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唯「ムギちゃんってお婆ちゃんみたいだよね」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 22:55:29.13 ID:ORbaOgMD0
- 紬「唯ちゃん。お口の周りにクリームがついてるわ」
唯「ほんと?」
紬「うん。今拭いてあげるから」フキフキ
唯「取れた?」
紬「ええ。綺麗になったわ」
唯「ムギちゃん。ありがとー」
律「まったく。唯は仕方ないなー」
澪「そういう律も口の周りにクリームつけてるぞ」
律「うえ”っ」
澪「いま拭いてやるから、大人しくしてろ」フキフキ
唯「…‥」
紬「……? 唯ちゃん、どうかしたの?」
唯「ムギちゃんってお婆ちゃんみたいだよね」
紬「え”っ」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 22:58:13.44 ID:ORbaOgMD0
- ___
__
唯「今日もこなかったね」
紬「ええ」
唯「きてくれるかなー」
紬「きっと大丈夫。部活紹介のためのライブもやるんだから、ねっ!」
唯「うーん。そうだといいんだけどね」
紬「唯ちゃんが歌うんだから絶対大丈夫。私だったらぜったい、ぜ?ったい入部したくなるから」
唯「それは流石におおげさだよ」
紬「そんなことないわ」
唯「力説しますねー」
紬「ふふっ」
唯「……あのっ」
紬「なぁに、唯ちゃん?」
唯「今日もいいかな?」
紬「うんっ!」 - 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 22:59:35.63 ID:ORbaOgMD0
- 唯「やっぱり枕はムギちゃんの膝に限りますなー」
紬「お褒めに与り光栄です」ナデナデ
唯「やっぱりムギちゃんってお婆ちゃんみたい」
紬「え”っ」
唯「……ん? なにかおかしいこと言っちゃった?」
紬「ううん」
唯「……嘘。なんだかムギちゃん落ち込んでるみたいだし」
紬「そんなことないわ」
唯「むーっ。顔を隠してそんなこと言われても信じられないよ」
紬「あのね、唯ちゃん」
唯「うん」
紬「私ってお婆ちゃんみたい?」
唯「うん」
紬「……」シュン - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:01:01.49 ID:ORbaOgMD0
- 唯「えっ、えっ、なんでムギちゃん落ち込んじゃうの?」
紬「だって今、お婆ちゃんみたいだって」
唯「だってムギちゃんお婆ちゃんみたいだし」
紬「やっぱり」シュン
唯「わっわっ、落ち込んじゃ嫌だよ。ムギちゃん」
紬「……私、皺くちゃ?」
紬「……私の髪、白髪みたい?」
紬「……加齢臭とか、しちゃってる?」
唯「む、むぎちゃん。そんな意味じゃないよ!!」
紬「えっ」
唯「ムギちゃんはとっても綺麗な肌だし」
唯「髪は金色でとっても綺麗だし」
唯「とってもやさしくていい匂いだよ」
紬「それじゃあ、どうしてお婆ちゃんみたいだなんて……」
唯「だってムギちゃん優しいじゃん」 - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:10:09.72 ID:ORbaOgMD0
- 紬「えっ」
唯「えっ」
紬「……」
唯「……」
紬「私が優しいからお婆ちゃんみたいって言ったの?」
唯「うん。いつも私の面倒みてくれるし」
唯「こうやって膝枕してくれるし」
紬「……」
唯「ムギちゃん?」
紬「ごめんなさい唯ちゃん」
唯「どうしてムギちゃんが謝るの?」
紬「だって……唯ちゃんは私のことを褒めてくれていたんでしょ」
唯「うん」
紬「それなのに私は自分が貶されてると思っちゃったんだもの」
紬「唯ちゃんがそんなことするはずないのに……」 - 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:21:19.09 ID:ORbaOgMD0
- 唯「そんなこと気にしなくていいよ」
紬「ううん。ごめんなさい」
唯「謝るのは私の方だよー」
紬「あのね、唯ちゃん。私のお祖母様はとても厳しい人だったの」
唯「へっ」
紬「礼儀作法をとても大切にする人でね」
紬「挨拶をいい加減にするときつく叱られたわ」
唯「うへぇ~」
紬「だから唯ちゃんの言葉をそういう風に受け止めちゃったの」
紬「本当にごめんなさい」
唯「そうなんだ」
紬「ええ」
唯「もういないんだね」
紬「ええ」
唯「ムギちゃん、お婆ちゃんのこと好きだった?」 - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:32:50.23 ID:ORbaOgMD0
- 紬「どうなんだろう」
唯「わからないの?」
紬「お祖母様生きてた頃は正直、いい印象がなかったの」
紬「私も幼かったし」
紬「でも今になって考えてみると、あの厳しさは私のためだったのかなって」
紬「お祖母様なりの優しさだったのかな、って思うの」
唯「ふぅん」
紬「唯ちゃんのお祖母様は?」
唯「私のお婆ちゃんはまだまだ元気だよー」
紬「どんな人?」
唯「うーん。一言でいうと」
紬「いうと?」
唯「ムギちゃんみたいな人かな」
紬「えっ」 - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:41:39.66 ID:ORbaOgMD0
- 唯「お婆ちゃんのところに行くと、いつも膝枕してくれるの」
唯「私が左の膝、憂が右の膝に陣取ってね」
唯「暑い夜はね、私が眠るまでずーっとうちわで扇いでくれるんだ」
紬「素敵なお祖母様ね」
唯「うん! でもそれだけじゃないんだ」
紬「他にも?」
唯「うん。私達が来るのに合わせて美味しいお菓子を用意してくれたり」
唯「お菓子を食べた後口元を優しく拭ってくれたり」
紬「ふふっ、私と同じね」
唯「うん。そうなんだ」
紬「私、唯ちゃんのお祖母様のかわりになれてるのかな?」
唯「それは無理だよー」
唯「だってムギちゃんはムギちゃんだもん」
紬「……!」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/17(月) 23:58:21.69 ID:ORbaOgMD0
- 唯「お婆ちゃんのことは大好きだけど」
唯「一緒に音楽をやりたいと思うのはムギちゃんだけだよ」
紬「……りっちゃんと澪ちゃんは?」
唯「……忘れてた」テヘヘ
紬「もう……」
唯「あれっ、ムギちゃん」
唯(泣いてる……?)
紬「ごめんね、唯ちゃん」
唯「な、なんで泣いてるの?」
唯「私、また、おかしいこと言っちゃった?」」
紬「ううん。嬉しくって」
唯「嬉しい?」
紬「うん」
唯「もうっ! ムギちゃんは大袈裟なんだから」
紬「そうだね」 - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:05:08.93 ID:v719GOAW0
- 唯「ねぇ、ムギちゃん」
紬「なぁに?」
唯「私ね、ずっとずっとみんなで音楽やりたいと思うんだ」
紬「ずっとずっと?」
唯「うん。澪ちゃんとりっちゃんと……ムギちゃんと」
紬「……さっきは二人のこと忘れてたのに?」
唯「……うぅ。さっきのは言葉のアヤというか何というか」
紬「ふふっ、わかってるわ」
唯「話を戻すね」
唯「それこそ皺くちゃのお婆ちゃんになっても」
唯「白髪だらけのお婆ちゃんになっても」
唯「ずっとずーっと一緒に音楽をやりたいなって」
唯「そう思ってるんだ」
紬「音楽だけ?」
唯「えっ」
紬「ティータイムはいいの?」
唯「……! もちろんティータイムも!」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:12:24.20 ID:v719GOAW0
- 紬「私もね、思うんだ」
唯「なにを?」
紬「ずっとずっと唯ちゃんにお茶をいれてあげたいなって」
唯「私にだけ?」
紬「それは、どうだろうね?」
唯「えっ」
紬「ふふっ。もちろん澪ちゃんとりっちゃんにも、ね」
唯「そ、そうだよね」
紬「ええ」
唯「ムギちゃんならきっと優しいお婆ちゃんになると思うよ」
紬「私はお祖母様の血をひいてるから」
紬「意外と厳しいお婆ちゃんになったりして」
唯「それは嫌だなー。あっ、でも私にだけ優しくしてくれればいいかな」
紬「じゃあ唯ちゃんにだけはずっとずっと優しくするね」
唯「うんっ!」 - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:14:29.74 ID:v719GOAW0
- 紬「ねぇ、唯ちゃん」
唯「なぁに?」
紬「いつか唯ちゃんのお祖母様に会わせてくれる?」
唯「もちろんいいよ。きっと気が合うと思うよ」
紬「そうね。唯ちゃんの昔話を聞かせてもらわなきゃ」
唯「そんなこと聞いて楽しいかな」
紬「ええ!」
唯「ふぅん」
紬「……」
唯「……」
紬「あれっ、唯ちゃん?」
唯「ちょっと眠くなってきちゃった」
紬「すこし、寝る?」
唯「うん。少しだけ」
___
__ - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:18:45.68 ID:v719GOAW0
- 唯「ぐーぐー」
紬「ふふっ。よく寝てる」
紬「……」
紬「……」
紬「私ね、おもうの」
紬「ずっとずっと唯ちゃんの横に立っていたいって」
紬「お婆ちゃんになっても、ずっとずっといっしょにいたいって」
紬「だから、唯ちゃんに貶められてるって勘違いして、とても悲しかったの」
紬「ごめんね」
紬「勘違いしてごめんね」
唯「ぐーぐー」
紬「それからね」
紬「とっても嬉しかったんだ」
紬「ずっといっしょに音楽やりたいって言ってくれて」
紬「ずっとティータイムをやりたいって言ってくれて」
紬「本当に」
紬「本当に嬉しかったの!」
唯「ぐーぐー」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:20:24.89 ID:v719GOAW0
- 紬「私がお婆ちゃんになっても」
紬「本当に皺くちゃなお婆ちゃんになって」
紬「髪も眉毛も全部白くなっちゃって」
紬「まっすぐ歩くのが難しいぐらい腰が曲がっちゃっても」
紬「ずっとずっと唯ちゃんの傍に居たいって想ってるの」
唯「ぐーぐー」
紬「……やっぱり無理かな」
紬「でも、やってみないとわからないよね」
紬「唯ちゃんはどう思う?」
唯「ぐーぐー……もう食べられないよ~」ムニャムニャ
紬「もうっ!」
おしまいっ!
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:21:50.72 ID:Mo7c3iz60
- 乙
素朴でいい話だった - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 00:28:39.82 ID:u9F4jq0o0
- 来たら終わってた
短いけどいい話だね
乙 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/18(火) 01:17:33.71 ID:NkgJsK5T0
- 良い雰囲気だった乙

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