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淡「宮永ホーンもぐもぐ」菫「もぐもぐ」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:06:46.23 ID:6w95kczpP
- 淡「ごちそうさまでしたー」
菫「……ごちそうさま」
淡「……」
菫「……」
淡「なんてゆーかさ、やっぱ髪だったね!」
菫「シャンプーの良い香りがしたな」
淡「ジェルで固まっててパリパリだったね!」
菫「……毎朝これをセットしてたことを考えると、苦労が偲ばれるな」
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:11:32.23 ID:6w95kczpP
- 淡「……」
菫「……」
淡「でさースミレ?」
淡「どうしよっか、この惨状」
菫「……正直、やばいな」
淡「流石に照が寝てるかといってこれは」
菫「元はと言えば照が悪いとはいえ、殺されるかもしれん」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:16:45.80 ID:6w95kczpP
- 20分前
菫「……無い」
淡「どうしたのスミレー?」
菫「買ってきておいたプリンが無いんだ、今日皆で食べようと思ったんだが」
淡「犯人許すまじ!食べ物の恨みは恐ろしいんだぞ、とっちめてやるー」
菫「……いや、その犯人なんだが……」
照「…………zzz」
鍵のかけてあった部室に一番乗りしたであろう宮永照、現在睡眠中
ゴミ箱には上にゴミを被せるというささやかなカモフラージュが施されていたが
その下には食べ終えて今は照のお腹の中であろう今は無きプリンの亡骸が散らばっていた
どう考えてもそれはここで惰眠を貪る宮永照が犯人であるということを物語っている
淡「……これはいくらてるとはいえ許すまじ行為だね」 - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:21:57.84 ID:6w95kczpP
- 菫「とはいえ食べてしまったものはどうしようもないぞ?」
淡「こうなったら吐き出させてやるー」
菫「待て、下手に触ると逆に痛い目にあうぞ。照は全国で五本の指に入るプリン狂だからな」
淡「それじゃあどうするのさー、今日のお茶会は無しになったりしないよね?」
菫「お茶だけなら入れてやるが?」
淡「そんなのつまんなーい、お腹空いたよー」
淡「……」
菫「……」
……グゥゥゥ
淡「……………お腹空いたよー(絶望」 - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:28:21.40 ID:6w95kczpP
- 菫「我慢しろ、お昼にちゃんとお弁当食べただろうが!」
淡「それが、忘れてしまって」
菫「はぁ」
淡「クラスメートのなけなしの寄付をも断り今日のお茶会を楽しみにする所存でございましたであります」
菫「お前プリンで腹を膨らませるつもりだったのか、相変わらず頭が残念だな」
淡「酷いなぁ、スイーツは女の子の武器なんだよ!」
……グゥゥゥ
淡「とーにーかーく、このままでは倒れてちゃうよ!なんとかしてスミレ!」
菫「知らん、お前が空腹で倒れようが知ったことではな―――」
バタン
淡「す、スミレ!どうしたの?しっかりして!」
……グゥゥゥ(菫のお腹の音)
淡「…………」 - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:30:25.71 ID:OUJii1//0
- 白糸台にはポンコツしかいないのか
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:37:09.58 ID:6w95kczpP
- 淡「……スミレ、これはどういうこと?」
菫「ばれたか、実は私もお弁当を忘れてしまってな」
淡「はぁ」
菫「……」
菫「クラスメートのなけなしの寄付をも断り今日のお茶会を楽しみにする所存でございましたであります」
淡「それさっきの私の台詞だよ!さっきプリンでお腹を膨らませるとか頭が残念とか散々こき下ろしたよね!?」
菫「何を言っているスイーツは女の子の武器だぞ、これさえあればなんとでもなるからな」
淡「それも私の台詞だし、しかも増長されてるし!」
菫「(イラッ、チッうっせーな)」
菫「……なぁ淡、前から思っていたんだがお前、随分と先輩に口の利き方が悪いよな」
淡「え、え」
菫「たまには後輩への指導の一環としてロン(物理)も考えてるだが、淡はどう思う?」
淡「(なんでキレてんのこの人、でも怖いし逆らうのはよそう……長生きしたいし)」
淡「ご、ごめんなさい……スミレ……先輩。先ほどの失言をお許し下さい(ぺっこりん」
菫「……まぁ、分かればよろしい」 - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:46:11.88 ID:6w95kczpP
- 淡「……それはともかく、このままじゃ私たちの命の危機だよ?スミレ……先輩」
菫「確かにそうだが、肝心の食べ物がもうこの部室には……」
淡「棚も見てみたけど全然お菓子の買い置き無いね……」
菫「丁度切らしてしまっているみたいだな……」
淡「……」
菫「……」
……グゥゥゥ(淡のお腹の音)
……グゥゥゥ(菫のお腹の音)
淡「……ひもじいよう、スミレ……先輩」
菫「……頼むから言うな、後お前が先輩付けは気持ち悪いからやめろ」
淡「(さっき口の利き方がどうのって言われて折角直したのに……)」
淡「(……でもお腹が減ってそれどころじゃないや…………」
……グゥゥゥ(淡のお腹の音)
……グゥゥゥ(菫のお腹の音)
淡「これが、戦争……なんだね、いつも苦しむのは私たち一般市民、現実ってなんでこんなに残酷なんだろう」
菫「余計ひもじくなるから変な妄想はやめろ」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:50:51.85 ID:6w95kczpP
- 淡「……」
菫「……」
スクッ
菫「どうした、淡……余計な体力を使うと寿命が縮まるぞ。ただでさえ敵の爆撃の危険に晒されてるのだから無闇な行動はよせ……」
淡「(さっきの設定引き継いでんじゃん……)」
淡「(ってそれどころじゃない!このお腹をどうにかして満たさないと!)」
淡「食べ物をなんとか探そう!このままじゃ二人で共倒れだよ!」
菫「……でも敵の爆撃が……」
淡「いやもうそれいいんで」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 03:58:03.57 ID:6w95kczpP
- ガサガサ
淡「お茶の葉は食べられないかな?」
菫「……それをこっちに渡してもらおうか」
淡「(うわ本気で食べる気だよ……)」
淡「……」
淡「(でも頑張れば食べられるかも……?うう、何か渡したくないなぁ)」
淡「……これは私が見つけたから、私のもの。依存なーし」
菫「これは先輩命令だぞ、逆らう気か?」
淡「誰にでも、譲れないものは、あるんだよ。スミレ」
菫「ならば力で奪い取るまで!」
淡「ちょっ、スミレやめっ……こぼれ、るっ……」
ザザーッ
淡「……」
菫「……」
菫「仕方ない、舐めるか」淡「流石にそれはやめようよ!」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:05:37.57 ID:6w95kczpP
- …………
ガリッ
淡「麻雀牌って硬いね……」
菫「サイコロも食えそうにない……」
…………
ガサッ
淡「机の下に茸は生えてないね……」
菫「もっとジメジメしていればッ……(後悔」
…………
キョロキョロ
淡「スミレのふともものお肉美味しそう……」
菫「お前のお腹のお肉で焼き肉がしたくなってきた……」
淡「……」
菫「……」
淡「むなし」菫「言うな、頼むから」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:16:26.52 ID:6w95kczpP
- 散々部室を駈けずり回った挙句、何も食べ物を得られず二人は床にへたりこんでいた……
淡「……私たち、死ぬんだね」
菫「……今思うと、短い人生だったな」
淡「…………」
淡「神様、私をどうか天国に導いて下さい……」
菫「おまっ、最後の最後でそれはズルいぞ」
淡「いいじゃん、どうせ死ぬんだし(絶望)可哀想な私(限定)の願いはきっと届くよ」
菫「……何か言い方がムカつく。神様、淡が地獄に落ちますように……」
淡「ちょっ、本当に地獄に落ちたらどうするのさ!」
菫「お前のことなんて知らん」
淡「……」
淡「あはは」
菫「今度はどうした」
淡「祈りなんてささげるよりもこうして言い合いしてる方が私たちの最期にはお似合いなのかも、ね……スミレ……」
菫「マジで死にそうな感じだからやめろ、いや実際死にそうだけど」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:22:49.31 ID:6w95kczpP
- 淡「私たちももう終わりだね……」
菫「うぅ……もう動けない、な……」
淡「(ああ、お腹いっぱいたけのこの里が食べたかった、な……)」
菫「たけのこ信者は死ね(失望」
淡「まだ口に出してないのに容赦ないなスミレは、らしいけど」
菫「死ね」
淡「……」
淡「(……もうスミレはどうでもいいや、マジで)」
…………
淡「(そんなことより、何よりも……)」
淡「ああ……全国、行きたかった……な……ねえ、て、る……」
淡「…………て……る……?」
ガバッ
淡「何この甘い香り!!111」菫「!?」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:33:56.96 ID:6w95kczpP
- それは照の髪から漂うシャンプーの匂いだったのだが、二人にとってはそんなことはどうでもよく(重要)
二人に途端に力が漲ると同時に照をどう食べようかと画策を巡らせ始めた。
淡「照から凄い甘い香りが漂ってるよ!」
菫「……本当だ、でかしたぞ淡!」
淡「…………」
菫「何を考えている」
淡「いや、まさか食べるのかなーと思って」
菫「???今更何を言ってるんだお前は、やっと見つけた食料(宮永照)だぞ?」
淡「いやいや!最初は私も釣られたけどそれはまずいんじゃないかな!」
菫「……あのな、淡。お前が腹を空かせたライオンだとして目の前で子豚が眠ってたらそれに手をつけないとでも?」
淡「てるは子豚ですかそうですか」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:37:10.22 ID:6w95kczpP
- 菫「……じゃあ私は下半身を頂く(意味深)ということで」
淡「ええーっ、ずるい!私もふともものお肉が食べたいよぅ」
菫「胸で我慢しろ」
淡「いや、てるの胸はちょっと(絶望」
照「……ぅーん……」
菫「……お前、食料(宮永照)が目を覚ますからそれ以上はやめろ」
淡「……うん」 - 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:44:08.32 ID:6w95kczpP
- 淡「……で、どうやって食べるの?」
菫「本当はちゃんと切り分けたかったが(狂気)今は一刻を争う事態だし、仕方ない……」
菫「……」
菫「むしゃぶりつこう」
淡「うん」
淡「それじゃ」菫「それでは」
淡菫「いただきまー……」
照「……ん、菫……淡……一緒に、頑張ろう、ね……ムニャ」
淡「……」
菫「……」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:47:35.98 ID:n7aUMXSf0
- ホンマてるてるのかわいさはポンコツの心にも染み渡るで
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:48:54.87 ID:6w95kczpP
- 淡「……ごめん、私間違ってたみたい」
淡「やめようよ、こんなこと(迫真)」
菫「……そ、そうだな……取り乱し過ぎていたみたい、だ……」
淡「……」
菫「……」
菫「……私たちは自分のことばかり考えて、後一歩で大切な照を食べてしまう(そのままの意味)ところだったのか……」
淡「……後になって聞くと末恐ろしい台詞だね……」
淡「……」
菫「……」
……グゥゥゥ
菫「……とはいえ私たちのお腹事情も見過ごせない問題だが、どうするか」
淡「ん」
淡「ねえ、甘い匂いだけどよく嗅いでみたら()照の髪からするみたい」
菫「なんだって?」 - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 04:57:17.94 ID:6w95kczpP
- 淡「……そうか!」
菫「今度はどうした」
淡「てるの髪はお菓子で出来ていたんだよ!!」
菫「どういう、ことだ……」
淡「だってこの髪から漂う甘い匂い、これはてるの髪がお菓子であるという何よりの証拠」
菫「……な…………」
菫「……そこに気づかないとは、私は今まで何をしていたんだ……」
淡「流石に体はちょっと(強調)可哀想だけど髪ならいいよね」
菫「……まぁ、その位なら(強調)てるも許してくれるだろう」
照「……ん……」
照「菫……淡……一緒に、頑張ろう、ね……ムニャ」
淡「髪ならいいよね」
菫「問題ない(即答)」 - 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:05:07.90 ID:6w95kczpP
- 照「すみ……あわ……(悲願)」
淡「(無視)さて、どうやって食べようか」
菫「バリカンがあれば全部削ぎ落として頂くところなんだがな」
淡「流石にそんなものないしねー、ハサミで切っていくしか」
菫「仕方ない、そうするか」
菫「……じゃあ切るぞー」
淡「……!待ってスミレ!」
菫「なんだ、正直もう倒れそうなんで早くしてほしい」
淡「やっぱり全部切るのはまずいよ!これから全国に行くのにちょっと(強調)可哀想じゃないかな!?」
菫「……ウィッグとかあるから(投げやり)」
淡「……そっかー……そうだね(半納得)」
淡「……」
淡「いや、やっぱりダメ」
菫「どうしてだ淡?」 - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:10:59.71 ID:6w95kczpP
- 淡「ほら、てるってコークスクリューツモってやるでしょ?」
菫「今更それがどうした」
淡「あれ凄い風吹くじゃん、自分のツモで自分のカツラが飛んでったら嫌じゃない?」
…………
淡「(あ、やば……自分で言っておきながら想像すると割とおもしろ」
菫「(割と見てみたい……)」
菫「……」
菫「(……じゃなくて!)」
菫「確かにそれは可哀想だな、白糸台の威厳(優先)にも関わりかねない」
淡「でしょ?」
菫「しかし、だったらどうする?これだけのご馳走を前にしてお預けか?」
淡「……」
淡「……いや」
淡「食べられる場所ならあるよ」
菫「ほう」 - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:15:57.97 ID:6w95kczpP
- 淡「ほらてるって角みたいに尖ってる場所あるじゃん」
菫「おお、なるほど!そこを頂く訳だな」
淡「うん、ちょっと量は少ないけどてるのことも考えたらこれが一番だよね(名案)」
菫「……淡、お前は天才だ。これで誰一人犠牲者を出さなくてすみそうだ(安堵)」
淡「……」
菫「……」
淡「それじゃあ早速」
照「(やめ、て……)」
淡「ん、今てるの心の声が聞こえたような」
菫「……」
菫「気にするな!」
淡「そうだね!」 - 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:24:16.93 ID:6w95kczpP
- 淡「いくよー……えいっ!」
……ジョキン
この日宮永ホーン、淡と菫二名の前に陥落した
菫「お、おい、それじゃあ早く食べるぞ(うずうず)」
淡「よし、じゃあはんぶんこにするね!(嬉々)」
…………
淡「さて」
菫「では」
淡菫「いただきまーす」
淡「宮永ホーンもぐもぐ」菫「もぐもぐ」
こうしてようやく>>5に辿りつく
淡「どうしよ」 - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:30:08.28 ID:6w95kczpP
- 菫「……まぁ、切ったのは淡だし……照は淡を許してくれないだろうけど」
淡「ちょ、ここにきて責任転嫁は酷いよ!さっき許してくれるだの犠牲者は出ないだの言ってたじゃん」
菫「……」
淡「……」
菫「どう考えても無理があったな、本当に今更だが」
淡「お腹が空いて空いて仕方が無かったので髪の毛頂きましたとかただで済むレベルじゃないよね、本当に今更だけど」
下を向くとそこには宮永ホーンをざっくりと切られ見るも無残になった宮永照の姿がまじまじと二人の目に映った
菫「……」
淡「……」
淡菫「逃げよう」 - 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:37:33.57 ID:6w95kczpP
- 淡「でも、逃げるって……どこに?」
菫「と、取り合えずフィリピンあたりに飛ぶか」
照「……すぅ……」
照「アナタヲヨルサナイ……ムニャ」
淡「……」
菫「……」
淡「多分、逃げ切れないね、これは」
菫「……どうやらそのようだな」
淡「ねえスミレー?」
菫「……なんだ?」
淡「フィリピンじゃなくて……屋上から、飛ぼうか」
菫「はぁ?」
淡「……」
淡「逃げるんだよ、現世から」
菫「取り合えず落ち着け」 - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:38:56.59 ID:L5gAE+qeP
- おうふ
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:41:15.43 ID:djqXs98s0
- ワロタ
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:41:26.69 ID:kMXO6TM50
- なんてこったい…
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:47:52.72 ID:6w95kczpP
- 淡「だって、もう後は死に方を選ぶ位しか残されてないよ(絶望)」
菫「早まるな、まだ手はある」
淡「ほんと?」
菫「ああ……ようは照が起きた時に宮永ホーンがあればいい訳だ」
淡「でも食べちゃったでしょ?」
菫「だから、どうにかして、誤魔化す」
淡「……どうやら生き残るにはそれしかないみたいだね……」
淡「でもどうするのさ、髪の毛なんてバレずに細工する方法なんて思いつかないよ?」
菫「……」
菫「……私の鞄の中にどうしてか紅芋と瞬間接着剤がある」
淡「……ねえスミレー?」
菫「うん」
淡「……突っ込みたいところが多過ぎてどうしようもないんだけどさ」
菫「うん」
淡「どうして最初からその紅芋を出してくれなかったのさ!」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 05:52:14.21 ID:6w95kczpP
- 菫「……」
菫「……その発想は無かったな」
淡「いやいや、紅芋ってふつー食べるものでしょ!」
菫「私としたことがすっかり」
淡「すっかりじゃないよ!散々奔走した挙句てるの髪の毛に手を出して絶体絶命の私たちはなんなのさ!」
菫「……」
菫「……覚えておくといい、淡」
淡「は」
菫「どう足掻いても過去は変えられない、どう足掻いてもな」
菫「それだけだ、私がいいたいことは」
淡「……」
淡「いやかっことか付けてる場合じゃないから!」 - 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:01:17.12 ID:6w95kczpP
- 菫「とにかく今はやるしかないんだ、この紅芋作戦(仮)を」
淡「……果てしなく絶望的なんだけど、覚悟を決めるしかないみたいだね」
照「……ん……」
菫「急ぐぞ、とにかく照が起きてしまっては全てが手遅れになって……」
淡「……なって……?」
菫「殺される(絶望)」
淡「……う、うん(ふるふる)」
こうして紅芋作戦(仮)は行われた
その内容は切り落とした無き宮永ホーンの場所に紅芋を瞬間接着剤でくっつけるというあまりにもとち狂った宮永照本人にとって更に迷惑なものであったが、
そんなことも気にせず淡と菫の二人はこの作業を実に淡々とやってのけた。
菫「……完璧だな」
淡「……えっ」
菫「これで宮永ホーンは元通り、決してバレることはない」
淡「……そ、そうだね」
そして
照「……んぁー……」
菫「おはよう照、よく寝てたみたいだな」 - 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:10:23.71 ID:L5gAE+qeP
- すみれたん……………
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:11:41.72 ID:6w95kczpP
- 淡「お、おはようてるー」
照「んー……?」
菫「どうかしたか照?頭でも痛いのか?」
淡「(こいつ白々しいにも程があるんだけど)」
照「いや」
照「ちょっと頭が重いような……」
淡「(早速バレてるよー……)」
菫「気のせいじゃないか?ほら今寝起きだし、もしかしたら髪がいきなり伸びたとかかもしれないな(適当)」
淡「(……この人ともう縁を切りたい)」
照「……」
照「……そう」
菫「ああ」
照「ならいい……」
淡「(えっ、き、気づいてないの?)」 - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:19:43.08 ID:6w95kczpP
- 照「いや」
照「……何やら頭の方から甘い匂いがするような」
淡「(うわ、これは実にまずいよ!頭に紅芋のっけましたなんてバレたら確実に処刑されるよ!)」
菫「シャンプーでも変えたのか?」
照「菫、よく気づいたね」
淡「(シャンプー変えたのは本当だったんだねてる、どう考えてもそういう問題じゃないけど)」
菫「私はその匂い、嫌いじゃないぞ」
照「……ほんと?」
菫「勿論」
照「……まぁ、ならいいことにしておく」
淡「(いや何ちょっと嬉しそうなのさてる!)」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:33:26.49 ID:6w95kczpP
- 淡「(……)」
淡「(この調子で部活が始まったが何故か周り誰一人としててるの紅芋に気づいた者はいなかった)」
淡「(その奇跡的な馴染み具合はまるで私の方が夢を見ていたと言わんばかりで)」
淡「(でも、少なくとも私から見ればてるの頭に乗っているのはどうみても紅芋で、甘い匂いもそれだった)」
淡「(正直どうしてこうなったのか今になって考えてみたが、酷い頭痛に見舞われ私は考えるのをやめた)」
淡「(このことはもう忘れてしまおう、無かったことにしてしまうのが一番いい)」
淡「(そうしてそれから私は歪んでしまったけれど、確かにそこに存在している日常へと帰っていった)」
淡「(……)」
淡「(それからしばらく経ったが、結局てるの頭に紅芋は乗っかったままで、バレることは無かった)」
淡「(変わったことといえば時々てるが猫が自分の尻尾を追い回すように匂いに釣られてふらふらとさ迷うことになった位だが)」
淡「(なんかもうそれは微笑ましいこととして頭の中で処理しておくことにする)」
淡「(そんな調子で私たちは今、全国の舞台に飛び立っていた)」
怜「(なんや、チャンピオンの頭の方からえらい甘い匂いがしおるなぁ)」 - 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:42:55.54 ID:6w95kczpP
- 怜「(……)」
怜「(まぁ、チャンピオンもお年頃やしな……きっとええシャンプーでも使ってるんやろな)」
煌「(なにやら良い匂いがしますねー)」
煌「(……)」
煌「(きっと場を和ませる為の気遣いなんでしょう、敵ながらすばらですっ)」
玄「(わぁ、甘い匂いがするー)」
玄「(……)」
玄「(お腹空いたなぁ)」
照「(……)」
照「(早く帰ってお菓子食べたい)」
菫「甘い匂いで場が和んだようだな、細工した甲斐があったというものだ」
淡「……スミレ、お願いだからもうその話はしないで」 - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:54:22.55 ID:djqXs98s0
- 菫ちゃん・・・
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 06:57:40.61 ID:6w95kczpP
- 「ねえ知ってる?宮永照からは甘い香りがするんだってー」
「なにそれー」
「何か噂話なんだけど、話を聞く限り本当みたいだよ?」
「どんなシャンプー使ってるんだろ」
「高校生最強も女の子なんだねー」
そんな会話を耳にしつつも私、大星淡は全く気に留めることなく聞き流す。
そう、これで良かったのだ、当の照の本人もなんか嬉しそうだし
気になることと言えば私から見ればそれは紛れも無く紅芋ということだが、この際もうどうでもいい
このことを考えてしまうと気が触れてしまいそうになる。だから考えない
淡「おつかれてるー」
照「ただいま」
私は頭に紅芋をのっけた照に元気欲声をかけた
結局何もかもが歪んだままだったが、私にはもうどうすることも出来なかった
このまま永遠に照の頭の上には紅芋が乗っかったままなのか、それは今の私には分からない
まぁでも、もういいや……疲れたよ、もういらないよね
この記憶は消してしまおう - 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:04:33.90 ID:6w95kczpP
- 淡「てるー、今日も良い匂いだねー」
照「……そう?」
淡「あー、なんかお腹減ってきた、お菓子でも食べよっと」
私は口にチョコレートをひょいと放り込む
照の方を見ると彼女もチョコに手を伸ばしていた
手を伸ばしている照を見つめていると、自然と視線が目に向かった
しかし、何故だろう、照の頭を見ていると不思議と心に靄がかかったような、不思議な感覚になる
なんでだろうね?照は何一つ変わらない、いつもの照なのにね
でもそんな些細なことはすぐどうでもよくなって
照と一緒にお菓子をほお張っていた
世にも奇妙な物語 おわり
咲「なんでお姉ちゃん、頭に紅芋乗ってけてるの……」
続かない - 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:05:45.01 ID:6w95kczpP
- 落ち適当過ぎました、許して下さい!オナシャス!
俺もあわちゃんみたいに気が触れないうちに寝よう - 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:06:06.32 ID:VHwgcsdH0
- あわあわはちょん切った張本人なんですがなんで被害者面してるんですかね(困惑)
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:11:36.57 ID:ngjQnjKuP
- 実に自然な展開
乙乙 - 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:12:05.54 ID:GF0Zu5Qx0
- なにこのSSこわい
乙 - 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:14:05.29 ID:L5gAE+qeP
- うむ。咲ssらしいな
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/09(金) 07:20:51.90 ID:M40wlDFi0
- 乙乙

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