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響「透明飛行船」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:29:15.09 ID:0V4IwDkA0
- ダンスが得意だったけど
響(ワン・ツー・スリー、はいステップ)
響(こんな簡単なダンス、目をつむってもできっ…あっ、しまっ…)
よく慣れたワザをなめてかかり
響(立て直せなっ…)
後ろ向きに頭から落ちた
スポットライトが見えたライブ中
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:32:21.61 ID:0V4IwDkA0
- P「ドンマイ、ドンマイ!失敗は気にするな」
響「うん…、でも…」
P「コケた後でもめげなかったのは偉いぞ!よく最後までやりきった」
響「……ありがとう、プロデューサー…」
優しい自分のプロデューサー
泣かなかったこと褒めてくれて
美希「響はきっと足をくじいちゃったの!美希がおんぶしてあげるの!!」
響「大丈夫、ちゃんと歩けるからさ」
仲良し度微妙な友達が、歩けるのにおぶりたがっていた
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:35:46.64 ID:0V4IwDkA0
- 春香「大丈夫?響ちゃん?」
響「みんなごめんさー…、765プロの顔に泥を塗っちゃったぞ…」
春香「そんなこと言わないでよ、みんなそんな風に思ってないからさ!」
真「その足で最後まで踊りきったんだからすごいよ!無理はしないでね?」
雪歩「氷もってきますぅ~」
響「みんな心配し過ぎだって!ほら、歩けるし、なんくるないさー」
P「それでも、今日はかえって休め。お疲れ様」
ライブの後、事務所に戻ってヒーロー扱いされたあと、
- 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:38:59.73 ID:0V4IwDkA0
- P「昨日の反省も兼ねて、曲を通して練習するぞ」
響(簡単でもなめちゃいけない、丁寧に丁寧に!)
翌日のレッスンで気がついた
響(なんで…、昨日まではできてたのに。なんで、足がついてこないの!?)
得意が苦手になっちゃった
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:41:59.26 ID:0V4IwDkA0
- P「響、どうした?テンポが悪いし、キレもないぞ?」
響「えっと、それは…」
それからどうした?
おや、忘れちゃったの?
響「あはは、まだ足の調子が悪いのかも…」
P「おいおい、無理したら悪化するだけだぞ。今日は椅子に座って見学だな」
美希「あはっ、響、ハニーの前でいいかっこしたかったんだねー」
響「ち、違うぞ!」
君は、精一杯、精一杯、笑ったでしょう?
皆の前、あの人の前、取り繕って
響(美希も貴音も難なくこなしてる)
響(どうしちゃったんだろ、自分。ホントは足なんか全然痛くないのに)
誰も気にしない様なこと
それでも自分には大ゴト
- 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:45:39.26 ID:0V4IwDkA0
- 春香「どうしたのー、響ちゃん?元気無さそうだけど?」
響「え?そんなことないぞ!」
千早「それにしては顔色が優れないようだけど…」
響「光の加減さー!ちょっと考え事してただけだぞ」
多分平気なフリは人生で
割りと重要なスキルだと思う
春香「じゃあ、クッキーでも食べよ?甘いモノは考え事に持って来いだよ!」
響「ありがとう、春香」
多岐にわたり効果示すので
使用頻度もそれなり
- 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:49:25.01 ID:0V4IwDkA0
- 響「それで、貴音がなー――」
春香「あはは、四条さんらしいね」
真「なになに、面白そうだね」
雪歩「響ちゃん、元気になってよかったですぅ」
人の多くはその熟練者で
大概の焦燥は隠せるが
P「……、ったく…」
人の多くがその熟練者だ
大概はバレていたりするもするが
- 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:53:21.45 ID:0V4IwDkA0
- 響「なんか、今日はどっと疲れたぞ…」ドサッ
響「自分、どうしちゃったんだ…。完璧な自分はどこに行っちゃたんだ…」
響「……自分、もう踊れないのかな…」
大きく小さなプライドが
眠れない夜をいくつも生み
響「嫌だ、嫌だよ、アイドル辞めたくないよ…」
響「まだまだトップアイドルにはなれてないのに。プロデューサーと約束したのに」
響「踊れない自分なんて、見捨てられちゃうよね」
よくある類の苦しみに
響「嫌だ…嫌だよぉ…」
命掴まれて
- 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:55:59.72 ID:0V4IwDkA0
- 響「こうなって当然なのかな」
響「ただ、アイドルになりたいって思って沖縄を出てきて」
響「トップアイドルになることを夢見るだけで、ちょっと過信して、ミスしたらボロボロになって」
響「全部、自分が選択したんだ。心配される資格なんか…」
大丈夫じゃなくて 当然の社会
貧乏くじ引いた ワケじゃないんだよ
イヌ美「バウッ」(オイコラ)
響「え?イヌ美?」
イヌ美「バウバウッ」(俺達の飯はどうしたよ?)
響「うぅ、イヌ美、励ましてくれるのか?…ありがとう、まだ終わったわけじゃないもんね」ギュゥ
イヌ美「バウッ」(ちげえよ)
優しさの真似事のエゴでも
出会えたら無くさないように
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 11:57:14.42 ID:0V4IwDkA0
- 響「ワン・ツー・スっ、あう」
響「もう一回!ワン・ツー・スリー、ステップ、ターンッ」
響「よし、良い感じだぞ!もう一回!!」
ハム蔵「ジュッ?」(飯は?)
- 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:00:32.84 ID:0V4IwDkA0
- P「じゃあ、響の足のリハビリも兼ねて、フェアリー組はダンスレッスンな」
美希「はいなのっ!」
貴音「響、足はもうよろしいのですか?」
響「完璧だぞ!家でも練習してきたんだからなっ」
どうにかやってこられたけど
響(ワン・ツー・スリー、すてっp、えっ…)ドタッ
避けようのない石につまずいて
美希「響?まだまだ序盤だよ~?」
貴音「やはりまだ本調子じゃ」
響(う…そだ…うそ…だ…、い…や…嫌…)
いつもみたいに起き上がれない
そんな日が遂に来た
ダッ
貴音「響っ!?どこへ行くのですか!?」
- 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:03:38.98 ID:0V4IwDkA0
- 響「はあ、はあ、はあッ」タタタッ
ずっと平気なフリに頼って
ウソか本音か分からなくって
響(あ………)
もっと上手に生きていましたか?
響(プロジェクト・フェアリーのポス…ター…)
スポットライトが見えた頃のこと
響(自分、美希じゃないけど、キラキラしてるな…)
あの時どうした?
ほら思い出してよ
響(自分はもう戻れないの?)
響「う…ぐす…うぁぁ……」ポロポロ
君はひとりこっそり泣いたでしょう?
逃げ道の途中、廊下の端で
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:06:42.99 ID:0V4IwDkA0
- P「まったく」ポン
響「ッ!?」
P「響」
響「ぷろ…でゅーさーぁ」
響「じぶん…ないてないぞっ!」ズズッ
P「ああ、泣いてるかなんて分かんないよ。ここには誰も居ないから」
響「う…ぷろでゅーさぁ…うゎぁぁん」ギュゥ
いつも頼りなげなプロデューサーが
その日は心強かった
- 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:10:21.98 ID:0V4IwDkA0
- P「俺には響のことを完璧なんて言えない」
響「そうだぞ…、ダンスもできない自分なんて…」
P「違うよ、響の『完璧』は戒めなんだから
奢りじゃなくて、過信じゃなくて、そうありたいという願いなんだから
だから、響が言わないと意味ないだろ?
この前は、走りすぎてちょっと迷っただけさ。それなら一歩戻ればいい」
響「あ…、うん…そうだね…」
P「ほら、言ってみな」
響「うん、自分…、完璧だぞ」
P「よし、じゃあ行こうか」
もう精一杯、精一杯 笑ったでしょう?
- 15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:12:47.96 ID:0V4IwDkA0
- 美希「おかえり、響!もう一度なの」
貴音「何度でも、何度でも付き合ってあげますよ」
響「美希、貴音…」
P「響はどうしたい?」
皆もあの人も 笑ってるでしょう?
響「みんな…、うん!自分は踊りたいっ!」
たまに本気で 泣いてるでしょう?
大丈夫 もう一回 笑えるでしょう?
- 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:15:04.11 ID:0V4IwDkA0
- P「まだ遅いぞ!もう一回!」
響「うんっ」
響(プロデューサー…、ありがとう)
誰も気にしない様なこと
分かち合えやしない 他人事
美希「良い感じなの!」
貴音「ふふっ、まだいけますね?」
優しさの真似事は優しさ
出会えたら迷わないように
響(皆…、ありがとう)
- 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:18:48.34 ID:0V4IwDkA0
- ワアァァァァ―――
P「さあ、いってこい!」
美希「はいなの!」
貴音「しっかりと見ていてくださいね、貴方様?」
響「そうだぞ!自分は完璧なんだからさ!!」
出会ってる
無くさないように
終わり
- 18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:24:34.53 ID:0V4IwDkA0
- お目汚し、失礼しました
初SSで、読み返すと、穴がいくつかありますね…
まあ、初めてを響に捧げられてよかったです
スレタイで落ちてますが、BUMP OF CHICKENの「透明飛行船」からの引用です
壊れかけの響を壊れるくらいに抱きしめたい今日この頃
見てくださった方がいるかは分かりませんが、お付き合いいただきありがとうございました - 19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:27:35.91 ID:SdeiXEKDO
- 響ファンでBUMPファンとは君とはいい酒が飲めそうだよ乙
- 20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/07(日) 12:46:12.68 ID:3pNyqAyY0
- おつ!
BUMPと響はなんとなくよく合う気がする

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