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アリカ「セレクト隊はでもなればいいじゃない」

1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:15:48.39 ID:1XaDDJsAO
イッキ「バッカだな~アリカ、セレクト隊は国連の組織なんだぞ?
俺なんかがなれるわけないじゃないか」

アリカ「じゃあメダロット社とか…」

イッキ「ああいう大手はもうとっくに採用なんて終わってるよ」




2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:26:16.60 ID:1XaDDJsAO
アリカ「何よ、簡単にあきらめちゃって!
あんたのお父さんセレクト隊なんだし、頼んだら入れてもらえるかもしれないじゃない!!」

イッキ「…」

アリカ「そうよ!そうだわ!トックリさん!
セレクト隊の隊長ともあんた知り合いだったじゃない!
これだけコネがあればきっと…」

イッキ「トックリさんはもう引退してるよ。
父さんだって今大変なんだ、そんな迷惑はかけられないよ」


3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:31:13.43 ID:1XaDDJsAO
アリカ「このまま無職でいるほうがよっぽど迷惑じゃない!」

イッキ「…」

アリカ「あんたはロボトル強いくらいしか能がないんだから!!
少しでもそれを生かさないと!!」

イッキ「…」

アリカ「…ごめん、言い過ぎたわ。
ちょっと頭冷やしてくる。行こ、ブラス」

ブラス「はいアリカちゃん」


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:38:06.96 ID:1XaDDJsAO
イッキ「アリカはいいよな…」

アリカ「…え」

イッキ「専門でて出版社入って、夢がかなったんだもんな」

アリカ「ちょっと、待…」

イッキ「それに比べて俺なんて大学入ったけど就職もせずにほとんど引きこもりさ!!
父さんや母さんにも心配かけて…」

アリカ「イッキ…」

ブラス「イッキさん…」


6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:42:18.37 ID:1XaDDJsAO
アリカ「同情なんてしないわよ」

イッキ「…」

アリカ「みんな努力してるのよ、努力した結果夢を叶えているのよ。
あんただってわかってるはずでしょ?
今そんな泣き言を言ってたって、ただカッコ悪いだけよ」


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:46:39.06 ID:1XaDDJsAO
イッキ「…」

イッキ「アリカは、いいよな…」

アリカ「このっ!!」

ブラス「アリカちゃん!駄目!」

アリカ「ブラス!止めないで!コイツに一発…」
イッキ「無駄だよ」

アリカ「…え?」


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 11:53:15.42 ID:1XaDDJsAO
イッキ「メダロットは人に危害が加わるのを、黙って見ていることはできないんだ」

イッキ「そういう風にできてるんだ」

アリカ「イッキ…」

アリカ「もしかしてあんた…。
まだメタビーのことを…」

イッキ「帰ってくれ!」
アリカ「…わかった。
でもあんまり自棄になっちゃ駄目よ?」

イッキ「…」

アリカ「また来るわ。
行きましょ、ブラス」

ブラス「はいアリカちゃん。
さよならイッキさん」


9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:06:30.95 ID:1XaDDJsAO
イッキ「…」

チドリ「イッキ」

イッキ「…母さん、聞いてたんだ」

チドリ「女の子泣かせちゃ、だめよ?」

イッキ「…出かけてくる」

チドリ「そう…、お夕飯までには…」

イッキ「いらない。
父さん今日も遅いの?」
チドリ「ええ、今週は帰れないみたい」

イッキ「そっか…、行ってきます」

チドリ「はい、行ってらっしゃい」


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:13:40.27 ID:1XaDDJsAO
メダロポリス

イワノイ「おお、イッキじゃねーか!久しぶり」

イッキ「イワノイ…」

イワノイ「何だ辛気くさい顔してんな~。どうしたんだよ」

イッキ「キクヒメとカガミヤマは?」

イワノイ「ん?おいおい、いくらオイラ達だって四六時中一緒にいるわけじゃないんだぜ?」

イワノイ「最近じゃ三人揃うこともなかなかないんだぜ?」

イッキ「そりゃそうか、それにしても…」


11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:21:18.22 ID:1XaDDJsAO
イワノイ「?なんだよ」

イッキ「似合わないな、スーツ」

イワノイ「うるせー、こっちは無い内定で必死なんだよ!!」

イッキ「…」

イワノイ「あ~あ、いいよなイッキは。理系の大学いって研究所だろ?
メダロット博士とかナエさんとかコネもいっぱいあるし」

イワノイ「どうせもう内定いっぱい取ったんだろ?」


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:26:59.32 ID:1XaDDJsAO
イッキ「…」

イワノイ「ありゃ?もしかしてオイラまずいこと聞いちまった?」

イッキ「…」

イワノイ「は、はは。じゃあな、今度飲みにでも行こーぜ」

イッキ「イワノイ」

イワノイ「え?」

イッキ「ブルースドッグは?」


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:34:54.48 ID:1XaDDJsAO
イワノイ「あ、ああ元気だぜ?」

イワノイ「メダロット転送!」

ギュインギュイン

ブルドッグ「…おやびん、どうかしましたか?」
イワノイ「いや、イッキの奴が。で、ブルースドッグに何のようだ?」

イッキ「…はは、なんでもない。元気ならいいんだ」

イワノイ「イッキ…」

イッキ「じゃあな、就活頑張れよな!イワノイ」
イワノイ「お、おお、今度絶対飲みにいこうな?おやびん達も誘うからよ!!」

イッキ「うん」


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:44:25.02 ID:1XaDDJsAO
おみくじ町 コンビニ

???「いらっしゃい」
???「って、なんだ。イッキ君じゃないか」

イッキ「ヒカルさん」

ヒカル「どうしたんだい、こんな昼間っから、学校は?」

イッキ「今日は講義がなくって」

ヒカル「いいよな~大学生は気楽で」

イッキ「はは」

ヒカル「でもそろそろ就活とかしなきゃいけない時期なんじゃないか?」
イッキ「…」


15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 12:57:23.14 ID:1XaDDJsAO
イッキ「ヒカルさんこそ、いつまでコンビニで働いてるつもりですか?」

ヒカル「うっ
いいんだよ、とくにすることないしね」

イッキ「答えになってないですよ」


16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 13:18:02.81 ID:1XaDDJsAO
イッキ「そういえば最近でませんね、アレ」

ヒカル「なんのことだい?」

イッキ「怪盗レトルト」
ヒカル「ぶっ!!」

イッキ「ちょっと、汚いですよヒカルさん」

ヒカル「ご、ごめんごめん」


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 14:55:03.09 ID:1XaDDJsAO
ヒカル「いや~怪盗レトルトはもう現れないんじゃないかな~」チラッ

イッキ「…」

ヒカル「最近はメダロット絡みの犯罪も少なくなったし」チラッ

イッキ「…」


18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 15:04:36.11 ID:1XaDDJsAO
イッキ「でも騒ぎにならないだけで実は裏で何かしてるんじゃ…」

ヒカル「そ、そんなことはしてないんじゃないかな。
多分、いや絶対」

イッキ「そうですか」

イッキ「じゃあほんとに今はアルバイトしてるだけなんですね、ヒカルさん」

ヒカル「うっ」


19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 15:19:49.34 ID:1XaDDJsAO
イッキ「ヒカルさん、確かそろそろ三十路ですよね、いいんですか?
このままで」

ヒカル「今日はやけに絡むじゃないか、なにかあったのかい?」

イッキ「別に何でもないですよ」

ヒカル「そうは見えないな」

イッキ「ほっといてくださいよ!!」ダッ

ヒカル「えぇ!?ちょっとイッキ君!!」

ヒカル「…え~と」

ヒカル「ま、いいか…仕事仕事」イソイソ


20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 15:31:15.76 ID:1XaDDJsAO
イッキ「俺もヒカルさんみたいになるんだろうか」

ーイッキは悩んでいた、就職のこと、大学のこと、アリカのこと。
そして何より…自分はゲーム、アニメ、漫画、どのイッキなのかと。
ちなみに正解はアニメとゲームの中間、本来ありえないss用のカスタムイッキであるー


21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 15:46:24.65 ID:1XaDDJsAO
コウジ「イッキ君!!」

イッキ「げっコウジ」

コウジ「聞いたぞ!君、まだ就活を全然してないそうじゃないか!!」

イッキ「誰から聞いたんだよ…」


22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 16:15:43.23 ID:1XaDDJsAO
コウジ「そんなことはどうでもいい。
僕は君がどういうつもりなのか問いただしに来たんだ!!」

イッキ「…なんだかなあ」

コウジ「どうして就職サイトに登録をしない!!
エントリーシートを、履歴書を書こうとしない!!
なぜ説明会に、ハローワークに行かないんだ!!
何かやりたい仕事はないのか!?
ないなら地域でしぼったらどうだ!?なあ!!」


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 16:21:23.40 ID:1XaDDJsAO
イッキ「ちょ、ちょっと落ち着けよコウジ」

コウジ「…なんてな」

イッキ「え?」

コウジ「実は君が就職を諦めていると聞いたとき、胸がすく思いだった」
イッキ「いや別に諦めたとかじゃ」

コウジ「僕達は一般人とは違うものな!!」

イッキ「あの…」


24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 16:30:40.68 ID:1XaDDJsAO
コウジ「僕達はロボトル世界大会二位の日本チームだったんだ!!
メダリンピックでも優勝したし、ロボトル以外の競技でも軒並み好成績をあげてきた」

イッキ「…」

コウジ「何が一般常識だ!!協調性だ!!そんなものはクソ食らえだ!!僕らは特別なんだ!!
なあそうだろう?イッキ君」

コウジ「それに僕らはロボロボ団の魔の手から何度も世界を救っているんだ!!
もっと敬われたり尊敬されたりするべきなんだ!!」


25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 16:39:41.60 ID:1XaDDJsAO
イッキ「なあ、コウジ…」

キャー

イッキ・コウジ「!?」

ロボロボ団「そのメダルを渡すロボ~」

少女「やめてえ」

コウジ「メダロット転送!!」

ギュインギュイン

コウジ「行け!スミロドナット!ストローハンマーだ!」

スミ「できません、マスター」

コウジ「なっ」

スミ「その行為は…
メダロット46原則
第28条 “一般メダロッターの命令による特定エリアでの武器パーツの使用禁止”に抵触します」


32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:00:28.82 ID:1XaDDJsAO
コウジ「46!?こないだまで30くらいだったじゃないか!!
また増えたのか!メダロット3原則は!!」

イッキ「こっちです!!」

セレクト隊員1「コラー!!貴様何をしているのでありますか!!」

ロボロボ団「ちっ邪魔が入ったかロボ」スタコラ

セレクト隊員2「まてー、逃がさんであります!!」オッカケ

少女「ありがとう」

セレクト隊員3「いえ我々は職務ですので、礼なら通報してくれたこちらの少年に…」

少女「…?」イナイ

セレクト隊員3「おや、おかしいですね。
先ほどまで確かに一緒にいたはずだったのですが…」


33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:12:48.38 ID:1XaDDJsAO
コウジ「どうして僕たちが逃げないといけないんだ!!」ダッシュ

イッキ「コウジお前、町中で攻撃パーツ使おうとしてただろうが!!
メダロット原則に違反する行為は立派な犯罪なんだぞ!!」ダッシュ

コウジ「犯罪に立派も惨めもあるものか!!
だいたい君だって昔はよくやってたことじゃないか!!
僕は覚えてるぞ平気な顔で民間人にメダフォースかましてたじゃないか!!」ダッシュ

イッキ「へ理屈こねるな!!今と昔じゃ事情が…」

ドン!!

イッキ「イテっ!!」


34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:18:51.40 ID:1XaDDJsAO
???「イテテ、気をつけるロボよ!!」

イッキ「す、すいません…ロボ?」

コウジ「あ~!!お前はさっきのロボロボ団!!」

ロボロボ団「ロボー!!」

イッキ「このやろー」ガシッ

コウジ「こうしてやる!!」シバリ

ロボロボ団「や、やめるロボー!!」


35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:26:28.58 ID:1XaDDJsAO
コウジ「よし、これだけ縛ればもう動けまい」

ロボロボ団「キュー」

イッキ「もういいだろ、行こうぜコウジ」

コウジ「な、何言ってるんだイッキ君!!
こいつらが現れたってことは、またぞろ何か企んでるって事だぞ!?
放っておいていいのか!?」


36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:33:51.23 ID:1XaDDJsAO
イッキ「それはセレクト隊の仕事だろ?
俺たちの出る幕じゃないんだよ」

コウジ「見損なったぞイッキ君!!君がそんな奴だったとは!!」

イッキ「あ~あ、付き合ってらんないね。
俺は帰るから、好きにしろよ」

コウジ「あ~好きにさせてもらうさ!!
やいっ!ロボロボ団!!」

コウジ「お前ら給料いくらだ!」


イッキ「え?」
ロボロボ団「ロボ?」


38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:42:00.26 ID:1XaDDJsAO
イッキ「ちょ、ちょっと待てよコウジお前何言ってんだ!!」

ロボロボ団「月5万ほどロボ」

イッキ「少なっ!」

コウジ「少ないな」

イッキ「ってお前も普通に答えてるんじゃねーよ」グリグリ

ロボロボ団「い、イジメないでロボー」


39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:48:23.61 ID:1XaDDJsAO
コウジ「本当の事を言え!!月五万円でどうやって暮らすっていうんだ!!
ここメダロポリスなら家賃にもならないぞ!!」グリグリ

ロボロボ団「痛いっ、痛いロボ」

イッキ(…なんでだろう、ロボロボ団の給料なんてすごくどうでもいいことの筈なのに)

イッキ(興味あるーー!!)


40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 19:58:36.29 ID:1XaDDJsAO
ロボロボ団「話すっ!話すからヘルメットを捻るのをやめるロボ!」

コウジ「ふん」パッ

ロボロボ団「あ~痛かったロボ。
で、え~と家賃のことならアジトがあるから問題ないロボ」

コウジ「なら食費は?」
ロボロボ団「それもアジトで無料で食べれるから問題ないロボ」

コウジ「服は…」

ロボロボ団「食事と同じでこのスーツを何着でも無料支給してくれるロボ。
そもそも衣食住の代金は全部元々の給料から引かれてるから問題ないロボ」

コウジ「な、なるほど」
イッキ「い、意外だ…。
いや当然と言えば当然な気も…」ブツブツ


41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:05:50.55 ID:1XaDDJsAO
コウジ「じゃあつまり、お前らロボロボ団は毎月自由に使える金が五万円あるってことだな」

ロボロボ団「そういうことになるロボ」

コウジ「で、お前らいつも何をやってるんだ?」

ロボロボ団「ロボ?」

コウジ「仕事だよ、仕事の内容!!」

イッキ(そうだコウジ!確かにそこはかなり気になる)


42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:14:48.07 ID:1XaDDJsAO
ロボロボ団「基本的にはアジトで待機ロボ。
その間みんなで大富豪したり麻雀したりして勝負の勘を鍛えているロボ」

コウジ「大学生か!!」
イッキ「おいロボトルしろよ」

ロボロボ団「そして命令が来たら一斉に地上にでてイタズラするロボ。
大抵は夏になると幹部たちがやる気になって作戦が始まるロボ」

コウジ「何かに似てるな」
イッキ「あの黒い虫かな」


43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:23:37.02 ID:1XaDDJsAO
ロボロボ団「とまあ我々はこんな感じで生きているロボ」

イッキ「すごく無駄な時間をありがとう…」

コウジ「…」

コウジ「いい」

イッキ「へ?」

コウジ「素晴らしいじゃないか!!
毎日遊んでるだけで金がもらえるだって!?
最高だ!!」

イッキ「コウジ!その結論はおかしい!!
だってロボロボ団だぞ!?
メダロット3原則が適用されない生き物で、データとしてメダロッチに転送されちゃったこともある、
あのロボロボ団だぞ!?」


44:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:31:37.46 ID:1XaDDJsAO
コウジ「君こそ落ち着きたまえイッキ君!」

イッキ「何?」

コウジ「僕はお金持ちだ!!」

イッキ「はい?」

コウジ「言ってしまえば働かなくったって飯は食えるんだよ」

コウジ「その僕が!!
シャリーンをダースで買える僕がなぜ就活なんてしているかわかるか!?」

イッキ「え~と」

コウジ「体裁が悪いからさ、ご近所に後ろ指を指されるのが嫌だからだ!!」


46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:40:15.92 ID:1XaDDJsAO
イッキ「え~」

コウジ「ここだけの話。
就職が決まらなかったら武者修行と称して、旅にでも出るつもりだった」

コウジ「さあロボロボ団!!
僕をそのアジトへと連れて行け!」

ロボロボ団「は、話が見えないロボ」

イッキ「そうだコウジ!おかしいぞ!
ロボロボ団になんかなったら余計に後ろ指差して笑われるぞ!!」

コウジ「構わん!」

イッキ「!?」


47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 20:52:27.87 ID:1XaDDJsAO
コウジ「何故ならば!!
ロボロボ団になってしまえばそんな事気にならないからだ!!」


イッキ(なんだかな~)
コウジ「ところでロボロボ団」

ロボロボ団「ロボ?」

コウジ「入団するのに資格が必要だったり、条件があったりはするのか?」

ロボロボ団「資格は必要ないロボ。
あと四大卒でも短大卒でも高卒でも中卒でも、給料や労働時間その他には特に差はないロボ」

コウジ「ふ~ん、僕はロボトルに関して自信があるんだがその点は評価されないのか?」

ロボロボ団「そういうことは幹部と相談して決めてほしいロボ」

イッキ(そういえば幹部って今もサケカース達なのかな?)

コウジ「わかった、案内してくれ」


48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:01:11.47 ID:1XaDDJsAO
イッキ「だから待てってコウジ!
お前ロボロボ団の幹部にでもなるつもりかよ!!」

コウジ「幹部?
イッキ君、君は何を聞いていたんだ…」ヤレヤレ

コウジ「幹部なんかになったら、働かなきゃいけないだろう!?
ぼ!く!は! ロボロボ団員になりたいんだ!」
イッキ(ダメだこいつー!!)ガビーン

コウジ「さ、縄はほどいたぞ」シュルシュル

ロボロボ団「じゃ、行くロボ」

イッキ「待てよ!!」


49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:08:34.82 ID:1XaDDJsAO
イッキ「いい加減にしろよコウジ!
どんなに情けなくても、ロボロボ団は犯罪集団なんだぞ!!」

イッキ「メダロットを悪いことに使う奴らなんだよ!!
お前だってさっき必死にやめさせようとしてたじゃないか!!」

イッキ「そのお前が!!
なんでロボロボ団に入るなんて言うんだよ!!」
コウジ「…」

イッキ「な、考え直せよ」

コウジ「…なら、言わせてもらうが」


50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:19:00.85 ID:1XaDDJsAO
コウジ「こいつらのする悪いことなんてタカが知れてる。
ピンポンダッシュとか、せいぜい子供からメダルを盗んだりする程度さ」

イッキ「だからどうした、悪いことには変わりないだろ」

コウジ「そうだよな!!町中で攻撃パーツを使うのも、変わりないよな!!」

イッキ「コウジ!!それは…」

コウジ「違わないんだろう!?
立派な犯罪だ!!」

コウジ「ああそうさ、僕は!本当は!悪事を止めたかったんじゃない!!
ロボロボ団を追い詰めたかったんだ!!
大義を盾に、また自由にロボトルがしたかったんだ!!」

イッキ「コウジ…」


51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:34:15.48 ID:1XaDDJsAO
コウジ「君だって感じてるだろ?
今この世界はおかしくなって来てるんだよ!」

コウジ「公共の場でのロボトルの禁止!
テレビや動画サイトでのロボトル視聴の規制!
パーツ、メダル売買許可を所有している企業の寡占、独占化!」

コウジ「原則の急な増加だってそうだ!
メダロット達は規則にどんどん雁字搦めにされてる!」

コウジ「今やメダロットと一緒に歩いているだけでセレクト隊を呼ばれる!」

コウジ「こんなのってあるか?」


52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:38:29.91 ID:1XaDDJsAO
イッキ「でも、だからって…」

コウジ「すまない、もう決めたんだ」

ロボロボ団「もういいロボか?」

コウジ「ああ」

イッキ「コウジ」

コウジ「さよならだ。
天領イッキ」


53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 21:42:49.13 ID:1XaDDJsAO
ーこうして友は去っていった。
イッキには引き止める事は出来なかった。
何故ならばその胸に、友と同じ焦燥を抱えていたからであるー


54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 22:21:52.73 ID:1XaDDJsAO
天領家

イッキ「ただいま」

ジョウゾウ「おかえりイッキ、遅かったな」

イッキ「父さん、今週は帰らないって母さんが」
ジョウゾウ「ああ、スケジュールが他の隊員と交代になったんだ」

イッキ「そうなんだ」

ジョウゾウ「イッキ」

イッキ「お休み」

ジョウゾウ「イッキ!」
イッキ「!?」ビクッ

ジョウゾウ「ここに座りさい」


55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 22:33:27.61 ID:1XaDDJsAO
ジョウゾウ「メダロット博士からまたメールが届いてたぞ?
顔ぐらい出しに言ったらどうだ?」

イッキ「…」

ジョウゾウ「まあいい、お前がメダロットの研究者になるのが嫌になったなら父さんは一向に構わん」

ジョウゾウ「それで、他にやりたいことはないのか?」

イッキ「…」

ジョウゾウ「前にも言ったが、セレクト隊はどうだ?
試験までまだひと月はあるし、父さんやトックリさんだって…」

イッキ「ははは、父さん駄目だよ。
どうぜ俺の頭じゃ筆記で落ちるのが目に見えてるって」

ジョウゾウ「そんなことは…」

イッキ「無理やりねじ込んだりしたらまた公務員が~ってマスコミに叩かれちゃうよ」


56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 22:40:25.36 ID:1XaDDJsAO
イッキ「大丈夫だって、今日だって企業説明会に行って来たんだ」

ジョウゾウ「そ、そうか」

イッキ「うん、父さんこそ頑張ってよ、今大変なんでしょ?大丈夫なの?」

ジョウゾウ「…ははは、大丈夫さ心配ない。みんなすぐわかってくれるさ」

イッキ「うん、わかった。おやすみ、父さん」

ジョウゾウ「おやすみ、イッキ」


58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 22:51:39.65 ID:1XaDDJsAO
イッキ(父さんに嘘ついちゃった。
本当は今日も、何もしてないのに)

ーセレクト隊にでもなればいいじゃないー

イッキ(アリカ…)

ー今度、絶対飲みに行こうな!!ー

イッキ(イワノイ…)

ーさよならだ
天領イッキー

イッキ(コウジ…)

イッキ(ごめんよ、父さん。
俺、本当はセレクト隊になんかなりたくないんだ)

イッキ(俺からメタビーを奪った、セレクト隊になんか)


59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/18(水) 23:01:42.12 ID:1XaDDJsAO
何も考えずに書いてたらいつの間にかこんなことに…
まとめられそうにないのでここでやめときます。
>>1はメダロットが大好きで、もしイッキが就活に行き詰まったらどうなるかな、と思って書いてみました。

支援や期待してくれた方、ありがとうございました。とても嬉しかったです。


60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/18(水) 23:03:34.03 ID:VijG/Nn/o
いやいや、書こうよ。待つよ。


63:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 00:38:09.34 ID:U/KqXeEAO
私は宇宙メダロッターXというものだが、どうだろう、私がこのSSの続きを書くというのは?

まあ、ダメだと言われても書くがな!!

ハーッハッハッハッ!!


64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/19(木) 00:57:31.00 ID:PrAOjqH6o
なんの問題も無いですヒカル兄さん


65:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 01:19:06.33 ID:U/KqXeEAO
元浮翌遊要塞フユーン

セレクト隊1「そっちに行ったであります!」

セレクト隊2「了解!!
アタックティラノ、ファイヤー!!」

ゴォォ!!

野良メダロット「キャー」

セレクト隊2「スカイプテラ!!捕獲するであります!ホールド!」

野良メダロット「ドウシテ コンナコト スルノ?」

セレクト隊2「こちらセレクトツー、野良メダロットを捕獲しました」

セレクト隊1「そいつで最後であります。直ぐに帰還せよ」


66:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 01:30:31.76 ID:U/KqXeEAO
セレクト隊2「了解、セレクトツー、これより帰還するであります」

セレクト隊2「…全く人使いが荒いぜ、であります」ズルズル

野良メダロット「ヤー ヤー」

セレクト隊2「こら!暴れるなであります!!」ブン

野良メダロット「イタイ イタイ」

セレクト隊2「ふん、メダロットが痛みを感じるかよ!!…であります」
セレクト隊2「まったくお前らのせいで、こんなクソ暑いところで仕事せにゃならんのであります」

セレクト隊2「だいたい、とって食うわけでもないんだからそんなに抵抗するなでありま…」ドサッ

セレクト隊2「?縄が…」

ざっ…ざっ…

???「貴様等にはわかるまい」

ざっ…ざっ…

???「大切な場所を土足で踏みにじられた者の心の痛みなど…」

セレクト隊2「お、お前は…!!」


67:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 01:43:43.05 ID:U/KqXeEAO
セレクト隊2「お、お前は!!指名手配中のKWG型メダロット!!」

セレクト隊2「確か名前は…」

スパーン!

セレクト隊2「ロク…ショ…」ドサッ

ロクショウ「大丈夫か?」

野良メダロット「ハイ アリガトウ アナタ トッテモツヨイノネ」

ロクショウ「今のヤツが弱すぎただけのことだ」
野良メダロット「ソンナコトナイ アナタハ ニンゲンヲ コウゲキデキル ソレハスゴイコトヨ」

ロクショウ「…」

ロクショウ「ただ、壊れてるだけさ」


69:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 01:51:26.14 ID:U/KqXeEAO
ロクショウ「行くぞ、まだ仲間が捕まっているのだろう?」

野良メダロット「タスケテ クレル ノデスカ?」

ロクショウ「用事のついでだ、気にするな」

野良メダロット「?」

ロクショウ「俺は、確かめなくてはならないんだ」


ロクショウ(待っていろ、イッキ)


70:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:01:52.69 ID:U/KqXeEAO
天領家

イッキ「…もう昼か、二限サボっちゃったな」グシグシ

イッキ「レポートもやってない。ま、いつものことか」フワーア

ピンポーン

イッキ「誰だよ、めんどくさいなあ」

ピンポーン

イッキ「はいはい、今でますよ」

ガチャ

イッキ「…いっ!?」

イッキ「あなたは…ナエさん!」

ナエ「どうも♪」


71:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:07:45.45 ID:U/KqXeEAO
ナエ「急に連絡とれなくなっちゃったから。心配してたのよ?」

イッキ「すみません」

ナエ「いいわ、こうして元気なイッキ君と会えたから、許してあげる」

ナエ「…あがってもいい?」

イッキ「あ、はい!」ドウゾドウゾ


72:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:13:45.16 ID:U/KqXeEAO
ナエ「イッキ君とはそれなりに長い付き合いだけど…」

イッキ「…」ドキドキ

ナエ「お家にお邪魔するのは、これが初めてね」
イッキ「そ、そうですね」

ナエ「ねえ、イッキ君」
イッキ「は、はい」

ナエ「どうして逃げたの?」


73:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:21:52.01 ID:U/KqXeEAO
イッキ「逃げ…?」

ナエ「ええ、あなたは逃げたの。自分の夢から」

ナエ「覚えてないとは言わせないわ」

イッキ「…」

ナエ「もっとメダロットのことが知りたいから、あなたはそう言って研究者を志した」

ナエ「昔のあなたからは想像も出来ないくらい勉強して、今の大学に合格した」

ナエ「多少なりともあなたのフォローをしていた私は誇らしかったわ」


74:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:31:03.23 ID:U/KqXeEAO
ナエ「あれからあなたは随分高度な知識も身につけた」

ナエ「充分うちの研究者でも働ける、いえどこに出しても恥ずかしくないレベルの研究者になったわ」

ナエ「なのにどうして?
どうしてこんな所でくすぶっているの?ねえ、イッキ君」

イッキ「…全然、許してくれてないじゃないですか」

ナエ「…許しているわ、ただ納得できないだけ」


75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/19(木) 02:42:33.68 ID:U/KqXeEAO
イッキ「やっぱり研究とか難しいことは向いてなかったんですよ。俺には」

ナエ「…」

イッキ「ナエさんは、俺のこと買い被り過ぎなんです」

イッキ「博士にだって言われました。おまえさんには向いとらんって」

ナエ「お父様が!?」

イッキ「あとはメダロットに対する興味が無くなっちゃったていうか」

ナエ「嘘!!」

イッキ「本当です」

ナエ「嘘っ!!」


76:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 02:51:12.79 ID:U/KqXeEAO
イッキ「本当です」

ナエ「…嘘」

イッキ「本当…なんですよ」ブルブル

ナエ「…」

イッキ「メダロットのこと、パーツのことメダルのこと」ブルブル

イッキ「知れば知るほど…どんどん、どんどん」
イッキ「メダロットが!!友達が!!友達だったものが!!」

イッキ「ただの機械にしか…見えなくなってしまって」

イッキ「メダルに原則を守らせる為の処理ありますよね?」

ナエ「…ええ」


77:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 03:00:36.85 ID:U/KqXeEAO
イッキ「初めて立ち会った時、俺泣いたんです。

ただ悲しくて、目の前で何か大切なものが失われていくような気がして」

イッキ「でも今じゃ何も感じない。
あの時どんな風に感じたか思い出すことが出来ない」

イッキ「泣いたという事実は覚えていても、感情が湧き上がってこないんです」

イッキ「ナエさん、俺が研究所の誘いを断ったのはそれが理由です」

イッキ「慣れていく自分に耐えられなかった。
結局、向いてなかったんですよ」


78:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 03:06:47.13 ID:U/KqXeEAO
ナエ「そう、よく話してくれたわね」

イッキ「…」

ナエ「あなたは誰よりもメダロットが好きで、優しい子だった」

ナエ「そして私も、そんなあなたが好きだった」
イッキ「ナエさん」


79:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 03:19:10.02 ID:U/KqXeEAO
アリカ「そーいうことだったのね」パシャ

イッキ「まぶしっ!ってアリカ!!おまえ空気読めよ!」グシグシ

アリカ「ふーんだ、ワタシがいくら聞いても答えてくれなかったくせに。
ナエさんにはあっさり白状しちゃって!罰よ!罰!」

イッキ「な、なんだよそれえ」

ナエ「フフフ、相変わらず二人とも仲がいいのね」

イッキ「どこを見たらそうなるんですか…」

アリカ「なによ~」

ナエ「じゃ私は研究所にもどるわね。
イッキ君、お父様が寂しがるからたまには顔を見せてね」

イッキ「は、はい」

ナエ「じゃ、アリカちゃんもまたね」

アリカ「はい、さようなら」


80:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 03:25:54.36 ID:U/KqXeEAO
イッキ「やっぱりナエさんはいいな~」デレ

アリカ「…ほんとあんたって昔からちっとも変わってないんだから」ムカ

イッキ「はっ!アリカには言われたくないね~」
アリカ「なんですってー!」

チドリ「まあまあ二人とも、とりあえずお茶にしない?」

イッキ「って母さん!!いつからそこに!?」

チドリ「あらあら、そういえばイッキは朝食もまだだったわね」

イッキ「聞いてないしぃ」

アリカ「流石チドリママね…」


81:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 03:28:31.44 ID:U/KqXeEAO
>>64 今気づいたが私はヒカルなどという者ではない!
宇宙メダロッターXだ!

流石の私ももう眠いので寝る!
それでは、さらばだ!


82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方):2011/05/19(木) 03:44:57.98 ID:qC5Ck1yX0
おもしろかった!
期待だぜ!乙


89:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 13:20:33.98 ID:U/KqXeEAO
テレビ「…メダロットと人間の関係をもう一度考えてみませんか?」

イッキ「…」モグモグ

アリカ「…」ジー

テレビ「人とメダロットの明日の為に、今私たちができること」

イッキ「この人最近よく見るね」ズー

アリカ「ああ、カスミさんね。あんた覚えてないの?」

イッキ「覚えてるよ。久しぶりの負けだったし。
強かったなあ、女の子みたいな顔して…」

アリカ「あの時は確か中学生だったわよね。それが今じゃ期待の若手議員だもの」

イッキ「世の中どうなるかわからないもんだなあ」

アリカ「…イッキ、安心なさい」

イッキ「?」

アリカ「女装したらあんたのほうが絶対可愛いわ!」

イッキ「なんだかな~」


90:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 13:35:03.87 ID:U/KqXeEAO
イッキ「ごちそうさまでした」

チドリ「お粗末様でした」

アリカ「さ、イッキ!行くわよ!」

イッキ「行くって、どこに?」

アリカ「今噂の、強いロボロボ団を調査しに行くのよ」

イッキ「なんかそれ、昔も聞いたような」

アリカ「うっ…そうね。でもロボロボ団もいろいろやってるし。
作戦がかぶるのもしょうがないんじゃない?」

イッキ「う~ん」

イッキ(強いロボロボ団ってもしかしてコウジのことなんじゃ…)

アリカ「ほら、あんたどうせ暇でしょ?
いいから付き合いなさいよ!」

イッキ「…わかったよ」
イッキ(でも昨日今日で噂がそんなに広まるだろうか)

アリカ「おばさーん、行ってきまーす♪」

チドリ「はい、行ってらっしゃい。イッキも気をつけてね」

イッキ「行ってきます」
イッキ(まあいいか。
とくにすることないし)


91:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 13:56:56.07 ID:U/KqXeEAO
メダロポリス
メダロッターズ前

アリカ「なるほど、それでセレクト隊は?」

おばちゃん「それがもうボロ負けよ!情けないったらないわ~」

アリカ「そのロボロボ団の特徴は?」

おばちゃん「ん~、特徴って言われても、普通に金魚鉢をかぶったスーツ姿だったわよ」

アリカ「そうですか、ご協力ありがとう御座いました。
また何かありましたらご一報ください」

おばちゃん「ええ、わかったわ」

アリカ「失礼します」



イッキ「どうだった?」
アリカ「う~ん、目撃証言は多いんだけど。あまり役に立ちそうにないわね」

イッキ「そっか、使ってるメダロットのこととかは?」

アリカ「うん、どうもそれがね。KBTタイプのメダロットらしいの」

イッキ「へー、渋いチョイスするなあ」

アリカ「あんたがそれ言う?」

イッキ「ははは…」

イッキ「それで、そいつはどんな悪いことしてるの?」


92:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 14:53:28.50 ID:U/KqXeEAO
アリカ「どうやら騒ぎを起こして、駆けつけたセレクト隊とロボトルするらしいわ」

イッキ「それで?」

アリカ「それだけよ」

イッキ「なんじゃそりゃ」

ロボロボ団「そこのお前ら~!!
メダルをよこすんだぜぇロボ」

イッキ「!?」
アリカ「!?」


95:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 22:41:28.11 ID:U/KqXeEAO
イッキ「おいりんたろう」

ロボロボ団?「な、なんのことだぜぇ…ロボ」

アリカ「強いロボロボ団の正体はりんたろうだったのね」スクープ!

りんたろう「人の話を聞くだぜぇ!!」

イッキ「お前、なんでロボロボ団なんかになっちゃったんだよ!!」

りんたろう「うるさいだぜぇ!!イッキには関係ないだぜ!!」ダッ

アリカ「あ、逃げた」

イッキ「追うぞ、アリカ!!」ダッ

アリカ「ちょっとイッキ!」ダッ


96:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 23:02:43.26 ID:U/KqXeEAO
イッキ「追い詰めたぞ、りんたろう!」

りんたろう「こ、こうなったらメダロット転送だぜぇ!」

ギュインギュイン

カンタロス「だぜぇ!」
りんたろう「ロボトルで勝負だぜ!」

アリカ「ロボトルって」
イッキ「こんな町中でロボトルなんかできるかよ!」


97:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 23:24:38.16 ID:U/KqXeEAO
りんたろう「…イッキまで、そんなこと言うのかだぜ」

りんたろう「どうしてロボトルしちゃいけないんだぜ!!」

イッキ「…私有地や公式大会でのロボトルは認められてる。
あくまで公共の場でメダロット同士を戦わせることが禁止されてるだけだろ?」

イッキ「りんたろう、もしお前がロボロボ団の真似事なんかしてるのが、そういう理由からだったなら…」

りんたろう「ふざけんなだぜ!!」

イッキ「!?」

りんたろう「公式大会なんてもう何年も行われてないぜ!!」

りんたろう「それに、自由にロボトルできるほど広い私有地を持った家庭なんて、そうそうあるわけないぜ!!」

りんたろう「俺だって、ずっとずっと我慢してきたんだぜ!!
でももう限界だぜ!」

りんたろう「さあイッキ!!
メタビーを出すだぜ!!」


98:宇宙メダロッターX:2011/05/19(木) 23:55:43.10 ID:U/KqXeEAO
りんたろう「さあ!!」

イッキ「…」

アリカ「りんたろう!あんた何言ってんのよ!
どっちにしたって、原則の改正でメダロットの行動は制限されてるのよ?
ロボトルなんてできるわけないわ!!」

りんたろう「方法ならあるぜ」

アリカ「え?」

りんたろう「メダロット3原則 第2条
“人間に危険が降りかかるのを見過ごしてはならない”」

りんたろう「…カンタロス、イッキに攻撃するだぜ」


99:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 00:16:18.95 ID:4V2L/UlAO
アリカ「そ、それこそできるわけっ」

ドンッ!!

イッキ「!!」

りんたろう「次は当てるだぜ」

りんたろう「真似事なんかじゃない。
今の俺は、ロボロボ団員の波島鱗太郎なんだぜ!」

イッキ「…」

イッキ「お前にそんなことできるわけないだろう、りんたろう」

りんたろう「カンタロス!」

ドンッ

イッキ「痛っ!」

アリカ「イッキ!!」

イッキ「…うっ、大丈夫かすり傷だ」

アリカ「りんたろう!!あんた!!」

りんたろう「イッキ、次はアリカを撃つだぜ」

アリカ「なっ」

りんたろう「3、2、1…」


100:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 00:27:27.06 ID:4V2L/UlAO
イッキ「メダロット転送!!」

ギュインギュイン

りんたろう「やっとイッキがその気になっただぜ!
さあ!ロボトろ~ぜ!」

イッキ「ブラックヒューザ!」

ドンッ!

りんたろう「よ、よけろ!カンタロス!」

イッキ「逃がすな!ブラックバリスタ!」

ドドドッ!!

カンタロス「ダゼッ!」
りんたろう「カンタロス!」

イッキ「とどめだ、ブラックバリスタ!」

ドドォォッ!!

りんたろう「カンタロス~!!」

カンタロス機能停止


101:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 00:47:48.85 ID:4V2L/UlAO
ブラックビートル「まったく、久々に呼び足されたと思ったら、いきなりロボトルとはね」

イッキ「…ごめんな、あんまり構ってやれなくて」ナデナデ

ブラビ「べ、別にそんなんじゃないわよ。ふんッ」テンソウ

ギュインギュイン

アリカ「イッキ!大丈夫!?」

イッキ「言ったろ、かすり傷だって」

りんたろう「…」

りんたろう「イッキ、ごめんだぜ」


102:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 01:04:02.29 ID:4V2L/UlAO
イッキ「今のロボトル楽しかったか?」

りんたろう「…」

イッキ「だろ?嫌がる相手と無理やりロボトルしたって楽しいわけないんだ」

りんたろう「…イッキ、俺、俺!」

りんたろう「ロボトルする場所が、人が、どんどん減ってくのが寂しくて、悔しくて!!」

りんたろう「懐かしそうに、まるで大昔のことみたいにメダロットの事を語る奴らが憎くて!!」

りんたろう「ただ楽しくロボトルしたいだけなのに注意されたりするのが、辛くて…」

りんたろう「でも、それでも誰かを傷つけるなんて、サイテーだぜ」

イッキ「りんたろう…」
りんたろう「ごめんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!!
イッギィィ!!!!」ドゲザ


103:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 01:19:48.28 ID:4V2L/UlAO
りんたろう「ふう、ひとしきり泣いたらすっきりしただぜ」

イッキ「俺の服べチョベチョなんだけど…」ベト

りんたろう「細かいことは気にするなだぜ」

イッキ「お前が気にしろよ」

アリカ「それよりイッキほんとに大丈夫なの?」
イッキ「だから何度も大丈夫って言ってるだろ。しつこいぞアリカ」

アリカ「しつこいってなによー!!」

りんたろう「ふたりとも喧嘩はよすだぜ」

アリカ「元はといえばあんたが原因でしょ!!」


104:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 01:42:49.97 ID:4V2L/UlAO
イッキ「そうだりんたろう、お前結局なんでロボロボ団なんてやることになったんだよ」

りんたろう「?さっき言った通りだぜ」

イッキ「あ、いやそうじゃなくて。きっかけは何だったんだ?
スカウトされたとか、求人見つけたとか、いろいろあるだろ」

りんたろう「あー、俺はセレクト隊から逃げ回ってる所に声をかけられたんだぜ」

イッキ「なんで逃げてたんだよ」

りんたろう「それは、アイツらがメダルを見せろってしつこく追いかけて来たからだぜ」

イッキ「りんたろうお前もしかして…」

アリカ「はいストップ!立ち話もなんだからファミレスでも入らない?
あとりんたろう、その格好なんとかしなさいよ!
ほんとにセレクト隊呼ばれちゃうわよ」

りんたろう「わかっただぜ」ヌギヌギ

アリカ「コラここで脱ぐな!!ってなんだ下に服着てたのね…。
ねえそれ、蒸れないの」?

りんたろう「このスーツ、実はビックリするほど快適なんだぜ」

アリカ「意外だわ…」

イッキ(そういや宇宙でも平気だったな、無駄に便利だ)


105:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 02:28:12.90 ID:4V2L/UlAO
メダロポリス
喫茶店

アリカ「で、結局ここに落ち着くのね」

イッキ「てゆーかまだ営業してたんだ、ここ」

アリカ「紆余曲折あったらしいけどね」

りんたろう「俺、カツカレーうどん定食にするだぜ」

アリカ「あ、アタシも」
イッキ「俺はさっき食べたばっかりだからいらない」

りんたろう「じゃあ注文するだぜ、店員さ~ん!」

店員さん「はい、ご注文の方をどうぞ」

りんたろう「カツカレーうどん定食二人前で…」

店員さん「お飲み物のほうはいかが致しましょうか」

イッキ「俺アイスコーヒー、2人は?」

アリカ「アタシいらない」

りんたろう「俺も大丈夫」

イッキ「じゃ、以上で」

店員さん「はい、かしこまりました」


イッキ「…りんたろう」

りんたろう「なんだぜ?」

イッキ「お前普通に喋れるんだな」

アリカ「あ、確かに!今語尾にだぜってつけてなかったわね」スクープ

りんたろう「当たり前だぜ!俺だってTPOくらいわきまえてるだぜ!!」


106:宇宙メダロッターX:2011/05/20(金) 03:07:42.30 ID:4V2L/UlAO
イッキ「ロボロボ団員にTPOとか言われてもなあ」ニヤニヤ

りんたろう「うっ、…それは、反省してるだぜ。後で必ず自主しにいくだぜ」

イッキ「あっ、いや本気にするなよ、冗談だって。
この傷だって大したことないし。反省してるなら別に」

アリカ「…恐喝、傷害、器物破損、公務執行妨害、メダロット取り締まり法違反。
イッキ、ざっと考えてもりんたろうはこれだけの罪を犯してるわ」

りんたろう「…」

アリカ「身内に甘いのは社会にとって害にしかならない。
りんたろうが本当に反省してるなら、ちゃんと自主させてあげるのが私たちの役目だと思わない?」

イッキ「…それは、そうかもしれないけどさ」

りんたろう「いいんだぜイッキ、俺は悪い事をしたんだからそれは償わなきゃいけないんだぜ」

イッキ「りんたろう」

りんたろう「ただ、職場のみんなに迷惑がかかるのは、申し訳ないぜ」

イッキ「…ちょっと待てよ」

りんたろう「?」

イッキ「りんたろう、お前…」


イッキ「就職してたのかよ!!!!」


110:宇宙メダロッターX:2011/05/22(日) 11:03:03.72 ID:E7lKBnKAO
りんたろう「?してるだぜ」

アリカ「そういえば私達より一つ学年上だったわね」

イッキ「うう、絶対無職だと思っていたのに…」
りんたろう「失礼なやつだぜ、ちゃんとコンビニで週二回働いてるだぜ」
イッキ「ってお前それバイトじゃないか!?」

りんたろう「憧れのヒカルさんと一緒だぜ!」

イッキ「そこは真似しちゃダメだろ」

アリカ「なんか力抜けちゃうわね」

キャー!!

イッキ「!?」

アリカ「何事!?」

りんたろう「店の外から聞こえただぜ!」


111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/22(日) 11:30:31.11 ID:E7lKBnKAO
暴走メダロット「ガー!!」

一般人?「キャー!野良メダロットが暴れてるわ~!ロボ」

一般人?「町中で攻撃パーツが使えるなんて普通のメダロットには無理だからな!!ロボ」

ざわざわ

りんたろう「メダロットが暴れてるだぜ」

イッキ「なんかわざとらしく騒いでるやつらもいるぞ」

アリカ「どうも暴れてるのは野良メダロットみたいね」


セレクト隊「危ないので下がってください!であります」

一般人?「あ、セレクト隊が来てくれたからもう安心だ!ロボ」

一般人?「やっぱり野良メダロットは危険なのね!ロボ」


112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/22(日) 12:38:49.88 ID:SS5KabJTo
語尾は隠せねぇんだよな、ロボロボの連中はwwwwww


113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/22(日) 13:17:32.74 ID:9Y2KR415o
幹部連中は普通に話してたような


114:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/22(日) 15:54:28.59 ID:OQgC74yqo
幹部はゲームでは普通に、アニメでは素顔を晒した時「~ロボ」から標準に戻ってたな


115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/22(日) 18:26:18.16 ID:E7lKBnKAO
セレクト隊「メダロット転送であります」

ギュインギュイン

セレクト隊「ランドブラキオ!」

ビーー!!

暴走メダロット「ガー!」ボボン!

セレクト隊「任務完了であります」

一般人?「さっすがセレクト隊だ!ロボ」


イッキ「なんかおかしいぞ。
なあアリカ…っていない!」

りんたろう「アリカならあっちだぜ」


アリカ「では今の騒ぎをセレクト隊は野良メダロットの暴走と判断しているのでしょうか?」

セレクト隊「取材には答えられないであります」


イッキ「もう取材してるし…」

りんたろう「すっげえダッシュだったぜ」


116:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/22(日) 19:01:53.62 ID:E7lKBnKAO
アリカ「今話題になっているセレクト隊主導の“野良メダロット狩り”政策との関連については?」

セレクト隊「ですから!任務中ですので質問には答えられないであります」

アリカ「“野良メダロット狩り”が今回の騒動の原因になったのでは?」

セレクト隊「っ!だから!質問には答えられないのであります!
第一、我々は総合的に見て危険だと判断された、持ち主のいないメダロットを保護しているだけであります。
断じて“メダロット狩り”などと呼ばれる行為を行っているわけではありません!」

アリカ「ではむしろ、セレクト隊の政策はこういった事件を未然に防ぐ役目を果たしていると?」

セレクト隊「!そうであります。
野生化したメダロットは原則の適正化が行われいない機体が多く、危険なのであります。
その危険から我々は市民を守る義務があるのであります」

アリカ「しかし、野良メダロットの中にはゴミを掃除したり遭難者を救出したりなど、野生化してもなお人間のために働く機体も多いと聞きますが、そこのところは?」


117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/22(日) 19:19:20.55 ID:E7lKBnKAO
セレクト隊「どうもあなたは勘違いをされているようなので、訂正させて頂くであります」

アリカ「どうぞ」

セレクト隊「先程も申した通り、我々が行っているのはあくまで“保護”なのであります」

セレクト隊「例えばメダロットが長期に渡り野ざらしにされたら、当然その機体はボロボロになってしまうであります」

セレクト隊「機体が壊れたらもちろんメダルだって無事には済まないであります」

セレクト隊「マスターを失い、野生化してもなお人間に尽くすメダロットの存在はもちろん我々も知っているであります」
セレクト隊「我々の言う“保護”とはそうした機体も含め、野生化したメダロットを回収し、修理をしたうえでそのメダルを新しいマスターのもとに届けることを目的としているのであります」


120:宇宙メダロッターX:2011/05/22(日) 22:24:47.96 ID:E7lKBnKAO
セレクト隊「というように我々はメダロットのことを想えばこそ、保護という手段をとっているのであります」

アリカ「なるほど、セレクト隊の言い分はわかりました、しかし…」

イッキ「ちょーっと待ったあ!!」

アリカ「イッキ!?」

イッキ「それでも結局、回収するかしないかの判断は人間がしてるんでしょう!?
いくらメダロットの事を想っているって言ったって、それじゃメダロットの意志や権利は全然尊重されてないじゃないですか!!違いますか!?」

アリカ「…ちょっと待つのはアンタよ!!」

ゴン!

イッキ「イッてぇ!!なにすんだよアリカ!」

アリカ「今はアタシが取材してんの!素人は引っ込んでてよ!」

イッキ「なんだとぉ!?」

セレクト隊「あ~ごほん、いいかな?であります」

アリカ「あ、はい!」

セレクト隊「そこの彼の言うとおりメダロットの人格や権利を認め尊重するべきだ、という意見も確かに重要なことであります。
しかし、事故が起きたり、修復不可能なほどメダロットが傷ついてしまうよりはメダロットの意志に反してでも保護回収を行うほうがいい、とワタシは考えているのであります」

セレクト隊「…今の考えはセレクト隊としてではなく、個人的な意見なのであしからず。
それでは任務があるので失礼するであります」

イッキ「ちょ、ちょっと待ってください!まだ聞きたいことが!」

アリカ「…イッキのバカ!」

イッキ「アリカ」

アリカ「あんたが熱くなったせいで向こうが引いちゃったじゃない!
せっかくいろいろ聞き出せそうだったのに!!」
イッキ「お、おれのせいだっていうのかよ」

アリカ「あったり前でしょ!!もう!知らない!」ダッ

イッキ「あ、アリカ」

りんたろう「行っちゃっただぜ」

イッキ「う~んあんなに怒るアリカは久しぶりに見たよ。
…いや、昨日も怒ってたか」

りんたろう「それにしても、さっきのイッキはちょっと怖かっただぜ」

イッキ「確かに、ずっと聞きたかったことが聞けそうだったから焦ってたかもしれない。
あんな問い詰めるように、父さんには聞けないもんな」

りんたろう「ふ~ん、よくわからないけど、これからどうするんだぜ?」

イッキ「どうするも何も、元々アリカに引っ張り出されてきただけだしな~」


122:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 20:22:42.50 ID:0HUtY2bAO
イッキ「帰ってマイナビでもチェックするかな…」

???「あ、探したでぇ~イッキはん」

イッキ「?」

りんたろう「誰だぜ?」

イッキ「いや、わかんない」

???「な、なんやてー!!イッキはん、まさかうちのこと忘れてしまったんか!?」

イッキ「…う~ん、ダメだわからない。そっちの人違いってことは?」

???「酷い!酷すぎるで!うちはこれまでイッキはんの言った味を再現するために、ずっと修行してたっちゅうのに!!」

イッキ「味?なんの?」

???「かぁー!!ここまで言ってもわからんのかい!!
…ええで、ほんならその舌に思い出させたる!!」

???「とりゃー!!」ズポ!


イッキ「むぐっ」モグモグ


カッ!!


イッキ「こ、これは…!!」


123:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 20:42:48.51 ID:0HUtY2bAO
イッキ「味、風味、温度、表面の厚さ!中のトロミ!タコのサイズ!!
どれをとっても俺好みな…」

イッキ「完っ璧なたこ焼きだ!!」

イッキ「ちょっと待てよ、この味を再現できるってことはまさか…!?」

???「ようやっと思い出してくれたようやな。
そう、うちこそはたこ焼き屋「丸ナダ」の現店主!!」

ナダ子「ナダ子や!!」

りんたろう「こりゃうまいだぜ!」

イッキ「こら!俺の分まで食うな!!」

ナダ子「って無視せんといて!!」

イッキ「ご、ごめんたこ焼きが美味しくてつい」

ナダ子「…まあええわ。うちのこと忘れてたことも、昔散々ただ食いしたこともついでに許したる」

イッキ「あ、ありがとう」

ナダ子「ただ、それには一つ条件があるんや」

イッキ「条件?」

ナダ子「そう、イッキはん」

ナダ子「うちと結婚して丸ナダを継いでくれへんか!?」

イッキ「…」


125:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/23(月) 20:50:07.53 ID:PL0jZZyIO
たこ焼き懐かしいなwwwwww


127:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 21:08:48.32 ID:0HUtY2bAO
イッキ「いいよ」

ナダ子「ほんまに!?」

イッキ「ああ、就活辛かったし。俺たこ焼き好きだし」

ナダ子「…それだけなん?」

イッキ「もちろん違うよ、一番の理由は俺がナダ子を愛しているからだ!」

ナダ子「イッキはん」ポッ

イッキ「ナダ子…」ジー

ナダ子「好き」

イッキ「俺もだよ」

~~~

…こうして俺はナダ子と結婚し、大阪で丸ナダを継ぐことになった。

最初は辛いことの連続だった。慣れない立ち仕事や、従業員との意見の相違。

中でも一番辛かったのは、自分の信じる味をお客さんに否定されることだった。

でも、どんな辛い時も俺の隣にはナダ子がいた。イッキはんのやりたいようにすればええ、と言ってくれるナダ子が…

ナダ子がいたから耐えられた、ナダ子がいたから頑張れた。

頑張り続けて四十年。丸ナダは名実ともに大阪一、いや日本一と呼び声高いたこ焼き屋になっていた。


ナダ子「どうしたのあんた?ぼ~っとして」

イッキ「…はは、何でもあらへん。ちょっと昔のこと思い出してただけや」

ナダ子「ならええけど、もうええ歳なんやから店出なくてもええんやで?」

イッキ「なに言うとるんや、わしはまだまだ満足しとらん。
いずれこの丸ナダを世界一のたこ焼き屋にしてみせるんや」

ナダ子「あんた」

イッキ「お前がくれた夢必ず叶えてみせる」


イッキ「愛してるで、ナダ子」

ナダ子「…」

ナダ子「うちも、愛してる」




アリカ「セレクト隊はでもなればいいじゃない」




128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/23(月) 21:44:05.35 ID:zKGR+Rgmo
どういうことなの・・・


129:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 21:44:34.68 ID:0HUtY2bAO
イッキ「ってそんなわけあるか!!結婚なんてできるわけないだろ!!」

ナダ子「そんな!!イッキはんうちと結婚してくれるって言うたやないか!」

イッキ「小学生の時の話だろ!?」

ナダ子「そんな!ほんならうちの気持ちは!
丸ナダの未来はどうなるんよ!?」

イッキ「うっ…だ、だいたい俺は、たこ焼きが好きなだけであって、自分で作ったことなんて一度もないんだぜ?
店を任せられたって困るんだよ!」

ナダ子「大丈夫!イッキはんの舌は確かや!
修行すれば、すぐ一人前の職人になれる!うちが保証するで!」

イッキ「う、う~ん」

ナダ子「それともイッキはん何か他にやりたいことでもあるん?」

イッキ「…」

イッキ(…やりたいことか。)

イッキ(アリカには何度も聞かれたし、自分でも考えてはいるけど結局答えはでてない…)

ナダ子「な、イッキはん!お願い!この通りや!」


130:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 22:00:07.34 ID:0HUtY2bAO
イッキ「…やっぱりダメだ、結婚はできないよ」

ナダ子「イッキはん、どうして?うちじゃだめなん?
たこ焼き作るのが嫌なら、もうそれでもええわ!
うちイッキはんの為ならなんでも…」

イッキ「ごめん!丸ナダがどうとかじゃなくてさ。
俺、自分の気持ちがはっきりしてないんだ。
こんな気持ちで付き合ったり、ましてや結婚なんてできないよ」

ナダ子「イッキはん…」

ナダ子「わかった、ほんならうち待つで、いくらでも。
イッキはんの気持ちがしっかり定まるまで」

イッキ「ナダ子…」

イッキ「…ありがとう」

ナダ子「…ほなな、イッキはん、浮気したらあかんでぇ」

イッキ「…は、はは」ニガワライ


131:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 22:21:13.42 ID:0HUtY2bAO
イッキ「…ふう」

りんたろう「イッキはモテモテだぜ」

イッキ「うわっ!まだいたのか、りんたろう!」

りんたろう「扱いが酷いだぜ…」

イッキ「ご、ごめん」

りんたろう「…まあいいだぜ。
ここにいてもしょうがないし、セレクト隊に自首してくるだぜ」

イッキ「…りんたろう」

りんたろう「イッキ、バイバイだぜ。また絶対ロボトルしようだぜ!」

イッキ「…ああ、またやろうな!!」

りんたろう「約束だぜ!」



イッキ「…」

イッキ「行っちゃった」

イッキ「ついて行ってやればよかったかな」

イッキ「…それにしても、今日といい昨日といい。
懐かしい人とよく会うな。
このままならもしかすると…」

???「あら、イッキさん」

イッキ「こ、この声は…」


133:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 22:37:53.26 ID:0HUtY2bAO
イッキ「カリンちゃん!!」

カリン「ごきげんよう」

イッキ「カリンちゃん、留学してたんじゃ」

カリン「昨日日本に帰って来ましたの」

イッキ「そ、そうなんだ」

カリン「ところでイッキさん、コウジさんをご存知ありません?
昨日からまるで連絡がとれませんの」

イッキ「え、えっと…」

イッキ(どうしよう…)

イッキ「な、なんかアイツ忙しいみたいだよ?
ほら、就活とかで」

イッキ(ロボロボ団に入ったなんて言えないよな…)

カリン「まあ!そうでしたの。
わたしったらコウジさんの都合も考えずに困らせてしまっていたのですね」

イッキ「困らせる?」

カリン「ええ、わたくし久しぶりにメダロッ島に行きたいなんて思ったものですから。
コウジさんに何度もお電話してしまったのです。
とても迷惑だったかと」


134:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 22:50:01.82 ID:0HUtY2bAO
イッキ「そんなことないんじゃないかな、きっとアイツ喜ぶと思うよ?」

カリン「いえ、大変な思いをしているコウジさんに迷惑はかけられませんわ。
やっぱりわたくし一人で行くことにします」

イッキ「一人って、これからメダロッ島に?」

カリン「はい、そのつもりです」

イッキ「…その、カリンちゃんさえ良ければ俺もいっしょに行ってもいいかな?」ポリポリ

カリン「本当ですか!?
もちろん、イッキさんと行けるならこんなに嬉しいことはありませんわ」
イッキ「そ、そんな~、こっちこそ」デヘヘ

イッキ(ラッキー!!)
イッキ(だけど、ちょっと罪悪感があるかも…)


137:宇宙メダロッターX:2011/05/23(月) 23:28:46.15 ID:0HUtY2bAO
シャーク号船内


イッキ(懐かしいなあ、昔もこの船でメダロッ島に行ったっけ)

イッキ「…あれ、でも船着き場はなくなってマリンステーションになったんじゃなかったっけ?」
カリン「ええ、ですからお父様に頼んで作り直していただきましたの」

イッキ(忘れてた…
そういえばカリンちゃんってもの凄いお金持ちだったっけ)

カリン「どうかいたしましたか?」

イッキ「い、いや何でもないよ!はっはっは」

カリン「ふふふ、イッキさんたら可笑しい」ポワポワ

イッキ(…それにしても、可愛いな~カリンちゅわん。
こうしてまた会えて、一緒に遊びに行けるなんて夢みたいだ」

カリン「ええ、わたくしもイッキさんとご一緒できてとても嬉しいですわ」

イッキ(って今思ったこと声に出してたー!?)

イッキ「あ、あはは、あはははは」

イッキ(どこから聞かれてたんだろ…)


141:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 14:58:02.70 ID:CCnExRSAO
メダロッ島

イッキ「結構あっという間だったな」

カリン「そうですね、行きましょ!イッキさん」ギュ

イッキ「う、うん」

イッキ(…今!俺は!カリンちゃんと手を!握って!いる!)ムフゥ

カリン「こっちです!イッキさん」

イッキ「えへへへ、ってここは…」

カリン「またいつかイッキさんと来れたらなって思ってたんですの」


142:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 15:17:16.96 ID:CCnExRSAO
メダロッ島
ーお化け屋敷ー

イッキ(ここは、なんかロボトルばっかりさせられた記憶が)

カリン「大人二人でお願いしますわ」

受付「はい、どうぞ」

カリン「楽しみですね」テクテク

イッキ「う、うん」テクテク


カリン「…薄暗い、ですね」ピト

イッキ「確かに結構雰囲気あるね」

イッキ(俺は!今!カリンちゃんと!密着して!歩いている!)

お化け「わッ!!」

カリン「キャー」ダキッ

イッキ「うおおお!!」ヨッシャー

お化け「…」ジー

イッキ「?」

お化け「…」ガンバレヨ

イッキ「!」グッ

イッキ(…思わずお化けにサムズアップしてしまった)

お化け「…」バイバイ

イッキ(ありがとうお化けさん…)


~~~~~

イッキ「なかなか分かってるお化けさん達だった」ムフゥ

カリン「…」

イッキ「?どうしたのカリンちゃん?もしかして怖かった?」

カリン「いえ、あのそれもあるのですけど」

イッキ「?」

カリン「昔と違うなって」


145:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 21:29:28.87 ID:CCnExRSAO
カリン「以前来た時にはメダロットさん達がもっとたくさんいたように思います」

イッキ「そうだね」

イッキ(…言われてみれば確かにそうだ。メダロッ島はメダロットを全面に押し出したテーマパークだったはずなのに、全然メダロットを見かけない…)

イッキ(…っていうかそもそもお客さんも俺たち以外見かけないんだけど。
大丈夫なのか?この遊園地)

カリン「イッキさん!あれ」

イッキ「え?」

ラピ「…」

カリン「良かった、メダロットさんは全員いなくなったわけじゃなかったんですね」

イッキ「うん、流石にマスコットキャラだし。ラピは現役みたいだね」

カリン「こんにちは、ラピさん」

ラピ「…メダロットと人間の楽園、メダロッ島にようこそ!
夢のような体験をどうか楽しんでいってね♪」


146:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 21:54:25.11 ID:CCnExRSAO
カリン「ええ、楽しませていただきますわ」

ラピ「…」

イッキ「次はどのアトラクションに行こうか?」
カリン「えっと悩みますわ。
そうだ!ラピさん、なにおすすめはありませんか?」

ラピ「…」ギギ

ラピ「…メダロットと人間の楽園、メダロッ島にようこそ。
夢のような体験をどうか楽しんでいってね♪」

カリン「?それは先ほど…」

ラピ「メダロットと人間の楽園、メダロッ島にようこそ。
夢のような体験をどうか楽しんでいってね♪」

イッキ「カリンちゃん、行こう」

カリン「でも…」

ラピ「メダロットと人間の楽園、メダロッ島にようこそ。
夢のような体験をどうか楽しんでいってね♪」

イッキ「いいから」グイ

カリン「…ラピさん、さようなら」

ラピ「…」


ラピ「…メ、メダロットと人間の楽園、メダロッ島にようこそ。
夢のような体験をどうか楽しんでいってね」


147:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 22:21:00.42 ID:CCnExRSAO
イッキ(ひどい、あのセリフしか言えないようになってるんだ)

イッキ(そういう風に命令されてるのか、メダルをいじられてるのかは分からないけど)

イッキ(あんなのってないよ。まるで感情の無いロボットみたいだった)

カリン「あの、イッキさん?」

イッキ「あ、ごめん!カリンちゃん強引に引っ張ったりして」

カリン「いえ、それより先ほどのあのこは、どうしてあんな…」

イッキ「多分、メダロット法の改正が原因だと思う」

カリン「どういうことですの?」

イッキ「確か半年くらいまえに他の全然関係ない法律と一緒に
“メダロットの行動の制限とそれに伴うメダロッターの監督責任の追加”
っていう法案が通っちゃったんだ」

イッキ「それがまた長くてわかりづらい上に、どうとでも解釈できるもんだから。
メダロットを持ってるってだけで自分が犯罪を犯してしまう危険がぐんと上がっちゃったんだ」

イッキ「乱暴なやり方だけど経営側がリスクを回避するためには、現状ああいった方法をとるしかないらしいんだ」

カリン「…」


148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/24(火) 22:26:23.34 ID:10HVBvJIO
嫌な世の中になったな。メダルの意味が••••••


149:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 22:34:52.35 ID:CCnExRSAO
カリン「そう、でしたの」

イッキ「でもさ、あんなに極端に行動制限されるのは、たくさんの人に会うさっきのラピみたいなメダロットとか重要な仕事を持ってるメダロットくらいだよ」

イッキ「それにしたって仕事が終われば普通に戻るんだし、そんなに気にすることないよ」

イッキ(俺自身納得はいってないけど、カリンちゃんを悲しませたくない…)

カリン「日本でもメダロットさん達に対する風当たりは強くなっていたのですね」

イッキ「カリンちゃん、確かアメリカに留学してたんだっけ」


150:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 22:54:14.27 ID:CCnExRSAO
カリン「はい、そこで知ったのですが。
ほとんどの国ではメダロット=労働力という見方をしているようなんです」

イッキ「それはあの“魔の十日間”とかその後の事件があったから?」

カリン「いえそういうわけではなく。
もともとメダロットに感情があるという事実が一般的にあまり知られていなかったようなのです」

カリン「特に発展途上国ではメダロットの普及率自体が低く、その労働環境に関心を寄せる人はあまりいません」

イッキ(…海外でのメダロットの現状、考えたこともなかった)

カリン「メダロットを子供に与え、家族や友達のように扱う。
私はこれをとても素敵なことだと思います。
しかし世界には、それをあまりよく思わない人もたくさんいるようなのです」


151:宇宙メダロッターX:2011/05/24(火) 23:24:18.87 ID:CCnExRSAO
カリン「イッキさんごめんなさい。
突然こんな話をしてしまって、嫌な気分になられたのでは?」

イッキ「そんなことないよ、とっても興味深い話だった」

カリン「そうですか、安心しました。」

イッキ「そう言えばカリンちゃんが帰国した理由ってもしかして…」

カリン「はい、私…
“メダロットと人間の理想的関係”
というテーマで卒業研究をすることになったので、手始めに日本に帰って来たんです」

イッキ「それはやっぱり、日本がメダロットとの関係について特殊な国だから?」

カリン「そうとも言えますが、それだけとも言い切れません。
メダロットと仲良くしているのが日本だけというわけではありませんし。
メダロットに意見を主張する権利を認めた国もあります」

カリン「それでも最初に日本を訪れたのは生まれ育った国だということもあります、でも…」チラ

カリン「メダロットと世界で一番理想的な関係を築けたある人に会いたかった、というのが最大の理由ですわ♪」ニコッ


152:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 00:04:41.35 ID:2V73IyxAO
イッキ「か、カリンちゃんそれって…」

カリン「さ、イッキさん!次は魔女のお城に行ってみましょ」グイ

イッキ「わわわ」

カリン「ふふ」クスクス


~~~~~

メダロポリス
ーカリンの家ー


カリン「…今日は突然の誘いに付き合っていただき、ありがとうございました」ペコリ

イッキ「そんな、こっちこそすっごく楽しかったよ。また遊びに行こうね」デレデレ

カリン「はい、今度は是非コウジさんやアリカさんも誘ってみんなで行きましょうね」

イッキ「うん、じゃあねカリンちゃん」バイバイ

カリン「はい、さようならイッキさん」ペコリ

バタン

イッキ「…そういえばアリカのこと忘れてた、あいつまだ取材とか言ってロボロボ団追っかけてんのかな?」

アリカ「私が、どうしたですって?」ユラ

イッキ「あ、アリカ…」


153:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 00:16:37.00 ID:2V73IyxAO
アリカ「こんな時間までカリンちゃんと遊んでたんだー、ふーん」

イッキ「それは、その、さっき偶然会ってさ、カリンちゃん、一人でメダロッ島に行くなんて言うから、それで…」

アリカ「…いいわよ別に言い訳なんて、あんたが誰と何してたって私には関係ないし」ツーン

イッキ「べ、別に言い訳なんてしてないだろ!俺はただ事実を」

アリカ「はいはい、わかったから帰りましょ。もう真っ暗だし、きっとおばさまも心配してるわ」

イッキ「なんだろう、この敗北感…」

アリカ「何やってんの、早くしないと置いてくわよ?」テクテク

イッキ「あ、待てよー!アリカー!」


154:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 00:36:44.01 ID:2V73IyxAO
おみくじ町
ー天領家ー

イッキ「ただいまー」

アリカ「お邪魔しまーす」

チドリ「あら、二人ともお帰りなさい」

イッキ「って、なんでアリカまで家に上がるんだよ」

アリカ「なによ、今日はおばさまにお夕飯を招待されたの。何か文句ある?」

イッキ「…そうなの?」クルリ

チドリ「ええ、そうよ?
今日の夕飯はとっても美味しいんだから」

イッキ「どういうこと?
…いや待てよ、この匂いは、…まさかっ!!」

ナダ子「あ~お帰り~。マイダーリン♪」

イッキ「ナダ子!!帰ったんじゃなかったのか!?」

ナダ子「うちそんなこと一言も言ってないで~。
ダーリンの心の整理がつくまでずっと待ってる、って言うたんや」

ナダ子「ここで」

イッキ「ここで!?」

アリカ「で?イッキ…どういうことか説明してもらいましょうか」ゴゴ

イッキ「いや、これは、その…」

ナダ子「うちら結婚するんや」シレ

アリカ「なんですってー!?」ガーン

イッキ「いや、だからそれは」

ナダ子「あの日うちが結婚しよ言うたとき、イッキはんは“ええでええで”と言うてくれはったんや」

アリカ「それ小学生の時の話じゃない!!」

イッキ「それ俺も言った。っていうか覚えてたんだ、アリカ」

チドリ「まあまあ、とにかくご飯にしましょ?
お話はそれからそれから」


155:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 01:03:29.65 ID:2V73IyxAO
アリカ「あ~、美味しかった。
なんかお腹いっぱいになったらどうでもよく…」

ナダ子「なあダーリン、今日、今日よかったらナダ子がお背中流しましょうか!?
きゃー、うちったらなんてはしたないことを!!」

アリカ「なるわけないわね」

イッキ「いやそれはちょっと不味いよ」

ナダ子「何でや、はは~んイッキはん恥ずかしがってるのやろ。
大丈夫、うちの愛は空より高く海より深いんや、な~んも恥ずかしがることあれへん」

アリカ「…イッキ、曖昧に断るから調子に乗るのよ。嫌なら嫌ってはっきり言ってやんなさい」

ナダ子「なんやあんたさっきから、うちはイッキはんと喋っとるんや。
関係ない人は出てってくれへんか?」

アリカ「言わせておけば!!」ブチ

アリカ「メダロット転送!!」

ギュインギュイン

ブラス「みなさんこんばんは」ペコリ

ナダ子「ほほう、うちとやるつもりなん?
上等やないか!!」

ナダ子「メダロット転送!!」

ギュインギュイン

ナダ子「いてまえカネハチィ!!」

アリカ「やっちゃえブラス!!」

バババ!!

ギチギチ!!

ドキューン!!

イッキ「ちょっと待てぇ!!
家ん中だぞ!?なに考えてんだ!!」

ナダ子「待っててダーリン!!この何だかわからない女を片付けたら、たっぷりうちの愛を語るさかい!!」

イッキ「お願いだから話を聞いてくれ」ゲンナリ

アリカ「…」


157:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 01:12:59.55 ID:2V73IyxAO
アリカ「イッキ!!」カッ

イッキ「はい!」ビク

アリカ「私はあんたにとって…何?」

イッキ「え?」

アリカ「ただの幼なじみ?これからも、ずっと?」

イッキ「…それは」

ナダ子「隙あり!!カネハチッ!!」

アリカ「ッブラス!回避」

ブンッ

ナダ子「外した!?」

アリカ「ブラス!!」

ブラス「げっちゅ」

ドドドッ!

ナダ子「カネハチィィ!!」

ーカネハチ機能停止ー

アリカ「あんたがどういうつもりかは知らないけど、私もう…そんなの嫌だから」

アリカ「…じゃあね、バイバイ」ダッ

ブラス「待って!アリカちゃん!」ダッ


160:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 01:35:16.53 ID:2V73IyxAO
イッキ「はい、そうですか、わかりました。
探してみます。
いえ俺のせいなんです。
はい、わかりました失礼します」ガチャ

イッキ「…アリカ、家にも帰ってないみたい」

チドリ「そう…」

ナダ子「うちあの子にひどいこと言ってもうた。
うちのせいや」

イッキ「今そんなこと言っててもしかたないよ。
とにかく俺は心当たりのある場所を探してみるよ」

ナダ子「イッキはん、うちも!」

イッキ「大丈夫、ナダ子はうちで母さんと待ってて。あんまり遅くなるようだったらセレクト隊に連絡して応援を頼むことにするから」

ナダ子「イッキはん」

イッキ「行ってきます」ガチャ


161:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 01:47:09.28 ID:2V73IyxAO
ポツポツポツ

ザーザー

イッキ「雨か…」

チドリ「イッキ!」

イッキ「母さん?」

チドリ「はい」

イッキ「これは…傘、ありがとう」

チドリ「…イッキ」

チドリ「もっと素直な気持ちで生きてもいいのよ?」

イッキ「…」

チドリ「母さんが言えるのはそれだけ」

チドリ「気をつけてね」

イッキ「行ってきます」バッ


165:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 13:44:40.75 ID:2V73IyxAO
イッキ(メダロポリスのボナパルト像前、船着き場、フユーン跡地)

イッキ(アリカが行きそうな所っていったらこの3つくらいか…)

イッキ(でもこの3つだって絶対じゃない。
アリカが本当にもう俺に会いたくないなら、いくらでも遠くにいける)

イッキ(早く見つけないと、この雨で傘無しじゃきっと風邪ひいちゃうぞ!)

???「へっくし」

???「うう、冷たい雨はこの老体には厳しいですねぇ」

イッキ「!」

イッキ「あ、あなたは!」


166:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 13:56:08.10 ID:2V73IyxAO
おみくじ町
ー公園ー

イッキ「うるちさん!」

うるち「ああ、誰かと思えばイッキくんではないですか。どうしてこんな所に?」

イッキ「俺はアリカを探しに…ってそれはこっちのセリフですよ!
うるちさんこそどうしてここに?」

うるち「わたしですか?わたしはここに住んでいるのですから、ここにいるのは当然ですね」

イッキ「す、住んでいるって、ええー!?」

うるち「ちなみにあれがマイホームです」ビッ

イッキ(…だ、ダンボールハウス!!)ズーン


167:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 14:10:33.79 ID:2V73IyxAO
うるち「それよりアリカさんをお探し中だったのでは?」

イッキ「あ、そうです!アリカ見ませんでした?」

うるち「わたしは見かけませんでしたが、そうですね」パンパン

うるち「みなさーん!」

ぞろぞろ

ホームレス1「どうしたんじゃい?うるちさん」

ホームレス2「何かあったんかい?」

うるち「みなさんピンクのオーバーオールを着た、二十歳くらいの女の子を見ませんでしたか?」

ホームレス1「…そりゃー派手な格好じゃのう」

ホームレス2「一度見たら忘れんだろうな」

イッキ「って!着てない着てない!うるちさん、もう随分前からアリカはあの服着てないです!」


168:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 14:22:52.01 ID:2V73IyxAO
うるち「そうですか、では今はどんな服装を?」

イッキ「えっと今日は確か…。
緑色のシャツと黒っぽいジーンズで、あと薄い上着を羽織ってました」

ホームレス3「…おお、その子なら多分見かけたぞ」

イッキ「本当ですか!?」

ホームレス3「さっき雨の中を走って行くのを見たよ、その子はセーラータイプのメダロットを連れておっただろう?」

イッキ「はい!そうです。間違いない!」

うるち「それでその子はどちらに」

ホームレス3「あっちに向かって走っていったよ、周りなんか見えておらんようだった」ピ

うるち「あっちといいますと…」

イッキ「…」

イッキ「おどろ山だ」


169:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 14:32:07.69 ID:2V73IyxAO
うるち「セレクト隊に知らせた方が…」

イッキ「いえ、大丈夫です。俺が連れ戻します」
ホームレス1「頑張れよー、兄ちゃん」

ホームレス2「気ぃ付けてなー」

ワイワイ

イッキ「はい、ありがとうございます」

うるち「…」

イッキ「それじゃあうるちさん、いろいろ聞きたいこともありますがこれで…」

うるち「ええ、話し足りないのはわたしも同じです。気が向いたら足を運んでくださいね」

イッキ「はい、もちろん」

イッキ「また来ます」ダッ



うるち「…立派になりましたねイッキ君」


171:宇宙メダロッターX:2011/05/25(水) 16:15:16.45 ID:2V73IyxAO
おどろ山

イッキ「アリカー!!アリカー!!」

イッキ「…よく考えたらおどろ山って結構広いんだよな」

イッキ「雨で声もよく通らないし」

イッキ「…いや、弱気になってどうする。自分から見つけるって言ったんだ!頑張れ、俺」

イッキ「アリカー!!アリカー!!」

ドゴンッ!!

バラバラバラ!!

イッキ「っな、なんの音!?」


セレクト隊1「ぐずぐずするな!夜明けまでに終わらせるであります!」

セレクト隊2「了解であります」


イッキ(まさかこれは…)


セレクト隊2「ほら、サッサと歩けであります」ガンッ

野良メダロット「…」


イッキ(間違いない、野良メダロット狩りだ)


173:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 01:53:15.90 ID:kE5GIwiAO
セレクト隊3「…やはりこれでは効率が悪いな、であります」

セレクト隊1「それでは?

セレクト隊3「各隊員に告ぐ、これより早急なメダルの回収を最優先。
抵抗がなくとも攻撃を許可するであります」


野良メダロット「…」

セレクト隊2「へっ最初からそうしろってんだ、やれアサルトティラノであります」

ゴシャ

セレクト隊2「メダル回収っと」ゴソゴソ


イッキ(…何が保護だ、何がメダロットの為を想ってだ。
セレクト隊はこんな乱暴なやり方でメダロットを…!)

セレクト隊2「あ~なんだこれ、メダルが外れないじゃねぇか、であります」ゲシゲシ

セレクト隊2「ちっ!この不良品め、ティラノ!ティンペットごと中身を引きずり出せであります」

イッキ(…もう我慢できない)

ざっ…ざっ…

イッキ「どうしてそんなひどいことが出来るんだ…」

セレクト隊2「?」

セレクト隊2「一般人の方でありますか?
ここは野生化したメダロットが出て危険であります、直ちに…」

イッキ「どうしてこんなことが出来るかって、聞いてるんだ!!」


174:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 11:26:39.80 ID:kE5GIwiAO
セレクト隊2「な、何を言っているのでありますか?」

イッキ(…罪の意識さえないのか)ギリッ

イッキ「メダロット転送」

ギュインギュイン

ブラビ「…また私の出番かい?イッキ」

イッキ「…」

セレクト隊2「な、何のつもりでありますか!」

イッキ「…」

イッキ「ロボトルだ」

セレクト隊2「?」

イッキ「俺がロボトルで勝ったら、もうこんなひどいことはしないと約束しろ」

セレクト隊2「はっ、何を言い出すかと思えば…。
セレクト隊によるメダロットの保護は国策であります。
私個人の意志でどうこうできるものではないのであります」

セレクト隊2「だいたい君はセレクト隊とロボトルする事の意味を分かっているのでありますか?」

イッキ「…」

セレクト隊「セレクト隊は犯罪者としかロボトルしないのであります。
逆に言えばセレクト隊と戦えば君も犯罪者ということであります」

セレクト隊「それでも構わないのでありますか?」

イッキ(アリカ、ごめん)


175:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 11:39:53.03 ID:kE5GIwiAO
イッキ「構わない」

セレクト隊「いい度胸であります」ザ

ー合意と見てよろしいですね?ー

イッキ「う、うるちさん!?」

バッ!!…スタッ。

うるち「やれやれ、心配になって後をつけてみればこんな展開に…」

うるち「私はもはや公式レフェリーではございませんが、この勝負見届けさせて頂きましょう」

うるち「両選手とも準備はいいですね?」

イッキ「はい!」

セレクト隊「いつでも来いであります」

うるち「それではイッキ選手のブラックビートル対
セレクト隊員さんのアサルトティラノ」


うるち「ロボトルゥーーー!!!!ファイトーー!!!!」


176:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 12:07:39.86 ID:kE5GIwiAO
イッキ「ブラックヒューザ!」

ダダッ!

ティラノ「グガッ」

セレクト隊「…な、アサルトティラノに傷をつけるとは!?
その機体、一般に出回っているものではないでありますね!?」

イッキ「だったらどうした!!」

イッキ(硬い!ダメージがほとんど通らない!
あのアサルトティラノ、隊員用に随分改造されてるみたいだ)

セレクト隊「機能停止させてメダロット社に調査を依頼するであります!!
ティラノ!クラブコール!」

ティラノ「ゴアー!」

イッキ(早いっ!でも…)

イッキ「かわせ!」

ブラビ「ふん」ヒョイ

イッキ(熟練度が低い、これなら、問題なく避けられる)

イッキ「ブラックバリスタ」

ドッゴォ!!

ブラビ「どうよ!?」

ティラノ「グルル」

セレクト隊「どうやらその機体、一応威力は一般寄りに制限された作りのようでありますな


イッキ(ブラックバリスタがほとんど効いてないっ)

セレクト隊「ティラノ!スノートファイア!!」

ティラノ「ゴガーァ!!」


177:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 12:22:32.62 ID:kE5GIwiAO
ボッバアアアア!!

ブラビ「チッ!」

イッキ(頭部のファイア、なんて威力だ!
雨が降ってなきゃ今頃山火事になってるぞ!!)

セレクト隊「行け!ストライクコール!!」

ティラノ「グガァ!」

イッキ(…ここだ!!)

イッキ「かわしてブラックブラスタ!!」

ブラビ「はいよ!」ヒョイ

ブラビ「ッララ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨!!

ティラノ「ゴ、ガッガッ!」

セレクト隊「怯むな!もう一発!!スノートファイア!!」

イッキ(クリティカルでも堪えないのか!?)

イッキ(っ避けられない!)

イッキ「防御だ!!」

ブラビ「うおおお!!」


178:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 12:39:30.33 ID:kE5GIwiAO
セレクト隊「やったであります!!」

ティラノ「グルル」

もくもく…

ッボババ!!

ティラノ「ギャイン!!」

ブラビ「…」

セレクト隊「な、あれをくらって何故!?」

イッキ「一発目のファイアがかすってたから、ギリギリメダフォースが足りたんだ」

ブラビP変形「そういうことよ」

セレクト隊「メダ…チェンジだと?」

イッキ「ブラックビートル!!ドライブA!!」

ドッゴァ!!!!

ティラノ「グギィア!!!!」

うるち「アサルトティラノ、右腕パーツ機能停止!貫通、左腕パーツ機能停止!」

セレクト隊「そんな…」

セレクト隊「そんな時代遅れな機能にぃぃぃ!!」

イッキ「もう一回!ドライブA!」

セレクト隊「あああ!!」


180:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 14:04:45.80 ID:kE5GIwiAO
うるち「機能停止!イッキ&メタビ…失礼、ブラックビートル選手の勝ちぃ!」カンカンカン

セレクト隊「っく、こんな筈では」

イッキ「…」

イッキ(…メダロットは何も悪くないのに、結局俺が倒せるのはセレクト隊のメダロットだけだ)

ティラノ「…」シュー

イッキ(思えばいつもそうだった。
戦って傷つくのはいつもメダロットの方で、メダロッターは痛くもかゆくもないんだ)

イッキ(俺は、俺は…)

うるち「どうしました?イッキさん」

うるち「イッキさん?」

イッキ「…」




ろう…

馬鹿野郎ッ!!


イッキ「!」ハッ


お前!

俺が今までいやいや戦ってたとでも思ってんのかよ!!



イッキ「メタビー!?」

うるち「?」

セレクト隊「?」


イッキ(…気のせいか、いやそれでも)

イッキ(俺は、あの時に聞いたメタビーの言葉を信じたい!!)

ブラビ「…メダロットとメダロッターは一心同体なんだ!」

ブラビ「でしょ?」

イッキ「ブラックビートル…」


181:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 14:27:14.66 ID:kE5GIwiAO
イッキ「さあ、約束通りおどろ山のメダロット狩りを中止してもらおうか!!」

セレクト隊「…そ、そんな約束はしていないであります!
大体、そっちこそセレクト隊員のメダロットへの攻撃はメダロット法違反であります!!
逮捕するであります!!」

うるち「…いえ、今のロボトルは両者とも合意のうえだったはず!
メダロット法には抵触しません!」

セレクト隊「っなら!違法改造メダロット所持の容疑でしょっぴいてやるであります!!」

うるち「言いがかりはおよしなさい!!
彼のメダロットは正規のものです!!
セレクト隊にそれを無理やり取り上げる権利などありません!!」

セレクト隊「うるさい!一般人があんな強力なパーツを所持していいわけがないであります!!」

うるち「な、なんて横暴な!!」

セレクト隊「今応援を呼んでやるから覚悟するであります!!」


ヒュッ…バキ!


セレクト隊「痛っ、これは…メダル?」



???「彩りましょう、食卓を…」


182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 15:55:50.80 ID:z1anksyIO
レトルト!レトルトォォォ!


184:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 22:54:17.23 ID:kE5GIwiAO
???「みんなで防ごう、つまみ食い」

???「常温保存で愛を包み込む」

???「カレーなるメダロッター!!」バッ

レトルト「怪盗レトルト、只今参上!!」シュタ

イッキ「レトルトさん!!」

レトルト「…久しぶりだな!イッキくん」

イッキ「あ、はい」

レトルト「事情は大体わかっているつもりだ。
ここは私に任せて、君は君のなすべきことをしたまえ」

イッキ「!」ハッ

イッキ「ありがとうございます!レトルトさん!」

レトルト「わかったなら早くしたまえ!
…グズグズしてる暇は、ないんだろう?」

イッキ「はい!!」ダッ

セレクト隊「…くっ、逃がすか!!メダロット転送」

ギュインギュイン

アースブラキオ「ゴガー」

イッキ「!」

レトルト「太陽の洗礼!!プロミネンス!」

ズゴワァァァ!!


ーアースブラキオ機能停止ー


セレクト隊「い、一撃!?」

レトルト「イッキくん!」

レトルト「立ち止まるな!振り向くな!!」


レトルト「行け!」

イッキ「…」

イッキ「…」ダッ


185:宇宙メダロッターX:2011/05/26(木) 23:05:14.11 ID:kE5GIwiAO
セレクト隊「ちっ、とんだ邪魔が入ったであります」

セレクト隊「…だが、やっと応援が来てくれたであります」

セレクト隊A「…こいつが不審者でありますか!?」

セレクト隊B「な、なるほど」

セレクト隊C「これはヒドい」

セレクト隊D「不審者にも程があるでありますね」

うるち「い、いけません!多勢に無勢など!」

レトルト「…ふ、どうせなら全員集めればいいものを」

セレクト隊「何ぃ!?」

レトルト「遊んでやると言っている」

レトルト「メダロット転送」

ギュインギュイン


レトルト「ティレル!アーク!
あまり苛めてやるなよ?…メダロットに罪はないからな」

セレクト隊「っ!全員でかかるであります!!」

レトルト「もとよりそのつもりだ!」


レトルト「こい!」


189:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 01:05:25.37 ID:JuBGGkUAO
イッキ「…」ゼエゼエ

イッキ「…」

イッキ(…迷った)ズーン

イッキ「…そりゃ当てもなく走れば迷うよな。
何やってんだ俺」


???「…いいんだよ、ボウズ、それでいいんだ」

イッキ「え?」


192:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 01:21:40.48 ID:JuBGGkUAO
イッキ(なんで雨の中こんなとこでヒヨコ売ってんのー!?)ガビーン

ひよこ売り「…人生全て塞翁が馬、なんてスカしたこと言う奴もいるけどよ」

ひよこ売り「まずは走り出すことよ!理由も結果も、みんな後からついてくるもんだ!」

イッキ「でも、もう足が限界で…」

ひよこ売り「バカやろぉー!!だったらミニハンドルでも風のつばさでも使えばいいだろーが!!」

イッキ(た、確かにー!!)

ひよこ売り「いいか?ボウズ、本当に欲しいものを手に入れたいならな、手段なんか選んでるんじゃねぇ!!」


194:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 01:34:08.47 ID:JuBGGkUAO
ひよこ売り「俺が言いてえのはそれだけよ」ピヨピヨ

イッキ「は、はあ」ソウデスカ

キャー!!

イッキ「!」バッ

イッキ(向こうから悲鳴が聞こえた!?まさか…)

イッキ「おじさん、ありがとう!メダロット転送」

ギュインギュイン

ひよこ売り「…」

イッキ「じゃーね」ギュルルルン

ひよこ売り「…」

ひよこ売り「まあ、なりふり構わず走りきったならよ」

ひよこ売り「確かに後は塞翁が馬かも知れねーな」

ひよこ売り「…頑張れよ、ボウズ」


196:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 01:49:06.64 ID:JuBGGkUAO
イッキ「アリカー!!」

セレクト隊壱「?」

セレクト隊弐「?」

セレクト隊参「?」

野良メダロット「キャー!!」バタバタ


イッキ「…」


イッキ「ロッ、ロボトルだー!!」


197:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 02:10:23.30 ID:JuBGGkUAO
セレクト隊壱「ブレイブファイヤ!ドライブCであります!!」

ファイヤ「了解」ガシャコ

ゴォォォ!!

イッキ(またファイヤーかよ!)

イッキ「かわせ!」

ブラビ「はいよ」ヒョイ

セレクト隊弐「ブレイブポリス、キャプチャー使用!!」

ポリス「了解」ファンファン

ピキーン!

イッキ(チャージドレイン!?)

ブラビ「うっ」ノロノロ

セレクト隊参「チャンスであります!ブレイブレスキュ、ドライブA!」

レスキュ「了解」ハッシャ

ビィィーー!!ドガっ!!

ブラビ「ぐぁッ!」ヒダリウデ キノウテイシ

イッキ(まずいぞ…)


198:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 02:21:32.32 ID:JuBGGkUAO
???「イッキ、貴様何を遊んでいる」

スパーン!!ナワパラパラ

???「逃げるぞ」ダキッ
野良メダロット「キャ」ハズカシ

イッキ「あ、ちょっと!」

セレクト隊壱「せっかく捕まえたノルマがさらわれた!!であります」

セレクト隊弐「絶対に逃がさんであります!!」

イッキ「あー、もう!!」ギュルルル


200:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 03:10:57.88 ID:JuBGGkUAO
???「どうやらまけたようだ」

野良メダロット「アリガトー」スリスリ

イッキ「お前どうしてここに、いやそれよりその体、ボロボロじゃないか!
ロクショウ!!」


206:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 18:19:07.95 ID:JuBGGkUAO
ロクショウ「俺のことなどどうでもいい。それよりもイッキ、お前に確かめたいことが…」

イッキ「どうでもいいわけないだろ!!
なあお前、ひょっとしてスラフシステムが壊れてるんじゃないか!?

ロクショウ「…」

イッキ「ちょっと見せてみな。安心しろよ、これでも俺、結構勉強したんだ」

ロクショウ「…そうか」

イッキ「どれどれ」カチャカチャ

ロクショウ「…」

イッキ「…随分汚れてるな、ちゃんと体洗ってるか?」イジリイジリ

ロクショウ「よ!よけいなお世話だ!」


207:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 18:32:59.28 ID:JuBGGkUAO
イッキ「…」カチャカチャ

野良メダロット「…」ジー

イッキ「…」

野良メダロット「…」ジー

イッキ「…」パタン

イッキ「…ごめんロクショウ、偉そうなこと言ったけど治してやるのは無理そうだ」ズーン

ロクショウ「気にするな」

イッキ「あ~、せめて設備が整った研究所なら、もっと詳しく調べられるんだけど」ゴメン

ロクショウ「そうか」

イッキ「…それにしてもロクショウお前、無茶しすぎだぞ」

ロクショウ「なんのことだ?」

イッキ「とぼけるなよ、どうやったらこんなにティンペットが消耗するんだ」

ロクショウ「…」

イッキ「ずっと、一人で戦ってたのか?」


208:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 18:46:14.12 ID:JuBGGkUAO
ロクショウ「…半年程、前のことだ。セレクト隊の奴らが野良メダロットを狩りだしたのは」

イッキ「…」

ロクショウ「はじめのうちは説得に応じたメダロットを保護するという形だったものが、ひと月もしないうちに無理やり連れ去る方針に変わったらしい」

ロクショウ「その頃からだな、俺が各地でセレクト隊の奴らとやりあうようになったのは」

ロクショウ「何度か奴らの邪魔をしたのが良くなかったらしい。今ではすっかりお尋ね者だ」


209:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 19:09:17.51 ID:JuBGGkUAO
ロクショウ「…イッキ」

イッキ「?」

ロクショウ「今、お前が一番したいことは何だ?」ジ

イッキ「…」

イッキ「アリカに会って、話がしたい…」

ロクショウ「そうか」

ロクショウ「…この先でセレクト隊以外の人間を見た」

イッキ「本当!?」
ロクショウ「まだいるかは知らん、会いたければ急ぐんだな」

イッキ「ありがとう!ロクショウ。そうだ今度家に来いよ!新品みたいにしてやるぜ?」

ロクショウ「…」

ロクショウ「…わかった、必ず行く」

イッキ「約束だぞ?じゃーな!」ギュルルル


210:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 19:21:38.57 ID:JuBGGkUAO
野良メダロット「…ホントハモットキキタイコトガ、アッタンジャナイノ?」

ロクショウ「…」

ロクショウ「イッキは変わっていなかった。だから確かめる必要がなかった」

野良メダロット「…フゥン」

ロクショウ「…お前も早く逃げた方がいい。さっきの奴らが、そろそろこここを通るだろう」

野良メダロット「あなたは逃げないの?」

ロクショウ「…」

ーお前にとってメダロットとはなんだ?

ロクショウ「俺は…」

ー何言ってんだよロクショウ、そんなの決まってんだろ?

ロクショウ「俺は…」


ー友達だよ!友達!


ロクショウ「俺は戦う」


ロクショウ「友の為に」


211:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 19:55:15.05 ID:JuBGGkUAO
セレクト隊壱「あ!やっと見つけたであります」

セレクト隊弐「手間かけさすなであります」

ロクショウ「…俺はずっと怖かった」

セレクト隊参「はあ?」

ロクショウ「各地で野良メダロットを庇い、貴様らと戦ううち…」

ロクショウ「いつしか“人間”そのものを嫌いになり始めていく自分が」

ロクショウ「そして同時に、俺にそんな感情を植え付けたお前らが憎くてたまらなかった」

ロクショウ「バートンがやられた時など本当に…」


ロクショウ「…殺してやりたい程憎かった」


セレクト隊壱「ひぃ」ビリビリ

セレクト隊弐「こ、こいつヤバいであります」

セレクト隊参「ブ、ブレイブレスキュ!ドライブC!」

ギチギチ!!

ロクショウ「だが…」ミギウデキノウテイシ

ロクショウ「イッキの言葉を思い出すことで耐えてこられた」

セレクト隊弐「ポリス!ドライブB!」

ドッ!

ロクショウ「覚悟しろ」ミギウデ ティンペットハソン キケン キケン

セレクト隊壱「ティ、ティンペットで頭部を庇った!?」

セレクト隊弐「い、イカレてる!!」

ロクショウ「俺の友の邪魔をする罪は…」


ロクショウ「重いぞ!!」


212:宇宙メダロッターX:2011/05/27(金) 22:17:59.46 ID:JuBGGkUAO
おどろ沼

イッキ「ロクショウが言ってた人間って、お前らのことだったのか…」

キクヒメ「久しぶりだねぇ、イッキ」

イワノイ「よっ!」

カガミヤマ「…」


214:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 00:33:24.99 ID:MtmH/O1AO
イッキ「で、お前ら何でここにいるんだよ?」ハァ

キクヒメ「イッキてめー何だその失礼な反応は!!」

カガミヤマ「そうだそうだ」

イワノイ「せっかく助けに来てやったってのによ」プンスカ

イッキ「…助けにって、アリカのことか?」

キクヒメ「はぁ?なんでアイツの話になるんだよ」

イッキ「え?」

キクヒメ「お前セレクト隊ぶっ潰そうとしてんだろ?
なかなか粋なことすると思って、あたしら手伝いにきてやったんだよ」

イッキ「…」

イッキ「待て待て待てーー!!」

イッキ「なんっじゃそりゃ!!なんでそんなことに!?」


216:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 00:46:44.81 ID:MtmH/O1AO
キクヒメ「メダロット狩りなんてやってるセレクト隊は解体するべきだってことで、お前が仲間集めてるって聞いたぜ?」

イワノイ「オイラはそれ聞いたとき止めた方がいいかなと思ったんだけど。
あのメタビーの事件のこと考えたら、お前にはそうする権利があるかもなって思ってよ」

イッキ(…メタビー)ズキ

ガン!

イワノイ「あ痛っ!」

キクヒメ「余計なこと言うんじゃないよお前は!!」

イワノイ「あ…す、すまねえイッキ。やっぱオイラダメダメだ…」ゴメン

イッキ「…」

カガミヤマ「…もうリバティーズも動いてる」

キクヒメ「そうそう!もうすぐ百人近いメダロッターがここになだれ込んで来るらしいぜ?」


217:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 00:59:07.58 ID:MtmH/O1AO
イッキ「ひゃ、百人って…」

キクヒメ「なんだお前大将なのに何も聞いてないのかよ」

イッキ「だから!俺はアリカを探しに来ただけで、セレクト隊が本当にこんな酷いことしてるなんてさっき知ったばっかりなんだよ!!」

イワノイ「何言ってんだよ、オイラお前が演説してるの確かに聞いたぜ?
メダロットに自由を~!って」

イッキ(身に覚えのない作戦、動いてるのはリバティーズ。これは、もしかして…)

キクヒメ「まあなんでもいいさ、とにかくあたしらスクリューズは、お前に力を貸してやろうってんで集まったんだよ」

イッキ「キクヒメ」


218:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 01:20:05.61 ID:MtmH/O1AO
イワノイ「ここで恩売っとけば、研究所のコネとか貰えるかもしれませんもんね、おやびん!」

ガン!

キクヒメ「卑しいこと言ってんじゃないよ」

キクヒメ「…ほらっイッキ、ぐずぐずしてるんじゃないよ!
結局お前はどうしたいんだい?」

イッキ「…」

イッキ「さっきも言ったけど、俺アリカを探しにここに来たんだ。
だから、レトルトさんやヒヨコ売りのオジサンにはそれを優先しろって意味のことを言われたんだけど…」

キクヒメ(あの変態仮面まだ生きてたのか…)

イワノイ(ヒヨコ…?)

イッキ「やっぱり今のセレクト隊はほっとけない!!
…だからキクヒメ、イワノイ、カガミヤマ」


イッキ「俺に力を貸してくれ!!」

キクヒメ「…しょうがないねえ」フフン

イワノイ「オイラに任せときな!」ヘヘ

カガミヤマ「お洋服が汚れても」バーン


219:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 01:50:44.90 ID:MtmH/O1AO
イッキ「イワノイ、リバティーズと連絡とれる?」

イワノイ「…こっちからは無理だけど向こうからは定期的にメールがくるぜ?」

イッキ「そっか、じゃあ何か動きがあったら知らせてくれ」

イワノイ「おう!」

イッキ「…さて、それぞれの役割を決めようか」

イッキ「キクヒメは俺と一緒に、セレクト隊から野良メダロットを助けるのを手伝ってほしい。あ、今のセレクト隊は強敵だからなるべく戦わないようにするよ?」

キクヒメ「了~解」

イッキ「カガミヤマはこれから来るっていう援軍の為に、おどろ山の入り口で待機。合流できたら連絡をくれ、できれば指揮も取ってほしい」

カガミヤマ「わかった」

イッキ「最後にイワノイ、とにかく今は情報が欲しい。一度家に戻ってもいいから、今のセレクト隊やリバティーズのことについて詳しく調べてくれないか?」

イワノイ「おやすいご用さ」


イワノイ「あ!そうだイッキ!久々にコイツを渡しとくぜ」ヒョイ

イッキ「…トランシーバーか、ありがとう」スチャ


イッキ「…よし、作戦開始だ!!」


コークスクリューズ「おー!!」


220:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 02:19:20.50 ID:MtmH/O1AO
カガミヤマ「おやびん、御武運を」ギュルルル

イワノイ「なんか分かったらすぐ連絡しやすねー!!」バッサバッサ

キクヒメ「おう、頑張んなー!!」フリフリ


キクヒメ「…さて、あたしらも虱潰しにいきますか」

イッキ「うん、そうしよう」


???「ちょっと待ったあ!!」

キクヒメ「なんだ…あんたも来たのかい」

イッキ「え、ええ~!?」


221:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 02:33:11.48 ID:MtmH/O1AO
イッキ「こ、コウジ!!」

コウジ「ふ、イッキ君がセレクト隊と戦っていると聞いてね。手伝いにきたんだ」

キクヒメ「イッキ、お前なんでそんなに驚いてんだよ」

イッキ「だ、だって!コウジお前ロボロ、もがっ」クチフウジ

コウジ「さあイッキ君、ちょっとあちらに…」グイグイ

キクヒメ「?」



イッキ「…ぷはっ!お前ロボロボ団に就職するんじゃなかったのかよ!?」

コウジ「こ、声がデカい!誰かに聞かれたらどうするんだ!?」

イッキ「はいはい、わかったわかった。
で?働かずに金もらう計画はどうなったんだよ」

コウジ「そ、そのことなんだが…」

イッキ「…」



コウジ「面接で落ちた」


224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/28(土) 06:18:56.05 ID:8h3JO0JYo
ロボロボ団に面接で落とされるとかどういうことなの…


226:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 16:49:45.24 ID:MtmH/O1AO
イッキ「えっと、え?」

コウジ「落とされたんだよ!面接で!!」

イッキ「…そうなんだ」

コウジ「面接官の一人に以前僕と戦ったことがある団員がいてね。つまりは逆恨みさ」フッ

イッキ「…」ヘー

コウジ「…それによく考えればあんな犯罪集団に身を落とそうとするなんて、僕もどうかしていたんだ」ヤレヤレ

イッキ「はあ…」

コウジ「ともかく、僕が来たからにはもう安心だぞ!イッキ君」


229:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 23:00:11.65 ID:MtmH/O1AO
コウジ「共に堕落したセレクト隊を正そうじゃないか!!」

イッキ「お、おお」

イッキ(何はともあれコウジがいてくれるのは心強いか…)

イッキ「…頑張ろうぜ、コウジ!」

コウジ「ああ、久しぶりに腕が鳴る」

キクヒメ「あんた達いつまでしゃべってるんだい!」

コウジ「す、すまない、今戻ろうとしていたところなんだ」

キクヒメ「何をのんきなこと言ってんのさ、早速お客さんだよ」

セレクト隊「君達!そこで何をしているのでありますか!?」

イッキ「…げ、やっば」


230:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 23:07:37.40 ID:MtmH/O1AO
コウジ「ど、どーする!?」

キクヒメ「決まってんだろ!?」

キクヒメ「メダロット転送」

ギュインギュイン


キクヒメ「逃げるんだよ!!」ギュルルル

イッキ「…そうだな!」ギュルル

コウジ「仕方ないかっ!」ギュルルン


セレクト隊「ま、待つであります~!」


231:宇宙メダロッターX:2011/05/28(土) 23:56:29.61 ID:MtmH/O1AO
同時刻
おどろ山

セレクト隊「随分としぶとかったでありますが、終わりであります」ニヤリ

レトルト「くっ」


セレクト隊A「しかし、追加の五人も含め十人がかりでこのザマとは…」

セレクト隊B「これではとても、本部に報告できないでありますな」

セレクト隊C「なあにそんなことは後からどうにでもなるであります」


セレクト隊「…さあ、トドメであります!」バッ

ティラノ「ガーァ!」

セレクト隊「ははは、はーはっはっはっは!!」


ビギィィィィィィィィ!!

セレクト隊「は?」

ーアサルトティラノ機能停止ー


神帝「シャアアァ!!」

???「ふふふ」

セレクト隊「…な、何奴であります!?」


???「…咲かせましょう、お米の花」

???「散らしましょう、悪の華」

???「天から舞い降りた…」
レトルト「レディ!?どうしてここに!!」ガバッ

レトルトレディ「ってちょっとおおお!!」ドン!

レトルト「おわっ!」ドテッ

レトルトレディ「っもう!前口上を邪魔するなんてどーいうつもり!?」プリプリ

レトルト「わ、悪かった」

セレクト隊D「ま、また邪魔が入ったでありますか…」


233:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 00:22:08.68 ID:jskwzzMAO
レトルト「しかし今回の任務は私だけの予定では…?」

レディ「状況が変わったのよ」

セレクト隊「そこの奴!!貴様もこの不審者の仲間でありますな!?」

レディ「…だったらどうだっていうのかしら?」

セレクト隊「もちろんひっ捕らえてやるでありま…」

神帝「ッシャアアァ!!」
セレクト隊「ひぃっ!なんなのでありますか!!コイツは!!」ビクビク

レディ「こらこら、あんまり脅かさないの」メッ

神帝「(´・ω・`)」ショボン

セレクト隊「…ええい、不審者共め!今すぐ逮捕してやるであります!」

レディ「ふふふ、私達なんかに構ってていのかしらね」

セレクト隊「は?」


セレクト隊E「ほ、報告でありまーす!!
おどろ山入り口付近で、数十名からなるメダロッター集団に我が隊が攻撃を受けたとの情報が!!」
セレクト隊「何だと!?」

レトルト「…なるほど」

レディ「さ、私達も急ぐわよ」

セレクト隊「あっ!!」

レトルト「はーっはっはっはっは、さらばだ諸君!」バッサバッサ

レディ「バイバーイ」バッサバッサ


236:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 00:52:10.56 ID:jskwzzMAO
おどろ沼

キクヒメ「相変わらずチョロいもんだね、セレクト隊なんて」フフン

イッキ「逃げただけなのに何でそんなに偉そうなんだか…」

コウジ「最近こんなのばっかりだ」ガクッ

…ザー、ザー

キクヒメ「おっと、連絡だ」

カガミヤマ『聞こえ、ますか、おやびん』

キクヒメ「おうバッチリ聞こえてるぜ、どうした?」

カガミヤマ『今、おどろ山入り口で、リバティーズの集団、と合流いたしやした』

キクヒメ「そーか!でかしたぞ!カガミヤマ」

イッキ「…それで!?どんな様子だ!?リーダーはいるのか!?」ヒョイ

キクヒメ「こら、イッキてめぇ自分のがあるだろうが、返せ!これはあたしんだ!」グイグイ

カガミヤマ『リーダーはいない、みたいだ。でも、意外としっかり、動いてる』

イッキ「そうか!セレクト隊はっ!どうしてる!?」グイグイ

キクヒメ「かーえーせー!!」グイグイ

カガミヤマ『見張りをしてた、ヤツをやっつけた、けど一人逃がしたから、すぐに応援が、くるだろうな』

イッキ「大丈夫なのか?いくら人数がいても、セレクト隊のメダロットは普通じゃないぞ?」

カガミヤマ『たぶんしばらくは、大丈夫、かなりレベルの高い、メダロッターがあつまってる』

イッキ「っそうか!了解!また何かあったら連絡頼むな」グググ

カガミヤマ『わかった…』ブツ

コウジ「…なかなか頼もしいじゃないか」

イッキ「う、うん…期待してた以上だ」ゼーハー

キクヒメ「イッキ、お前…つ、次やったら殴るからな」ゼーゼー

イッキ「わ、わかった」ハァハァ


238:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 02:43:06.94 ID:jskwzzMAO
おどろ山
ー入り口付近ー

シデン「見張りを追い払われて、奴らどうでるかな」

フブキ「…しかし、本当にいいんでしょうか。シデン様、セレクト隊は国連の組織ですよ?」

シデン「問題ないな、今やセレクト隊の内情は腐りかけさ」

フブキ「はあ…」

シデン「ちょっとしたハッキング能力があれば、組織として立ち行かなくなりかけてることぐらいはすぐにわかる」

フブキ「またそんな犯罪まがいな…」

シデン「友の掲げる理想の為だ、多少の無茶くらいは多めに見て欲しいね」

フブキ「…」ムゥ

フブキ「それにしても」

シデン「?」

フブキ「年齢といい使用しているメダロットといい、本当にバラバラですね、この集団は…」


239:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 03:17:31.68 ID:jskwzzMAO
シデン「ああ、リバティーズのことが気になるのかい?」

フブキ「はい」

シデン「…そう確か元々は、四天王と戦う為に生まれた自治組織だったらしい」

フブキ「四天王、自治組織…?」

シデン「どちらも小学生だったけど、かなりの勢力を誇っていたと聞くね」

フブキ「小学生、ですか…」

シデン「ああ、もう十年近くも前の話さ」

シデン「それが今更になって復活なんて、リバティーズのリーダーはよっぽど人望が厚いらしい」

フブキ「…」

シデン「…今集まってるのは当時の元メンバー達なんだろうね」

フブキ「…ですがシデン様」

シデン「なんだい?」

フブキ「明らかに子供やお年寄りも見受けられるのですが」

シデン「…腕に自信のある近所のメダロッター達じゃないかな、たぶん」
フブキ「そう、ですか」


246:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 23:43:10.11 ID:jskwzzMAO
ざっ…ざっ…

フブキ「シデン様、前方集団が動き出しました」

シデン「…よし、僕らも行こう」

フブキ「はい」

シデン(…しかし、なんだこの胸騒ぎは。僕の思い過ごしならいいんだが)


~~~~~

おどろ山

イッキ「隊長を探そう」

キクヒメ「…なんだよ突然、メダロット達を助けるのが先だろ?」

コウジ「…いや、確かに隊長さえ倒してしまえばこちらの勝ちだ。このまま当てもなく戦い続けるよりはよっぽどいい」

イッキ「なにも倒さなくても、説得できたら一番いいんだけど」

キクヒメ「それができねーから戦ってるんだろ?
いい加減割り切んな」

イッキ「う…わかったよ」

キクヒメ「でも、まあ確かに隊員をいくら倒しててもきりがねーしな、隊員は無視して隊長を探すか」

コウジ「その辺の奴を締め上げて聞き出した方が早くないか?」

イッキ「仲間を呼ばれたら厄介だし、その隊員が情報を持ってるとも限らないよ」

???「みぃ~つけたぞ~」

イッキ「!?げげぇ」


247:宇宙メダロッターX:2011/05/29(日) 23:54:33.12 ID:jskwzzMAO
キクヒメ「誰だこいつ?」

コウジ「お、お前は!!」

イッキ「…ななななんでお前がいるんだよ!!」

イッキ「コクエン!!」

コクエン「会いたかったぞメイド少女よ」

イッキ「俺は男だ!!」

コクエン「ふふ、そう邪険にするなよ。だいたい俺を読んだのはお前だろう?」

イッキ「はぁ?」


249:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 00:27:43.31 ID:ietXAkyAO
コクエン「フフ、照れ隠ししてるところも可愛いなぁ♪」ニジリニジリ

イッキ(ひぃぃぃ!!近寄らないで!!)


キクヒメ「…おい、だから何なんだよこの変態は」

コウジ「四天王っていただろう?」

キクヒメ「…あ~、懐かしいな」

コウジ「アイツはその一人だったんだよ。カメヤマ小で悪さをしてた玄武のコクエン…」

コウジ「まあ、見たままの変態だ」


イッキ「や、やめろぉ!!もう絶対着ないぞ!!メイド服なんて!!」

コクエン「まあそういわずに」ヒラヒラ

イッキ「い、嫌だァー!!」ヒィッ


250:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 00:47:25.90 ID:ietXAkyAO
イッキ「ってぇ!!こんなことしてる場合じゃないんだよ!!」

キクヒメ「あ、怒った」

コウジ「当然だろう」

コクエン「怒った顔もキュートだ…」

イッキ「ッコクエン!!お前ホント脈絡もなく、何しに来たんだよ!?」

コクエン「何って…この手紙を読んで君のために馳せ参じて来たのだよ」

イッキ「手紙?」チョットカシテ

コクエン「ああ」ヒョイ


イッキ「…」ドレドレ


イッキ「…」ピシッ


キクヒメ「おい、なんか固まったぞ」

コウジ「ちょっと拝借」ヒョイ

コウジ「え~、ふむふむ」

コウジ「セレクト隊の横暴が過ぎるため、力を貸して欲しいといった内容だな」

キクヒメ「別に普通じゃねーか」

コウジ「文章の要所要所にハートマークがついている。あと最後の行に“アナタのメイド少女イッキより”と書いてある」

キクヒメ「うわぁ」

コクエン「一緒にブロマイドも同封されていた」フンフン

キクヒメ「うわぁ」


251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/30(月) 01:08:52.64 ID:ietXAkyAO
イッキ「だ、誰が何の目的でこんなものを…」ブルブル

コウジ「君が出したんじゃないのかい?」

イッキキ「コウジそれ本気で言ってるの?」ユラァ

コウジ「…じょ、冗談だよ」

イッキ「…だいたい俺は偶然ここに来たのに、あらかじめ手紙なんて出しておけるわけないだろ!?」

コウジ「それもそうだな、だがそうなると…」

キクヒメ「イッキの名前を使ってメダロッターを戦いに駆りだしてる奴がいるな」

キクヒメ「あたしらもそれで集まったクチだし」

コウジ「!言われてみれば僕もそうだ」

コクエン「…」

コクエン「俺らが集まった理由なんざどうでもいいだろ」

キクヒメ「え」

コクエン「今はセレクト隊をどう止めるか考える方が先だっつってんだよ」

イッキ(…)

イッキ(き、急にまともだぁぁ!!)ガビーン


252:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 01:43:40.36 ID:ietXAkyAO
コクエン「まーどーでもいーけどな」

イッキ「…な、なんだよ突然」

コクエン「俺はホモじゃねー、可愛い子が好きなだけだってこと」

イッキ「はあ?」

コクエン「だからイッキ、お前がメイド服を着ないと宣言したことで一気にやる気をなくしちまったわけ」

イッキ「…ええと」

コクエン「じゃーな」スタスタ


キクヒメ「か、帰りやがった」

コウジ「何しに来たんだか」

イッキ(た、助かった…)



コクエン(なんてなぁククク…)

~~~~~

おどろ山

ぐしゃあああ!!

ーブレイブレスキュ機能停止ー

ロクショウ「…どうした、もう終わりか?」ギラ

セレクト隊壱「くひっ」

セレクト隊弐「お、応援を…!」

セレクト隊参「駄目であります、今ほとんどの隊員は謎の集団と戦闘中であります!」

ロクショウ「どうした、さあ来い」ギラ

セレクト隊壱「い、一時撤退であります」ダッ

セレクト隊弐「了解であります!」ダッ

セレクト隊参「…」ダッ

ロクショウ「…」

ロクショウ「行ったか」ガクッ


257:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 09:42:56.20 ID:ietXAkyAO
ロクショウ「こんな体でも、なんとかなるものだな…」ギギ

ロクショウ「だが、もう…」

ざっ…ざっ…

ロクショウ「!」

ロクショウ「新手か…」グググ

セレクト隊「…」

ロクショウ「どうした?かかって来ないのか?」

セレクト隊「…」

ロクショウ「来ないのならこちらから」ググ

セレクト隊「ロクショウ!久しぶりだぜ!」

ロクショウ「お前は…」

ロクショウ「りんたろうか?」

りんたろう「覚えててくれて嬉しいだぜ」

ロクショウ「何故セレクト隊に?」

りんたろう「手伝ったら罪を軽くしてくれるらしいんだぜ」

ロクショウ「?」

りんたろうか「でも、メダロット狩りなんて嫌だから、俺セレクト隊員倒しちゃったんだぜ」

セレクト隊「待てー!!」

ロクショウ「!?」

りんたろう「だから一緒に逃げるだぜ!ロクショウ!」ガシッ

セレクト隊「待つでありますー!!」

りんたろう「やなこっただぜ!!」ダッ


258:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 10:10:58.27 ID:ietXAkyAO
おどろ沼

イワノイ『もしもし、イッキ?聞こえてるか?』

イッキ「聞こえてるよ、それで、何かわかったのか!?」

イワノイ『へへ、何かわかった、なんてもんじゃねぇセレクト隊ってば埃まみれだぜ』

コウジ「なに?」

キクヒメ「勿体つけてないでさっさと言いな!!」

イワノイ『ひっ、おやびん!わかりやした、ええっとですねぇ…』

イワノイ『セレクト隊の奴らが保護と称してメダロット狩りをしてるのは周知の事実ですが、回収後のメダルの行方がどうも不明瞭なんすよ』

キクヒメ『ほー』

イワノイ『最終的にどこに行くかまでは辿れませんでしたが、とてもじゃないが広報してるような施設に寄付なんて事はやってませんぜ』

イッキ「それで、後は!?」

イワノイ『まあそうせっつくなよ。次に気になったのは人事の内容だ』

イワノイ『明らかにここ数年でおかしなコトになってる。
去年トックリさんが隊を抜けてからはもうあからさまさ。
まあそもそもトックリさんが辞めたこと自体が怪しいんだけどな』

コウジ「あからさまとはどういう意味だ?」

イワノイ『そのまんまさ、経歴不詳の人間を中途で大量に雇い入れたり。隊の中枢だった人物を僻地に飛ばしたり、もうやりたい放題さ」

コウジ「なんだとお!」

イッキ「…」


260:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 10:47:42.32 ID:ietXAkyAO
イワノイ『しかも今隊員として実際に働いてる奴らはほとんど警備会社からの外注なんだぜ?
それで正規の隊員は裏でこそこそ何かやってやがるんだ、信じらんねぇだろ?』

イッキ「…裏でこそこそっていうのは?」

イワノイ『それは…』

キクヒメ「イワノイ!」

イワノイ『へ、へいおやびん』

キクヒメ「じゃあ何かい?今あたし達が戦ってんのはセレクト隊じゃないって言うのかい!?」

イワノイ『…正規のって意味で聞かれたらその通りっす、おやびん』

キクヒメ「そうかい」

イワノイ『…じゃあ続きを話すぜ?』

コウジ「…」ゴクリ

イワノイ『奴らは今海外から大量に強力なパーツや部品を集めてやがるんだ。
ホントに戦争でも起こすんじゃないかってくらいにな』

イッキ(…セレクト隊のあの強さはそういうことか)

コウジ「戦争ってキミ…」

イワノイ『オイラの言ってることは大げさじゃないぜ。
あのゴッドエンペラーも目じゃないくらいの新型メダロットを独自に開発してるって噂もあるくらいだ』


261:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 11:12:06.94 ID:ietXAkyAO
イッキ「その話、ちゃんと裏はとれてるのか?」

イワノイ『バッチリさ、奴らここ最近はやり方が派手になってきたから証拠はいくらでもある。
明るみにさえしちまえばマジで潰せるぜ、セレクト隊』

イッキ「…」

イワノイ『あ、すまん。お前の父ちゃんセレクト隊なんだったな。
大丈夫さ、昔からの隊員はほとんど犯罪には関わってないって話だ』

イッキ「…心配いらないよイワノイ」

イワノイ『ならいいんだけどよ』

キクヒメ「それで?セレクト隊がきな臭いのはわかったけど、まだ何かあるのかい?」

イワノイ『へい、あとリバティーズについても調べてみたんすけど、こっちはどうもよくわかりませんでした』

キクヒメ「なんだい情けないねぇ」

イワノイ『面目ない。ただ活動を開始したのはかなり最近で、今集まってるのは元メンバーとおみくじ町周辺の腕利きメダロッター達らしいっす』

イッキ「…こんな短い時間でいろいろ調べてくれてありがとう、イワノイ」

イワノイ『いいってことよ、なんせオイラはスーパーハッカーだからな』ハッハッハ

キクヒメ「調子に乗るんじゃないよ!」

イワノイ『す、すいやせんおやびん』

イワノイ『…じゃあなイッキ、また何か分かったら連絡するぜ』

イッキ「頼むよ」

イワノイ『任せとけって』ブツ


262:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 12:31:41.09 ID:ietXAkyAO
コウジ「セレクト隊がそこまで堕ちていたとはな」

キクヒメ「これで遠慮はいらなくなったってもんさ」

イッキ「初めからそんなのしてなかったくせに…」

キクヒメ「何か言ったかい?」

イッキ「べっつにぃ」

イッキ「ただ俺も、もう遠慮してる場合じゃないなって思っただけさ」

セレクト隊甲「貴様らぁ、そこで何をしているであります!」
セレクト隊乙「まさか、今暴れてる連中の仲間でありますか!?」
セレクト隊丙「怪しいであります」

イッキ「メダロット転送」

ギュインギュイン

イッキ「…コウジ!キクヒメ!」

コウジ「!」
キクヒメ「!」

イッキ「チームロボトルだ!」


263:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 14:57:12.05 ID:ietXAkyAO
おどろ山

ハスケ「そこだ!ドギィー!!」

ドドド!!

ーブレイブポリス機能停止ー

カラス「G・O・デス!!サクリファイス!!」

ザシャア!!

ーランドブラキオ機能停止ー

セレクト隊「退却!!退却でありますー!!」


ワーワー!!

フブキ「あの改造メダロット達を相手にこうまで一方的に…」

シデン「数で勝っているのもあるが、やはり個々人のメダロッターの強さが大きいだろうね」

プテラ「ギィアアオ!!」

シデン「!」
シデン「ッゴルドラン!!ドライブA!!」

ビガアアァ!!

フブキ「トレミック、撃て!!」

ドダダッ!!

ースカイプテラ機能停止ー

シデン「ふぅ、そもそも僕らクラスター漂流組や各地の有名メダロッターが相手では、セレクト隊では荷が重かったのかもしれない」

フブキ「そうですね」

シデン「このまま押し切れれば…」

ウィィィン

シデン「!?あれは…まさか!!」

フブキ「シデン様?」

~~~~~

レディ「あちゃー、囲まれちゃったわね」

ウィィィン

レトルト「これは確かRR社の開発した、自動ロボトルマシンじゃないか」

レディ「ロッチボールっていうらしいわよ?」

ウィィィン

レトルト「この数、十や二十じゃきかないぞ!!これもセレクト隊が!?」

レディ「ええ、最早メダロッターさえ必要ないって判断らしいわ」


264:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 15:22:00.30 ID:ietXAkyAO
ボール「メダロット転送」
ボール「メダロット転送」
ボール「メダロット転送」

ギュインギュイン
ギュインギュイン
ギュインギュイン

???「シャァァァ!!」
???「シャァァァ!!」
???「シャァァァ!!」

レトルト「い、イマジンカイザー!?
ゴッドエンペラーの後継機じゃないか!!
こんな奴ら、いちいち相手にしていられないぞ!!」

レディ「それでもやるしかないわ、メダロット転送」

ギュインギュイン

レディ「アトス、ポルトス、アラミス!!
後輩を躾てやりなさい」

レトルト「…すまない、確かにキミの言う通りだった。メダロット転送」

ギュインギュイン

レトルト「ティレル!アーク!ピー!隙をみてロッチボール自体を狙え。
相手がメダロッターでないのならそれなりの戦い方はある!!」

ウィィィン


265:宇宙メダロッターX:2011/05/30(月) 16:10:05.97 ID:ietXAkyAO
イッキ「いけっ!!ブラックビート!!」

メキャッ!!

ーアタックティラノ機能停止ー

コウジ「僕たちの勝ちだな」

セレクト隊甲「ま、負けたであります」

キクヒメ「じゃああんたらの隊長がどこにいるか教えてもらおうか」ズイ

セレクト隊乙「そ、それは…」

コウジ「なんなら体に無理やり聞いてやろうか?」

ウィィィン

ボール「メダロット転送」

ギュインギュイン

イマジン「シャアア!!」

キクヒメ「うわっ!なんだコイツ」

イッキ「これは、ロッチボール!」

コウジ「AI入りメダロッチか、これもセレクト隊の差し金なのか!?」

イッキ「…一体くらいなら!!」

ウィィィン
ウィィィン
ウィィィン
ウィィィン

キクヒメ「って向こうからドンドンくるぞ!?」

コウジ「ばかな!!どこからこんなに!!」


269:宇宙メダロッターX:2011/05/31(火) 00:46:06.78 ID:hhkYh5FAO
イッキ「やるしかないか、メダロット…」

???「クウケンタウロス!アキュレート!」

ドドッ!!

ボール「!ギギ」

イッキ「君は…ハクマ!?」

ハクマ「久しぶり、イッキ君、ゆっくり話す時間もないのが残念だよ」

イッキ「ひ、久しぶり」

イッキ(ハクマも来てたのか…)

???「私もいるわよ!」
イッキ「キノコちゃん!!」

キノコ「…この先にセレクト隊の隊長がいるわ。
隊員も出払っているし、今がチャンスよ!イッキ」

イッキ「でも!」

ミズチ「ここは、俺達に任せろ」

イッキ「ってミズチまで!?」

キクヒメ「誰?」

コウジ「…ハクマは西、ミズチは東の元四天王、キノコはリバティーズのリーダーだった」

ハクマ「イッキ君、僕たちなら大丈夫、腕は落ちてないよ」

ミズチ「大将首はお前がとらないとな」

イッキ「ハクマ、ミズチ…」

キノコ「さ、私たちなら大丈夫だから早く」

イッキ「ねえ、一つだけ聞いていい?」

キノコ「ん?」

イッキ「コクエンに手紙送った?」

キノコ「…」

キノコ「えへっ♪」

イッキ「そんなんで誤魔化せると思ったら大間違いだからね!?」

イッキ「いい!?あとで絶対ちゃんと話聞かせてよ!?」

キクヒメ「おら行くんなら早くしろよ!イッキ」

イッキ「…う、うん」

キノコ「頑張ってね!」

イッキ「なんだかな~」


270:宇宙メダロッターX:2011/05/31(火) 01:08:48.25 ID:hhkYh5FAO
コウジ「この先にセレクト隊の隊長が…」ゴクリ

キクヒメ「なんだ、びびってんのか?」ヒヒヒ

コウジ「び、びびってなどいない!ただ少し緊張しているだけだ!」

イッキ「はは」

イッキ(…ここが正念場だ、戦いを終わらせるのも長引かせるのもここが)

ざー…ざー…

カガミヤマ『おやびん!聞こえますか!?おやびん!』

キクヒメ「どうした!?カガミヤマ!!」

カガミヤマ『す、凄い数の敵メダロットが突然現れて!こっちは総崩れです!』

コウジ「何だって!?」

カガミヤマ『このままでは…い…うわああ!!』

ざー…ざー…

キクヒメ「カガミヤマ!!カガミヤマー!!」


キクヒメ「…」


イッキ「…行ってやれよ、心配だろ?」

キクヒメ「イッキ」

イッキ「もともと俺が巻き込んじまったようなもんだし、こっちは俺とコウジがいればなんとかなるからさ」

キクヒメ「…」グ

キクヒメ「すまねぇ!イッキ」ギュルル


コウジ「あんな顔もするんだな」

イッキ「キクヒメはああ見えて、昔から子分思いのいい奴なんだよ」

イッキ「…さて、準備はいいか?コウジ」

コウジ「ああ、バッチリさ!」

イッキ「よし、行くぞ!!」


271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/05/31(火) 01:13:42.58 ID:zQaoh375o
キクヒメはゲームでもアニメでもいいキャラしてたもんな


272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/05/31(火) 01:38:23.35 ID:zOFKay3AO
3ではある意味ひどかったけどな。
こっち手持ち2体しかいないのに突然スクリューズで襲いかかってくることが何回かあったっけ


274:宇宙メダロッターX:2011/05/31(火) 02:34:23.31 ID:hhkYh5FAO
おどろ山奥

ホーホー

コウジ「随分と開けたところに出たな」

イッキ「見ろよコウジ、あそこに大型のトラックとテントがある。きっとここに野良メダロットを集める予定だったんだ」

ざっ…ざっ…

???「その通りだよ…天領イッキ君」

イッキ「誰だ!なぜ俺の名前を!?」

???「ん~?そりゃあ君は有名だからね」

コウジ「あんたがセレクト隊の新隊長ってわけか?」

隊長「…鋭いねぇ、いかにも、私がセレクト隊現隊長のナラヅケだ」

コウジ(この声、どこかで…)

イッキ「…今やってる野良メダロット狩りはお前が命令したことなのか?」

隊長「だったらどうだというんだね?
あと、人聞きの悪いことは言わないで欲しいな~。
イッキ君?我々が行っているのは保護なのだよ、保っ護!」

イッキ「そんなんで誤魔化されるか!!
メダロットから無理やりメダルを奪い去っておいて何が保護だ!!」

隊長「ははは、愉快なことを言うんだね君は…」

イッキ「…」

隊長「それにしても今夜は月が綺麗だな~先程までの雨が嘘のようだ」

イッキ「…何が言いたいんだ」


隊長「…」

隊長「っくくく、く…アーッハッハッハッハッ!!!!」

隊長「はっはっは!つまり今、私はとても機嫌がいいということだよ!」

コウジ(な、なんだコイツ…)

隊長「そうだ!私と勝負しないか?」

イッキ「…」

隊長「君達が勝ったら、私達は今すぐ本部に引き返して、二度とここには来ないと誓おうじゃないか」

隊長「…どうだい?悪くないだろう?」

イッキ「…俺達が負けたら?」

隊長「ん~?そうだな…その時は…」ハハ


隊長「コイツの餌にでもなってもらおうか」


隊長「メダロット転送!!」


275:宇宙メダロッターX:2011/05/31(火) 02:45:26.34 ID:hhkYh5FAO
ギュインギュイン

隊長「コイツはある会社から譲り受けたモノなんだが…少々凶暴でね。
私も手に余っていた所なんだ」

コウジ「み、見たこともないメダロットだ!
こんな奴がいたのか…」
隊長「何でも昔は木星にいたんだとか…」

イッキ(この機体、以前一度だけ見たことがある。あれは確かクラスターで…)

隊長「…その名はゼロスーサイド、人類にはまだ早い玩具だよ」

隊長「…さあ、ロボトルするならメダロットを出してくれないか?」

イッキ「…」グッ

イッキ「コウジ!!やるぞ!!」

コウジ「ああ!当然だ!!」

イッキ・コウジ「「メダロット転送!!」」


273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/05/31(火) 01:49:30.29 ID:+2UtxoeAO
ヒカルさんヒカルさん、『ねぇ、おちゃしない?』


276:宇宙メダロッターX:2011/05/31(火) 02:48:38.42 ID:hhkYh5FAO
>>273
残念ながら私はヒカルなどという人物でもなければ
リバティーズでもないのでその質問には答えられないな


それではおやすみ!


277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 03:25:25.07 ID:UDloeA54o

ゼロスーさんには結局勝てず積んだトラウマががが


280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/31(火) 13:38:19.74 ID:2bn6rcVro
久々にナビやり直してみるかな


285:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 02:10:39.42 ID:zK7XgJvAO
ギュインギュイン

イッキ「相手は何をしてくるかわからない、慎重に行くぞ」

ブラビ「はいよ」

ブラスタ「わかったわ」
コウジ「お前も気をつけろよ、エクサイズ」

エクサ「了解です、コウジ」

隊長「…さあ、遠慮はいらん、かかってくるがいい!」

イッキ「…ブラックスタッグは索敵、ブラックビートルはメダフォースチャージ!」

ブラスタ「ふん」キュイーン

ブラビ「うおお!」ゴゴゴ

コウジ「エクサイズ、メダチェンジだ!」

ジャキン!!

コウジ(…さて、何をしてくる?)

ゼロスーサイド「…」ズス

エクサS変形「コウジ、奴が動きます!」


隊長「…そう怯えなくていい、今楽にしてやる」
隊長「ゼロスーサイド、メントライフ」

ズズズ…

ブラビ「あ!?」グニャリ

イッキ「これは…」

コウジ「レベルドレインか!!」

イッキ(意外だったけど、大した脅威じゃない)


286:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 02:18:04.64 ID:zK7XgJvAO
イッキ「ブラックスタッグ!斬りつけろ!!」

ブラスタ「せい!!」

ブンッ!

イッキ(…外した!?)

コウジ「馬鹿な!!索敵後だぞ!?」

隊長「…イッキ君、君のメダルは実に良く育ててあったようだなぁ!ははは!」

隊長「…さあ、ゼロスーサイド。食らわせてやれ、ライフフォース!」

ズバァァァァァ!!

ブラビ「っくう」ミギウデキノウテイシ カンツウ キャクブキノウテイシ

イッキ「ブラックビートル!!」


287:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 02:33:10.13 ID:zK7XgJvAO
イッキ(このままじゃまずい!)

イッキ「ブラックビートル!!ミサイル発射!!」

ブラビ「おらっ」

ドッドン!!

コウジ「やったか!?」

ゼロス「…」ズズ

隊長「…確かにミサイルは避けれんが、まあそれだけだ」

コウジ「直撃、だったのに…」

隊長「ゼロスーサイド!とどめを刺してやれ、ライフフォース」

ズッババァァァ!!

ブラビ「っあああ!!」

イッキ「!」

隊長「…手応えあり、だな」

ーブラックビートル機能停止ー


288:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 02:52:24.85 ID:zK7XgJvAO
イッキ「そんな…」

隊長「はっはっは!!どーしたあ?自慢のメダロットがやられて怖じ気づいたか!!」

イッキ「く…」

イッキ(やってしまった、完全に俺の判断ミスだ…)

隊長「まったくいい気味だ!いつもいつも俺様の邪魔ばかりしやがって!!
お前なんてなぁ!!ただいっつも運がいいだけなんだよぉ!!」

イッキ「…っ」

イッキ(運が、いいだけ…?)

隊長「…さぁ思い知れ!小僧ォォ!!」


コウジ「エクサイズ!!ドライブA」

ギチギチギチ

隊長「!」

隊長(格闘トラップか!?)

隊長「…なる程、これでは迂闊に攻撃できんな」


289:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 03:13:56.41 ID:zK7XgJvAO
コウジ「調子に乗るなよ」

コウジ「イッキ君がこの程度で怖じ気づいたりするものか!!」

隊長「なにぃ?」

コウジ「僕のライバルを、馬鹿にするなと言ったんだ!!」

隊長「…はっ!何を言い出すかと思えば突然友情ゴッコか、笑わせるな!」

コウジ「ゴッコなんかじゃない!!」

イッキ「!」

コウジ「僕らは出会ったその日から喧嘩ばかりだったけど、何度も何度も戦った。その僕だから言える…」

コウジ「彼は、イッキ君は最高のメダロッターだ!!」

イッキ「コウジ…」

コウジ「イッキ君が運だけのメダロッターだと?
お前こそ笑わせるな!!」

隊長「こ、の…」


隊長「減らず口をぉぉ!!」


290:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 03:34:36.48 ID:zK7XgJvAO
隊長「ゼロスーサイド!!奴のレベルも食らいつくせぇ!!」

コウジ「…悪いがそうはさせない」

隊長「!?」

コウジ「これは本来威力が強すぎてロボトルに使ってはいけないって言われてるんだが」チラ

ゼロスーサイド「…」

コウジ「化け物退治に使うなら、問題ないだろう」

イッキ「コウジ、それってまさか…」

コウジ「オプションパーツ転送」

ギュインギュイン

隊長「な、何をする気だぁ…?」

コウジ「…行くぞ!エクサイズ!」

エクサ「はいっ!コウジ!」

コウジ「エクサイズ、メダッチェェェンジ!!!!」

エクサ「うおおおおぉぉぉっ!!」

コウジ「クラフティィ!!モォォォド!!!!」

ダダンダダーン!!


292:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 11:43:22.70 ID:zK7XgJvAO
イッキ「コウジお前、いつの間にクラフフティモードを!?」

コウジ「…以前、君に勝つためにメダロット社へ開発を依頼したんだ」

コウジ「…だけど、完成しても実戦には使えなかったから、メダロッチの中にずっととってあったのさ」

イッキ(それって忘れてたんじゃ…)

隊長「二段階の変形だと?そんな子供騙しに…」

コウジ「クラフティモードは伊達じゃない!限界まで高められた速度の一撃、耐えられるものなら耐えてみろ!!」

エクサイズ「ハァァァァァ!!」テン テンテン テンテンテンテン

コウジ「奥義!!シャドウソード!!」

エクサイズ「オオオオッ!!」

ザンッッッ!!


294:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 15:19:57.39 ID:zK7XgJvAO
隊長「ぜ、ゼロスーサイドー!!」

コウジ「やった!!」

隊長「…」

隊長「…なんてな」

ーエクサイズ機能停止ー

コウジ「え!!エクサイズ!?…どうして」

イッキ「…」

イッキ「反撃、か」

隊長「そのっ通りぃ!!ゼロスーサイドの左腕パーツ“ライフブラッド”は相手の攻撃をそのまま返す、最強の盾なのだ!!」

コウジ「な、なんてことだ…」

隊長「一撃に全てをのせるだとぅ?馬鹿なやつめ!スピードなら確かに貴様のメダロットの方が上だったというのに」


295:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 15:31:13.87 ID:zK7XgJvAO
コウジ「す、すまないイッキ君こんなはずでは…」

イッキ「気にするなよコウジ、まだ負けたわけじゃない」

コウジ「イッキ君…」

隊長「さあ、天領イッキ!残るはお前のメダロット一体だけだ!観念するんだなああ!!」

イッキ「ブラックスタッグ、メダフォースを貯めるんだ!」

ブラスタ「うおお」ゴゴゴ

隊長「無駄だっ!!こっちにレベルドレインがあるのを忘れたか!?
メダフォースなど撃たせはしないぞ!!」

隊長「ゼロスーサイド!!メントライフ!!」

ズズズ

ブラスタ「くぅ」グニャリ


296:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 16:01:54.13 ID:zK7XgJvAO
イッキ「メダチェンジだ!」

ガシャンガシャァン!

隊長「変形すれば勝てるとでも思ったか?ゼロスーサイド、ライフブラッドで迎撃準備」

ゼロス「…」ググ

イッキ「ブラックスタッグ、ドライブA!」

ブラスタP変形「フッ!」キュイン キュイン

隊長「な…さ、索敵だとぉぉ!?」

コウジ「い、イッキ君!?」

イッキ「もう一度だ!」

ブラスタP変形「フッ!」キュイン キュイン フォースガタリマセン ヘンケイヲ カイジョシマス

隊長「わざわざ変形したあげく、連続で索敵!?血迷ったか!!」

イッキ「斬りつけろ!ブラックバイス!!」

隊長「弾き返せ!ライフブラッド!!」

ザンッ!

ゼロス「ッ…」ズズ

隊長(ぐ、相手パーツの威力が低くて反撃が失敗した…)

イッキ「よし、当たった」

コウジ「やった!」

イッキ(クリティカルとまでは流石にいかなかったけど、これでまだ戦える)


297:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 16:20:30.58 ID:zK7XgJvAO
隊長「当たったからどうした!!そんな攻撃なんぞ痛くもかゆくもないわ!!」

イッキ「く…」

隊長「切り裂けぇ!!ゼロスーサイド!!」

ギチギチギチギチ

隊長「っああ!?トラップなんぞぶち壊せ!!」
バキバキッ!!

ゼロス「…」トラップノ カイジョニ セイコウシマシタ

コウジ「で、デタラメだ…」

隊長「さあ!やれ!ライフフォ…」

???「アペンディクス!!」

ビィィーーー!!

隊長「ぐっ、かわせ!!」

ゼロス「…」ヒョイ

隊長「何者だ!俺様の邪魔をするのは!!」

りんたろう「助けに来たんだぜえ!!イッキ!!」

アークD「だぜ!」

イッキ「りんたろう!?」

ロクショウ「遅くなったな」

イッキ「ロクショウまで!!」


299:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 17:00:07.11 ID:zK7XgJvAO
イッキ「って今度はセレクト隊のカッコして、どういうことなんだ?」

りんたろう「細かいことは気にするなだぜ!」

ロクショウ「無駄話してる暇はあるまい、来るぞ!」

隊長「…目障りなやつらめ!ゼロスーサイド!蹴散らせ!」

ゼロス「…」ビリビリ

隊長「どうした!!動け!!」


キクヒメ「…どうだい?痺れるだろ?
ペッパーキャットのライトジャブは…」

イッキ「キクヒメぇ!?」

カガミヤマ「援護するぞ」

イッキ「無事だったのか!?カガミヤマ!」

キクヒメ「それがコイツただ驚いて転んだだけだったんだよ、情けないだろ?」

カガミヤマ「面目ない」

イッキ「いや、それは別にいいけど、どうして…」


300:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 17:09:08.25 ID:zK7XgJvAO
キノコ「案外大したことなかったのよ、あのロッチボールとかいうの」

シュリ「まだセレクト隊の方が手応えがありましたわ」

キノコ「ってなんであんたが!?呼んでないわよ、わたし!!」

シュリ「ふん、カリンに頼まれたのだからしょうがないじゃない」

ハクマ「多分残ってるのはその隊長さんだけだよ」

ミズチ「…」フッ

イッキ「四天王のみんな…」


301:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 17:18:36.60 ID:zK7XgJvAO
シデン「それは聞き捨てならないな、君」

キノコ「え?」

シデン「いいかい?そもそもロッチボールは自分が攻撃されるなんて想定して作られたものじゃないんだ。
もしこれを軍事的に使用するとなればその辺りの対策をしておくのは当然のことと言える。
その当然の仕様変更を怠ったセレクト隊の技術部に問題がったのであって、ロッチボールそのものをあたかも…」

フブキ「し、シデン様その辺で…」

シデン「あ、ああすまない少し熱くなってしまったようだ」

イッキ「シデンさん!?」

イッキ(いい加減驚き疲れてきたぞ…)

シデン「やあ、イッキ君久しぶり。今回は我が社の盗品が迷惑をかけてしまったようですまないね」

イッキ「盗品、ですか?」


303:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 17:26:57.06 ID:zK7XgJvAO
シデン「ああ、あの機体は研究の為に僕が友人から預かっていたものだったんだが先日何者かに盗まれてしまっていたんだ」

イッキ「じゃああの機体はRR社の?」

シデン「まったく、困ったものさ。ロッチボールだって訓練用だというからあれだけの数を貸し出したというのに…ですよね?ナラヅケさん!」

隊長「ううーるさーい!!借りたものをどう使おうと俺様の勝手だあ!!」

シデン「やれやれ、修理費だけでもバカにならないんだけどね」

フブキ「後でセレクト隊に請求しておきますか」

シデン「そうしよう」


304:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 17:49:46.24 ID:zK7XgJvAO
レトルト「さあ、これだけの数のメダロッター達を相手にまだ戦うつもりか!?」

レディ「観念なさい」

イッキ「レトルトさん!レディも」

レトルト「私達だけではないぞ!見たまえ!!」


男の子「メダロット狩りなんて許さないぞ!!」

女の子「セレクト隊覚悟ー!!」

サラリーマン「企業戦士参上!!」

オフィスレディ「早く帰って金スマ録画しなきゃ」

女子高生「マジメダロットいじめるとか許せないってかんじー」

おばさん「主婦は忙しいんだよ!」

おじいさん「ぼ、ボロトル…はぇ?」

おばあさん「おじいさん!ロボトルじゃよロボトル!」

わーわー


イッキ「こ、こんなにたくさんの人が…」

りんたろう「あ!ぶちょー達もきてたのかだぜ!」

ハスケ「おう、ここでロボトルしてるって聞いてな!」

ムツキ「ところでなんでセレクト隊の服なんて着てるでやんすか?」

りんたろう「いろいろあったんだぜ」

バフサク「答えになってないクマ…」


305:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 21:55:27.97 ID:zK7XgJvAO
隊長「黙れ黙れ黙れぇ!こうなったらぁ!!」

イッキ「…」

イッキ「もういいだろ、サケカース」

酒粕「き、貴様いつからそれを…」

イッキ「そんなの見ればわかるよ。何を企んでいたのかは知らないけどさ」

イッキ「セレクト隊の隊長になってメダロット狩りをして、もう十分だろ?
これだけの騒ぎになったんだ、真実は全て明るみに出る」

イッキ「お前の負けだ」


306:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 22:13:58.97 ID:zK7XgJvAO
バフサク「サケカースって確か…」

ムツキ「ロボロボ団のリーダーでやんす!」

りんたろう「セレクト隊の隊長がロボロボ団だったのかだぜ!?」

ハスケ「まったく世も末だな」


フブキ「とんでもないスキャンダルですね」

シデン「まあ、前例がないというわけではないが」


カリン「セレクト隊の隊長さんはいったい誰が逮捕すればいいのでしょう?」

コウジ「そうだなあ…」

コウジ「ってカリンっ!!いつの間に!?」

カリン「イッキさんやコウジさんが危ないと聞いて駆けつけましたの」

カリン「ご迷惑でしたか?」

コウジ「そ、そんなことはない。とても嬉しいよ」ハハ

カリン「まあ、良かった」ニコッ


シュリ「あんたこうなることまで予想してたの?」

キノコ「まさか、わたしはただメダロット狩りが止められればいいなって思って、知り合いのメダロッターをかき集めただけよ」

ハクマ「とにかくセレクト隊は何らかの社会的制裁を避けられないだろうね」

ミズチ「…」


308:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 22:32:14.47 ID:zK7XgJvAO
イッキ「さあ、サケカース」スッ

酒粕「…くくく」

酒粕「アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャーー!!」

キクヒメ「な、なんだアイツ…イカレたか!?」

カガミヤマ「こ、怖い」

酒粕「者ども!!であえぇぇぇい!!」

ロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボロボ…

ロクショウ「ロボロボ団か」

レトルト「相変わらずの物量作戦、芸のない奴らだ」

レディ「…でも、ちょっと人数が多すぎない?」

酒粕「あばよっ!」ギュルル

イッキ「!」

キクヒメ「おい!サケカースが逃げるぞ!!」

ミズチ「イッキ!!奴を追え!!ここは俺達に任せろ!」

りんたろう「そうだぜ!!任せるだぜ!!」

イッキ「…」グ

イッキ「わかった!頼む!」ギュルル

ロボロボ団「おっとここは通さな…」

コウジ「邪魔だ」ドン

ロボロボ「ぐえ」

コウジ「逃がすなよ!!イッキ君!!」

イッキ「コウジ…」

イッキ「サンキュ!」ギュルル


わーわー


311:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 23:01:56.29 ID:zK7XgJvAO
おどろ沼
ー川岸上流ー

イッキ「サケカース、その先は崖だぞ」

酒粕「ふん」

イッキ「もう逃げ場はないん、大人しく…」

酒粕「俺様が大人しく捕まるとでも?」

イッキ「…なんだか、なぁ」

酒粕「…」

酒粕「思えば貴様とまともに話したことなど数えるほどしかなかったな…」
イッキ「…だからなんだよ」

酒粕「…」

酒粕「イッキよ、貴様はかつてヘベレケの野望を挫いた」

イッキ「…」

酒粕「貴様はかつて我々の宇宙進出を阻み、マザーメダロットを打倒した」

イッキ「…」

酒粕「貴様はかつて四天王を倒し、あまつさえ味方につけ、その上に立つビーストキングの計画を潰した」


312:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 23:11:19.58 ID:zK7XgJvAO
酒粕「まったく憎たらしいガキだったが…今思えば、たいしたものだ関心してしまう」

イッキ「…」

酒粕「だが今の貴様はどうだ。メダマスターになり、メダロッターの頂点に立った後の貴様は、成長を止めてしまったのではないか?」

イッキ「…」

酒粕「この十年、貴様は何か得たものがあるのか?」

イッキ「…」

イッキ「…あるよ」

酒粕「…ふん、何を得たかなど聞きたくもないな。用意に想像できる、下らんものだ」

イッキ「…」

酒粕「では反対に貴様は…」


酒粕「何を失った?」


イッキ「…」ズキ


イッキ(…メタビー)


314:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 23:31:59.64 ID:zK7XgJvAO
おどろ山奥

ドドド!!

ロボロボ団「ひぃ~!ロボ!!」

ーバッドハッカー機能停止ー

フブキ「こっち終わったぞ!誰か苦戦してる奴はいないか!?」

ドダッダーン!!

ーワンホイール機能停止ー

りんたろう「こっちも終わっただぜ!!」

ボババ!!

ーゴーフバレット機能停止ー

キクヒメ「へっ!ロボロボなんかにてこずっていられるかい!」

カガミヤマ「おやびん、こっちも終わりやした」

コウジ「どうやらほとんど片付いたみたいだな、早くイッキ君を…」

イワノイ「おやびーん!!ただいま戻りやしたあ!!」

キクヒメ「遅いんだよ!あの後すぐ来いって連絡しただろーが!!」

イワノイ「すいやせん、でもどうしても調べたいことがあって、ちょっと時間くっちゃってたんすよ」

キクヒメ「…ほー、何を調べてたんだい?」


315:宇宙メダロッターX:2011/06/01(水) 23:52:05.27 ID:zK7XgJvAO
イワノイ「びっくりして腰抜かさないでくださいよ?」

キクヒメ「…」

イワノイ「ここにいるみんなもよく聞いててくれ!!凄く重要なことなんだ!」

キクヒメ「早く言え!!」ボカ

イワノイ「は、はいっ!その、オイラセレクト隊の隊長の経歴を洗ってみたんですけど…なんと、その正体はあのロボロボ団リーダーの…」

イワノイ「サケカースだったんですよ!!」ドン

コウジ「…さあ、みんなイッキ君の応援に行こう」

キノコ「オッケー!!」

カリン「行きましょう」

キクヒメ「そうだな…」

イワノイ「ってちょっと、なんで無視するんですか!?おやびーん!」

キクヒメ「んなこたぁとっくに知ってるからだよ!」

イワノイ「え、えー!?」ガビーン

キクヒメ「今、正体現したサケカースをイッキの野郎が追ってんだよ!!」

イワノイ「な、なんだってー!!」

キクヒメ「しかもサケカースの野郎は木星産のメダロットなんか持ってやがって、イッキでも勝てるかどうかわからないんだよ!!」

イワノイ「そ、そんな…」


イワノイ「…なんだ、じゃあもうあの事件を起こした犯人が、ロボロボ団だったってことも、もうみんな知ってるんですね」

キクヒメ「…」

キクヒメ「イワノイ」

イワノイ「はい?」

キクヒメ「…詳しく話せ」グイ


316:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 00:11:50.85 ID:rmYsypMAO
イワノイ「…えっと、詳しくと言われても。例のセレクト隊の個人情報漏洩事件で、世間にデータをバラまいたのがロボロボ団だったって言うことなんですけど…」

キクヒメ「犯人って、そっちかよ…。
メタビー壊した実行犯のほうかと思ったじゃねえか!」バッ

イワノイ「あっ、すいやせん。オイラも気になってそっちの繋がりも調べたんすけど、実行犯とロボロボ団にやっぱり関係はないみたいでした」

キクヒメ「ちっ、胸くそ悪いこと思い出しちまったじゃねえか!」

りんたろう「…何の話をしてるだぜ?」

キクヒメ「お、お前には関係ねーよ。それより今はイッキの奴を早く追いかけないと」

コウジ「その話、僕も気になるな」

ミズチ「移動しながらでも話はできるだろう」

カリン「聞かせて下さいませんか?」

キクヒメ「お、お前ら…」

キクヒメ「…だ、ダメだダメだ!こ、これはそんな人前でベラベラ喋るようなことじゃ…」

カガミヤマ「…おやびん、ここにいるみんなには聞く権利があると思います」

キクヒメ「カガミヤマ…」

イワノイ「そーっすよ、それに調べればすぐ分かることっす」

キクヒメ「…」


キクヒメ「わかったよ」


317:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 00:26:11.24 ID:rmYsypMAO
キクヒメ「ただ、あたしはこういうの話すの苦手だからイワノイ、お前がやれ」

イワノイ「へい、しかし何から話せば良いものか…」

りんたろう「それはいつ頃の話なんだぜ?」

コウジ「…イッキ君がメタビーを使わなくなったのは、確か高校生くらいからだったと記憶しているが」

カガミヤマ「いやあれは、まだみんな一緒だったから中学生の頃だ」

イワノイ「そうそう!ギンジョウ小学校から繰り上がりで、中学になっても面子は殆ど変わってなかったんだよな」

ミズチ「それで?」

イワノイ「イッキはその頃メダロット部に入っててさ大会とかもバンバン出てた」

イワノイ「でも入部早々先輩達をこてんぱんにしちまったから、あんまりよくは思われてなかったらしいけど」


318:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 00:40:02.72 ID:rmYsypMAO
イワノイ「それで…その」チラ

キクヒメ「ふう、それでイッキのヤツは、イジメに近いようなことをされるようになったんだよ」

カリン「そんなっ」

イワノイ「オイラ三年間あいつと同じクラスだったけどアイツ教室じゃ全然そんなこと感じさせねーんだ、いつも明るく笑ってて、人気もあった」

ミズチ「…」

イワノイ「ただ、それが気に食わなかったのか上級生からのイジメがエスカレートして、かなり陰湿なこともされたらしい」

イワノイ「…情けねーよ、あの時同じクラスだったオイラは何も気付いてやれなかった!それどころかアイツに嫉妬して…」

カガミヤマ「イワノイ!」

イワノイ「!」ビク

カガミヤマ「その話はもう、その辺で…」

イワノイ「あ、ああ…すまねぇ、話がそれちまったな」


319:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 00:51:41.47 ID:rmYsypMAO
イワノイ「そんな時だった、セレクト隊本部の管理してた隊員の個人情報が外部に漏れる事件が起きたのは…」

コウジ「ちょっと待て、そんな事件聞いたことがないぞ!!」

イワノイ「ああ、当然事実を公表して、すぐに然るべき処置が取られるべきところを、セレクト隊本部が隠蔽したんだ」

ハクマ「隠蔽体質か…」

イワノイ「最悪なのは漏洩したデータの中にはイッキの家の住所が記載されていて、面白半分にそいつがネットにばらまかれたことだ」


320:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 01:12:30.79 ID:rmYsypMAO
イワノイ「そして、事件が起きた」

イワノイ「情報の漏洩から一週間後、バラまかれたデータの住所を頼りに、頭のおかしな野郎がイッキのうちに押し入ったんだ」

イワノイ「悪いことってのは重なるものでさ、その日イッキは先輩達のイジメでメダロッチを取り上げられてたらしいんだ」

イワノイ「そのせいでメダロッチのないままイッキとメタビーは家に帰ってきた」

イワノイ「そのころイッキの母ちゃんを脅して無理やり家に入っていたそいつは、玄関で待ち伏せをしていたんだ」

イワノイ「そいつは無防備に背中を見せたメタビーをめったうちにしてから、メダルを抜き取ったらしい」


321:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 01:28:07.92 ID:rmYsypMAO
イワノイ「呆然とするイッキをロープで縛り付けた後、そいつは“また来る”って言い残して逃げたんだと」

イワノイ「で、しばらくして遊びに来たアリカが通報して、その日のうちに犯人は捕まったんだ」

イワノイ「…そいつの供述は意味不明でさ、すぐ頭の病院に送られたらしいぜ」

コウジ「メダルは!?犯人は捕まったんだろ!?」

イワノイ「それがさ、持ってなかったんだよ、そいつ盗んだメタビーのメダル」

コウジ「じゃあ!じゃあメタビーのメダルはどこにいったって言うんだ!!」

イワノイ「それがわかんねえから、今イッキはメタビーと一緒にいねーんだよ!!」


322:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 01:50:21.72 ID:rmYsypMAO
イワノイ「それからアイツ今の家に引っ越したんだ。
町内だけど昔の家にいるよりはずっと気が楽だって言ってたな」

コウジ「…」

りんたろう「メダルは、ちゃんと探したのかだぜ!?」

イワノイ「当たり前だろ、オイラ達スクリューズも連日手伝ったさ。
一応の目撃情報を当てにな。けど全然場所が一致しねぇから大変だったんだ。
川で捨てるとこを見たとか、ゴミ収集車に投げ入れてたとか…」

イワノイ「それでもメダルは見つからなくて、だんだん手伝うやつも減っていった」

コウジ「どうして僕やカリンに相談してくれなかったんだ!!」

カリン「…」

キクヒメ「…さあな、そいつはイッキ本人に聞いてくれよ。
…ただそれはデリケートな質問だからな?間違っても今みたいな聞き方するんじゃねえぞ」

コウジ「…そうだな、すまない」


323:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 02:10:26.71 ID:rmYsypMAO
イワノイ「その後はアイツ、部活も辞めて毎日毎日町中でメタビーを探して走り回ってたんだ」

イワノイ「オイラ達とアリカもずっと一緒に探してたんだけど。
半年くらいたったある日もう見つからないからって諦めたんだ」

シュリ「…あら、案外あっさりだったのね」

キクヒメ「!」

キクヒメ「てめぇ!!勝手なこと抜かすんじゃねーよ!!
あたし達がどんな気持ちで諦めたか!!
お前にわかんのかよ!?」ギロ

シュリ「…ご、ごめんなさい」

イワノイ「いいさ、諦めたのはホントのことだ」

イワノイ「イッキは自分一人で探し続けたらオイラ達に罪悪感が残るだろうし。
これ以上付き合ってもらうわけにもいかないから、メタビーのことはすっぱり諦めるって言ってた」

キクヒメ「…あの頃のアイツは正直見てらんなかったぜ」

ミズチ「実際そんな簡単に諦めがつくわけもないからな」

カガミヤマ「イッキ、辛そうだった」

イワノイ「…」

イワノイ「…と、オイラ達が知ってんのはこんなところさ」

イワノ「まだなんか聞きたいことあるかい?」


324:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 12:32:35.96 ID:rmYsypMAO
キノコ「イッキをイジメてたってヤツらはどうなったの?」

イワノイ「別にどうもならないさ、こっぴどく叱られて謝りにきたらしいけど、それだけさ」

ミズチ「ふん」

イワノイ「謝られたからって、今更仲良くなんて出来るわけもないだろうしな」

シデン「セレクト隊の個人情報漏洩をしたロボロボ団は、本当に押し入り事件に関与してないのかい?」

イワノイ「…確実にそうと言えるかはわからねぇ。でもオイラの調べた範囲じゃ繋がりはないと思えた」

カリン「…イッキさんがそんな事件に巻き込まれていたなんて」

コウジ「僕は傷ついているイッキ君に何もしてあげられなかったのか」

イワノイ「…そう落ち込むなよ、もう随分前のことだ。イッキも心の整理はもう十分ついてるだろうさ」

コウジ「そうか…」

キクヒメ「…さ、もう話はこんなところでいいだろう?急ごうぜ」

りんたろう「イッキが心配だぜ!急ぐだぜ!」

ハクマ「もしかしたらもうサケカースと戦っているかもしれない」

コウジ「…」

コウジ(イッキ君キミは…)


325:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 12:41:26.18 ID:rmYsypMAO
おどろ沼
ー川岸上流ー

酒粕「どうした?言ってみろ!貴様が何を失ったか!!」

イッキ「…俺は」

酒粕「…自分でわからんのなら俺様が教えてやろうか」

イッキ「なに…?」

酒粕「これだろ?貴様が失ったモノは」キュピーン

イッキ「!」

イッキ(あれは…カブトメダル…)

イッキ(…メタ…ビー?)

酒粕「貴様がメダルを失ったあの事件、首謀者が俺様だったとしたら」

酒粕「どうする?」


326:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 12:50:53.92 ID:rmYsypMAO
イッキ「許さない…」


イッキ「絶対に許さないぞ!!!!サケカース!!!!」

酒粕「おおーっと、それ以上近づくなよ。メダルがどうなっても知らんぞ?」

イッキ「…っ!」ギリ

酒粕「取引をしようじゃないか」

イッキ「なんだと?」

酒粕「簡単なことだ。貴様は今日見たことを全て忘れろ」

酒粕「そして、私はセレクト隊長ナラヅケであり、ロボロボ団のリーダーサケカースなどではなかったと仲間連中に言って聞かせるんだ」

酒粕「無事何事もなく騒ぎが収まればこのメダルを返してやる」

イッキ「…」

酒粕「悪い条件ではないだろう?」


327:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/06/02(木) 13:29:48.71 ID:rmYsypMAO
イッキ「そんなことできるわけないだろ、サケカース」

酒粕「な、ならメダルは…」

イッキ「いや…」

イッキ「メタビーは取り戻すし、お前も捕まえる!!」

酒粕「な、なにー!?」ガーン

イッキ「お前が負けを認めるまで!
何度でも戦ってやる!行くぞっ…」


イッキ「真剣ロボトルだ!!」バン


酒粕「ほ、ほわぁぁ!?」

うるち「合意と見てよろしいですね!?」

酒粕「ってお前どっから現れた!?
してない!!俺は合意など…」

イッキ「負けるのが怖いのか?サケカース。
嫌なら逃げてもいいんだぜ?」

酒粕「な、なんという安い挑発。…だが俺様のプライドがそれを無視することを許さん」

酒粕「いいだろう!!受けてたってやる!!」

酒粕「メダロット転送!!」

ギュインギュイン

酒粕「貴様の持っているおもちゃなんぞに、この木星産の超兵器が負ける筈などないのだあああ!!」

イッキ「…兵器なら、俺も持ってる」

イッキ「決着をつけるぞ、サケカース!!」

イッキ「メダロット転送!!」

ギュインギュイン


328:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 13:49:03.12 ID:rmYsypMAO
うるち「ではこれより…」

うるち「サケカース選手のゼロスーサイド対イッキ選手のグレインの真剣ロボトルを開始します」

うるち「両者とも準備はいいですね?」

酒粕「はっ!何かと思えばオロチの作った出来損ないか、ゼロスーサイドの敵ではない」

イッキ「試合前に大口叩くと後で後悔するぜ?」

うるち「…よさそうですね」

うるち「っそれではぁぁっ!!


うるち「ロボトルゥゥゥ!!ファイトォォォォ!!」


332:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 16:24:33.22 ID:rmYsypMAO
イッキ「グレイン!ドローン使用!!」

プゥワワー!

酒粕「はっ、行動誘発か」

イッキ(これでゼロスーサイドは右腕パーツしか使えない)

酒粕「だからどうした!!ライフフォースが使えれば十分よ!!」

酒粕「切り刻め!!ゼロスーサイド!!」

ズッバァァァァ!!

イッキ「防御だ!!」

グレイン「ぐぅ!」

酒粕「…ちっ、忌々しい装甲だ!」

イッキ「グレイン、メダチェンジ!!」

ダダンダダーン!


333:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 16:41:04.15 ID:rmYsypMAO
酒粕「ぐっ、ライフフォース」

ズババッ!!

グレインS変形「ぐぐ」

酒粕「さ、さらに固くなりやがった…」

イッキ「グレイン!!ドライブB!!」

シャシャシャッ…ドォン!!

ゼロス「…っ!」

うるち「ゼロスーサイド、脚部機能停止!!」

酒粕「おのれ!!デストロイなんぞ撃ってきやがって!」

ゼロス「…」シュー

うるち「行動誘発の効果が解けました!」

酒粕「よし!メントライフだ!」

ズズズ

グレイン「うぅ」グニャリ

酒粕「ははは!頂いたぞ貴様のレベル!」


334:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 16:50:17.77 ID:rmYsypMAO
イッキ「グレイン!!タイムアタック!!」

ギャァァン………ドドドン!!

ゼロス「…っ!!」

うるち「ゼロスーサイド、左腕機能停止!貫通!頭部にダメージ!」

酒粕「まだ当たるのか!?くそ!もう一度レベルドレインだ!!」

ズズズ

グレイン「うぅ」グニャリ

酒粕「どーだあ!!これだけのレベル差だ!!もう攻撃は当たらんぞ!!」


335:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 16:59:43.42 ID:rmYsypMAO
イッキ「…」

イッキ「お前の負けだよ、サケカース」

酒粕「なにぃ?」

イッキ「グレイン、ドライブA」

…………ッザン!!

ゼロス「…」ボボン


ーゼロスーサイド、機能停止ー


酒粕「あ…あ…」

イッキ「グレインのドライブAはアサッシン」

イッキ「…必中の斬撃さ」


336:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 17:26:18.63 ID:rmYsypMAO
うるち「ゼロスーサイド機能停止!イッキ&グレイン選手の勝利ぃ!!」カンカンカン

イッキ「まだやるか?」

酒粕「く、くそ!くそ!くそー!!俺様は!俺様はぁぁ!!」

イッキ「…」

イッキ「さあ、もういいだろ。終わったんだよ、全部」

酒粕「う、うう!!うう!!近寄るなこのメダルを割るぞ!!いいのか!?」

イッキ「…そんなことしてなんになるんだよ、メダルは何も悪くないんだぜ?」

酒粕「貴様、何故そんなに落ち着いて…まさか?」

イッキ「わかってたよ…一目見てそれがメタビーじゃないことくらい」


337:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 17:48:33.58 ID:rmYsypMAO
酒粕「ちくしょー!!ちくしょー!!じゃあもう意味ねーじゃねーかよ!!」

酒粕「こんなものぉぉ!!」ポイ

イッキ「あ、馬鹿!!」ダッ

酒粕「へっ?」

イッキ「うおおおお!!」ヒュー

……ザパーン

酒粕「は?」


りんたろう「…い、イッキが崖から飛び降りただぜ!!」

キクヒメ「やっと追いついたと思ったら!!畜生!!」

カリン「イッキさんが!?」

コウジ「おい!サケカース!どういうことだ!!
今イッキ君は、お前の投げたメダルを追って川に飛び込んだように見えたぞ!?」

酒粕「お、おれは…」

イワノイ「イッキーー!!」

カガミヤマ「イッキが、落ちた…」

レトルト「なんて事だ!!」

レディ「…とにかくみんなで川を探しましょ!!」

キノコ「そうね、行くわよ!」

シュリ「ええ!!」

ハクマ「急がないと!」

ミズチ「あのバカっ!!」


339:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 18:39:32.55 ID:rmYsypMAO
イッキ「…」


イッキ「…」


イッキ「…」


メタビー「…」


イッキ「…」

イッキ「なんだ」

イッキ「こんなとこにいたのかよ」

イッキ「メタビー」


メタビー「…」


イッキ「探してたんだぜ?」

イッキ「ずっと」


340:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 18:41:13.04 ID:rmYsypMAO
イッキ「俺達が出会ってから、いろんなことがあったよな」

メタビー「…」

イッキ「アリカに先輩面されたり」

イッキ「偉そうに威張ってたスクリューズを倒したり」

メタビー「…」

イッキ「コウジやカリンちゃんと仲良くなれたのも、お前のおかげだったよな」


341:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 18:48:27.13 ID:rmYsypMAO
イッキ「ハチロウとか、今何してるんだろうな…」

メタビー「…」

イッキ「楽しかったよな」

イッキ「ロボロボ団と戦ったりしてさ」

イッキ「セレクト隊なんて全然頼りにならないし」

メタビー「…」

イッキ「結局俺達がヘベレケ博士の野望を止めるしかなかったんだもんな」

メタビー「…」

イッキ「あと、正直ゴッドエンペラーは強すぎだったよな」

メタビー「…」

イッキ「やっぱりヒカルさんは凄いや」


342:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 18:56:57.09 ID:rmYsypMAO
イッキ「あと、強すぎっていったらやっぱりヴィクトルだよな」

メタビー「…」

イッキ「今考えてもあのウォーバニット絶対おかしいって」

メタビー「…」

イッキ「そういうば昨日久しぶりにナダコに会ったんだぜ?」

メタビー「…」

イッキ「相変わらずたこ焼き焼いててさ、結婚してくれなんて言うの」

イッキ「全然変わってなかったよ」


343:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:06:40.47 ID:rmYsypMAO
イッキ「メダリンピックなんてのもあったよな」

メタビー「…」

イッキ「キクヒメがチーム名をコークスクリューズ、なぁんて勝手に決めてさ」

メタビー「…」

イッキ「花園学園でカリンちゃんとコウジがチームに入ったんだよな」

メタビー「…」

イッキ「確かその頃だよな、メダロット博士がサイカチスをくれたのは」
メタビー「…」

イッキ「嬉しかったよな」

イッキ「研究所に行ったらいつもナエさんがメダルをくれたっけ」


344:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:16:16.37 ID:rmYsypMAO
イッキ「アースモールとか、アンダーシェルとか、ヘブンスゲートとか」

メタビー「…」

イッキ「なんか行く先々で事故とか誤作動があったな」

メタビー「…」

イッキ「あ、さっきカラスとカモメちゃんがいたの見たよ。話してはいられなかったけど」

メタビー「…」


345:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:21:00.36 ID:rmYsypMAO
イッキ「メダリンピックで優勝して、宇宙にも行ったっけ」

メタビー「…」

イッキ「月の裏側には海があった、なんて誰も信じないだろうな」

メタビー「…」

イッキ「マーブラーとスバル、元気にしてるかな」

メタビー「…」

イッキ「ブラックビートルとブラックスタッグは元気すぎるくらいだけど」


346:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:29:24.84 ID:rmYsypMAO
イッキ「カリンちゃんがさらわれたりもしたよな」

メタビー「…」

イッキ「そのちょっと前に、お前以外のデータをリュウコ先生に全部取り上げられちゃったっけ」

メタビー「…」

イッキ「メダロッチのデータを二回もなくしたのなんて、もしかして俺だけかもな」


347:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:37:31.25 ID:rmYsypMAO
イッキ「今思うと凄い行動力だったよな、俺達」

メタビー「…」

イッキ「東西南北の小学校を解放してまわるなんて」

メタビー「…」

イッキ「さっき会ったけど、四天王もリバティーズもみんなほとんど変わってなかったよ」


348:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:43:33.89 ID:rmYsypMAO
イッキ「メダ検ってあったよな」

メタビー「…」

イッキ「俺達、ロボトル世界大会二位の元日本代表で、メダリンピック優勝チームのリーダーだったのに、検定だと最低ランクで笑ったよな」

メタビー「…」

イッキ「それにしてもヒカルさんがメダマスターだったのは驚いたよな」

メタビー「…」


349:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:50:29.24 ID:rmYsypMAO
イッキ「クラスターに遊びに行ったの覚えてるか?」

メタビー「…」

イッキ「まさかあんなにあっさり負けちゃうなんて思わなかったよな」

メタビー「…」

イッキ「強かったなぁカスミさん達、やっぱり世界は広いって思ったよ」

メタビー「…」

イッキ「でも、負け惜しみじゃないけど」

イッキ「もしカスミさん達がおみくじ町に来る側だったら、勝てたような気が今でもするんだ」


350:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 19:55:42.12 ID:rmYsypMAO
イッキ「中学に入ってからも楽しかったよな…」

メタビー「…」

イッキ「あの頃、毎日ロボトルしてても負け知らずだったもんな」

メタビー「…」

イッキ「くだらないヤツらのやることなんて、メタビーさえいれば全然へっちゃらだったよ」


351:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:02:57.52 ID:rmYsypMAO
イッキ「…」

メタビー「…」

イッキ「メタビーがさ、いなくなってから」

メタビー「…」

イッキ「俺、必死で探したんだぜ?」

メタビー「…」

イッキ「俺だけじゃない、いろんな人がお前を探すのを手伝ってくれたよ」

メタビー「…」

イッキ「アリカやスクリューズなんて、絶対に見つけるって、受験も近いのにずっと一緒に探してくれてたんだ」


352:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:10:36.23 ID:rmYsypMAO
イッキ「もう会えないって思ってた」

メタビー「…」

イッキ「へへ」

メタビー「…」

イッキ「それでさ、高校はみんなバラバラになっちゃったんだ」

メタビー「…」

イッキ「俺、やりたいコトもなくてさ。毎日学校が終わったら町をぶらぶらしてた」

メタビー「…」

イッキ「結構不良に絡まれたりもしたけど、俺グレインとか持ってたから割と平気だったよ」


353:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:15:14.74 ID:rmYsypMAO
イッキ「そのうちその不良に頼まれて他校の生徒と代理ロボトルやったりして…」

メタビー「…」

イッキ「今考えるとろくでもない高校時代だったな」

メタビー「…」

イッキ「でもある日、やっぱりコレじゃ駄目だって思ってさ、一念発起したわけだ」


354:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:20:46.30 ID:rmYsypMAO
イッキ「それからはずっと勉強漬けの毎日さ、絶対メダロットの研究者になってやるって思って」

メタビー「…」

イッキ「学校や家じゃ何となく気まずかったから、研究者に入り浸ってたよ」

メタビー「…」

イッキ「よくナエさんが勉強教えてくれたな、たまに博士も来てくれて」

メタビー「…」

イッキ「アリカも部活帰りによく寄ってたな」


355:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:27:31.72 ID:rmYsypMAO
イッキ「で、奇跡的に第一志望に受かった俺は晴れて大学生になったんだ」

メタビー「…」

イッキ「俺にしちゃ結構いいとこ行けたんだぜ?キクヒメもイワノイもみんなびっくりしてた」

メタビー「…」

イッキ「そういえばアリカだけは、驚かずにおめでとうって言ってくれたっけ」


356:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:32:12.89 ID:rmYsypMAO
イッキ「大学でメダロットのこといっぱい勉強したよ」

メタビー「…」

イッキ「でもなんかさ、知れば知るほどだんだん分からなくなってくことってあるみたいなんだ」

メタビー「…」

イッキ「メタビーにはちょっと難しかったかな」


358:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:38:46.70 ID:rmYsypMAO
イッキ「で、気付いたら家に引きこもりがちになってたんだ」

メタビー「…」

イッキ「アリカにはずいぶん詰られたよ」

メタビー「…」

イッキ「久しぶりにイワノイと会ったときも何を話していいか分からなかった」

メタビー「…」

イッキ「ヒカルさんにはイライラをぶつけちゃったし」

メタビー「…」

イッキ「ロボロボ団になるなんて言ってるコウジを引き止められなかった」

メタビー「…」

イッキ「父さんには就活してる、なんて嘘もついちゃったし」


359:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 20:54:50.85 ID:rmYsypMAO
イッキ「でも、久しぶりにナエさんと会って、溜まってたいろいろを吐き出したら」

メタビー「…」

イッキ「少し楽になれたんだ」

メタビー「…」

イッキ「それからりんたろうに会ってさ、アイツロボロボ団になってたけど中身は全然変わってなくて」

メタビー「…」

イッキ「ちょっと安心したよ」

メタビー「…」

イッキ「それからナダ子に会ったり、カリンちゃんとメダロッ島にいったりして」

メタビー「…」

イッキ「久しぶりにすごく楽しかったんだ」


360:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 21:05:57.13 ID:rmYsypMAO
イッキ「…」

メタビー「…」

イッキ「メタビー」

メタビー「…」

イッキ「俺、アリカのことが好きだ」

メタビー「…」

イッキ「小学生の頃からずっと」

メタビー「…」

イッキ「アリカに、このままでいいのって言われて」

イッキ「ひよこ売りのおじさんに説教されて」

イッキ「ロクショウに、お前が今一番したいことは何かって聞かれて」

イッキ「やっと気付いたんだ…」

メタビー「…」


イッキ「俺はアリカが好きなんだって」


361:宇宙メダロッターX:2011/06/02(木) 21:22:36.85 ID:rmYsypMAO
イッキ「もしかしてメタビーはとっくに気づいてたのかな」

メタビー「…」

イッキ「おかしいよな、自分で自分の気持ちが分からなかったなんて…」
メタビー「…」

イッキ「なあ」

メタビー「…」

イッキ「メタビー」

メタビー「…」


イッキ「メタビー」


メタビー「…」


イッキ「頼むから返事してくれよぉぉ!!メタビー!!」


362:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 00:30:02.27 ID:E92/b80AO
イッキ「俺!いつの間にか自分には何もできないって!!
何も変えられないって勝手に思い込んでたんだ!!」

メタビー「…」

イッキ「でも、でも全然そんなことなかったんだ!!
みんなが教えてくれたんだよ!!」

メタビー「…」

イッキ「俺は何にだってなれるんだって!!
いくらでも違う未来があり得るんだって!!」

メタビー「…」

イッキ「俺にはあんなにもたくさんの仲間がいたんだって!!でも…」

イッキ「それでも…」


イッキ「俺はお前がいなきゃイヤなんだよ!!」


メタビー「…」



イッキ「お前じゃなきゃダメなんだ!!」カ


メタビー「…」


イッキ「メタビー!!メタビー!!動いてくれよ!!メタビー!!」


363:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 00:33:30.08 ID:E92/b80AO
イッキ「動け、動けよ!!この…」



イッキ「ポンコツメダロットーー!!!!」


ガンッ!


364:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 00:43:56.76 ID:E92/b80AO
イッキ「…」


メタビー「…」ガタッ


イッキ「メタ、ビー?」

メタビー「…」


イッキ「わかってたんだ」


メタビー「…」


イッキ「子供の頃とは違う、もう…メタビーはっ戻って…こないってわかってたのに」


イッキ「…」グスッ


メタビー「…」


イッキ「…」ダキ


メタビー「…」


イッキ「ごめんよ、メタビー」ギュ



???「な~に謝ってんだよ、きもちわりい」


366:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 01:03:06.77 ID:E92/b80AO
イッキ「メ、メタビー!?」

???「情けない声出すんじゃねーよ」

イッキ「だってお前、どこにいるんだよ!?」

???「どこってそりゃ…どこにでもいるさ」

イッキ「なんっだよそれ!!全然わかんねーよ!!
じゃあだいたいこっちのメタビーは何なんだよ!!」ビ

メタビー「…」

???「それも俺だ」

イッキ「はあ?」

???「じゃあお前こそ今どこにいるんだよ?」

イッキ「どこってそりゃ、あれ?どこだ?ここ」

???「そういうことだ」

イッキ「っだから、全然意味が…ってうわぁ!!」フワッ

イッキ「体が!!」フワフワ

???「前にも言ったが、俺とお前は友達だ」

イッキ「待てよっ!!」フワフワ

???「そして、俺は今どこにでもいる」

イッキ「待てってぇ!!」フワフワ

???「だから、お前が望むなら…イッキ」

イッキ「せっかく会えたのにっ!!もう少しくらいっ!!メタビーッ!!!!」フワフワ



???「ずっと一緒だ」

イッキ「っ!」



イッキ「メタビーーーーーーーーー!!!!!!!」


367:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 01:34:34.60 ID:E92/b80AO
イッキ「はっ!」


イッキ「…」

イッキ「夢、か」

イッキ(…メタビー)

イッキ「?」


アリカ「…」プルプル


イッキ「アリカ?」

アリカ「イッキィィー!!」ガバ

イッキ「ちょっと、どうしたんだよ!?」

アリカ「バカ!バカ!心配したんだからね!!」ガスガス

イッキ「いたっ!痛いって!アリカ、グーは止めろ!」

アリカ「…聞いたわよ!!あんたメダル追いかけて川に落ちたんですって!?」

イッキ(いろいろ端折られて伝わってるみたいだな…)

イッキ「まあね」

アリカ「なによ、平然としちゃって、さっきまでうなされてたくせに」

イッキ「え?そうなの?」

アリカ「ええ、もうすごかったんだから、メタビー!メタビー!って」

イッキ「そっか…」

アリカ「あ…ごめん」

イッキ「いいんだ、大丈夫」


368:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 01:48:28.78 ID:E92/b80AO
アリカ「まあ、寝言はそれだけじゃなかったけど…」カァッ

イッキ「…え?何?」

アリカ「な、なんでもないわよ!
それより、あんたが追いかけてたメダルってもしかして…」

イッキ「…」ギュ

イッキ「違うよ…メタビーじゃない」

アリカ「そう…」

イッキ「…」

イッキ「アリカ」

アリカ「?」

イッキ「追いついてやれなくてごめん」

アリカ「…っ」

アリカ「な、何言ってんのよ!誰も追いかけてくれなんて頼んでないでしょ」

イッキ「それでも、謝っておきたかったんだ…」

アリカ「ふ~ん」

アリカ「…」

アリカ「変なイッキ」

イッキ「ははは」

アリカ「…あ、そういえば!あんたなんでおどろ山なんて探してたワケ?」

イッキ「え?アリカおどろ山にいたんじゃないの!?」


369:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 01:57:02.90 ID:E92/b80AO
アリカ「全然違う、なんでわざわざ雨の中おどろ山になんか行くのよ」

イッキ「う~ん、いや確かにそうなんだけど、目撃証言があってさ」

アリカ「ま、これにこりたらあんまり人を信用し過ぎないことね」

イッキ「へいへい」

イッキ(ん?待てよ)

イッキ「じゃあアリカはどこにいたんだ?」

アリカ「!」ギク

アリカ「そ、それは」

アリカ「…」

アリカ「思い出の場所よ」

イッキ「もしかして」

イッキ「…船着き場?」


370:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 02:21:49.25 ID:E92/b80AO
アリカ「正~解」パチパチ

アリカ「よく覚えてたわね。あんたのことだからてっきり忘れてると思ってたわ」

イッキ「忘れるわけないだろ」

アリカ「イッキ…」

イッキ「ところでさ、ここってもしかして」

???「おや、やっと起きたのかい?ヒッヒッヒッ」

イッキ「やっぱりカンちゃんの家か…」

野良メダロット「イッキ!マタヒロッタ!ヒロッタ!」

カンちゃん「久しぶりにゆっくりしていきな」

野良メダロット「ユックリシテケ!」

イッキ「お前、無事だったんだな!良かった!」

カンちゃん「うちの子たちは、あんた達のおかげでみんな無事だよ。感謝するよヒッヒッヒッ」

野良メダロット「アリガトー!アリガトー!」

イッキ「良かった!本当に…」

イッキ「ところでカンちゃん…」

カンちゃん「なんだい?」

イッキ「…このメイド服も、お孫さんの?」


371:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 02:43:02.11 ID:E92/b80AO
カンちゃん「それはもらいものさ、ヒッヒッヒッ」

イッキ(なんか怪しいぞ…)

アリカ「いいじゃない、似合ってるんだから」

イッキ「…そういう問題じゃない」

アリカ「それにしてもあんたってば、よくよく事件に巻き込まれる体質よね」

イッキ「まったくだ、それに今回はいつにも増してひどかった気がする」

アリカ「ふん!何贅沢言ってんのよ羨ましい!
あ~あ、セレクト隊の問題はずっとあたしが追いかけてたのにな~」

イッキ「アリカはどの辺まで知ってたの?」

アリカ「…隊長がサケカースだったってこと以外は大体ね。ま、こっちの業界じゃ常識だったけど」

イッキ「そうなんだ」ジー

アリカ「な、なによ」

イッキ「…」

イッキ「そこだ!!」トビラヲムンズト


ガラガラッ!!


キクヒメ「!」
イワノイ「!」
カガミヤマ「!」

イッキ「やっぱりいたな!!スクリューズ!!」


373:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 03:01:42.21 ID:E92/b80AO
アリカ「あ、あんた達なにやってんのよ!!」

キクヒメ「何って…なあ?」ニヤリ

イワノイ「ねえ?」ニヤリ

カガミヤマ「…」ニヤリ

アリカ「な、なによ」

キクヒメ「…ったく情けねーなーもー!!」

キクヒメ「今のはさっさとキスなりなんなりしてくっつく流れだっただろうが!!」

カガミヤマ「そうだそうだ」

イワノイ「せっかくオイラ達が、野次馬を追っ払っといてやったのにさ」

アリカ「ってあんた達だって野次馬でしょうが!!」

キクヒメ「うるせー!誰がイッキがここにいることを知らせてやったのか忘れたか!?

アリカ「う、だからって」

イッキ「イワノイ」

イワノイ「え?」

イッキ「その野次馬の中にコクエンはいたか?」

イワノイ「…ああ、あいつなら婆さんにメイド服渡して、それ着たお前の写真撮ったら帰っちまったぜ」

イッキ(軽く犯罪だろ、それ)

キクヒメ「…どーでもいいだろそんなの、それよりも、イワノイ!」チラ

イワノイ「了解っす!おやびん」


374:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 03:19:12.93 ID:E92/b80AO
イワノイ「あ そ~れ、キッス!キッス!」

カガミヤマ「キッス!キッス!」

アリカ「な、なに言ってんのよ馬鹿!!」

キクヒメ「キッス!キッス!」

アリカ「ちょっとイッキも!この馬鹿共を…」

イッキ「…」

イッキ「アリカ」

アリカ「え?」


イッキ「俺はアリカの事が…」


アリカ「へ?えぇ!?」


イッキ「好きだ!!」


アリカ「…」ポー


イッキ「アリカは?」


アリカ「あっ」


アリカ「…あたしは」


アリカ「…」グッ



アリカ「好きっ」



イワノイ「あああ!!おやびん、こいつらまた本当にいい!!」

キクヒメ「…さ、帰るよ」

カガミヤマ「へい、おやびん」

イワノイ「え?え~!?待ってくださいよ~おやび~ん!」



イッキ「アリカ」

アリカ「イッキ」



ちゅっ



アリカ「セレクト隊はでもなればいいじゃない」

完?


375:宇宙メダロッターX:2011/06/03(金) 03:22:39.93 ID:E92/b80AO
本当はここで終わらせるつもりだったが、もうちょっとだけ続くのじゃ。

本当にあと少しなので、もう少しだけおつきあいください。

それではお休み!
ふっはっはっは!


378:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東):2011/06/03(金) 08:21:57.79 ID:bBRbfLpAO
乙!


385:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 00:02:08.71 ID:1+0VQryAO
おみくじ町
ーメダロット研究所ー


ザーザー

アキハバラ「…では本当に今回の件、貴様は関与しておらんのだな?」

アキハバラ「ヘベレケよ」

ヘベレケ「…ふん、そうなんでもかんでもワシのせいにされたらかなわんな」

ヘベレケ「それとも、何かそう決めつけたい理由でもあるのか?」

ヘベレケ「メダロット博士」

アキハバラ「何をバカなことを…」

ヘベレケ「…まあいい、今回の事件もいつもの通り、ただのロボロボ団の悪行として終わらせるがいいさ」

アキハバラ「…」

ヘベレケ「…聞いたか?」

アキハバラ「何をじゃ」

ヘベレケ「サケカースの女房、身重だったらしい」

アキハバラ「!」

ヘベレケ「きゃつめ、安定した地位を保つために必死だったとみえる」

アキハバラ「…」

ヘベレケ「ククク、じゃがスポンサーの意向には逆らえんものなあ」

アキハバラ「…」

ヘベレケ「がっはっはっはっは!ワシからはそれだけじゃ、あばよクソジジイ!」

アキハバラ「!」

アキハバラ「ってお前もジジイじゃろうが!!」

ヘベレケ「がっはっはっはっ…」ブツ


アキハバラ「…」


レトルト「博士…」

アキハバラ「おお、帰ったか」


387:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 00:24:09.96 ID:1+0VQryAO
レトルト「やはりメダロット社に潜り込んだロボロボ団員が、裏で糸を引いていたようです」

アキハバラ「…そうか」

レトルト「しかしこれだけの犯罪、サケカースの手腕だけではとても不可能です」

アキハバラ「…」

アキハバラ「黒幕がおると?」

レトルト「ええ、ですが尻尾を掴めません」

アキハバラ「…」

アキハバラ「レトルトよ、今回の件はこれで終わりじゃ…御苦労だったな」

レトルト「な!?博士!!」

アキハバラ「…ヤツらの後ろ盾ならおおよそ掴んでおる」

レトルト「!」

アキハバラ「しかし、ワシらの手に負える相手ではないのだ」

レトルト「な、何を弱気な!!」


388:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 00:52:20.24 ID:1+0VQryAO
アキハバラ「ふむ、ちと言葉がまずかったか。訂正しよう」

アキハバラ「今回の相手はワシらとは戦う土俵が違うのじゃ」

レトルト「…どういうことです?」

アキハバラ「つまり、今回の黒幕は非常に政治色の強い団体じゃったということじゃ」

レトルト「そんなことで手を引くんですか!?」

アキハバラ「まあ待て、誰も何もせんとは言っとらんじゃろ」

レトルト「…」

アキハバラ「今方々に手を回しておる、カスミ君達も力を貸してくれるそうじゃ」

レトルト「そ、そうですか…」

アキハバラ「うむ、時間はかかるだろうがいずれ公に引きずり出されるじゃろう」

エ「あら、いらしてたんですか?レトルト、さん」

レトルト「あ!ああ、わ、ワタシはこれで」シュバ

ナエ「あ!」

ナエ「そんなにすぐ帰らなくても」

アキハバラ「…あやつもアレで忙しい身なのじゃよ」

ナエ「そうは思えませんけど…」


389:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 01:05:57.95 ID:1+0VQryAO
アキハバラ「それで、何か用かの?」

ナエ「あ、そうでした。イッキ君が、ロクショウさんの修理をするから研究室を貸して欲しいと」

アキハバラ「何!?イッキとロクショウじゃと!?」

ナエ「ええ、もう研究所の前まで来ていますわ」

アキハバラ「なぜそれを早く言わんのじゃ!
ほれ、早く行くぞ!最新の技術室を使わせてやるわい!」

ナエ「ふふ、そんなに興奮すると体によくありませんよ」

アキハバラ「な~にを言っとるワシはあと30年は生きるぞ!」

ナエ「もう、おじさまったら」


390:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 01:24:21.83 ID:1+0VQryAO
おみくじ町
ー天領家イッキの部屋ー

イッキ「それで博士ったら大はしゃぎでさ、しまいにゃロクショウが暴れ出して大変だったんだ」

アリカ「へ~」

イッキ「なんだよ、さっきからつまんなさそうに」

アリカ「別に~」

イッキ「なんだよそれ~」

アリカ「そういえば」

イッキ「ん?」

アリカ「あんたあの時おどろ山に来てたメンバー全員に会いに行ったんだって?」

イッキ「うん、当然だろ?」

アリカ「ほんと変なとこマメよね、別にあんたが集めたわけでもないのに」

イッキ「そうは言っても俺のために来てくれた人も多かったわけだしさ」

アリカ「…」

イッキ「俺自身みんなに会いたかったし」

アリカ「…あっそ、それで、どうだった?」

イッキ「うん、楽しかったよ、いろいろ話も聞けたし」

アリカ「具体的には?」

イッキ「カリンちゃんが可愛かった」デヘ

アリカ「…」ドスッ

イッキ「あいたぁ!!」

アリカ「あんたねぇ」ゴゴゴ

イッキ「っ冗談だよ!冗談!」

アリカ「もう、ばかなんだから!」


391:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 01:43:17.83 ID:1+0VQryAO
イッキ「いや~懐かしかったなあ。全然関係ないけどアースモールでセセリさんに会ってきたりしてさ」

アリカ「…あきれた」

イッキ「そういえば行く先々で妙にミズチと会ったよ。偶然ってあるもんだね」

アリカ「…それ偶然って言うのかしら?」

イッキ「あ、そうそう!あの時アリカを見たって言ってた公園に住んでる人、キノコちゃんの変装だったんだって!」

アリカ「それは、まあそんなこったろうと思ったわ」

イッキ「久しぶりにコーダインに行ってみたり」

アリカ「へ~」

イッキ「カモメちゃんとシノビックパークで遊んだり」

アリカ「…ちょっと?」グググ

イッキ「え?あ!ち、違うってカラスもユウキさんもパディさんも一緒だったんだよ!」

アリカ「ふ~ん?」

イッキ「アリカも誘ったけど断ったんじゃないか」

アリカ「そうだっけ?」

イッキ「そうだよ!」


392:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 01:56:31.27 ID:1+0VQryAO
イッキ「とまあ、そんな感じだったんだよ」

アリカ「…」

アリカ「イッキ」

イッキ「?」


アリカ「あんた、ホントに研究者にはならないの?」


イッキ「な、なんだよ突然」

アリカ「あたし、やっぱりあんたはメダロットと無関係には生きられないと思うの」

アリカ「だから…」

イッキ「…」

イッキ「メタビーが言ったんだ」

アリカ「え?」

イッキ「あの時、溺れて気を失ってる間に見た夢だか幻だかの中でメタビーが言ったんだ」

イッキ「…俺がメタビーを友達と思える限り、俺達はずっと一緒だって」


393:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 02:06:17.88 ID:1+0VQryAO
イッキ「俺はその言葉を信じてる。だから前にも言ったけど、研究者にはなれそうにないよ」

アリカ「じゃあメダロット社とか…」

イッキ「もう採用終わってるって」

アリカ「たこ焼き屋」

イッキ「ナダ子には先日ちゃんとお断りしました」

アリカ「うさおちゃんとこのバーとか」

イッキ「…勘弁してよ」

アリカ「じゃあ…」


アリカ「じゃあ!」





アリカ「セレクト隊はでもなればいいじゃない」






395:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 02:14:05.46 ID:1+0VQryAO
以上でこのSSは完結です。

まだまだ書き足りない気持ちもありますが、終われるうちに終わりにしようと思います。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。


398:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/04(土) 11:52:01.37 ID:V/ZhUyQSO



400:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/06/04(土) 13:46:29.22 ID:gtsmcK6IO
こんなにいいメダロットSSは久しぶりに見たな。
>>1とヒカル兄さんに感謝だな


402:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/06/04(土) 19:27:07.33 ID:uk2im6nAO
本当に終わっちまうのか…
ヒカル…いや、宇宙メダロッターXさん、超面白いSSだった。乙!!
これからもっとメダロット人気がでて、メダロットSSが増えてほしいと思った。

やっぱりメダロットは最高!


401:宇宙メダロッターX:2011/06/04(土) 18:43:56.46 ID:1+0VQryAO
みんなの書き込みがあったからここまで書けた、ありがとう。

内容は、期待してくれていた人にはもの足りなかったかもしれないが、私としては精一杯頑張ったので許してください。

…ところで完結したSSは普通どれくらい時間がたったらhtml化依頼を出すべきなのか、誰か教えてほしい。

あと最後に…わたしはヒカルなどという者ではなーい!

なんつって
それではノシ


408:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/06/05(日) 04:16:51.94 ID:xDn7817wo
>>401
html依頼は好きなタイミングでいいんだぜ
スレ一覧からは消えるけど読めなくなるわけじゃないし


410:宇宙メダロッターX:2011/06/05(日) 14:59:44.67 ID:XKagzawAO
>>408

ありがとう、今依頼を出してきた。

また書きたくなったらスレ立てするかもしれないのでよろしく!

はっはっは~。


元スレ:http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13056/1305684948.html





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