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女「ジャック・オランタン」 男「うん?」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 01:43:37.67 ID:LtNYkXib0
- 女「ジャック・オランタン。」
男「うん?」
女「カボチャの顔だ。ハロウィンが近いからよく見かける。」
男「ジャック・オ・ランタンじゃないのか。」
女「知らないが。あれは可愛いな。」
男「そうだな。」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 01:45:16.55 ID:LtNYkXib0
- 女「ここからが本題だ。」
男「うん。」
女「トリック・オア・トリート。」
男「うん?」
女「お菓子がもらえるんだ。」
男「うん。」
女「お菓子をくれなかったらイタズラする。」
男「うん。」
女「トリック・オア・トリート。」
男「はい。」
女「え。」
男「あげる。飴。」
女「え。え。」
男「なにが不満だ。」
女「君にイタズラしたかったんだ。」
男「あほか。」
女「むしろイタズラされたかった。」
男「よしそろそろ帰るか。」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 01:47:36.69 ID:LtNYkXib0
- 女「君はいつもそうだ」
男「うん?」
女「ずっと参考書を読んでいる」
男「そりゃあ受験生ですから」
女「わたしだって受験生だ」
男「なら勉強しろ」
女「勉強は嫌いなんだ」
男「ほー」
女「だから勉強する君も嫌い」
男「さいですか」
女「だからわたしは君の邪魔をする。わたしの前で勉強するな。気に食わない」
男「少しは自重しろよ」
女「明日は自重する」
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 01:53:36.32 ID:LtNYkXib0
- 女「…………。」
男「…………。」
女「…………。」
男「…………。」
女「…………。」
男「…………。」
女「…………。」
男「…………。」
女「…………。」
男「しゃべりかけずにじっと見つめるのはやめてくれ」
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 01:58:28.97 ID:LtNYkXib0
- 女「そういえば」
男「なんだ」
女「クーリスマスが今年もやーってくるー」
男「藪から棒に」
女「耳が痛いな」
男「受験生だからな」
女「君はクリスマスも参考書と見つめあっているのか」
男「受験生だからな」
女「クリスマスくらいハメを外してもバチは当たらないと思う」
男「デートはしないぞ」
女「フラれてしまった」
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:03:39.42 ID:LtNYkXib0
- 女「今日も今日とて勉強する君の邪魔をしに来たわけだが」
男「隣の席だからもはや諦めている」
女「ひとつ、疑問が浮かんだんだ」
男「ほー?」
女「どうして君は図書室へ行かない?」
男「……。」
女「図書室なら、わたしに邪魔されず静かに勉強できるだろう?」
男「どうせおまえは図書室まで追いかけてくるんだろう」
女「図書室で喋ってはいけないことくらいわかっている」
男「お見それしました」
女「どうして教室で勉強を続けている?」
男「どうしてでしょう?」
女「わたしはそんな君が大好きだ」
男「さいで」
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:08:32.42 ID:LtNYkXib0
- 女「クリスマスは冬休みだ」
男「そうだな」
女「君の邪魔を出来ない」
男「素直に『会えない』と言ったらどうなんだ」
女「つまらないな」
男「……クリスマスは図書館に行こう」ボソッ
女「? なにか言ったか?」
男「いんや、なにも」
女「そうか」
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:10:27.61 ID:LtNYkXib0
- 女「君も図書館で勉強か。奇遇だな」
男「そうだな、奇遇だな」
女「さあて勉強するか」
男「隣に座ることに突っ込んでいいものかどうか」
女「君、図書館ではお静かに」
男「おまえにそれを注意されるとは思わなかったよ」
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:14:58.89 ID:LtNYkXib0
- 女「……。(駄目だ、さっぱりわからん)」
女「……。(第一、わたしは日本人だ。英語なんかわからなくて大丈夫なんだ)」
女「……。(そういえば男もさっきからいない)」
女「……。(帰ろうかな)」
ピトッ
女「ひゃあ!?」
男「図書館ではお静かに」
女「な、なんだ君か、驚かすな」
男「ちょっと休憩をしよう。これはクリスマスプレゼントだ」
女「わたしは午後ティーより紅茶花伝派なんだ」
男「そうか、ならこれは俺が飲もう」
女「嘘です午後ティー大好きです休憩しましょう一緒に休憩しましょう」
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:19:47.75 ID:LtNYkXib0
- 女「あけ…まして…おめで…とう……、と」
女「いや、おめでとうございます、の方が丁寧なのか?」
女「しかしそれでは可愛げがないな……」
女「あけ、おめ…、と」
女「どうだ、これならちょっとは可愛げがあるだろう」
女「……馴れ馴れしすぎるか」
女「じゃ、じゃあ、絵文字を」
女「あけまして、おめでとう……、ハート?」
女「いやいやいやいやおかしいだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
女「……どうしてわたしがここまで考えなきゃいけないんだ」
女「メールなんてやめだ、やめ。新学期にでも伝えればいい」
ピロリンッ
女「ひゃあ!?」
女「な、なんだ、メールか。男からだと?」
女「『あけましておめでとう』。ふむ」
女「『夢に女が出てきました』。なんだと!?」
女「『参考書を読んでいる横で、ずっと「落ちろ落ちろ落ちろ」と囁かれました』」
女「『迷惑です、やめてください』」
女「…………。」
女「新学期にやってやろう」
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:24:25.67 ID:LtNYkXib0
- 男「あけまして」
女「落ちろおめでとう落ちろ」
男「そろそろセンター試験だな」
女「落ちろそうだな落ちろ」
男「始業式の校長の話って無駄に長いよな」
女「落ちろそうだな落ちろ」
男「まったく受験生がいるんだからやめてほしいよな」
女「落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ」
男「ごめんなさいもうやめてください」
女「ふん」
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:25:15.74 ID:LtNYkXib0
- 男「そういえば」
女「なんだ、君から話しかけてくるなんて。珍しいじゃないか」
男「女ってどこの大学受けるんだ?」
女「……は?」
男「いや、だから、どこの大学受けるんだ?」
女「……ところ」
男「え? なんだって?」
女「君と同じところだ」
男「…ほう」
女「なんだその目は」
男「いや、なんつーか、その」
女「わかっている。わたしは君のように頭が良いわけではない。なんたってジャック・オランタンだ」
男「…うん」
女「君のように勉強が好きなわけでもない」
男「…うん」
女「ただ、君の傍にいたいんだ」
男「…おう」
女「ずっと君の邪魔をしていたい。それだけだ」
男「喜べばいいのか悲しめばいいのか」
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:28:52.73 ID:LtNYkXib0
- 女「君。ちょっとここを教えてくれないか」
男「なんだ、また英語か」
女「英語以外なら君に追いついてきている。ただ英語だけは本当に苦手なんだ」
男「正直、ここまでおまえの成績が伸びるとは思わなかった」
女「やれば出来るんだ、わたしも。で、ここなんだが……」
男「ああ、ここか。これは、ここが大事なんだ。この関係詞がどこまでか、を……」
他生徒「(あいつら休み時間ごとにイチャイチャすんじゃねえよ……)」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:31:23.53 ID:LtNYkXib0
- 女「いよいよ二次試験だな」
男「そうだな」
女「やはり本番は緊張するな」
男「まぁな」
女「……寒いな」
男「ほれ。餞別だ」
女「紅茶花伝派だと言っただろう」
男「四の五の言わずに飲んであったまればいいだろう」
女「…あったかい」
男「それは良かった」
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:36:30.87 ID:LtNYkXib0
- 女「……。」
男「……。」
女「……。」
男「……。」
女「……疲れた」
男「右に同じ」
女「もう勉強しなくていいんだな?」
男「あぁ」
女「もうあの忌々しい参考書を捨てていいんだな?」
男「あぁ」
女「良かった……」
男「どこかで休んでから帰ろうか」
女「そうしよう。君の奢りだな。ご馳走様です」
男「とことん嫌がらせをするんだなおまえは」
女「わたしが今までしてきたのはのは『邪魔』であって『嫌がらせ』ではない」
男「じゃあ今のはなんなんだ」
女「今のはただの『我が儘』だ」
男「わーどっちにしてもめんどくせー」
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:37:47.23 ID:LtNYkXib0
- 女「とうとう合格発表だな」
男「おう」
女「掲示板の周りに人が」
男「たくさんだな」
女「そういえば君の受験番号を知らないな」
男「俺だっておまえの受験番号を知らない」
女「知っておいたほうがいいのか?」
男「さあ。どうだろう」
女「…いや、知らないままでいこう。もし君だけが落ちた時、気まずいものな」
男「自分だけが落ちる選択肢はないのか」
女「わたしはやれば出来る子だぞ?」
男「さいで」
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:39:36.07 ID:LtNYkXib0
- 女「…………。」
男「…………。」
女「…………。」
男「…………。」
女「……ずっと君の邪魔をしていたかった」
男「…………。」
女「どれだけ邪魔をしても、こっちを向いてくれなくたって」
男「…………。」
女「返事をしてくれる君が好きだったんだ」
男「…………。」
女「……もう邪魔はしないから」
男「…………。」
女「さよなら」
男「…………。」
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:41:11.36 ID:z3Cpqwt40
- えっ
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:44:23.72 ID:LtNYkXib0
- 友1「おーい、男ー、今日こそ遊びに行こうぜー! 午後から講義ないだろ?」
男「あー……。いや、ちょっと勉強したいから今日はやめとくわ。」
友2「男くんっていつもそうだよねー。勉強とか言っておいて実は彼女と…?」
友3「男に彼女とかいるわけねーじゃんww おまえ何言ってんのww」
男「…おまえら、テスト前に泣きついてきてもノート貸さないからな。」
男「(あれから2ヶ月)」
男「(なんとなく連絡を取りづらくて、女からも連絡は来なかったし)」
男「(俺はひとり、入学準備をさくさくと進めていき、無事、大学へ入学した)」
男「(今日は午後から講義がないので、図書館で少し勉強をしようと思う)」
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:47:21.90 ID:LtNYkXib0
- 男「(最初は蔵書の多さに度肝を抜かれたが、今では慣れたもの)」
男「(専門書や入門書などと俺は見つめ合っている)」
男「(あの、高校3年生の時のように)」
男「(違うのは、邪魔をされないだけ)」
男「(……つまらない。な)」
ピトッ
男「うおっ!?」
?「図書館ではお静かに」
?「言ったろう? わたしは、ずっと、君の邪魔をしていたいって」
おしまい
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:48:57.80 ID:8gW3SMBo0
- 乙乙
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:49:13.05 ID:LtNYkXib0
- ということで、おしまい、です。
初スレ立て、初SSという初めてずくしだったので
至らないところがあったかもしれませんが
最後まで見てくださって、ありがとうございます
トリック・オア・トリート! - 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:50:16.95 ID:z3Cpqwt40
- 乙
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:51:32.72 ID:6ImRICFMO
- 眠れなかったおかげでいいSSに出会えた、乙
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 02:55:05.65 ID:vB6uKLQo0
- なかなか良かった
ありがとう

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