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あおい「バレンタインデーの朝に」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:21:17.41 ID:SWe9ofuw0
2月14日 午前4時30分


あおい「よし、上手に出来た」


あおい「あとは学校に持って行ってひなたに食べさせるだけよ」




3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:24:53.65 ID:SWe9ofuw0
2月13日


ひなた「あおい、あおい、勝負しようよ!」

あおい「勝負って何の?」

ひなた「決まっているでしょ!明日はバレンタインデーでしょ」

ひなた「だから勝負するのよ」

あおい「勝負って、何をすればいいの?」

ひなた「あおいは私に、私はあおいに、どっちが素晴らしいプレゼントを相手に贈るか勝負するのよ」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:26:38.94 ID:SWe9ofuw0
あおい「バレンタインデー前日になって勝負だなんて急過ぎだわ」

あおい「でも、最初からひなたに私の手作りチョコをプレゼントするつもりだったからチョコの準備をしていて良かったわ」

あおい「あとはチョコに私の気持ちを込めるだけ」

あおい「それも上手く出来たようだし、あとはひなたに食べさせるだけ」

あおい「学校が楽しみだわ」

あおい「そういえば、ひなたは私に何を贈るのだろう?」

あおい「ひなたは料理が作れないと言っていたから私に何を…」


ピンポーン


あおい「はーいって、こんな時間に誰だろう?」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:30:01.53 ID:SWe9ofuw0
ひなた「おはよう、あおい」

あおい「ひなた!何でこんな時間に!」

ひなた「今から私と出掛けよう」

あおい「今からって、こんな時間から!」

ひなた「そう、こんな時間から」

あおい「こんな時間から出掛けるって、どこに行くの?」

ひなた「それはナイショ!」

ひなた「しっかりと暖かい格好をしてから出て来てね。私、ここで待っているから」

あおい「えぇぇ…」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:32:15.71 ID:SWe9ofuw0
あおい「こんな時間から出掛けるなんてお母さんに怒られちゃうよ…」

ひなた「大丈夫!家族に許可取ったから」

あおい「わっ!って、勝手に家に上がりこまないでよ」

ひなた「悪い、悪い。あおいの様子が気になって入って来ちゃった」

ひなた「じゃっ、外で待っているからね」

あおい「いつの間に許可を取ったのだろう…?」

あおい「寒い中、ひなたをずっと待たせたくないから早く着替えよう」

あおい「せっかくだから出来たばかりのチョコも持って行こう」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:35:56.87 ID:SWe9ofuw0
数分後


あおい「お待たせ…」

ひなた「あおい、遅かったね」

あおい「急にひなたが来たから準備に時間が掛かったのよ」

ひなた「悪い、悪い」

ひなた「じゃあ、お父さんの車の後ろの席に乗って」

あおい「えぇぇ!車ってどこに行くの?」

ひなた父「今から山に行くんだよ」

あおい「えぇぇぇ!」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:40:47.72 ID:SWe9ofuw0
あおい「山…」ガクガクブルブル

あおい「こんな時間に山なんて、こんな軽装でいいの?」

あおい「何考えているのよ、ひなた、私、まだ…」ガクガクブルブル

ひなた父「着いたよ」

あおい「あれ?ここは」

ひなた「そう、前に登った事がある天覧山だよ」

あおい「(良かった。低い山で良かった)」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:44:23.70 ID:SWe9ofuw0
あおい「何でこの時間にここに来たの?」

ひなた「それは今からのお楽しみ」

ひなた父「そろそろ登るぞ」

ひなた「あおい、私とお父さんの後を付いて来てね」

ひなた「あと、これを渡しておくね」

あおい「ライト?」

ひなた「まだ暗いからそれを照らしながら山頂まで歩くからね」

ひなた「岩場とか階段の段差にも気を付けてね」

あおい「(低いとは言え暗い夜山を歩くなんて私、生きて帰れるかな…)」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:48:11.52 ID:SWe9ofuw0
山登り中


あおい「く、暗い… 怖い…」

あおい「ひなたは暗いのに平気なの?」

ひなた「大丈夫だよ。毎年元旦に登っているから」

あおい「えっ」

ひなた父「ここ天覧山は初日の出スポットとして有名なんだよ」

ひなた「だから元旦は家族みんなでここを登って初日の出を見ているんだ」

あおい「そ、そうなんだ…」

ひなた「もう少しで山頂だよ!あおい、ファイト!」

あおい「う、うん…」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 18:54:37.40 ID:SWe9ofuw0
山頂


あおい「やっと着いた…」

ひなた「あおい、お疲れ!」

あおい「何でこんな時間にこんな所に私を連れて来たの?」

ひなた「私のバレンタインプレゼントを見せるためよ」

あおい「えっ」

ひなた「見て!」

あおい「あっ!」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:00:01.10 ID:SWe9ofuw0
あおい「夜が明け始めている…」

ひなた「私たちが登り始めてから夜が明け始めたんだよ」

あおい「オレンジの朝焼けが凄い綺麗…」

あおい「どこまでも広がる空に朝焼けと夜空が両方出ていて綺麗…」

あおい「もしかしてこれが…」

ひなた「そう、私からあおいへのバレンタインプレゼントだよ」

あおい「ま、負けた…」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:08:38.37 ID:SWe9ofuw0
ひなた「私、料理が作れないし、あおいは料理が上手いから普通にチョコを作っても勝てない…」

ひなた「でも、あおいに勝ちたいためにこの景色をプレゼントしたんだ」

ひなた「再会してまた一緒に楽しい時間を作ってくれたお礼も込めてね」

ひなた「ありがとう、あおい」

あおい「ひなた…」ジワッ


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:12:20.42 ID:SWe9ofuw0
ひなた「太陽が姿を現して来たね」

あおい「太陽が夜空を消して、空を明るくして行くんだよね」

ひなた父「これを見るために山小屋に泊まったり早朝登山をする人も多いぞ」

あおい「それ、テレビでよく見る!」

ひなた「私たちもいつかもっと高い山で見たいね」

あおい「うん、私も」

あおい「(でも、高い所は…)」

あおい「(でも、ひなたがいればきっと…)」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:17:19.12 ID:SWe9ofuw0
ひなた「ところで、あおいが持ってきたそれは?」

あおい「こ、これは…」カパッ

ひなた「おお、チョコか!」

あおい「でも、もう私の負けだよね… あんな素敵なプレゼントを見せられては…」

ひなた「おいしいーー!おいしいよーー、あおい」

あおい「えっ」

ひなた父「これは凄い美味しい」

ひなた「ねぇ、これ、手作り?」

あおい「う、うん…」

ひなた「じゃあ、この勝負引き分けね!」

あおい「えっ!」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:22:04.01 ID:SWe9ofuw0
あおい「だ、だってあんな素敵な景色と私のバレンタインチョコじゃ…」

ひなた「あおいの気持ちがあのチョコに十分に入っていたよ」

あおい「…」

あおい「私は人付き合いが苦手でいつも一人で部屋で色んな事をして過ごしていた…」

あおい「だけど、ひなたと再会してから私の中で色んな物が変わった」

あおい「そして、私の楽しみが沢山増えた」

あおい「だから、私を変えさせてくれたひなたへの感謝の気持ちをこのチョコに入れたのよ」

あおい「ありがとう、ひなた」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:31:23.84 ID:SWe9ofuw0
ひなた「高校で再会してから色んな事があったね」

あおい「まさか私がまた山に登るなんて思ってもみなかったわよ」

あおい「こうしてここにいる事なんてひなたがいなかったら出来なかったと思うよ」

ひなた「私もあおいが勝負に付き合ってくれたから、バレンタインデーにあおいと一緒に山に登って一緒にこんな綺麗な景色を見る事が出来たんだよ」

ひなた「ありがとう、あおい」ダキッ

あおい「私こそ、ありがとう、ひなた」ダキッ



ひなた父「うんうん、いい光景だ」

ひなた父「夜明けの山頂で娘が抱き合う光景なんて滅多に見れるもんじゃないしな」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:34:09.18 ID:SWe9ofuw0
あおい「夜が完全に明けたね」

ひなた「そろそろ私たちも帰ろうか」

あおい「学校もあるしね」

ひなた父「そろそろ山を下りるぞ」

ひなた・あおい「はーい」

ひなた「せっかくだから、帰りは一緒に手を繋いで山を下りようか」

あおい「うん!」

あおい「手を繋いだ私たちに」

ひなた「怖い物は」

あおい・ひなた「何も無いさ!」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:40:29.87 ID:SWe9ofuw0
帰りの車の中


あおい・ひなた「zzz…」

ひなた父「山登りで疲れたのか、車に乗った途端、二人揃って寝てしまったな」

ひなた父「でも、二人とも寄り添って手を繋ぎながら眠っているせいか、いい顔しているな」

ひなた父「ひなた、あおいちゃんとまた再会して良かったな」

ひなた父「せっかくだからちょっと遠回りして帰ろうか」

ひなた父「この幸せの時間を長く続くために」

あおい・ひなた「zzz…」


あおい「ひなた…」

ひなた「あおい…」

「また一緒に登ろうね」


おしまい


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:42:39.36 ID:Qff+LMwt0
乙!


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:44:49.00 ID:P6yt/lIB0
おつですよおつー


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 19:48:37.84 ID:SWe9ofuw0
ややマニアックですが、「ヤマノススメ」のSSを書いてみました。
5分アニメですが、見て気に入ってSSを書きたくなったので書いてみました。
支援、そして見ていただきましてありがとうございました。
「ヤマノススメ」のSS、増えて欲しいです。





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