉強をするって、凄くいい事なんだから」
紅莉栖「まっ、どこかの誰かさんは、いつもぐーたらに過ごしてるし」
紅莉栖「気づいたら単位が足りない!しまった、卒業できない!……なーんてコト、無い様にね?」
岡部「うむ、その通りだぞ、ダル」
ダル「どう見てもオカリンのコトです、本当に有難うございました」
まゆり「オカリンも、お勉強はしっかりしないといけないよー」
まゆり「オカリンはーやれば出来る子なんだから、まゆしぃはそう信じてるのです」
岡部「まゆり…………」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:17:59.56 ID:SCf4LcTl0
- ダル「……遠まわしに今は勉強できてないって言ってる件」
紅莉栖「確信犯なのか、そうでないのか、非常に判断が下しづらいわね」
まゆり「あっ、そろそろバイトの時間だからまゆしぃ行くね、じゃぁみんなまた後でー」
ダル「やっぱり今日のまゆ氏はしっかりしてるお」
紅莉栖「ほら、私の言った通りよ、きっと大人になったんだわ」
岡部「…………」
紅莉栖「あら、どうしたの岡部、さっきから考え込んでるみたいだけど」
ダル「珍しく頭を働かせてるお」
岡部「決めたぞぉ!助手、ダル、今からメイクイーン☆ニャンニャンに乗り込む!」
紅莉栖「…………はぁ?」
ダル「オカリーン、相変わらず思いつきで喋りすぎだお」
岡部「いいや、先ほどのまゆりの様子は明らかにおかしい、おかしすぎるのだ」
岡部「ひょっとすると、いいや、ひょっとしなくても、バイト先では十中八九普段のようなうっかり屋さんだ!」
岡部「それを確かめにいくのだ、分かるな、二人とも」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:23:04.13 ID:SCf4LcTl0
- ダル「全然分からない件」
紅莉栖「……いえ、一利あるわ、バイト先のまゆりの様子も気になるし」
紅莉栖「まゆりが本当に成長したのかどうか、仕事姿を見れば一発よ」
岡部「クックック……我ながら悪魔的奇策、神の一手とはこのことを言うのだな……」
ダル「いずれにしてもさ、まゆ氏はさっきラボを出てったんだから」
ダル「あと1時間や2時間ぐらいは後の方が良いんじゃね?」
紅莉栖「私も橋田の意見に賛成よ、そうね、お昼時が過ぎた2時辺りが良いんじゃない?」
岡部「……それもそうか、よし、各員戦闘態勢を維持したまま休息につくがよい」
紅莉栖「……どう思う、橋田?岡部のこと」
ダル「完全にそわそわしてると思われ、まー心配してるんでしょ」
紅莉栖「私もそう思うわ、岡部ったら、まゆりのこと、全部分かったつもりだったし」
ダル「うんうん、まあ仕方ないんじゃね?オカリン、ああ見えてまゆ氏のコト大切にしてるお」
紅莉栖「分かってるけど……まゆりももう、子供じゃないってホントに分かってるのかしら」
ダル「難しい所だお、もしもの時は牧瀬氏が慰めたら良いんじゃね?」
紅莉栖「!!ちょ、なに変なこと言い出してるのよ!橋田!それにそのハァハァ言うのやめい!」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:30:02.79 ID:SCf4LcTl0
- フェイリス「ニャニャーン!あっ!凶真ぁ!フェイリスに会いにきてくれたのかニャ?」
フェイリス「フェイリスは嬉しいのニャ!凶真の愛をビンビンと感じるのニャ!」
フェイリス「でも、フェイリスには前世から定められた許婚がいるのニャ……」
フェイリス「ホントは、ホントはフェイリスも凶真の愛に答えたいのニャ」
フェイリス「だけど!フェイリスは――――」
岡部「ストーップ!!ストップだフェイリス、流石に長い、長すぎるぞ!」
紅莉栖「ところでまゆりはどこかしら、厨房の奥とか?」
ダル「んー、見渡した限りだと見つからな……おっ」
まゆり「あーオカリンに紅莉栖ちゃん、ダルくんも、みんなートゥットゥルー」
岡部「良い所に居た、まゆりもこっちに来て付き合ってくれないか?」
まゆり「あー……ゴメンね、オカリン、まだこっちの用事、終わってないんだー」
まゆり「だから先に用事を済ませてからにするね」
紅莉栖「あ、急がなくても良いのよ、お仕事の方が大切だから」
まゆり「うん、分かったよ、有難う、紅莉栖ちゃん」
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:37:01.42 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「時にフェイリスよ」
フェイリス「ニャ?」
岡部「……まゆりの様子はどうだ?バイトに来てから、おかしな様子とか無かったか?」
岡部「何か、思い悩んでるとか、ため息ばかりついていた、とか」
ダル「必死だお、オカリン」
紅莉栖「そんなにまゆりが大切なんですね、分かります」
ダル「……牧瀬氏、少し怒ってる?」
紅莉栖「ばっ!そ、そんな!怒ってなんかないわよ!」
フェイリス「ニャー……確かに、まゆしぃの様子はちょっとおかしかったニャ」
岡部「何!本当か!一体どうだったんだ!!」
フェイリス「ニャニャ!そんなに揺らされると目が回るニャ~!!」
岡部「っ……あ、ああ、すまない……それで、どう、おかしかったんだ?」
フェイリス「まゆしぃ……実は、今日メイクイーンに来てから……一度も……」
フェイリス「ドジなことをしてないのニャ!」
岡部「……はへ?」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:42:10.63 ID:SCf4LcTl0
- フェイリス「いつものまゆしぃだったら、お客さんの注文を間違えたり」
フェイリス「お皿洗いの途中でお皿を割ってしまったり」
フェイリス「挙句の果てには、お客さんにジュースをかけちゃったりしてるのニャ!」
フェイリス「それが今日は一回もないのニャ!異常だニャ!」
岡部「……ひょっとして、そんなことを、普段のまゆりはしているのか……?」
フェイリス「ニャッニャニャーン」
紅莉栖「フェイリスさんも大変ね……」
フェイリス「でも、一部のお客さん達からはそういうまゆしぃのドジも人気があったニャ」
ダル「可愛い天然は希少価値だお、まゆ氏レベルともなるとそうそういないお」
紅莉栖「確かに、まゆりのドジは腹が立つ、って感じじゃないわね」
フェイリス「フェイリスとしては嬉しかったり、寂しかったり、複雑なのニャ」
岡部「ふぅんむ…………」
ダル「取りあえず、仕事先の様子も分かったし、今日はもう良いんじゃね?」
岡部「それもそうか……フェイリス、まゆりに宜しく伝えてくれ」
フェイリス「分かったのニャ、凶真!また来るニャー!」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:47:28.62 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
ダル「ふひぃー今日も疲れたお、ゲームしてるとあっという間に時間がくるお」
紅莉栖「そうね、そろそろ終電の時間よ、まゆりも、帰らなくて良いの?」
まゆり「あ、そうだねーじゃあ、まゆしぃもそろそろお帰りするのです」
岡部「あ……っと、ほら、まゆり、家まで送ってやろう」
まゆり「有難うオカリン、やっぱりオカリンは優しいねー」
岡部「ふ、ふん、人質の管理も、マッド・サイエンティストとして必要なことなのだ」
まゆり「えへへーじゃぁ人質のまゆしぃも、大人しくオカリンとお帰りするのです」
紅莉栖「じゃあね、まゆり、また明日ー」
まゆり「うん、紅莉栖ちゃん、ばいばーい」 - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 18:54:14.04 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「終電に間に合ってよかったな」
まゆり「紅莉栖ちゃんの言うとおりだったのです」
岡部「やっぱりこの時間にもなると、電車は空いてるな」
まゆり「そうだねーお客さんも殆どいないのです」
岡部「……あんまり遅くに帰ると親御さんも心配するんじゃないか?」
まゆり「大丈夫だよーオカリンの所だったら安心ってお母さんも言ってくれたのです」
岡部「そ、そうか…………」
岡部「あ、まゆり、その、なんだ、眠かったら、寝ても良いんだぞ?」
まゆり「ううん、大丈夫、まゆしぃはバッチリと起きていられるのです」
岡部「……ふむ……分かった……」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:00:23.94 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「………………」
岡部「………………ハッ!しまった!いつの間にか寝てしまっていた!」
岡部「おい!まゆり!うかうかしていると、降りる駅を乗りすご……はへ?」
まゆり「あっ、オカリン、おはよーもうそろそろ降りる駅だよ?」
岡部「あ、そ、そうか……起きていたのか、流石だな……って」
岡部「のわっ!!すまん!いつの間にかまゆりにもたれかかっていたみたいだ!」
まゆり「えへへー良いよーオカリン、ぐっすり眠ってたんだよー」
まゆり「オカリンの寝顔、直ぐそこだったから、まゆしぃちょっとドキドキしちゃったのです」
岡部「くっ……ぐぅ……むぅ……すまんな……」
まゆり「いつもはまゆしぃがお眠りさんだから、たまには良いのです」
岡部「…………むぅ」 - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:05:45.38 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
「…………リン……カリン……」
岡部「…………んっ……ふぅ……」
「オカリ……オカ…………」
岡部「むにゃむにゃ…………んぅ……なんだぁ……」
「朝だよ、起きて、オカリン」
岡部「…………はへ?」
まゆり「だから、朝だよ、早く起きて、オカリン」
岡部「…………!!ま、まゆり!どうしてここに!?」
まゆり「えへへーいっつも、オカリン、夜更かしして朝寝坊さんだから」
まゆり「たまにはまゆしぃが起こしてあげて、面倒を見てあげるのです」 - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:11:26.54 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「いやいや!扉は?どうやって開けたのだ!?」
岡部「ハッ!まさかまゆり……ドアノブを引きちぎって……!!」
まゆり「もーオカリンってば、まゆしぃはそんなことできないのです」
まゆり「ドア、開いてたよ?きっとオカリン、ドアも閉めずに寝ちゃったのです」
岡部「そ、そうであったか……確かに、閉めた記憶もない……」
まゆり「オカリン、そんなことしてたら、また倒れちゃうよ?」
岡部「フッフッフ……この狂気のマッド・サイエンティスト、鳳凰院凶真は!、いついかなる時も……」
まゆり「あっ、オカリン、朝ごはんできてるよ、一緒に食べよ?」
岡部「いついかなる時もー……はい、いただきます」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:18:35.21 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「むっ……これは……純和風と言うか、中々凝った朝ごはんだな……」
まゆり「オカリン、昔っから朝はご飯って言ってたのです」
岡部「良く覚えているなまゆり、感心感心」
まゆり「えへへー、あっ、冷める前に食べちゃお、オカリン」
岡部「そうだな……では、まず、この味噌汁から……」
岡部「むっ……これは……っ!!……美味い、非常に美味い……!!」
まゆり「まゆしぃ、オカリンの為に、精一杯頑張って作ったんだよー」
岡部「これも美味いな!まゆりは良い奥さんになれるぞ!きっと」
まゆり「ふぇぇ……オカリンに、そう言ってもらえると、何だか、とっても嬉しいなー」
岡部「こんなことで良ければいくらでも言ってやるぞ、有難う、まゆり」
まゆり「ううん、どういたしまして、オカリン」 - 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:23:11.16 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「ささ、オカリン、まゆしぃのお膝の上にごろんって転がって」
岡部「ちょーっと待ったぁ!確かに俺は梳くのは許可したが、それはオカシイのではないか!?」
まゆり「そんなことないよーオカリンは身長も高いから、まゆしぃのお手手が届かないのです」
岡部「……そういうものなのか」
まゆり「そういうものなのです」
岡部「なら……っしょ、これで良いか……?」
岡部(……ってこれは所謂膝枕、という体勢ではないのか?)
岡部(――――っ!まゆりの胸が!顔に!顔に!)
まゆり「じゃあオカリン、頭を横向きにしてください」
岡部「……あ、ああ、そうだな」 - 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:31:45.87 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「わぁ、オカリンの髪の毛、随分と剛毛だねー」
岡部(ぐおぉ……まゆりの小さな指が俺の髪の毛に触れて……)
岡部(これは随分と、くすぐったいぞぉ!!)
まゆり「えへへ……こうしてたら、お婆ちゃんに髪の毛梳いてもらった時のこと、思い出しちゃった」
まゆり「まゆりの髪の毛は柔らかいねぇ、ってお婆ちゃんが優しく言ってくれるんだぁ」
まゆり「だからまゆしぃ、髪の毛梳いてもらうの、凄く好きだったんだぁ」
岡部「……よし、なら、今度は俺がまゆりの髪の毛を梳いてやろう」
まゆり「えぇ!良いよーオカリン、そこまでしてくれなくても」
岡部「いいや、ダメだ、まゆりにばかり尽くしてもらっていたら、俺の気が済まんからな」 - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:35:11.79 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「……だったら、今度、お願いしちゃっても良いかな?」
岡部「ああ、勿論だとも、この鳳凰院凶真のダークネスフィンガーを炸裂させてやろう!」
ダル「オーッス、オカリン……って……ありゃ……?」
紅莉栖「ハロー岡部……って……ふぇ……?」
まゆり「あっ、紅莉栖ちゃんにダルくん、トゥットゥルー♪」
紅莉栖「おっ、おっ、岡部……あんた、一体……!?」
ダル「おー、これは見事なHIZAMAKURA、オカリン羨ましすぐる」
岡部「!!!違うのだ!紅莉栖!!ダル!!これにはふかぁーいわけが……っ!!」
紅莉栖「じゃ!じゃあ!話してもらいましょう!!そのふかぁーいわけを!!」
ダル「これは完全に墓穴を掘ったお」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:40:34.28 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
岡部「……まったく、俺は髪を梳いてもらっていただけだと言うのに……」
ダル「あんな見事な膝枕、中々お目にかかれないお」
紅莉栖「橋田の言う通りだわ、岡部ったら、鼻の下伸ばしちゃって……」
まゆり「ゴメンね、オカリン、やっぱり迷惑だった、かな?」
岡部「そーんなことはないぞぉ!まゆり!……まぁ、ただ、膝枕は少し、恥ずかしい……」
ダル「見てるこっちも相応に恥ずかしい件」
紅莉栖「まったくだわ」
鈴羽「ちぃーっす、岡部倫太郎、お昼前なのに凄い人だねー」
まゆり「あっ、鈴さん、トゥットゥルー♪」
鈴羽「椎名まゆりだね、トゥットゥルー」
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:47:13.00 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「……あれ、鈴さん、髪の毛に埃がついちゃってるよ?」
鈴羽「ありゃ、ホントだー……あちゃー昨日忙しかったから、お風呂入らずに寝ちゃったせいだね」
まゆり「鈴さん、ダメだよーお風呂は毎日入らなきゃ」
鈴羽「あはははは、手厳しいね椎名まゆりは、まぁ、その内シャワーでも浴びて……」
まゆり「ううん、折角だからまゆしぃが鈴さんの身体を洗ってあげるのです」
鈴羽「……ふぇ?ど、どういうこと?」
まゆり「オカリン、シャワー室借りても良い?」
岡部「あ、ああ、別に構わんが……」
まゆり「えへへーオカリンの許可も下りたし、いこっ、鈴さん」
鈴羽「え、ええ、ちょっと待って……って!わっわぁ!引っ張らないで!椎名まゆりー!!」 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:53:09.58 ID:SCf4LcTl0
- 鈴羽「うぅ……やっぱり恥ずかしいよ、椎名まゆりぃ……」
まゆり「大丈夫だよーまゆしぃに任せてー」
まゆり「……わー鈴さんのお肌すべすべだねー」
鈴羽「そういう椎名まゆりこそ、綺麗な肌してるよ」
まゆり「えへへーじゃあまゆしぃが洗ってあげるのです」
鈴羽「わっ、ちょっ、あんまりそんなトコさわら……っ!!ひゃぁ!!」
まゆり「ごしごしーごしごしー」
鈴羽「まっ待って!そこは、自分で洗……ぅっ、はふぅ!!」
ダル「…………おぅ、ファンタスティック」
岡部「……まっ、待て、コレは機関の罠だ、俺たちを興奮させようという……!!」
紅莉栖「自重しろ、HENTAIども」 - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 19:59:41.80 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
岡部(うーむ、今日もまゆりは元気にメイクイーンに行ったな)
岡部(やはり、昨日から何かおかしい所があるな……)
岡部(紅莉栖の言っていた通り、大人になった、ということか……)
ルカ子「あっ岡……じゃなくて、凶真さん!お久しぶりです!」
岡部「むっ……ああ、ルカ子か、ってことは……神社か、ここは」
岡部(知らず知らずの内に柳林神社の方まで歩いてきた、ということか)
岡部「……と、どうしたルカ子、その頭の麦藁帽子は、暑さ対策か」
ルカ子「あっはい、コレですね、ボク、暑さに弱くて……」
岡部「なるほど……それにしても、中々お洒落な麦藁帽子だな」
ルカ子「はい!実はコレ、まゆりちゃんが作ってくれたんです」
岡部「まゆりが……だと?」 - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:00:15.79 ID:SCf4LcTl0
- ルカ子「はい、昨日ぐらいにまゆりちゃんに暑さ対策に何かないかメールで相談したんです」
ルカ子「そしたらまゆりちゃん、麦藁帽子を作ってくれる、って……」
ルカ子「ボク、まゆりちゃんに迷惑かけたくなかったから、断ったんですけど……」
ルカ子「ついさっき、はいって渡してくれたんです」
ルカ子「とっても可愛かったから、いらないなんて言えなくて……」
岡部「そうか……でも、随分とまあ、似合ってるな……」
ルカ子「ボクもそう思います、ボクの頭にキチンと合ってて」
ルカ子「今はとっても気に入ってて……凶真さん、まゆりちゃんに、有難うって伝えておいてください」
岡部「……うむ、分かった、それでは……さらばだ、ルカ子よ」
ルカ子「はい、凶真さん!」 - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:06:39.45 ID:SCf4LcTl0
- 岡部(まゆりの奴、ルカ子の麦藁帽子まで作っていたのか……)
岡部(昨日、ラボに居る間、そんな素振り見せなかったからな、きっと、家に帰ってから作ったんだろう)
岡部(そして早起きして俺の朝ごはんを作りにきてくれた……か)
岡部(……心配だ、まゆりの奴、殆ど寝てないんじゃないか)
紅莉栖「どうしたの、岡部、帰ってくるなり何か悩んでるみたいだけど」
ダル「ひょっとして、まゆ氏のコトかお?」
岡部「……あ、あぁ、そんな所だ」
紅莉栖「……気になるわね、何かあったの?」
岡部「実はだな…………」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:12:14.68 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「確かにそれは心配ね、睡眠不足は思ったより体力を消耗するもの」
ダル「こーんな暑い中で寝不足だなんて、僕だったらイチコロだお」
岡部「……やはり、まゆりに何かあったんだろうか」
紅莉栖「……ねぇ、岡部、アンタ何か知らない?まゆりに何かあったとか」
ダル「確かに、いきなりまゆ氏がしっかりし始めたのは、理由があるはずだお」
岡部「うーむ……分からんな……全く以ってさっぱりだ……」
紅莉栖「……もぅ、役に立たないわね……」
岡部「原因が分からないなら、本人に尋ねるしかないか」
ダル「ってことは、いきなりまゆ氏に、最近しっかりしてきたなとか言っちゃうん?」
ダル「それは流石にまゆ氏も傷つくでしょー」
紅莉栖「そうね、遠まわしにしっかりしてないって言っちゃってるわけだし」
岡部「……だったらどうすれば良いのだ?」
紅莉栖「……もう詮索するんじゃなく、褒めてあげたら良いんじゃない??」
岡部「…………?分からんな、どういうことだ?」 - 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:18:42.37 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「だって、しっかり者になるのは良いことでしょ?」
紅莉栖「だから、わざわざその理由を尋ねる必要なんて無いじゃない」
岡部「だがなぁ…………」
紅莉栖「何?まだ何かあるの?」
岡部「…………まゆりは、俺にとって、年の離れた妹みたいなものだったんだ」
岡部「でも今は、まるで姉のように面倒を見てくれている」
岡部「そのことに、まだ慣れなくて、な…………」
ダル「仕方ないお、オカリン、いつかはまゆ氏も巣立っていくものなんだお」
紅莉栖「……そうよ、子供から大人になるなんて、ちょっとしたことなんだから」
紅莉栖「誰かの何気ない一言とか、行動とかで、すっかり変わってしまうこともある」
紅莉栖「だけど、その変化は、他の人にとって中々慣れないものだし」
紅莉栖「本人にとっても、しんどいものだと思うわ」
岡部「…………」 - 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:25:42.43 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「だから岡部、アンタがまゆりに有難うって言ってあげたら良いんじゃない」
岡部「俺が……まゆりに……?」
紅莉栖「そう、色々面倒見てくれて、有難うって……そうするだけで、きっと、まゆりも自信がつくだろうし」
紅莉栖「そうね、きっと、とっても喜んでくれるわ」
紅莉栖「アンタからの言葉なんだから」
岡部「…………でも、ただ、有難うと言うだけでは、何か心苦しいな」
ダル「だったら、プレゼントもつけてあげると良いと思われ」
ダル「駅前のお店に新しいうーぱクッションが売ってたはずだお」
紅莉栖「そうね、それならきっと、まゆりも喜ぶわ」 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:29:49.59 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「……分かった、駅前の店、だな」
ダル「行くなら早く行った方が良いと思われ、もう直ぐ暗くなるだろうし」
紅莉栖「そうね、急がないとまゆりも帰ってくるわ」
岡部「ふむ、あまり時間も無いな、では俺は行くとしよう」
岡部「……二人とも済まない、お前達がいて助かった」
紅莉栖「当然よ、だって、アンタが選んだラボメンなんだから」
ダル「オカリン一人じゃコンソールすら動かせないお」
紅莉栖「そうね、私達という優秀な助手が居て初めて、このラボはやりくりできるんだから」
岡部「……!!……では行ってくる、後のことは任せたぞ」
ダル「オーキードーキー」 - 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:36:54.28 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
岡部「ハァ……ハァ……まったく、ダルの奴め……」
岡部「駅前、なんてアバウトな言い方をしやがって……っ……」
岡部「もう、すっかり暗くなってしまったではないか……!!」
岡部(……だが、お陰で良いモノを買えた、まゆりは喜んでくれるだろうか……)
岡部「むっ……電話か、一体誰からだ……?」
岡部「どうした、助手よ、何の用だ?」
紅莉栖「あっ!岡部!?アンタ、今どこにいるの?」
岡部「どこって……駅前だが……?」
紅莉栖「まゆりと一緒じゃない!?あの子、まだ帰ってきてないの!」
岡部「な……なんだって……?」 - 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:44:31.06 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「フェイリスさんにも電話したの、そしたら数時間も前に出た、って」
紅莉栖「アンタと一緒でもない……ってことは、一体どこにいったのかしら……」
岡部「まゆりの、まゆりの携帯には電話したのか……?」
紅莉栖「当然よ!でも……電源が点いてないのか、通話できなくて……」
岡部「!!何か、マズイことに巻き込まれたのかもしれん!」
紅莉栖「やだ!変なこと言わないでよ!」
岡部「もしもの話だ!ありえない、わけではないだろう!?」
紅莉栖「それもそうだけど……でもっ……!!」
岡部「……っ!!兎に角、ここで話していても埒が開かん」
岡部「ひとまず探し出すしかないだろう」 - 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:49:07.99 ID:SCf4LcTl0
- 紅莉栖「じゃ、じゃあ私も……!!」
岡部「ああ頼む、紅莉栖は……ラボからメイクイーンまでの道を探してくれ」
岡部「あと、ダルにはラボで待っているよう伝えてくれ、もしかすると単に道草を食ってるだけかもしれん」
紅莉栖「分かったわ……そうだと良いんだけど……」
岡部「……そう願いたいものだな」
岡部「俺は、取りあえず可能性のある所を探してみる」
紅莉栖「……可能性のある所って……そんなトコ、あるの?」
岡部「……闇雲に探すよりはマシ、ということだ……!!」
岡部「あまり長話している余裕は無い、では、きるぞ」
紅莉栖「……ええ、お願い、まゆりを見つけて……!!」
岡部「分かっている、分かっているさ……!!」
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:54:42.91 ID:SCf4LcTl0
- 岡部(まゆりの行きそうな場所……まゆりの……!!)
岡部(本屋のような商店の可能性は低いな、まゆりはあまり長居するタイプではない)
岡部(となると、友達の家だが……そうだとすると、電話に出ないのは不自然だ……!!)
岡部(……考えたくない……事件に巻き込まれたなんて――――……!!)
岡部「――――――――っ!!」
通行人「おい!ちゃんと前見て走れよ!」
岡部「す、すまない!!急いでるんだ!!」
岡部(まゆり……!!まゆり!!……!!)
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 20:59:08.29 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「……っ――――まゆり……?……まゆり!!」
岡部「おい!どうしたんだ!こんな……公園のベンチに寝転がって……!!」
岡部(まさか……まさか――――……!!)
岡部「まゆり!おい!返事をしろ!まゆりぃいい!!!」
まゆり「……おか……りん……?……ほんとに、おかりんだ……」
岡部「!!まゆり!大丈夫なんだな!まゆり!!」
まゆり「やっぱり……おかりんは……やさしいね……まゆしぃを……むかえにきて……くれたんだ」
岡部「ああ、迎えに来たんだ!だから、だから早く帰ろう……!!」
まゆり「うん……まゆしぃ……きょうは、すごく……ねむたいんだぁ……」
岡部「っ……!!まゆり、凄い熱じゃないか!どうして……!!」
岡部「兎に角!ラボに帰るぞ!こんなトコに長居をするわけにはいかん!!」 - 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:09:15.64 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「くっ……!!こんなことだったら……日頃から鍛えておくべきだったな……!!」
岡部(まゆり一人満足に背負うことできないのか……!!俺は……!!)
岡部「ぐおおおおおおおおお!!!」
まゆり「おか……りん……むり、しない……で……」
岡部「な……に……これぐらい……大丈夫、だっ……!!」
まゆり「……ありがとう……おかりん……まゆしぃは……おかりんのひとじちで、よかったよ……」
岡部「当たり前だ……!!この狂気のマッド・サイエンティスト……!!」
岡部「人質の一人や二人……っ喜ばせることなど、他愛も無いわ……っ!!」
まゆり「……うん……でも……まゆしぃは、そんなこと……とても、できないんだぁ……」 - 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:11:04.09 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「ねぇ、おかりん、おぼえてる?……みっかまえのこと…………」
岡部「三日前……っ……ラボメン全員で、パーティをした日だな……」
まゆり「うん、でも、おかりん……そのつぎのひ、ねつだして……ねこんじゃったね」
岡部「そういや……そうだったな、久々に……っハメを外しすぎた」
まゆり「あのとき……まゆしぃ、すっごく……しんぱいしたんだよ」
まゆり「らぼめんのみんなが……らぼにこなくて、まゆしぃだけが、ようすをみにきて……」
まゆり「そしたら、おかりんが……たおれてるんだもん……」
まゆり「もし、まゆしぃがきてなかったら……って……おもうと……」
岡部「……まゆり……」 - 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:12:16.74 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「あのとき……おもったんだぁ……まゆしぃ、おかりんにめいわくかけすぎちゃってる……って」
まゆり「まゆしぃ、かいはつもできないし……あたまもいいわけじゃないし……」
まゆり「いっつも、うっかりしてて……おかりんの、おもにに、なってるから……」
岡部「…………」
まゆり「だからね……しっかりしよう、って……がんばったんだぁ……まゆしぃ」
まゆり「おかりんに、めいわくかけないよう……らぼめんのみんなに、しんぱいさせないよう……」
まゆり「みんなを、えがおにできるひとになろうって……」
岡部「…………違う!!」
まゆり「……え……?」 - 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:13:19.08 ID:SCf4LcTl0
- 岡部「誰が……誰が、まゆりが重荷だと言った!誰が迷惑だと言った!」
岡部「違う、違うんだ……誰も、まゆりにしっかりしてくれ、だなんて思っちゃいないんだ……!!」
岡部「人は完璧なんかじゃない、誰だって、ミスもするし、うっかりもする」
岡部「だからこそ、みんなで助け合って、生きてているんだ……!!」
岡部「まゆりがいくら失敗しても、うっかりしても、俺達は、笑ってそれをカバーする……!!」
岡部「だから、まゆりが心配する必要なんて……ないんだ……!!」
まゆり「……でも……でもね……まゆしぃ、やだよ……たすけてもらうだけじゃ……」
まゆり「まゆしぃも……まゆしぃでも、だれかの……だれかのたすけに、なりたいんだぁ……」
岡部「……大丈夫だ、みんな知ってる……まゆりが、みんなの助けになってるってことを……」
岡部「人一倍、みんなの事を心配して、みんなの事を思ってる……まゆりは優しい人だってことを」
岡部「だから、みんな、まゆりの事を大切にしてるんだ……まゆりが側にいるだけで、笑顔になれるから……」
まゆり「まゆしぃが……いるだけ、で……?」
岡部「ああ、そうだ……だから俺は、お前を人質にしたんだ……」
岡部「これから先の人生、どんなに辛いことがあっても……お前が側に居れば、乗り越えられるから……」
岡部「だから、だからまゆり……無茶なことは、しないでくれ……!!」 - 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:14:44.52 ID:SCf4LcTl0
- まゆり「えへへ……うれしいなぁ……おかりんに、そんなふうにおもわれてたんだぁ……」
まゆり「まゆしぃ、ぜんぜん……きづかなかったよ……」
岡部「……俺も、初めて口にしたからな、お前への気持ちを……」
岡部「こんな風に思っていた、だなんて……俺も気づかなかった」
まゆり「ふふ……まゆしぃのおかげなのです……」
岡部「ああ、そうだな、まゆりのお陰だ」
まゆり「……おかりん、やくそくだよ」
まゆり「これからもずーっと、まゆしぃをひとじちにしてくれる、って」
岡部「――――ああ、約束だ……」 - 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:16:57.46 ID:SCf4LcTl0
- ――――――――
――――――――――――――――
紅莉栖「すーっかり元通りになったわね」
ダル「全くだお、まるでこの数日間が無かったみたいだお」
岡部「まあ仕方が無い、まゆりも熱の影響で、この数日の事をハッキリと覚えていないらしいからな」
まゆり「えへへー……でも、まゆしぃが皆に迷惑をかけちゃったのはホントのことなのです」
紅莉栖「あら、まゆりは気にしなくて良いのよ、そっちのHENTAI二人にはもーっとかけられてるから」
ダル「牧瀬氏、そのもーっとかけられてるって、嬉しそうに言って欲しいお」
ダル「嬉しそうっつーか、恍惚の表情、的な?」
紅莉栖「うるさい!黙れ!このHENTAI!!」
まゆり「はふ?……ねーおかりん、こーこつってなーに?」
岡部「ぅ、うむ、恍惚というのはだなぁ……」
紅莉栖「アンタも答えんで良いわ!!」
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:20:30.70 ID:SCf4LcTl0
- ルカ子「あっ……凶真さんと皆さん……おはようございます」
まゆり「ルカくんだートゥットゥルー♪」
岡部「ふむルカ子か……ほう、その麦藁帽子は……」
ルカ子「ええ!まゆりちゃんが作ってくれたものです」
まゆり「ふぇぇ……そーなんだー……これ、まゆしぃが作ったのー?」
岡部「そうか覚えてないのか、まゆり」
まゆり「……でもね……まゆしぃ思うんだー、こういう風に何かが残るのって良い事だなぁって」
まゆり「えへへ……またいつか、しっかりとしたまゆしぃになりたいのです」
岡部「その時は、そうだな、まゆりに少し甘えてみてもいいかもしれんな」
まゆり「うん、約束だよ、オカリン♪」
岡部「しっかりまゆしぃ……だと……」END
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:23:10.58 ID:SCf4LcTl0
- 以上です、読んでくださった方々有難うございました
少しでも楽しんでいただけたなら、十分に満足です
これを期にまゆしぃを好きになってくださる人が一人でもいることを願って……
まゆしぃマジてんしぃ - 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:23:17.75 ID:sxWzgiWB0
- 乙
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:23:59.64 ID:/gNwUelGQ
- 乙ー
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/30(土) 21:24:25.08 ID:JhoWiL6W0
- 乙

シュタインズゲート ねんどろいど 椎名まゆり

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