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男「え・・・僕ですか?」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/31(火) 23:44:59.10 ID:fVW49Pkv0
<学校>


教師「そうだ、答えは?」

男「え・・・・・・。 えーと・・・・・・」

教師「ああ、もういい。 そうだなモブ、答えてみろ」

モブ野郎「3です」

教師「よし、いいだろう。 つまりだな、ここの式が----・・・・・・」


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/31(火) 23:50:35.68 ID:fVW49Pkv0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


<学校>


男友「あ、よう」

男「おはよう」

男友「相変わらず冴えない顔だな」

男「男友にだけは言われたくないよ・・・・・」

男「(唯一、僕と同じくらい不器用だし・・・・・)」

男友「なんだよ、その残念そうな目は・・・・・」

男「な、なんでもないよ」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/31(火) 23:54:21.53 ID:fVW49Pkv0
教師「おし、席に着け! 始めるぞー!!」

男友「相変わらず声でけーな、あの教師」ヒソヒソ

男「男友の声も大きいよ・・・・・」ヒソヒソ

教師「男、始めるといってるだろう」

男「あ、す、すみません」

男友「 」ニヤニヤ

男「・・・・・・」


はめられた・・・・・。
僕は容量が悪い・・・・・・と周りからよく言われる。
ついでに運も悪い。
決してやることをやってないわけじゃない
・・・・・・どころか、僕は人より努力してるつもりだ。


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/31(火) 23:58:04.50 ID:fVW49Pkv0
勉強に関しても成績は振るわない。
どうにか平均ほどにはのせてはいるものの、こんな勉強してこれかと思うと悲しくなる。
世の中、勉強せずとも平均以上を軽々とる人もいるのにね。


モブちゃん「わ、わかりません」

教師「そうか。 まあ、これは難しいからな・・・・・」

教師「じゃあ・・・・・・そうだな女、わかるか?」

女「えっと、4xの二乗ですか?」

教師「正解だ、流石だな」


・・・・・・あの人なんかは典型的なタイプだと思う。
いつも学年トップ、そりゃ家でも勉強はしてるんだろうけど。
勉強だけじゃない、運動だって美術だって、その上人付き合いだって上手い。
勉強はともかく、人付き合いとかなんて天性のものじゃないんじゃないかな・・・・・。


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:00:57.79 ID:tiZMSqIi0
教師「おい! 男、話聞いてるのか」

男「あ、え? はい?」

教師「はぁ・・・・・・お前なあ。 お前は昼休みのとき職員室に来い」

男「は、はい・・・・・」

男友「 」ニヤニヤ

男「・・・・・・」

別に男友は関係ないけど、無性に殴りたい・・・・・・。




・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:04:26.93 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・




<職員室>


教師「全く、お前だって成績が決していいものじゃないんだからな?」

男「はい・・・・・・」

教師「そりゃ俺の授業がつまらないのは分かるが、少しは聞いてくれよ」

男「・・・・・」

教師「まあいい。 今後、気をつけろよ」

男「すいません。 気をつけます」

教師「よし、じゃあ飯でも食って来い」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:08:35.21 ID:tiZMSqIi0
ガラガラ

男「・・・・・・失礼します。」


職員室を出ると、目の前には例の女の人が立っていた。
何か職員室に用があるのかな、と思いつつキョドっていたら女から話しかけてきた。


女「君、また怒られてたの?」

男「・・・・・・」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:09:36.74 ID:tiZMSqIi0
正直むっとしたけど、事実だし仕方ない。
こういうとき言いたいことを言える人が羨ましい・・・・・・。


女「ふふー。 私が教えてあげよっか、勉強」

男「何か用でもあるの・・・・・?」

女「うーん。 ・・・・・・特にはないけど?」

男「あっそう」


僕の中で言える限界の嫌味を言った。
嫌味にさえ、なってないような気がするけど。
わざわざ僕を馬鹿にしてきたのかな。
そうまでして、わざわざここで待ってた?


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:13:33.27 ID:tiZMSqIi0
考えても仕方ないし、教室に戻って飯を食べよう・・・・・・。


男「・・・・・・」

女「~♪」

男「・・・・・・」

女「~~♪ ~♪」

男「なんで付いてくるの・・・・・」

女「えー。一緒にお昼ごはん食べてあげようかな、って思って・・・・・・かな?」

男「いつもの友達がいるんじゃないの・・・・・」

女「そうだけどー。 だから、一緒に食べよ」

男「だからって・・・・・」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:17:16.36 ID:tiZMSqIi0
全然、会話が成り立ってない気がする。
それとも、僕が不器用だから成り立っているかどうかもわからないだけ?
そこまでひどかった覚えはないんだけど・・・・・・。


女「あ! あそこのベンチで食べない?」

男「・・・・・・いいけど」


で、なんで会話もできてない相手と僕は飯を食べようとしてるんだろう・・・・・。
誰か会話のスキルだけでも少しでいいからくれないかな。


女「そういえば、メアドとで電話番号教えてよ。」

男「あ、うん・・・・・・。」


断ろうよ、僕・・・・・。
何をやってるんだろうと思いつつ、ポケットから携帯を取り出し女の出している携帯に向かい合わせる。
そして、赤外線のボタンを押した。


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:20:45.12 ID:tiZMSqIi0
女「うわー。 ・・・・・・ちゃんと誕生日とか住所とかプロフィールに書く人始めてみた」

男「うるさいなあ・・・・・・」

女「え? 私のも送って欲しいって?」


僕そんなこと言ったっけ・・・・・・。
今回こそ断ろう。
教えただけなら、どうにかなるかもしれないし。


男「うん・・・・・・」

女「じゃあ、ほら早く早く!」

男「・・・・・・」


・・・・・・だめだ、もう。
なんでこんなに人に流されるんだろう。
早く飯を食べて、教室に戻ろう。


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:24:52.01 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・だめだ、もう。
なんでこんなに人に流されるんだろう。
早く飯を食べて、教室に戻ろう。


女「送れた? ・・・・・・おーい。 男さーん?」

男「へ? あ、うん」

女「そんなだから、先生に怒られるんだよー?」

男「言われなくても分かってるよ・・・・・・」

女「分かってるのに毎回怒られてるの?」

男「ま、毎回ってわけじゃ--・・・・・・」





・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:28:39.88 ID:00M9mUML0
学校で同級生釣った安価でメールする


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:39:00.98 ID:RyW4Gqd70
>>21
やめろ・・・


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:28:58.25 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

<自宅>

あの後結局、昼休みが終わるまで話してしまった。
意外と最初思ったほど、そんな悪い人はなさそうだった。
でも、もっとこう・・・・・・おしとやかというか、お嬢様ってイメージだったんだけどなあ。
話は一方的に僕が聞いてるだけな気がしなくもなかったけれど。


~♪~~♪


携帯の音楽がなる。
今流行の・・・・・・と、言いたいけど10年以上前に流行った曲だ。
久しぶりにこの曲を聴いた気がする。


男「はい、男ですけ・・・・・・」

女「おー繋がった!」


僕が言い終わる前に女さんが声を上げた。


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:33:18.84 ID:tiZMSqIi0
男「そりゃ・・・・・・」

女「いやー嫌がってそうだったから嘘でも言ってないかなーって」

男「嘘なんて言わないよ・・・・・・」


そんなことが咄嗟に言えるような性格でもないし・・・・・・。


女「まあ、男がそんなこと咄嗟に言える訳ない?」

男「・・・・・・」

女「冗談だって」

男「それでこんな時間に何・・・・・・?」

女「いや、特に用はないけど、暇だったから・・・・・・?」

男「・・・・・・じゃあ、切ってもいいかな?」

女「えー、せっかく女の子が電話かけて来てるんだよ?」


そんなこと言われても・・・・・・。


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:38:37.73 ID:tiZMSqIi0
男「・・・・・・なんで、僕にかけてくるわけ?」

女「話やすいから? 男ってなんか抜けてそうだからさ」

男「悪口言ってるの? それ」

女「半分はそうかな?」

男「そうかなって・・・・・・」


どうも、馬鹿にされてる気がしないでもない・・・・・・。
男友にも馬鹿にはされるけど。
僕と同じレベルに言われるのと女さんに言われるとじゃ月とすっぽん、雲泥の差がある気がするけど。


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:43:02.30 ID:tiZMSqIi0
女「まあまあ。 そうそう、明日化学のテストあるけど大丈夫?」

男「一応・・・・・」

女「へー。 じゃあ、問題!」

男「う、うん」

女「燃料電池を使用するとなぜ、二酸化炭素の発生が抑えられるでしょう?」

男「えっと、うん。」

女「・・・・・・」

男「・・・・・・」

女「わからないの?」

男「・・・・・・」

女「マイナスイオンが発生するから、らしいよ?」

男「・・・・・・」

女「聞いてもわからないとか、言わないでね・・・・・・?」

男「わかんなくて悪かったよ・・・・・・」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:47:37.96 ID:tiZMSqIi0
さっきまで勉強してたはずなんだけど。
そんな問題を見た気もするけど。
答えだけが思い出せない・・・・・・。


女「仕方ないなー。 化学午後だし、私が昼休み教えてあげようか?」

男「え・・・・・・」

女「何その反応は・・・・・・。 喜びなさいよ、ほら」

男「あ、うん」

女「全然、喜んでないね」

男「い、いや、お願いします」

女「うんうん。 じゃあ、お風呂入ってくるからばいばいー。」

男「お、おやすみ」


なんだか変なことになってきた気がする。
教わって損することはないしいいことなのかな?


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:51:31.29 ID:tiZMSqIi0
それにしても、僕相手が話しやすいなんて虫が良すぎる気がする。
まともに返事すらできてないような気がするのに。
本気でいってるのかも、怪しいけど。
まさか、罰ゲームとか安価とかなんて・・・・・・。


男「考えても仕方ないかなあ・・・・・・。」


そんなことを考えつつ、僕は風呂に入っていた。





・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:59:23.31 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


<学校>


女「だからー、そこはそうじゃないんだって!」

男「そんなこと言われても・・・・・・」

女「そこが、ああなってこうなって・・・・・・」

男「説明がめちゃくちゃすぎるよ」


いざ、勉強を教えてもらうのはいいものの説明が抽象的過ぎる気がする。
頭いい人ってまさか皆こんな感じなのだろうか・・・・・・?
だとしたら、僕には到底なにそうにもないよ。



女「男、理解力なさすぎ!」

男「理不尽すぎるよ・・・・・・」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:54:27.78 ID:tiZMSqIi0
そんなめちゃくちゃな教え方だったものの、奇跡的に僕は化学のテストで今までにない点数を取った。
意味不明ながらも、理解しやすい説明だった・・・・・・。
なんてことはないとは思うけど、点数が良かったのは事実だ。
少しだけ女さんに感謝した。
・・・・・・その後、女さんがしつこいまでに私のおかげだーと言っていたのは勘弁してほしかったけれど。




・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 00:55:52.95 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

それからなんだかんだで、女さんとはよく話す仲になった。
決して僕はぼっちとかいうわけでもなかったけど、女の人と話すのは珍しかったためか男友に散々質問攻めされた。
挙句の果てには、ニヤリとしながら「上手くやれよ」とまでいってきた。
あまり僕は上手くやった感じはなかったものの、特に喧嘩などもしないまま時間は過ぎた。

ついでに色々勉強も教わった。
あのめちゃくちゃな説明にも僕自身なれたおかげか段々理解できたきてる気がする。
なぜだか点数も上がってるし、そういうことにしておこう。

そんなとき、僕の今後の人生が大きく変わった電話がかかってきた。
電話相手は女さん、あれから夜にたまに話すことがあった。
僕はいつも通り、電話を取りくだらない話をした。

そして、そんなくだらない会話の中、急に女さんは切り出した。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:02:51.98 ID:tiZMSqIi0
そして、そんなくだらない会話の中、急に女さんは切り出した。


・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


女「男はさ、いいよね」

男「え、なにが?」

女「んー・・・・・・なんかこう、変なものしょってないっていうか」

男「変なものって・・・・・・」


話が全く見えない。
空気がやけにしんみりしている。
元々あんまり人並み程度さえ、上手く話せない僕にとってこの状況は辛かった。


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:07:01.06 ID:tiZMSqIi0
女「だから、こう気楽そう・・・・・・?」

男「まあ、まだ学生だからね。それは女さんもじゃないの?」

女「そうだけど・・・・・・。うーん、私って最初とやっぱりイメージ違くない?」

男「あー、まあもっとこう、おしとやかなお嬢様かなとは思ったかな」

女「やっぱり?」

男「うん。それがどうかしたの?」

女「皆そう言うんだよ。別にそう思うのは勝手なんだけど・・・・・・。」


勝手なんだけど?
と、僕は話を促すように言った。
今では、適当で気楽なイメージのついた女さんがこんな深刻な声を聞いたのは初めてだった。


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:10:45.54 ID:tiZMSqIi0
女「皆、普通に話してくれないっていうか」

女「表面だけで話してるって思っちゃうんだよね。 私に合わせてくれるっていうか・・・・・・」

男「・・・・・・考えすぎじゃない?」

女「そうかなあ。 男はそんなことないけど、私がYESっていったらYES。NOっていったらNO。」

男「・・・・・・」

女「それじゃ会話してるんじゃなくて、独り言いってるみたいだよ」

女「私は皆の好きなこと、正直に話して欲しいのに」


女さんの声は悲痛な感じがした。
僕には全部が全部、女さんの言っていることはわかってないかもしれない。
それでも、悩んでいるってことだけは伝わった。
けど・・・・・・
けど、僕にはただ頷くことしかできなかった。


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:16:09.06 ID:tiZMSqIi0

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

<学校>


教師「おーし、じゃあ今日はこれで終わりだ。 連絡事項もない、気をつけて帰るんだぞ!」


教師が何かを話している。
今日は一日話が頭に入ってこなかった。
あの後、昼休みも結局女さんと食べることはなかった。


男友「お前暗すぎ」

男「・・・・・・え」

男友「何、女に告白でもして振られたの?」

男「いや、違うけど・・・・・・」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:21:20.42 ID:tiZMSqIi0
男友「暗すぎだろ」

男「そんなことないよ」

男友「お前なあ、言いたいことは言えよ。 少しは変わったかと思ったが、相変わらずすぎるだろ」


言われてることは分かっている。
僕は恐れているのだ。
何かを言うと、もう一生その人とは普通に話せないのではないかと。
嫌われてしまうのではないかと。


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:26:08.72 ID:tiZMSqIi0
男「・・・・・・」

男友「少し話すようになったと思ったら、またこれか?」

男「言いたいこと・・・・・・」

男友「そうそう、ほらちゃちゃっと話せ」


そんなんじゃ、前には進めない。
それどころか、そうしない限り僕は変われないだろう。
それこそ一生そのまま。


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:28:49.36 ID:tiZMSqIi0
男「わかった。 やっぱりそうだよね」

男友「やっと分かってくれたか! さあ、なんの・・・・・・」

男「有難う男友。 話してくるよ」

男友「うんうん・・・・・・。」

男「じゃあ俺、急いで追いかけるよ。 じゃあ!」

男友「・・・・・・は?」

僕は急いで、学校から・・・・・・教室から出て女さんのいつも歩く方向に走った。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:31:53.63 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・



僕は間違っていた。
確かに、本心ばかりで話していたらやっていけない。
でも、全てを心の奥底にしまっておいたら何も変わらない、始まらない。

女さんも言ってたじゃないか。
相手に合わせているだけじゃだめなんだ。
僕は今までずっとそうしてきたのかもしれない。
もしかしたら、ずっとこのままだったのかもしれない。


男「・・・・・・女さん!」

女「・・・・・・え?」

女「ど、どうしたの?」


驚いた顔はこのとき、初めてみたかもしれない。
いつも適当で少し上から話すような、僕はいつもそれに対して返事をするだけだった。
僕からいつも話しかけていれば、驚かれなかったかもしれない。


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:34:52.19 ID:tiZMSqIi0
男「あのさ、昨日の・・・・・・」

女「あー、いや。 なんでもないからさ、うん」


ここでいつもなら引き下がっていたかもしれない。
でも、違うそうじゃない。


男「・・・・・・何でもなくなんかないよ」

女「いや・・・」


女さんが何か言いかけたものの僕は構わず続けた。


男「女さんの悩みが全部はわからない」

男「僕は思いっきりダメ人間で、周りから馬鹿にされてた。 そんな僕には絶対にわかりっこない」

女「・・・・・・」


女さんに返事をする様子はなかった。
ただ、話を聞きながらこちらを見ていた。


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:37:16.30 ID:tiZMSqIi0
男「ダメ人間だけど、僕には本心で話すことはできる」

男「気を使ったり、楽しい話するのは苦手だけど。 僕だってそれくらいなら出来る」


僕はここまで一気に言い切った。
言い終わったあとにどうしようかと色々思った。
在り来たりな表現だけど、数秒が数十秒に感じた。


女「・・・・・・ありがと」

やっと女さんが返事をした。
正直、ほっとした。
でも、まだここで終わってはだめだ。
僕は何度も思い、留めて言わなかった言葉をこの場で、初めて、最初に発した。


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:39:34.56 ID:tiZMSqIi0
男「--・・・・・だから、僕がずっと隣に居て話すから」


我ながらなんてことをいってるのだろうと思う。
半分勢いで言った、こういうときでないと僕は一生言えなかったかもしれない。



女「え・・・・・・」

男「えっと・・・・・その。 付き合ってくれないってこと」

女「あ、うん」


いつもと立場が逆になっている気がした。
言葉だけだったら、僕はこのときの女さんが本気で言ってるとはわからなかっただろう。
でも、きっと今のは本心で、僕も本心で。


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:41:23.21 ID:tiZMSqIi0
男「あ、あはは」

女「あーもう。 馬鹿だなあ」

男「女さんも案外そうだよ--・・・・・・」


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:43:27.00 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


その後、色々男友にだけはお礼と事情を話した。
男友は言いふらすかとも思ったけれど、意外と誰にも言わないでいてくれた。
その内、周りにも知られてしまうかもしれないけれど。
そのときはその時だよね。

それから女さんとは結局、僕は返事をするだけみたいな会話だった。
でも、それはそれでいいのかな、なんて思った。

ちなみになんで、僕に最初話しかけたかって言うとやっぱり「何か抜けてそうだから」だったそうだ。
普段、友達に話せないようなことをとりあえず、僕に話してやろうとでも思ったのだろうか?

それも聞いてみたら「言いたいこといっても、特別怒らなそうだったし」とのこと。
僕はどれだけ情けない姿として、目に映っていたのだろう・・・・・・。

これで僕の話はおわり。
それからも色々あったけど、それはまた別のお話。

       -おわり-


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:45:42.71 ID:tiZMSqIi0
いやー疲れた。精神的に疲れた。
初SSだったんだ、短くてごめんね。
書きながら投下したからか、途中で順番間違えて投下したのは見なかったことにしてください。
色々緊張してやばかったんだ。

誰もいなさそうだけど、支援とかしてくれた人有難う。
途中で安価がどうのっていうの、あって焦ったよ。
最初そういうネタSSにしようかと思ってたので。


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:48:04.73 ID:M36ypjSR0
乙! 良かった
後日談も期待していいよね?


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:49:27.87 ID:B9pt2FFf0
見てたよー 乙
後日談wktk


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 01:52:06.42 ID:tiZMSqIi0
見てくれてた人いて少し驚いた。
後日談か・・・。

少し考える時間をくれるなら頑張るよ。
・・・・・・但し、遅筆になってもいいのなら。


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:02:38.76 ID:tiZMSqIi0
なんだか静まり返ってるけど、後日談やろうかな・・・?
少し男友が活躍するかもしれない。
書いていい・・・かな?かな?


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:04:24.19 ID:B9pt2FFf0
>>58
おこk


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:07:48.18 ID:M36ypjSR0
>>58
とっとと始めて下さい


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:06:42.81 ID:tiZMSqIi0
以下、後日談。

<後日段>

女「絶対スター○ォーズの方がいいから!」

男「あれ映像が古臭いくない? それよりパイレーツ・オブ・カリ○アンがおもしろくないとか・・・・・・」


あれからなんだかんだ、上手くやっていた。
結局、クラスの人には皆知れ渡ったけど・・・・・・。
でも、まあ悪いことはなかったし、むしろ女さんにとってはよかったみたいだ。
周りも男と付き合うくらいならと思ったようで、気楽に話しかけてくれる人が増えたみたいだ。


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:12:15.67 ID:tiZMSqIi0
女「むさ苦しそうだよ、あれ」

男「むさ苦しいとか、わかってないよ・・・・・・」

女「えーでも時代設定も古いし」

男「スター○ォーズは作られた時代が古くない?」

女「いいの! SFだし、いいの」

男「そのSFの命の映像が・・・・・」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:14:04.48 ID:tiZMSqIi0
女「あーもう、見てないのになんでそんなこと言えるの!」

男「そっちだって見てないんじゃないの?」

女「だって・・・・・・」

男「見てないくせにそっちだって言えないよ」

女「あーもううるさいなあ」

男「・・・・・・」

女「もう切る。 ばいばい」


そんなときだった。
僕らがくだらないことで喧嘩してしまったのは。


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:17:21.71 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


男友「・・・・・・で」

男「・・・・・・」

男友「喧嘩した・・・・・・と」


ついつい、男友に電話してしまった。
あれから妙に男友とも話すようになった。
まあ、前から話してたけどこういうことも・・・・・・という意味で。


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:24:02.55 ID:tiZMSqIi0
男「そうだよ」

男友「くだらねえなあ・・・・・」


そんなのは僕も分かっている。
映画で喧嘩してそれ以降話してません、なんて馬鹿らしすぎる。


男友「おーし、仕方ねえな。 俺がどうにかしてやる、金は払えよ」


男友はそんなことをいって電話を切った。
金を払えとか、どういう意味だろう・・・・・・。
嫌な予感しかしない。



・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:26:15.23 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

<学校>

教師「では、これをやって来てください。 期限は来週までです」


男友「また、レポートなんてだしやがって・・・・・・。」

それより、さっさと女にあれを渡してやらないと。
全くあの二人も上手くやってたと思ったら喧嘩なんてなあ。

男友「えーと・・・・・・ああ」

女「・・・・・・?なに?」

男友「あーえっとそうだな、明日暇だったらこれ観に行かない?」

女「二人で?」


女が怪訝な目で見てくる。そりゃそうだろう。
昨日、男と喧嘩したと思ったら俺が誘ってくるんだ。
怪しすぎる。


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:28:49.03 ID:tiZMSqIi0
男友「ああ、いや。もう一人くるんだよ。 誘う奴居なかったからさどうかなって」

女「あーいいよ。 どうせ暇だし」


どうにか、遊びとして認識してもらえたようだ。
こういうところは女の適当な所が助かる。


男友「んじゃ、現地で。 そうだな・・・・・・20分前に行けばいいだろ」

女「わかった。 ・・・・・・あ、これって」

男友「じゃ、じゃあな!」


とりあえず、女は大丈夫そうだな。
あとは・・・・・・。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:32:13.99 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


男「やばい、遅れる・・・・・・」


昨日、とりあえず癒すために行こうぜ、などと言われて男友と映画に行くことになった。
あいつにしては珍しく、映画のチケットまで用意周到に持っていた。
なぜか、現地集合っていうのが引っかかるけど。
それにしても、俺がなんとかしてやるとかいうのはなんだったんだか・・・・・・。


男「あー・・・・・・。この辺りかな」


どうにか予定時間には間に合っていた。
はあはあ言いながら、膝に手を置いていたら誰かが声をかけてきた。


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:36:14.93 ID:tiZMSqIi0
女「・・・・・・男?」

男「え」


まさか・・・・・・。
嫌な予感が頭をよぎる。


女「何してるの?」

男「・・・・・・男友に誘われて」

女「・・・・・・」

男「・・・・・・」


やられた・・・・・・。
また男友にはめられたようだ。


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:39:23.85 ID:tiZMSqIi0
~♪~~♪


男「・・・・・・携帯鳴ってるけど」

女「・・・・・・わかってる」


女が僕を訝しげな目で見ながら、電話を取る。


女「あ、男友? もう一人って・・・・・」

女「え? ちょっと・・・・・・いや、いいけどさ」

女「ま、まって・・・・・・」


なんとなく予想は付く。
あいつなりに気を使ってこういう結果になったんだろう。
いくらなんでも、荒治療すぎるだろう。


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:42:09.84 ID:tiZMSqIi0
女「・・・・・・」

男「なんだって?」

女「・・・・・・これないって」

男「やっぱり・・・・・・」

女「やっぱりって何」

男「あ、いや・・・・・・」


それでも、男友がせっかく強引にでもこういう場を作ったんだ。
相談したのは俺だしどうにかして、せめて映画だけでも観てもらおう。


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:45:08.09 ID:tiZMSqIi0
男「ま、まあ、観てこうよ」

女「嫌」

男「ほら、いいじゃん。 せっかく男友が用意したんだから」

女「あーもう。 分かったから」


どうにか、観てはくれるようだ。


男「あ、そうだ何か買わない? ポップコーンはいるよ」

女「・・・・・・いらない」

男「買って来る」


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:48:31.04 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


売店?にいってポップコーンを注文する。
ついでにコーラ。勿論、二つずつ。
我ながら必死すぎるような気もするけど。


女「・・・・・・いらないっていったのに」

男「まあ、いいよ。 いらなかったら僕が食べる」

女「食べるけど」

男「じゃあ、はい」

女「・・・・・・ありがと」


その後も女さんは無言だった、少しは許してくれたかな?
とりあえず、中に入ろうよと僕が促す。

チケットを切り、より暗い映画館の奥に進んでいく。


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:51:55.05 ID:tiZMSqIi0
映画は相変わらず面白かった。
相変わらずとはこの映画が「パイ○ーツ」の続編だからだ。
あの後、どう展開を持っていくのか気になっていたけど意外にシリアスな展開だったなという感じ。


男「おもしろかった?」

女「・・・・・・」

男「女さーん?」

女「・・・・・・おもしろかった」


少し認めたくなさそうだったが、女さんは言った。
分からない部分もあっただろうけど、初めて観たとしても今回はよかったと思う。


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:56:09.90 ID:tiZMSqIi0
男「で、でしょ?」

女「うん」


ここで言わないとだめだろう。
これで終わったら昨日みたいに気まずいままだ。
あのときほどじゃないけど、少し緊張しながら僕は言った。


男「あー・・・えっとさ。 昨日はごめん」

女「いいよ。 私もあんなこと言って悪かったし」


思ったより、女さんはあっさりと言った。


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 02:59:19.94 ID:tiZMSqIi0
男「いや、うん」

女「その代わり・・・・・・」

男「・・・・・・何?」


神妙な顔をして言葉を溜める。
こんなときにそういうのはやめてほしい。
その代わり・・・・・・なんだろう。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・


82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 03:04:13.13 ID:tiZMSqIi0
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

女「どうだった?」

男「面白かったよ・・・・・・」

女「やっぱりそうでしょ?」

男「食わず嫌いはいけなかったかも。 お互い」

女「そうだね・・・・・・。 でも、こうして双方分かり合えたわけだし」

男「そうかも?」

女「そうかもって・・・・・・。 まあ、これからもよろしくね」

男「よろしく」


今回ばかりは男友に感謝しなければ、いけないかもしれない。
・・・・・・前回もそうだった気がするけど。
あと、スター○ォーズの面白さを教えてくれた女さんも・・・かな?


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 03:05:18.68 ID:tiZMSqIi0
ちなみにその旨を男友に伝えたら、きっちり映画代を請求された。
それくらいお祝いとして、くれればいいのにと思いつつも全額返済した。
・・・・・・でも、そんなことを言っていたような気がしないでもない。

今回でこの話もお終い。
それ以外にも色々話はあるんだけど・・・・・・。
後日談がそんな長くなっても仕方ないよね、また今度会えたら会おうね。

       -おわり-


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 03:06:21.27 ID:qUvR2hE50
乙‼面白かった


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 03:10:37.40 ID:tiZMSqIi0
というわけで、僕の初SSはお終いです。

ちなみに「不器用と偏差値」というどこかで見かけた言葉を元にかきますた。
男の口調をヘタレ→一般人に持ってくのが辛かった。

支援、書き込んでくれた人、もしいたとしたら、ROM専の人も含めて有難う。
じゃあ、またどこかで会う日まで、ばいばい。





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