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白望「ダルい……」智美「ダルダル?」衣「タルタルソース!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:53:14.30 ID:0YkjEXHv0
舞台設定はAブロックの準決勝のインターハイ会場で。
白望は個人戦に出てきそうな選手の偵察、衣は奇幻な手合いを探しに、智美(ワハハ)は衣のお守りです。

白望「……は?」

智美「……は? じゃないぞー。今タルタルソースって言っただろー?」

衣「タルタルソース! おまえにも贅の限りを尽くしたあの調味料の魅力が分かるのだな!」

白望「え?」

智美「え……?」お口あんぐり

衣「……え?」ドヨーン

白望(あー、聞いてなかったから軽く流そうとしたのにダルくなりそうな反応……
   お小水をしに来ただけなのに帰りに変なのに遭遇しちゃったなぁ)

衣「タルタルソースの魅力が、分からない……?
  あれほど綺羅びやかに輝く魔法の調味料などこの世に存在しないと言うのに……?」ウルウル

智美「泣くな衣、これくらいで泣いちゃいけないんだぞ……」

衣「衣、何か悪い事したかな……」

白望(何も悪い事はしてないけど、私だって何もしてないよ……
   天江衣、豊音が持ってきたインターハイのビデオを見た時に胡桃並の小さい子がいた事にびっくりしたけど……
   はしゃいでた思ったら落ち込んだり性格も随分と幼いんだね)




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:54:58.95 ID:0YkjEXHv0
智美「衣は何も悪くないぞ。多分、この人はタルタルソースを知らないんだ」

衣「そうなのか? ……いや、そうなのだろうな。
  もし知っているならこの世の全てに感謝と懺悔を込めた千回土下座を始めだすに違いないからな!」

白望(タルタルソースって岩手の県外ではそこまで崇拝されていたんだ。知らなかったな)

白望「ごめん、田舎者だから全然知らなかった。良かったら教えて」

白望(とりあえず向こうに話を合わせよう。こういう人達相手の話題考えるのもダルいし)

智美「そうか! なら私が説明しよう!
   タルタルソースとはマヨネーズに玉ねぎ、ピクルスなどの野菜とゆで卵を小さく刻んで混ぜ合わせる至高の逸品だ。
   一般的にはカキフライやエビフライなど、海産物のフライものに添える事が多いと言われている。
   ソースカツ丼やチキン南蛮と言った味の濃い料理の口当たりをまろやかにするために使われる事も多いな。
   ああ、なんとすばらしき万能調味料!
   語源についてはタルタルステーキと材料や見た目が似ているからというものとタタールが訛ってタルタルになった2つだな。
   ちなみにタルタルステーキはユッケと似たような料理だから日本では多分食べられないぞー。
   本場のプラハでも衛生上の理由でメニューとして出している店はほぼ無いそうだ」

白望「そうなんだ……」

白望(割りと本気で調べてる人だった。
   それにしても表情が固まったまま熱弁されると感情が読み取れなくてなんか怖い。
   ん? もしかして私も塞達にこんな風に思われてるのかな……?
   色々な考えが頭を巡り巡るせいで、途中から考えるのがダルくなってくるんだよね。
   それでみんなからはボーッとしてるように見られてるのは知ってた。
   ……今度からは気をつけよう)


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:56:49.22 ID:xwD5MNHH0
ワハハ詳しいな


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:57:10.71 ID:0YkjEXHv0
白望「ありがとう、とても参考になった」

白望(タルタルソースの知識については話半分にしか聞いてなかったけど)

智美「ワハハー、お安い御用さ。これで君もタルタラーの仲間入りだぞ」

衣「タルタラーの道は険しい。日々精進に励むと良い」

白望「え? タルタラー?」

智美「え?」

衣「え?」

白望「ごめん、ちょっとタンマ……」

白望(マヨラーのタルタルソース版だよね。マヨラーの私とは親戚みたいなものかな
   いや、マヨネーズが無ければタルタルソースが出来ないのだから親と子みたいなもの。
   つまり完全なる上位互換だ。
   ……なんか気分が良い。結論を迷ったら自分にとって都合の良い解釈が生まれた)

白望「……分かった。私は今からタルタラー初級だね、これから頑張る」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:58:16.08 ID:Z4f5bOmy0
(タルタルステーキの『タルタル』もタタール(異国風)って意味なんじゃ……)


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:06:40.11 ID:0YkjEXHv0
>>7
(確かにそうだな……でも2つくらい説がある方がそれっぽく見えるから無理矢理捏造した)


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:04:25.27 ID:0YkjEXHv0
智美「その意気だぞー。じゃあ早速だけど今からタルタルソースを作ります」

白望「え……?」

智美「え? タルタラーたるもの散歩したり歌ったりしながらタルタルするのは当たり前だぞー」

衣「そうだそうだー」

白望(この人達が何言ってるのかちょっと理解できない……
   私はおかずに大体マヨネーズを掛けて真っ白にしちゃう、嗜み程度のマヨラーでしかない。
   それに対してこの二人のタルタラーっぷりは確実に人生の何割かを捧げてるレベルじゃん。
   ちょっと着いていけない……)

白望「ダルい……」

智美「お、またタルタルソースって言ったな! やっぱり素質があるな!」

白望「……」

白望(ダルいとすら言えない……)


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:07:54.14 ID:0YkjEXHv0
衣「さて、では準備を始めよう」

白望「どこで?」

衣「え?」

智美「え?」

白望「……」

白望(インハイの会場で何をするつもりだったんだ……)

白望「はぁ……仕方ない。着いて来て」

スタスタスタ

智美「どこへ向かっているんだー?」

白望「良いから黙って着いて来て」

スタスタスタ

智美「ワハハー、東京のど真ん中にいたはずなのにいつの間にか森の中だぞー」

衣「……」

スタスタスタ


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:11:00.63 ID:0YkjEXHv0
白望「……着いたよ」

衣「……ふむ」

智美「なんだここ?」

白望「さあ」

智美「さあって……大丈夫なのかー?」キョロキョロ

衣「何、憂慮する必要はない。悪いようにはならないから」

智美「そ、そうなのかー?」

白望「とりあえず中に入ろう」

衣「分かった」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:17:54.36 ID:0YkjEXHv0
智美「中は結構普通の家だなー」キョロキョロ

白望「今回はそうみたいだね」

智美「今回……?」オドオド

衣「あまり不安を煽るような物言いは辞めて貰おうか。
  衣はすでにからくりを理解しているから無駄だが智美はこういう事態に遭遇するのは初めてなんだ」

白望「分かった。まあ、別に脅してるわけでもなんでもないんだけどね」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:21:04.70 ID:MW9cXrYR0
ミステリー風味やな


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:29:01.00 ID:0YkjEXHv0
白望「タルタルソースを作るんだよね、早速始めよう」

智美「タルタルソース……! そうだ、私達はタルタルソースを作りに来たんだ!
   臆している場合ではないな!」

衣「そうだぞ智美! その意気だ!」

白望(オカルト的恐怖すら、タルタルソースへの執念が上回るんだ……
    自分はマヨラーとしてそこまでこだわりは持てないけど、その姿勢は尊敬に値するよ)

白望「多分食材は普通の家みたいに冷蔵庫とかに入ってると思うから適当に取り出して使って。
   ちなみにどれだけ使っても無くなる心配は無いから遠慮無く使って良いよ」

智美「ワハハー、なんかすごい事言ってるけど私はもう気にしないぞー」

衣「……やはり、この家はアレなのだな」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:36:53.82 ID:xwD5MNHH0
うちの冷蔵庫も無限に食材がでれば…


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:39:31.61 ID:0YkjEXHv0
智美「では、タルタルソースのベースとなるマヨネーズから作るぞー」

衣「がんばれ智美!」

白望(やっぱり、天江衣は作らないんだ……
    料理出来そうに無いし予想通りだけど、タルタラー足るものタルタルソースだけは作るのかと思ってたから残念)

衣「さて、私はタルタルソースに合う料理を作るとしよう……」ゴゴゴゴ

白望「え?」

白望(そっちを作るんだ。ていうか料理一つ作るのにすごい威圧感……
    これが去年、全国を沸かせた魔物の支配力……!)

衣「海の食材は私の支配下にある……さあ、衣の食の宴で踊るがいい」

ヒュンッ ザクッ

衣「いたっ、ふぇぇぇ智美ー。包丁で指きったよー」

智美「おーよしよし、絆創膏貼ってやるからなー」

白望(とんだ見掛け倒しだった)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:43:50.82 ID:qpxH2+qQ0
ころたんかわええええええ


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:46:08.35 ID:0YkjEXHv0
智美「衣はここで大人しく見てるんだぞー」

衣「衣も、衣も何か貢献したいっ」

智美「そーだなー。じゃあタルタルソースが美味しくなるようにお祈りしてて」

衣「タルタルソースの神様への感謝と懺悔の土下座千回だな! 分かった」

智美「いやー今日は土下座まではしなくても大丈夫だぞー。
   衣の信心深さは神様だって知ってらっしゃるはずだからなー」

衣「そうか、ならばただ真摯にに祈祷しているとしよう」ゴゴゴゴ

白望「出来たら普通にお祈りしてて」

白望(本気になられると無駄に支配力が出て体がダルくなるから)

衣「む、それでは物足りないのだが……
  仕方ないな、今日は我慢してやろう」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 02:53:29.48 ID:0YkjEXHv0
智美「じゃあ私と……ええっと、誰だっけ?
   そういえばまだ名前聞いてなかった」

白望「シロで良いよ」

智美「分かったぞー。ちなみに私達の名前は」

白望「衣と智美、さっきから名前で呼び合ってるし覚えた」

智美「そっかー。それでシロは料理出来るのかー?」

白望「ダルくない料理だったら大体行ける……」

智美「手間の掛かる物は作れないって事かー?」

白望「ハモの湯引きとか北京ダッグとか……」

智美「あー、それは確かに手間が掛かり過ぎるからダルいなー」

白望「それ以外だったら、まあ適当に」

智美「つまりお菓子は作れないっと」

白望「……なんで分かったの」

智美「目分量でお菓子作ったら大変な事になるからなー」

白望(計量がダルいからって理由まで見ぬかれた……)


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:03:48.32 ID:MW9cXrYR0
まさか料理SSに進んでいくのか


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:09:20.91 ID:0YkjEXHv0
智美「とりあえず分担しようかー。シロは何作る?」

白望「じゃあタルタルソースに使うマヨネーズを作る」

智美「おー、マヨネーズから自作するとは中々のタルタラーだなー。
   上手く作れたら5級に昇格出来るぞ―」

白望(それだけで4つも級が上がるんだ……)

白望「そうなんだ、頑張ってみる」

白望(さて、私もマヨラーの端くれ。意地を見せないと)

衣「シロの実力、見せてもらおう!」

白望(ではここからマヨネーズの作り方説明です。
    でも長台詞はいくら脳内とはいえダルいので代理を立てます」

シロ『こんにちは! 私はシロ!
   小瀬川白望さんの脳内会議で発言権を持つ人格のうちの一つです。
   彼女が『タンマ』って言った時は面倒臭がりのマスターに変わって、私達が話し合ってると思って下さい。
   ちなみに私はポジティブシンキング担当です!
   他には悲観的なロミとか単純思考のハクボーとか理論派に見せかけた皮肉屋の瀬川さんとかいます。
   ですが、今回はこのシロが担当させてもらいます!』


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:23:52.00 ID:0YkjEXHv0
シロ『ということで私がマスターが覚えているマヨネーズのレシピを解説していきますね!
   まず卵やお酢は冷たいままだと中々攪拌しにくいので常温に戻しておきます。
   はい、すでに常温に戻してある卵とお酢がここにあります。この家は本当に便利ですねぇ。
   これに塩・胡椒を加えて攪拌を―――』

智美「ちょっと待った。何してるんだー?」

白望「え?」

智美「ダメだろー。マヨネーズを作る時には黄身だけにしないとー」

白望「……は?」

智美「マヨネーズに『しろみ』はいらないだろ?」

白望「……」イラッ

ロミ『ああ、マヨラーでもあり『こせがわ しろみ』でもあるマスターに言ってはならない事を……
   なんという事だ……なんという悲劇なんだ……』

ハクボー『おーおーこんな奴ボッコボコにしちまえよー!』

瀬川さん『それは浅はかな行為と言うものだよ。
      ここは一つ、タルタラーの癖にマヨネーズには全卵タイプと卵黄タイプの二種類が有ることを知らない無知で愚かな人間にマヨネーズの魅力について(以下略』


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:30:33.45 ID:weQ0X0gL0
薄々思っていたがシロも向こう側の人間か


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:32:49.18 ID:qpxH2+qQ0
マヨラーではないのでそこら辺のこだわりはよーわからんw


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:46:21.31 ID:0YkjEXHv0
白望「……マヨネーズは全卵タイプの方がまろやかで美味しい」

智美「えっ」

白望「日本で一番有名なものが卵黄タイプだから勘違いされがちだけどね。
    でも世界的に見れば全卵タイプの方が多くて日本の方が逆に珍しいケース。
    卵黄タイプにも良さはあるのは知ってるし、全卵タイプは攪拌に時間が掛かるのも分かってる。
    だけど私は全卵タイプを作る。だって好きだから」

智美「あ、ああ……はい」

白望「じゃあ、智美は料理の方をお願い。あと、今度しろみがいらないとか言ったら許さない」

智美「わ、分かったぞー」

衣「ふむ……」

白望(はあ、久々に長々としゃべったから疲れた……後の説明はシロに任せる)

シロ『任されました!  中断されちゃいましたけど説明自体は簡単なのでサクッと済ませちゃいますよ!
   ボールに全卵、酢、塩、胡椒を入れたら思いっきり攪拌します。
   白糸台の先鋒さんだったらすぐに終わりそうですよねー。その辺をベチャベチャにしそうですけど。
   まあそれは置いときまして、攪拌が終わったら少しずつ油を加えていきトロリとしてきたら完成です、簡単ですね。
   コツとしては油を混ぜる時にめんどくさがって一気に突っ込まないこと!
   マスターはこれを乗り越えるのに結構時間が掛かっちゃいました。
   でも今となっては立派なマヨラーです。皆さんも頑張って下さいね!』


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 03:55:00.98 ID:0YkjEXHv0
白望「というわけで出来上がったよ」

智美「お疲れー。私が知ってるのより見た目が白いけどこれはこれで美味しそうだなー」

白望「白いのはとても大事」

白望(どんな料理でも白く染め上げる事が出来るのがマヨネーズの魅力……
    だから元から白いごはんには掛けない。意味が無いから)

衣「完成か、衣も味見をさせてもらうぞ」トテトテ

白望「あ、危ない……」

衣「え?」何故か出ているコードに足を引っ掛ける

すってーん! ベチャッ

智美「……うわー」

白望「だ、大丈夫……?」

衣「……美味しいぞ!」

白望「そ、そう……?」

智美「ワハハー、顔中マヨネーズまみれだぞ衣ー」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:05:39.24 ID:0YkjEXHv0
衣「ん……美味しいけど目に入ったりすると痛いよぉ……
  しかも(お酢の)すっぱい匂いが鼻につくし(脂分で)ベタベタして気持ち悪い……
  智美、早く拭って欲しい!」

智美「ワハハ任せろー。何故か都合よく濡れタオルが出て来たけど私は気にしないぞー」

白望「ごめん、私の不注意で衣が衣に気持ち悪い思いをさせた」

衣「気にするな。シロの(作ったマヨネーズの)味は誠に美味であった」

白望「衣……」

衣「シロ……」

智美(ワハハー、勘違いされたら困るから言っておくけど今は料理中だぞー)フキフキ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:13:57.19 ID:0YkjEXHv0
智美「とりあえず顔は拭ったけど、一度風呂に入ってきてちゃんと洗ってきた方がいいな。
   一人で入れるかー?」

衣「ころもをこども扱いするな! 風呂くらい一人で入れる!」

智美「じゃー一人で行ってこーい。私達は料理の続きをしてるから」

白望「ちなみにシャンプーとかの備品は」

衣「言われてなくても分かっている」

白望「そう。なら二度手間はダルいから説明しない」

衣「うむ。ではしばらく離れるが調理の方は任せた」

智美「分かったぞ―。衣が戻ってくる頃に仕上げが出来るようにしておく。
   やっぱり出来立てを食べるのが一番だからなー」

白望「下ごしらえが終わったら後はだらだらしとくからゆっくりしてていいよ」

衣「分かった」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 04:53:31.07 ID:0YkjEXHv0
智美「さて、衣が風呂に入ってる内に出来る所まで済ませておくぞー」

白望「じゃあ交代。タルタルソースの仕上げは任せる」

智美「最後はタルタラーの先輩に華を持たせると言うことだな。任せろー」

白望「ちなみに調理済みのピクルスと野菜をみじん切りにする機械は揃ってるから」

智美「ワハハ、シロは用意が良いなー」

白望「ここがそういう家なだけ」

智美「……うん、私は何も聞かなかった。ここは三分間クッキングと同じような空間なんだと思っておく」

白望「あれとは違う」

智美「え?」

白望「一緒にしないで」

智美「えー、うん……分かった」

白望(三分間クッキングは日本人にマヨネーズ=卵黄タイプを定着させたあそこがやってる番組……
    今は全卵タイプも作ってるし特に嫌いって訳でもないけど苦手意識はいまだに消えない……)


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 05:05:58.38 ID:0YkjEXHv0
途中の調理工程は料理番組のごとくキンクリじゃけんのう。

智美「さて、タルタルソースと付け合せのスープも出来たし、後はフライを揚げていくだけだなー」

衣「上がったぞ」ポタポタ

智美「あー、髪もちゃんと拭かないとダメだろー。
   衣の髪は長いんだからほっといたら乾くってものじゃないんだし」

衣「か、髪の手入れはいつもハギヨシか透華がやってくれてたから仕方ないではないかっ」

智美「甘え子供……」ボソ

衣「ころもは子供じゃない!」

白望「……プッ」

衣「シロ! 貴様今笑ったな!?」

白望「ご、ごめん。何故かツボ入った」

智美「ん、シロは意外と笑い上戸なのかー?」

白望「智美ほどじゃない」

智美「ワハハ。とにかくこのままだと風邪引くし拭いちゃうぞ」

衣「お、お任せします……」チョコンと椅子に座る。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 05:22:06.02 ID:0YkjEXHv0
智美「……」フキフキ

衣「……」ウトウト

白望(智美、わしゃわしゃーって感じで雑にやるのかと思ったけど意外と丁寧。
    どこからともかく出て来た櫛に疑問も持たず髪もすいてあげてるし。
    ああ見えて結構世話好きなのかな)

智美「よし、終わったぞー」

衣「……ふわっ? ……! ね、寝てない、衣は寝てないぞ!」

智美「ん、そうだね。さて、じゃあそろそろ仕上げに取り掛かるぞー」

衣「衣も何か手伝う!」

智美「じゃあ、エビフライに衣を付けてくれないか? 衣だけに」

衣「うむ、まさに私のためにあると言っても過言ではない工程だな!」

白望「……」

白望(今度は耐えた……)

智美(衣だけに衣を付ける名前ネタはさすがにあからさま過ぎたかー。
    ん? 名前? あー、もしかしてシロって……)


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 05:38:25.43 ID:0YkjEXHv0
白望「あー、じゃあ衣付けるのは二人に任せる。私はそれを順番に揚げていくから」

智美「任されたぞー」

白望(衣を付けるのって簡単に見えるけど、小麦粉が手にまとわりついてくるからしょっちゅう手を洗わないといけないのがなぁ。
   これが意外にダルかったりする。だからこっちの方が楽)

ペタペタ ジュワーッ
ペタペタ ジュワーッ

………
……


智美「出来た!」

衣「おお! これからタルタルの宴の時間だな!」

白望「久しぶりに料理やったけどやっぱりダルかった……」

智美「でもずっとダルいとか言ってる割にシロの手際はとても良かったぞー」

白望「だって、どうせやるならさっさと終わらせた方がダルくないし」

智美「ワハハ、まったくもってその通りだと思う」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 05:51:44.09 ID:0YkjEXHv0
衣「早く早く! 料理を机に並べるのだ!」

白望「分かったから急かさないで……落としたらダルいから」

そして食卓

智美「準備は出来たなー。
   それじゃあ手を合わせて……頂きます」

白望・衣「頂きます」

智美「……」パクパク

衣「……」モグモグ

白望「……」パクパク

白望(二人共、意外と静か……でも間が持たないって気を遣う必要も感じない。
   賑やかに談笑している宮守のみんなとの食事も良いけど、これも悪くない。
   むしろ、あんまり喋れない私からするとこの方が良いかもしれない)

智美「いやー、それにしてもタルタルソースは最高だなー」

衣「山盛りになるまでかけられて衣は幸せだぞ」

白望「それは良かった」


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 06:21:53.03 ID:0YkjEXHv0
智美「私は特に白身魚のフライとの相性が最高だと思うなー。
   白身魚と衣、2つが合わさるだけでタルタルソースを付ける最高の料理になる。
   しろみところもの相性は最高だな」

白望「!?」

衣「衣は海老フライが好き」

白望「……」

衣「だが、白身魚のフライも好きだ。まあ、海の幸は全て好んで食べるので序列は付けられないな」

白望「……」

白望(あれ? なんか安心してる私がいる……)

衣「それにしても、しろみところもか……宮守の小瀬川白望、この事についてどう思う?」

白望「名前、知ってたんだ……」

衣「ここがマヨヒガだと気づいたと同時に思い出した。
  2回戦で清澄と当たったチームにいた、手を迷うと打点が上がるほうに手が進む打ち手がそんな名前だったとな」

智美「ワハハ、あれって『しろみ』って読むのが正しかったのかー」

衣「……それで何故シロの名前に気づいたんだ」

智美「んー、シロが名前に入ってて卵の白身にやけに反応してたからもしかしてと思ってただけだぞー」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 06:34:53.04 ID:0YkjEXHv0
白望「それはそれですごい……」

智美「ワハハ、褒めたって何も出ないぞー」

衣「で、シロはどう思う?」

白望「ん、ちょっとタンマ……」

白望の脳内会議場―――

シロ『これは天江衣からのラブコールなのでは!?』

ハクボー『よし、このまま岩手まで連れて帰ろう』

ロミ『そんな事をしたら犯罪ですよ……
   それに天江衣の真意が読めません。本当はからかっているのかも……』

瀬川さん『理論派である私が思うに……これはGLと言うジャンルですね。
      つまりシロ氏の言うとおり、ラブコールである可能性も考慮できると思います』

シロ『まずは否定意見から入って博識ぶりをアピールしようとする瀬川さんが始めから肯定!?
   これはもう行くしかないんじゃないですかねー!』

ハクボー『シロ、お前ってなんだかんだで口わりぃよな』

白望(……なるほどね)


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 06:53:28.96 ID:0YkjEXHv0
白望「私も、しろみところもの相性は良いと思うよ」

衣「そうか、私もそう思う」

白望「……」

衣「……」

智美(ドキドキしてきたぞー……)

衣「……だが、私は龍門渕の皆が一番だ。あの4人は私にとって家族のような存在だから」

白望「……うん、私も宮守の皆が一番かな。
   全国を目指して団結してきたあの4人は私にとって唯一無二な存在だから」

衣「ふふっ、二人とも似たような事を言っているな」

白望「そうかも。龍門渕高校の麻雀部がウチと似たような空気なんだって事が分かって親近感が湧いてきた。
   清澄には悪いけど、来年は龍門渕を贔屓させてもらおうかな」

智美(ワハハ、ここに鶴賀のOGもいるぞー。宮守や龍門渕と違って学年はバラバラだけどみんな仲良しだぞー)



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 07:14:41.70 ID:0YkjEXHv0
衣「だが、相性が良い事には変わり無いからな。こうして相見えた時にはまた言葉を交わそう」

白望「うん」

白望(ごめんシロ、君達の思っている様にはならなかったね)

シロ『良いって事ですよー。私達も宮守の皆さんの事は大好きですから!』

衣「さて、それではそろそろ切り上げるとしよう。
  あまり滞在しすぎると現し世との境が途切れて二度と出られなくなるのだろう?」

白望「そうだね、帰ろうか」

智美(何を話してるのか全然分からない、完全に蚊帳の外だぞ……
   でもこれくらいでは泣かないぞ)

白望「……っと、帰る前にコレを二人に渡しておく。持って帰って」

智美「これは……ビン? 何が入っているんだろ」

白望「この家にあった空き瓶に今日作ったタルタルソースを入れといた。
   衣ならこの意味が分かるよね?」

衣「なるほど、この瓶が三人で過ごした時間を象徴しているのだな。面白い」

白望「そう、ここで過ごした思い出は、この瓶に入ったタルタルソースのように一生無くならない」

智美(? いや、使ったら無くなるんじゃないかー?
     ……なんて思ったりもするけど忘れないようにと思ってるのは私も同じだ)


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 07:22:22.06 ID:0YkjEXHv0
白望「じゃあ、帰ろう。私達のいるべき場所に」

衣「また会おう! 絶対に!」

智美「ワハハー、その時はまた私も混ぜて欲しいぞー」

白望「……うん。今度会う時は宮守のみんなも連れてくる」

衣「衣も! 衣も衣の家族を連れてくるぞ!」

智美「ゆみちんにむっきー、かおりんにモモだろー。
   皆に紹介出来る日を楽しみにしてるぞー」

白望「それじゃあ、またどこかで―――」

シュゥゥゥゥゥ……


白望「……」zzz

塞「ぐっすり眠っちゃってまぁ。ほらシロ、早く起きるっ」

白望「……ん、おはよう」

胡桃「やっと起きた! ほらタオル用意したから顔拭いて!」

白望「ん、ありがと……」


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 07:35:25.16 ID:0YkjEXHv0
豊音「ちょー気持ちよさそうだったよー。何か良い夢でも見てたのー?」

白望「ん、ちょっとね……」

塞「そろそろ目的地なんだし目を覚ましといてね」

白望「今どこ向かってるんだっけ……?」

エイスリン「□△○×◎!!」(なんかものすっごいハイテンションな感じの英語

白望「……うん、エイスリンが運転してる車に乗って移動中なのは分かった」

白望(エイスリン、ハンドル持つと性格変わるタイプだったんだ……)

胡桃「……えー、シロがそれを言っちゃうんだー」

豊音「発案者なのにねー」

白望「え……?」

塞「あ、そろそろ県境に入るね。ほら、あれを見れば行き先も思い出すでしょ」

 ようこそ 長野県へ

白望「……ああ、なるほど」

白望(衣、智美、あの瓶はまだ無くしてないかな? 私はあれからすっかりタルタラーになったよ。
   智美の目から見て今の私は何級くらいかな? 衣の家族って一体どんな人達なのかな?)



75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:00:43.56 ID:0YkjEXHv0
塞「岩手の私達が卒業旅行でわざわざ長野に行くっていうからおかしいと思ったけど………
  まさか龍門渕のご令嬢が別荘を貸してくれるなんて思わなかったよ。どこで知り合ったの?」

白望「えー、インハイの時期にその辺をぶらついてたらたまたま……・」

豊音「たまたまなんだ。人の縁ってどこで繋がるか分からないね、ちょー不思議だよー」

白望「そうだね、不思議な出会いだったよ」

エイスリン「モウスグ、トウチャクスル! ウンテンタノシカッタ!」

白望「そう、運転ご苦労様」

エイスリン「カエリモ、イイ?」

白望「良いけど、行きの時みたいにたまに誰かと交代するようにね」

エイスリン「イエス!」

胡桃「別荘では龍門渕のお嬢さんが出迎えてくれるんだよねっ。どんな料理が出てくるんだろ!」

白望「ん……それは多分」

智美『ワハハ、タルタルソース尽くしだぞー』

衣『タルタルソース尽くしだ!』

白望「当然、タルタルソース尽くしだよ」

カン!


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:04:05.92 ID:T/3gVbR7P
乙!
ワハころが平和で何より


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:08:29.97 ID:1jlDBXH/0
乙です!
会社行く前に爽やかな気分になったよ


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:09:05.17 ID:0YkjEXHv0
知り合いからのリクエストで生まれた組み合わせで中々進まず難産でしたが投下を始めると案外進みましたね。
追い込まれると何とかなるもんだ。

あと、書いてる途中で智美「ともみんのお料理教室☆」
みたいな○神演義の妲○ちゃんの真似事をするマジキチ路線も思いついたけど自分には無理だったよ……


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:19:41.53 ID:iktjV8ny0
綺麗な終わり方
タルタルソースを作りたくなる


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 08:49:01.35 ID:x6y+936m0
乙!
ハンバーグに行かなくてよかったwww





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 「咲-Saki-」カテゴリの記事


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  1. 2012/10/09(火) 20:38:40

    よかった…封神みたいにならなくて本当によかった…


  2. 2012/10/09(火) 20:59:45

    シロの能力いいな


  3. 2015/07/11(土) 00:38:47

    マヨヒガの物を持ち帰ると幸運に恵まれるんだよね
    俺も無限タルタルソース欲しい


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