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和「いつかまた」咲「この木の下で」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:10:17.49 ID:ITyI8Dsa0
- 恒子「試合終了ー!!激戦を制し、決勝に駒を進めたのは、長野県代表清澄高校、岩手県代表宮守女子です!!」
健夜「惜しくも敗退した二校も健闘でしたね」
恒子「これで決勝のカードは決定しました!」
恒子「阿知賀女子、白糸台高校、清澄高校、宮守女子、全国の頂点に立つ高校はどこなのか」
恒子「これは目が離せません!」
ーーーーー
ーーー
ー
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:10:47.18 ID:ITyI8Dsa0
- 対局室
豊音「おつかれさまー」
咲「ありがとうございました」
霞「ありがとう……ございました……」
末原「お疲れさまでした……」
ガチャン
和「咲さん!」
咲「あ、和ちゃん!」
和「お疲れさまでした」ギュッ
咲「うん、みんなすごく強かったよ…」ギュッ
和「咲さん…」
咲「和ちゃん…」
久「とりあえず、出ましょうか?」
和「あっ、すみません!」アセアセ
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:11:30.55 ID:ITyI8Dsa0
- 宿舎
久「さて…明日の決勝にそなえて…」
和「はい…練習を…」
久「パーっとご飯でも食べましょうか」
優希「さんせーだじぇ!もうお腹ペコペコだじょ」
まこ「さすがに疲れたしのう」
和「あ、あの…練習…」
久「英気を養うのも練習よ和」
咲「わ、私もお腹空いたよ」
和「ま、まぁ…咲さんがそう言うなら…」
まこ「なんじゃ和、えらい咲には甘いのう…」ニヤリ
優希「のどちゃんひどいじぇ!私というものがありながら…」ヨヨヨ
和「そんなんじゃありません!」
久「和、顔真っ赤よ?」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:13:03.71 ID:ITyI8Dsa0
- 和「いい加減にしてください!!」
咲「あはは…」
まこ「おっかないのう…冗談じゃ」
和「全くもう…」
久「そうこうしてる間に料理が来たわよ」
優希「さすが部長だじぇ」
和「結局頼んでたんですね…」ぐぅー
和「…」
久「和…」
和「ま、まぁご飯を食べてからでも練習はできますからね」アセアセ
優希「二人とも早く座るじょ!」チンチン
咲「優希ちゃんお行儀悪いよ…」
久「あらごめんなさい、じゃ、いただきましょうか」
みんな「いただきまーす」 - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:15:56.91 ID:ITyI8Dsa0
- 優希「もぐもぐ…うーん…最高だなっ!」
まこ「もぐ…こりゃ大したもんじゃ…」
和「もぐ……あ、美味しい…」
咲「おいしいよこれ」
久「気に入ってもらえて良かったわ」
咲「そういえば京ちゃんは?」
まこ「さっき龍門淵の執事とでかけていきおったぞ」
久「…」
久「みんな、ちょっといいかしら」
優希「どうしたんだじぇ」
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:18:20.05 ID:ITyI8Dsa0
- 久「…」
まこ「なんじゃ、あらたまって」
久「今まで本当にお疲れ様。ここまで来れたのもみんなのおかげよ。」
久「本当にありがとう。明日の試合で最後だけど、絶対に悔いの残らないように頑張りましょう」
まこ「なーに言っとんじゃあんたは、らしくもない」
優希「言われるまでもないじぇ!」
和「当然です」
咲「絶対に勝ちます」
久「みんな…そうね、ごめんなさい…すこしナーバスになってたみたい…」
久「いつも通り、頑張りましょう」
みんな「はい!」
ーーーーー
ーーー
ー
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:21:15.93 ID:ITyI8Dsa0
- 優希「もう喰えないじぇー」グッタリ
久「食い意地はるからよ?」ナデナデ
まこ「まったく困ったやつじゃ…って咲と和はどこいったんじゃ?」
久「さぁ?二人で散歩でもしてるんじゃないかしら?」
外
咲「黙って出てきても大丈夫かなぁ?」
和「遅くならなければ大丈夫だと思いますよ」
咲「うん…」
和「…」
咲「和ちゃん…」スッ
和「ええ…」ギュッ - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:24:14.81 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「…」
咲「星…」
和「?」
咲「見えないね」
和「そうですね…」
咲「長野の空は星がたくさんなのに…」
和「明日の試合が終わればまた帰れます」
咲「うん…」
和「どうかしたんですか?」
咲「お姉ちゃん…」
和「…」 - 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:27:22.42 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「また話せるのかな…」
和「…です…」
咲「え?」
和「大丈夫です」
咲「…」
和「大丈夫」ギュウ
咲「和ちゃん…」ヒシッ
咲「私…ちゃんとがんばれるかな…」
和「大丈夫。私がついています」ナデナデ
咲「うん…うん…」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:30:17.52 ID:ITyI8Dsa0
- 和「明日…」
和「勝ちましょう」
咲「うんっ…」
和「そして…」
和(ずっと…一緒に…)
咲「和ちゃん…?」
和「あ、ごめんなさい。そろそろ戻りましょうか」
ーーーーー
ーーー
ー - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:33:03.42 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「すいません勝手に出て行って」
久「気にしなくてもいいわよ」
まこ「もっとゆっくりしてくりゃよかったのに」
久「あれ?あなたたち何かあった?」
和「いえ、何もありませんでしたよ?」
久「そう?前より親密になったような…手までつないじゃって」クス
咲「あっ」カァ
和「こ、これは!」バッ
久「ふふ…仲が良いのはいいことよ?」
咲「からかわないでくださいよ」アセアセ - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:35:34.64 ID:ITyI8Dsa0
- 和「ところでゆーきは?」
久「あそこで倒れてるわ」
優希「もうだめ…食べられないじぇ…」
和「全く…ゆーきはだらしないですね…」
咲「ふふっ…」
和「私たちもそろそろ寝ましょう」
久「あれ?練習しなくていいの?」
和「明日にそなえて休んでおくことも大切ですから」
久「へぇ…そう。ならおやすみ」
咲「あ、和ちゃん、私も寝るよ」
ーーーーー
ーーー
ー - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:38:12.56 ID:ITyI8Dsa0
- 寝室
和「…」
咲「…」
和「咲さん?」
咲「うん?」
和「起きてますか?」
咲「うん、なんだか眠れなくて…」
和「くす…私もです…」
咲「緊張してるの?」
和「いえ…そういうわけではないのですが…なんだか、落ち着かなくて…」
和(負けたら…もう、咲さんとは…)
咲「そっか…私と同じだね…」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:41:04.37 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「…」
和「…」
咲「そっち行ってもいいかな?」
和「ええ…」
咲「んしょ…んしょ…」モゾモゾ
咲「ふう…」
和「咲さん…」ギュ
咲「和ちゃん…」ギュッ
和「すごく落ち着きます…」
咲「うん…」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:42:35.32 ID:ITyI8Dsa0
- 和「明日、負ければ…」
和「…」
和(離れたくない…)
和「…ぐす…」ポロ
咲「和ちゃん?」
和「うぅ…ヒック…」ポロポロ
咲「あの…えっと…」オロオロ
和「ごめっ…なさいっ…」ポロポロ
咲「何かあったの?」
和「なんでもっ…ありません…」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:44:50.19 ID:ITyI8Dsa0
- 和「このまま…もう少し…」
和(今は…このままで…)
咲「うん…」ナデナデ
和「…ぐすっ…」
咲「…」ナデナデ
和「…」
咲「…」ナデナデ
和「…」スースー
咲「…」ウトウト
和「すーすー」ギュウ
咲「くぅ…くぅ…」
ーーーーー
ーーー
ー - 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:49:01.92 ID:ITyI8Dsa0
- 恒子「さあー!!いよいよ全国高等学校麻雀選手権大会決勝戦が始まろうとしています!!」
健夜「長かった戦いも今日のこの一戦で全てが決まりますね」
恒子「果たして優勝を勝ち取るのはどの高校なのか!!」
恒子「試合開始はこの後すぐです!絶対に負けられない戦いが、そこにはある」
控え室
久「さて…いよいよね…」
まこ「流石にちょっと緊張するのう」
優希「心配ないじぇ!」
優希「この試合に次鋒戦は来ないからなっ!!」
久「すごい気合ね」
和「飛ばしすぎてバテないでくださいね」
咲「優希ちゃん頑張って!」
優希「おう!!任されたじぇ!」
アナウンス「先鋒戦開始10分前です。選手の方は対局室へお願いします」
優希「じゃ!行ってくるじぇ!!」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:52:05.62 ID:ITyI8Dsa0
- 対局室
キィ…
シロ「あ」
シロ「よろしく…」
照「ええ」
玄「よ、よろしくおねがいします」
優希「よろしくだじぇ」
ーーーーー
ーーー
ー - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:55:07.17 ID:ITyI8Dsa0
- 恒子「先鋒戦終了ー!!やはり白糸台の宮永照!圧倒的です!!」
健夜「やはり強いですね」
控え室
久「やっぱり強いわね…」
まこ「いっちょカタキとったるか!」
和「これは…」アゼン
咲「…」
ガチャ
優希「うぅ…」
優希「ごめん…だじょ…」
久「気にすることないわ。全体から見れば削られてないぐらいよ」
優希「うん…」
優希「白糸台の先鋒…すごい気迫だったじぇ…」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:57:37.71 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「すいません…少し出ます…」
和「咲さん?」
咲「すぐに戻ってきますから」
久「大将戦には帰ってきてね」
咲「はい」ガチャ
廊下
咲「お姉ちゃん…」トコトコ
咲「…」
照「…」スタスタ
咲「あっ…」
咲「お、お姉ちゃん!!」
照「…」ピタ
咲「ぅ…」
照「…」スタ
咲「わ、私っ!!」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 18:59:45.60 ID:ITyI8Dsa0
- 照「…」クルッ
咲「絶対に負けない!!みんなで優勝したいから…だから…お姉ちゃんにも…」
咲「お姉ちゃんにだって負けないから!!」
照「…」フッ
照「…」スタスタ
咲「はぁ…はぁ…」
咲「今…笑ってた…?」
咲「少しだけ…笑ったよ、お姉ちゃん…」
咲「…」グッ
咲「うん!がんばろう!!」
ーーーーー
ーーー
ー - 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:03:46.92 ID:ITyI8Dsa0
- 控え室
ガチャ
咲「遅くなってすみません」
久「あら、帰ってきたのね」
まこ「もうすぐ副将戦おわるぞ」
優希「咲ちゃんどこ行ってたんだ?」
咲「少しね…試合はちゃんと見てたよ」
恒子『副将戦終了です!白糸台が圧倒的リードを保ったまま大将戦です!』
久「いよいよね…」
まこ「正直かなり厳しいのう…」
久「私たちが取り返せればよかったんだけど…」
咲「大丈夫です…」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:05:39.73 ID:ITyI8Dsa0
- 優希「咲ちゃん?」
咲「絶対に…絶対に勝ちますから」
久「へえ…」
まこ「すごい気合いじゃのう…」
優希「あとは任せたじぇ…」
咲「行ってきます!」
ーーーーー
ーーー
ー - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:06:00.97 ID:ITyI8Dsa0
- ごめん麻雀は良くわからないから飛ばすね
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:08:37.32 ID:ITyI8Dsa0
- 恒子「試合終了ーーー!!!」
恒子「激戦を勝ち抜き、見事優勝を手にしたのは西東京代表、白糸台高校です!!」
健夜「3連覇の達成…これは高校麻雀史に名を残す記録になりますね…」
恒子「しかし清澄の宮永選手の追い上げは凄まじいものがありましたね…」
健夜「あと500点取っていれば優勝は清澄でしたからね」
恒子「選手の皆様、応援された方々、お疲れさまでした」
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:11:30.03 ID:ITyI8Dsa0
- 対局室
淡「はぁっ…はぁっ…」ポタポタ
淡(危なかった…本当に危なかった…)
淡(個人的な力量なら私の数段強い…)
淡(生きた心地がしない…)
咲「ありがとうございました!」スタスタ
淡「あっ…はい、お疲れさまでした」ビクッ
しず「ありがとうございました!負けちゃったけど…本当に楽しかった!」
豊音「また遊んでねー」
バタン
淡「はぁー…きつ…」
ーーーーー
ーーー
ー - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:14:36.99 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「…」スタスタ
咲(負けちゃったな…)
咲(でも不思議…あれだけ勝ちたかったのに、不思議と落ち着いた気持ちだよ)
咲「みんな、ごめんね」
照「頑張ったな、咲」
咲「…」
咲「えっ?」バッ
照「お疲れ様」ニコ
咲「お、お姉ちゃん…?」
照「うん?」
咲「私に話しかけてるんだよね…?」
照「それ以外の誰だっていうんだ?」
咲「あ…あの…」
咲「わ、私…お姉ちゃんにいっぱい話したいこと…」ポロポロ - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:17:14.74 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「あれ…?なんで…?」ポロポロ
照「おいで」
咲「うぅ…うわああああああん!!」ダキッ
照「んっ」ギュッ
咲「お姉ちゃん…私…私…」ポロポロ
照「つらい思いさせてごめんね…」
咲「ううん…いいの…もういいの…」
照「あなたにただ純粋に麻雀を楽しんでほしかった。それだけのことなの…」
照「私…すごく不器用だから…」
咲「うん…知ってるよ…」グス
照「そっか…」ナデナデ - 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:19:49.75 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「お姉ちゃん…」
照「うん…咲…」
和(咲さんを探していたら…)
和(咲さん…お姉さんと仲直りしたんですね…)
和「もう…心配することはありませんね」クルッ
和「…」スタスタ
和「…」ポロ
ーーーーー
ーーー
ー - 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:22:26.14 ID:ITyI8Dsa0
- 全国大会から1ヶ月後
まこ「そろそろ帰るかのう…」
和「…」
咲「そうですね…もう外も暗くなってきましたし」
優希「もうお腹ぺこぺこだじぇ…」
久「そればっかりじゃない」クス
まこ「あんたももう引退したのになんでおるんじゃ」
久「だーって暇なんだもん…別にいいわよね?和?」
和「…」
久「和…?」
和「…え?あ、なんでしょう?」
久「…なんかあった?」
和「いえ、少し考え事を…」 - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:24:43.73 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「…」
和「……」
久「?」
和「…あの」
まこ「なんじゃ?」
和「私、みなさんに伝えないといけないことが…」
久「急にどうしたの?」
咲「…」
優希「のどちゃん様子が変だじぇ」
和「私…実は…」
和「転校…するんです…」 - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:27:13.72 ID:ITyI8Dsa0
- 久「冗談……ではなさそうね」
まこ「なんじゃと…」
優希「そんな!そんなの嘘だじぇ!!」
咲「……え?」
和「いきなりですみません。実は前々から決まっていたんですけど…」
久「それで、いつなの?」
和「今週末には…」
優希「急だじぇ…」
まこ「まぁ都合もあるだろうしのう…」
咲「なにそれ…」
和「…」
久「咲?」 - 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:29:21.04 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「なんなのそれ!わかってたのになんでそんなに急に言うの!?」ガタッ
和「ごめんなさい…」
まこ「落ち着かんか!」ガシッ
咲「なんで……なにも教えてくれなかったの…?」クタッ
和「ごめんなさい…」
咲「もういい……もういいよ……」
優希「咲ちゃん…」
和「わ、私…」
咲「今までありがとう、さようなら」バタン
一同「……」
和「…」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:30:10.62 ID:ITyI8Dsa0
- 久「ま、まぁ咲だって驚いてあんなこと言っただけでしょうから、気にしないで、ね?」
まこ「そうじゃ、落ち着いたらまた元通りじゃ」
優希「のどちゃん…」
和「すみません、今日は帰ります」
和「明日からは部活も来ません。引っ越しの用意があるので」
久「…」
久「りょーかい…」
ーーーーー
ーーー
ー - 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:33:44.93 ID:ITyI8Dsa0
- 3日後(和の引っ越しの前日)
優希「あれから二人とも一度も部活にこないじぇ…」
久「二人とも全く話もしていないの?」
優希「咲ちゃんが明らかに避けてるじぇ」
まこ「なんとまぁ…」
久「これはほっておけないわね…」ピポパ
久「もしもし?和?今から少し良いかしら?」
久「ええ、わかったわ。それじゃ」ピッ
久「さてと…」
まこ「どこか行くんか?」
久「部長最後の仕事よ」
優希「元部長…任せたじぇ」
久「じゃあちょっと言ってくるわ」
ーーーーー
ーーー
ー - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:35:11.59 ID:ITyI8Dsa0
- 翌日
和「みなさん、今までありがとうございました。短い間でしたが、この学校で過ごしたことは忘れません」
和「…」チラ
咲「!」プイ
和「新しい学校でも、この学校での思い出を糧に、頑張ります」ペコリ
パチパチパチパチ
先生「原村、向こうでもしっかりな」
モブ「原村さん今まで楽しかったよー!」
モブ2「またね!絶対忘れないからね!」
咲「……」
先生「それじゃ今日はこれまでな、気をつけて帰れよー」
ワーワー - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:38:55.47 ID:ITyI8Dsa0
- モブ3「原村さんこれからお別れ会とかしない?」
モブ4「いいじゃん、やろーよ」
和「あの…今日は早く帰って来いと言われているので」
モブ3「そっか…じゃあ仕方ないね」
和「すみません…」
和「…」スタスタ
咲「…」
和「…」ピタ
咲「…」
和「咲さん」
咲「…」 - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:43:49.77 ID:ITyI8Dsa0
- 和「私…」
和「咲さんと過ごしたことは一生忘れません」ジワ
咲「…」
和「ありがとうございました」ポロポロ
和「大好き」ダッ
咲「…」
咲「私も…だよ…」ポロポロ
ガラガラ
久「遅かったか!!」ズササッ
咲「ぶ、部長…ひっく…」グスッ
久「泣くくらいなら無視なんてしなけりゃいいのに…」
咲「だって…私も混乱して…どうしたらいいかわからなくて……」
久「じゃあちょっと新情報を」ヒソッ
咲「え?」 - 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:46:03.41 ID:ITyI8Dsa0
- 久「…」耳打ち
咲「…」コクコク
久「…」ヒソヒソ
久「ってことらしいわよ」
咲「そ、それって…」
咲「私…」
久「ん、行きなさい」
久「今ならまだ間に合うから」
咲「すみません!ちょっと行ってきます!」ダッ
久「がんばんなさい」ニコ
ーーーーー
ーーー
ー - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:50:17.97 ID:ITyI8Dsa0
- 和「…」トボトボ
和「はぁ…」
咲「和ちゃーーーん!!」ダッダッダ
和「さ、咲さんっ!!」バッ
咲「はぁ…はぁ…」
和「あの…」
咲「ごめんなさいっ!私ずっと誤解してた…」
和「もしかして…部長が?」
咲「うん」
久『和のお父さんは厳しいらしくてね、和は全国優勝ができなければ転校するという約束をしてたらしいわ』
久『今まで言わなかったのも父親にかなり食い下がってたみたいよ』
久『私たちに無駄な心配をかけないように、ね』
咲「和ちゃん…このままだったら私、一生後悔してたよ…」
咲「ほんとにごめんなさい」ペコ - 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:52:20.77 ID:ITyI8Dsa0
- 和「気にしていません」
和「こうして分かり合えましたから」
咲「和ちゃん…」
和「ここ…」
咲「ん?」
和「私たちが初めて出会った場所ですね」
咲「あ、ほんとだ」
和「咲さんはあそこの木の下で本を読んでいて」
咲「そこに和ちゃんが通りかかって」
咲「すごく綺麗だと思った」
和「ふふ…」
咲「えへへ…」 - 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 19:52:42.74 ID:ITyI8Dsa0
- 和「また…」
咲「え?」
和「いつかまた、この木の下で会いましょう」
咲「うん…その時までは、さよならだね」
和「はい、その時まで」
咲「私、これからも麻雀続けていくよ」
和「私もです」
咲「うん…」
和「…」
和「そろそろ…行きますね」
咲「うん、またね」
和「はい、さようなら」スタスタ
和ちゃんの姿が見えなくなると、私は堪えていた涙を止められなくて、声をあげて泣いた。
ーーーーー
ーーー
ー - 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:15:59.27 ID:ITyI8Dsa0
- この後は少し地の文が入る
見にくかったらごめん - 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:16:27.27 ID:ITyI8Dsa0
- そして数年の時が過ぎた……
久「お疲れさま、咲」
咲「お疲れさまです。先輩」
私は大学を卒業した後、久先輩の推薦で大手の薬品会社に入り、そこで麻雀を続けていた。
プロになる機会もあったけど、今一つ麻雀に対して本気になれなかった私は、麻雀だけは続けようと今の道を選んだのだ。
久「あなた入社してから働きすぎよ?明日から連休でしょう?」
咲「はい。そうですね」
久「たまには実家に帰ったら?お姉さんや両親も喜ぶわよ?」
お姉ちゃんやお母さんは私が高校生の時に、長野に帰ってきて一緒に暮らしていた。
お姉ちゃんは今、長野でプロの雀士としてテレビや雑誌に引っ張りだこになるほど活躍している。
咲「そうですね…うん、そうします」
久「ご家族によろしくね。じゃ、お疲れー」
咲「はい、さようなら」
咲「長野に帰るのなんていつぶりだろう…」
ーーーーー
ーーー
ー - 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:18:54.17 ID:ITyI8Dsa0
- 長野
咲「ただいま」
母「お帰りなさい。駅まで迎えに行ってあげたのに…」
咲「大丈夫だよ。それよりお姉ちゃんは?」
母「居間で待ってる。まだかまだかーってずっと言ってたわ」クス
照「ちょっと、変なこと言わないでよ」
母「あら、いたの?」
咲「あ、お姉ちゃん!ただいま」
照「お帰りなさい。咲」
母「疲れたでしょう?布団敷いておいたから、ゆっくり休みなさい」
咲「うん、ありがとうお母さん」
咲「お風呂行ったら寝るよ」
ーーーーー - 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:21:12.22 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「さ、そろそろ寝よっかな」
照「咲、ちょっといい?」
咲「うん?どうしたのお姉ちゃん」
照「その…せっかく帰ってきたのにこんな話もなんだけどな…」
照「咲はプロになるつもりはないのか?咲の実力なら…」
咲「うん…」
咲「麻雀は好きだし、とても楽しいけど…なぜかな…」
咲「そこまで本気になれないんだ」
照「うん…」
照「それってさ」
咲「うん?」
照「ずっと前に言ってた女の子が関係してたり?」
咲「んん…そうなのかな?」 - 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:22:09.29 ID:ITyI8Dsa0
- あ、ずっと前に言ってた女の子=和
ね - 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:23:47.34 ID:ITyI8Dsa0
- 照「ずっと連絡とってないんだろう?」
咲「うん…」
咲(あの日彼女と別れてから私の心は熱を失っていたのかもしれない。)
照「ま、ゆっくり考えればいい。まだ若いんだから」
咲「そうだね。そうするよ」
照「うん。ごめんね引き留めて、おやすみ」
咲「大丈夫、おやすみなさい」
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ーーー
ー - 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:25:44.41 ID:ITyI8Dsa0
- 朝
咲「ん…」
夢を見た
咲「ふぁ…」
夢の中の私は高校生で、初夏の訪れを感じさせる陽気を浴びて街路樹は白い花を咲かせていた。
その木の根元で私は本を読んでいて、白い花びらが本の上に落ちて。
その時私の後ろに人の気配を感じて、ふと振り返ったところで目が覚めた。
咲「夢…?」
それはとても懐かしい夢だった。
咲「そっか…夢か…」
咲「学校…行ってみようかな…」
私は家に置いてあった小説を一冊カバンに入れて、学校へと向かった。 - 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:27:47.03 ID:ITyI8Dsa0
- 道を歩いているととても懐かしい気持ちになってくる。
道端のポストだったり、駄菓子屋さんだったり、昔から何もかもが変わっていなくて、安心感を覚えた。
学校に着くと、私は迷わずあの夢の場所へ向かった。
私が初めて彼女に出会った場所。
あの日と同じように街路樹は白い花を咲かせていた。
咲「うわぁ…懐かしいなぁ…」
その木の根元に腰をおろして、私はカバンから、持ってきた小説を取り出した。
何度も繰り返し読んだ本で、内容もよく覚えているけれど、そんなことは気にならなかった。
咲「…」パラ
咲「…」パラ
その時、白い花びらが本の上にふわりと落ちて来た。
人の気配を、感じた - 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:29:35.86 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「ん…」
振り向いて一人の美しい女性と目があうと、その女性は驚いたように目を見開いた。
女性「あ、あの…あなたは…」
咲「も、もしかして…和ちゃん…?」
和「さ、咲さん…」
みるみるうちに和ちゃんの目には涙が溜まっていく。私も泣いていた、と思う。
咲「和ちゃん!」
和「咲さん!」
私たちは強く抱き締めあった。私たちの間にある長い空白を埋めるように互いを求めた。
和「なぜ…ここに?」
咲「お仕事が休みで…なんとなく…」 - 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:30:14.05 ID:ITyI8Dsa0
- 咲「和ちゃんは?」
和「私、この高校で先生をしてるんです。麻雀部の顧問なんですよ」
咲「そう、なんだ…」
和「約束、果たせましたね」
咲「約束…」
和『いつかまた、この木の下で会いましょう』
咲「うんっ!」
和「またここから始めましょう」
咲「うん…」
彼女と抱き合っていると私の中のもやもやした気持ちがどんどん晴れて行って、彼女への愛しさだけが残った。
白い花びらが、二人の再開を祝福するように、いつまでも降り続けていた。
fin - 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:32:20.00 ID:BVx4f8k/0
- 超乙
- 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:32:32.58 ID:RoNEowet0
- 乙乙
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:33:41.42 ID:ITyI8Dsa0
- 書くのすげー時間かかった割にあっさり終わったwww
あるかもしれないこんなエンディング
読んでくれた人と支援保守くれたひとありがと
和咲増えろ - 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:34:01.00 ID:W4iEtP5I0
- 乙
和咲は久々に見た - 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:34:47.82 ID:ISaqqx3P0
- よかった乙!
またかいてね! - 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 20:52:47.72 ID:48SN1jLoO
- 面白かった乙

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