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結衣「あかりも大きくなったんだなあ」あかり「降ろしてよぉ」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 20:32:48.75 ID:PqLaERZZ0
- 娯楽部
あかり「きたよー」
結衣「いらっしゃい。あれ、あかり一人なの?」
あかり「うん、ちなつちゃん用事があるから早く帰るってさ」
結衣「……ということは今日はあかりと二人きりか」
あかり「あ、京子ちゃんも休みなの?」
京子「そうだよ」
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 20:38:50.03 ID:PqLaERZZ0
- あかり「へぇー、珍しいね」
結衣「……というわけなんだけど、どうしよう?」
結衣「二人だとさすがにやることもないしなぁ」
あかり「そうだねぇ、とりあえずお茶でも飲んでゆっくりしよ」
結衣「じゃあ、わたしがいれるよ。今日ちなつちゃんいないし」
あかり「え、あかりがやるって」
結衣「いいって、たまにはあかりはゆっくりしてて」 - 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 20:45:14.51 ID:PqLaERZZ0
- あかり「……そこまでいうなら、お願いするよぉ」
結衣「まかせて。ちなつちゃんほどじゃないけど、よく家で飲んでるから」
あかり「期待してるよぉ」
数分後
結衣「はい、どうぞ」
あかり「ありがとうね」
あかり「……ズズー」
結衣「ふふ、どう?」
あかり「うん、おいしよぉ」
結衣「ちなつちゃんと比べたら?」
あかり「うーん、技術だけならちなつちゃんのほうが優れてると思う」
あかり「……でも、やっぱり結衣ちゃんには結衣ちゃんのよさがあるよ」
あかり「このお茶には結衣ちゃんの真心が詰まってるから、それでいいんだよ」
結衣「あかりらしいや、でも嬉しい」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 20:51:11.34 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「さて……話は戻るけどどうする。今日はもう帰ろっか?」
あかり「あかりは、このまま結衣ちゃんと一緒にゆっくりしたいなぁ」
結衣「いいの? わたしは京子みたいにおもしろいことなんて考えだせないし」
結衣「あかりを退屈させちゃうよ」
あかり「それでいいよ。さっきも言ったでしょ、結衣ちゃんには結衣ちゃんのよさがあるって」
あかり「あかりは、結衣ちゃんといれればそれでいいの」
あかり「だから、今日はこのままダラダラしよ」
結衣「……あかり」
結衣「そうだね、ダラダラしよう」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 20:59:13.38 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「……ふわぁ」
あかり「あ、あくびしてる」
結衣「いいんだよ、ダラダラするんだから」
結衣「なんかいつも以上にきがぬけるな、京子もちなつちゃんもいないと」
あかり「たしかに、いつもなら娯楽部でももっとしっかりしてるもんねぇ」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:05:27.59 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「でも、それだけじゃないかも」
あかり「え、そうなの?」
結衣「きっと、あかりと二人きりだからだと思うんだ」
あかり「……あかりと二人きりだから?」
結衣「うん、あの二人の前だとどうしてもしっかりしてなきゃ」
結衣「クールでいなきゃって身構えちゃうんだ」
結衣「でも、あかり相手ならその必要もない」
あかり「そういうものなのかなぁ」
結衣「……ほら、ちなつちゃんの前だと尊敬される先輩を演じなきゃって、
京子の前だと突飛なこと言いだして私が止めないといけない」
結衣「なんか、いつのまにかそんな風に思ってるんだよね」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:11:33.41 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「ちなつちゃんは初めてできた後輩だからさ、先輩である自分がしっかりしなきゃって思う」
結衣「その点、あかりは幼なじみで気ごころ知れてるし、しっかりしてるから心配ない」
結衣「だからさ、……あかりとは自然体で接することができるんだ」
あかり「えへへ、そっか」
あかり「結衣ちゃん、あかりのことそんな風に思ってくれてたんだね」
結衣「うん、これが理由だよ」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:21:01.77 ID:PqLaERZZ0
- あかり「……今日は二人っきりになれてよかった」
あかり「結衣ちゃんの気持ちが聞けた」
結衣「そういえば、あかりと二人きりなんていつ以来だろ?」
あかり「覚えてないなぁ」 - 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:27:04.09 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「……あかりのいう通り。たまにはこいうのもいよね」
結衣「こんなことでもなきゃ、ゆっくりあかりと話すこともなかっただろうし」
あかり「そうだねぇ」
あかり「あ、そうだお菓子あまってるから食べよ」
結衣「……うん、そうし、ようかな……」
あかり「って、結衣ちゃん?」
結衣「ごめん、眠くなってきた」
結衣「ううん……スゥ」
あかり「結衣ちゃん……?」
あかり「寝ちゃったよぉ」
あかり「……ふふ、疲れてたみたいだね」
あかり(そうだよね、一人暮らしだから家事も一人でしなきゃいけない)
あかり(掃除、洗濯、料理……あと勉強に……ちょっと違うけどゲームも) - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:31:19.39 ID:PqLaERZZ0
- あかり(結衣ちゃんは頑張りやさんだね)
あかり(ちなつちゃんじゃないけど、尊敬しちゃうな)
あかり(……寝顔、随分リラックスしてるな)
あかり(さっきのあかりとは自然体っていうのは本当だったんだね)
あかり(なら、ゆっくり休んでね)
あかり「あ、そうだ!」
あかり「結衣ちゃん驚くかなぁ」 - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:36:45.11 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「う、うーん……」
結衣「……ふわぁ、寝ちゃってたのか」
あかり「おはよう、結衣ちゃん」
結衣「あぁ、あかり」
結衣「ごめん、ほったらかしにしちゃって……って、あれ?」
結衣(あかりの顔が目の前に……)
結衣(それに、この後頭部の感触は)
結衣「ひざ、まくら……?」
あかり「そうだよぉ」
結衣「な、なんでこんなこと」
あかり「結衣ちゃん、そのまま床に寝ちゃったから頭痛いかなと思って」
結衣「そ、それなら座布団でも使ってくれたら……」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:41:51.96 ID:PqLaERZZ0
- あかり「うーんと、あかりがこうしたかったから、じゃだめかなぁ?」
結衣「だめじゃないけど……」
あかり「なら、よかったよぉ」
結衣「……って、よくないよ!」バッ
あかり「あぁ! どうして起きあがっちゃうの!?」
結衣「だって、膝枕なんて恥ずかしいよ……」
結衣「実際やられてみてそう思った」
あかり「あかりは大丈夫なのに」
結衣「あかりはよくても、私はダメなの」
あかり「むー」
結衣「むくれても、ダメ!」 - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:49:08.15 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「でも、あかりらしくないよ、そんな大胆なこと」
あかり「……あかりも結衣ちゃんと同じだから」
結衣「え?」
あかり「結衣ちゃんの前でならあかりも自然体でいられるんだよ」
あかり「この膝枕だってさ、京子ちゃんにしたらからかわれるかもしれないし
ちなつちゃんだと拒否されちゃうかもって」
あかり「二人相手だとこんなふうに嫌がられたりするかもって思っちゃう」
あかり「それに、あかりも恥ずかしいいんだ」
あかり「もちろん、そんなのあかりの思い込みかもしれないけど」
あかり「でも、結衣ちゃんなら恥ずかしがっても内心では喜んでくれるかなって素直に想像できたから」
あかり「あかりも恥ずかしくない」
あかり「現に、その通りになったし」
結衣「……う!」 - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 21:55:04.29 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「くう~、そこまで言われたら恥ずかしがってる私が馬鹿みたいじゃんか」
あかり「ちがうよぉ、結衣ちゃんはそのままでいいよ」
あかり「そんな結衣ちゃんだからこそ、あかりは安心してられるんだから」
結衣「……あかりには敵わないや」
結衣「わかった、そうさせてもらうよ」
あかり「それがいいよぉ」
結衣「……あかり、ちょっと来て?」
あかり「え、なに?」 - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:01:20.64 ID:PqLaERZZ0
- あかり「え、なに?」
結衣「いいから」
あかり「……うん」トコトコ
結衣「目、つぶって」
あかり「なに、なんなのぉ?」ギュウ
結衣「…………よし」
グイ
あかり「って、うわぁ!」
あかり(わ、脇の下に手を入れて持ち上げられてる!?)
あかり「あわわ……!」
結衣「ふーん、なるほど」
結衣「あかりも大きくなったんだなあ」あかり「降ろしてよぉ」
結衣「もう少しだけ、ね」
あかり「……こんなの赤ちゃんみたいで恥ずかしいよぉ」
結衣「あはは、これは恥ずかしいんだね」 - 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:06:29.61 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「私も恥ずかしかったんだから、おあいこだよ」
あかり「それとこれとは別だってばぁ!」
結衣「うぅ、もう腕が疲れてきたな」
あかり「ほらほら、もういいでしょお」
結衣「いーや、まだまだ」
あかり「もぉ……」
結衣「ごめんごめん、もう降ろすよ」スゥ
あかり「ふぅ、やっと終わったよ」
結衣「ふふ、恥ずかしがってるあかりかわいかったよ」
あかり「うう……からかってるの?」
結衣「ちがうよ、本当だって」
あかり「おだててもだめ、ビックリして心臓止まりそうだったんだから」
結衣「ほら、謝るから機嫌なおして。ごめん」
あかり「いいけどさ、あかりも大げさにしすぎたよ」
結衣「ははは……ってもう日が暮れてきてる」 - 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:12:48.54 ID:PqLaERZZ0
- あかり「ほんとだ……外暗くなってきてるね」
結衣「結局、私は寝てばっかりだったな……こりゃ夜寝られないかも」
あかり「……ふふ」
あかり「結衣ちゃんの寝顔かわいかったよぉ」
結衣「あ、あかりが仕返し!?」
あかり「ずーと見てたんだよぉ、何時間もずーと」
結衣(うう、これが自然体のあかりか……けっこう手ごわいぞ) - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:17:52.45 ID:PqLaERZZ0
- あかり「これで2回目だよぉ、結衣ちゃんが顔赤くするの」
あかり「あかりの勝ちだね」
結衣「な、なんで勝負になってるのさ」
あかり「仕返しだよぉ、結衣ちゃんもそう言ってたよ」
あかり「あかり、結衣ちゃんには遠慮しないからね」
結衣「はぁ……私の負けでいいよ」
あかり「ふふふ、これで仕返し終了だよ」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:22:28.93 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「それより!」
結衣「そろそろ出ないとホントに遅くなるよ」
あかり「うわぁ、そうだった。結衣ちゃんと話してて忘れてたよ」
あかり「急がなきゃ」
結衣「ほら、協力して片づけよう」
帰り道
あかり「ふぅー、なんとかバスに間に合ったねぇ」
結衣「ギリギリだったね」 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:27:38.33 ID:PqLaERZZ0
- あかり「……なんだか、今日はいろいろあったね」
あかり「最初はなんにもすることないって思ってたのに」
結衣「うん。あかりのいろんなことが知れてよかったよ」
結衣「あんまりいい言い方じゃないけど、京子とちなつちゃんが休んでくれてよかったかな」
あかり「皆でいるのも楽しいけど、それだと今日はなかったんだね」 - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:33:30.94 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「そうだね、だから今日は今日で悪くないと思ってるんだ」
あかり「あかりも……今日のことはずっと覚えてると思う」
あかり「いつもとは違う、特別な日として」
結衣「でも……明日は」
あかり「うん、明日はまた娯楽部のみんなでいたい」
あかり「やっぱり、あかりたちは4人で一緒じゃないと」 - 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:38:50.37 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「私、京子ちなつちゃんにあかり」
結衣「うん、この4人が一番しっくりくるや」
あかり「結衣ちゃんもあかりと同じ気持ちなんだ」
あかり「……いいな、こういうの」
結衣「……いいね、こういうの」
結衣「ねぇ、あかり」
あかり「なに?」
結衣「さっきも言ったけどさ、今日一日であかりの色んなことを知れたんだ」
結衣「そして感じたんだ、あかりも成長してるんだって」 - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:43:51.36 ID:PqLaERZZ0
- あかり「うん」
結衣「……なんだか不思議だった。幼なじみなのに、私たちの間にはまだ知らないことがたくさんあったんだって」
結衣「恥ずかしがるあかりに、意外と負けず嫌いなあかり」
結衣「ちっちゃいって思ってたのに、持ち上げてみると重かったり」
結衣「私が知っていたいい子で子供のころのままのあかりじゃない、そんな素のあかりを知ることができた」
あかり「あかりも、いろんな結衣ちゃんを見れたよ」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:48:55.07 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「きっとさ、京子やちなつちゃんとの間にもまだまだ知らないことがある」
結衣「できるなら、今日みたいに二人のいろんなことが知れたらいいと思うんだ」
あかり「いいと思うよ。あかりもそうしたい」
結衣「だからさ、あかりにも手伝ってほしいんだ」
あかり「手伝う……?」
結衣「うん。わたしもあかりも、あの二人には遠慮というかつい力んじゃうところがある」 - 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 22:55:20.47 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「私ひとりだけだと、自然な自分になろうとしてもたぶん上手くいかない」
結衣「でも、今日みたいにあかりがそばにいてくれたら心強いんだ」
結衣「最近はさ、娯楽部でのそれぞれの立ち位置が固定されちゃってるんじゃないかな」
結衣「もちろん、それが悪いことだとはいわない。仲良くなって心地のいい空気をつくれたってことだから」
結衣「私も、今日まではそれでいいと思ってた」
結衣「けど、あかりのいろんな面を知れて、それじゃ物足りないって思った」
結衣「だからさ、もっとあの二人のこと知りたくなったんだ」
結衣「あかり、一緒に頑張ってくれる」
あかり「うん、いいよ」 - 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:02:22.35 ID:PqLaERZZ0
- 結衣「……はぁ、ありがと。嬉しい」
あかり「ふふ、やっぱり結衣ちゃんは凄いね」
あかり「あかり、そんなこと考えようともしてなかった。結衣ちゃんと仲良くなれて満足しちゃってた」
あかり「でも、結衣ちゃんに言われてそうしたいって思えたんだ」
結衣「……なんだか、照れるや」
あかり「三回目」
結衣「ははは、いまのは恥ずかしがるのとは違うよ。それにもう仕返しは終わりでしょ」
あかり「言ってみただけだよ」
結衣「そうだね、今のあかりはそんな冗談も言えるんだ」
結衣「また、一つ知れた」
あかり「……でも、まだまだあかりは謎が多いからね」
あかり「この程度じゃまだあかりを知りつくしたことにはならないよ」
結衣「そっか、それは楽しみだね」
あかり「……結衣ちゃん、明日からもよろしくね」
結衣「うん、よろしく」 - 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:04:09.39 ID:PqLaERZZ0
- おわり
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:04:50.49 ID:TxXPrHLB0
- しっとり乙
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:07:34.15 ID:UT5VLfzo0
- 結あかはまったりしてて良いね
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:07:39.67 ID:SmvkXow/0
- ぽかぽかした乙
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/24(水) 23:22:32.81 ID:1F3RMkkX0
- ほっこりした
乙

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