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木胡桃「わたし、落語家になったんだよ」

1 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 21:36:42.34 ID:5E08sCah0
わたしは、波浪浮亭木胡桃
落語家をやってます
女のコが落語家なんて珍しい
そう思う人が、多いかもしれません
でも
わたしが落語をやるのには、理由があるのです

がらっ

木胡桃「おはようございまーす」

魔梨威「おはよーさん、今日も元気だねぇ」

この人は、蕪羅亭魔梨威さん
同じく落語家をしています
そう
わたしが落語家をしている理由

それは、この人にあるんです




11 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 21:42:25.72 ID:5E08sCah0
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

~数年前~

木胡桃「うぅ、今日こそは学校行こうと思ったのに」

木胡桃「また、さぼっちゃったよ」

この頃
わたしは不登校をしていました
いろんな悩み
いろんな不満
少しづつ、少しづつ積み重ねていったわたしは
ある夏
ついに、それらを爆発させてしまったのです

木胡桃「それにしても」

木胡桃「今日は、高校のコ達が多いな」

木胡桃「なんかあったのかな」


13 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 21:48:22.12 ID:5E08sCah0
ドンッ

木胡桃「あ、ごめんなさいっ」

生徒A「んだよ、いってぇな」

生徒B「って、あれ?」

生徒B「こいつ、どっかで見たことね?」

木胡桃「・・・あ」

その人達は
わたしが極力、関わりを避けてきた女のコ達でした

生徒A「あー、そういえばいたよな、一学期には」

生徒B「急に来なくなっちゃって、どしたん?」

木胡桃「そ、それより、なんでこの時間に?」

生徒A「ただいま、テスト期間中~♪」


16 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 21:55:05.12 ID:5E08sCah0
生徒B「そっかー、学校来てなきゃ」

生徒B「テストなんて、かんけーねーもんな」

生徒A「いいよなー、引きこもりは」きゃはは

木胡桃「・・・わたしだって、好きでやってんじゃないし」ぼそっ

生徒A「あ?」

生徒B「いま、なんか言ったか?」

木胡桃「な、なにも」

生徒A「そーだ」

生徒A「学校こねーってことは、悩みとかあんだろ?」

生徒A「それをうちらが、聞いてやるとかよくね?」

生徒B「おー、いいじゃん」

生徒B「カラオケとかどーよ?」


17 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 21:59:40.26 ID:5E08sCah0
木胡桃「わ、わたしはいーよ」

生徒A「おい」

生徒A「話聞いてやるっつーのに、なんだその態度」

生徒B「ほら、怒らせんじゃねーって」

生徒B「どうせ、時間あんだろ?」

生徒A「もちろん、金もなー」





木胡桃「あ・・・あ」


18 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:04:09.92 ID:5E08sCah0
魔梨威「やめときなよ、嫌がってんじゃねーか」

そこに居たのは
見たことのない制服の
見たことのない女のコでした

生徒A「なんだてめー」

生徒B「うちらは、友達なんだ」

生徒B「邪魔してんじゃねーよ」

生徒A「な、うちら友達だよな?」

木胡桃「え、あの」がたがたっ


19 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:09:16.57 ID:5E08sCah0
魔梨威「ったく、情けないねぇ」

木胡桃「え?」

魔梨威「違うなら違うって、ちゃんと言え!」

魔梨威「嫌なら嫌って、ちゃんと言え!」

魔梨威「あんたの口は、なんの為についてんだい!」

みんなが呆気にとられていました
わたしにとっても
知らない女のコに怒られるなんて
初めての経験だったし

だけど
その一言は、わたしの忘れてたなにかを
思い出させてくれたのです


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 22:15:57.76 ID:uB4Z/TwV0
マリーさんイケメンすぎる


23 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:16:53.69 ID:5E08sCah0
木胡桃「ば、バカにしないで!」

木胡桃「それくらい、自分で言えるもん!」

木胡桃「わ、わたしは、わたしはっ」

ぐっ

木胡桃「あんた達なんかと、カラオケなんか行きたくない!」

木胡桃「行きたきゃ勝手に行け、バーカ!!!」

生徒A「なっ!?」

生徒B「てめー、ナメんのもいい加減に・・・」

がしっ

生徒B「!?」

魔梨威「こっからは、あたしの出番だな」

魔梨威「ケンカなら、買ってやるよ」


25 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:23:09.43 ID:5E08sCah0
魔梨威「あたた」

魔梨威「一発、いいのもらっちまった」

木胡桃「あ、あの、大丈夫ですか?」

魔梨威「心配なら、あっちの心配してやりなって」

魔梨威「それに、散々脅しつけてやったから」

魔梨威「もう、悪さなんてしないだろ」

木胡桃「なんで、わたしの為にこんな」

魔梨威「別に、あんたの為じゃないよ」

魔梨威「あーゆーのって、ムカツクじゃんか」


28 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:29:31.97 ID:5E08sCah0
木胡桃「ぷっ」

魔梨威「な、なんで笑うんだい!」

木胡桃「だって、そんなことだけでケンカしちゃうの?」

木胡桃「それに、その話し方って」

魔梨威「これかい?」

魔梨威「あたしは、落語家に憧れてるんだよ」

木胡桃「落語家?」

魔梨威「あたしのしゃべりで、みんなが笑顔になる」

魔梨威「素敵なことだと、思わないかい?」にっ


29 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:33:11.23 ID:5E08sCah0
そうして
その女のコは去って行きました
聞けたのは
県外から、テスト休みで法事に来たこと
そして
落語家に憧れてること
それだけでした

ほどなく
わたしは、学校に行くようになりました
あの二人がわたしにちょっかいを出すことは
もちろん、ありませんでした


30 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:37:24.22 ID:5E08sCah0
わたしは、ずっと彼女を探し続けました
来る日も来る日も
落語と名のつくHPを漁り
来る日も来る日も
書店に並んだ雑誌に、目を通したりしました
そして
ついに見つけたのです

蕪羅亭魔梨威

彼女は、夢をかなえていました
そこに載っていた写真は
あの時の笑顔のままでした


31 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:39:29.15 ID:5E08sCah0
                  . . : :_: : : : ヽ:ヽ: : : : : . .
               . : : : : : : : : : ヽ: : : l: :|: : : : : : :_:_: \
            /: : :.|:.!: : : : : : : : : ヽ/:./: : : : : : :.\ ̄
           /: : : : : ヘ:.V: : : : : :_: /イ: ハ: :ヽ: : : ヽ: :ヽ
          /: |: : : : : : :>- == :´: : : : : :.l、: : !_: :.ヽ: :.ヘ
            !: :.l: : : : : :ヽ: : : ヽ: : : : :ヾ、: : :| X: :!: : :!: :.|\:|
          l: : :.!: : : : : : :ヽ:_:_ヽ: : : :.l ヽ: :l  ヽ!\:|\!:.ヽ
          l: : : : : : ヽ: :/:ヽ、:ヘ. \: j  `" ィ _,,.._ ∨: : :ヽ
             !: : : : : : :ヘ\: : : ヘー __      '"⌒`〟: : : : ヽ
            l: : : : :\: :\  ̄  _             ∨: : :ヽ
           |: : : : : : :ヾ :_:ゝ ,,イ´ ̄     ゙       V: : : ヘ
              !: :.ヽ: : : :.\  |!         ,. 、     l: : |\!
             |: : :.ヽ: : : : :\〃      ィv ´   ヽ    l: : :!
            |: : : :.ヽ: :\: : \     |       !   /|ヽ:.|
           |: : : : :|ヽ: : :\: : \    、    ノ   /!:.| `
           |: : : : :.\.、: : : ヘ :_:ヽ.   ` ー ´  イ|、`
            |: : : : : : i: :ヘ: :.ヽ:.ヘ            /|: ヘ/,ヘ
             |: : : : : : :|: : :|\:ヾ_:ゝ ─-   -‐ュ7//,!: : V//ハ
              !: : : : : : :.|: : :l: :.ヽ:|ヾ、      i|.! ∨ハ: : ∨//|
           l: : : : : : : :|/ヘ: :.Vヘ  ヾ、      ! !   Vl: : : :l//,|
             l: : : : : : ///∧: : ∨ヘ   ヾ、  |. l   lヘ: : : l//|
             !: : : : ://////,∧: : :∨ヘ、   ` =-|   !ヘ: : :.!'/,!
          l: : : : ////////∧: : :.∨ハ\      l   !/,ヘ: :l'/ハ
             !: : : :|/////////ヘ: : :.∨ハ \   !  l |/,|ゝ'|'/,ヘ
            l: : : :|、//////////ヘ: : ∨ハ  \.l   ! |/,|//!//,ヘ


37 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:45:03.89 ID:5E08sCah0
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

木胡桃「そして、わたしも頑張って」

木胡桃「ようやく同じとこに、わたしの旗竿を立てることが出来たよ」

木胡桃(あなたの憧れた世界が)

木胡桃(どんな所なのか、知りたかったから)

木胡桃「ま、マリーさんはあの時のことなんて」

木胡桃「ぜんっぜん、覚えてないみたいだけど」

くるっ

木胡桃「・・・あ」

生徒A「お、お前は」

生徒B「なんだよ、そのカッコ?」


38 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:49:20.64 ID:5E08sCah0
木胡桃「あの、これは」

木胡桃「・・・・・・」

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

魔梨威『あんたの口は、なんの為についてんだい!』

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

木胡桃「・・・うん」

木胡桃「わたし、落語家になったんだよ」

木胡桃「よかったら、一席聞いてってよ」

木胡桃「損はさせないからさ」にこっ


41 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:52:43.09 ID:5E08sCah0
魔梨威「へぇ、キグも言うようになったね」

木胡桃「マリーさん!?」

魔梨威「あの頃から、ちっとは成長したってことかねぇ」

木胡桃「・・・あの頃?」

木胡桃「あの頃って、まさか!」

木胡桃「マリーさん、気付いてたの!?」


42 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 22:57:31.93 ID:5E08sCah0
魔梨威「バカにすんなよ」

魔梨威「これでも、記憶力はいい方なんだぞ?」

木胡桃(・・・気付いてた)

木胡桃(マリーさん、覚えてくれてた)

木胡桃(覚えてくれてたんだ!)

木胡桃「・・・・・・」じわっ

魔梨威「き、キグ!?」

魔梨威「なんで泣くんだよ、おい」おろおろ

魔梨威「勘弁してくれよ」

魔梨威「なんでだよぉ!」


44 : ◆1BrjSSUSHI 2012/09/14(金) 23:02:51.33 ID:5E08sCah0
わたしは、波浪浮亭木胡桃
落語家をやってます
女のコが落語家なんて珍しい
そう思う人が、多いかもしれません
でも
これが、結構やりがいあるんです

いま
わたしには夢があります
それは
マリーさんの口から、こう言わせることです

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

魔梨威『バカにすんなよ』

魔梨威『キグの気持ちなんて、とっくに気づいてたぞ?』

*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*





お後がよろしいようで


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:03:55.58 ID:WpJ5B9p+0
おつかれちゃん


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:06:20.69 ID:Fl0XPKwy0
これは乙すぎる


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/14(金) 23:07:16.91 ID:QjufaRax0
おつおつ


じょしらく マイクロファイバーミニタオル 波浪浮亭木胡桃
じょしらく マイクロファイバーミニタオル 波浪浮亭木胡桃




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 「じょしらく」カテゴリの記事


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  1. 2012/09/15(土) 04:57:27

    なんという素晴らしい…!


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