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まどか「私は貝になりたい」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:00:05.52 ID:jZrED55d0
QB「僕と契約して、魔法少女になってよ。」

まどか「やだ」

QB「へぇ、これ見たらそんなこと言えないよ。」

まどか「赤い紙・・・」

QB「これに書いてあることには逆らえない。」

QB「親族には暫く離れることを伝えておくよ」

まどか「私からママに言うよ」

QB「ダメ!」




2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:00:51.96 ID:jZrED55d0
まどか「怖いよ。」

マミ「契約したからには、引き返せないからね。」

まどか「はい。」

マミ「上官の命令はキュゥべえの命令よ」

まどか「はい。」

マミ「お守りなんてないから。」

まどか「そんな説明はいいよ」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:01:36.44 ID:jZrED55d0
マミ「今日はあんたがやりなさい。」

モブ「え?」

マミ「1人じゃ荷が重過ぎるでしょ。」

まどか「酷いよ。」

さやか「仕方ないよ。命令だもん。」

まどか「そんな、あんまりだよ。こんなのってないよ。」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:02:39.44 ID:jZrED55d0
杏子「捕虜を2人捕まえました。もう意識はありません。」

マミ「生きてたら尋問しようかと思ったけど、意識ないなら仕方ないわね。」

マミ「処分しなさい。」

杏子「お前たるんでるね。」

まどか「すいません」

マミ「まどか、あなたがやりなさい。」

まどか「え?」

杏子「お前にチャンスを与えようと思ったのに。」

まどか「はい。」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:03:45.19 ID:jZrED55d0
まどか「・・・できません。」

杏子「は? お前まさか魔法を忘れたのか?」

まどか「そうじゃなくて」

マミ「じゃあなんでできないの」

まどか「同じ魔法少女じゃない。私たちの仲間だよ。」

杏子「何言ってんだ。敵だよ。」

まどか「そんな、殺すなんて・・・」

マミ「あいつらのせいで世界が脅かされてるのよ。あなたのお父さんやお母さんだって苦しんでる。憎くないの?」

まどか「憎いです。」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:04:51.07 ID:jZrED55d0
まどか「でもいくらなんでも可哀想」

パチンッ

マミ「可哀想だって?」

マミ「上官の命令を何だと思ってんの?」

まどか「上官の命令はキュゥべえの命令です。」

マミ「早くやりなさい!」

まどか「・・・ううん」

捕虜はまどかの魔法によって跡形もなく砕け散った

「うわぁーん・・・・」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:06:06.22 ID:jZrED55d0
結局キュゥべえが射殺されたことにより私たちは負けた。

詢子「でもまどかは無事でよかった。」

まどか「だけど酷い目にあったよ。」

知久「こんな可愛い子をさらっていくなんて、どんな神経してるんだ。」

詢子「ねえ、魔法ってなんだったの?」

まどか「わかんない。なんでもないよ。」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:08:40.77 ID:jZrED55d0
ひとみ「不況でお小遣いも減らされちゃうし」

まどか「仕方ないよ。あんなことがあったんだから。」

さやか「キュゥべえとか何考えてたんだろう。勝てるわけないのに。」

ひとみ「酷い話よね。命令ばっかりして、何人も虫けらみたいに殺して。」

さやか「キュゥべえの関係者や責任者は戦犯として逮捕されて、裁判にかけられるんだって。」

ひとみ「当然でしょ。みんな死刑になっちゃえばいいのよ。」

さやか「マミさんも逮捕されたんだって。」

まどか「マミさんが? 捕虜を殺したから?」

さやか「そうだろうね。」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:09:23.00 ID:jZrED55d0
ひとみ「当事者は今頃心配で夜も眠れないでしょうね。」

まどか「私たちは平隊員でよかったよね。」

さやか「でももっと役に立つことで魔法が使えたらいいのにな。」

まどか「今の私たちになんの力も残ってないよ」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:10:05.08 ID:jZrED55d0
鹿目家

タツヤ「ねえ、なんかおまわりさんみたいな人がきたよ」

知久「え?」

ガシャ

警「警察官です。」

詢子「ちょっとなんで勝手に家に上がるんですか。それでも警察官?」

警「鹿目まどかさんですね?」

まどか「はい」

警「キュゥべえと契約しましたね?」

まどか「はい」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:10:49.20 ID:jZrED55d0
警「戦犯容疑で逮捕します。」

そう言って手錠がかけられる

詢子「ちょっとどういうこと?」

知久「説明してくださいよ警察官」

まどか「やだよ~」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:11:58.56 ID:jZrED55d0
まどか「一体私どこに連れて行かれるの」

杏子「裁判所だろ。」

さやか「なんで私たちは鬱ノ宮なんだろう」

杏子「人数が多すぎて手が回らないからだろ」

まどか「初めて見る街だな。」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:12:54.43 ID:jZrED55d0
検察「あなたは、この事件の最高司令官として、捕虜を殺せと命令しましたか?」

マミ「処分せよと命じました。」

検察「捕虜を捕まえたのはあなたですか?」

杏子「たまたま私が真っ先に発見しましたので。」


さやか「私個人の意志ではありません。全ては隊長の命令で捕虜を処分しました。」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:14:13.41 ID:jZrED55d0
検察「あなたは、自分の意思で捕虜を殺しましたか?」

まどか「違います。隊長に命令されたからです。」

検察「その命令がいいことだと思いましたか?」

まどか「いいことも悪いこともありません。上官の命令はQBの命令です。」

検察「あなたはキュゥべえに会って命令を受けたのですか?」

まどか「え?」

検察「契約書でもあるんですか?」

まどか「契約書?そんなものありません」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:15:30.74 ID:jZrED55d0
検察「あなたは、どうしてその命令を断らなかったのですか?」

まどか「そんな、断ったりしたら銃殺ですよ。」

検察「あなたの心は、捕虜を殺したいと願っていたのでしょ?」

まどか「心って・・・。」

まどか「私たちは消耗品と一緒なんです」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:16:52.52 ID:jZrED55d0
まどか「あの人たち、何もわかってくれないよ。」

杏子「気をつけたほうがいい。心象1つで判決が変わることもあるんだから。」

まどか「私は隊長のマミさんの命令で」

杏子「命令だろうと関係ないよ。あいつらからみたら。」

まどか「私は確かに魔法でやったけど、怖がってほとんど当たらなかったって、
     後でマミさんにこっぴどく怒られたんだよ。」

さやか「じゃあ殺したのは」

まどか「わかんない。もう縛り付けてる間にとっくに死んでたんじゃないかな。」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:20:51.63 ID:jZrED55d0
まどか「私自身、その事件以外はほとんど見てただけだから、臆病者って罵られたんだから。」

さやか「ある人は、捕虜に全身が痛む魔法かけただけで懲役5年だったそうだから。」

まどか「それくらいで?」

さやか「まどかは殺す魔法を向けたから、懲役15年は覚悟したほうがいいかもね。」

杏子「私も命令した人の1人だし、万引きまでしてるからな。」

杏子「キュゥべえが死んでも敵軍の怒りは消えないんだろうな。」

さやか「部屋に戻ったら休みなよ。」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:22:54.87 ID:jZrED55d0
裁判官「判決を言い渡す! 巴マミ」

裁判官「あなたは捕虜を殺せと、勝手に命令した。だから殺人・監禁その他色んな罪で有罪。」

裁判官「死刑!」

まどか(うわー!)

いきなり出た極刑の判決に騒然とする

マミ「待って下さい。」

マミは裁判官に一礼した


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:24:42.68 ID:jZrED55d0
裁判官「佐倉杏子。あなたは捕虜を殺すことを手伝った。だから殺人幇助・監禁、その他2つの罪で有罪。」

裁判官「終身刑!」

杏子は安心しきったように一礼する

裁判官「あなたは捕虜を殺す命令を断らず、殺すことを手伝った。だから殺人幇助の罪で有罪。」

裁判官「懲役20年!」

裁判官「美樹さやか。罪は鈴木と同じ。懲役15年!」

さやか(よかった・・・)


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:26:27.34 ID:jZrED55d0
モブ「助かるわよこれなら。」

まどか「だんだん軽くなるね。」

まどか(でもみんな重い刑なのに、死刑じゃないだけでもホっとしてるんだ。)

裁判官「鹿目まどか」

まどか「はい」


24: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/05/12(木) 22:28:02.03 ID:jZrED55d0
裁判官「あなたは捕虜を殺した。だから殺人の罪で有罪。」

まどか(ゴクン)

裁判官「死刑!」

まどか「・・・どうして」

まどか「ねぇどうして・・・、なんで私が・・・、なんで私が!」

取り乱すまどかを取り押さえるように被告席に戻される


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:29:28.31 ID:jZrED55d0
拘置所

刑務官:涼宮

涼宮「あんたはもう魔法少女なんかじゃない。ただの死刑囚よ。」

放り出されるように部屋に入れられた

美琴「水です。どうぞ。」

まどか「ありがとうございます。」

美琴「はじめまして、御坂美琴です。よろしくお願いします。」

美琴「ここは元々独房なので、2人では狭いかもしれませんが。」

まどか「いえ、私は1人じゃ不安なので、2人いたほうがいいです。」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:30:44.23 ID:jZrED55d0
美琴「前は1人だったんですが、人数が多くなったのと、独房で自殺する者が数名出てきたので、」

美琴「それからは自殺防止のために2人ずつになりました。」

まどか「じゃあここには誰かいたんですか?」

美琴「先週の金曜日に吊られました。」

まどか「・・・釣られる?」

美琴「絞首刑、処刑の意味です。」

まどか(う・・・・)


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:33:12.61 ID:jZrED55d0
美琴「あと何回こうやって食事ができるかわかんないわね。」

まどか「杏子ちゃんやさやかちゃんは刑務所に行ったのかな。」

美琴「死刑囚は刑務所での労働は課せられません。」

美琴「僅かな運動や入浴の時間以外は一日中独房で過ごすことになります。」

まどか「・・・」

美琴「そろそろお休みになりましょうか。まだ早いですけど。」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:36:00.66 ID:jZrED55d0
まどか「うえーん」

まどか「お家に帰りたいよ~」

ドンドン!

涼宮「鹿目、顔を出しなさい!」

美琴「規則です。顔出して寝ないといけません。」

まどか「だって~」

ドンドン!

美琴「ほら」

まどか「うん」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:37:57.99 ID:jZrED55d0
翌朝

まどか「眠れなかった。明かりがつきっぱなしだもん。」

美琴「すぐ慣れますよ。」

まどか「美琴さんも魔法少女だったんですか?」

美琴「はい。変な生き物に契約させられて、嫌なことをしたものです。」

ドン ドン ドン

まどか「何なんですかこれは?」

美琴「死刑執行は平日朝9時から10時の間に行われ、前もって予告などはなく不意打ちで執行される。」

まどか「不意打ち・・・」

美琴「毎朝この時間は死刑囚にとって魔の時間と呼ばれています。」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:39:26.81 ID:jZrED55d0
ドン ドン ドン

まどか「やだ、こっちくる・・・」

ドン ドン ドン

まどか「通りすぎた・・・」

美琴「時々用もないのに歩くんです。怖がってる私たちを見て面白がってるんですよ。」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:40:58.21 ID:jZrED55d0
それから数日経って

金曜朝

ドン ドン ドン

美琴「金曜日です。」

美琴「刑の執行はたいてい金曜日は行われるようです。」

まどか「じゃあ・・・」

ドン ドン ドン

まどか(嫌だ・・・、まだ死にたくないよ・・・)


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:42:29.12 ID:jZrED55d0
ガシャ

まどか(!?)

刑務官「御坂、出ろ」

まどか「・・・」

美琴「お世話になりました。短い間でしたが、これも何かのご縁でしょう。」

まどか「美琴さん・・・」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:43:56.72 ID:jZrED55d0
美琴「御坂です。皆さん、お世話になりました。」

囚人「御坂さん」

こうして美琴は独房を去った。

まどか「そんな・・・」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:46:29.22 ID:jZrED55d0
代わってまどかと同じ部屋に入れられたのは

まどか「ほむらちゃん、こんなとこで会うなんて。」

ほむら「覚えててくれたんだ。転校してきてすぐだったから忘れられてると思った。」

まどか「元々独房だったから狭いかもしれないけど。」

ほむら「私は1人じゃ不安だから、2人いたほうがいい。」

まどか「元々は1人だったんだけど、自殺する人が出てきたから2人になったんだって。」

ほむら「前にここにいた人は」

まどか「こないだの金曜日に・・・」

ほむら「処刑されたのね。」

まどか「うん」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:48:09.59 ID:jZrED55d0
まどか「ほむらちゃんもキュウベぇと契約したんだよね」

ほむら「うん。嫌なことをさせられて、死刑に。」

ほむら「再審書出さないと」

まどか「え?」

ほむら「私たちは死刑になるようなことはしてないんだから。」

まどか「そうだよね。」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:49:40.32 ID:jZrED55d0
まどか「もうすぐ魔の時間だ」

ほむら「魔の時間?」

まどか「死刑は朝9時から10時の間に行われるんだって。」

ほむら「不意打ちに行われるようね。」

ドン ドン

ほむら「近づいてきた。怖い」

まどか「大丈夫だよ。ほむらちゃんは昨日来たばかりだし。」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:50:56.65 ID:jZrED55d0
ほむら「30年くらい前までは死刑執行は2日前に伝えられて、親族と最期の面会が許されたんだって。」
     
ほむら「それでほとんどの死刑囚は通告2日後にきれいな心で死んだいったんだけど、
     ある死刑囚が執行前夜に自殺してしまったことがあったんだって。」

ほむら「それ以降は本人に伝えるのは当日の朝になったって。」

まどか「そうなんだ」

ほむら「通りすぎたね」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:52:47.17 ID:jZrED55d0
刑務官「運動の時間だ、出ろ。」

まどか「ほむらちゃんも外に出たら?」

ほむら「弁護士なんかに任せられない。再審は1分でも早く出さないと。」

まどか「フェイトさんに怒られちゃうよ。」

フェイト「さっさと出なさい!」

ほむら「はい」

フェイト「気をつけ!」

フェイト「前へ進め」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:54:30.35 ID:jZrED55d0
さやか「こうやって外の風に当たると気持ちいい」

まどか「あ、さやかちゃん、久しぶり」

さやか「まどか、元気にしてた?」

まどか「毎日怯えてるよ」

まどか「だっていつお迎えがくるかわからないし」

さやか「あ、マミさんだ」

まどか「マミさん?」

さやか「逃げよう」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:55:59.20 ID:jZrED55d0
涼宮「あんたと巴の部屋を何回行き来させたら気がすむの?もう5回よ。」

ほむら「話ぐらい聞いてあげたらいいんじゃない。」

ほむら「言い訳されるだけかもしれないけど。」

涼宮「OK?」

涼宮「OKなのね?」

まどか「はい、OKです。」

フェイト「巴を連れてきた」

マミ「入ってもいいかしら?」

まどか「どうぞ」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:57:09.87 ID:jZrED55d0
マミ「手ぶらで他人の部屋に上がるのも悪いからこちらをどうぞ」

マミ「私のこと恨んでる?」

まどか「え?」

マミ「そりゃ当然よね。あんなことや、こんなことをしたんだから。本当申し訳ないと思ってる。」

マミ「ワルプルギスに弁護士を通じて再審書は出したかしら?」

マミ「再審の結果、死刑から終身刑に減刑された者が既に何人もいるのよ。」

まどか「出しました。」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 22:58:49.65 ID:jZrED55d0
マミ「私も出したわよ。でも自分の刑を軽くしてもらおうと思ってるわけじゃない。」

マミ「あなたたちの刑はあまりにも重すぎる」

マミ「命令したのは私だから、死刑になるのは私1人で十分、他の隊員は無罪にしてほしいって。」

まどか「・・・」

マミの言葉に声が出なかった

マミ「じゃあこれで失礼するわ」


まどか「マミさん、お菓子の差し入れを置いていったね。どこからもらったんだろう。」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:00:17.40 ID:jZrED55d0
・・・
ドン ドン

まどか「朝9時だ」

ほむら「まどか、手を握って。」

まどか「ほむらちゃん意外と怖がりなんだね。」

ドン ドン・・・

まどか「あ、あそこはマミさんの・・・」

刑務官「巴、出ろ」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:01:57.78 ID:jZrED55d0
マミ「皆さん、お世話になりました。」

まどか「マミさん・・・」

マミ「まどかちゃん、元気でね。」

・・・


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:04:02.20 ID:jZrED55d0
刑務官「これでお別れです。何か言い残すことはありますか?」

マミ「隊員のことなんですけど・・・」

マミ「事件の責任は私1人にあります。他の事件関係者の刑はあまりに重すぎると思います。」

マミ「私の死刑が執行されたら、隊員は全員無罪にして下さい。」

マミ「それがダメなら死刑の者はせめて有期刑に。」

マミ「以上です。」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:05:35.63 ID:jZrED55d0
ほむら「何してるの?」

まどか「マミさんを追悼しなくちゃ」

ほむら「虫が良すぎるよ。あの人のせいでこんなことになったんでしょ。」

まどか「そうじゃないよ。マミさんは自分1人で責任を被ったんだから。」

まどか「本当はマミさんだって被害者だよ。一番悪いのはキュゥべえなんだから。」

トントン

フェイト「鹿目、面会だ。」

まどか「え? 誰だろう」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:07:14.76 ID:jZrED55d0
面会室

詢子「弁護士さんから手紙があったよ」

まどか「ママ」

詢子「まどか、死刑なんて聞いてないぞ。なんで言わなかったんだ。」

まどか「ごめんなさい。」

詢子「謝る必要はないよ。まどかが死刑になるようなことしてないって信じてるんだからな。」

まどか「そうだよ。裁判官が間違ってるんだから。」

まどか「マミさんは再審で助かろうとしないで、罪を自分だけが背負って死刑になるって。
     今日死んでいった・・・」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:08:38.78 ID:jZrED55d0
まどか「同じ部屋にいるほむらちゃんも再審書を出したって。色々な人に署名してもらったらしい。」

詢子「だったら、私も協力するぞ。」

まどか「ありがとう。」

まどか「こないだ、無実の人が再審で無罪になって釈放されたんだって。だから大丈夫だよ。」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:10:12.41 ID:jZrED55d0
まどか「ケーキの差し入れ、マミさんにも分けてあげたかったな。」

まどか「こんな日にお迎えなんて」

ほむら「死刑囚は執行前にその人の好物が振舞われることになってるらしい。」

まどか「じゃあマミさんは」

ほむら「大好きなケーキを最期に食べたんじゃないかと思う」

まどか「そうか」

トントン

涼宮「お客よ」

まどか「今度は誰だろう?」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:11:37.81 ID:jZrED55d0
JB「初めまして、キュウべぇの弟、教誨師のジュウベぇです。」

ほむら「ジュウベぇ、さん?」

まどか「でもあなたどう見ても人間じゃない」

JB「アンドロイドってあるじゃないですか? 人間の体を借りてるんです。」

ほむら「何それ」

JB「でも僕はお兄さんみたいに卑怯じゃないから、信じて下さい。」

JB「皆さんを巻き込んでしまったことは本当に深くお詫びしています。」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:13:11.38 ID:jZrED55d0
JB「まどかさんは、宗教とかに興味はありますか?」

まどか「特に」

まどか「何でもいいけど、もう魔法少女は嫌だよ。」

JB「そんなことしませんよ。」

JB「じゃあたまには働いてみたりするのはどうでしょう? ここじゃ暇でしょうから。」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:14:32.80 ID:jZrED55d0
まどか「労役場で作業を手伝うことにしました。」

さやか「労働が課せられない死刑囚の一部にはこうやって志願で労働を行ってるらしいな。」

まどか「毎日恐怖で待ってるよりはマシだから。」

まどか「マミさんもこういうところで働いてたらしいね。」

気づけば1年が経っていた


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:16:03.25 ID:jZrED55d0
面会室

ひとみ「クラスのみんなで署名したんだよ。」

まどか「ありがとう。」

ひとみ「春、みんな卒業して、高校に進学したのよ。」

まどか「そうか。私がこんなところにいる間に外では時間が流れてるんだな。」

ひとみ「早く出てきなさいよ。みんな待ってるわよ。」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:17:47.31 ID:jZrED55d0
それからさらに1年が経過

さやか「まどか、久しぶり」

まどか「居場所が違うから会う機会ないもんね」

さやか「元気にしてた?」

まどか「うん、最近独房も落ち着いてきたみたい。」

さやか「執行がなくなったみたいだからな」

まどか「マミさんが最後で、それから1年誰もない」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:19:17.94 ID:jZrED55d0
さやか「何か変わったのか?」

まどか「どうだろう」

さやか「そういえば死刑執行された魔法少女が実は釈放されてたって噂があるらしいよ」

まどか「え、そんなのあるの?」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:21:01.21 ID:jZrED55d0
ほむら「大変よ! 大ニュース。」

まどか「どうしたの?」

ほむら「死刑になった魔法少女が実は生きてるって噂聞いたことある?」

まどか「さやかちゃんが言ってた」

ほむら「それ本当」

まどか「え?」

ほむら「御坂美琴って覚えてる?」

まどか「美琴・・・さん・・・、前私と同じ部屋にいた人だ。」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:22:37.25 ID:jZrED55d0
ほむら「さっき面会に来た友達が常盤台で御坂美琴に会ったって言ってた」

まどか「え?生きてたの?」

ほむら「気になったから刑務官に聞いたら、真相はわからないって。」

ほむら「でも言えることは、去年3月の巴マミ以来死刑宣告者への執行が止まってる。」

ほむら「魔女の呪いが解けかけてる。私たちは戦犯でなくなるだろうって。」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:23:56.17 ID:jZrED55d0
まどか「そうすると?」

ほむら「釈放される」

まどか「本当?」

ほむら「そもそも私たちは何の罪もないんだから。
     重要なのはキュウべぇと、そのキュウべぇと契約した者の後始末なんだから。」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:25:31.54 ID:jZrED55d0
まどか「春だね。」

ほむら「みんなはもう高校生になって1年過ぎたんだろうね。」

まどか「桜も咲いてる。お花見したいね。」

ほむら「今年は無理だけど、来年なら。」

まどか「ウチの近くにおいしいクレープ屋さんがあるんだよ。一緒にどうかなって。」

ほむら「そうね・・・。釈放されたら・・・、遊びに来てほしいな。」

まどか「照れなくっても。」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:26:54.06 ID:jZrED55d0
ほむら「こんなところにいると日付や曜日の感覚がなくなってくるわね。」

まどか「今日は金曜日だよ。」

まどか「金曜日か。この日はなんか嬉しかったな。明日は休みなんだって。」

まどか「今は学校に行ってないけど。」

ほむら「みんなに遅れちゃってるけど、いつかは。」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:28:26.86 ID:jZrED55d0
トントン

まどか「あれ? 何だろう」

刑務官「鹿目、出ろ。」

ほむら「もしかして・・・」

ほむら「まどか、おめでとう! 釈放よ!」

まどか「え、本当? もう帰れるの?」

刑務官「いいから出ろ」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:29:45.36 ID:jZrED55d0
ほむら「みんな、まどかが釈放よ。」

囚人「本当か?」

囚人「おめでとう!」

ほむら「これ、私からの心からの気持ち」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:31:27.54 ID:jZrED55d0
ほむら「元気でね」グスグス

まどか「うん、ほむらちゃんも」グスグス

ほむら「さあ、早く行きなさいよ!」

まどか「皆さん、本当にお世話になりました!」

まどか「先に見滝原で待ってます。」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:33:15.94 ID:jZrED55d0
まどか「あれ?出口は確か渡り廊下を通るんじゃ」

刑務官「いいから歩け」

やってきたのは何も書かれていない扉

刑務官「群馬魔女裁判の判決に従い、刑の執行命令が出たため、本人に伝える。」

刑務官「ただいまから、死刑を執行する。」

まどか「・・・」

気が抜けたようにまどかはその場に崩れ落ちた


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:34:38.94 ID:jZrED55d0
JB「これでお別れです。何か言い残すことはありますか?」

まどか「・・・」ポロポロ

JB「両親に手紙でも書いてはどうでしょう?」

まどか「書く、書かせて。」

JB「最期のお菓子ですよ。心置きなく味わっておいて下さい。」

まどか「・・・」パクッ

JB「おいしい、わけないよね。死ぬ前の食事なんて。」

まどか「よくわかんない。」

まどか「生きてるとこんなに美味しい物が食べられるのに・・・。」


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:37:13.84 ID:jZrED55d0
まどか「私の人生って何だったんだろう。あっという間の16年だったよ。」

JB「そこですよ。たとえ50年生きた人も、100年生きた人も、死ぬ間際には誰だって、
   自分の一生はあっという間だったって思います。」

JB「とにかく、来世を信じるより他にはないんですね。」

JB「まどかさんはもし来世に生まれ変われるなら、何になりたいですか?」

まどか「何でもいいよ。普通の生活が送れるなら。」

まどか「私小学校の頃、いじめにあってたの。学校にも行くのも辛くなったこともあった。」

まどか「それでも頑張って、中学校では友達もいっぱいできて、やっと楽しい生活が送れてたのに。」

まどか「契約させられて魔法少女にされて、その後は裁判にかけられて、本当ついてないよ。」グスッ


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:38:54.99 ID:jZrED55d0
まどか「でも私は2人も殺してるんだから。たとえ命令だって、2人の命を奪ったことは事実だから。」

まどか「それに一歩間違えばみんな死んじゃってたんだから。」

まどか「私だけ助かろうなんて。そんなに甘くないってわかってるんだ。」ポロリ

JB「何なんだろう、この気持ち。」

まどか「それが感情なんだよ。あなたキュウベぇとは違うんだね。」

JB「これが感情か。」

JB「きれいな心なら天国に行けるから。」

まどか「うん、もう泣き止む。」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:39:55.39 ID:jZrED55d0
~~~
パパ ママ タツヤ さようなら。
私はもう数分で死んでいきます。

最後に本当のことをこの手紙で伝えるね。
家族や友達のみんなを守るために戦い、そしてそれを果たすために、ある人を殺してしまった。
ママは言ったよね。正しすぎる人の分まで、間違ってあげたっていいって。
私は間違ったことをしちゃった。

でもどんな理由があっても、人の命を奪うことはいけない。
だから自分の命をもって、罪を償う決心をしたんだ。

私はパパとママの子でよかった。もう一度会いたい。もう一度、一緒に暮らしたい。
でももうそれはできません。


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:41:11.25 ID:jZrED55d0
もし生まれ変わることができるなら・・・。
生まれ変わっても、もう人間にはなりたくない。
犬や猫の方がいい。 いや、ペットじゃまた酷い目に遭わされる。
いっそ深い海の底にでも・・・、そうだ貝がいい。

海の底なら 戦争もない。 魔女もない。
パパやママに心配かけることもない。
どうしても生まれ変わらなければならないなら、私は貝になりたい。
~~~

そう書き綴った手紙を残して

絞首台へ消えていった


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:42:04.46 ID:jZrED55d0
ほむら「何てことよ・・・」

ほむら「私が一番酷いのかも。ぬか喜びさせちゃったし。」

ほむら「あと少しで再審だったのに。」



・・・
さやか「もう万引きはしちゃダメだよ」

杏子「しねえよ」

その後再審でさやかと杏子は釈放。死刑のほむらも釈放された。


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:42:59.08 ID:jZrED55d0
ほむら「まどかさんの手紙にそんなことが」

ほむら「全てを背負い込んじゃったのね。」

詢子「もともとそういう子だからね」

ほむら「私にはわかります。」

海の底なら 戦争もない。 魔女もない。
どうしても生まれ変わらなければならないなら、私は貝になりたい


おわり


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:43:59.91 ID:jZrED55d0
ED:花の匂い




皆さん、ありがとうございました


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/12(木) 23:48:27.96 ID:5okq2ljv0
いや、よかったよ


まどかが可哀想すぎて変わってあげたい





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