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穏乃「山よ!」淡「銀河よ!」「私達の歌を聴けーッ!!」」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:37:10.83 ID:u4yVWXFi0
- 淡「私は……シズのことが好き」穏乃「淡……」
の続きです
三年目のインターハイを終えた穏乃と淡の二人が旅打ちをする、というお話です - 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:39:47.22 ID:u4yVWXFi0
- ―――――
【都内。とある雀荘】
穏乃「ロン!6400!」
淡「終了だねー」
客「かーっ。嬢ちゃん達強いねー。さすが、インターハイナンバー1とナンバー2ってところか?」
穏乃「えへへ」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:40:59.62 ID:ghP+GeHLO
- 久しぶり
待ってた - 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:41:06.36 ID:BYLW7Csr0
- 続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:42:18.46 ID:u4yVWXFi0
- 淡「おじさん達が弱いんだよー」
客「言うねぇ。まだまだこれから、と言いたい所だが、もうそろそろ金がねぇや。悪いな」
穏乃「そっか。んじゃ、またどこかの卓でっ」
淡「今度は持ってくるお金の桁、一つ上げといてねー」
穏乃「ちょっと淡ー」
淡「へへっ」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:43:59.56 ID:JVhBT9lL0
- 咲さんはどうなってる?
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:46:16.70 ID:u4yVWXFi0
- >>6
咲さんは出ません - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:44:44.96 ID:u4yVWXFi0
- 穏乃:私が淡と旅打ちを初めて一か月くらいがたったのかな。何とかこれまで順調にやっていくことが出来ていたんだけど…
ガチャリ…
「打てますか?」
淡「げっ、監督…」
穏乃:その日、人鬼に会ってしまった… - 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:47:19.15 ID:u4yVWXFi0
- 「『御無礼』ツモりました。16000オール。大星さんと高鴨さんの飛びで終了ですね」
―――
――――
穏乃「これまで稼いだお金、一気に飛んじゃったね」
淡「そりゃそうだよ。シズがもう一回、もう一回って」
穏乃「だって、あの人強くって、ワクワクしてさ。それに淡だって付き合ってくれたじゃん」
淡「あそこにシズ一人残せるわけないじゃん。それに」 - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:50:01.79 ID:u4yVWXFi0
- 穏乃「ん?」
淡「今度は……勝てると思ったんだけどなー」
穏乃「なんだ淡もじゃん」
淡「えへへ」
穏乃「しっかしあんなに強い人が居るんだなー。まだ一か月なのに…なんだかこれからが楽しみっ」
淡「シズ…戻って来たね」
穏乃「…うん。少しずつだけどね。これも、淡のおかげだよ。それに淡も、戻って来てるよ」
淡「アハ」 - 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:52:59.11 ID:u4yVWXFi0
- ―――
――――
【駅前】
穏乃(にしても…)
淡「シズ…今いくら持ってる?」
穏乃「2万…5千……。淡は?」
淡「私も、そんな感じ…」
穏乃「完全に振り出しに戻っちゃったね」
淡「ここからー?…ちょーめんどーい!」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:58:23.76 ID:u4yVWXFi0
- 穏乃「そうはいっても仕方がないよ。負けたんだし」
淡「だけどさー。軍資金無いと高い所で打てないじゃん」
穏乃「また地道に下の方から始めるしか」
淡「それがめんどいのよー。下の方は勝ちすぎると出禁くらっちゃうし」
穏乃「でも他に何かある?」
淡「んー……自分を売る、とか?」
穏乃「いやいやいやっ、それはちょっと早いっていうか…心の準備が」
淡「冗談だよー」
穏乃「びっくりさせないでよもー」 - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:00:36.19 ID:4//9VfQx0
- ―――
――――
ガヤガヤ
~♪
穏乃「駅前のストリートライブかぁ。今日はグループ結構多いね」
淡「……」
穏乃「淡?」
淡「シズ…歌おうよ。私達も」
穏乃「え?」
淡「だから、私達もするの。ストリートライブッ!」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:02:56.22 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「淡、いきなり何を言ってるの?」
淡「だからさー、デビューするんだって。歌手としてさ」
穏乃「はい?」
淡「いい?私達はまだ若いじゃん」
穏乃「もう18だよ?」
淡「若い!若いなら、ドリームを掴むべきでしょ?」
穏乃「う、うん?」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:06:35.25 ID:4//9VfQx0
- 淡「つまりね。歌って打てる旅打ち美少女ユニットを始めるのよ!」
穏乃「び、美少女?」
淡「そう!旅打ちをしながらツアーライブ!」
穏乃「そんなこと出来るの?」
淡「やるのよ。CD買ったら握手権とかあるじゃん。私達はCD買ってくれたら、私達と打てる抽選権が貰える、とかにして、もし買ったらご褒美に握手でもキスでもするのよ」
穏乃「え?え?ちょ、ちょっと、今なんて言った?」
淡「そのためにはやっぱり名前が売れないといけないから、まずは路上でやるのよ。ここの路上って結構スカウトとか来るって聞くし」
穏乃「き…キス…?…スカウト?え?」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:10:09.47 ID:4//9VfQx0
- 淡「シズは、イヤ?」
穏乃「え、いや…ちょっといきなりすぎて頭がついていってないっていうか…」
淡「じゃあこう言うね。『絶対に面白い。だからシズもやろっ』」
穏乃「…そ、そうなの?」
淡「うん!絶対っ。それに、テレビに出れるようになれば、ノドカに会うきっかけも作れるんじゃない?よくあるじゃん。『会いたいあの人』みたいな特集を番組が組んでくれてさ」
穏乃「…そ、そっか。それならやってみよう、かな…」
淡「はい!そーと決まれば、さっそくうちに行こう。私ね、実は音楽やっててねうちにキーボードとかギターとかあるんだー」ガシッ
穏乃「わっ、淡、ちょっとー」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:12:49.03 ID:4//9VfQx0
- 【淡宅】
淡「まさかここに戻ってくるなんてねー」
穏乃「淡の家ってマンションだったんだ」
淡「一人暮らしだけどねー。さ、入ろっ」ガチャ
穏乃「わっ。広っ…」
淡「白糸台の特待生ってやつ。麻雀のね。家賃とかも学校が負担してくれるし、まぁ年度末までは、私の部屋、なのかなー」
穏乃「意外と綺麗にしてるね」
淡「意外とって何ー?」
穏乃「あ、ごめんごめん。だって淡だから」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:15:38.43 ID:4//9VfQx0
- 淡「まあ確かに一年の時は汚かったかなー。でもリーダーになってからは、変えていった。まずは形からって思ったから…」
穏乃「そっか…」
淡「はいっ、しんみりしたお話終了っ。さっそく練習しよっ!ここ防音とかしてもらってるし、大きな音出しても大丈夫だから」
穏乃「練習?」
淡「当然じゃん。路上に出るんだから、それなりに出来るようにならなきゃ」
穏乃「あ、でも私楽器とか…」
淡「だ、か、ら、練習するのよ!来週には出るよー」
穏乃「え?早くない?」
淡「早くない。夢の時間は待ってくれないんだから、1日でも早くだよっ」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:18:47.54 ID:4//9VfQx0
- 【一週間後 9月26日 駅前】
ざわ…ざわ…
穏乃「や…やっぱりやるの?」
淡「当然っ」
穏乃「やっぱ、ギター無しじゃ駄目?間違えそうで」
淡「駄目っ」
穏乃(私もキーボードやれば良かったかなー)
淡「シズっ」ビービー ←キーボードの音
穏乃(ええいっ!こうなりゃ破れかぶれだー!)
穏乃「えっと!【アワシズ・ギャラクシーマウンテン】ですっ!よろしくお願いしまーす!!」 - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:21:41.85 ID:4//9VfQx0
- 【6日前】
穏乃「ユニット名?」
淡「うん【アワシズ・ギャラクシーマウンテン】なんてどうかな?」
穏乃「ギャラクシーマウンテン?銀河の山?」
淡「ほらシズって山が好きじゃん。で、私は宇宙じゃん。だから」
穏乃「わかるような、わからないような」(もうちょっと良い名前があるような…)
淡「で、お決まりの台詞は…」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:24:02.81 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「山よ!」
淡「銀河よ!」
穏乃・淡「私達の歌を聴けーッ!!」
穏乃(この台詞どうにかならなかったかなー…)
淡「【MIRACLE RUSH】!いっくよーっ!」
穏乃「輝いてーここいちばーんー~♪」
淡「自分の直感を信じて~♪」
~♪
―――
――――
――――― - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:28:00.21 ID:4//9VfQx0
- 【2時間後】
ジャァーン~♪
穏乃「はぁ…はぁ…。淡、ちょっと休憩」
淡「そ……そうだね…。さすがに私もちょっと、疲れた…」
穏乃「結構、思ったより人来てくれるもんだね」
淡「そりゃ、人が集まるとこだもん。それより、スカウトの目に止まるかだよ」
穏乃「気が遠くなりそうだよー」
淡「ちょっとシズ、まだ始めたばっかだよ?ここでメゲないっ」
穏乃「はぁー…」(和への道は遠いかなー…) - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:30:11.37 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「…。?あれは……」
咏「おーう、穏乃ちゃんに淡ちゃんじゃないかー」
穏乃「っ!三尋木プロに、福与アナ?」
恒子「やっほー」
咏「旅打ちをしてるって聞いてたけど、これはまた面白いことやってるねぃ」
淡「【アワシズ・ギャラクシーマウンテン】だよっ。よろしくねー」
穏乃「しかし三尋木プロと福与アナって、なんか珍しい組み合わせですね」
恒子「今日はちょっと知り合いの墓参りにねー」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:33:41.97 ID:4//9VfQx0
-
―――
――――
恒子「なるほどねー。『打って歌える旅打ち美少女雀士』ねぇ」
淡「どう?」
咏「うん。面白そうではあるねぃ」
恒子「そうだねー。うん。うちの局の人に持ち込んでもいい企画かもね」
穏乃「え?そんなこと出来るんですか?」
恒子「たぶん出来るよ。君たち実績あるし」
咏「インハイのナンバー1とナンバー2だからねぃ」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:36:31.15 ID:4//9VfQx0
- 淡「え!?ま…マジ?」
恒子「うん。ただし条件を付けよっか」
穏乃「条件?」
恒子「私達と打って勝つ」
淡「は?」
咏「まぁ、それが一番だよねぃ」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:39:10.28 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「あの、出来れば理由の方を…」
淡「そーよ。通る企画なんでしょ?なんで?」
恒子「君たちが進む先って、所謂芸能界ってやつでさ、騙し騙され合いの世界だから…」
咏「打って、君たちがその世界で生きて行けるか、それを見たいんだよねぃ」
穏乃「騙し合いの、世界…」
淡「ふーん…。わかったわ。勝てばいいんでしょ?でもコーコには前勝ってるよ?」
恒子「そうだね。でも今日は勝てるかな?」ざわ…
咏(こーこちゃん、なんだかんだでリベンジしたかったのかねぃ) - 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:43:29.67 ID:4//9VfQx0
- 【雀荘】
恒子「ルールは半荘3回。トータルポイント数が高い方が勝ちでいいかな」
穏乃「は、はい」
淡「自動卓の雀荘だけど、いいの?」
恒子「全然。積み込みだけがサマの世界じゃないよ」
咏「使う気まんまんだねぃ」
恒子「咏ちゃんも本気で打ってよ?」
咏「勿論」
穏乃(三尋木プロ…どんな麻雀をするんだろ) - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:47:12.19 ID:4//9VfQx0
- 【1回戦目】
淡「ツモ!4000・8000!」
穏乃「ロン!12000!終了ですっ」
恒子「……。前にも増して強くなってるねー」
咏「インハイの頃とは次元が違うねぃ」
穏乃「あ、ありがとうございます…」
淡「私達が強くなったんじゃなくてー、そっちが弱くなったんじゃないのー」
穏乃「ちょっと淡っ」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:50:31.24 ID:4//9VfQx0
- 淡「さすがに『アラサ―』にもなると雀力落ちちゃうのかなー」
咏「…っ」 ビギッ
淡「そう言えば、2年前は解説のプロの年齢と絡めてネタにしてたよねー」クスクス
恒子「…っ!」 ビキビギッ
穏乃「あ…」
咏「……。ちょっとー。どうしてくれますかねぃ。福与アナ」
恒子「そうですねー三尋木プロ。誰も好きでアラサーになったわけではないのですけどねー」
穏乃(あー。怒らせちゃったよ……。淡、言い過ぎだよ。約束反故にされちゃうよ)
淡(そーゆー人じゃないよ。それに、本気で来てもらわないとツマラナイじゃん) - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:55:48.38 ID:4//9VfQx0
- 【2回戦目】
恒子「リーチ、ダブル♪」
穏乃(早っ…。流れはこっちだと思ったのに、いきなり?)
淡「ブラフはやめてよねー。どーせノーテンでしょ?」
恒子「それはどうかなー……」
4巡後
恒子「ツモっ。6000オール」
淡「え?マジ?」
咏(ツモは不要牌を山に戻す作業…。こーこちゃん本気だねぇ)
淡(すり替えたの!?この私が見えなかったなんて、なんて早さ)
咏(早いだけじゃない。こーこちゃんの技は、静かなんだよねぃ。気配まで消している。まさに『究静極技』…。そう、おじさんのような…) - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:58:55.69 ID:4//9VfQx0
- 二回戦目 オーラス 親 淡 ドラ 7索(表示牌6索)
咏「リーチだよー」
穏乃(今度はこっち?)
恒子「んじゃ槓しとこうかなー。カンっ」カシャ 中??中 (暗槓)
淡「ちょっと、全部晒してよ。まさか…」
恒子「ん?ごめんごめん」パタ 中中中中 新ドラ ⑦ (表示牌⑥筒 )
淡「ぐっ…」 - 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:02:06.80 ID:4//9VfQx0
- 恒子「イカサマ槓だと思った?それにこの局は、アガるのは私じゃないからねー」
咏「ツモっ!リーチ、ツモ 白 ドラ3 ……そして」
二三四⑦⑦⑦⑧⑨⑨⑨白白白 ツモ ⑨筒
裏ドラ ⑨筒 槓裏ドラ ⑨筒 (表示牌⑧筒 ⑧筒)
咏「裏8。8000・16000だねぃ」
淡「乗り過ぎでしょ…」(いやまさか…私が槓に目がいっている隙に、ドラのすり替えを?)
恒子「裏ドラを対子で。咏ちゃんも相変わらずだね」
咏「私が『引き継げた』のは『これ』だけだけどねぃ」
穏乃「?」 - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:05:08.19 ID:4//9VfQx0
- 咏「二回戦目は私達の勝ちだねぃ」
穏乃(これで、三回戦目で私達が勝てば…)
恒子「さて三回戦目、と行きたいところだけど、ちょっとお手洗い行ってくるね。熱くなり過ぎちゃったみたいだから。ちょっちクールダウン」
穏乃「は、はい」
淡(もうだいぶ目が慣れてきた。今度はコーコの技、見逃さない…。絶対に止める。止めさえ出来れば、二対一。私達の勝ちだ)
咏「……」クスッ - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:08:43.01 ID:4//9VfQx0
- 【三回戦目 南3局】
穏乃「ツモ!3000・6000!」
穏乃(よしっ。後はオーラス。300・500でもアガれば勝ち)
淡(この半荘、これまでコーコは一回もしてこなかった。私の目がついていってるのに気付いたのかなー)
咏「こーこちゃんの親だね」
恒子「うん。んじゃオーラス行きますか」 - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:11:24.33 ID:4//9VfQx0
- 【オーラス ドラ 八萬 親 恒子】
穏乃 配牌 三四五②④2279東東発発
穏乃(悪くない。一気に流す)
淡(シズが早い。この局、何もなければ間違いなくこっちの勝ち。絶対に、何もさせない!)
フッ…
淡「!?」
穏乃「て、停電!?」
恒子「……」ニヤリ
淡「しまっ…」 - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:14:47.23 ID:4//9VfQx0
- パッ
穏乃「あ…点いた…」
淡「ぐっ……」
恒子「いやー君たち…。麻雀って怖いですねー」
パタッ
恒子 手牌 一一一二三四五六七八九九九九
恒子「天和九蓮。32000オール」
咏「逆転だねぃ」 - 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:15:22.13 ID:PO5Q0NGe0
- おとなはきたないすごくきたない
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:18:26.39 ID:4//9VfQx0
- 淡「まさか…さっきトイレに行ったときに?……」
穏乃「え?何?……もしかして、い、今のって…」
恒子「さあ、どうだろうねー」
咏「ま、目を凝らし過ぎて『足を掬われた』ってやつだねぇ」
淡「うっ……」
恒子「まあ君たちにはまだ『色々と』早かったってことだね」 - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:21:02.27 ID:4//9VfQx0
- 淡「………」フルフル……
穏乃「淡?」
淡「あーーっ!負けたーッ!!」
恒子「でも、中々だったよ。いい線いってる」
咏「というかこれだけ強いならそうは負けないんじゃない?」
穏乃「それが…先週大負けして。歌手デビューするきっかけもそれで……」
恒子「君たちを負かせれる人なんて、たぶん数えるくらいしかいないと思うけど…」
咏「誰に負けたのー?」
穏乃「それは…」 - 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:27:50.67 ID:4//9VfQx0
- ―――
――――
咏「なるほどねぃ」
恒子「人鬼は災難だったねー」
淡「今度は勝てると思ったんだけどなー」
咏「そりゃ無理だよ、あの人、打つたびに戦術変えるから」
穏乃「福与さん達も、打ったことあるんですか?」
恒子「私はないけど、咏ちゃんはあるみたいだねー」 - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:30:25.74 ID:4//9VfQx0
- 咏「あの人とまともに勝負できるのって、おじさんくらいしかいないんじゃないかなー」
恒子「たぶんそうかもねー。後は竜くらい?」
穏乃「おじさん?」
恒子「あ、そうだ。君たち行ってみたら?しげるおじさんの墓」
淡「しげる?……ってもしかして『赤木しげる』!?」
咏「うん。そうだけど、よく知ってるね」
淡「え?あの人、実在したの?」 - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:33:16.15 ID:4//9VfQx0
- 恒子「もしかして『あの漫画』で知った?あの漫画、しげるおじさんがモデルになってて」
淡「『そいつも』か…」
咏「というか、殆ど実在の人物だよ、麻雀漫画のキャラって」
淡「え……マジ?」
恒子「うん。その『墓』もあんな感じだから」
穏乃「ん?何の話?漫画?」
淡「あ。シズには後で教えるね。とりあえず、その墓に行ってみよっか」
恒子「場所は地図に書いて教えるから、君たちだけで行ってきな」 - 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:36:28.24 ID:4//9VfQx0
- 咏「でも…いいねぇ、君たちの生き方…」
穏乃「え?」
咏「人はいずれ、どうあれ、死ぬんだから……だったら、可能な限り、自分の心に沿うべきだよ」
淡「言われなくてもそうするよー」
咏「それがうらやましいねぃ。私が君達の頃は、色々とそうでない所もあってさ」
淡「……」
咏「ま、頑張ってみるんだねぃ」
穏乃「は…はいっ!」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:40:19.15 ID:4//9VfQx0
- ―――
――――
【夕方】
【赤木しげるの墓】
穏乃「わ…ボロボロ。でも何か色々置いてある…。コインに、パチンコの玉、馬券、眠気覚まし……それに冷えピタが貼ってる」
淡「ホントに漫画の通りだなんて」
穏乃「淡、その漫画って」
淡「麻雀漫画。赤木しげるはその主人公だったり、主人公のライバルとか仲間だったりで、とにかく強い雀士。うちに全巻あるから、帰ったら読んでみるといいよ」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:43:21.94 ID:4//9VfQx0
- ―――
――――
―――――
・・・
「オレの歌を聴けーーーッ!!!」
穏乃・淡「!?」 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:48:57.60 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「淡、今、声がしなかった?」
淡「う……うん。何?今の?」
「たった一つの言葉で~♪未来は決まるのさ~♪……」
穏乃「向こうの方から、ギターの音が……」
「俺たちのビートは♪輝くダイヤモンド♪…」
淡「何?あの人、誰もいない所で歌ってるの?」
穏乃「いや…違うよ淡。猫たちが、集まってる…あの人の所に」
淡「え?あ…ほんとだ。猫たちが…聴き入ってる?そんなことってあるの?」
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:51:12.02 ID:4//9VfQx0
- ―――
――――
【夜】
穏乃「もうすっかり暗くなっちゃったね」
淡「結局、最後まで聴いちゃった」
穏乃「いい歌だったね」
淡「ま…まあね」
穏乃「なんか不思議な感じ。私の気持ちに馴染むっていうか…どこか懐かしい感じがした。山ではしゃいでいた…あの頃のような」
淡「………」 - 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:55:34.66 ID:4//9VfQx0
- 淡「ねぇシズ…これからどうする?」
穏乃「え?…続けないの?」
淡「なーんかね……。やるぞーって気持ちが吹っ飛んじゃった」
穏乃「そうなの?」
淡「負けたってのもあるし、あの歌を聴いてたらねー」
穏乃「淡……」 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:57:34.65 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「じゃあさ、今度、私の故郷に来ない?山ばっかの所だけど」
淡「え?」
穏乃「なんだろ。さっきの歌のせいかな?山に行きたいって気持ちになってさ」
淡「山…」
穏乃「うん。淡にとっては微妙かもだけど、もし良かったら…」
淡「………。う……うん!行きたい!……シズと一緒なら、どこだって!」
穏乃「そっか……ありがと、淡」 - 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:59:25.30 ID:4//9VfQx0
- ・・・・・
―――
――――
穏乃「淡…。空」
淡「ん?」
穏乃「すごい星」
淡「あ…ホント」
穏乃「ここは静かだし、高い建物も無いからかな」
淡「うん……。すごい綺麗……」
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:01:28.63 ID:4//9VfQx0
- 穏乃「……」
淡「………。シズ………私今……ものすっごく歌いたい!」
穏乃「……」
淡「人に聴かせるとか、売れるとか、そんなの関係ない!ただ感じるままに、歌いたいときに歌う!そんな気持ちなの!」
穏乃「……うん……私も…今……そんな気持ちだよ」
淡「シズ…」
穏乃「三尋木さんが言っていたように、自分の心に沿うって言うのかな、こういうの、悪くないって思うんだ。私も。……だから」
淡「……うん!」 - 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:02:29.83 ID:4//9VfQx0
-
穏乃「山よ!」
淡「銀河よ!」
「私達の歌を聴けーッ!!」
おしまい - 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:03:26.43 ID:Vt4xvqzd0
- 乙!
青春だねぇ - 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:03:45.74 ID:4//9VfQx0
- 以上です。
読んでくださった方、支援してくださった方
有難うございました。
ちょっと駆け足かもでした。 - 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:03:53.89 ID:SsyEQjoD0
- 乙
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:04:47.50 ID:yMw2xeVP0
- すばら
乙乙 - 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:08:29.42 ID:4//9VfQx0
- 咲さんについてで、実はこのssでは咲さん(清澄)は決勝の舞台にいなくて
淡は咲の存在は漫画で知っています。(好き麻会で咲-Saki-を紹介した)
このシリーズがもし続くなら何らかの形で登場するかもしれません。

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