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勇者「魔王がメンヘラだった…」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:02:50.66 ID:WmktUoU3O
ザシュッ

魔王「きゃーーー」

ドカッ

魔王「いたーーーい」

チュドーン

魔王「やめてーーー」

勇者「………あの、大してダメージ受けてませんよね?」ゼェハァ

魔王「……ごめん、めんどくさかった…」




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:03:54.55 ID:WmktUoU3O
魔王「服がボロボロに…」

勇者「本体はほぼ無傷ですね」

魔王「高かったのに…」

勇者「ゴスロリって服ですか」

魔王「…何を見ている」

勇者「え?」

魔王「私の下着を見ただろう」

勇者「あ、すみません、不可抗力」

魔王「仕方がない奴だ」チラチラ

勇者「いや、端切れをめくらず隠してて下さいよ」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:05:22.63 ID:WmktUoU3O
魔王「みんなが私を敵視する」

勇者「魔王と言えば世界共通の敵ですから」

魔王「生まれてくるんじゃなかった…私がこの世に生まれたのが間違いなんだ」サメザメ

勇者「まあそうなんですが、泣かないで下さい」

魔王「どこにも味方なんていない、何もしていないのにみんなが私に石を投げ付ける」

勇者「定期的に虐殺してますよね?」

魔王「勇者なら私を解ってくれると思っていたのに…」

勇者「常識的に考えてそれは無い」

魔王「どうせ私が死ねば良いとか思ってるのだろう」

勇者「いや…うん…」

魔王「無慈悲!冷血!なんて醜い心の勇者だ!」

勇者「えー…」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:07:35.03 ID:WmktUoU3O
魔王「そんなに私を倒したいのなら死んでやろうではないか」ザクッ

勇者「なっ!?」

魔王「呪われた剣は中々の切れ味」ザクザク

勇者「ぎゃー!!」

魔王「血がこんなに…しかし不思議と痛くない…ふふふ」ザクザク

勇者「や や や やめてくださいお願いします」

魔王「でも私に死んで欲しいのだろう?」チラッ

勇者「そうなんですがこれはちょっと…」

魔王「私は死にたい」

勇者「せめて僕に殺させてくれませんか?」

将軍「はあ…魔王がまたリストカットしてる…」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:10:14.68 ID:WmktUoU3O
勇者「魔王っていつもあんな感じなんですか?」

将軍「人間が来るとあんな感じだ」

魔王「メイドよ、回復魔法は要らぬ、包帯を巻いてくれ大袈裟に」

勇者「服も着替えてくださいよ」

魔王「着替えてしまったら、もう下着が見れぬぞ」

勇者「お構いなく…」

魔王「強がらずとも良い、見たいのだろう、見せぬがな」

将軍「魔王また勝負パンツ穿いて来ただろう」

勇者「魔王は露出狂なんですか?」

将軍「人間が来るとスカート丈が短くなる」

勇者「見せたいんですね」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:13:38.17 ID:WmktUoU3O
魔王「着替えて来た」

勇者「今度は胸元が開いてる」

魔王「そうかそうか、勇者は私の谷間に釘付けか」

勇者「谷間は良いものです」

魔王「ふへへ」

将軍「ある訳でも無い訳でもない中途半端な胸を精一杯寄せて上げてるのが涙ぐましい」

勇者「遊び人は寄せて上げなくても谷間なのに」

魔王「遊び人の谷間はそこらにあるが、魔王の谷間はそこらにない」

勇者「そこらにある谷間が魔王には無いんですね」

将軍「何百年と姿が変わらないので、これから出来る見込みも無い」

魔王「ギブ!!ギブ!!」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:16:38.29 ID:WmktUoU3O
勇者「また日を改めて来ます」

魔王「それまで私が生きているかは判らないぞ」

勇者「簡単に死なないでしょう」

将軍「魔王、退出を」

魔王「部屋に帰るの面倒くさい…暫くここに居る…」

将軍「ほら、抱っこ」

魔王「ん~~~」グズグズギュー

将軍「はあ…まったく」

勇者「甘やかすからいけないのでは?」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:19:12.05 ID:WmktUoU3O
勇者「何をしてるんですか?」

魔王「首吊り」

勇者「ひっそりやって下さいよ…」

魔王「うるさい奴だ、私の城で私が何をしようと勝手だろう」

魔王「アレをしろコレをするな、だからこの世なんて嫌いなんだ、死んでやる」ゲシッ

魔王「あれ、玉座が倒れない…あれ、あれ」ゲシッゲシッ

勇者「重そうな椅子ですもんね」

魔王「私は神にも見放されたのか…」

勇者「魔王にも神って概念があるんだ」

将軍「見放されたと言うか受け入れ拒否だな」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:22:05.83 ID:WmktUoU3O
勇者「決闘して下さい」

魔王「んーまた今度…」

勇者「具合でも悪いんですか?」

魔王「うん…倦怠感…」

将軍「ただの怠け癖だ、斬りかかって良い」

勇者「じゃあ遠慮なく」

魔王「やだー痛いのやだぁー」

勇者「行きますよ!」

ドガッシャーン

魔王「嫌だって言ってるでしょ!?いい加減にしてよ!!」

勇者「」

将軍「魔王はやれば出来る子なんだ」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:26:14.09 ID:WmktUoU3O
魔王「逃げろ勇者ー!!」

勇者「!?」

ドカーン

勇者「あ、やっと戦う気に」

魔王「あああああ!左腕が言う事を聞かぬ!」

魔王「このままでは勇者を殺してしまう!」

魔王「私の意思では無く!!」

将軍「誰の意思でも良いので勇者を殺して下さい」

魔王「将軍!貴様が私の左腕を操っているのだな!」

将軍「その設定で良いです」

勇者「寸劇に巻き込まないで下さい」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:30:41.53 ID:WmktUoU3O
魔王「最近勇者が来ない…」

将軍「この前ドン引きしていましたよ」

魔王「さみしい…」

将軍「平和で結構」

魔王「死んじゃう…」

将軍「兎じゃあるまいし」

魔王「寒いよ勇者…」

将軍「夏ですよ」

魔王「私に飽きるなんて…」メソメソ

将軍「ちゃんと戦ってやってからそう言う事を言ってください」

魔王「見返りは求めない主義だ」

将軍「舌を抜くぞ」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:34:02.68 ID:WmktUoU3O
勇者「将軍、お久しぶりです」

将軍「生きていたのか」

勇者「おかげさまで。魔王は?」

将軍「玉座の裏にいる」

魔王「………」ジー

勇者「あの…決闘を」

魔王「ふんっ!なっ、何よ!別にあんたを待ってた訳じゃ、ないんだからね!」

将軍「ガッツリ勇者待ちしていましたよね」

魔王「この魔王手作り弁当だって、勇者の分じゃないんだから!」

勇者「僕の分でも要らないです」

将軍「それ私の分でしょう」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:37:57.26 ID:WmktUoU3O
僧侶「勇者の仲間になりました、僧侶です」

魔王「勇者が女を連れてきた…」

僧侶「私が加わったからには、勇者は無敵ですからね!」

魔王「もう勇者に触れられない…」ボロボロ

僧侶「は!?」

勇者「新しい路線だ」

魔王「うう…」ザクッ

僧侶「ひいっ!!」

魔王「勇者の為なら私、こんな事だって出来るのに…」ザクッ

勇者「僕の為を思うならひっそり死んで下さいよ」

僧侶「あわわ…」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:41:16.12 ID:WmktUoU3O
勇者「今日こそは魔王を討ち果たす!」

魔王「あんっ!」ズシャァ

僧侶「構えただけで!これが剣圧!!」

勇者「なにもしてない」

魔王「ああ…やられちゃった…捕えられちゃう…」

勇者「とどめ刺して良いと思う?」

魔王「拷問部屋に入れられたり奴隷商人に売られたりしちゃう…」

僧侶「バカは死んでも治りませんからねー」

魔王「ダメ…魔王である私をそんな目で見ないで…」

将軍「白い目でしか見れない」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:44:38.94 ID:WmktUoU3O
魔王「にゃーん」

魔王「にゃー?にゃー」

魔王「んーにゃー」

魔王「みゃー?」

魔王「うふふ、にゃあーん」

スライム「プルプル」

将軍「スライムの言語はそれじゃ無いでしょう」

魔王「にゃー」

スライム「プルプ…ルャーン…」

将軍「お前も付き合う必要はない」

魔王「待って!ちゃんと散歩に連れて行くから捨てないで!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:47:17.95 ID:WmktUoU3O
魔王「ジェノサーイドッ!!」

ガッシャーン

魔王「私には感情が無いので勇者を平気で殺します」

勇者「うん」

魔王「情けも無いので女である僧侶も平気で殺します」

僧侶「はい」

魔王「感情の無い私は何でもします、出来ます」

将軍「シャンデリアを落としたのは誰だ!?」

魔王「ひっ」

勇者「ビビった」

僧侶「明らかに恐怖しましたねー」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:50:22.40 ID:WmktUoU3O
魔王「よくここまで辿り着いたな、勇者」

勇者「ん?」

魔王「ん?」

魔王「仲間を信頼し、また信頼を得る事で大きく成長したのだろう」

僧侶「えっ」

魔王「え…」

魔王「さあ、剣を抜くが良い。私は逃げも隠れもしない」

勇者「あの…」

将軍「これが魔王の主人格、本来の魔王様だ」

勇者「そう言う設定?」

将軍「これは本当」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:54:17.19 ID:WmktUoU3O
将軍「彼女は魔王の器では無かった」

将軍「重すぎるプレッシャーに心を病み、いつからか奇行に走る人格が生まれて」

僧侶「お可哀想に…」

将軍「たまにああやって主人格が現れるため、私も見放す事が出来ない」

勇者「同情はします」

将軍「魔王を解放してくれる者はいつ現れるのやら」

勇者「あれ、もしかして僕は期待されてない?」

魔王「仲間外れにしないで頂きたいのだが…」

僧侶「魔王が仲間になりたそうにこっちを見てますよ!」

勇者「寝ても覚めても倒しづらい魔王だな…」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 01:57:22.41 ID:WmktUoU3O
魔王「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

勇者「今日はどう言うシチュエーションですか?」

将軍「先程飛び降り自殺を図ったが、体が頑丈で死ねなかったそうだ」

魔王「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」グスグス

僧侶「錯乱状態なんですね」

魔王「ごめんなさいごめんなさい将軍ごめんなさい側にいて下さい私は魔王を頑張りますから」ボロボロ

将軍「錯乱している方が言っている事がまともだ」

魔王「ごめんなさいごめんなさいごめ…なさ…ふぇぇ…っ」

僧侶「勇者ー、将軍が魔王を泣かしましたー」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:00:21.85 ID:WmktUoU3O
将軍「お前が城に通い始めてだいぶ経つが」

勇者「好きで通ってる訳じゃないです」

僧侶「私は楽しんでます」

将軍「そろそろ諦める事を推奨する」

勇者「僕はまだレベルが上がるし、仲間も二人増やせます」

僧侶「まだ魔王を観察したいです!」

将軍「心の病と言うのは感染するそうだ」

魔王「クッソ愚民どもが…私は魔王だぞ?死ね!死ね!」

将軍「ああ言う風に暗い部屋で独り言と戦うようになりたければ止めないが」

勇者「考えさせてください」

僧侶「魔王が悟りを啓くのも時間の問題では」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:03:22.91 ID:WmktUoU3O
魔王「勇者は本当に私の事が好きだな」

僧侶「まあ」

勇者「好きじゃないです」

魔王「照れなくても良い、こんなに長期間通い詰めてくる勇者は初めてだ」

将軍「常人は三回前後で心が折れるらしい」

勇者「返り討ちにしてたんじゃないのか」

魔王「勇者がそこまで言うなら、手を握らせてやっても良いが」

僧侶「スキンシップのお申し出ですよ」

勇者「どうしてこんなに上から目線なんだろう」

将軍「腐っても魔王だからな」

魔王「将軍が良い事を言った!女はナマモノ!あっという間に腐るぞ!!」

僧侶「ほんとに!?」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:06:39.37 ID:WmktUoU3O
魔王「将軍」

魔王「ぎゅー」

魔王「ちゅっちゅ」

魔王「はすはす」

魔王「……はむ」

魔王「ぺろぺろ」

勇者「あの…」

将軍「ただの依存症状だ」

魔王「将軍、ちゅー」

僧侶「ひゃああ///」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:10:09.92 ID:WmktUoU3O
魔王「勇者、ちゅー」

勇者「いやいやいや」

魔王「ちゅーしてくれたら大人しく成敗されよう」

僧侶「魔王が勇者にも依存し始めちゃった」

勇者「想定外だ…」

将軍「いや、想定の範囲内だな」

勇者「先に言って下さいよ」

僧侶「魔王魔王、ちゅー」

魔王「ちゅー」

魔王「うぇへへ、お姉さまー」

僧侶「勇者!私新世界拓いた!!」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:13:31.46 ID:WmktUoU3O
僧侶「大変勇者これ大変!」

勇者「何?」

僧侶「宿に勇者宛の手紙がたくさん!!」

勇者「手紙?なんだろう」

僧侶「全国からファンレターですかね?」

勇者「髪の毛!!」

僧侶「血文字!!」

魔王「私の気持ち届いたかっ?」

勇者「お前自分で持ってきたの?」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:17:05.56 ID:WmktUoU3O
勇者「魔王が栄養失調で倒れたってどう言う…」

将軍「勘違いするな、貧困に陥っている訳では無い」

僧侶「魔王ーお薬ですよー甘いですよーあーん」

魔王「うぅ…」

僧侶「飲んで下さいよー…」

勇者「魔王、良い歳をして好き嫌いはどうかと思う」

将軍「好き嫌いと言うか拒食症だ」

僧侶「えっ」

魔王「あー!あー!」

将軍「年々食が細くなっているとは思っていたが、食べれなくなるとは…」

勇者「魔王は死んじゃうんですか?」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:20:18.99 ID:WmktUoU3O
魔王「牛乳ゼリー、カボチャプリン、にんじんケーキ、桜ユッケ」

魔王「どれも大好きなのに口に入れられなくなってしまった…」

魔王「お腹が空かないし、舌に何かが乗ると気持ち悪くて吐いてしまう…」

僧侶「このままじゃ胃が食べ物を受け付けなくなって、魔王が本当に死んじゃいます」

将軍「我が国もここまでか…」

僧侶「勇者、私は魔王が死んじゃうのは嫌です…嫌ですー」ボロボロ

魔王「お姉さま泣かないで…」

僧侶「うあーん!魔王ー!」

勇者「桜ユッケって何?」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:23:10.81 ID:WmktUoU3O
魔王「将軍、私死ぬんだって」

将軍「念願叶いますね」

魔王「私これから、骨と皮だけになっちゃうと思う」

将軍「覚悟はしておきます」

魔王「ちょっとずつ動けなくなってくと思う」

将軍「私が代わりに剣をとりますよ」

魔王「胸もぺたんこになっちゃうと思う」

将軍「あー……」

魔王「柔らかい内に最後のぎゅー」

将軍「どうせ死ぬまで毎日するんだろう」

魔王「ふへへ…」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:26:16.92 ID:WmktUoU3O
魔王「今日も勇者は来なかった」

将軍「放っておいても死ぬ予定だからな」

魔王「役立たずになってしまった」

将軍「普段は役に立っていた風な口を…」

魔王「将軍はどこかに再就職出来そう?」

将軍「引く手数多だ、心配には及ばない」

魔王「そうか…将軍は優秀だもんね」

将軍「貴方が生きている間は城に仕えますよ」

魔王「うん、ありがとう」

将軍「悲劇のヒロインぶってくれないと扱い方がわからない」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:29:20.41 ID:WmktUoU3O
魔王「あの葉と私は一蓮托生…」

将軍「まだ春先だがな」

魔王「あそこのハート型の葉っぱ」

将軍「葉の区別などつかん」

魔王「じゃあその砂時計にする」

将軍「横に倒しておこう」

魔王「蝋燭が…」

将軍「まだ点火していないが」

魔王「この本の最後のページ!」

将軍「挿し絵しか見ないくせに」

魔王「ぐぬぬ」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:32:51.19 ID:WmktUoU3O
魔王「生まれ変わったらお母さんになりたい」

将軍「唐突だな」

魔王「子供いっぱい居ると良いな、叶うなら猫になっても犬になっても良い」

将軍「ボストロール」

魔王「なんでそう言う事を言う」

将軍「今度は私がこき使ってやる」

魔王「じゃあ魔物に生まれなきゃ」

将軍「なるべく人型で」

魔王「ボストロール」

将軍「ボストロールはやめてくれ…」

魔王「ふぇひひ」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:35:50.53 ID:WmktUoU3O
魔王「再び見えたな、勇者」

勇者「主人格だ」

魔王「今日こそ決着を付けよう、剣を抜くが良い」

勇者「今日は剣持ってきてない」

僧侶「私もモーニングスター置いてきちゃった」

魔王「何…だと?」

僧侶「お見舞いですよ魔王ー!」

魔王「ちょ、近い!」

僧侶「うふふー照れちゃって!ちょっとお姉さんに任せなさい!」

魔王「は!?あっ!あぁぁっだめぇっ!!」

勇者「魔王が本気で嫌がってる姿は背徳感が凄い」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:38:41.54 ID:WmktUoU3O
魔王「ああ……痛ぁ、い…!」

僧侶「力を抜いてってば」

魔王「や、こんな…無理…」

僧侶「その内気持ち良くなるから」

勇者「こっちやろうか?」

魔王「ひっ!?」

僧侶「そんな怯えないでー」

魔王「両方はダメ…死んじゃう…!あぁっ!」

僧侶「ちょっと勇者、もうちょっと加減して」

勇者「難しい…こう?」

魔王「ああんっ!」

将軍「寄ってたかって何をしている?」

僧侶「足ツボ!胃の働きを善くします!」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:41:46.67 ID:WmktUoU3O
僧侶「舌で感じる漢方」

魔王「苦い?」

僧侶「良薬口に苦し!」

魔王「確かに反射で胃液が込み上げる感覚は無いが…」

僧侶「魔王にも効くんだ」

勇者「初っぱなからコップ一杯飲むと吐くから、量に気を付けて」

魔王「あ、ああ…ありがとう…」

僧侶「胃がスッとしたら薬湯で重湯煮てくるからね」

勇者「こっちもこっちで美味しくはないけど」

魔王「ええと……」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:44:24.96 ID:WmktUoU3O
魔王「勇者と僧侶が通って来るようになったのだが…」

将軍「最近来なかったのは魔王の治療法を探していたかららしい」

魔王「私は彼らの施しを受けていて良いのか?」

将軍「このまま死なれるよりは幾分かマシだ」

魔王「肩身が狭い思いをさせる」

将軍「主人格では無い魔王の世話より大分マシだ」

魔王「そんなに迷惑をかけていたのか」

将軍「…今思えば悪くはなかった」

魔王「そう」

将軍「抱き付いてくれて良いんだぞ」

魔王「寝言は寝て言え」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:47:00.87 ID:WmktUoU3O
魔王「空腹を感じるようになってきた」

僧侶「大きな一歩だ」

勇者「でも暫くは重湯で我慢して下さい」

魔王「従おう」

僧侶「塩の量は増えたから、初回より食べやすくなってると思う」

勇者「美味しくはないけど」

魔王「いや、美味しいよ」

僧侶「そうかなあ」

魔王「とても美味しい」

勇者「魔王の味覚が怖い」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:50:11.72 ID:WmktUoU3O
僧侶「今日はホットミルクに挑戦しよう、蜂蜜入り!」

勇者「胃を労ってゆっくり飲むように」

魔王「ええ…いただきます」

僧侶「この調子なら今週中にカボチャプリンとか食べれそう」

将軍「そうか、用意させておこう」

魔王「………」

勇者「魔王?」

魔王「………」ボロボロ

僧侶「あわわ、大丈夫?気持ち悪くなっちゃった?」

魔王「違うの、美味しいの…」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:53:20.05 ID:WmktUoU3O
魔王「母は体が弱い人で、いつもベッドから起きれなくて」

魔王「父は魔王業が忙しくて、一緒にテーブルに着いたのなんて数えられる程」

魔王「小さい頃は将軍が一緒だったけれど、段々一人でご飯を食べる頻度が多くなって」

魔王「気付いたら私も忙しくなってしまって、ご飯はいつも作り置きばかりになってた」

魔王「温かいご飯が食べたかったの…でも私、魔王だから、我儘言っちゃダメだから…」

魔王「そうやって我慢してたら、味が判らなくなってきて、何も口の中に入れられなくなって………」

勇者「それは将軍が悪い」

僧侶「将軍が悪いですね」

将軍「気付かなかった私が悪かった」

魔王「将軍はバカだから私が言わなければ気付かないのは知ってた」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:56:41.29 ID:WmktUoU3O
僧侶「じゃーん!!川魚の塩焼き!!」

魔王「焼き立て?」

勇者「釣り立て、焼き立て」

僧侶「新鮮だから臭み一切なし!」

魔王「最強じゃないか」

僧侶「ふっふー、食べたければ私とちゅーだ!!」

魔王「え!?」

将軍「僧侶を目覚めさせたのは魔王だからしかたない」

僧侶「一回につき一匹進呈!」

勇者「釣ったのは僕なんだけど」

僧侶「勇者も魔王とちゅーしたいって」

勇者「違う違う」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 02:59:11.31 ID:WmktUoU3O
魔王「最近やっと、冷めた物の味も判るようになってきた気がする」

将軍「長かったな」

魔王「空腹と食欲も繋がったようだ」

将軍「自主的に食べれるようになった訳か、良かった」

魔王「安心しないで貰いたい」

将軍「安心くらいさせてくれ」

魔王「程々に心配して欲しい」

将軍「心掛けている」

魔王「将軍、ええと…ちゅー」

将軍「舌を噛みきるなよ」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:00:38.79 ID:WmktUoU3O
勇者「勇者を辞める事にしました」

魔王「そうか、残念だ」

勇者「僧侶に転職して色々学びたいと思ってます」

僧侶「私の弟子になるんですよ、ふふん」

将軍「僧侶は生物的に賢者になると思っていた」

勇者「また遊びに来ても良いですか?」

僧侶「私も!私も!」

魔王「私から遊びに行く事は出来ないが、来て貰う分には歓迎だ」

僧侶「いやっほぉぉぉ!!」ガタンッ

将軍「くれぐれも他の人間の目と噂には注意しろよ」

勇者「上手くやります」

魔王「今日の夕飯は水牛のシチュー」

勇者「食べてく」

僧侶「食べてくー!!」


おわった


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:04:39.35 ID:D91ggOdW0
おつかれ
この魔王がメンヘラなのかは分からんが興味深かった
とりあえず見せたがりのメンヘラ探しに行ってくる


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/14(日) 03:06:51.73 ID:OcgzYPLZ0





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