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やよい「如月、ですか?」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:57:14.12 ID:gxgLCulG0
- 代行
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:59:48.18 ID:l7OBQhZZ0
- >>1
代行ありがとう
やよちはメイン、響サブメイン
書き溜めなのでさるよけつつゆるゆる投下していきます - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:00:48.25 ID:l7OBQhZZ0
- 4月8日 日曜日
春香「お花見楽しかったですね、プロデューサーさん♪」
P「まさか夜まで続けるとは思わなかったけどな……。もうすっかり暗くなってるじゃないか」
響「楽しい時間はあっという間、って本当だな!」
美希「せっかくみんなが揃ってのお花見なんだから、ミキ、このくらい楽しんだって罰は当たらないと思うなー」
小鳥「そうねー。とはいえ、そろそろ片付けましょうか。月曜日から学校っていう子も多いでしょうし」
亜美「あー、ガッコ→始まっちゃうのかー。ユ→ウツだよー」
真美「仕事だからって休んじゃ駄目かな、兄ちゃ→ん」
P「駄目に決まってるだろ。ほらほら、さっさと片付ける!」
一同「はーい」
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:03:08.01 ID:l7OBQhZZ0
- P「忘れ物は無いなー? 全く、こんなに遅くなるとは思わなかったよ」
貴音「ふふ。よいではありませんか。夜桜を眺めながら帰るというのも、また風流なものです」
あずさ「ほんとう。夜の桜も、昼とは違ってすごく綺麗ね」
雪歩「なんだか幻想的ですよね。花びらが空に溶けていくみたい」
真「さっすが雪歩。詩人だね」
雪歩「はぅぅ。そんなことないよぉ」
P「でも、確かにな。これだけ綺麗だと、こんな中で死んでいきたいっていう気持ちも分かる気がするよ」
伊織「あら、あんたにしては洒落たことを言うじゃない」
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:05:23.08 ID:l7OBQhZZ0
- やよい「ええっ、プロデューサー、死んじゃったりしたら嫌ですよ!?」
雪歩「あはは、そうじゃないよやよいちゃん」
千早「違うの高槻さん。昔の和歌に、そういう歌があるのよ。ええと、『願わくば 花の下にて 春死なむ』……」
貴音「『その如月の 望月の頃』。西行法師ですね。まこと、心に染みる歌です」
響「あ、それ自分も学校で習ったぞ!」
春香「私も!なんか不思議と、心に残る言葉だよね」
やよい「如月、ですか?」
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:08:05.19 ID:l7OBQhZZ0
- やよい「それってもしかして千早さんの……」
千早「ええ、私の苗字と同じね。如月というのは、旧暦で2月のことを指すの。今の季節に直すと、ちょうど3月から4月頃」
春香「だから簡単に今の言葉に訳すと、『できるなら4月の満月の日に、満開の桜の木の下で死んでいきたい』こんな感じかな?」
真「わ、なんか春香が賢く見える」
春香「真、それ一体どういう意味ー?」
響「そういえば、今日も満月みたいだな。お月様がまんまるさー!」
小鳥「こんな中で眠るように死んでいけたら、幸せでしょうね。実際に西行はこの歌の通りに亡くなった、って言うわ」
やよい「わぁ、みなさん物知りなんですね!」
伊織「物知りってほどじゃないわよ」
律子「やよいも高校生くらいになったら習うんじゃないかしら? 有名な歌だからね」
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:11:10.77 ID:l7OBQhZZ0
- やよい「そうなんですかー? でも私、千早さんの名字が2月っていう意味なのも知りませんでした」
千早「それを言ったら高槻さんの名前も、月を表す意味なのよ?」
やよい「え、本当ですか?」
貴音「まことです。弥生は旧暦で、3月という意味があるのです」
雪歩「やよいちゃんは3月生まれだったよね? やよいちゃんのお母さんは、そこから名前を付けたんじゃないかな。春の訪れのように、暖かい人になりますように、って」
あずさ「名は体を表す、って本当かもしれないわね。やよいちゃん、とっても暖かい心を持ってるもの」
やよい「わたしの名前、そんな意味があったんですかー!」
春香「やよいにすごくぴったりな名前だよね!」
響「そうだな、自分もそう思うぞ!」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:15:49.06 ID:l7OBQhZZ0
- やよい「それに3月ってことは、千早さんの次になるんですねー!」
千早「そうね。如月は2月だから……」
やよい「それじゃあ千早さんは、わたしのお姉ちゃんになるってことですね! うっうー! なんだか嬉しいです!」パァッ
千早「ああ、そういう考え方もできるのね。私の方こそ、高槻さんみたいな妹ができたらとても嬉しいわ」
P「はいはい。おしゃべりはその辺にして、そろそろ帰るぞ。続きはまた明日な」
真「それじゃあみんな、また事務所で!」
一同「またねー!」 - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:18:59.46 ID:l7OBQhZZ0
- 翌週4月13日 金曜日 夕方 事務所
響「ただいまー!」ガチャ
やよい「ただいま帰りましたー!」パタパタ
P「ああ、お帰り」
響「……ってあれ、プロデューサーだけか?」
P「いや、奥に千早がいるぞ。春香を待ってるらしい。他のみんなはもう帰ったな」
響「ふーん、そっかあ。ぴよ子もいないのは珍しいな」
やよい「そうですねー。小鳥さんのおかえりがないと、何だか変な感じですー」
P「音無さん、俺が休んでる間ものすごく頑張ってくれたみたいだったからな。今日は早めに上がってもらったんだ」
響「なるほどな。確かにプロデューサーがいない間は、ずっとぴよ子と律子が仕事をしてた気がするぞ」
P「はは、面目ない……」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:22:58.63 ID:l7OBQhZZ0
- 響「ところでそれ、何やってるんだ? 自分たちの写真と……CD?」
P「ああこれか。そろそろ、各自のソロアルバムを作ろうかっていう話があってな。ボーカル入りとインストゥルメンタルの音源をいろいろもらって来たんだ」
やよい「そろあるばむ、ですか? なんだかすっごく、アイドルみたいですね!」
響「やよいー。みたい、じゃなくて自分たちれっきとしたアイドルさー」クスクス
P「そういう二人は帰りが一緒になったのか?」
やよい「はい! ちょうど帰りに、テレビ局の出口で会ったんです」
響「スタジオ出たところでばったりだったよね。そういえばやよい、さっきプロデューサーに頼まなきゃいけないことがあるとか言ってなかったか?」
やよい「あ、そうでしたー! あのあの、プロデューサー、少しお願いがあるんですけど」
P「ん、何だ?」
やよい「あの、実はですね」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:26:34.35 ID:l7OBQhZZ0
- P「単身赴任?」
やよい「そうなんですー。お父さんが1ヶ月くらい、九州の方に行かなきゃいけなくなったらしくて」
響「九州かー。ここからだとちょっと遠いな」
やよい「それで、急に決まっちゃったから、最初だけはお母さんも着いていってあげたい、ってことになったんです」
P「それじゃあやよい、今週末は両親ともにいないのか?」
やよい「はい。だからできるだけお仕事を減らしてもらえないかなー、って。特に、遅くなりそうなのはちょっと……」
P「分かった。できるだけ頑張ってはみるけど……。急な話だから、多分全部は無理だと思うぞ」
やよい「そうですよね……。できれば晩御飯までに帰れるようにはしてほしいんですけどー。お母さんもいないし、私が作ってあげなきゃいけないですから」
P「待ってろ、ちょっと確認してみるから」
やよい「お願いしますー」ペコリ - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:31:02.30 ID:l7OBQhZZ0
- P「うーん。やっぱり、明日の夕方の写真撮影とあさって昼の生っすかだけは外せそうにないな」
響「生放送の生っすかはともかく、写真撮影もだめなのか?」
P「ああ。この出版社にはデビュー当時からお世話になっていて、しかももう一度日付を変更してしまっているんだ。できれば動かしたくないんだよ」
やよい「そうなんですかー……」
P「悪い、やよい。なんとかなりそうか?」
やよい「大丈夫です。それに日曜日の夜の方はずらしてもらえたんですよね? それじゃあ私、これ以上わがまま言えません!」
響「そうだ! 明日は自分がやよいのうちに遊びに行く、っていうのはどう? 良かったら自分が晩ご飯も作るさー」
やよい「え、いいんですか!? でもでも、それって響さんに迷惑なんじゃ」
響「そんなことないぞ! 自分も久しぶりに長介たちと遊びたいからなー。だいぶ前のもやし祭りのお礼だよ!」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:35:46.05 ID:l7OBQhZZ0
- ガチャリ
千早「あ。我那覇さん、高槻さん、帰ってたのね。お帰りなさい」
P「おお千早、お疲れ様。春香はまだだぞ」
千早「はい。遅くなりそうだから先に帰ってて、と連絡が来たところです」
響「そうだやよい、千早も誘ってみたらどうだ?」
千早「? 何の話?」
響「明日やよいの家に遊びに行かないか、って話さー。やよいが仕事に行ってる間、両親も誰もいなくなっちゃうらしいんだ」
やよい「実は、両親が仕事でしばらくいなくなることになってしまって、それで私も夕方に撮影があって……」
やよい「来てもらえたらすっごく嬉しいんですけどー。でもでも千早さん、忙しいんじゃ」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:38:12.69 ID:l7OBQhZZ0
- 千早「明日は確か、仕事は午前で終わりだったと思うけれど。……その。私なんかがお邪魔してもいいのかしら」
やよい「そんな、千早さんなら大歓迎に決まってますー!」
響「それじゃあ決まりだな。明日のお昼はやよいの家に集合だ! 自分が腕によりをかけて、沖縄料理をふるまってやるさー!」
千早「両親がいないと大変だものね。私も何かできることがあれば、お手伝いさせてもらうわ」
響「それは助かるさー。花見のときの千早のお弁当、すごく美味しかったから期待してるよ!」
千早「あ、あれはすごく準備したから……」
やよい「お二人とも、ありがとうございますー!」ガルーン - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:43:41.85 ID:l7OBQhZZ0
- P「ありがとうな、響、千早」
響「このくらい、なんくるないさー! プロデューサーも仕事終わったら、自分の料理を食べに来るといいよ!」
P「はは、そうだな。考えておくよ」
千早「それじゃあ、今日は失礼します。お疲れ様でした」
やよい「あ、私も帰りますー! プロデューサー、お疲れ様でしたあ!」
響「じゃあね、プロデューサー。お仕事頑張れ!」バタン
P「まあ、千早と響がついてるなら安心、かな」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:41:51.14 ID:l7OBQhZZ0
- 翌日昼 高槻家玄関
千早「な、なんだか緊張するわ……」
響「そんな必要ないよ、みんないい子たちさー。せ-の、っと」
千早「あ、我那覇さん、ちょっと待っ」
ピンポーン
やよい「はーい! あ、響さん千早さん、いらっしゃいませー!」
響「はいさーい! やよい、来たぞー!」
千早「こ、こんにちは、高槻さん。お邪魔させてもらうわね」
やよい「どうぞ上がってください! みんな待ってたんですよー!」
千早(ここが高槻さんの家……。確か、8人家族と言っていたかしら。私には想像がつかないわ) - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:46:17.34 ID:l7OBQhZZ0
- やよい「ほらみんな、挨拶してー!」
兄弟一同「こんにちはー!」
響「はいさーい、みんな久しぶりだなー!」
千早「初めまして、こんにちは。如月千早です。今日はお邪魔させてもらいますね」
響「千早、硬すぎさー。仕事場じゃないんだから!」クスクス
千早「で、でも初対面なのだからこのくらいは」
やよい「とりあえず、あがっちゃってください! お昼用意してますからー!」
響「そうだな。行こう、千早?」
千早「え、ええ」
浩太郎「ごはん!」
浩司「ごはんだー!」
ダダダッ - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:50:52.13 ID:l7OBQhZZ0
- 響「相変わらず元気だなー」
長介「なあなあ、響姉ちゃん」
響「ん、長介か。久しぶりだなー。どうしたんだ?」
響「……って、あー!?」
長介「え、何? 何?どうしたの」
響「長介、もしかして前より背伸びたんじゃないか!?」
長介「え。ああ、うん。もうちょっとでやよい姉ちゃんより高くなるかも」
響「やっぱりかー。自分もいつか長介に抜かれる日が来るのかなー」 - 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:55:19.79 ID:l7OBQhZZ0
- 長介「そう遠くない日に抜いちゃうかもね。……で、さあ」
響「?」
長介「今日は、伊織姉ちゃん来ないの?」
響「!」
響「伊織は、今日は仕事で来られないさー。何だ長介ー、自分と千早だけじゃ不満なのかー?」ニヤ
長介「そ、そういうわけじゃねーけど! やよい姉ちゃんと仲良いから、来たら喜ぶのになって、それだけだよ!」カァ
響「ふーん、まあそういうことにしておいてあげるよ」
長介「違うんだって! 響姉ちゃんのいじわる」
響「あはは、今度は伊織と一緒に遊びに来るから勘弁するさー!」
長介「うー……」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:59:09.78 ID:l7OBQhZZ0
- かすみ「あ、あの」
千早「あら、こんにちは。あなたは……。間違っていたらごめんなさい。かすみちゃん、でよかったかしら」
かすみ「あ、はい。初めまして。でもどうして、私の名前……?」
千早「高槻さんに写真をときどき見せてもらっていたから。兄弟みんな、とても仲がいいのね」
かすみ「そうですか、お姉ちゃんが……。はい。喧嘩もしますけど、とっても仲の良いきょうだいです」
千早「そう。……羨ましい、わね」
かすみ「それで、あの、早速で悪いんですけど、千早さんにお願いがあって」
千早「お願い? 何かしら」 - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:03:13.33 ID:l7OBQhZZ0
- かすみ「こ、このCDに、サインを……」スッ
千早「これ、私のCD? かすみちゃん、買ってくれたの?」
かすみ「」コクコク
長介「かすみは千早ねーちゃんの大ファンなんだよ。そのCDだって必死にお小遣いためて」ヌッ
かすみ「お、お兄ちゃん!」
長介「はは、ごめんごめん。でもうちはみんな千早姉ちゃんのファンだよ。かっこいい曲が多いから、浩太郎や浩司もよく歌ってる」
かすみ「そうなんですよ。とべ! とか、 ゆけ! とか、うるさくしてときどきお姉ちゃんに怒られてます」
千早「そうだったの。それはすごく嬉しいわ。でもお姉ちゃんを通して頼んでくれれば、CDなんていつでも事務所から貰えたでしょうに」カキカキ
かすみ「それだと、純粋に応援したことにはならないかな、って」 - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:05:50.68 ID:l7OBQhZZ0
- 千早「そう。分かったわ。それじゃあ」
かすみ「?」
千早「今度からは、私が個人的にプレゼントさせてもらうわね。それならいいでしょう?」ニコ
かすみ「え!? い、いいんですか!?」
千早「勿論よ。私はファンは大事にするもの、って教わったから。はい、どうぞ」スッ
かすみ「ありがとうございます」ペコ
響「千早がそんなこと言うなんて、これはきっと雨が降るに違いないぞ!」
千早「が、我那覇さん。そんな言い方はひどいんじゃないかしら」
響「はは、冗談さー。でも、去年の千早なら絶対こんなこと言わなかったんじゃないか?」
千早「……そう、ね。それは否定できないかもしれないわ」
響「長介も背が伸びたみたいだし、みんな変わっていくんだなー」
千早「……」
千早(変わっていく、か) - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:10:28.75 ID:l7OBQhZZ0
- ~~
やよい「はーい! 今日のお昼は焼きそばだよー!」ドン
響「確かに焼きそば、だけど」
千早「すごい量ね……こんなに大きい器にいっぱいに」
やよい「そうですかー? 今日はお父さんもいないから、少し少なめに作ったんですけど」キョトン
千早「一人暮らしの私たちにとっては」
響「考えられない量だぞ……」
浩司「ねーちゃん、お代わりは?」
やよい「今日はお父さんの分取っておかなくていいから、お代わりしてもいいよ! ただし、千早さんと響さんの分までは食べちゃわないこと!」
やよい家一同「はーい!」
やよい「それじゃあ、手を合わせてください。いただきまーす!」
一同「いただきます!」 - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:15:33.07 ID:l7OBQhZZ0
- 千早「美味しい……これ、全部高槻さんが作ったの?」
やよい「本当ですかー!? 今日のは長介と二人で作ったんですよ!」
長介「俺は野菜を切ったりしただけで、味付けは全部やよい姉ちゃんだけどね」
響「本当だ、まーさっさー! やよいはやっぱりすごいなー」
やよい「そんなことないですよー。焼きそばなんて、とーっても簡単ですから。でも、喜んでもらえてすっごく嬉しいですー!」
千早「長介くんも偉いのね。いつもお手伝いしているの?」
長介「まあ、ちょっとずつだけどね。プライド、だから」
千早(プライド?)
やよい「長介のおかげで、いつもとっても助かってるんですよ!」
響「ふふん、これは伊織に報告しておく必要がありそうだぞ……」
長介「響姉ちゃん、それやめてってばぁ!」
~~ - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:23:24.70 ID:ni11Nw8S0
- ~~
やよい「それじゃあ、お仕事行ってきまーす!」
兄弟一同「行ってらっしゃーい!」
千早「頑張ってね、高槻さん」
響「約束どおり留守番は任せるさー! 材料も買ってきたし、美味しい晩御飯作って待ってるよ!」
やよい「千早さん響さん、二人とも、ありがとうございますー!」ガルーン
長介「気をつけてね、やよい姉ちゃん」
やよい「長介もお留守番よろしくね。何かあったらお姉ちゃんかプロデューサーの携帯に電話して。お隣さんも助けてくれるって言ってたから。あとあと……」 - 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:26:13.81 ID:ni11Nw8S0
- 長介「わーかったから。響姉ちゃんも千早姉ちゃんもいるし、大丈夫だって! それより早く行かないと遅刻しちゃうよ」
やよい「はわっ、本当だ! じゃじゃじゃあ、行ってきますー!」バタバタ
響「やよい、すごく心配性なんだなー」
千早「私たちがいなかったら、いったいどうしてたのかしらね」
響「それはそれで、なんとかしてたんじゃないか? やよいだもん」
千早「それもそうね。高槻さんは、お姉ちゃん、なのだから」
~~
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:27:32.24 ID:ni11Nw8S0
- ~~
千早「シャボン玉?」
浩太郎「そうだよ。かすみ姉ちゃん、おっきいの作るのめちゃくちゃ得意なんだ!」
かすみ「」スゥーッ
かすみ「」プクーーー
フワッ
響「ほんとだ! すごいぞかすみ!」
かすみ「えへへ、そうですか?」
千早「なんだか、懐かしいわね」 - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:31:15.43 ID:ni11Nw8S0
- 響「次、自分もやってみていいか?」
かすみ「ええ、いっぱいありますから」
響「よーし、いくぞー!」スゥーッ
響「」パン!
響「ありゃ、ちょっと強すぎたか」スゥーッ
浩太郎「響ねえちゃん、がんばれー!」
響「」プク
パン!
響「あ、あれー。うまくいかないぞ。千早もやってみてよ!」
千早「分かったわ」スウーッ - 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:35:31.17 ID:ni11Nw8S0
- 千早「」プクーー
千早「」プクーーーー
フワッ
浩司「わー! 千早お姉ちゃんすごいすごい! かすみ姉ちゃんよりおっきい!」
響「千早、すごいぞ! 何かコツとかあるのか?」
千早「ブレスのコントロールは歌手の基本よ、我那覇さん」
響「ぐっ……自分だって同じアイドルなのにー!」
千早「それに……」
かすみ「それに?」
千早「いや、何でもないわ。それより、我那覇さんがうまくいかなかったのはそれが原因じゃないかしら」スッ
響「それ、って? あー! 本当だ、先っぽにごみがついてるさー。これのせいでうまく膨らまなかったんだなー?」
浩太郎「じゃあ次こそファイト、響ねえちゃん!」
千早(それに、優もシャボン玉が好きだったから、なんていうのは。言うべきではないこと、よね)
~~ - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:39:36.20 ID:ni11Nw8S0
- ~~
浩太郎「さぁ、ピッチャー振りかぶって、第1球ー!」ヒュッ
浩司「うわぁ! にーちゃん、はえーよ!」ブン
浩太郎「へへ、空振りー!」
響「こーら! ボール遊びなら外でしないと危ないだろー!」
浩太郎「だいじょーぶだよー! ほら行くぞー」
浩司「うりゃ!」ボム - 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:44:06.02 ID:ni11Nw8S0
- 浩太郎「あっ!?」
ゴツン
浩三「ふぁっ……。う、うぇぇぇえええん!!」
千早「浩三くん、起こしちゃったみたいね……
響「あーもう。だから言っただろー!」」
長介「浩三、大丈夫か!? こら浩太郎、危ないから家の中でボール投げるなよ!」
浩太郎「ご、ごめんなさい……」
浩太郎「にーちゃんごめんなさい……」 - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:48:39.69 ID:ni11Nw8S0
- 長介「おー、よしよし。大丈夫かー。痛くないぞー」サスサス
浩三「うえぇぇぇぇ! びえええええん!」
長介「困ったな、全然泣き止んでくれない……」
千早「ど、どうしたらいいのかしら」オロオロ
響「うーん……。そうだ! こういうときは、子守唄だよ!」
浩司「ねーちゃんの、子守唄?」
響「いつもはやよいが歌うのか?」
長介「うん。いつもはやよい姉ちゃんが歌ってくれて、そしたらすぐ泣き止むんだ。けど今はいないし……」
浩三「びええええ! びええええ!」
長介「あー、もう。困ったなあ。浩三、泣き止んでくれよ」
千早(子守唄……) - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:53:00.96 ID:ni11Nw8S0
-
♪...ゆりかごの歌を カナリヤが歌うよ...♪
響「千早?」
長介「千早姉ちゃん」
浩三「うえええぇぇ! うえええぇ……」
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 02:56:09.57 ID:ni11Nw8S0
-
千早「♪...ねんねこ ねんねこ ねんねこよ...♪」
浩三「うぇぇ。ひっく。ひっ……」
浩三「うぅ」
浩三「ぐず……」
響「すごい! 浩三が泣き止んだぞ」
千早「……ふぅ。なんとか、泣き止んでくれたみたいね」
長介「いつもは母さんかやよい姉ちゃんがあやさないと泣き止まないのに……」
浩司「ねーちゃん、お歌上手!」
かすみ「千早さん、すごいです。慣れていたりするんですか?」
千早「……ええ。母親と一緒に、よく歌ったわ」
~~ - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:00:05.42 ID:ni11Nw8S0
- ~~
千早「♪蒼い鳥 もし幸せ...♪」
かすみ「うわぁ、上手……。どうやったらそんなに歌が上手くなるんですか?」
千早「私なんてまだまだだと思うけれど……。そうね、やっぱり日ごろの練習かしら」
かすみ「どんな練習をしてるんですか?」
千早「いろいろあるけれど、基本は発声練習と筋力トレーニングね」
長介「お、千早姉ちゃん筋トレしてるんだ。どのくらい?」
千早「腹筋は毎日200回、欠かさずしているわ」
長介&かすみ「200!?」
長介「すげぇ……俺200なんて無理かもしれない」
響「千早はストイックだからなー。自分もそんなにはできないぞ」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:03:37.67 ID:ni11Nw8S0
- 千早「とはいっても、腹筋だけ鍛えればいいというわけではないから。全身のバランスと、むしろ喉の方が大事よ」
かすみ「私も、千早さんみたいに歌が上手くなりたいんですけど……無理なんでしょうか」
千早「そんなことないわ。歌に大事なのは、何より歌を楽しむことだと思うから。私も、最近気付かせてもらったことなんだけどね」
かすみ「楽しむこと、ですか」
千早「そう、仲間と一緒に楽しむこと。……発声練習、やってみる?」
かすみ「はい!」
響「お、いいな。自分もやるぞー! じゃあ、せーの!」
『あ、え、い、う、え、お、あ、お、か、け、き、く、け、こ、か、こ……』 - 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:06:37.45 ID:ni11Nw8S0
- 浩太郎「あ、俺もやってみたい!」
浩司「俺も俺もー!」
浩太郎「浩司にできるのかー?」
浩司「できるもん!!」
千早「それじゃあ、最初からみんなでやりましょう。せーの」
『あ、え、い、う、え、お、あ、お、か、け、き、く、け、こ、か、こ……』
~~
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:11:00.16 ID:ni11Nw8S0
- ~~
響「あ、千早お塩取ってくれるかー?」グツグツ
千早「塩って……これかしら」
長介「それは砂糖だよ、千早姉ちゃん。はいこれ」
響「ありがと、じゃあ長介は野菜切っといてくれよなー」
長介「りょーかい、っと」トントン
ドーン、ドーン、ドドーン
千早「あら……何かしら、この音」
響「何かを打ち上げる音みたいだったな」
かすみ「煙火じゃないかな。そういえば今日、近くの神社でお祭りやるって言ってましたから。もう夕方ですし」
浩太郎&浩司「「お祭り!?」」ドタドタ
長介「今日は留守番だから行けないぞ、二人とも。ご飯も作らないといけないし」
浩太郎「えー、行きたいー!」
浩司「お祭り行きたいよー!」 - 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:15:26.28 ID:ni11Nw8S0
- 長介「だめだったらだめだ。姉ちゃんが帰ってきたときに誰もいなかったら困るだろ?」
浩太郎&浩司「「ぶー……」」
響「まあまあ、やよいが帰ってきたら聞いてみればいいさー。今日はそんなに長くかからないはずだし」
ガタガタ、ガララ
千早「あら、噂をすれば」
やよい「ただいま帰りましたー! みんな良い子にしてたー?」
やよい家一同「おかえりなさーい!」
千早「高槻さん、お疲れ様」
響「お帰りやよい、随分早かったんだな!」
やよい「えへへー、今日の撮影は一発おーけーもらっちゃいましたあ!それより、みんなが迷惑かけませんでしたか?」 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:20:17.88 ID:ni11Nw8S0
- 千早「いいえ。みんな本当にいい子たちだったわ」
響「そうだぞ。シャボン玉飛ばしたりして、楽しかったさー!」
浩司「ねーちゃん、お祭りお祭り!」
やよい「お祭り? あ、今日はお祭りの日だったっけ。でもお客さんがいるから、だーめ!」
浩司「えー!? いーきーたーいー!」ジタバタ
やよい「もう浩司、わがまま言ったら、めっ!」
響「いいよやよい。自分が留守番しとくから、みんなで行ってくるといいさー」
長介「そうだな。姉ちゃん、折角だから千早姉ちゃんと一緒に、みんな連れて行ってきなよ。浩三の面倒は俺が見とくからさ」
やよい「で、でもでも……」
響「料理はまだできそうにないし、時間潰すついでにでも行ってきたらどうだ?」
長介「今日も仕事で大変だったんだから、ちょっとくらい遊んできてよ」 - 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:22:51.66 ID:ni11Nw8S0
- 浩司&浩太郎「…………」ジッ
千早「……そうね。高槻さん、良かったら行きましょう?」
やよい「…………」
やよい「うー。分かりました! 今日はとことん甘えちゃいます!」
浩司&浩太郎「やったー!!!」
やよい「その代わり、あんまりはしゃいだり迷惑かけたら、すぐおうちに帰るからね!」
浩司&浩太郎「はーい!!!」
かすみ「いっつも、返事だけはいいんだよね……」
千早「返事がいいのはいいことだと思うわ。それじゃあ、行きましょうか」 - 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:25:36.83 ID:ni11Nw8S0
- 神社 境内
浩司「わったあめ、わったあめ」
浩太郎「ねーちゃん、金魚すくいしたい!」ダダダ
やよい「こら、走っちゃだめ! それといつも通り、1人2つまでだからね!」
千早「2つまで?」
かすみ「ええと、うちではお祭りとかだと、1人2つまで何か買ってもらえるんです」
千早「ああ、なるほどね。……かすみちゃんも?」
かすみ「私も昔はそうでした、けど。最近は弟たちに譲ってあげたりが多いです」
千早「自分の分をあげてしまうの? いいお姉さんなのね」
かすみ「いえ、私はお姉ちゃんの真似をしているだけですから」
千早「そう、高槻さんも……。確かに、高槻さんらしいわ」 - 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:29:22.62 ID:ni11Nw8S0
- かすみ「えへへ。お姉ちゃん、事務所でもこんな感じなんですか?」
千早「ええ。掃除をしてくれたり、飲み物を用意してくれたり、ごみ捨てをしてくれたり。年は下かもしれないけど、やっていることは立派なお姉さんね」
かすみ「そうなんですか。お姉ちゃんがいて、千早さんみたいな立派なお姉さんがいて……とっても楽しそうですね、765プロって」
千早「私は、とてもお姉さんなんかじゃないわ。そう呼ばれることは、もう……」
かすみ「?」
千早「ごめんなさい、何でもないの。それより折角なのだから、お祭りを楽しみましょう」 - 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:31:09.82 ID:ni11Nw8S0
- 広場 特設ステージ
千早「こんなところにステージがあるのね。何かイベントがあるのかしら」
やよい「そうかもしれません。あ、あれは……。かいちょーさん! こんばんはー!」
?「あれ、もしかしてやよいちゃんかい? こんばんは」
千早「会長さん?」
やよい「この人は、町内会長さんです! いつもお世話になってるんです」
会長「いやいや、やよいちゃんからも元気を貰っているからおあいこだよ。今日はお友達を連れてきたのかい?」
やよい「はいー! 事務所の先輩の、如月千早さんです!」
千早「初めまして、こんばんは」
会長「如月、ってもしかしてあの『歌姫』の? こりゃあ驚いた。わしの知り合いにもファンが大勢おるよ」
千早「ありがとうございます」 - 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:32:14.56 ID:ni11Nw8S0
- やよい「なんだか、とっても忙しそうですけどー。どうかしたんですか?」
会長「実はそうなんだよ。ちょっとトラブルがあってね」
やよい「お手伝いできることなら、力になりますよ!」
会長「うーん……。あ、でもやよいちゃんになら話してもいいかな」
やよい「はいー!」
かすみ「じゃあお姉ちゃん。私たちそこのステージの椅子に座ってるね」
会長「ありがとう。実はね……」 - 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:34:44.77 ID:ni11Nw8S0
- 千早「ヒーローショー?」
会長「うん。今日はステージを作って子供たちのためにヒーローショーをするって宣伝してたんだけど、衣装とかを積んだ車が事故に遭っちゃったらしくて」
やよい「もう、子供たち結構集まっちゃってますね」
会長「もうすぐ開始予定の時間なんだけど、まだあと1時間くらいかかるらしいんだ。待たせるわけにもいかないから、なんとか間をつなぎたいと思ってるんだけど……」
やよい「なあんだ、それなら簡単です! 私と千早さんで、ステージをすればいいんですよ!」
会長「そんな、大人気のやよいちゃんにそんなことをしてもらうわけには……」
やよい「違いますよ、かいちょーさん。こういうときに喜んでもらうための、アイドルです!」
千早「でも高槻さん。ここには衣装はともかく、音源がないわ。音響設備はあるみたいだけど」
やよい「うっ……。でもでも、気持ちでジャンジャンバリバリー! ってすれば、なんとかなるかなーって」 - 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:37:07.10 ID:ni11Nw8S0
- 千早「真に教えてもらったの……? ともかく、マイクはあるからアカペラかしら。高槻さん、アカペラで歌ったことはある?」
やよい「うー、ありません……」
千早「そうよね。ステージをするためには、やっぱり音源がないと……」
P「お、いたいた。やっと見つけたよ」
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:40:11.19 ID:ni11Nw8S0
- やよい&千早「プ、プロデューサー!?」
千早「どうしてここに?」
P「やよいの家に行ったら、響と長介くんが皆はここに居るって言うからさ。なにか欲しいものがあったら買ってやるぞ?」
千早「その話は後で。それより、こちらの話を聞いてもらえますか?」
P「?」 - 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:42:18.20 ID:ni11Nw8S0
- 千早「……というわけで、ミニライブをやろうと思うんです」
やよい「そうしたら、待ってる子どもたちも退屈しないで済むかなーって」
千早「せめて音源があれば、もう少しなんとかなるんですが」
P「あるぞ?」
やよい「えっ?」
P「あるぞ、音源。さっきまでソロアルバム作りの作業してて、そのまま来たからな。インストもボーカル入りも、全部CDに焼いてある」
やよい「プロデューサー!!」パァッ - 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:43:13.99 ID:ni11Nw8S0
-
P「何が必要だ? 蒼い鳥か? 眠り姫か? 裏方は任せてもらって大丈夫だ」
千早「それじゃあ……。――――――は、ありますか?」
P「え? そりゃ、あるにはあるが。千早はそれでいいのか?」
千早「はい。合図をしたら流してください。私が先に行きます」
やよい「じゃあ私は、最初のMCしてきますー!」タタタ - 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:45:34.08 ID:ni11Nw8S0
- ステージ上
やよい「ヒーローショーを見に来てくれたみんな、こんにちはー!」
子供たち「こんにちはー」
やよい「あれあれ、声が小さいよ? こんにちはー!」
子供たち「こんにちはー!」
やよい「まだまだ声が小さいですよー? みんなの元気がなかったら、今日はヒーローさんたちが来てくれないかも!」
子供たち「えーーー!?」
やよい「でも大丈夫! これからある人がお歌を歌って、ヒーローさんたちを呼んでくれます! 知ってる人は一緒に歌ってね!」
子供たち「はーい!」 - 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:50:55.79 ID:ni11Nw8S0
- やよい「それじゃあ、いっくよー!」
千早「」スッ
千早(この曲を選んだとき、プロデューサーは驚いた。無理もないと思う)
千早(私はこういうときいつも、自分の歌いたい歌を選んできたから)
千早(でも今日は、そうじゃない。子供たち、高槻さんの弟たちを楽しませるため、私はここに立っている)
『うちはみんな千早姉ちゃんのファンだよ』
『うるさくしてときどきお姉ちゃんに怒られてます』
千早(だからこの曲を選んだ私の選択に、間違いはない、はず)
千早「」スゥ
――――――風は天を駆けてく 光は地を照らしてく...♪ - 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:54:18.98 ID:ni11Nw8S0
- ――――――人は夢を抱く そう名付けた物語
♪♪...arcadia...♪♪ - 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:56:10.51 ID:CieNUMzE0
- なるほど
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:56:21.66 ID:ni11Nw8S0
- 子供A「あ、これ!」
子供B「キサラギだ!」
親A「キサラギ、ってあのロボットの?」
子供C「そうだよ! すげぇ、本物かな?」
――――――遥かな空を舞うそよ風 どこまでも自由にはばたいてけ
子供たち「それはたとーえーどんなにちいさくたってー!」
千早(良かった、口ずさんでくれている子がたくさん居る)
千早(私の歌を知っている人が、たくさん居る)
千早(それなら……)
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 03:59:19.60 ID:ni11Nw8S0
-
――――――さあ願いを願う者達
――――――…………
千早「……」グッ
やよい「えっ!? 千早さん、黙っちゃいました」
P「まさか、歌詞が飛んだのか? 千早が!?」
千早(少し、恥ずかしい、けれど)スゥ
千早「みんな、一緒にーーーーーー!!!!」スッ
P&やよい「!?」
子供たち「!」
子供たち「「「「飛べ!!!」」」」 - 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:03:39.74 ID:ni11Nw8S0
- P「千早が、マイクを客席に向けた……」
やよい「子供たち、すっごく盛り上がってますー。楽しそう」
会長「すごいね、あの子。さすが『歌姫』だ」
やよい「かいちょーさん! 車は間に合いそうですか?」
会長「実は、もうちょっとかかりそうなんだ……」
やよい「!」
やよい「じゃあじゃあ、プロデューサー! 次はこれを流してください。私も行ってきます!」
P「あ、おいやよい!」
やよい「お願いしますー!」タタタッ - 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:06:38.95 ID:ni11Nw8S0
-
――――――ヒュルラリラ もっと強くなれ
――――――ヒュルラリラ 目指すarcadia
かすみ「千早さん、やっぱりすごい……」
浩太郎「すっげー! めちゃくちゃかっこいい!」
千早「一緒に歌ってくれたみんな、ありがとう。きっと歌声は届いたと思うわ」
やよい「いいや、まだです!」
千早「!?」
やよい「みんなー、声は大きかったけど、まだまだ楽しい気持ちが足りないよー!」
親B「ねえ、もしかしてあの子って高槻やよいちゃんじゃない?」
親C「本当に? 如月千早といい、本物なのかしら……」
やよい「だから今度はこの歌で、みんなにもーっと、笑顔とハッピーをお届けしちゃいまーす!」 - 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:09:31.84 ID:ni11Nw8S0
-
やよい「みんな、集まってー! スマイル体操、いっくよー!」
幼児1「わー、体操のお姉ちゃんだ!」
幼児2「ねえねえ、前に行ってきてもいい??」
親D「はいはい、気をつけるのよ?」
幼児「わーい!」ダダダ
♪絶対ハッピー!!
やよい「いち、に! ほら、千早さんも!」
千早「え、わ、私も!?」
♪全体ハッピー!!
やよい「はい!」
千早「さ、さん、しー!」 - 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:12:29.20 ID:ni11Nw8S0
- ――――――世界中笑顔になれ♪ アッハッハッハ
――――――スマイル体操 私らしく笑ってみよう
――――――君らしく笑ってみよう
千早&やよい「さあ、スマイル&ピース!」 - 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:13:36.39 ID:ni11Nw8S0
- P「あはは、千早の動き、硬いなー」
P「でも」
P「千早も、あんな笑顔ができるようになったんだな」
♪絶対ハッピー!!
幼児たち「ごー、ろく!」
♪全体ハッピー!!
千早「しち、はち!」
~~ - 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:17:02.00 ID:ni11Nw8S0
- ~~
ステージ裏
P「お疲れ様、2人とも。ほら、タオルと飲み物だ」
やよい「ありがとうございますー! もう、汗でべとべとですー。長介にお風呂の準備してもらわないと」
千早「ありがとうございます、プロデューサー。あの」
P「?」
千早「私、うまくできていたでしょうか?」
P「ああ、大成功さ。見てみろ」 - 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:19:00.63 ID:ni11Nw8S0
- タタタッ
かすみ「千早さん、すごかったです!!」
浩太郎「めちゃめちゃかっこよかったよ!」
浩司「かっこよかった!」
P「な?」
千早「みんな……ありがとう」
やよい「千早さんだけじゃなくて、私もがんばったんだよー?」プゥ
かすみ「お姉ちゃんのは、いっつもみんなで見てるから……」
浩太郎「千早ねーちゃんの方がかっこいい!」
浩司「ねー!」
P「あはは、だそうだ。よかったな千早」
千早「なんだか……ごめんなさい、高槻さん」
やよい「はわっ! 謝らないでください。冗談ですからっ!」ニコッ - 107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:22:08.74 ID:ni11Nw8S0
- P「それじゃあそろそろ帰ろうか。響と長介くんが首を長くして待ってるよ」
千早「あ、そうでした。早く帰ってシャワーも浴びたいですし……」
やよい「お風呂の準備してもらうよう、電話しておきましたー!」
P「帰り道、何か欲しいものがあったら言っていいぞ?」
浩太郎&浩司「プロデューサーの兄ちゃん、買ってくれるの!?」
やよい「こーら! 迷惑かけたら、めっ! でしょ?」
P「あはは、いいじゃないか。ステージ見てる間、お祭り回れなかっただろうし」
やよい「うー。迷惑かけて、すいません……」
P「やよいはいいのか? 千早も」
やよい「そんな、私はいいです!」
千早「高槻さんがそう言うのなら、私も」 - 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:25:16.21 ID:ni11Nw8S0
- P「遠慮しなくていいのになあ」
浩太郎「あ! じゃあじゃあ、こうしない?」
かすみ「どうしたの、浩太郎?」
かすみ&浩太郎&浩司「」ヒソヒソ
浩太郎「いいよね姉ちゃん、そうしよう?」
かすみ「浩司もいい?」
浩司「うん!」
P「お、何にするか決まったか?」
浩司「うん、わたあめ!」
P「分かった、わたあめを3人分だな。買ってくるから少し待っててくれ」
浩司「はーい!」 - 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:29:53.95 ID:ni11Nw8S0
- P「はい、3人分」
かすみ「ありがとうございます。それじゃあ2人とも」
浩太郎「はーい! プロデューサーの兄ちゃん」
P「?」
浩司「うん! やよいねーちゃん」
やよい「なーに?」
かすみ「そして、千早さん」
千早「え?」
浩太郎「いつもやよい姉ちゃんを助けてくれて、ありがとう!」
浩司「いつもお仕事とお母さんのお手伝い、お疲れ様!」
かすみ「いつもお姉ちゃんを支えてくれて、ありがとうございます」
千早&やよい&P「……!」 - 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:32:17.80 ID:CieNUMzE0
- ええ子達や
- 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:35:10.26 ID:ni11Nw8S0
- P「これは、一本取られたかな」
千早「そう、ですね」
やよい「みんな……」
かすみ『いえ、私はお姉ちゃんの真似をしているだけですから』
千早(高槻さんは、本当にいい『お姉ちゃん』なのね)
~~
- 115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:38:14.53 ID:ni11Nw8S0
- ~~
高槻家
一同「いっただっきまーす!」
響「へー、そんなことがあったのか! 自分もステージに立ちたかったなー」
P「千早が途中で黙っちゃったときには、心臓が止まるかと思ったけどな」
響「千早はそんなミス絶対しないもんなー。自分もその場にいたら、何かあったんじゃないかって思いそうだぞ」
千早「や、やっぱり変だったでしょうか?」
P「いいや。さっきも言ったけど、大成功だよ」
千早「それならいいのですけれど……」
P「ああ。変わったな、千早」
千早(変わった、か……) - 119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:49:40.45 ID:mems2r6R0
- 浩太郎「でね、でね、千早ねーちゃんに『はっせーれんしゅー』」教えてもらったんだよ」
浩司「子守唄もめっちゃ上手だった!」
長介「浩三が泣いちゃったんだけど、千早姉ちゃんが歌うとすぐに泣き止んだんだ」
やよい「そうなの? 千早さん、やっぱりすごいなー」
浩司「ぼく、千早ねーちゃんの弟になりたいなー!」
『お姉ちゃん、歌って!』
千早「っ!」
響「!」
P「!」
- 120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:50:46.15 ID:mems2r6R0
-
やよい「千早、さん……?」
響「千早……?」
千早「大丈夫よ、高槻さん。浩司くんありがとう。すごく嬉しいわ」
浩司「えへへー、本当だよ?」
千早「でもそんなこと言うと、高槻さんもかすみちゃんも悲しむわよ」
かすみ「そうだよ! 私だってお姉ちゃんなんだから」
浩司「千早ねーちゃんはやよいねーちゃんともかすみねーちゃんとも違うもん!」
~~ - 121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 04:54:47.04 ID:Jq0/dEeA0
- ~~
高槻家、玄関
浩太郎「」ガシッ
浩司「」ガシッ
千早「あの、2人とも。放してくれないと帰れないんだけど……」
やよい「2人とも、千早さんが困ってるでしょ? 手を放して」
P「たった一日なのに、ずいぶん仲良くなったんだな」
響「自分と伊織のときにはこんなことなかったのに、なんだか悔しいぞ」
P「まあ、あのときはあのときで大変だったからな。みんな先に寝ちゃってたし」
響「それもそうかー」
千早「明日はお仕事だから、帰らないといけないの。ごめんね、2人とも」
浩太郎「……」パッ
浩司「また、遊びに来てくれる?」
千早「ええ、2人がいい子にしていたら必ずね」
千早「だって私は、『お姉ちゃん』なんでしょう?」ニコ - 124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:00:59.65 ID:4a90ZIgp0
- 浩司「!」
浩司「」パッ
千早「いい子ね。ありがとう」
響「帰りはプロデューサーが車で送ってくれるんだよなー?」
P「ああ。というか響、お前これ狙ってただろ」
響「えへへ、ばれたか?」
千早「あ、そうだ高槻さん」
やよい「何ですか?」
高槻家一同「なーに?」
千早「あ、いや、みんなではなくて……」 - 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:01:48.24 ID:4a90ZIgp0
- 長介「冗談だよ。一回やってみようってみんなで言ってたんだ」ニヤニヤ
やよい「もー、紛らわしいことしないで!」
千早「そうね。……紛らわしいもの、ね」
やよい「それで、どうしたんですか?」
千早「いえ、大したことではないのだけれど。今日は本当にありがとう。明日の生っすか、頑張りましょう」
やよい「もちろんですー! 今日は本当に、ありがとうございましたーっ!」
- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:02:38.42 ID:4a90ZIgp0
- 翌日 生っすか収録後
千早「高槻さん、お疲れ様。昨日はありがとう」
響「やよい、お疲れー! 昨日はとっても楽しかったさー!」
やよい「お疲れ様でした! あのー、千早さん響さん。ちょっと渡したいものがあるんですけど、いいですか?」
千早「渡したいもの?」
響「自分たちにか?」
やよい「はいー。これ、なんですけど……」
千早「これって……画用紙?」 - 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:05:35.76 ID:4a90ZIgp0
- 高槻さんの手にあったのは、数枚の画用紙だった。かなり大きなそれはくるくると円筒状に丸められ、輪ゴムで留めてある。
やよい「どうしても今日じゃないとだめだ、って聞かなくて。見てもらってもいいですか?」
その口ぶりからするに、高槻さんが自分で用意したものではないのだろう。もちろん断る理由もないので、いったい何なのだろうと思案を巡らせつつしゅるしゅると画用紙を開いていき。
それが何かを理解して、私は思わず、はっと息を飲んだ。
響「これって、みんなが……?」
やよい「はい! どうしても今日、千早さんと響さんに渡してほしい、って」 - 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:06:48.65 ID:4a90ZIgp0
- 一面に広がっていたのは、色とりどりのクレヨンや色鉛筆の跡。そしてそこに描かれていたのは、私や我那覇さん、高槻さんたちの姿だった。
一緒に歌を歌っている姿、シャボン玉を飛ばしている姿、料理をしている姿、そしてステージに立っている姿。
きっとみんなで協力して書いたのだろう、部分によって上手さや雰囲気はまちまちだったが、不思議とどれが誰のことを表しているのかはすぐに分かった。
響「へへ、みんな絵がうまいんだな」
隣で我那覇さんも同じようなことぉ考えていたらしく、照れくさそうな声を上げた。
そこで私は下の方に様々な筆跡で文字が書いてあるのに気付き、そちらに目を向けた。おしてそこに書いてある言葉の意味を理解して、もう一度息を飲む。 - 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:09:48.52 ID:wDIGwKOn0
- 『千早姉ちゃん、昨日はありがとう。みんな喜んでたから、良ければまた遊びに来て欲しいな。』
少し荒れてはいるがしっかりとしていて読みやすいこの字は、長介くんのものだろう。
『千早さん、昨日はうちに来てくれただけではなくて、サインをいただいたり料理を作っていただいて、本当にありがとうございました。
わたしはいつでも千早さんを応援しています。』
少し小さくてかわいらしい、丁寧なこの字は、きっとかすみちゃんに違いない。
『千早ねーちゃん、昨日はめいわくかけてごめんなさい。こう三をなかせたり、帰るのじゃましちゃってごめんなさい。
でも、ステージの千早ねーちゃんはめちゃめちゃカッコよかったよ。またあそびに来てね。』
長介くんの字に似ているが、まだまだ書き慣れていない感じのこの字は、浩太郎くんか。
『ちはやねーちゃん、きのうはこめんなさり。いいこにしてるから、やよいねーちゃんやちょうすけにーちゃんのおてつだいもするから、
ぜつたいまたあそびにきてぬ。』
ところどころ間違ってはいるけれど、その元気さをよく表した大きな字で書いてくれたのが浩司くんだろう。
そして、最後には。
みんなが交代で一文字ずつ書いたであろう、ある1つのメッセージが見て取れた。
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:10:19.15 ID:wDIGwKOn0
-
『ぼくたちのお姉ちゃんへ』 - 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:12:33.26 ID:G3ab5XLC0
- やよい「どうしたら千早さんがまた来てくれるか、って浩司が言い出して、みんなで話して決めたそうなんです」
やよい「だから千早さんさえご迷惑でなければ、また……」
昨日、いやもう一昨日か。私を誘ったときと同じように、どこか申し訳無さそうな様子で高槻さんは言う。その姿を見て、私は前々から抱いていた1つの考えを実行に移すことを決意した。
千早「そんなことはないわ。……やよい」
やよい「えっ?」
千早「迷惑だなんて、そんなことはないわ。むしろ、私の方からお願いしたいくらいだもの」
やよい「え、えとえと、それはすっごく嬉しいんですけど、今千早さん、やよいって」
千早「……ええ。前々から、いつかそうしてみたいと考えてはいたの。でもなかなか、きっかけが無くて」
やよい「きっかけって……。今日は何かあったんですか?」キョトン
千早「ええ、あったわ。私にとっては大きすぎる、きっかけが」
やよい「それって……?」
千早「だって、妹のことを名前で呼ぶ姉なんて、いないでしょう?」
やよい「!」
やよい「はいっ!」ニコッ - 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:13:22.16 ID:G3ab5XLC0
- 響「へへ、良かったな、やよい」
千早「あら、あなたもよ、響」
響「えっ!?」
千早「私にとって765プロは、大切な家族のようなものだから。できればあなたのことも名前で呼びたいのだけれど……。嫌、だったかしら」
響「まさかー! とっても嬉しいさー!」ピョン
やよい「千早さんともっと仲良くなれたみたいで、とっても嬉しいですー!」
家族の大切さ、仲間の大切さを知ったこと。それは間違いなく、この一年間で私が『変わったこと』のひとつだろう。
この日、私はそれがどれほど大切で、輝かしいものなのか。それを得られたことがどれだけ幸福であるかを再認識させられた。
私にそれを気付かせてくれた、新たな妹や弟的存在ができたと言っていいかもしれないこの日は、奇しくも4月の15日。
卯月のちょうど、真ん中の日だった。 - 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:15:15.85 ID:G3ab5XLC0
- これで終わりです! 曜日と月齢は2012年準拠
アニマスのOPEDで流れなかったarcadiaとスマイル体操が使いたかっただけのssでした
本当はinfernoも使いたかった。良曲だと思うので、アイマス好きで聴いたこと無い人は是非
帰省と回線で死ぬかと思ったけど、なんとか最後まで書けてよかった
お付き合いくださった方、本当にありがとうございましたー!
- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:16:13.31 ID:P6ZR0ZZR0
- おつかれー
- 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:16:52.90 ID:CieNUMzE0
- 乙
いい話だったぜ - 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:19:57.03 ID:G3ab5XLC0
- 少しだけ蛇足的なおまけ
- 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:21:16.58 ID:wiLMaw+Y0
- ~お祭り後の夕食にて~
浩司「響ねーちゃんのご飯、美味しいね!」パクパク
浩太郎「うん! 食べたこと無い料理だけど、美味しいよ!」モグモグ
響「それは良かったさー! でも……」
P「ちょっと足りないかも、だな」
響「うー。子どもの食欲を舐めてたよ……。本当はプロデューサーにもおなかいっぱい食べてもらいたかったのに」
P「はは。まあ俺もちょっとは食べさせてもらったからさ。美味しかったよ」
響「本当か? それはめっちゃ嬉しいぞ!」
P「でもやっぱり、この子達に食べてもらうべきだろ。ちょっとお腹は減ったけどな」
響「もっと大目に用意しとけば良かったよー!」 - 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:21:53.20 ID:wiLMaw+Y0
- ピンポーン
かすみ「こんな時間に、誰だろう?」
やよい「はーい、今出まーす!」パタパタ
会長「こんばんは、やよいちゃん」
やよい「かいちょーさん! 今日はお疲れ様でしたー!」
会長「ほんとう、やよいちゃんのおかげですごく助かったよ。そのお礼と言っちゃあ何だけど、これ……」ドサドサ
やよい「うわあ、これって……!」
会長「お祭りで残った料理やお菓子をたくさんもらって来たんだ。残った分はわしが持って帰るから、必要な分だけ食べてくれればええ」
浩司&浩太郎「お菓子!?」ドタドタ
やよい「こーら! 走らないの! でもこれ、本当にいいんですか?」
会長「大半はどうせ誰かが食べるか捨ててしまうことになるからね。あんなステージをしてもらったお礼としては全然足りないかもしれないけど、受け取ってくれるかい?」
やよい「もちろんです! ありがとうございますー!」 - 142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:22:26.52 ID:wiLMaw+Y0
- P「これ、本当に俺ももらっていいのか?」
やよい「はい! みんなでぱーっと、食べちゃいましょう!」
響「千早とやよいと、プロデューサーがステージ頑張ったお礼だもんなー。あーあ、自分も見たかったさー」
P「面白かったぞー。特に千早が、やよいのスマイル体操の」
千早「プロデューサー。何が食べたいですか? 取ってあげますよ」
P「ああ、サンキュ。じゃあ焼きそばを取ってくれ」
千早「焼きそば、ですね。はいどうぞ」スッ
響「それで、何が面白かったんだ?」
P「ああ、そうそう。スマイル体操のときに、ちはむぐっ」
千早「プロデューサー。このイカ焼きすごく美味しいですよ」
P「むぐ。……なんとなく分かったから、無理矢理口に突っ込むのはやめてくれ、千早」
千早「焼き鳥もたこ焼きもありますので、そのつもりで」
P「ははは……」タラ
やよい(何かあったんでしょうか……)
響(何があったんだろう……) - 144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:27:38.79 ID:TqAX5Xwd0
- ~生っすか収録後日 事務所~
千早「おはようございます」ガチャ
雪歩「あ、おはよう千早ちゃん。今日はゆっくりなんだね」
千早「ええ、ちょっと学校で予定があって」
雪歩「今ちょうどみんなにお茶を淹れているところだったんだけど、千早ちゃんも飲む?」
千早「ええ、お願いするわ、雪歩」
雪歩「じゃあちょっと待っててくださいね~♪」トテトテ
雪歩「……?」
雪歩「」ドタドタドタ
雪歩「ち、千早ちゃん、今なんて……!?」
千早「へ? どうしたの雪歩」
雪歩「ほらまた! 私のこと、雪歩、って」
千早「ああ。私もみんなのことを、名前で呼びたいと思って……。驚かせてしまってごめんなさい」
雪歩「ううん、千早ちゃんが謝る必要なんて全然ないよ! ただちょっと、びっくりしちゃって」 - 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:28:24.13 ID:TqAX5Xwd0
- 伊織「うるっさいわねぇ。なんの騒ぎよ?」
貴音「おや、如月千早ではありませんか」
雪歩「あ、伊織ちゃん、四条さん……」
千早「実は、今日からみんなのことを名前で呼ぼうと思ったの。そうしたら雪歩がびっくりしてしまって」
貴音「ほう。名前で、ですか」
千早「ええ。だからできれば、水瀬さんのことは伊織、四条さんのことも貴音さんと呼ばせてもらいたいんだけれど……。どう、かしら」
伊織「ふーん。別にいいんじゃない? 私も、千早にだけ苗字で呼ばれてたのは、少し壁を感じてたところだわ」
貴音「もちろん、わたくしも構いません」
千早「そうですか……。良かった」
伊織「そんなんで何か変わるとも思えないけどね。まあ、許可してあげるわ。にひひっ♪」
雪歩「じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃあ、私も四条さんのこと、貴音さん、って呼んでもいいですか?」
貴音「ええ、雪歩。もちろんですよ」
千早「それならお揃いね、雪歩」
雪歩「えへへ、そうだね千早ちゃん!」 - 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:28:58.34 ID:TqAX5Xwd0
- 貴音「随分と嬉しそうですね、雪歩」
雪歩「はい! もうちょっとでお茶が入るから、座って待っててもらってもいいですか?」
貴音「ええ、分かりました。ときに、千早」
千早「何ですか?」
貴音「どうやら1つ、殻を破ったようですね」
千早「!」
千早「そう、ですね。その通りです」
千早(自分の殻に閉じこもっていた私には、あつらえたようにぴったりな言葉)
千早「……でも、どうして分かったんですか?」
貴音「ふふ。それはもちろん」
千早&貴音「「とっぷしいくれっと」」
千早「ですか」クス
貴音「ええ、その通りです」ニコ - 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:29:57.73 ID:TqAX5Xwd0
- 小鳥「あらあら。2人とも、息ぴったりね」
貴音「小鳥嬢。見ていたのですか」
小鳥「ええ。仲が良さそうだなーと思って」
千早「音無さんも、見ていたなら言ってくださればいいのに……」
小鳥「む」
千早「え?」
小鳥「見てただけじゃなくて、しっかり聞いてたわよ。千早ちゃん。みんなのことを名前で呼ぶんでしょう?」
千早「ええ、そうですけれど……。もしかして」
小鳥「私のこともちゃんと、小鳥さん♪ って呼んでくれなきゃ嫌だわ♪」 - 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:31:40.61 ID:TqAX5Xwd0
- 千早「ええと……。小鳥、さん」
小鳥「もっと楽しそうに!」
千早「小鳥さん!」
小鳥「もっと愛を込めて!」
千早「こ、小鳥さん♪」カァ
P「何か楽しそうだな、千早」ヌッ
小鳥「あ、プロデューサーさん、こんにちは」
千早「プ、プロデューサー! おどかさないでください!」
小鳥「そうだ千早ちゃん、これを気にプロデューサーさんも名前で」
千早「そ、そんなことできるわけありません!」
P「? 何の話だ?」
千早「プロデューサーは知らなくていい話です!」
P「ん、なんで俺が怒られるんだ……?」
小鳥「ふふ、秘密です♪」
おわり - 149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 05:32:59.20 ID:TqAX5Xwd0
- やよちは(響)好きの同志に楽しんでもらえれば幸い
代行保守支援さるよけ、本当にありがとうございました
最後ぐだぐだですまん
それでは、お目汚し失礼ー
- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 06:24:57.78 ID:k5JDx+U80
- じーんと来てしまった
乙乙 - 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 07:39:15.39 ID:EBUU1nHAi
- おつ!
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