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ゆみ「美穂子の恋愛相談」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 21:43:59.57 ID:kOooG2Ae0
- <ファミレス>
美穂子「今日は呼び出してしまってごめんなさい」
ゆみ「謝る必要なんてないさ。福路と二人で会うのは新鮮だから個人的には楽しみにしていたよ」
美穂子「ありがとうございます。あの……呼び出したのには理由がありまして」
ゆみ「ふむ」
美穂子「……実は相談があるんです」
ゆみ「相談……久の事か?」
美穂子「っ!?ど、どうして分かるんですか!?」
ゆみ「驚く事ではないよ。福路が悩む事といったら久が第一候補だろう?」クス
美穂子「でも、加治木さんとは上埜さんについて話した事ありませんけど…」
ゆみ「自覚ないのか?いつも久に熱い視線を送っているじゃないか。どう見ても恋する乙女だ。皆気付いているさ」
美穂子「っ///」
ゆみ「それなのに何故当人である久が気付かないのか不思議でしょうがない……ま、あいつの場合は人から好かれたり尊敬されるのに慣れているからかもしれんが」
美穂子「え?どういう事ですか?」
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 21:46:06.48 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「久は生徒会長…清澄では学生議会長と呼ぶんだったか。学生のトップを務め、さらに麻雀部部長として全国出場を果たした」
ゆみ「加えて頭もルックスも良く性格的にもとっつきやすい。となれば尊敬されるのは必然」
美穂子「…………」
ゆみ「男子から……いや、女子も含めて告白する人間も多かっただろう。結果、好意を受ける事に慣れすぎて鈍感になっているのではないかと思う」
ゆみ「面と向かっての告白ならばともかく、日常的に自分に向けられる好意が恋愛のものなのかそうでないのかをいちいち意識していてはきりがないからな」
美穂子「…………そう、ですか……」シュン..
ゆみ「う……あくまで個人的見解だから間違っている可能性も高い。あまり悲観的に捉えないでくれ」
美穂子「はい……」
ゆみ(余計な事を言ってしまったか)
ゆみ「と、ところで、相談内容はなんだ?」
美穂子「あ、はい。その……私と上埜さんが……」
ゆみ「うん」 - 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 21:49:08.60 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「つ………」
美穂子「つき……///」プルプル..
ゆみ「…………」
美穂子「つ………///」
ゆみ「…………」
美穂子「……………///」
ゆみ「…………………」
美穂子「い……いえません……///」
ゆみ「はぁ~……久と恋人同士になりたいんだろう?」
美穂子「っ!そ、そんなハッキリ言わないでくださいっ。誰かに聞かれたら……はっ!後ろの席……………あ、ごめんなさい」
ゆみ「何をしてるんだ」
美穂子「このお店、背もたれが高いので後ろの席に誰が座ってるか見えませんよね?もし知り合いに聞かれてたらと思いまして……」
ゆみ「……覗きこんだら違ったと」
美穂子「はい……迷惑を掛けてしまいました……」
ゆみ(相変わらず、福路は久が絡むと周りが見えなくなるようだな) - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 21:53:42.43 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「……ええと、それでその……私の悩みを理解していただいてるなら話は早いのですが」
ゆみ「ああ」
美穂子「……どうしたらいいのか、アドバイスをもらえないでしょうか?」
ゆみ「アドバイス……か」
ゆみ(久が誰かと付き合う前に短期決戦狙いで告白する方法もあるが……リスクが大きい)
ゆみ(となると、久に意識されるよう行動し、頃合いを見て告白が無難か……)
美穂子「…………」
ゆみ(……そうは言っても普段の態度からして、久への好意が隠せていないにも関わらず意識されていないのだから、今まで以上のアピールが必要だ)
ゆみ(弁当の差し入れは……ダメか。福路は優しいから久以外の人間にも作るし、かといってハートマーク入り弁当で差を付けると告白したも同然になってしまう)
ゆみ(それはまずい。他の方法は……自分を磨き、注目されるようにする……という手もあるな)
ゆみ(福路は美人で気立ても良く料理上手で現時点でも相当魅力的だ。しかし人間である以上短所はあるはず)
ゆみ(その短所を少しでも克服すれば、今以上に久の目を引けるだろう。長所を伸ばすより変化が分かりやすいし、努力を匂わせる事も出来る)
ゆみ(……うむ、これでいこう) - 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 21:57:44.09 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「福路は自分の短所はなんだと思う?」
美穂子「え?短所、ですか?」
ゆみ「ああ」
美穂子「……たくさんありますね……容姿も地味ですし、同級生や先輩に好かれないところ…」
ゆみ(地味な容姿とは思えないが……自分ではそう感じるのか)
美穂子「機械も苦手ですし、運動もあまり得意ではありません」
美穂子「それと、上埜さんの前だとすごく消極的になってしまいます。お話したくても声を掛けられなかったりして……」
美穂子「他にも大事な場面で後輩に適格なアドバイスが出来なくて……頭の回転も悪いかもしれません……あと、すぐ泣いてしまうのも」
ゆみ「わ、分かった分かった。もういい、ありがとう」
美穂子「……はい」
ゆみ「……福路はあまり自分に自信を持っていないようだが、私から見たら十分過ぎるほど魅力的だ」
美穂子「いえ、そんな……」
ゆみ「本当だ。完璧に近いと言っても過言ではない」
美穂子「あ、ありがとうございます……//」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:01:41.08 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「しかし、人間である以上当然だが福路にも短所はある。短所が必ずしもマイナスに働くとは限らないが、やはり気になるところだな」
美穂子「はい……」
ゆみ「ならばその短所を改善すればどうなるだろうか。福路の魅力はさらに高まり…」
美穂子「あ……」
ゆみ「久に好意を持たれる確率は上がるはずだ」
美穂子「……………」ドキドキ
ゆみ「そして弱点を克服した事により自分に自信も出てくる。すると長所もさらに伸びていくだろう」
ゆみ「結果、輝き出していく福路を久は意識せずにはいられない。その輝きに包まれたいと願い、両想いになる!」
美穂子「上埜さん……」ドキドキ
ゆみ「……とまぁ、少し大げさかもしれないが、流れはこのような感じだ」
美穂子「はい!」
ゆみ「要は短所を改善して自らを高める事で久に意識させる。どうだ?」
美穂子「す、すごくいいです!素敵なアドバイス、ありがとうございます!」
ゆみ「喜んでもらえて嬉しいよ」フフッ - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:05:21.29 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「すぐに始めてみます!…でも短所が多すぎてどれから手を付けようか迷っちゃいますね。ええと…」
ゆみ「まず三つぐらいに絞ってみるといいんじゃないか?」
美穂子「三つ?」
ゆみ「ああ。同級生や先輩に好かれにくい、機械音痴、消極的……この三つを改善出来ればかなり大きいと思う」
美穂子「確かに……その三つは自分でも気になって努力した事がありました」
ゆみ「ほう、いいじゃないか」
ゆみ(しかし……結果はおそらく)
美穂子「……失敗しましたけど……」
ゆみ「そうか……ちなみに、どういう風に努力したんだ?」
美穂子「……機械を上手に動かせる様にと思ってマニュアルを丸暗記したり、全ての部品の歴史を調べたり」
美穂子「いつも人の宿題を丸写ししてる子に積極的にノートを貸したり」
ゆみ「…………」
美穂子「同級生の人たちに好かれようと、みんなが嫌がる仕事を全部引き受けたりしました………でも全然ダメで……」
ゆみ(……努力する姿勢は買うが方向がずれているな……福路らしい)
ゆみ(周りを見る目は長けているが、自分の事になると不器用なタイプ……どうしたものか……) - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:09:11.67 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「あ、そうだ………模倣してみたらいいんじゃないだろうか」
美穂子「模倣…ですか?」
ゆみ「ああ。理想的な人物を真似て、いいところを自分のものにする」
美穂子「……自分のものに……」
ゆみ「例を挙げると、デートコースを練るのが上手い友人がいれば、その友人の真似をしてみる」
ゆみ「そこから自分の行きたい場所や相手の好みを考慮してアレンジしていき、自分なりのデートコースを作り上げる」
ゆみ「……つまり、完全に真似るのではなく自分の糧にするための最初の一歩として参考にするという事だな」
美穂子「…………」
ゆみ「……どうだろうか?いくらか役に」
美穂子「っ……」ポロポロ
ゆみ「ど、どうした!?何故泣く!?」 - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:13:12.06 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「いえっ……加治木さんが……すごく親身になって色々考えてくれたのが嬉しくて……私、同学年の人にこんなに優しくされたの初めて……」グス
ゆみ「そ、そうか……」
美穂子「ありがとうございます……加治木さんの想いを無駄にしないよう頑張ります」
ゆみ「ああ、頑張ってくれ。健闘を祈る」
ゆみ(今回の相談をきっかけに、誰かを頼る事を覚えるのもいいかもしれない)フフ
美穂子「必ず成長して、上埜さんに好きになってもらいます!」
ゆみ「そうだな……そうなるといいな」
ゆみ(本心からそう思う……好きな人と結ばれた時の喜びと、共に過ごす幸福な時間は他の何物にも代えがたい)
ゆみ(モモと付き合ってから毎日感じているこの気持ち……福路にも味わってほしい)
ゆみ(私のアドバイスが役に立ってくれるといいのだが……) - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:17:25.88 ID:kOooG2Ae0
- 数日後―――
ゆみ「急にどうしたんだ?二人で会って話したいなんて」
久「んー、ちょっと相談事があってねー」
ゆみ「相談事?」
久「ええ。あそこのファミレスがいいわね。入りましょ」
ゆみ「ん、ああ」
ゆみ(ここは……福路に相談を受けた店だな)
<ファミレス>
久「ふぅ……やっぱりこの席が一番落ち着くわー」
ゆみ「わざわざ指定するほどか?他の席と大差ない気がするが……で、一体どんな相談だ?進路か、それとも部内の引き継ぎ関係か?」
久「ううん、どっちも違うわ」
ゆみ「じゃあなんだ?」
久「まぁまぁ、そんなに慌てないでよ。座ったばかりじゃない。少し休んでからにしましょ」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:21:03.16 ID:kOooG2Ae0
- 二十分後―――
久「ん、この新メニュー美味しい」モグモグ
ゆみ「……店に入ってから結構経つが…」
久「?」
ゆみ「それほど話しづらい内容なのか?」
久「ううん、そんな事ないわ。ちょっと一息ついてからにしようと思っただけ」
ゆみ「そうか……」
久「私の相談というのは美穂子の事なの」
ゆみ「む」ピク
久「……最近様子がおかしいのよ」
ゆみ「どういう具合におかしいんだ?」
久「そうねぇ。例えば……」 - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:24:57.00 ID:kOooG2Ae0
- ~~~~~~~~~~~~~~~
<商店街>
久「あら?美穂子?」
美穂子「え?……あ!うっ、上埜さん……///」
久「奇遇ねぇ。美穂子も買い物?」
美穂子「は、はい……これから夕食の材料を買いに行くところです」
久「私もそうなのよ~!ねぇねぇ、一緒に行かない?」
美穂子「えっ」ドキ
久「いい野菜を見分けるコツとか教えてもらいたいし。それに二人の方が楽しいじゃない?」
美穂子「う、上埜さん……嬉し………あっ………」
久「?」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:28:49.61 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「これじゃダメ……同学年と先輩から……好かれ………」ブツブツ
久「え?何か言った?」
美穂子「…………」
久「??」
美穂子「わ、私も………上埜さんとお買い物に行きたいです………じょ」
久「…………はい?」
美穂子「私に出来る事ならなんでもします……じぇ」
久「…………」
美穂子「あ、あの!……覚えておくとじぇったいにお得なじょーほうがありますじょで……」
久「……………………うん」
~~~~~~~~~~~~~~~ - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:32:34.34 ID:kOooG2Ae0
- 久「って感じ。多分優希の真似してるんだと思う……所々間違ってるし、真似する理由はさっぱり分からないけど」
ゆみ「…………」
ゆみ(自由奔放でありながら同学年や先輩に好かれる片岡をモデルに選んだか。人選は悪くないが…)
久「途中から『じょじょという冒険が面しゅろいらしいですじょ』とか」
久「『こちゅらのやしゃいの方がじぇんたい的にしゅぐれてますじょ。じぇんじぇんちぇがうと思いましゅじぇ』とか、一回じゃ聞き取れない時も多くなってね」
久「極め付けは『じょふふふふ…』なんて笑うしさ……どうしたらいいか分からなくて戸惑っちゃったわ」
ゆみ(福路……口癖をたくさん言えば似るというものではないぞ……それにそこまでいくと、もはや片岡ではなくなっている)
久「なんだったのかしらねぇ……ずっとアタフタしてる感じだったし」
ゆみ(おそらく真似なければという意識が強過ぎたのと、久の前で緊張してちょっとしたパニック状態になっていたんだな)
ゆみ「ま、まあそれはアレだ……福路の新しい一面を発見したな。可愛らしいじゃないか」
久「んー、そういう見方もあるか……でもね、他にもあるの」
ゆみ「……どんな感じだ?」
久「これは別の日の話なんだけど……」 - 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:34:04.93 ID:QH+3XnvZ0
- キャップ迷走しすぎ
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:37:01.72 ID:kOooG2Ae0
- ~~~~~~~~~~~~~~~
<清澄高校 校門前>
美穂子「う、上埜さんっ!」
久「ん?美穂子じゃない。わざわざ清澄まで来て…どうしたの?」
美穂子「ねとま……ってありますよね?」
久「?あるわね」
美穂子「私のアカウント…『みほっち』なんです」
久「へぇー、美穂子ってネト麻やるんだ?じゃあ今度私と」
美穂子「あっ、ち、違うんです」
久「え?」 - 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:40:55.54 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「ただ、アカウントをみほっちにしてもらったんです」
久「?」
美穂子「デジタルで打つつもりでアカウントしてもらいました」
久「えーと……」
美穂子「ぬいぐるみも抱っこするつもりです」
久「和みたいね」
美穂子「っ!!?」
久「ん?」
美穂子「しっ、失礼します!!」ダダダ!
久「は?………行っちゃった」
~~~~~~~~~~~~~~~ - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:43:26.05 ID:kOooG2Ae0
- 久「どういう事か分かる?」
ゆみ(機械音痴改善のモデルとして原村を選び、原村がネット麻雀で使用しているキャラクターであるのどっちを真似てみほっちにした…いや、誰かにしてもらった)
ゆみ(……これでは機械を使えるようになるわけでもなし、アピールもしにくい……)
ゆみ(いや、そもそも機械関係は真似るのではなく誰かに教わる方が遥かに効率的…)
ゆみ(作戦ミスだ。すまん福路、今度私が付きっきりで教えるから許してくれ)
久「あとで聞いてみたらパソコンは全然使えないみたいだし……アカウントだけ作ってどうするのかしら?」
ゆみ「それはその……教員免許みたいなものじゃないか?とりあえず取得しておけば、いざというときに役立つ」
久「…………ふーん」
ゆみ(無理があるか……?)
久「………ま、いっか」
ゆみ「……」ホッ
久「最後にもう一つあるんだけど」
ゆみ「……だろうな」
久「?……この前にやった風越との合同練習で美穂子と同卓だったんだけど……」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:46:02.43 ID:kOooG2Ae0
- ~~~~~~~~~~~~~~~
<風越女子高校 麻雀部部室>
美穂子「リーチ」チャリッ
久「む」チャッ
久(待ちは……筒子っぽいわね。でもとりあえず安牌っと)タン
美穂子「…………」チャッ
美穂子「…………」スゥー...ハァー..
久「?」
美穂子「な、なんで八筒ちゃうねん!」タンッ!
久「…………え」
久(自分の和了牌をバラした?美穂子の性格上、口三味線を使うとは思えないけど……)
美穂子「………あっ!……なんで六筒やねんでした……」
久「…………」??
美穂子「…………///」 - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:46:59.96 ID:QH+3XnvZ0
- ネキww
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:48:33.08 ID:kOooG2Ae0
- 練習後―――
久「あー、楽しかった」
美穂子「あの……今日はうちの後輩たちの為に練習に協力してくれて、ありがとうございます」ペコ
久「ううん、私も打ちたかったからちょうどよかったわ。久しぶりに美穂子と打てて楽しかったし」
美穂子「上埜さん……///」ポーッ..
久「って、もうこんな時間……ねえ、帰りにどこか寄って行かない?お腹空いてるでしょ?」
美穂子「あ………」
久「最近いいお店見つけたんだけど、どうかな?」
美穂子「…………」スゥー..ハァー...
久(あれ?聞こえてない?思い詰めた顔してどうしたのかしら) - 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:50:43.58 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「…………う、うえのさんっ!」
久「はっ、はい!」
美穂子「お……お~なか へりへり へりうさぎ~♪」
久「は?」
美穂子「…………///」カァァ..
久「…………み、美穂子?」
美穂子「っ!あぅ、えと……今のはっ……一応、お腹が鳴った時の高音がヘリウムを吸った声っぽいので……その……」
久「…………」
美穂子「ご、ごめんなさいっ!」タタタッ
久「あ、行っちゃった……なんだったのかしら……」フーム
~~~~~~~~~~~~~~~ - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:52:55.49 ID:QH+3XnvZ0
- 見てるこっちが恥ずかしくなってきた
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:53:02.48 ID:kOooG2Ae0
- 久「ね?おかしいでしょ?」
ゆみ「あ、ああ……そう、だな……」
ゆみ(姫松の愛宕 洋榎……福路と正反対だから違和感が半端ではないな……よく頑張ったと褒めてやりたい)
久「なんかね……色んな人を必死で真似ようとしているように見えるのよね~」
ゆみ「っ!……そうか?」
久「うん………でも……」
ゆみ「?」
久「私は…………普段の……自然体の美穂子が好きだな」
ゆみ「!?そ、それは本当か?」
久「うん」
ゆみ「その……久の言う好きとは……」
久「……………恋愛の好きよ」 - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:55:19.32 ID:kOooG2Ae0
- ガタン!
ゆみ「?……そうか、久は福路が好きなのか」
ゆみ(よかったな福路。両想いだぞ)フフ
久「うん。ま、私が好きでも美穂子はどうだか分からないけどねー」
ゆみ「……確かにな」
ゆみ(あれだけの熱視線を受けていてもそう思えるとは……鈍いにも程がある)
久「あーあ!美穂子に告白されたら即オーケーするんだけどなぁ!」
ガタガタン!
ゆみ「?」
ゆみ(騒がしいな……久の後ろの席か?まったく、公共の場ではマナーをわきまえて欲しいものだ) - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 22:57:35.17 ID:kOooG2Ae0
- 久「ただ……私、告白にはこだわりがあるのよね」
ゆみ「む?こだわり?」
久「ええ」
ゆみ「それはどんなものなんだ?」
久「まず、私に告白する人の服装は純白のワンピース!」
久「次に私の目を見つめながら私を好きになったきっかけと、私の事をどれぐらい好きか語る!」
久「そして最後に!見つめ合ったまま…………熱~いキスをして欲しいのよ♪」
ガタン!バシャー!
?「わわ、ごごめんなさい!いえ、私が拭きますから!!」
ゆみ「……この声は……」
久「~♪」
ゆみ「…………なぁ、久。お前…まさか」
久「そろそろ出ましょうか」スクッ - 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:02:33.51 ID:kOooG2Ae0
- 店員A「ありがとうございました~」
ゆみ「………」スタスタ
久「~♪」スタスタ
ゆみ(今考えてみればおかしな話だった。福路が久に向けている好意は、本人は無自覚だろうがあからさま過ぎるほどだ)
ゆみ(そんな福路の気持ちに気付かないなんて久らしくない、と不思議に思いつつも深く考えずにいたが……たった今、その謎が解けた)
久「~~♪」
ゆみ(会って話すだけなら別に何処でもいいはずなのに、今日に限って待ち合わせ場所が風越女子の近くである事…)
ゆみ(そして福路に相談を持ち掛けられたファミレスに入った事からおおよそ見当がつく)
ゆみ(このファミレスは背もたれが高く、振り向いただけでは真後ろに誰が座っているか分からない)
ゆみ(しかも久が指定した席の真後ろはトイレやドリンクバー、レジの反対側。気付かれるリスクも低く、盗み聞きしやすい条件は揃っている)
ゆみ(久は福路が私たちを尾行していたのを知っていた。あるいは、尾行するよう仕向けた)
ゆみ(店内に入ってすぐに話を始めなかったのも、時間差で入店した福路が後ろの席に座るまで時間を稼ぎたかった)
ゆみ(久の狙いは、福路に私たちの会話を聞かせる事……その目的は……)チラ - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:04:54.79 ID:kOooG2Ae0
- 久「そんな睨まないでよぅ」
ゆみ「睨んではいない……ただ」
久「……言いたい事は分かるわ。どうしてそんな事をする必要があるのか、よね?」
ゆみ「……ああ」
久「簡単な話。勇気を振り絞って告白する女の子ってすっごく可愛いからよ」
ゆみ「………」ハァ
久「その相手が大好きな美穂子ならなおさらよね」
ゆみ「……しかし……そんな事の為に…」
久「そんな事じゃないわ、大切な事よ?美穂子から告白されるのは一回だけ。別れるなんてありえないから一生でたった一回よ?」
ゆみ「……だが福路の気持ちに気付かないふりをするのはあんまりじゃないか?久から告白すればいいだろう?」
久「………告白は美穂子からでプロポーズは私からだって決めてるんだもん……」
ゆみ「……これはまた可愛らしい事を言うんだな」
久「べ、別にいいじゃないの!それとね、私だって所々で美穂子に気がある素振りを見せてるのに全然告白してくれなくてへこんでたんだから!」
ゆみ(……告白は福路からというのも本音だろうが、今回の作戦を決行したのは自分の気持ちを察してくれない悔しさからか) - 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:07:17.25 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「はぁ……」
久「…何よそのため息」
ゆみ「いや、お前たちが両想いならもうこれ以上私がどうこう言う話ではないと思ってな」フゥ
久「あ……」
ゆみ「あとは当人同士で」
久「……ごめん」
ゆみ「ん?なんだ突然」
久「私……ゆみを利用した……親身になって相談に乗ってくれたゆみを………本当にごめん……」
ゆみ「利用とは大げさな…」
久「でも実際そうだから……無神経だった」
ゆみ「久……」
久「プロポーズは私からしたいから美穂子に告白して欲しいとか……友達を蔑ろにしていい理由にならないのに」 - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:09:48.48 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ「あ……お、おい…」
久「美穂子が好きなら私から告白すればよかったのに意地を張って……」
ゆみ「久っ!後ろ!」
久「うん?」クルッ
美穂子「う、うえのさん……///」
久「み、美穂子……?」
美穂子「………///」
久「ゃ、そのっ………今のは……なんていうか……」カァァァ..
美穂子「…………」
久「うぅ……」
美穂子「………わ、私は……三年前のインターミドルで会った時から……ずっと気になっていました……」
久「え?」
美穂子「そして県予選で再会した時、覚えてもらっていた事が嬉しくて……上埜さんを好きなんだと気付きました……」
久「美穂子……」 - 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:12:01.91 ID:kOooG2Ae0
- 美穂子「う、上埜さんの好きなところは、明るくて一緒にいると楽しい気持ちにしてくれるところ、みんなに優しいところ、他にも…」
久「~~~~」カァァ...
ゆみ「………」フフッ
ゆみ(福路以上に顔が真っ赤だ……無理もないか。心の準備が全く出来ていなかったものな)
ゆみ(おそらく福路の性格上、両想いだと知らせてもすぐに告白はしてこないと踏んでいたんだろう。少なくとも人前であったり私といる間はないと)
ゆみ(だがな、福路は久が絡むと周りが見えなくなるんだ。だから……)
美穂子「私は……そんなうえのさんが大好きですっ!…………っ」
久「えっ、あの……こんな道の真ん中……ん………」
美穂子「………ん……む……」チュ
久「ぁ………んー……///」
ゆみ(……人前だろうがなんだろうが、久が望む事をするさ) - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:14:33.04 ID:kOooG2Ae0
- ガヤガヤ..
通行人A「カップル誕生?」
通行人B「そうみたい。おめでとー!」
パチパチパチパチ..
美穂子「え………あ、ありがとうございます……//」ペコ
久「ふぇ……?」
通行人A「とってもお似合い!」パチパチパチ
通行人B「末永くお幸せに~!」パチパチパチ
久「わ……わわ……今の……見られ……///」
美穂子「うえのさん……ちゅ……」
久「ぁ…………ぅ……///」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:17:08.63 ID:kOooG2Ae0
- 通行人A「うわ、情熱的……//」
ゆみ「お、おい福路……そろそろ……」
久「~~~~~~///」フラフラ..
美穂子「好き……好き……///」チュ
久「……………はふぅ」クテーン
美穂子「え?……う、うえのさん?」ガシッ
久「もうだめ……恥ずかしすぎて……力が出ない……///」
ゆみ「やれやれ……」クス - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:19:31.56 ID:kOooG2Ae0
- 数日後―――
<ファミレス>
ゆみ(あの日、二人はめでたくカップルとなった)
ゆみ(福路の相談を受けてからというもの、二人の事がずっと気がかりだったからこの結末は本当に嬉しい)
ゆみ(友人として、二人がこれからも幸せであって欲しいと真に願う)
ゆみ(………願うのだが………)
久「ねえゆみ……どうしたらみっちゃに見とれずにすむのかしら?あ、みっちゃってのは美穂子の事ね♪」
ゆみ「…………」
美穂子「それは私も同じよ?ひっちゃを好きすぎて見とれるし、常にひっちゃの事を考えてしまうの」
久「えー?どんな事を考えるのー?」
美穂子「大好きとか、一緒にいたいとか、頭を撫でて欲しい、とか……//」
ゆみ「…………」 - 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:21:32.18 ID:kOooG2Ae0
- 久「私と一緒だ♪」
美穂子「ほ、本当?嬉しい…」
久「私たち、相性抜群ね」スリスリ
美穂子「ゃ……ひっちゃぁ…くすぐったい……」モジモジ
ゆみ「…………」
久「はぁ~……こうしてくっついていると落ち着くわ。ずっ~とこのままでいたいな~」
美穂子「確かに落ち着くわね……でも、私はもっと……//」サワ
久「……みっちゃのえっち//」ペシペシ
美穂子「ゃん……ひっちゃのせいよっ!昨日だってあんなに……///」
久・美穂子「」イチャチャチャチャ - 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:23:41.26 ID:kOooG2Ae0
- ゆみ(くっ……目の前でそんな光景を見せられたら……)ムラムラ
ゆみ(……モモッ!)ピッピッ..
プルルルルルル..ガチャ
ゆみ「っ!もしもし!モモ!?」
留守番電話『ただいま電話に出る事が出来ません…』
ゆみ「ぬああああああああああ!!モモぉぉぉぉぉおぉお!!!!!!」ガタガタガタガタ!
客A「何かしら今の大声?」
客B「公共の場ではマナーを守ってもらいたいものよね」
【完】 - 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:26:52.79 ID:kOooG2Ae0
- 支援感謝です!
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:28:09.59 ID:CP6mQPCN0
- 乙やでー
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:29:33.60 ID:QH+3XnvZ0
- おつおつ
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/15(金) 23:29:58.35 ID:l9WnF1d90
- 乙でしたー

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