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照「麻雀あきた」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:24:21.30 ID:zTeUshIp0
- 菫「!?」
誠子「どこか頭ぶつけました?」
尭深「お茶飲んで落ち着きましょう」
照「だから部活もやめる。じゃあね」
淡「……」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:32:07.59 ID:zTeUshIp0
- 淡「私も辞める~」
菫「バカなこと言うな。というか照、本当にどこか悪いんじゃ、」
照「悪くないよ」
菫「じゃあなんでだよ」
照「だから言ってるじゃん。飽きたって」
菫「お前、全国で最強の高校生雀士なんだぞ?」
照「?」
照「だからなに?」
菫「……」
照「もう行くね」
バタン
淡「あ、テルまってよー」 - 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:36:43.82 ID:zTeUshIp0
- 淡「突然だね。これからどうするの?」
照「普通に勉強して、農工系の大学行って公務員コースかな」
淡「へー、妹狂のポンコツさんかと思ってたけど、意外と人生設計はまともなんだね」
照「先輩に対する口の聞き方じゃないよソレ」
淡「あ、ごめん。怒った」
照「怒ったらもう口聞いてないからそんなでもない」
淡「テルは優しいな」
照「そう。ありがと」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:45:13.17 ID:zTeUshIp0
- 照「今日からここが私の根城」
淡「なにここ、文芸部?本がいっぱいあるんだね」
照「今はもう形だけで今年の部員は0人なんだ。一人で勉強するのに丁度いいと思って」
淡「てっきり小説が好きだからここを選んだのかと思ったよ」
照「それもないことはない」
淡「テルってさ、麻雀打ってて楽しかった?」
照「……」
淡「前から思ってたけど、トップとろうが役満和了ろうがニコリともしないからこの人なんで打ってるんだろーなって」
照「私にもわからない」
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:52:15.04 ID:zTeUshIp0
- 照「家族麻雀やって、ミドルで無双して、気付いたらここにいたよ」
淡「特待生なのに部活辞めたら、学校辞めさせられちゃうんじゃない?」
照「私が入学した当時はそんな制度なかったよ。だからはぼ裏口入学だったね。表向きは一般生徒」
淡「それでも卒業するまで風当たりはすごそうだけど」
照「そこまでひどかったらこっちから辞めるよ」
淡「ふーん」
淡「本棚すごい埃。よく廃部しないでいたもんだ。えらいえらい」
照「掃除手伝ってくれるの?」
淡「いいよー」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 15:59:19.09 ID:zTeUshIp0
- 淡「思ったより早く終わったね。テルのギュルギュルがそんな役に立つとは」
照「お手伝いありがとう。ジュース買って来る」
淡「オレンジ100パーで」
照「遠慮しないところも淡のいいところだよ」
淡「せやなー」
淡「ノリで部活辞めるって言ったけど、よく考えたら私特待生だったんだよなー」
淡「あとで謝りにいこ」
淡「スミレ、すっごい悲しい顔してたなぁ……」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:03:21.34 ID:zTeUshIp0
- 照「ただいま」
淡「……」ヨミヨミ
照「ほい。これオレンジだよ」
淡「あ、おかえり。ここの本読んでて気付かなかった」
照「淡って教科書以外に文字読むんだ」
淡「これでも年間1冊は小説読んでるんだよ」
照「何読むの?」
淡「SFだよ。宇宙物」
照(……)
淡「意外?」
照「まぁまぁ」 - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:10:22.35 ID:zTeUshIp0
- 照「淡は部活辞めなくて良かったと思うんだ」
淡「うん、今考えてたところ」
照「早めに謝りにいきな。菫が泣いちゃう前に」
淡「一緒についてきてくれない?」
照「やだ。啖呵切った手前、どんな顔していけばいいのやら」
淡「スミレに怒られるのやだー」
照「だったらなぜ淡もついてきたの?」
淡「だってだって、照がいなくなるんだもん!」
照「理由になってないよ。うれしいけど」
淡「テルが戻るなら私も戻る」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:19:35.83 ID:zTeUshIp0
- 照「私はもう打たない。菫には悪いけど」
淡「私だけ戻ったら、またタメから陰口叩かれちゃう」
照「自覚あったんだ」
淡「流石にね。それでも許される実力主義の白糸台だから入ったんだけど」
照「それでも――麻雀が楽しいと思うなら、」
淡「照は何をしてるときが楽しいの?」
照「小説書いてる時」ボソ
淡「え?」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:24:58.58 ID:zTeUshIp0
- 照「だからっ、小説を、書いてるとき」
淡「へ~~~~」
照(あ、まずい)
淡「読みたい!」
照「むぅ」
照「今持ってない……」
淡「嘘だっ!!」
照「」ビクッ
照「な、なんで嘘だと思うの?」
淡「今、びっくりしたし。言動に動揺が見られるから」
照「そんなの後ヅケじゃん……」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:33:09.93 ID:zTeUshIp0
- 照「持ってないのは本当だって。だから勘弁して」
淡「本当かなぁ?鞄の中探りたいけど、一応先輩だしそれは流石にねぇ?」
照「今度読ましてあげるから、ね?」
淡「じゃあ変わりに麻雀部を辞めた理由を教えてよ」
照「それはさっき、」
淡「嘘、でしょ。飽きたなんて嘘。だったら三年続ける意味がわからない」
照「本当のこと、か」
照「私の麻雀には壁がないんだよ」
淡「壁?」
照「うん。乗り越えるべき壁。障害って言うほうがわかりやすいかな」
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:41:46.45 ID:zTeUshIp0
- 照「麻雀打つにあたってもちろん努力はした。けど、」
淡「けど?」
照「……一度も負けると思ったことがない。挫折したことがないんだ」
淡「?、 私もそうだよ」
照「最初はちやほやされてて、それがすごい嬉しかった。褒められるのが嫌いな人はいない」
照「だけどね、そんな高慢もいつかは慣れちゃうんだ。打って勝って褒められて。そんなサイクルに身を置いてると、だんだんおかしくなってきちゃう」
照「いつしか大舞台で全く緊張しなくなった」
淡「いいことじゃない?」
照「緊張は興奮で、すなわち快楽だと私は思う。作業になったテーブルゲームはただの苦行に変わりない」
淡「要するに?」
照「飽きた」
淡「なるほど」 - 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 16:56:39.95 ID:zTeUshIp0
- 淡「でもやっぱり、もったいないな」
照「そうかな」
淡「照の実力が欲しい人は星の数ほどいる」
淡「私だってそう。照の連荘能力とかいうふざけた力が欲しい」
照「ごめん」
淡「いや、謝られてもしょうがないけど……。本人が決めたことならしょうがないよ」
照「……」
淡「それにしてもなんでこの時期に?インハイも終わって一息ついて、あとは引継ぎやって引退じゃん」
照「引退したらOB会やプロオファーもくるし、むしろ部活していた時期より忙しい」
照「……あとね、私、この前送った小説の新人賞の三次選考通ったんだ」
淡「ほんと?すごい!」
照「全然才能ないと思ってた。高一のときからずっと応募してやっと。うれしくて咲と一晩中電話しちゃってね」
淡「……サキは、麻雀辞めることに対して何か言ってた?」
照「『お姉ちゃんが決めたことなら』って言ってくれた」
淡「そっか」 - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 17:14:15.07 ID:zTeUshIp0
- 照「公務員ならもし作家としてデビューできたら兼業できるかもしれない」
淡「それもそれで大変そう」
照「甘いかもしれないけど夢なんだ。一生懸命やって喜びが産み出せた時ほどすばらなことはない」
淡「……」
照「淡は生きるってどういう意味だと思う?」
淡「生きるの意味……?難しい質問するね」
照「なんでもいいよ」
淡「じゃあ、『楽しむ』かな」
照「淡が『DNAに組み込まれた生物本能の繁殖行為が全て』とか言わなくて安心したよ」
淡「そんなのキャラじゃないし」
照「これ、好きな作家さんの受け売りなんだけど、人間の生きる意味は笑うことなんだって」
淡「繁殖行為中でも笑う人はいるよ(情報源:インターネット)」
照「そういうこと言わない」
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 17:57:06.91 ID:zTeUshIp0
- 照「笑わないやつは生きてない。そんな人生死んだほうがマシだ」
淡「ずいぶんと暴力的な発言」
照「って言葉。受け売りだからね。別に私が思っていることじゃないからね」
淡「でも感銘を受けたわけでしょ?」
照「うん。死んだほうがマシとまでは思わないけど、やっぱり淡の言うとおり楽しんでこその人生だしね」
淡「なんだかテルのこと見直したよ」
照「いままで見下してたってこと?」
淡「そこまで私はおバカじゃないよ?ただ、確かに麻雀をやらされてるっていう感じがしてさ」
淡「今のテルは楽しそう。こんなに自分を語るテルは初めて」
淡「それでも……、私はテルと麻雀が打ちたいな」
照「……」 - 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 18:46:10.53 ID:zTeUshIp0
- 照「ごめん、それは」
淡「うん、わかってる。先輩の夢を否定できるほど私は人生長くない」
照「あとで、私も謝りに行くよ。流石にあんな辞め方はなかったな」
淡「……」
淡「私、今まで自分の力をただ無我夢中で雀卓の上で叩きつけてきた。それが正しいと思ってるしこれからもそうする」
淡「私は麻雀が楽しい。ずっと麻雀をしたい。けど、テルがいなくなったら、私の目標はどうなるの?」
照「目標?」
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 18:54:13.41 ID:zTeUshIp0
- 淡「プロになってテルと別のチームでテルをボコボコにするんだ。そんときに『これからはさん付けで呼んでね』って言って、」
淡「そっから下克上かました私は『現代の信長』なんて、新聞の一面に書かれ、て、」グスッ
照「淡、ごめん」
淡「泣いてないから、謝んないでっ」ズルル
照「本当にごめん」
淡「だから泣いてないって!優しくすんな!」
照「……ごめん」
淡「ううっ」
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 19:02:49.05 ID:zTeUshIp0
- ◇◆◇◆◇◆
菫「本当にいいんだな」
照「うん、正式に書類だしとく。それと、さっきのこと謝るよ」
淡「私も、ごめんなさい」ペコ
菫「淡が謝罪してるの初めてみたよ。……照、この二年間、部活は楽しかったか?」
照「私は、」
菫「本心で言ってくれ」
照「楽しかったよ。部のみんなと一緒にいれて、本当に楽しかった」
照「大切な高校生活として一生忘れることはないよ。絶対」
菫「そういってもらえると、この二年間無駄じゃなかったんだと思うことができる」
照「今生の別れでもないのに、そんな……」
菫「そうだな、ただ、別の道を行くだけだ。私も受験だから部活に顔出せなくて変わらないのに」
淡「……っ」 - 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 19:16:28.79 ID:zTeUshIp0
- 淡(それから私達は急速に疎遠になっていった)
淡(私は三年の秋、無事プロの世界へと踏み入れ、その道を歩き続けている)
菫「淡、どうだ今日、飲みいかないか?」
淡「なんだか学生気分が抜けてないねースミレは」
菫「プロはタイトルとったら飲みにいかなきゃいけないんだよ」
淡「しょうがないなー、もう」
菫「なんと今日は別の業界の先生もいらっしゃるんだぞ」
淡「へー、スミレにそんなつながりがあったとはね」
菫「お前も知っているはずだけどな」
淡「それって、」
菫「作家名:宮名弖流。デビュー作は、」
淡「し、『姉妹信仰』!」
菫「どうだ、くるか?」
淡「もちろん!」 完
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 19:17:14.68 ID:7y3iB0YA0
- 乙
- 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 19:19:07.63 ID:P3wi4Hgg0
- 乙乙
姉妹信仰か、さすがてるてる - 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/28(日) 19:19:08.05 ID:OGD4To7r0
- すばら・・おお、すばら・・・
乙乙

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