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向日葵「憧れの人ですか?」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/06(月) 23:57:31.42 ID:6UQIraqR0
- ※原作最新刊のネタが含まれてます
向日葵「『尊敬する人物について作文を書きなさい』……」
櫻子「作文は向日葵の丸写しできないからめんどいなー」
向日葵「写させませんわよ」
あかり「あはは……櫻子ちゃん、宿題はちゃんとやらなきゃダメだよ?」
ちなつ「こういうのって、歴史上の偉人とか挙げればいいのかな」
向日葵「もしくは両親とか、身近な人物についてですわね」
櫻子「うーん……難しいなあ」
向日葵「櫻子は他人を尊敬とかしませんものね」
櫻子「私だって尊敬くらいするわい!」
ちなつ「そういえばさ」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:00:01.68 ID:XIlrztvR0
- ちなつ「尊敬とはちょっと違うかもしれないけど、皆は憧れの人っている?」
向日葵「憧れの人……ですか?」
ちなつ「うん、ちょっと気になって」
櫻子「憧れの人ねぇ……」
あかり「あかりは結衣ちゃんと京子ちゃんかなぁ」
向日葵「船見先輩と歳納先輩?」
ちなつ「幼馴染みだもんね」
あかり「うん。あかりがちっちゃい頃から、毎日いっぱい遊んでくれて……」
あかり「あかりにできないことも二人はできちゃうから、すごいなあって」
あかり「今でも二人のこと、憧れてるんだぁ」 - 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:03:00.01 ID:XIlrztvR0
- ちなつ「あかりちゃんらしいなー」
あかり「えへへ……」
櫻子「私も先輩方のことは尊敬してる!」
あかり「櫻子ちゃんも?」
櫻子「だって船見先輩麻婆豆腐作れるんだよ!スゴいじゃん!」
ちなつ「尊敬するとこはそこなの……?」
あかり「結衣ちゃんの麻婆豆腐美味しいよねぇ~」
櫻子「あと歳納先輩は勉強できるし、杉浦先輩は仕事テキパキこなすし、池田先輩は皆のことよく見てるし、会長は落ち着いてるし!」
ちなつ「多っ」 - 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:05:40.73 ID:XIlrztvR0
- あかり「櫻子ちゃんは尊敬する人いっぱいいるんだねー」
櫻子「あかりちゃんのことも尊敬してるよ?」
あかり「えっ」
櫻子「忘れた子のために割りばし用意してくれるとことか、毎日欠かさず教室のお花に水をあげてるとことか、あとあと――」
あかり「は、はは恥ずかしいからあんまり言わないでぇっ!」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:08:59.27 ID:XIlrztvR0
- ちなつ「……櫻子ちゃんも結構、人のことをよく見てるよね」
向日葵「見るだけで満足せずに、見習ってもらえればありがたいんですが」
向日葵「それで吉川さんは、どなたか憧れている人はいますの?」
ちなつ「うーん、結衣先輩は当然として……あとはお姉ちゃんかな」
向日葵「お姉ちゃん……」 - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:11:33.69 ID:XIlrztvR0
- ちなつ「とっても美人で、おしとやかでね。自慢のお姉ちゃんなの」
向日葵「たしか……茶道を始めたのも、そのお姉様の影響でしたっけ?」
ちなつ「そうそう。そのおかげで結衣先輩にも会えたし、お姉ちゃんには感謝してもしきれない!」
向日葵「…………」
ちなつ「向日葵ちゃんは?憧れの人っている?」
向日葵「えっ……ええと……」
向日葵「……両親、でしょうか」
櫻子「あと怪我した人に絆創膏あげたり、皆にチョコあげたり、それに――」
あかり「櫻子ちゃんもう許してぇっ!」
ちなつ「あ、まだ続いてたんだ」 - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:14:37.72 ID:XIlrztvR0
- 【放課後】
向日葵(……吉川さんに、嘘をついてしまいましたわ)
向日葵(両親のことはもちろん尊敬しているけれど、私が本当に憧れている方は)
向日葵(憧れている人と聞いて、真っ先に思い浮かんだ方は――)
向日葵「…………」
ピンポーン
「はーい」
向日葵「あ、向日葵です。櫻子はいらっしゃいますか?」
ガチャ
撫子「や、ひま子。いらっしゃい」
向日葵「こんにちは、撫子さん」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:16:28.44 ID:ba6BN1bv0
- これは・・・なでひま・・・!?
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:18:30.60 ID:XIlrztvR0
- 撫子「ごめんね、櫻子出掛けちゃってて。すぐ帰るとは思うから上がっててよ」
向日葵「ええ、おじゃまします。これ、クッキーですがよかったら」
撫子「わ、ありがと。ちょっと待ってて、紅茶か何か用意するから」
向日葵「ありがとうございます。……花子ちゃんは留守ですか?」
撫子「うん。なんか友達に勉強教えに行くとか言ってた」
向日葵「そうですか」
撫子「せっかくひま子がクッキー焼いてくれたのにね。少し残しとかないと、帰ってきたら怒るかも」
向日葵「ふふ、それじゃあ櫻子に全部食べられないようにしないといけませんね」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:22:10.12 ID:XIlrztvR0
- 撫子「うん、美味しい」
向日葵「お口に合ったようで何よりです」
撫子「また料理の腕が上がったんじゃない?櫻子にも見習わせたいよ」
向日葵「いえ、私なんて……」
向日葵(撫子さんと比べたら)
撫子「中学はどう?楽しくやってる?」
向日葵「ええ、仲の良いお友達もできましたし」
撫子「そっか、安心した。櫻子のお守りでいっぱいいっぱいだったらどうしようかと」
向日葵「それは、まあ、大変ですけど」
向日葵「……その、イヤではないですから」 - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:24:51.85 ID:XIlrztvR0
- 撫子「ふふっ」
向日葵「なんで笑うんですか」
撫子「ひま子は昔から変わらないなと思ってさ」
向日葵「自分では成長しているつもりなんですが……」
撫子「うんまあ成長している部分もあるけどさ。そのむn――」
撫子「……ごめん。なんでもない」
向日葵「どうかしました?」
撫子「いや本当になんでもないから。お願いだから忘れて」
向日葵「はあ……?」
撫子「はあ……」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:33:18.06 ID:XIlrztvR0
- 撫子「……それにしても、ひま子ももう中学生かあ」
向日葵「撫子さんはいま、高校3年生でしたよね」
撫子「うん、そうだよ」
向日葵「大学とかは、もう決めていらっしゃるのですか?」
撫子「んー、多分地元の大学かな。家から通えるし」
向日葵「一人暮らしとかは……」
撫子「私が家を出たら、花子はともかく櫻子が生きていけないでしょ?」
向日葵「ああ、納得です」
撫子「まあ……ひま子が櫻子の面倒見てくれるなら、それもアリかな」
向日葵「えっ……」
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:34:39.32 ID:XIlrztvR0
- 向日葵「それもアリって……」
撫子「ひま子が私の代わりに櫻子の世話をしてくれるなら、一人暮らしもいいかなって」
撫子「私もひま子なら安心して櫻子のことを任せられるし。まあじょうだ――」
向日葵「……嫌です」
撫子「ひま子?」
向日葵「私が、撫子さんの代わりになんて、そんな……」
撫子「ひま子……」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:37:39.52 ID:XIlrztvR0
- 撫子「……ごめん。冗談が過ぎたね」
撫子「いつも櫻子が世話になってるからって……さすがにちょっと、無理を言い過ぎたかも」
向日葵「……いえ、違うんです」
撫子「違う?」
向日葵「櫻子の世話をするのが嫌なんじゃないんです」
向日葵「……撫子さんが一人暮らしして、遠くへいってしまうのが、嫌なんです」
向日葵「……その、寂しくて」
撫子「……ひま子」
撫子「…………」 - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:39:53.89 ID:XIlrztvR0
- 向日葵「ご、ごめんなさい。変なこと言ってしまって」
撫子「ひま子、ちょっとこっち来な」
向日葵「え、でも……」
撫子「いいから。ほら、そこに座って」
向日葵(お、怒らせてしまったかしら……)
向日葵(でも、私は……)
撫子「ひま子」
ナデナデ
向日葵「……え?」
撫子「……久しぶりだね。こうしてひま子の頭を撫でてあげるのもさ」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:43:03.43 ID:XIlrztvR0
- 撫子「昔はよく甘えてくれたよね」
撫子「櫻子と二人で、私のことおねーちゃんって呼んでさ」
向日葵「……はい」
撫子「さっきは昔から変わらないなんて言ったけど……いつからか私を撫子さん、って呼ぶようになって」
撫子「勉強も家事もどんどんこなすようになって、ああ、ひま子も大人になったんだなあって思ったんだ」
撫子「けど」
向日葵「けど?」
撫子「ひま子はやっぱり、甘えんぼのひま子のままだったよ」
向日葵「撫子、さん――」
撫子「大丈夫、お姉ちゃんはどこにもいったりしないよ」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:44:29.94 ID:XIlrztvR0
- 向日葵(撫子さん)
向日葵(私、ずっと努力してきました)
向日葵(勉強も、家事も、なんだってこなすあなたのようになりたくて)
向日葵(憧れのあなたに、少しでも近づきたくて)
向日葵(でも、私は――) - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:46:30.67 ID:XIlrztvR0
- 向日葵「撫子さん」
撫子「なに?」
向日葵「櫻子が帰ってくるまで……しばらく、こうしていてくれませんか?」
撫子「なんならおねーちゃんって呼んでくれてもいいよ?」
向日葵「あ、い、いえ、さすがにそこまでは」
撫子「ふふ……」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:50:12.88 ID:XIlrztvR0
- 櫻子「たっだいまー!」
撫子「おかえり。ちょっと静かにしてな」
櫻子「ん?なんで向日葵がうちで寝てんの?」
撫子「クッキー持ってきてくれたんだけど、あんた待ってる間に寝ちゃってね」
櫻子「おおクッキー!美味しそう!」
撫子「だから静かにしなってば。疲れてたみたいだから、少し寝かせといてあげよ」
櫻子「はいはい。クッキーは食べていいよね?」
撫子「いいけど花子の分は残しておきなよ」
櫻子「はいはい」
撫子(あ、これ全部食べる気だな) - 28 :※もうちょっと続きます 2012/08/07(火) 00:54:48.29 ID:XIlrztvR0
- ホァタァ!!デュワ!ドゥクシ!(着信音)
櫻子「ねーちゃん、携帯鳴ってるよ」
撫子「ん……ちょっと出てくる。全部食べちゃ駄目だよ」
櫻子「はーい」
撫子「もしもし」
撫子「今?うん、大丈夫……え、なんだか嬉しそうって?」
撫子「いや別に浮気とかじゃないから」
撫子「――ちょっと、可愛い妹といろいろあってね」
おしまい - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 00:57:36.64 ID:XIlrztvR0
- 【おまけ】
撫子「もっとゆっくりしてってもいいよ?」
向日葵「お気持ちはありがたいのですけど、楓を一人にしておくのも気が引けますし、今日はおいとましようかと」
撫子「そっか。じゃあしょうがないね」
花子「なんで花子の分を残しておかなかったし!」
櫻子「ちょっ、痛い!悪かったって言ってんじゃん!」
花子「問答無用だし!今日という今日は許さないし!」
櫻子「ぎゃー!」
撫子「まったく櫻子は……」
向日葵「今度おじゃまするときは、花子ちゃんに何か作ってきますわ」
撫子「ん、ありがと」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:00:13.06 ID:XIlrztvR0
- 撫子「じゃ、気をつけて帰るんだよ。まあ隣なんだけど」
向日葵「はい。おじゃましました」
向日葵「あ……帰る前に、ひとつ気になっていたことがあるんですけど、聞いてもよろしいですか?」
撫子「別にいいよ。なに?」
向日葵「撫子さんって、彼女さんはいらっしゃるんですか?」
撫子「…………」
撫子「……っ!?」
向日葵「撫子さん?」
撫子「え、ちょっ……えええ?」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:01:19.57 ID:XIlrztvR0
- 撫子「ひ、ひま子……誰から聞いた?」
撫子「櫻子はアホだから気付くはずないし、花子は気付いたとしても人には言わないだろうし……」
向日葵「あ、以前おじゃましたときに、電話しているのが聞こえてしまって……」
撫子「……あー」
向日葵「盗み聞きするつもりはなかったんですが……ごめんなさい」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:03:03.28 ID:XIlrztvR0
- 撫子「いや、謝らなくてもいいけど。私が不注意だったのも悪いんだし」
撫子「でも、このことは櫻子や花子には」
向日葵「もちろん、誰にも言うつもりはありませんわ」
撫子「ありがと、助かるよ」
向日葵「ただ……」
撫子「うん?」 - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:07:32.63 ID:XIlrztvR0
- 向日葵「口止め料というか、あの、その……」
向日葵「と、ときどきでいいので、今日みたいに甘えさせてもらえませんか……?」
撫子「…………」
向日葵「へ、変なこと言ってるのは自分でもわかってるんですけど」
向日葵「えっと……」
撫子「ひま子」
撫子「私はいつまでだって、あんたらのお姉ちゃんだよ」
向日葵「……!」
撫子「いつでもおいで。待ってるからさ」
向日葵「ありがとうございます。おじゃましました、撫子さん……いえ」
向日葵「撫子――お姉ちゃん」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:08:33.78 ID:XIlrztvR0
- 撫子「……ふう。可愛い妹が4人もいるんだから、私も幸せものだね」
撫子「それはそうと、これって浮気にはならないよね……。妹だからセーフだよね?」
おしまい - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:09:18.98 ID:XIlrztvR0
- 以上で終了です
支援いただいた方々、お付き合いありがとうございました - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:10:00.74 ID:3dyg39cF0
- 乙ぱい
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:11:31.62 ID:buG9MIND0
- 乙!
なでひまとはいいものを見た - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/07(火) 01:35:33.18 ID:7EThncyK0
- 乙乙

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