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あずさ「隣に…」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 01:33:07.06 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「遠いかなたへ旅立った」
P「いや……」
あずさ「私を一人置き去りにして」
P「あの……」
あずさ「側にいると約束をしたあなたは嘘つきだね」
P「……研修で1週間ほどいないだけですよ」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 01:45:42.13 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「プロデューサーさん、約束を守ってくれませんでしたね」
P「いや、俺が言ったのは出来る限りあずささんを支えるということでしてね」
あずさ「嘘つきです」
P「うぐ、そう言われてもですね。こればっかりは……」
あずさ「嘘つきです」
あずさ「大体、プロデューサーさんがいなかったら誰が私のプロデュースをするんですか?」
P「その辺は問題ありませんよ。ちゃんと仕事と被らないようにあずささんはオフにしてあります」
あずさ「そういうことは、しっかりやるんですね」 - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 01:59:42.22 ID:FwCwIpZX0
- P「最近は人気も上がったせいか、忙しくなって休暇らしい休暇なんて取れてないんですから」
P「まぁ、そういうスケジュール管理をしなかったのは俺の落ち度ですけど」
あずさ「私は、大丈夫です。お仕事の方は楽しいですから」
P「そう言ってくれるのは嬉しいですけどね」
P「やっぱり、無理させてしまった部分はあると思いますから」
あずさ「でも……」
P「まぁ、これを機にゆっくり休んでください」
あずさ「……はい」 - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 02:08:12.99 ID:FwCwIpZX0
- P「そんな顔しないでくださいよ、あずささん」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あずささんが不安な顔をしていると、こっちも不安になってしまいます」
P「大丈夫ですよ。たった1週間ですよ、1週間」
あずさ「それ、春香ちゃんの真似ですか?」
P「えぇ、そうですけど」
あずさ「ふふっ、プロデューサーさん。その物まね、似てないですよ」
P「これは手厳しいですね」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 02:20:47.62 ID:FwCwIpZX0
- P「まぁ、何にせよ1週間なんてすぐです」
P「研修が終わって、色々なもの身に着けて帰ってきたら」
あずさ「きたら?」
P「あずささんのトップアイドルへの道が近いものになりますよ」
あずさ「あら~、それは嬉しいですね」
P「えぇ、だから1週間後を楽しみにしていてください。生まれ変わった俺を見せてあげますよ!」
あずさ「期待していますね、プロデューサーさん」 - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 02:34:19.98 ID:FwCwIpZX0
- P「それじゃあ、行ってきますね」
あずさ「私、プロデューサーさんの帰りをしっかり待っていますね」
P「その言い方だと、すごい長い間の別れっぽいですよ」
P「でも、あずささんが言うようにしっかり待っていてくださいね」
P「でないと、俺もあずささんのことが心配で夜も眠れないですから」
あずさ「プロデューサーさん!?」
P「はははっ、冗談ですよ」
あずさ「もう……・」
P「それじゃあ、あずささん。行ってきます」
あずさ「はい、行ってらっしゃい。プロデューサーさん」
P(このやり取り……)
あずさ(なんだか……)
P&あずさ(夫婦っぽい……)
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 02:42:32.11 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「そうしてプロデューサーさんが、行ってしまったけれど……」
あずさ「何もする気が起きないわ~」
あずさ「仕事をあるわけでもないし……」
あずさ「事務所に行っても、みんなはお仕事をしているし……」
あずさ「暇ねぇ~」
あずさ「プロデューサーさんにメールでもしようかしら?」
あずさ「ううん、ダメよ。プロデューサーさんは私を信じているんだもの。ちゃんと待たなくちゃ!」
あずさ「ここは、しっかりとした女らしく……」
あずさ「しっかりとした女らしく……」
あずさ「……」
あずさ「プロデューサーさんの隣に、いないとダメよね!」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 02:55:31.20 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「おはようございます~」
高木「おや、三浦くん? 今週は休みでは無かったのではないかね?」
あずさ「それはそうなんですけど~。あの、社長」
高木「うん、どうしたのかね?」
あずさ「プロデューサーさんの研修先ってどこでしょうか?」
高木「彼の研修先かい? それだったら彼の机に資料に載っていると思うよ」
あずさ「本当ですか。ありがとうございます~」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:04:00.48 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「えっと、プロデューサーさんの机、机……」
あずさ「あっ、これかしら……えっと場所はここね」
高木「なぁ、三浦くん」
あずさ「はい、なんですか社長?」
高木「まさかと思うが、彼の所に行くのではないだろうね?」
あずさ「はい、そのまさかです~」
高木「三浦くん。君は自分が方向音痴だということを忘れたのかね?」
あずさ「大丈夫です。最近は、ケータイの地図アプリとかも充実していますし」
高木「むぅ、そうか……」
あずさ「はい、だから安心してください~」
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:06:43.77 ID:ZYfIpXed0
- 安心できないです
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:15:32.08 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「えっと、アプリによるとこの駅で乗り換えね」
あずさ「これには徒歩3分ほどかかるって載っているけど、この徒歩というのはどれくらいのスピードなのかしら~」
あずさ「う~ん」
あずさ「まぁ、私のペースでいいわよね」
あずさ「~♪」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:16:40.60 ID:JDdNp2980
- (アカン)
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:27:29.39 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「とうちゃ~く。な~んて、ふふっ」
あずさ「んっ? 時間……」
あずさ「あら~電車、乗り遅れちゃったみたい」
あずさ「でも、つぎのに乗れば平気よね」
あずさ「プロデューサーさん、私が来たら驚くかしら?」
あずさ「迷子にならずに来たんですかと言うのかしら?」
あずさ「ふふっ、プロデューサーさんの驚く顔が見てみたいわ~」
あずさ「あっ、来たわ。あれに乗れば……」
あずさ「待っていてくださいね。プロデューサーさん」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:34:53.72 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「う~ん。おかしいわ」
あずさ「電車にのって大分経つのに目的の駅につかないわ」
あずさ「ちゃんと路線はあっていると思ったんだけれど……」
あずさ「あの~すみません。この電車って、こちらの駅に止まりますよね?」
あずさ「えっ、それなら1本前の電車? 本当ですか~?」
あずさ「いえいえ、大丈夫です。教えていただいて、ありがとうございます~」ペコッ
あずさ「さて……どうしましょう~」 - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 03:49:26.92 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「こういう時は、来た道を戻るのが一番よね」
あずさ「迷路とかで迷ったら、途中まで戻ってやり直すものね」
あずさ「だったら、次の駅で降りないと……」
・
・
・
あずさ「う~ん。どうしてかしら」
あずさ「確かに、逆方向の電車にのったのに」
あずさ「私が乗り換えた駅じゃないわ~」
あずさ「う~ん。どうしましょう」
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 04:15:23.61 ID:FwCwIpZX0
- P「今日の研修も終わりっと……」
玲子「お疲れ様です」
P「あっ、尾崎さんもお疲れ様です。876プロの方はどうですか?」
玲子「特にこれといってあるわけではありません。765プロの方はどうです?」
P「こちらも特には、女の子がたくさんで騒がしいくらいですよ」
玲子「そうですか」
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 04:26:26.19 ID:FwCwIpZX0
- P「この研修に参加してよかったですよ。こうして、尾崎さんと意見交換できましたし」
玲子「こっちも765プロのプロデューサーの貴重な意見を聞けてよかったです。絵理の今後のプロデュースの参考にできそうです」
P「俺も早くこの研修を終えて、あずささんのプロデュースをしたいですよ」
玲子「私たち、アイドルのことばっかり考えてますね」
P「まぁ、俺たちプロデューサーですからね」
玲子「ふふっ、そうですね」
玲子「あら……これは着信音?」
P「あっ、俺のケータイです。出ていいですか?」
玲子「別に構いませんよ」
P「ありがとうございます。はい、もしもし……」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 04:38:44.74 ID:FwCwIpZX0
- 高木「あぁ、もしもし私だ。高木だよ」
P「社長、どうしたんですか? もしかして、何かトラブルでも?」
高木「いや、トラブルというほどでもないんだけどね。すっかり伝え忘れていたことがあって」
P「はぁ、伝え忘れたことですか?」
高木「うん、三浦くんのことでなんだが」
P「あずささんがどうかしたんですか?」
高木「うん、あまり長々と説明するわけにもいかないので、簡単に伝えよう。三浦くんが君の元へ向かった」
P「あずささんがですか? 社長、冗談はやめてください。あの方向音痴のあずささんがこっちに来れるわけないですよ」
高木「だが、彼女はケータイの地図アプリ使ってそっちへ行くと言っていたよ」
P「えっ、それ本当ですか?」
高木「もちろんだ。彼女を見送ったのは私だからね」
P「止めてくださいよ……」
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 04:51:08.86 ID:FwCwIpZX0
- P「社長、あずささん絶対迷子になっていますよ」
高木「そうかね? 私も三浦くんが行った後に地図アプリというのを使ってみたんだが、中々便利じゃないか」
高木「これなら、確かに彼女の迷子も心配ないとおもうんだが」
P「社長。あずささんの迷子は、そういうのでどうこう出来るものではありません」
高木「そうなのかね?」
P「はい。あずささんの方向音痴にかかれば、どんな文明の力も無意味です」
高木「君がそこまで言うとは……」
P「とにかく、俺はあずささんを探しに行ってきます」
高木「そうか……では、頼むよ」
P「はい。では、失礼します」
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 05:09:11.98 ID:FwCwIpZX0
- P「さてと……」
玲子「何かあったんですか?」
P「いえ、大したことでは。ただ、あずささんが迷子になったので」
玲子「貴方も色々と大変なんですね」
P「馴れてしまいましたよ」
玲子「付き合い、長いんですね」
P「それなりには……尾崎さんの方もですよね?」
玲子「そうですね。私も絵理のことは、誰よりも理解している程には濃い時間を過ごしましたね」
P「そういうことです。だから、あずささんは放っておくことはできませんから」
玲子「それは……プロデューサーとして、それとも一人の男性としてですか?」
P「さて、どちらでしょう?」
玲子「……わかりやすいですね」
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 05:19:01.49 ID:FwCwIpZX0
- P「とりあえず、あずささんに連絡しないと……」
P「居場所さへ解れば簡単だしな」
P「ケータイ取り出し、ポパピプペ……っと」
P「……」
P「……」
P「出ない」
P「何でこんな時に限って……普段だったらあずささんの方からかけてくるのに」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 05:32:35.15 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「う~ん、どうしましょう」
あずさ「あらっ?」
あずさ「着信……プロデューサーさんからだわ」
あずさ「プロデューサーさん、私のことを心配しているのかしら」
あずさ「ここまで来て、プロデューサーさんに心配してもらうわけにはいかないわ」
あずさ「ちゃんと、私がしっかりしている所を見せなくちゃ」
あずさ「だから、ごめんなさい。プロデューサーさん!」 - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:06:38.63 ID:FwCwIpZX0
- P「あずささんと連絡がつかない」
P「そう言えば、あずささんは地図アプリを使っているとか社長が言ってたな」
P「あずささんのことだから、駅に行くまでの道で迷ったか、それとも駅での乗り換えで間違えたか」
P「とにかく、どちらにせよ探すしかないか」
P「一応、メールしておこう」
P「今、どこにいますか?…・・・送信っと」
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:12:48.58 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「この電車に乗れば、いいのかしら?」
あずさ「悩んでも仕方ないわよね。思い切りが大事よ」
あずさ「この電車も違ったら、また別の電車に乗ればいいわよね」
あずさ「よいしょ。流石に動きっぱなしで疲れたました」
あずさ「……」
あずさ「すぅ、すぅ……」
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:21:50.49 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「んっ……ここは?」
あずさ「いやだ、私、眠っていたみたい」
あずさ「今、何時かしら……」
あずさ「あっ、メールが来てるわ」
あずさ「プロデューサーさんからだわ。『今、どこにいますか?』ね、えっと」
あずさ「○○駅に、いますよ。研修の方はどうでしたか?……送信っ!」
あずさ「ふふっ、これでプロデューサーさんのいる場所のすぐ近くの駅だったらビックリよね」 - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:37:15.68 ID:FwCwIpZX0
- P「メールが返ってこないから、最寄りの駅周辺を探してみたけど……」
P「あずささんらしき人影は見当たらずか」
P「うわっ、もうこんな時間か……まいったな、早く見つけないと」
P「んっ、メールが来た? こんな時になんだ、迷惑メールは勘弁だぞ」
P「あずささんからか……安心した、これで居場所がわかる」
P「えっと、『○○駅に、いますよ。研修の方はどうでしたか?』」
P「なんだ、あずささん○○駅いるのか……って、ここからかなり遠い所だぞ!」
P「一体、どこをどう間違えたらその駅にいけるんだ……」
P「というか、『研修の方はどうでしたか?』って、何でこんな呑気なの!? この人、自分がどういう状況にいるか絶対解ってないでしょ!?」
P「あぁ……もう! とにかく、急がないと」
P「すぐに迎えに行きます……送信」 - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:54:16.08 ID:FwCwIpZX0
- P「なんとか。追いつければいいんだけど……」
P「しかし、まぁ……あずささん、こんな時にもマイペースだよな」
P「案外、肝が据わっているのかもな。こっちは、迷子と聞いただけでハラハラするって言うのに」
P「いつだったか、名古屋まで迎えに行った時もあったしな……」
P「んっ……またメール」
P「『もうその駅は過ぎてしまいました。どうすればいいでしょうか?』」
P「……」
P「次の駅で降りて、待っていてください……送信」
P「世話の焼ける人だ……」
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 07:57:28.41 ID:aKici6CJ0
- 目を離すとすぐワープしちゃうからな
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 08:28:19.55 ID:FwCwIpZX0
- P「さてと、あずささんは……」
あずさ「プロデューサーさ~んっ! ここです。私はここにいます~!」
P「あずささんの声が……あずささんっ!」
あずさ「あぁ、プロデューサーさん……。よかった~、ううぅ……」
P「なっ、何ですか、あずささん。そんな泣かないでくださいよ」
あずさ「すみません。プロデューサーさんのお顔を見たら、なんだか安心して……」
あずさ「私、とっても心細かったんです……」
あずさ「このままグルグル電車を乗り継いで、プロデューサーさんも迎えにこれない所まで行ってしまったらって思うと」
P「その割には、メールでは落ち着いてませんでした?」
あずさ「文字だけじゃ気持ちは伝えきれませんよ~、ぐすっ」
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 08:45:13.27 ID:FwCwIpZX0
- P「あずささんん、ダメじゃないですか。こんな所まで来て……」
あずさ「ご、ごめんなさい……」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「えいっ!」
あずさ「あうっ!? い、痛いです、プロデューサーさん」
P「おでこに軽くデコピンしただけじゃないですか。あずささんには、ちょうどいい薬です」
あずさ「ううう……」
P「本当に心配したんですから」
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 09:02:20.14 ID:FwCwIpZX0
- P「でも、本当に何事もなくてよかったです」
P「あずささんに何かあったら……俺」
あずさ「プロデューサーさん、そこまで私のことを」
P「当たり前じゃないですか……俺はあずささんのプロデューサーですから」
P「いつも頭の中は、あずささんでいっぱいですよ」
あずさ「……///」
P「いや、あのあずささん。ここは、なにかしらツッコミが欲しいんですが」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 09:19:29.06 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「嬉しいです。そうやって私のことを考えていただけるのは」
あずさ「私も、いつもプロデューサーさんのことで頭がいっぱいですよ」
P「そ、そうですか」
あずさ「はい。かっこよくて、優しくて、まじめで、気さくで、人望があって、事務所の皆に好かれて、スーツが似合っていて」
P「あの……あずささん、そういうのは」
あずさ「えっと、それから~」
P「あずささん。や、やめてくださいよ!」
あずさ「い~え、やめません……ふふっ」 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 09:41:25.14 ID:FwCwIpZX0
- P「本当に勘弁してください。恥ずかしいんで」
あずさ「あら、まだまだいっぱいあるのに残念です~」
P「……帰りますよ」
あずさ「あっ、待ってください。プロデューサーさ~ん」
P「ほらほら、しっかりついて来てくださいね」
あずさ「は~い、わかってます。プロデューサーさんの隣が私の居場所ですから」
P「ちょっと、あずささんくっつきすぎじゃありませんか」
あずさ「そうですか~? これくらい近いほうがいいですよ」 - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 09:47:30.11 ID:FwCwIpZX0
- P(駅を降りて、あずささんを家まで送ってるけど)
P「……」
あずさ「……」
P(静かな夜の空気に当てられたのか、さっきからお互いずっと無言だ)
P(でも、この沈黙はなんだか心地いい。あずささんといるからだろうけど)
あずさ「……」
P「立ち止まってどうしたんですか、あずささん?」
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 10:03:18.31 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「プロデューサーさんは、さっき私のことをいつも考えていると言ってくれましたね」
P「えぇ、そうですね」
あずさ「でも、それは私がプロデューサーさんのプロデュースするアイドルだからですよね?」
P「はい……仕事ですから」
あずさ「もし私以外の女の子をプロデュースしたら、きっとプロデューサーさんはその人のために頑張るんですよね」
P「手を抜くつもりはないです」
あずさ「……です」
P「あずささん?」
あずさ「そんなの嫌です」
あずさ「私は、プロデューサーさんから担当のアイドルとしてなんか見られたくありません」
あずさ「私、ようやく見つけたんです。私だけの運命の人、私の隣を歩いてくれる人を」
あずさ「だから……お願いです。プロデューサーさん、私を一人の女性として見ていただけませんか?」
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 10:10:34.11 ID:FwCwIpZX0
- P「……」
あずさ「……」
P「いつからでしょうか。自分の気持をはっきりと自覚できたのは」
P「あずささんと一緒にいると心が安らぐ、あずささんと一緒だと優しい気持ちになれる」
P「どうして、そうなるか考えた時に一つの答えが出ました」
P「俺は、あずささんのことが好きなんだなって……」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「でも……」
P「俺は、あずささんの気持に応えることはできません」
あずさ「えっ……」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 10:31:47.07 ID:FwCwIpZX0
- P「今の俺は、プロデューサーとして未熟です」
P「そんな中途半端な男が、あずささんをずっと支えていくには力不足だと考えています」
あずさ「そんな私は……」
P「あずささんが良くても、俺が嫌なんです。こういう中途半端なものは……」
P「俺がこんな中途半端な状態で結ばれたら、俺はきっとあずささんを不幸にしてしまう」
P「それだけは絶対に避けたいんです」
あずさ「……」
P「すみません。こんなの男の独りよがりですよね」 - 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 10:51:34.69 ID:FwCwIpZX0
- P「それに俺はまだ、あずささんとの約束を果たしていませんからね」
あずさ「私との約束……ですか?」
P「そうですよ。あずささんをトップアイドルにする約束です」
P「その約束を果たさない内には、本当の意味であずささんの隣を歩けませんよ」
あずさ「そうですね……私たち、まだ夢の途中なんですね」
P「はい、そして夢は叶えなくちゃいけません。夢をみていた頃の自分に対しての責任がありますから」
あずさ「それじゃあ、もしプロデューサーさんが私との約束を、トップアイドルを生み出す夢を叶えたら……」
P「その時は、俺の方から聞かせてもらいます。あずささんの隣にいていいかを」
あずさ「はい。私、待っていますね」 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 11:23:04.16 ID:FwCwIpZX0
- 数か月後
P「ついにトップアイドルの座に立ちましたね」
あずさ「はい……。私、とても嬉しいです」
P「もう日本であずささんのことを知らない人なんていないくらいですよ」
あずさ「プロデューサーさん、それは言い過ぎですよ」
P「いえいえ……」
P「そう言えば、あずささんは今後はどうするんですか?」
あずさ「そうですね。夢を叶えましたから、もう思い残すことは……いずれは引退をするつもりです」
P「そうですか」 - 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 11:33:24.70 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「あの、プロデューサーさん。私たち、もう夢を叶えました……だから」
P「……」
P「あずささん……実は」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「はい……」
あずさ「いいですよ、私は」
P「……っ!」 - 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 11:41:02.94 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「アイドルをやっている時に、こうなるんじゃないかって思っていました」
あずさ「プロデューサーさんは、もう次の夢があるんですね」
P「……はい。俺は、自分の力を試したいです。世界にどれだけ通じるか見てみたい」
P「そのためには、もっと経験をつみ、学ばなければいけないんです」
P「だから、あずささん……すみません」
あずさ「謝らないでください、プロデューサーさん」
P「あずささん……」
あずさ「大丈夫です。私、待つのは得意なんです」 - 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 11:52:33.22 ID:FwCwIpZX0
- P「じゃあ……どうしてあずささんは泣いているんですか?」
あずさ「あら……本当です。私、涙……」
あずさ「おかしいですよね。こうなることわかっていたのに……」
P「あずささん!」
あずさ「プロデューサー……さん」
P「すみません……」
あずさ「……謝っても、行ってしまわれるんですよね?」
P「すみません……すみません……」
あずさ「ズルい人ですね……」
P「すみません……すみません……」
あずさ「そんな風に抱きしめられたら、涙……止まらなくなっちゃうじゃないですか」
P「……すみません」
あずさ「うぅっ……」
その日は、二人は互いに愛する相手を抱きしめながら静かに泣いた。
そして、Pは765プロを去り、三浦あずさはアイドルを引退した。
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 12:40:27.53 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「あれから、大分経ったけど……」
あずさ「私の毎日はとっても寂しいものになってしまったわ」
あずさ「朝起きて、特にすることもなくてジムで運動して、ブラブラと散歩をして、夜寝るだけの毎日……」
あずさ「新しい朝には、希望もなにもない」
あずさ「ただ、夢であの時のことを思い出して泣くだけ……」
あずさ「夜が明けるのが、こんなに辛いことなんてなかったわ」 - 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 12:49:17.71 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「今日も、何にも変わらなかったわ……後は、家に帰って夕飯を食べておしまい」
あずさ「……」
空に抱かれ、雲が流れていく
風を揺らして、木々が語る
目覚める度、変わらない日々に
君の抜け殻、探している
Pain 見えなくても、声が聞こえなくても
抱きしめられたぬくもりを今も覚えている
この坂道をのぼる度に、あなたがすぐそばにいるように
感じてしまう私の隣にいて、触れてほしい
遠い彼方へ旅立った、私を一人置き去りにして
側にいると約束をしたあなたは嘘つきだね
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:07:20.39 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「プロデューサーさん。やっぱり、プロデューサーさんは嘘つきです」
あずさ「私に伝えなきゃいけない言葉も伝えないで……」
あずさ「勝手にどっかに行ってしまうなんて、卑怯です」
あずさ「……会いたい、会いたいです。プロデューサーさん」
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:11:06.80 ID:FwCwIpZX0
- 何をそんなに泣いているんですか?
あずさ「約束を破られたんです……私の運命の人に」
へぇ、運命の人に……ですか?
あずさ「分かってはいたんです、一緒にはいられないって」
どうして、一緒にいてくれって言わなかったんですか?
もし、その人が運命の人でしたら、きっとあなたの望みを叶えてくれると思いますけど
あずさ「だって……大好きな人の夢は応援したいじゃないですか」
……その運命の人も、あなたの想いを受けて立派に成長していると思いますよ。
あずさ「そうですね……プロデューサーさんなら、きっと」
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:21:45.32 ID:FwCwIpZX0
- ところで、その約束ってもしかして……・
俺が、あずささんの隣にいてもいいか?っていうことを聞く約束でしたよね。
あずさ「えっ……」
あんまり暗い顔をしているので、最初誰だかわかりませんでしたよ。
あずさ「あぁ……」
やっぱり、あずささんには笑顔が一番ですから。
あずさ「……」
あれ、もしかして俺のこと忘れちゃいましたか?
それは参ったな……ようやく一人前になったと思って帰ってきたんだけど
あずさ「その優しい声……忘れるわけないじゃないですか」
あずさ「プロデューサーさん」
P「……」
P「ただいま、あずささん」
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:37:04.88 ID:FwCwIpZX0
- あずさ「いつ、戻ってきたんですか」
P「さっき、こっちについてそれでまずあずささんの家に行こうかと思ったら」
P「はた目からでも分かるくらい暗いオーラだしてるあずささんがいまして」
P「それで、何事かと思って声をかけたんですよ」
あずさ「誰のせいですか……誰の」
P「まぁ、俺のせいですよね」
あずさ「全くです」 - 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:46:57.41 ID:FwCwIpZX0
- P「あの……あずささん」
あずさ「はい、なんですか?」
P「俺、色々な場所を巡って、たくさんのことを学んできました。でも、それを活かせるアイドルがいないんですよ」
P「俺のプロデュースは、いつだってあずささんのためだけのプロデュースでしたから」
あずさ「……」
P「幸い、高木社長が俺とあずささんの765プロでの籍をそのままにしてくれていたようです」
P「だから、あずささん……もう一度俺にあなたをプロデュースさせてもらえませんか?」
あずさ「私……プロデューサーさんのいない間、ずっとからっぽでした」
あずさ「でも、今はこんなに満ち足りています。プロデューサーさん、私はもう一度輝けるでしょうか?」
P「そのために、約束を破ったんです。日本どころか世界中をあずささんの話題でいっぱいにさせてあげますよ」
あずさ「その約束は守ってくれますか?」
P「もちろんですよ」
あずさ「ふふっ……また、よろしくお願いしますね、プロデューサーさん」
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 13:53:26.53 ID:FwCwIpZX0
- P「それじゃあ、早速その旨を伝えに我らが古巣の765プロに行きましょうか」
あずさ「待ってください。プロデューサーさん、大事なことを忘れていますよ」
P「大事なことですか?」
あずさ「破ってしまった約束のこと……プロデューサーさんの言葉、ちゃんと聞きたいです」
P「えっ、それは……もうわかるでしょう?」
あずさ「あら、私はプロデューサーさんの言葉を聞いてないですから、お返事が出来ないですよ?」
P「うぐっ……」
あずさ「プロデューサーさん!」
P「わ、わかりましたよ……」 - 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 14:12:09.75 ID:FwCwIpZX0
- P「……」
P「あずささん、待たせてしまってすみません。でも、今の俺なら昔言えなかった言葉、はっきり言えます」
P「あずささん、あなたのことを誰よりも愛しています」
P「あずささんの隣で、一緒に歩かせてください。いや……あずさ、俺と一緒に歩いてくれ! これからの俺の未来、あなたと二人で築いてきたい!」
あずさ「……」
あずさ「私も、あなたの隣で、あなたの感じるものを感じながら、ずっと歩いていきたいです」
あずさ「プロデューサーさんっ!」
あずさは、Pに抱きつくと万感の想いをこめて、耳元でささやく。
お帰りなさい、プロデューサーさん♪
fin - 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 14:16:22.30 ID:OhT2Wrbc0
- 乙
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 14:24:26.60 ID:lNktaIYp0
- 乙!
- 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/25(水) 14:28:49.35 ID:wtnjAJw50
- 乙!!

THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 07 三浦あずさ

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