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ミルウーダ「七つの傷……?」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:10:51.79 ID:YUEDp2w6O
-
=スウィージの森=
ミルウーダ「兄さん」
ウィーグラフ「どうした」
ミルウーダ「人が倒れているわ」
ウィーグラフ「今の時代、珍しくはないだろう…………嘆かわしい事だが」
ミルウーダ「……」
ウィーグラフ「罠かも知れない。気をつけろよ」
ミルウーダ「! わかってるわ!」パシッ
ボコ「クェーッ」ドタドタ
-
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:17:19.49 ID:YUEDp2w6O
-
=盗賊の砦=
「…………ん」
ミルウーダ「! 気が付いたのね!」
「ここは……」
ミルウーダ「私達のアジ……家よ」
「俺は……なぜここに?」
ミルウーダ「森で倒れていたの。モンスターより先に見つけれて良かったわ」
「助けてくれたのか……ありがとう」
ミルウーダ「いいの、困ったらお互い様よ」
-
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:19:46.69 ID:YUEDp2w6O
-
ミルウーダ「私はミルウーダ、剣士よ」
「拳士……?」
ミルウーダ「あなたの名前は?」
「俺、オレは……」
ズキッ
「ぐ……っ!?」
ミルウーダ「大丈夫!?」
「頭が……痛い!」
-
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:21:38.06 ID:YUEDp2w6O
-
ミルウーダ「ご、ごめんなさい、病み上がりなのに無理をさせて」
「いや……」
ミルウーダ「後で食事を持ってくるから、今はゆっくり休んで」
「……すまない」
バタン
「…………俺は」
-
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:25:20.86 ID:YUEDp2w6O
-
……
ミルウーダ「……」カチャカチャ
ウィーグラフ「気が付いたみたいだな」
ミルウーダ「兄さん……見ていたんですか」
ウィーグラフ「怪しい男と妹を二人にする程、俺は迂闊じゃないんだ」
ミルウーダ「兄さんは心配性なんだから」
ウィーグラフ「それはお互い様だろ」
ミルウーダ「……確かに」
-
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:37:13.71 ID:YUEDp2w6O
-
ウィーグラフ「明日、ゴラグロス達がイグロースに向けて発つ」
ミルウーダ「!」
ウィーグラフ「計画の成功には、連中を引きつける必要がある」
ミルウーダ「では、兄さんも……」
ウィーグラフ「打って出る。守備は任せたぞ、ミルウーダ」
ミルウーダ「はい……!」
-
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:40:46.24 ID:YUEDp2w6O
-
コンコン カチャ
ミルウーダ「具合はどう……」
「……ぐー」
ミルウーダ「……見知らぬ場所で熟睡なんて、大物なのかしら」
「……ん、うん」
ミルウーダ「あら、起こしてしまったかしら」
「何か……いい匂いが……」
-
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:43:43.95 ID:YUEDp2w6O
-
ミルウーダ「食事を持ってきたんだけど、まだ眠いかしら」
「いや、その食事の方が優先だ」
ミルウーダ「そんなに期待されると、ちょっと出しづらいんだけど」
「これは?」カチャ
ミルウーダ「……豆のスープよ」
-
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:45:49.44 ID:YUEDp2w6O
-
「……ズッ」
ミルウーダ「ごめんなさい、こんな物しか出せないの……」
「うむ、塩加減が絶妙だ。美味い」ズッ
ミルウーダ「!」
「おかわり……は、あるかな?」
ミルウーダ「ええ!」
-
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/01(水) 23:57:22.88 ID:YUEDp2w6O
-
……
「……ぐぅ」
ミルウーダ「……」
バタン
骸旅団の戦士「ミルウーダさん」
ミルウーダ「何か」
骸旅団の戦士「呑気に行き倒れの介抱なんてしてる場合ですか」
骸旅団の弓兵「各地で団長達が戦っているんですよ? 加勢しなくていいのですか?」
ミルウーダ「皆の帰る場所を守るのが私達の使命です。もどかしいでしょうが、今は堪えて下さい」
ミルウーダ「それに、行き倒れだったのは私も同じです。両の手が空いている内は差し伸べていきましょう」
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:03:17.05 ID:oMcVHMVBO
-
バタン
ミルウーダ「……はぁ」
ミルウーダ「理想の実現の為に甘さを捨てようと思っていたのに……私も兄さんの妹ね」
ミルウーダ「理想……か」
ミルウーダ「さっきの綺麗事と貴族社会の妥当、どっちが私の理想なのかしら」
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45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:13:24.53 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダが砦の守備に当たっている頃、
イグロースの各地では、骸旅団と北天騎士団の戦いが繰り広げられていた。
戦況は北天騎士の優勢で進んでいるかに見えたが、
その一方で、骸旅団に決定打を与え損ねる場面が続いた。
そして北天騎士は、ウィーグラフの思惑通りに、重要拠点の攻略作戦を実行に移す。
イグロースに潜む、骸旅団の影に気づかぬまま……
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49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:16:58.51 ID:oMcVHMVBO
-
……
「わざわざそこまでしてくれずとも……」
ミルウーダ「いいえ、自分の意志で助けたんですから、私が面倒を見ます」フキフキ
「体くらい自分で拭けると……」
ミルウーダ「まだ安静にしてて下さい」フキフキ
「……」
-
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:19:20.37 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「その傷……」
「この胸の傷か?」
ミルウーダ「…………何か思い出した?」
「……いや」
ミルウーダ「……そう」フキフキ
「……すまない」
-
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:24:49.43 ID:oMcVHMVBO
-
パタン
「……体はもう大丈夫だと言っているのに、世話好きな娘だ」
「剣士、と言ってたな。女が戦わねばならんとは……世も末だな」
「剣士……拳士……ケン……シ」
ズキッ
「く……っ、頭が」
-
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:27:33.36 ID:oMcVHMVBO
-
ズキッ ズキッ
「頭が……ッ、割れそうだ!!」グラッ
ズキッ ズキッ
「は……ぁ! は……ッ!」
ズキ…ッ
ズキ
「……ッ、はぁ……っ」ゼェゼェ
-
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:30:50.97 ID:oMcVHMVBO
-
「おさまっ……た?」
「…………はぁ、何だったんだ?」
「……顔でも洗うか」
「ッッ!?」
ジャギ「なんだ!? こ、この顔はッ!!」
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59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:33:15.16 ID:cNRbAZ530
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ジャギかよw
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61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:34:15.71 ID:i9wUCNZ70
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ジャギっすかw
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62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:34:57.58 ID:XI4GcKXp0
-
ジャギ様!!
-
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:35:06.50 ID:oMcVHMVBO
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ジャギ「ぅっ!? オェッ!!」ベチャッ
ジャギ「は……ッ、はぁ!!」
ジャギ「これが……俺」
ジャギ「こんな、化け物みたいな顔が……!」
コンコン
ジャギ「ひっ!?」ビクッ
-
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:39:41.69 ID:oMcVHMVBO
-
『食事持ってきたわよ』
ジャギ「い、いらない! 満腹だ!!」
『はぁ? スープしか食べてないのに満腹なんて有り得ないわよ』
ジャギ「いいから! 本当に大丈夫だって!」
『……』
ジャギ「は……ッ、はぁ……!」
『……そっか』
『豆のスープなんて、美味しくないよね』
ジャギ「!」
『ごめん』
ジャギ「ち、違」
タタタタッ
ジャギ「クソッ」ギリッ
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67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:43:03.20 ID:oMcVHMVBO
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ジャギ「く……ッ! なんで俺はこんな……」
ジャギ「醜いカオなんだよ…………」
『 敵 襲 !! 』
ジャギ「!? な、なんだ!?」
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70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:48:09.00 ID:oMcVHMVBO
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ジャギ「い、一体何が……」ギィ…
骸旅団の兵士「うわッ!?」ビクッ
ジャギ「うおッ!?」ビクッ
骸旅団の兵士「なんだ、行き倒れか。脅かすな」
ジャギ「す、すまん」
骸旅団の兵士「……なんでミイラみたいな顔してるんだ」
ジャギ「お構いなく。一体なんの騒ぎだ?」
骸旅団の兵士「北天騎士団が攻めてきた」
ジャギ「北……斗騎士団?」
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73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 00:52:23.12 ID:oMcVHMVBO
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骸旅団の兵士「北天騎士団、我々の敵だ」
ジャギ「敵!?」
骸旅団の兵士「ここに居ると死ぬかも知れない。部外者のお前は、裏の抜け道から逃げるといい」
ジャギ「お前達は?」
骸旅団の兵士「戦う」
ジャギ「死ぬかも知れないぞ!」
骸旅団の兵士「ただでは死なない。一人でも多く殺して、死ぬ」
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76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:06:51.95 ID:oMcVHMVBO
-
ザシュッ
北天騎士団員「ぞ……賊がァ……」バタッ
ミルウーダ「次から次へと……」
ヒュンッ
ミルウーダ「!」ガキィンッ
アルガス「平民の分際で貴族に逆らうとは……愚かなッ」ギギッ
カシィンッ
ミルウーダ「貴族がなんだというんだ! 私達は貴族の家畜じゃない!」
-
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:09:35.12 ID:XI4GcKXp0
-
アルガスさん来たで!
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81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:12:16.46 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「私達は人間だわ! 貴方達と同じ人間よッ!」チャキッ
北天騎士団弓兵「アルガス殿!」
アルガス「やれッ!」
ヒュヒュヒュッッ
ミルウーダ「くっ!?」バッ
ズドドドドッ
アルガス「そうだ! 逃げ回れよ負け犬!」
-
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:16:19.98 ID:oMcVHMVBO
-
キシィン カキィン
『ぐぁぁぁぁあッ!?』
ガキィン ドカァンッ
『きゃあ!?』
ドボーンッ
ジャギ「はぁ……ッ、はぁ……ッ!」
ジャギ「なんだよ……なんで殺し合いなんてやってんだよ!」
ジャギ「怖ぇ…………怖ぇよ……」
-
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:20:21.91 ID:oMcVHMVBO
-
ガキィンッ
ミルウーダ「私達と貴方達の間にどんな差があるっていうの!? 生まれた家が違うだけじゃないの!」
ヒュンヒュンヒュンッ
ミルウーダ「ッ!?」
グラッ
ミルウーダ「しまっ」
ドボーンッ
アルガス「チャンスだ! お前ら、よく狙え!」
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87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:26:05.02 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「ぷはッ」ザバッ
アルガス「装備を水中で外すとは恐れ入った」
アルガス「クズにしては上出来だよ」
ミルウーダ「……ッ」
ミルウーダ「何故! 何故私達が飢えなければならないの!? 貴方達貴族が奪うからでしょ!」
ミルウーダ「生きる権利を!! すべて!!」
「貴方達は……ひもじい思いをしたことがある!?」
「豆だけのスープで暮らす気持ちが…………貴方達にわかる!?」
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91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:30:35.00 ID:oMcVHMVBO
-
『わかんねえな』
ミルウーダ「!」
アルガス「同じ人間だと? フン、汚らわしいッ!」
アルガス「生まれた瞬間からお前達はオレ達貴族に尽くさねばならない!」
アルガス「生まれた瞬間から、お前達はオレ達貴族の家畜なんだッ!!」
ミルウーダ「誰が決めたッ!? そんな理不尽なこと、誰が決めたッ!」
アルガス「それは天の意志だ!」
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92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:34:33.86 ID:oMcVHMVBO
-
ジャギ「く……結構広いな……」
『ぎゃぁぁぁぁ!?』
ジャギ「……ッ」
ジャギ「さっさと逃げよう……」
ジャギ「こんな醜い化け物に……居場所なんて無いんだ」
ガチャ…ガチャ……
ジャギ「!」
『だ……誰か…………』
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95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:38:48.66 ID:oMcVHMVBO
-
骸旅団の騎士「誰か……」ズル…ズル…
ジャギ「ひっ!?」
骸旅団の騎士「あ……アンタか……」
バタッ
ジャギ「は……ッ、は……ッ」ガクガク
骸旅団の騎士「た……頼む…………俺はもう……長くない」
ジャギ「な、なんだよ……!」
骸旅団の騎士「ミルウーダ様を……頼む…………」
ジャギ「ミルウーダを……?」
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98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:49:24.00 ID:oMcVHMVBO
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骸旅団の騎士「骸旅団は、今……理想と現実の間で…………揺れています」
骸旅団の騎士「理想に燃えるウィーグラフ様、生きる為手段を選ばぬゴラグロス殿……」
骸旅団の騎士「双頭の虎は……いずれ自滅するでしょう」
ジャギ「……」
-
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:54:01.39 ID:oMcVHMVBO
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骸旅団の騎士「がはッ」
ジャギ「おい! まだ話は終わって無いだろ!?」
骸旅団の騎士「ええ……おっしゃる通り…………」ブルブル
骸旅団の騎士「いずれ…………骸旅団は滅びましょう」
骸旅団の騎士「しかし、次代への灯火は……誰かが点さねばならぬの……です」
ジャギ「それが……ミルウーダなのか」
骸旅団の騎士「……はい」
-
100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 01:58:12.56 ID:oMcVHMVBO
-
骸旅団の騎士「私は……今日、戦って死ねる事を…………誇りに思います」
ジャギ「馬鹿野郎! 死んだら……何にもならないだろ!」
骸旅団の騎士「……」
ジャギ「……!? おい!? しっかりしろ!」
骸旅団の騎士「…………未来を」フッ
ジャギ「――――ッ」
-
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:04:02.99 ID:oMcVHMVBO
-
……
ミルウーダ「天の意志……だと?」
ミルウーダ「神がそのような事を宣うものか!」
ミルウーダ「神の前では何人たりとも平等のはず!」
ミルウーダ「神はそのようなことをお許しにはならない! なるはずがないッ!」
アルガス「家畜に神はいないッ!!」
『そうだ…………家畜に神はいない』
『だが、お前らにはいるみたいだな……』
ジャギ「……死神ってヤツがよ」
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105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:12:09.53 ID:oMcVHMVBO
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ミルウーダ「な、なんで……?」
ラムザ「新手か……?」
ディリータ「……みんな、気をつけろ!」
北天騎士団員「な、なんだ貴様」
ジャギ「どけ!」ドンッ
北天騎士団員「うお……っ」
ピキーンッ
北天騎士団員「あべしっ!?」ブシャァッ
アルガス「!?」
ミルウーダ「!?」
-
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:17:02.71 ID:oMcVHMVBO
-
北天騎士団剣士「と、止まれ!」
北天騎士団戦士「怪しい奴め!」
北天騎士団重騎士「お前一人で何ができる!」
パパッ
北天騎士団剣士「?」
ジャギ「この戦いを終わらせる」
ピキーンッ
北天騎士団剣士「ごぼぁ!?」ブシャッ
北天騎士団戦士「ちにゃっ!?」ゴブッ
北天騎士団重騎士「ひでぶっ!?」メチャァッ
-
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:22:08.81 ID:oMcVHMVBO
-
アルガス「あ……ああ……」ガクガク
ジャギ「おい」
アルガス「ひッ!?」ビクッ
「 俺 の 名 を 言 っ て み ろ 」
アルガス「し、知らない!」
ジャギ「そうか……」スッ
『ファイア!』
ジャギ「っ!?」バッ
ラムザ「逃げるぞアルガス!」グイッ
ディリータ「腰抜かしてる場合か!」グイッ
クェーッ ドタドタドタ……
-
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:26:45.01 ID:oMcVHMVBO
-
ザァァァァ…
ジャギ「……」
ミルウーダ「助けて……くれたのね」
ジャギ「…………」
ミルウーダ「…………強いのね」
ジャギ「…………そんな事はない」
ミルウーダ「だって、あれだけの人数を……」
ジャギ「そうだ、あれだけの人間をあっという間に殺した」
ジャギ「俺は……化け物だ」ギリッ
-
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:30:17.15 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「そ、そんな……」
ジャギ「……」
ザァァァ…
ジャギ「世話になった」ザッ
ミルウーダ「!」
ジャギ「死ぬなよ」ザッザッ
ミルウーダ「待って! 待ってよ!」
ザァァァァァ……
-
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:30:56.90 ID:GF4qw0qF0
-
ジャギ様カッケー
-
121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 02:39:33.53 ID:oMcVHMVBO
-
骸旅団の思わぬ反撃に、北天騎士団は統率を乱した。
加えて、北天騎士団の筆頭であるベオルブ家の令嬢が誘拐されたという噂が流れ、
北天騎士団の士気は落ちるところまで落ちていた。
その中で、ダイスダーグは団内で囁かれる、ある噂を耳にする。
「骸旅団には、七つの傷を持つ死神(ジャギ)がいる」
ジャギ……死神を意味するその言葉に不吉なものを感じながら、
ダイスダーグは骸旅団との決戦に挑む。
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206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 19:38:54.37 ID:oMcVHMVBO
-
=ジーグデン砦=
ミルウーダ「それは本当ですか!?」
ゴラグロス「ああ……補給線を北天騎士団に断たれた」
ミルウーダ「そんな事をしたら、彼等も挟み撃ちに合うというのに」
ゴラグロス「……奴等も後がないという事だろう。恐らく、次が最後の戦いになる」
ミルウーダ「!」
-
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 19:43:48.26 ID:oMcVHMVBO
-
ゴラグロス「北天騎士団は、現在ここジーグデン砦に進軍中」
ゴラグロス「我々と交戦を開始したところで、団長率いる伏兵と挟み撃ちにする!」
ゴラグロス「次は無い。あらゆる手を使って戦いに勝利する……!」
ミルウーダ「副団長」
ゴラグロス「なんだ?」
ミルウーダ「彼女は……」
ゴラグロス「…………言った筈だ、あらゆる手を使うと」
ミルウーダ「……ッ」
-
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 19:57:38.37 ID:oMcVHMVBO
-
……
タッタッタッタッ
『追えーッ! 逃がすなーッ!』ダダダダ
ジャギ「はッ! はッ!」タッタッタッ
『くそ! どこ行った!』
『散れ! 見つけたら警笛を鳴らすんだ!』
ジャギ「俺が……何をした!?」
ジャギ「顔が醜いってだけで石を投げられ、追い回され……」
ジャギ「く……くそォ……」
-
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:05:47.77 ID:oMcVHMVBO
-
ジャギ「はぁ……はぁ……」
『いたか?』
『いや、いねぇ。そっちは?』
『いない。ま、真面目に探してないしな』
ジャギ「……」
『しかし運が良かったな』
『ああ、全くだ。いつもは憂鬱な警備登板も、骸旅団総攻撃に行かなくていいなら、喜んで引き受けるよ』
ジャギ(骸旅団総攻撃……?)
-
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:16:11.65 ID:oMcVHMVBO
-
『本隊は挟撃覚悟でジーグデン砦に突入するんだろ? 正気じゃねぇよ』
『だが、皆捨て身で戦う。砦を落とす以外に生存は有り得ないからな』
『捨て身は向こうも同じさ。これが最後と思ってるからな』
ジャギ「……」
『かわいそうに』
『それは本隊か? それとも骸旅団か?』
『どっちもさ』
ジャギ「……?」
『まさか本隊が伏兵をおびき寄せる餌とも知らずに』
ジャギ「!!」
-
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:22:41.36 ID:oMcVHMVBO
-
ジャギ(北天騎士団が兵力を残していた……?)
ジャギ(それを知らない骸旅団本陣は、先攻隊と戦い、伏兵が背後を突くのをずっと待っている)
ジャギ(……伏兵が別働隊と戦っているとも知らずに)
『一時はどうなるかと思ったけど、これで骸旅団も終わりだな』
『所詮、世の中の強者には勝てないのさ』
ジャギ「……」
-
221:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:30:25.64 ID:oMcVHMVBO
-
=ジーグデン砦=
コンコン
ティータ「!」ビクッ
『入るわよ』
ティータ「あ……どうぞ」
ガチャ
ミルウーダ「ごめんなさい、こんな場所しか用意できなくて」
ティータ「いえ、とんでもないです。人質の私にベッドまで用意して下さって……」
ミルウーダ「シーツと毛布だけの寝床をベッドと呼んでくれるのね」クス
-
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:33:17.85 ID:oMcVHMVBO
-
ティータ「……あの」
ミルウーダ「なに?」
ティータ「話しが……あるのではないですか?」
ミルウーダ「……」
ミルウーダ「貴女を帰す事ができなくなったわ」
ティータ「え……」
ミルウーダ「私達骸旅団は、貴女をベオルブの関係者と見なし、人質として使う事に決めたわ」
ティータ「!」
-
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:38:26.01 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「恨んでくれて構わない。貴女に恨まれてでも、私達には成さねばならない使命があるの」
ティータ「貴族社会の打倒……ですか」
ミルウーダ「ええ」
ティータ「わかりました」
ミルウーダ「え……?」
-
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:41:59.18 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「わかったって……貴女、自分の命を交渉の材料に使われるのよ!?」
ティータ「わかっています」
ミルウーダ「……死ぬかもしれないわよ」
ティータ「……そうですね」
ミルウーダ「そうですねって……」
ティータ「少し、話をしませんか?」
-
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 20:55:07.06 ID:oMcVHMVBO
-
ティータ「私と兄ディリータは、もともとベオルブ家に仕える農家の子供でした」
ティータ「両親が黒死病で他界してしまったところを、バルバネス様に引き取られて以来……家族同然に扱っていただきました」
ミルウーダ「……」
ティータ「でも、それは私の運が良かったから」
ティータ「街には両親を失い、今日を生きる為に必死で働く子供がいる事を、私は知っています」
ティータ「本当なら……私達もあの場所にいる筈だったんです」
-
228:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 21:07:56.29 ID:oMcVHMVBO
-
ミルウーダ「それで、私達に同情していると……?」キッ
ティータ「……」
ピィ-…
ミルウーダ「……草笛?」
ティータ「生前、バルバネス様に教えていただきました」
ミルウーダ「バルバネス・ベオルブが……?」
ティータ「私、この音色が大好きです」
ティータ「草笛を吹くと、大切な人が心にいる事を実感できるから……」
ミルウーダ「……」
-
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 21:27:31.84 ID:oMcVHMVBO
-
ティータ「今の貴族の方々には、草笛の音は届かないようです」
ティータ「でも、私に草笛を教えてくださった貴族の方も、確かにいたんです」
ミルウーダ「……」
『 敵 襲 !! 』
ミルウーダ「!」
ティータ「北天騎士団ですか?」
ミルウーダ「……ええ」
ティータ「兄さん……」
ミルウーダ「鍵は開けておくから、10分後に軍議室のテーブルの下、隠し部屋に隠れなさい」
ティータ「あの、人質は!?」
ミルウーダ「卑怯な手を使って、どうして世直しができる!」ダッ
ティータ「ミルウーダさん!」
-
241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 22:09:09.74 ID:oMcVHMVBO
-
=ジークデン砦 東方=
ガキィンッ
ウィーグラフ「く……! 北天騎士団め……どこに兵を隠していた!?」
骸旅団黒魔術師「各地を転戦している間に兵を潜伏させていたのでしょう。ザルバッグのやりそうな事です!」
ウィーグラフ「もっと手堅い男と思っていたが……こんな博打に出ていたとは!」ビッ
北天騎士団兵卒「ぎゃぁぁぁあ!?」ズバッ
骸旅団員「団長! フォボハム平原よりさらに敵が接近しているとの事!」
ウィーグラフ「何!? 数は!」
骸旅団員「約200!」
ウィーグラフ「……ッ」ギリッ
ウィーグラフ(すまぬみんな、援軍には行けそうもない……ッ)
-
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 22:31:10.40 ID:oMcVHMVBO
-
ウィーグラフ「骸旅団の勇敢なる戦士達よ、聞けぇ!!」
ウィーグラフ「我々は今日まで、このイヴァリースという巨大な水面に小石を投じてきた!」
ウィーグラフ「その波紋は今、大きな波となり、貴族社会を飲み込もうとしている!」
ウィーグラフ「思い出して欲しい! 先の強襲作戦の後の民の奮起を!」
ウィーグラフ「我々の波は、今津波となろうとしている!」
ウィーグラフ「皆、今一度手を振りかざし、最期まで小石を投じてくれッ!」
『うおおおおおおおおおおおッ!!』
-
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 22:42:25.24 ID:oMcVHMVBO
-
ウィーグラフ「さぁ、今一度死地へ赴こう!」
『そいつは待ってもらえねぇか?』
ウィーグラフ「誰だ!?」
ジャギ「アンタ等にはジークデン砦に行ってもらう」
ウィーグラフ「お前は……何故ここに?」
ジャギ「言った筈だ、アンタ等をジークデン砦に向かわせる為だ」
ウィーグラフ「それはできない。我々はここで援軍を迎撃せねばならない」
ジャギ「迎撃は俺がする」
ウィーグラフ「なに……?」
-
247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 22:51:03.24 ID:oMcVHMVBO
-
ウィーグラフ「馬鹿な、一人で相手をするというのか?」
ジャギ「そうだ」
ウィーグラフ「……気持ちはありがたいが、今はお前の口三味線に付き合ってる暇はない」
ジャギ「そうか……」
フッ
ウィーグラフ「!」
ジャギ「これを見ても同じ事が言えるか?」
カラカラカラン…
ウィーグラフ「!? 骸旅団の団章!!」
骸旅団黒魔術師「! 私の団章が!?」
骸旅団員「俺のも無い!」
ジャギ「アンタ等の命は俺が奪った。ここは俺に任せてくれ」
ウィーグラフ「…………わかった」
-
250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 22:58:23.12 ID:oMcVHMVBO
-
=ジークデン砦=
ミルウーダ「はぁッ!」
ズバァッ
北天騎士団員「ぐぁぁぁっ!?」ブシャッ
ゴラグロス「援軍はまだかよッ!?」
ミルウーダ「もうすぐ! もうすぐ来るから! みんな踏ん張るのよ!」キィンッ
『放てぇッ!!』
ヒュンヒュンヒュンヒュンッッ
骸旅団員「ひぃ…」
ザクッ ザッ ドスッ
骸旅団員「がッ!? あがぁぁ…」バタッ
ゴラグロス「……ッ、ウィーグラフの野郎……逃げたんじゃ!」
ミルウーダ「そんな事……あるはずないわ!」
-
254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:10:25.16 ID:oMcVHMVBO
-
骸旅団弓兵「駄目だ! 数が違いすぎる!」
ミルウーダ「耐えるのよ! 私達は……勝たねばならないの!」
『サンダーッ!』
骸旅団闘士「ぎゃぁぁぁ!?」ズガァンッ
『崩れたぞ! 突入せよ!』
北天騎士団騎士「貰ったッ!」バッ
ミルウーダ「しまった!?」バッ
命脈は無常にして惜しむべからず……
ウィーグラフ「葬る! 不動無明剣ッ!」カッ
北天騎士団騎士「―――――がはっ!?」ビキッ
ミルウーダ「兄さん!」
-
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:15:46.43 ID:oMcVHMVBO
-
ウィーグラフ「遅れてすまない!」
骸旅団弓兵「待ってましたぜ、お頭!」
骸旅団白魔術師「これで百人力です! 押し返しましょう!」
ミルウーダ「兄さん!」
ウィーグラフ「ミルウーダ、よく耐えてくれた」
ミルウーダ「……褒めるのは、この戦いに勝ってからにして」
ウィーグラフ「!」
ウィーグラフ「ああ、お前の言う通りだ!」チャキッ
-
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:22:51.76 ID:oMcVHMVBO
-
ディリータ「あれは……ウィーグラフ!」
ラムザ「ウィーグラフ!? なんで奴がここに!」
アルガス「チッ! 役立たずが! 足止めもできないのかッ!」
ザルバッグ「ウィーグラフ……まさかここまでとは!」
ラムザ「兄さん?」
ザルバッグ「奴を甘く見ていた。 別働隊を撃破してここへ来たというなら、奴は相当危険だ! 俺が相手をせねばなるまいッ!」ダッ
ラムザ「兄さん!」
ディリータ「おい、ラムザ!」
ラムザ「どうしたんだ?」
ディリータ「今がチャンスだ! 砦に忍び込むぞ!」
ラムザ「なんだって!」
-
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:27:43.13 ID:oMcVHMVBO
-
ウィーグラフ「ミルウーダ」
ミルウーダ「何です?」
ウィーグラフ「私は敵の総大将を討ちに行く」
ミルウーダ「総大将……ザルバッグを!?」
ウィーグラフ「お前はそっちの二人を頼む」バッ
ミルウーダ「兄さん!」
ザッ
ディリータ「くッ 敵か!」
ラムザ「お前は……」
ミルウーダ「! ベオルブの……」
-
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:33:48.35 ID:oMcVHMVBO
-
ディリータ「そこをどけッ! 俺にはやらなければならない事がある!」
ミルウーダ「知ってるわ、妹を探しているんでしょう」
ディリータ「!」
ラムザ「何故それを……」
ミルウーダ「安心しなさい、ティータは無事よ」
ディリータ「ほ、本当か!?」
ミルウーダ「ええ、砦の一階、軍議室の隠し部屋に隠れて……」
『北天騎士団の者共! 武器を捨てろ!』
ラムザ「なんだ!?」
-
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:43:56.48 ID:oMcVHMVBO
-
ゴラグロス「この娘がどうなってもいいのかッ!?」
ディリータ「ティータ!」
ミルウーダ「ゴラグロス! 馬鹿な事は止めなさい!」
ゴラグロス「気でも狂ったかミルウーダ! この戦いは、絶対に負けられないんだ!ぞ」
ミルウーダ「そんな事をして、世の中を変えれると思ってるの!?」
ゴラグロス「ここで死んだら世直しもクソもないだろうッ!」
ゴラグロス「さぁ武器を捨てろ貴族の犬共! でなけりゃお前らのせいで人質が死ぬぞ!」
-
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:48:58.43 ID:oMcVHMVBO
-
ディリータ「ティータ!」
ティータ「……兄さん」
ウィーグラフ「やめろゴラグロス……!」ギチチッ
ザルバッグ「北天騎士団は……貴様等に決して屈しないッ!」ギチチッ
ザルバッグ「やれッ アルガス!!」
アルガス「はッ」チャキッ
ラムザ「やめろアルガス!!」
ディリータ「よせ……やめろォ!!」
ミルウーダ「ティータ!!」
バシュッ
-
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:53:11.23 ID:oMcVHMVBO
-
北 斗 神 拳 奥 義
二 指 真 空 把
アルガス「…………あ?」ダラッ
アルガス「……あ…………れ」グラッ
バタッ
ジャギ「間一髪だったな」
ミルウーダ「! 貴方は……!!」
-
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:53:49.27 ID:F1trkm8K0
-
きたああああああああああああああああああああああ
-
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:53:59.96 ID:okAeUyIe0
-
期待を裏切らないな
-
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:56:59.76 ID:4y067qiJ0
-
このジャギ様は救世主すぎる
-
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/02(木) 23:58:17.96 ID:oMcVHMVBO
-
ゴラグロス「お、お前……いつの間に」
ピキーンッ
ゴラグロス「あが!?」ピキッ
ジャギ「動くな」
ミルウーダ「ど、どうしてここに……」
ジャギ「……戦う理由ができた」
ジャギ「生きていて欲しい奴が、この世界にいる」
ジャギ「化け物と呼ばれてもいい。俺はそいつの為に死神になる……!!」
-
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 00:06:02.06 ID:oCcdc5PlO
-
ティータ「あ、あの……」
ジャギ「ミルウーダ」
ミルウーダ「は、はいっ」
ジャギ「その娘を頼む」バッ
ミルウーダ「え、ちょっと!?」
北天騎士団員「な、なんだ!?」
北天騎士団剣士「こっちに跳んだぞ!」
北天騎士団白魔「なんて跳躍力だ!」
ジャギ「……」スタッ
北天騎士団闘士「敵陣のド真ん中に飛び込むとは……」
北天騎士団戦士「余程死にたいらしいな!」
-
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 00:13:03.29 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「おい」
北天騎士団戦士「あ?」
ジャギ「俺の名を言ってみろ」
北天騎士団闘士「おまえな、自分の置かれている状況がわか……ッ!?」ビクッ
ジャギ「そうだ……俺は名前が無いんだった」
北天騎士団剣士「か……らダガ!?」ブクブクッ
ジャギ「ならば……こう名乗ろう」
北天騎士団員「あ……ッ、ガぁ」ピキーンッ
『あべしっ!?』ブシャァッ
北斗千手殺
ジャギ「ジャギ……死神を意味する言葉だ」
-
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 00:22:21.35 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「死にたい奴、前に出ろ!」
ザルバッグ「なんだ!? あのデタラメな強さは!」
ウィーグラフ「はぁッ!」
ヒュッ
ザルバッグ「ッ!」ザザッ
ウィーグラフ「お前の寄越した200余名の援軍」
ウィーグラフ「あれを倒したのはアイツだ」
ザルバッグ「なにっ!?」
『し、死神だぁ!』
『に、逃げろ!!』
ザルバッグ「こ、こら!? く……ッ、退却!!」
ジャギ「逃がすか……ッ!?」ズキッ
ジャギ「あ……頭が……ッ」グラッ
-
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 00:31:49.99 ID:oCcdc5PlO
-
ジークデン砦での決戦で、北天騎士団は歴史的大敗を喫する。
これを機に、貴族達の牛耳る世界は崩壊の坂道を、
転がり始める事となる……。
また、この敗戦は、北天騎士団の弱体化を世間に露呈する事となり、
ゼルテニア領主ゴルターナは、虎視眈々と侵略の機会を窺っていた。
Chapter1 End
-
338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 01:40:38.36 ID:oCcdc5PlO
-
=一年後 貿易都市ウォージリス=
商人らしき男「……ひとつ500でいかがです?」
傭兵「ダメだ、話にならん。ひとつにつき2000だ」
商人らしき男「……わかりました。2000で手を打ちましょう」
傭兵「値引きには応じないからな」
商人らしき男「存じてます。ただし、失敗や放棄は……」
傭兵「わかってる。アンタは支払いの準備でもしてな」
商人らしき男「では……」スッ
傭兵「フン」
傭兵「七つの傷の男!? クソッ! やられたッ!」バシッ
-
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 01:49:53.26 ID:oCcdc5PlO
-
ミルウーダ「貴方も随分有名人になったわね」
ジャギ「誰のせいだと思ってるんだ」
ミルウーダ「目立ちすぎる格好をしてる自分が悪いんじゃない?」
ジャギ「お前が片っ端から喧嘩売り歩くのが悪いんだろ」
ミルウーダ「嫌ならついて来なければいいでしょ!」
ジャギ「なんだと!」
ティータ「あの…」
ミルウーダ「なによ!」ジャギ「なんだ!」
『テメェら! 俺達を無視すんな!』
ティータ「敵襲です」
-
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 01:54:59.21 ID:oCcdc5PlO
-
……
ピキーンッ
傭兵「か……ッ!? 体が!」ガチッ
ジャギ「さて、お前らの雇い主の名前を教えてもらおうか」
傭兵「馬鹿な! 言える訳がねぇ!!」
ジャギ「……そうか」カチャカチャ
チャキッ
ジャギ「もう一度チャンスをやろう」
傭兵「……ひ、ひぃ!?」
-
348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 02:00:38.95 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「あー、手元が狂う予感がするなァ」ギリッ
傭兵「ば、バート商会だ! バート商会のルードヴィッヒに雇われた!」
ジャギ「命は大事にしろ」ズグッ
傭兵「はぁァ……」ガクッ
ミルウーダ「バート商会……」
ティータ「バート商会というと、あの貿易商で有名な?」
傭兵「ああ……」
ミルウーダ「そのバート商会が、なんで私達を?」
-
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 02:10:06.00 ID:oCcdc5PlO
-
傭兵「七つの傷の男とミルウーダ・フォルズと言えば、甘い汁吸ってる連中にとっちゃ害虫に他ならない……」
ティータ「でも、バート商会に恨まれるような事、した覚えは……」
傭兵「……」
ミルウーダ「貴方を保護するから、全てを話しなさい」
傭兵「……本当だな?」
ミルウーダ「ええ」
傭兵「……」
傭兵「バート商会は、裏で奴隷商や麻薬の密輸、兵器の売買までする犯罪組織だ」
-
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 02:20:08.51 ID:oCcdc5PlO
-
傭兵「アンタらは知らないだろうが、貴族連中や犯罪組織、一部の資産家は協定を結んでいる」
ティータ「協定?」
傭兵「目障りな奴を排除する為の暗殺協定さ」
ミルウーダ「そのリストに私達が入ってるのね」
傭兵「……ああ」
ティータ「兄さんは」
ジャギ「……ティータ?」
ティータ「ディリータ兄さん達は入ってるんですか?」
-
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 02:30:53.53 ID:oCcdc5PlO
-
傭兵「ディリータ? 知らないな」
ティータ「そうですか……」
ミルウーダ「……きっとどこかでうまくやってるわよ」
ティータ「……はい!」
傭兵「なぁ、もういいだろ?」
ミルウーダ「まだよ。ルードヴィッヒの居場所は?」
傭兵「知らない! 犯罪組織のボスが所在を明らかにすると思うか?」
ミルウーダ「……そうね」
-
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 03:14:34.18 ID:oCcdc5PlO
-
ジークデン砦の戦いから一年。
南天騎士団の牽制を余儀無くされたラーグ公は、
骸旅団改め、骸騎士団に和平交渉を持ち込む。
骸騎士団は、平民の地位向上を条件に、ラーグ公と和平を結ぶことで、
イヴァリース内で「北天騎士団と同等」という認識を確立した。
一方、
この頃から、ゼルテニア領内では権力者を狙った事件が多発するようになる。
七つの傷を持つ「死神」と、「骸騎士」ミルウーダ・フォルズ
二人の名がイヴァリースの歴史に刻まれる事となったのは、
バート商会との戦いに起因する……
-
448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 19:22:37.07 ID:oCcdc5PlO
-
……
ルードヴィッヒ「失敗した?」
商人らしき男「はっ、やはり傭兵では太刀打ちできないかと」
ルードヴィッヒ「ガフガリオンはどうした?」
商人らしき男「別の仕事があると断られました」
ルードヴィッヒ「フン! 怖じ気づいただけだろう!」
商人らしき男「ガフガリオンは慎重な男です。それだけ、あの二人が危険とも考えられます。やはり我々の息のかかった者を……」
ルードヴィッヒ「できぬ。害虫駆除より先にやる事があるだろうが」
商人らしき男「……」
ルードヴィッヒ「奴らには傭兵でもあてがっておけ。アレを手に入れるまで、せいぜい足掻くがいい」
-
453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 19:42:10.45 ID:oCcdc5PlO
-
=貿易都市ウォージリス 酒場=
マスター「いらっしゃい、なににする?」
ティータ「では、ミルクを」
マスター「おいおい、ここは酒場だぜ? 子供は帰んな」
ティータ「……」
ジャギ「俺もミルクの気分なんだが、どうしても駄目か?」
マスター「な、七つの傷の男!?」
ジャギ「ミルクは駄目かー」
マスター「ミルク二つですね!? 少々お待ち下さい!」
-
455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 19:49:42.49 ID:oCcdc5PlO
-
…
ジャギ「ング……ぷはぁ」
ミルウーダ「マスター、バート商会について教えて」
マスター「……」
ミルウーダ「私達の討伐以来でも出てるの?」
マスター「!」
ミルウーダ「貴方達でも顔に出る事があるのね」
マスター「……この街はバート商会のお膝元だ。逆らえば、バグロス海に沈められちまう……」
ミルウーダ「ねえ、取引しましょう」
マスター「……取引?」
-
458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:10:36.17 ID:oCcdc5PlO
-
ミルウーダ「そう、貴方達ウォージリス市民がバート商会粛清を私達に依頼するの」
マスター「!」
ミルウーダ「ふふ、いい話でしょ」
マスター「馬鹿言うな! アンタらはバート商会を甘く見すぎだ!」
マスター「バート商会は政界とも繋がっている。奴らがその気になれば、アンタ達をお尋ね者にする事だってできるんだぞ!」
ミルウーダ「あら、私達ってまだお尋ね者じゃなかったのね」
マスター「……は?」
-
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:17:13.86 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「マスター」
マスター「はい!?」
ジャギ「もう一杯」
マスター「は、はい、ただいま……」
カチャカチャ
ジャギ「なぁマスター、アンタら生きてて楽しいか?」
マスター「……え」トクトク
ジャギ「見りゃわかる。皆、酒を飲んでるのにちっとも楽しそうじゃねぇ」
マスター「……」
ジャギ「窮屈だろ、飼われてちゃよォ」
-
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:27:46.76 ID:oCcdc5PlO
-
マスター「……ミルクです」コト
ジャギ「ありがとう」
ゴクゴク…
マスター「……です」
マスター「こんな生活、窮屈に決まってるじゃないですか……!」
ティータ「マスター……」
マスター「でも、私達には抗う力なんてない……」
コトッ
ジャギ「ごちそうさん」ギッ
ミルウーダ「ちょっと、お金は?」
ジャギ「建て替えておいてくれ」
-
462:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:32:42.37 ID:oCcdc5PlO
-
ミルウーダ「もう……!」
マスター「……ありがとうございました」
ガチャ
ジャギ「ああ、そうだ……他人の俺が言うのもなんだけどよ」
ジャギ「理想の為に戦えないなら……お前、もう死んでるぜ」
バタン
マスター「……」
-
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:47:40.50 ID:oCcdc5PlO
-
……
ジャギ「さて、後はミルウーダに任せるとして……」
ジャギ「出てこいよ、俺の首が狙いなんだろ」
ジャリッ
ならず者「囲まれたってのに……ふざけた野郎だ」
盗賊「いくらお前でも、この人数相手ではひとたまりもあるまい!」
ジャギ「面倒だ、まとめてかかってこい」
ならず者「野郎ッ!」バッ
バキッ
『ぐぁぁぁぁああ!?』
-
469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 20:56:56.13 ID:oCcdc5PlO
-
……
ミルウーダ「私が骸旅団にいた事は知ってる?」
マスター「ええ、骸騎士団長ウィーグラフの妹なんでしょう?」
ミルウーダ「そう」
ミルウーダ「私は、何人もの仲間を戦場で失ったわ」
ミルウーダ「でもね、絶え際の仲間達は、私に向かって言うの」
ミルウーダ「未来の為に戦えて良かった……って」
-
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 21:06:54.25 ID:oCcdc5PlO
-
ミルウーダ「もし、バート商会の力が強大で、力及ばす死ぬとしても、私は最後まで戦うわ」
マスター「どうして、どうしてそこまで……」
ミルウーダ「……」
ミルウーダ「だって、みんなが笑顔じゃない世の中なんて堪えられないもの」
マスター「……」
マスター「……いくらで引き受けてくれる?」
ミルウーダ「ふふ、じゃあミルクを一杯いただこうかしら」
-
472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 21:19:44.78 ID:oCcdc5PlO
-
=ウォージリス港=
商会員「おらッ! さっさと乗り込め!」
護衛「グズは海に叩き落とすからな!」
商会員「おらッ! 次はテメェだよ! 早くしろ!」ドカッ
「……」
護衛「……ん? 奴隷にしちゃ格好が」
ピキーンッ
商会員「うぉっ!?」ビクビク
ジャギ「どうした、仕事を続けろ」
護衛「カ……ッ、痺れ!」ガクガク
ジャギ「職務怠慢だな。確か、グズは海に叩き落とすんだっけな」
商会員「や、やめ……」護衛「ひ、ひい!?」
ドンッ
商会員「あ……」護衛「うわっ」
ドボーンッ
-
476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 21:32:41.28 ID:oCcdc5PlO
-
ミルウーダ「マスターの情報通り奴隷船だったわね」
ティータ「私達は同じ人間なのに……酷い」
ミルウーダ「ええ、人間を家畜として扱う人間が上に立つ酷い世界」
ティータ「……」
ティータ「でも、その世界を変えるのもまた人間なんですよね」
ミルウーダ「ふふ、わかってるじゃない」
ジャギ「そろそろ行くぞ。感づかれる」
-
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 21:40:27.61 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「俺はティータを護衛しつつ、敵を一掃、捕まってる連中を解放する」
ミルウーダ「私は真っ直ぐ船長室を目指すわ!」
ティータ「ミルウーダさん、気をつけて」
ミルウーダ「ティータもね」
タタタッ
-
479:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 21:49:57.61 ID:oCcdc5PlO
-
=看板=
見張り「ふぁ……」
ギシッ ギシッ
見張り「な、誰だ!」サッ
ジャギ「俺の名を言ってみろ」バッ
見張り「怪しい奴!? 敵襲! 敵しゅべッ!?」バキッ
ズサーッ
ジャギ「怪しい奴じゃねぇ! ジャギだ! これからお前らを殺す死神だ!!」
-
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:03:33.01 ID:oCcdc5PlO
-
『看板に侵入者だ! 警戒体制に入れ!』
ジャギ「……これで全員か? こんな人数では俺は殺せないぞ」
商会戦士「な、七つの傷の男……」
商会黒魔術師「バート商会にまで手を出すとは身の程知らずが!」
商会闘士「バート商会は構成員5900人から成る大組織! お前なぞ、吹けば飛ぶ存在なんだぞ!」
ジャギ「だが、ここには20人弱しかいないな」
商会闘士「く……だがお前を殺すには十分だ!!」
-
482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:06:52.03 ID:oCcdc5PlO
-
ドンッ ガンッ
『うぁぁぁッ!?』
ドボーンッ
ミルウーダ「派手にやってるみたいね……今のうちに」
商会船員「どこへ行こうってんだ?」
ミルウーダ「!」
商会船員「こっちに一人いるぞ!!」
-
484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:17:14.49 ID:oCcdc5PlO
-
商会船員「生憎、女に不自由はしてないんでな。死んでもらうぜ」チャキッ
商会アイテム士「これが見えるか? 拳銃だ。 こんな狭い通路じゃよけられねぇな!」チャキッ
商会話術士「バート商会の力を持ってすれば、構成員全員に銃を持たせる事も可能なんだよ!」チャキッ
ミルウーダ「能書きはいいから、さっさとその玩具を使いなさい」
商会船員「なッ」
商会話術士「馬鹿がッ 死ね!」
ガンッガンッガンッッ
-
485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:26:01.34 ID:oCcdc5PlO
-
商会アイテム士「な……っ」ブシャッ
商会話術士「がハッ!」ドシャッ
ミルウーダ「発砲の際に銃口が跳ね上がってるわ。来世では両手で撃ちなさい」
商会船員「な……あんな低く跳べるはずが…………」
ドタッ
ミルウーダ「場数が違うの」
-
486:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:27:39.81 ID:yyGaRGpOO
-
ミルウーダかっけえええ
-
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:32:36.66 ID:oCcdc5PlO
-
ガチャ
ミルウーダ「あった! ここが船長室ね!」
ミルウーダ「バート商会に関する書類は……」パカッ
ミルウーダ「空!? 机は?」スッ
ゴソゴソ…
ダァーンッ
ミルウーダ「ふッ」キィンッ
船長「チッ」
-
492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 22:40:04.01 ID:oCcdc5PlO
-
船長「ミルウーダ・フォルズ……裏社会を嗅ぎ回るネズミか」
ミルウーダ「嗅ぎ回るなんて人聞きの悪い」
チャキッ
ミルウーダ「食い荒らしてるの。イヴァリースに巣くう害虫をね!」
船長「身の程知らずがッ!」チャキッ
ダァーンッ
ミルウーダ「ふッ」タンッ
船長「かかったな」
ザシュッ
-
497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 23:29:11.20 ID:oCcdc5PlO
-
……
商会兵士「あがァ!?」グシャッ
ジャギ「これで全員か」
ティータ「ミルウーダさんは無事でしょうか……」
ジャギ「大丈夫だ、あいつは強い」
ティータ「……ふふ」
ジャギ「……なんだよ」
ティータ「ミルウーダさんを信頼されてるんですね」
ジャギ「そりゃあ、強いから一人で戦わせてる訳で……」
ティータ「いえ、戦力ではなく、人間として信頼してるという意味です」
-
502:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 23:44:00.10 ID:oCcdc5PlO
-
ジャギ「確かに、お前の言う通り、俺はミルウーダを人間として信じている」
ジャギ「……それがどうかしたか?」
ティータ「私は、私の事はどう思っています?」
ジャギ「……」
ジャギ「お前はいい奴だ。それは共に旅をして感じている」
ジャギ「……これじゃ駄目か?」
ティータ「いえ、今はそれだけで十分です……」
ジャギ「……」
-
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 23:51:24.91 ID:oCcdc5PlO
-
ドサッ カランカランッ
ミルウーダ「くッ」
船長「お前程の使い手だ、必ず飛び込んでくると思っとったわ」
ミルウーダ「銃と剣の二刀流……!」
船長「戦いは一合目で全てが決まる。勝負あったな」チャキッ
ミルウーダ「……ッ」ジリッ
船長「あばよ……!」
ガァンッッ
-
509:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/03(金) 23:56:43.31 ID:oCcdc5PlO
-
バズッ
ミルウーダ「う……ッ!?」ガクッ
船長「剣士のお前が……何故銃を…………!?」
ドタンッ
ミルウーダ「死ぬ時は遺留品に気をつけなさい……!」
-
510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 00:01:27.52 ID:HHixNlyiO
-
……
『ミルウーダ! どこだ!』
ミルウーダ「ジャ……ジャギ…………」
『ミルウーダさーん!』
ミルウーダ「はぁ……、はぁ……」
ジャギ「ミルウー……ミルウーダ! しっかりしろ!」
ミルウーダ「ごめん……やられちゃった」
ジャギ「あやまるなッ! 傷口を見せてみろ! ティータ! こっちだーッ!」
-
512:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 00:08:00.68 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「弾が残ってるな……歯ァ食いしばれ、取り除くぞ」
ミルウーダ「……ッ」ギュッ
ズグッ
ミルウーダ「ぐうッ」ビクッ
グリッグリ…ッ
ミルウーダ「うッ ぐぅぅ……ぁッ」ビクッ
-
518:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 00:16:20.92 ID:HHixNlyiO
-
……
ティータ「ジャギさん、ミルウーダさんは……」
ジャギ「危険な状態だが、ポーションが効きはじめれば持ちこたえるだろう」
ティータ「……よかった」
ティータ「そうだ、ジャギさん、これ……」
ジャギ「……通達?」
ティータ「どうやらバート商会は『ムスタディオ』という人の持つ『タウロス』という宝石を探しているみたいです」
ジャギ「ふむ、次の目標が見えてきたな」
-
526:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 00:56:57.09 ID:HHixNlyiO
-
=城塞都市ザランダ=
ディリータ「ここまで来ればもう一息だな」
アグリアス「ありがとう。君達には感謝してもしきれない」
ラムザ「お礼なら無事にライオネルに到着してからにして下さい」
ディリータ「ああ、今やっと半分に到達したぐらいの気持ちでないと」
アグリアス「……そうだな。私としたことが」
オヴェリア「お二人共、あまりアグリアスをからかわないで下さい」
アグリアス「オヴェリア様……」
-
528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:06:07.94 ID:HHixNlyiO
-
オヴェリア「アグリアス、今のは二人が場を和まそうと言った冗談ですよ」
アグリアス「……そうなのか二人共?」
ラムザ「はは……ちょっと分かりづらかったですかね」
ディリータ「もうひと月以上旅してるんだから、そろそろ俺達に慣れてもいいんじゃないかな」
アグリアス「……すまない」
オヴェリア「……今のも冗談ですよ?」
アグリアス「えっ」
ディリータ「やれやれ」
ラムザ「まぁ、そこがアグリアスさんのいいところなんだけどね」
アグリアス「……」
オヴェリア「ふふ……照れてますね」
アグリアス「照れてません」
-
535:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:28:23.22 ID:HHixNlyiO
-
=機工都市ゴーグ=
ジャギ「ようやく到着だな」
ティータ「ここに『ベスロディオ』さんが捕らえられているんですね」
ジャギ「フフフ……奴ら驚くぞ。何せ切り札の人質がいなくなるんだからな」
ティータ「急ぎましょう。私達の動きに気付かれないとも限りません」
ミルウーダ「ちょっと待った!」
ジャギ「なんだよ」
ミルウーダ「いつまでこの格好で動くつもり?」
ティータ「格好はいつもと同じじゃないですか」
ミルウーダ「おぶられてる事を言ってるのよ!」
-
536:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:37:56.57 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「耳元で大声を出すな。傷口が開くぞ、怪我人」
ミルウーダ「誰のせいで大声出してると思ってるのよっ」
ティータ「ミルウーダさん、言い辛いですが、敵のアジトに攻め込むのに怪我人は連れていけませんよ」
ティータ「それに……」チラッ
ティータ「あんまり聞き分けがないと、ジャギさんに嫌われますよ」ヒソヒソ
ミルウーダ「なッ!?」
ティータ「さ、行きましょう!」スタスタ
ジャギ「なんか……どんどん頼もしくなるな」
ミルウーダ「―――――ッ」ワナワナ
-
538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:44:49.49 ID:KvzaiBL80
-
今はヘルメットとかつけてるのかな
-
539:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:49:42.35 ID:HHixNlyiO
-
説明するタイミングがなくてすみません
ジャギ様の容姿はチャプター2からはいつものジャギ様でお願いします
-
540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 01:57:14.14 ID:HHixNlyiO
-
=バート商会アジト=
ティータ「見張りがいますね」
ミルウーダ「今回の救出作戦、情報が古いから監禁場所が変わってるかも知れないわ」
ミルウーダ「アジトを落とすのも手だけど、もし監禁場所を変えていたらアウト」
ミルウーダ「ベスロディオの情報が流出する事はなくなってしまう」
ジャギ「で、俺の出番ってわけか」
-
541:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 02:03:27.56 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「商会の人間を殺さず、気付かれず侵入して、ベスロディオの所在を確認するの」
ジャギ「で、ベスロディオが居たらそのまま救出、居なければ隠密に脱出だな」
ミルウーダ「そう。頼んだわよジャギ」
ジャギ「任せろ」
ティータ「ジャギさん、ご無事で」
ジャギ「ああ……いってくる」
-
598:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 16:28:13.58 ID:HHixNlyiO
-
……
商会兵士「ふぁぁ……」
商会剣士「でっけぇ欠伸だな」
商会兵士「毎日毎日見張り番だぞ? 退屈で死んじまう」
ジャギ(緊張感がないな……人質はいないのか?)
商会兵士「たかが宝石一個に、ルードヴィッヒの旦那は何躍起になってんだか」
商会剣士「……」
商会兵士「……どうした?」
商会剣士「……これは噂なんだが、今回の件には枢機卿が絡んでるらしい」
商会兵士「!? 本当か!?」
商会剣士「噂だ。だが、言われてみると思い当たる節がある」
ジャギ(枢機卿?)
-
600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 16:40:16.40 ID:HHixNlyiO
-
商会剣士「俺達はゴーグに配置されて長いが、当初は坑道で働く連中の監視程度で、人数も少なかった」
商会兵士「ああ、掘り出し物をぶんどる為だけにいたからな」
商会剣士「だが、何年か前に大幅な増員があったろ?」
商会兵士「ああ、発掘に奴隷を使うからその監視にってな。しかし、何故急に奴隷を投入したんだ?」
商会剣士「それが枢機卿の指示だったらしい。あの時投入した奴隷は枢機卿が買った連中だって、奴隷商から移転してきた奴が言ってた」
商会兵士「……これって、知ってはいけない事なんじゃ」
商会剣士「だから『噂』だって」
ジャギ(枢機卿って奴が黒幕なのか……)
スッ
-
601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 16:46:57.39 ID:HHixNlyiO
-
……
ティータ「ジャギさん、大丈夫でしょうか……」
ミルウーダ「大丈夫よ」
ティータ「あんなに目立つ格好をしているのに、ですか?」
ミルウーダ「ジャギが気配を殺すと、視界に入っていても見逃す事があるの」
ティータ「ジャギさんはニンジャなんですか?」
ミルウーダ「うーん……」
ミルウーダ「ジャギはジャギでしょ」
ティータ「ふふ……そうですね」
-
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 16:51:12.96 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「それより気掛かりなのは、ジャギの頭痛が発症しないかね」
ティータ「ジャギさんは頭痛持ちなんですか?」
ミルウーダ「…………ええ」
ティータ「……」
ティータ「それは、ヘルメットを脱がない事と関係があるんですか?」
ミルウーダ「!」
ミルウーダ「……私の口からは何も言えないわ」
ティータ「大丈夫です。私、ジャギさんが話してくれるまで待ってます」
-
606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 16:57:45.82 ID:HHixNlyiO
-
……
ベスロディオ「……」
『あんたがベスロディオか?』
ベスロディオ「! 誰だ!?」
ジャギ「俺はジャギ。あんたを助けに来た」
ベスロディオ「ムスタディオの仲間か?」
ジャギ「あんたの息子だっけか、残念ながら違う」
ジャギ「だが、バート商会の敵だ。敵の敵は味方、だろ?」
-
607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:04:57.17 ID:HHixNlyiO
-
ベスロディオ「あなたも『聖石』を狙ってるのか?」
ジャギ「聖石? もしかして、枢機卿が欲しがってる宝石の事か?」
ベスロディオ「何故それを!?」
ジャギ「フフ……あんたは真相を知ってるようだな。是が非でも助け出してやるぜ」
ベスロディオ「……」
ベスロディオ「鍵は見張りの誰かが持っている。それを奪わないと……」
ジャギ「鍵? そんな物は必要ない」ガシッ
ベキャッ
ジャギ「これで出られるだろ」
ベスロディオ「」アングリ
-
608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:14:35.29 ID:HHixNlyiO
-
……
ミルウーダ「ベスロディオはいたかしら……」
『貴様ら! そこで何をしている!』
ミルウーダ「見つかった!?」
商会モンク「お前はミルウーダ! 抹殺対象に出会うとはツイてるぜ!」
商会モンク「奴を殺せば貴族連中から報酬が出る! 野郎共気合いいれてかかれ!」
ミルウーダ「10人……少し多いわね」チャキ
ティータ「ミルウーダさん……」
-
609:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:23:28.49 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「やあッ!」
商会ナイト「ふッ」ガキィンッ
商会モンク「前衛は守りを固めろ! 弓と魔法で蜂の巣にしてやれ!」
商会黒魔「ファイア!」
ミルウーダ「くッ」ドガッ
商会モンク「はははッ! そんな盾一枚でいつまで耐えられるかな?」
ミルウーダ「ティータ、私から離れないでね」ボソ
ティータ「……」コクッ
-
611:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:35:04.44 ID:HHixNlyiO
-
商会モンク「撃てぇ!!」
ヒュンヒュンヒュンッッ
商会黒魔「食らえ! ファイア!」
ミルウーダ「やぁぁぁぁあッ!!」ダダダッ
カシッカシンッ ドカンッ
商会弓兵「突っ込んでくる!?」
商会モンク「盾を突き出せ! 壁を作るんだ!!」
商会戦士「ふんッ」
商会ナイト「ここは通さんぞ!」
ミルウーダ「でやぁぁぁぁッ!!」バッ
ズバッ ガキィンッ
Shield Break
ミルウーダ「……一刀両断!」
-
613:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:44:19.89 ID:HHixNlyiO
-
商会ナイト「しまった!」
ミルウーダ「突破するッ!」バッ
――ズキッ
ミルウーダ「くぁ!?」ガクッ
ティータ「ミルウーダさん!?」
商会モンク「敵は手負いだ!! 畳みかけろ!」
商会戦士「その首もらったァ!!」
ティータ「えい!」
商会戦士「わぷっ!?」ボスッ
ミルウーダ「せぁッ!」
ズバッ
商会戦士「ぐあぁッ!?」バタッ
ミルウーダ「は……ッ、はぁ……」
-
614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 17:54:52.88 ID:HHixNlyiO
-
ヒュンヒュンヒュンッ
ミルウーダ「!」
キンッ カキンッ
『地の砂に眠りし火の力の目覚め……』
ミルウーダ「ティータ! 伏せて!」
ティータ「きゃっ!?」
商会黒魔「緑なめる赤き舌となれ! ファイラ!!」
ドカァァンッ
ミルウーダ「くぅ……!?」ズザーッ
商会モンク「もらったァ!!」
ズガッッ
-
615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:08:14.87 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「かは……ッ」
商会モンク「勝負あったな!」ズルッ
ティータ「ミルウーダさん!」
ミルウーダ「大丈夫……鎧のおかげで致命傷は避けたわ」
商会モンク「致命傷は避けた? 何暢気な事ぬかしてんだよ」
ミルウーダ「……まさか!?」
商会モンク「そうだよ、お前が食らったのは威力に関係なく敵を殺す『秘孔拳』!」
商会モンク「10分もすればお前の体は内部から崩壊する!」
ティータ「そんな……」
ザッ
ミルウーダ「ならば……その10分で、私を殺しきらなかった事を後悔させてやろう!」
-
616:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:18:08.51 ID:HHixNlyiO
-
……
ミルウーダ「は……ッ、はぁ……ッ」ズキズキ
商会モンク「どうした? あと1分しかないぞ」
ミルウーダ「ティータ……あなただけでも逃げて」
ティータ「それはできません。ミルウーダさんを見殺しにするぐらいなら、私は死を選びます……!」
商会モンク「おーおー、美しい友情だねぇ」
商会モンク「だがそっちの嬢ちゃんには俺達に付き合ってもらうぜ。久しぶりに楽しめそうだ」
ミルウーダ「外道が……!」
商会モンク「うるせえ! ……時間だ! 自分の無力さを悔いて死ね!」
-
619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:26:42.60 ID:HHixNlyiO
-
ピキーンッ
ミルウーダ「あ……ッ!」ビクッ
商会モンク「気の流れ『経絡』が崩壊し始めたぜ! 終わりだ!」
『俺に断りもなく、何勝手に終わらせてるんだ?』
商会モンク「……来たか、死神ジャギ!」
-
620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:32:18.59 ID:HHixNlyiO
-
ズグッ
ミルウーダ「あうッ!?」
ジャギ「秘孔封じを突いた。もう大丈夫だ」
ティータ「遅いですよジャギさん!」
ミルウーダ「本当……どこ…………ほっつき歩いてたの……よ」
ジャギ「……すまん」
ミルウーダ「ふ…………でも間に合ったから許してあげる」
商会モンク「感動の再会は済んだか?」
商会モンク「なら次は全員まとめて地獄へ送ってやるぜ!」
-
625:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:41:13.61 ID:HHixNlyiO
-
商会モンク「はぁぁぁぁッ!」
ジャギ「……」
商会モンク「奥義……連続拳!!」グァッ
ドカッ バキッ ベキッ
商会モンク「俺様の神速の拳に手も足も出まい!」バキッ ドカッ
ジャギ「怒りは肉体を鋼鉄の鎧と化す……」
商会モンク「何をボソボソ」
グシャッ
商会モンク「――――!? うぎゃぁぁぁぁ!? 腕がぁぁぁ!?」
ジャギ「はぁぁァ……」ゴゴゴ
-
626:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:49:06.84 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「おのれに本当の拳術を見せてやる……!」
商会モンク「う、撃て!! うでぇぇぇ!!」
ヒュンヒュンヒュンッ
ザクザクザクッ
ティータ「ジャギさん!?」
ミルウーダ「ジャギ!!」
商会モンク「ははッ! ザマぁ見ろ……」
ジャギ「はぁぁぁァ……」ススス…
商会モンク「なッ!? 矢が刺さってんだぞ!!」
商会黒魔「ふぁ、ファイラッッ!」
ドカァァンッッ
商会モンク「直撃だ……!」
ミルウーダ「ジャギーッ!!」
-
630:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 18:56:12.48 ID:HHixNlyiO
-
メラメラ……
商会モンク「ははッ!! 最期は呆気なかったな!」
商会黒魔「岩をも砕く爆発だ、どう足掻こうと助からん!」
ミルウーダ「ジャギ……」
『北斗……』
商会ナイト「……何か聞こえ」
羅 漢 撃
商会ナイト「――べぁ!?」グシャッ
商会黒魔「あろ――!?」ベキャッ
商会モンク「ば、馬鹿なッ!? そんな馬鹿な!?」
-
631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 19:03:02.45 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「……」ゴゴゴゴ
商会モンク「う、撃て!! 撃ちまくれ!!」
商会弓兵「ひ、ひいッ」キリキリ
ジャギ「恐怖が戦士を殺す」チャキッ
商会モンク「うわっ!? うわっ!!」タタタタッ
ダァーンッ ダァーンッ
商会弓兵「あがッ!?」ビズッ
商会アーチャー「ぐへっ!?」ビズッ
-
634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 19:14:15.83 ID:HHixNlyiO
-
カツーンッ カツーンッ
商会モンク(何故だ! 何故俺がこんな目に!?)ブルブル
カツーンッ カツーンッ
商会モンク(頼む! 見逃してくれぇ!!)ガタガタ
『逃走では死から逃れられない』
商会モンク(助けて……助けて!)
ジャギ「死を退けるのは戦いだけだ」
商会モンク「助けて……助けて……」
ジャギ「……」
商会モンク「助け……助…………」ガクッ
-
635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 19:23:09.24 ID:HHixNlyiO
-
……
ベスロディオ「おかげで助かったよ」
ミルウーダ「監禁場所が変わらなくて良かったです」
ベスロディオ「ああ、不幸中の幸いだ」
ミルウーダ「これでバート商会は大騒ぎね」
ベスロディオ「だがドラクロワも黙っていないだろう」
ティータ「ドラクロワ? なぜ枢機卿の名が出てくるんです?」
ジャギ「バート商会のバックにはドラクロワとかいう奴がついてるらしい」
ミルウーダ「なんですって!?」
-
636:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 19:37:56.70 ID:HHixNlyiO
-
ベスロディオ誘拐の黒幕は、ライオネル統治者ドラクロワ枢機卿であった。
枢機卿は、伝説の聖石『ゾディアックストーン』を使い、
イヴァリースの支配者になる事を目論んでいた。
だが、聖石の臭いを嗅ぎつけていたのは枢機卿だけではない。
イヴァリースは、再び乱世に向かって走り出していた……
-
643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 20:41:13.58 ID:HHixNlyiO
-
=ベスロディオの工房=
ティータ「これは……地球儀ですか?」
ベスロディオ「ゴーグの坑道で発掘した『過去の遺産』さ」
ティータ「過去の遺産……」
ベスロディオ「現代では失われた古代技術で作られた機械。一体何に使うんだか……」
ジャギ「……」
ズキッ
ジャギ「うっ!?」ガクッ
ティータ「ジャギさん!?」
ジャギ「頭が……!」ズキズキッ
-
644:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 20:47:28.71 ID:HHixNlyiO
-
『腑抜けたか――達は!!』
『――が微笑む時代なんだ』
『兄より優れた弟など――』
『おのれに――の真髄を見せてやるわ!』
『バカめ! 勝てばいいんだ――』
『俺の名を言ってみろ!』
―ジャギ
ティータ「ジャギさん!」
ジャギ「はっ!?」
ティータ「大丈夫ですか?」
ジャギ「…………ああ」
ジャギ(今のは……)
-
645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 20:52:20.62 ID:HHixNlyiO
-
……
ジャギ「……この胸の傷、北斗七星を模しているように見える」
ジャギ「戦いの中でついた物ではないな。誰が……自分で?」
――北斗神拳――
ジャギ「ぐッ!?」ガクッ
ジャギ「今、何か思い出しそうな……」
-
646:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 20:54:19.20 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「北斗……北斗…………」
ズキッ
ジャギ「くう……っ」
ミルウーダ「ジャギ!」タタッ
ミルウーダ「大丈夫?」
ジャギ「ミルウーダ……お前こそ体はもういいのか?」
ミルウーダ「ええ、心配かけたわね」
-
647:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 20:57:07.95 ID:HHixNlyiO
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ジャギ「明日はライオネル城に発つんだ。早く寝たほうがいい」
ミルウーダ「なら、ジャギも寝なさい」
ジャギ「俺は眠れないから夜風に当たりに来たんだ」
ミルウーダ「じゃあ私も」
ジャギ「……」
ミルウーダ「……」
-
649:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:03:54.25 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「星が綺麗ね……」
ジャギ「……ああ」
ミルウーダ「あ、ほら見て」
ジャギ「ん?」
ミルウーダ「北斗七星……ジャギと同じ」
ジャギ「やっぱりこの傷は北斗七星に見えるか」
ミルウーダ「ええ、ジャギは夜空に輝く北斗七星にそっくりよ」
ジャギ「……」
ジャギ「じゃあミルウーダはあの星だな」
ミルウーダ「どれ?」
ジャギ「北斗七星の傍で輝く、一際明るいあの星だ」
-
652:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:05:00.17 ID:l6NA+MDA0
-
なん・・・だと・・・
-
656:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:13:32.45 ID:HHixNlyiO
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=ライオネル城=
ドラクロワ「なるほど、事情はよくわかりました、アグリアス殿」
ドラクロワ「そういう事であれば、このドラクロワ、手を貸さぬ訳にはいきますまい」
ドラクロワ「早速、聖地ミュロンドへ使者を差し向けましょう。教皇猊下に直奏するのです」
アグリアス「猊下、フューネラル教皇猊下はお聞き届けくださいますでしょうか?」
ドラクロワ「心配召されるな、アグリアス殿。この私がついております」
-
657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:18:46.76 ID:HHixNlyiO
-
ドラクロワ「古く汚らわしい城ではありますが、聖地より返事がくるまでの間、ゆるりとくつろいでくだされ」
オヴェリア「猊下、お心遣いに感謝いたします」
ドラクロワ「そちらの若き機工士の願いも聞き届けました」
ドラクロワ「バート商会を壊滅させる為、わがライオネルの精鋭達をゴーグへ送りましょう」
ムスタディオ「ありがとうございます、猊下」
ドラクロワ「が、その前に、何故そなたら親子が狙われるのか説明してくれぬか」
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658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:23:10.49 ID:HHixNlyiO
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ムスタディオ「そ、それは……」
ドラクロワ「……」
ドラクロワ「よいよい……これであろう?」スッ
コトッ
アグリアス「そのクリスタルは……?」
ドラクロワ「『ゾディアックブレイブの伝説』をご存知かな?」
アグリアス「子供の頃、教会でよく聞かされたあの御伽噺ですか?」
ドラクロワ「これはこれは……アグリアス殿は教会が嘘を言っているとでも?」
アグリアス「そ、そのような事は決して……」
-
659:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:32:09.20 ID:HHixNlyiO
-
ドラクロワ「12人の勇者の身に付けていたクリスタル『ゾディアックストーン』」
ドラクロワ「今目の前にあるのが、その一つです」
オヴェリア「まさか聖石が本当にあったなんて……」
ドラクロワ「聖石にはルカヴィ達をも凌ぐほどの『御力』が備わっているとか……」
ドラクロワ「確かに不思議な力を感じますが、私にはただの大きなクリスタルにしか見えませんな」
ディリータ「合点がいった、ムスタディオはその聖石をバート商会から守ってたんだな」
ラムザ「そうなのか? ムスタディオ」
ムスタディオ「……」
-
660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:44:27.82 ID:HHixNlyiO
-
ドラクロワ「ゴーグの地下で、これと同じクリスタルを見たのではないですか?」
ムスタディオ「……」
ディリータ「逃げるぞラムザ、ドラクロワもグルだ!」
ラムザ「え!?」
ディリータ「ゾディアックブレイブの伝説を肯定したのに、聖石の力を否定した事!」
ディリータ「ムスタディオの親父さんがゴーグにいるとも限らないのに、本拠地ウォージリスに派兵しない事!」
ディリータ「挙げだしたらきりがない程、不信な点があるんだよッ!」
ドラクロワ「出合え!! 出合え!!」
-
662:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 21:52:20.93 ID:HHixNlyiO
-
タタタタタッ
アグリアス「であッ!」ズバッ
ライオネル兵「ぐああッ!?」ドサッ
ディリータ「……やけに兵が少ないな」
ラムザ「罠かも知れないって事か?」
アグリアス「罠であろうと、今は駆け抜ける以外に道はない!」
『止まれ! 貴様達に逃げ場はないぞ!!』
ラムザ「……アグリアスさんの言う通りだ、行こうディリータ!」
ディリータ「……ああ!」
-
669:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:02:27.99 ID:HHixNlyiO
-
=ライオネル城 城内=
『ぺぎゃぁ!?』ブチャッ
ジャギ「死にたくなければ道をあけろ!」
ライオネル兵士「七つの傷の男……何故ここに!?」
ミルウーダ「ドラクロワはどこ? 言えば命は助けてあげる」
ライオネル兵士「ミルウーダ・フォルズ……やはりテロリストだったのかッ」
ミルウーダ「ドラクロワはバート商会と手を組んでイヴァリース支配を目論んでいる! 見過ごす訳にはいかない!」
ライオネル兵士「そ、そんな!? 猊下がそのような事をする筈がない!」
『 ウ ォ ォ ォ ォ ォ ン 』
ライオネル兵士「な、なんだ!?」
ミルウーダ「……魔物の声?」
ティータ「急ぎましょう」
-
671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:08:34.58 ID:HHixNlyiO
-
ドガァァァッ
『ぎゃぁぁぁ!!』
ミルウーダ「近い……こっちか!?」タタタ
『 ウ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン 』
ミルウーダ「な、に……この化け物は!?」
不浄王キュクレイン「オヴェリア……聖石……どちらも逃がさない!!」
ミルウーダ「これが……悪魔に魂を売った人間の末路なの?」
-
674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:17:29.34 ID:HHixNlyiO
-
キュクレイン「七つの傷……ククク、お前が死神ジャギですか」
キュクレイン「お前達が邪魔をしなければ、聖石奪取もはかどっただろうに……」
ミルウーダ「ドラクロワね? 貴方の命もここまでよ!」チャキッ
キュクレイン「テロリスト共が……身の程を知れッ!!」グパァ
ジャギ「ミルウーダ!」ドンッ
ミルウーダ「きゃっ!?」ドサッ
キュクレイン「終わらない悪夢の中で眠るがいい……!!」
カッ
-
677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:22:17.78 ID:HHixNlyiO
-
……ここは?
……誰かいるぞ
ケンシロウ「ジャギ、貴様の命もここまでだ!」
ケンシロウ……?
そうだ! 俺はケンシロウを誘き出してぶち殺してやろうとしてたんだ!
ジャギ「フフフ……この素早い突きがかわせるか?」ススス
ジャギ「北斗羅漢撃!」バババッ
-
679:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:30:40.20 ID:HHixNlyiO
-
ケンシロウ「……」ススッ
ジャギ「ヒャァハハハハハ!!」ババババ
ケンシロウ「そんなスローでは俺は殺せん!!」
バキィッ
ジャギ「ぐふぁ!?」
馬鹿な……俺の羅漢撃が!?
ケンシロウ「北斗羅漢撃は憎しみ、殺意、妬み、怒り……あらゆる邪念を捨てて初めて真価を発揮する」
ケンシロウ「そんな邪念塗れの羅漢撃では、俺に傷一つつけられん!!」
ジャギ「ぬ、ぬかせ!」
-
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:37:07.85 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「」
ミルウーダ「ジャギ! どうしたのよ!」
ティータ「ジャギさん! しっかりして下さい!」ユサユサ
キュクレイン「ククク……いい夢を見ているのですよ。失意の内に死んでいく最高の悪夢をね!」
ミルウーダ「おのれ……ドラクロワッ!!」バッ
グニッ
ミルウーダ「刃が!?」
キュクレイン「ククク……そんなやわな剣は私には通用しませんよッ!」
バキッ
ミルウーダ「ぐぁ……ッ」ズザーッ
-
684:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:43:56.00 ID:HHixNlyiO
-
南斗邪狼撃!
ケンシロウ「……!」ビッ
ジャギ「かわしたか……運のいい奴め!」ススッ
バキンッ
ケンシロウ「南斗聖拳……どこで覚えた」
ジャギ「これから死ぬお前には関係のない事だ!」サッ
ケンシロウは北斗羅漢撃を何度も見ている
奴も昔のケンシロウではない……少しは成長しているだろう
だが、初見の南斗聖拳なら奴を殺せる!
ジャギ「俺は貴様を殺して……」
殺して……何になる?
-
685:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 22:54:17.45 ID:HHixNlyiO
-
ガシャァッ
ミルウーダ「きゃぁぁ!!」ドサッ
キュクレイン「クク……もっとだ! もっとこの私を楽しませてくれ」
キュクレイン「お前の悲鳴を、苦痛を、断末魔を! 私に聞かせてくれ!!」
ティータ「これが……聖石の力なの!?」
キュクレイン「そうだ! これがかつて世界を支配したルカヴィの力だ!」
ミルウーダ「……」グッ
キュクレイン「そうだ、立ち上がれ! もっと私の前で踊るがいい!」
-
687:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:01:26.18 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「ジャギ……」スッ
ミルウーダ「私に力を貸して……!」チャキッ
キュクレイン「目つきが変わった!? ……小癪な!」
ミルウーダ「はぁぁぁぁぁッ!」ゴゴゴ
キュクレイン「恐怖に呑まれて死ぬがいい!!」グァパッ
ズブンッ
ティータ「ミルウーダさーんッ!!」
-
688:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:06:43.13 ID:HHixNlyiO
-
暗い……
何も見えない……何も聞こえない……
……全くの闇
ピカッ
ミルウーダ「! あの光は!?」
闇に浮かんだ……七つの星!
――カッ
ミルウーダ「 北 斗 骨 砕 打 」
キュクレイン「ばッ、馬鹿な……不死身のこの私がッ」ビギビキッ
-
691:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:12:58.69 ID:HHixNlyiO
-
ミルウーダ「世界を食らう貴方の恐怖も、この一握りの心を呑み込む事はできない」
キュクレイン「私が……敗れるだとッ!?」ビキビキ
ミルウーダ「終わりよ」
――ドォォォォォオオンッッ―
ティータ「ドラクロワが……聖石に……」
ミルウーダ「ルカヴィになってしまっては、人として死ぬ事すらできないのね……」
-
692:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:18:12.72 ID:HHixNlyiO
-
ケンシロウ「どうした、南斗聖拳とやらを試してみるがいい」
俺は……何の為に強くなろうと……
『ジャギ』
その声は……
『私ね、夢があるんだ』
アンナ……
ジャギ「そうか……俺は…………お前を失ってから……ずっと悪夢を見ていたんだ」
-
693:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:20:18.18 ID:HHixNlyiO
-
『ジャギ!』
ジャギ「ミルウーダ」
『ジャギさん!』
ジャギ「ティータ」
ケンシロウ「ジャギ」
ジャギ「……ケンシロウ」
ケンシロウ「目覚めの時間だ」
ジャギ「ああ……思い切りやってくれ」
ケンシロウ「任せろ」
-
694:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:22:22.04 ID:HHixNlyiO
-
ジャギ「ばわっ!?」ドテッ
ミルウーダ「ジャギ!」ティータ「ジャギさん!」
ジャギ「イテテ……」サスサス
ミルウーダ「目が覚めたのね?」
ティータ「良かった……」
ジャギ「二人とも……おはよう」
-
699:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:43:02.30 ID:HHixNlyiO
-
ドラクロワ枢機卿の死が報じられると、
教会は二人の人間を異端者として、
イヴァリース全土に指名手配した。
『七つの傷を持つ死神』ジャギ
『骸騎士』ミルウーダ・フォルズ
二人はドラクロワ殺しの異端者であると同時に、
オヴェリア誘拐の犯人とされ、イヴァリース中から追われる事となる。
その結果、ラムザ達への捜索の手が弱まる事となるのだが、
ミルウーダ達はそれを知る由もない……
-
701:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/04(土) 23:44:46.51 ID:HHixNlyiO
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Chapter2 End
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717:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 01:27:47.44 ID:hu7d9de4O
-
=レナリア台地=
『追えー!! 奴を逃がすなー!!』
『隠れている可能性が高い! 岩陰に注意しろ!』
ウィーグラフ「はぁ……はぁ……ッ」タタタッ
『いたぞ!! あっちだ!』
『追えー!!』
ウィーグラフ「ミルウーダ……」タタタッ
-
720:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 01:34:31.45 ID:hu7d9de4O
-
=アラグアイの森=
ティータ「集いて赤き炎となれ……ファイア!」バッ
シーン
ティータ「……」
ジャギ「むう……」
ティータ「何がいけないんでしょう……」
ミルウーダ「魔法は専門外だからちょっと……」
ティータ「私……才能ないのかな」
ジャギ「諦めるにはまだ早い! さあ、もう一度だ」
ティータ「……はい!」
-
723:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 01:43:33.44 ID:hu7d9de4O
-
……
ミルウーダ「……ジャギ、ティータは魔法に向いてないんじゃないかしら」
ジャギ「何故そう思う?」
ミルウーダ「あんなに練習しているのに、ケアルもファイアもまだ覚えられないんですもの」
ジャギ「……」
ミルウーダ「別の……ティータの才能を探してあげるのも、優しさだと思うの」
ジャギ「確かに、それも手だろう」
ジャギ「だが、何かを成すのに向き不向きは、あまり重要じゃないと俺は思う」
ジャギ「才能とは、諦めない強い心の事を言うのだからな」
ミルウーダ「……」
ジャギ「今はティータの気持ちを尊重しよう。な?」
ミルウーダ「……うん」
-
726:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 01:50:04.45 ID:hu7d9de4O
-
ティータ「ファイア!」
シーン
ティータ「……」
ティータ(私の力じゃ、弓を引く事もできない……)
ティータ(足も遅いし、反応も鈍い)
ティータ(その上、魔法の才能も無いんじゃ、いつまでたっても二人の足手まとい……)
ティータ(そんなの……絶対に嫌!)
ティータ「ファイア! ……ファイア!」
-
732:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:06:13.41 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「俺には……兄弟がいた」
ミルウーダ「兄弟?」
ジャギ「ああ……皆、才能に恵まれた有能な拳士だった」
ミルウーダ「それはジャギよりも?」
ジャギ「…………俺なんか足元にも及ばなかった」
ミルウーダ「……」
-
734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:09:12.92 ID:kGTwgGRl0
-
周りが周りだからな…
-
735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:12:41.92 ID:hu7d9de4O
-
ミルウーダ「……思い出したんだ」
ジャギ「……ああ」
ミルウーダ「その人達のところへ帰るの?」
ジャギ「……いや」
ジャギ「言ったろ、生きていて欲しい奴がいるって」
ミルウーダ「……」
-
738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:16:54.33 ID:hu7d9de4O
-
……
ティータ「……はぁ」トサッ
ジャギ「お疲れ、何か掴んだか?」
ティータ「…………」
ジャギ「……そうか」
ティータ「……ジャギさんが羨ましいです」
ジャギ「……何故だ?」
ティータ「強くて、頼りにされて……」
ジャギ「……」
-
741:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:25:59.83 ID:hu7d9de4O
-
ティータ「私も、ジャギさんやミルウーダさんみたいに強ければ……!」
ジャギ「……」
カパッ
ティータ「……!!」
ジャギ「これは弟にやられた傷だ。俺は弟を恨み、恨みを果たす為に数々の悪事を働いた」
ジャギ「俺は弱かった。拳士としても、人間としてもな」
ジャギ「そんな俺よか、真面目に働いていたお前の親父さん達の方が余程偉いと、俺は思うな」
ティータ「ジャギさん……」
-
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:37:06.89 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「戦いが日常になっているから忘れているかも知れないが、世の中にはいろんな力がある」
ジャギ「医学で人々を救う力、音楽で人々を楽しませる力……どれも素晴らしい力だ」
カポッ
ジャギ「お前が俺達の力になりたいと思ってくれているのは分かるし、とても嬉しい」
ジャギ「だが、力なんて一朝一夕で身に付く物じゃない。俺もミルウーダも血の滲む努力をしている」
ジャギ「焦る必要はない。今はこの世界を見る事がお前の為すべき事だ」
ジャギ「そして、自分の成したい事を見つけて、努力すればいい」
-
748:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 02:39:24.84 ID:hu7d9de4O
-
『ご飯できたわよー!』
ジャギ「……と、丁度飯ができたみたいだな。行こうぜ」
ティータ「……あの!」
ジャギ「ん?」
ティータ「ありがとう……ございました」ペコ
ジャギ「……」
ザッザッ
-
754:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 03:16:47.35 ID:hu7d9de4O
-
……
ミルウーダ「さぁ、お待ちかねよ」
ジャギ「この時を待っていたのだ!」スリスリ
ティータ「ジャギさんったら、子供っぽいですよ」クスクス
ジャギ「なんとでも言え」
ミルウーダ「ねえ」
ティータ「はい?」
ミルウーダ「二人で何話してたの?」
ティータ「……秘密です」
ミルウーダ「え」
-
755:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 03:22:13.36 ID:hu7d9de4O
-
ティータ「ミルウーダさんこそ、何話してたんですか?」
ミルウーダ「え……あ……」
ティータ「……ふふ、いただきます」
ミルウーダ「あ……どぞ」
ジャギ「うまい! ミルウーダ、お前シェフにジョブチェンジしろ!」
ミルウーダ「あ、うん……って、ヘルメット取ってる!?」
ジャギ「ん? ああ」
ミルウーダ「今まで一度も取ってなかったじゃない」
ジャギ「こっちの方が食べやすいだろ、なぁ?」
ティータ「はい」
ミルウーダ「――――ッ」イラッ
-
757:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 03:34:28.05 ID:hu7d9de4O
-
=貿易都市ドーター スラム街=
騎士「随分手こずらせてくれたな」
剣士「いくらアンタでも、手負いでこの人数相手は無理だろ」
ウィーグラフ「く……ッ、ここまでか……」
『天球の運命をこの手に委ねよ……』
騎士「な、なんだ!?」
オーラン「我は汝、汝は我なれば……星天停止!」カッ
剣士「なッ」ピキッ
騎士「身体が!?」ピキッ
オーラン「さあ、今のうちにこっちへ!」
ウィーグラフ「あ、ああ!」
-
760:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 03:44:12.71 ID:hu7d9de4O
-
……
ウィーグラフ「助けてくれた事に礼を言う。私は……」
オーラン「骸騎士団団長、ウィーグラフ殿ですね」
ウィーグラフ「……知っていたのか」
オーラン「お礼は結構です。俺も訳あって貴方を助けたので」
ウィーグラフ「……何?」
オーラン「今、骸騎士団で何が起こっているんです? まぁ、大体は察しがつきますが……」
ウィーグラフ「……君は一体」
オーラン「オーラン・デュライ。占星術士です」
-
761:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 03:57:36.82 ID:hu7d9de4O
-
……
ウィーグラフ「骸騎士団の活動目的は知っているだろう?」
オーラン「腐敗した貴族制の打倒を目的とし、北天騎士団との戦いで地位を確立して以来、ラーグ公を牽制している」
ウィーグラフ「だが、時間が経てばラーグ公は力を取り戻す。その前に手を打たねばならなかった」スッ
ウィーグラフ「そこで、このゾディアックストーンに目をつけた」
オーラン「なるほど、骸騎士団が聖石を持っていれば、疲弊した民は骸騎士団を勇者に重ねる」
-
762:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 04:07:12.65 ID:hu7d9de4O
-
ウィーグラフ「だが、ゴラグロスは現状に甘んじてしまった。それどころか、教会から神殿騎士団に迎える話を持ちかけられると、聖石を引き渡そうとした!」
オーラン「それで貴方は聖石を持って逃亡したんですね」
ウィーグラフ「教会には悪意を感じる。この聖石の伝説も、単なる御伽噺とは思えなくなってきた」
オーラン「オヴェリア王女誘拐は骸騎士団の仕業ですか?」
ウィーグラフ「あれは北天騎士団の自作自演だろ、我々は関与していない」
ウィーグラフ「で、私からそんな事を聞き出してどうするつもりだ? ゴルターナの者よ」
オーラン「!」
-
764:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 04:14:11.45 ID:hu7d9de4O
-
ウィーグラフ「図星か……返答次第ではこの場で斬らねばならないな」
オーラン「……」
オーラン「俺は、義父オルランドゥの命で国内の動きを探っていた」
オーラン「どうも、イヴァリースを裏で操ろうとしている者がいるようだ」
ウィーグラフ「雷神シドか。そいつを潰して、ゴルターナを国王にしようと?」
オーラン「義父上はそんな事は考えていない!」
オーラン「義父上はただ……民の幸せを願っているだけだ」
ウィーグラフ「……」
ウィーグラフ「お前の話を信じよう。私もまた、民の幸せを願う者だ」
-
766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 04:29:18.61 ID:hu7d9de4O
-
オーラン「これからどこへ行くんだい? 行く当ては無いんだろ?」
ウィーグラフ「……」
オーラン「義父上と会ってみるかい? 何かのきっかけになるかも」
ウィーグラフ「ミルウーダ……妹に加勢しに行こうと思う」
オーラン「ミルウーダって……あの異端者か?」
ウィーグラフ「ミルウーダがドラクロワを殺したのが本当なら、何か裏があるに違いない」
オーラン「ふむ……」
オーラン「ならば俺も行こう。星もそう言っている」
-
825:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 16:25:10.75 ID:hu7d9de4O
-
=城塞都市ザランダ=
ラムザ「ミルウーダ達が異端者に……!?」
アグリアス「ライオネルの警備が手薄だったのは、あの時彼女等が侵入していたからだったのか」
ディリータ「ティータ……」
ラムザ「ディリータ、ティータはきっと無事だよ」
ディリータ「……」
ディリータ「今回の件、ドラクロワの独断だと思うか?」
ラムザ「……どういう事だい?」
ディリータ「『ゾディアックストーン』の秘密を、ドラクロワが自力で見つけ出したかって事さ」
-
829:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 16:41:24.35 ID:hu7d9de4O
-
アグリアス「『ゾディアックストーン』について、ドラクロワはどこかで耳にしたという事か?」
ラムザ「だとすれば、グレバドス教会が一番怪しいな。『ゾディアックブレイブの伝説』について真相を知っていても不思議じゃない」
ディリータ「それだ。『ゾディアックブレイブの伝説』を用いて、衰退した教会の権威を回復する」
ディリータ「対抗勢力は聖石の力を使って潰す……えげつない計画だ」
オヴェリア「ですが、民は『ゾディアックブレイブの伝説』になびくでしょうか?」
ディリータ「その為に大きな戦争を起こさせようとしたんだ……」
ラムザ「王女誘拐……ゴルターナ公を陥れるラーグ公の策略……!」
アグリアス「ラムザ……」
-
830:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 16:49:50.35 ID:hu7d9de4O
-
ディリータ「ラムザ、自分ちの心配は後回しだ」
ラムザ「わかっている。今は教会の謀略を暴くのが先だ」
ラムザ「……でもいいのかい?」
ディリータ「……」
ディリータ「初めてなんだ」
ラムザ「……え」
ディリータ「ティータが自分の気持ちを話してくれたのは」
-
832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 17:00:59.80 ID:hu7d9de4O
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ディリータ「……」
ディリータ「俺達の努力がティータの身の安全にも繋がる、急ごう。王女が俺達といる事がバレると動きづらくなる」
ムスタディオ「だが、まず何処を目指すんだ?」
オヴェリア「オーボンヌ修道院……」
ラムザ「オヴェリア様?」
オヴェリア「私が預け入れられる時に、王女の証にと渡した聖石が、オーボンヌにあります」
アグリアス「成る程、オーボンヌにはシモン先生もいらっしゃる。知恵を貸して下さるに違いない」
ラムザ「よし、オーボンヌ修道院に向かおう」
-
835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 17:33:25.85 ID:hu7d9de4O
-
=貿易都市ドーター=
ジャギ「これからどうするんだ?」
ミルウーダ「聖地ミュロンドへ行くわ。グレバドス教会の動きを探るの」
ジャギ「敵陣に乗り込むのか?」
ミルウーダ「偵察よ、教会の真意を知る為にね」
ティータ「教会の狙いが『ゾディアックブレイブの伝説』なのか、聖石の力なのかを探るんですね」
ミルウーダ「それと、王女誘拐の首謀者なのかもね」
-
836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 17:51:37.25 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「王女誘拐の首謀者が教会?」
ミルウーダ「ラーグ公と王妃を唆して、自作自演の王女誘拐劇を演じさせる」
ティータ「自分達で王女を護送するふりをしてそのまま殺害すれば、ゴルターナ公が一番怪しまれますからね」
ミルウーダ「あら、わかってるじゃない」
ティータ「ふふ、ミルウーダさんと旅して長いですから」
ミルウーダ「じゃあ、ラーグ公を唆した後の教会のプランは?」
ティータ「誘拐劇の最中に教会側が王女を救出、ゴルターナ陣営に王女を預けます」
ミルウーダ「そう。誘拐の犯人である王妃・ラーグ陣営に王女・ゴルターナ陣営を対立させる」
ミルウーダ「これで戦争を起こすつもりだったのよ」
ジャギ「へぇ~」
-
837:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 17:56:08.38 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「じゃあ、今王女はゴルターナん所に?」
ミルウーダ「忘れたの? 王女誘拐の疑いは私達にかけられてるのよ」
ティータ「私達を犯人とすると、ゴルターナ公への疑いの目は晴れます」
ジャギ「ああ、そうか」
ミルウーダ「恐らく、教会でもゴルターナ公でもない……何者かと一緒にいるわ」
ジャギ「ウィーグラフやディリータかもな」
ミルウーダ「……ふふ」
ティータ「かも知れませんね」
-
838:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 18:04:15.11 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「しかし、どうやってミュロンドへ行くんだ?」
ミルウーダ「骸騎士団に紛れ込みましょう。兄さんにお願いするの」
ミルウーダ「骸騎士団が王女を匿っている可能性があるんですもの、是が非でも話がしたい筈よ」
ティータ「骸騎士団と教会は殆ど接点がありませんからね」
ジャギ「成る程、じゃあ早速ジークデンに」
『探せ! 遠くには行ってない筈だ!!』
ジャギ「なんだ?」
-
841:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 18:29:50.21 ID:hu7d9de4O
-
骸騎士団員「ウィーグラフは手負いだ! ドーターの外へは行ってないだろう!」
骸騎士団兵「なんとしても奴の持つクリスタルを取り返すんだ!!」
『兄さんがどうしたの?』
骸騎士団兵「お前は……ミルウーダ!」
ミルウーダ「何故兄さんが貴方達に追われているの!」
骸騎士団員「異端者ミルウーダ……相手をしてやりたいが、今はウィーグラフの方が先だ。どいてもらおう!」
ミルウーダ「!」
ジャギ「どうやら、俺達の知ってる骸騎士団じゃないらしいな」
-
842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 18:35:49.21 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「おい、お前……俺の名を言ってみろ」ザッ
骸騎士団員「お前……ジャギ!?」
ピキーンッ
骸騎士団員「あうっ!?」ビクッ
ジャギ「お前の命はあと1分だ」
骸騎士団員「ひい!?」
ジャギ「チャンスをやろう。何故ウィーグラフを追っているか話すか……死ぬかだ」
-
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 18:48:36.19 ID:hu7d9de4O
-
……
ミルウーダ「骸騎士団を神殿騎士団に?」
骸騎士団員「ああ……ヴォルマルフとか言う神殿騎士が、聖石と引き換えに神殿騎士団に迎えると」
ティータ「これで教会が聖石を集めているのが確定しましたね」
ミルウーダ「でも、まだ『ゾディアックブレイブの伝説』を復活させる為なのか、聖石の力を使う為なのかがはっきりしないわ」
ジャギ「やはりミュロンドに行くしかないか?」
ミルウーダ「……」
ミルウーダ「とりあえず、兄さんを探しましょう」
-
848:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 18:55:46.23 ID:hu7d9de4O
-
骸騎士団員「……ミルウーダ」
ミルウーダ「……なに?」
骸騎士団員「俺達を……責めないのか?」
ミルウーダ「……」
ミルウーダ「兄さんは貴方達の行動を残念に思ったでしょう。私も同じ」
ミルウーダ「私達、骸騎士団はどんなに困難で、どんなに不可能に見えても、自分達の意志と力で戦う事に意味があった」
ミルウーダ「……誰かの力に縋ったら、夢を叶えても意味ないわ」
骸騎士団員「……」
ミルウーダ「でも、まだ生きている」
骸騎士団員「え」
ミルウーダ「生きている限り、人は何度でもやり直せるのよ」
-
850:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 19:02:38.43 ID:hu7d9de4O
-
……
ウィーグラフ「出血が……多すぎたか……」ブルブル
オーラン「しっかりしろウィーグラフ、じきポーションが効いてくる!」
ウィーグラフ「はぁ……はぁ……」ブルブル
ドンドンッ
オーラン「! 追っ手か!?」
ウィーグラフ「オーラン……君だけでも逃げるんだ……」ゼェゼェ
オーラン「馬鹿を言うな、貴方は俺を薄情者にしたいのか?」
ウィーグラフ「だが……」
オーラン「これでも雷神の息子、最期は名誉の死を選ぶさ!」
ドンドンッ
『兄さーん! 居ますか!?』
ウィーグラフ「あの声は……!」
-
851:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 19:08:00.26 ID:hu7d9de4O
-
ウィーグラフ「ミルウーダ、ミルウーダなのか!?」
『兄さん! 探したわよ!』
ウィーグラフ「オーラン、開けてやってくれ」
ガチャッ
ミルウーダ「兄さん! ……と、そちらは?」
ウィーグラフ「オーラン・デュライ、同志だ」
オーラン「初めまして、お三方」
-
852:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 19:19:52.26 ID:hu7d9de4O
-
……
ミルウーダ「……と、ここまでがドラクロワを倒すまでの顛末よ」
ウィーグラフ「成る程、やはり聖石には相当の力が宿っているんだな……」
オーラン「そうなると、教会が『ゾディアックブレイブの伝説』の復活の為だけに聖石を集めているとは、考えてにくいな」
ウィーグラフ「ああ、骸騎士団を伝統ある神殿騎士団に迎えては、権威回復も怪しいしな」
ティータ「では、教会は聖石をルカヴィ復活の為に……?」
ウィーグラフ「断言はできないが、可能性は非常に高い」
-
856:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 19:42:08.96 ID:hu7d9de4O
-
ウィーグラフ「これからどうする気だ?」
ミルウーダ「……ミュロンドに行こうと思うの」
ウィーグラフ「ミュロンドに? それは難しいだろう」
ミルウーダ「やっぱりそうかしら」
ウィーグラフ「聖地と言われる以上、それ相応の地位と要件がなければ……」
オーラン「……」
オーラン「逆に、敵を誘き出すというのはどうだろう?」
ジャギ「誘き出す?」
-
857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 19:59:15.50 ID:hu7d9de4O
-
オーラン「教会の存在が危ぶまれるような証拠を掴んで、それを餌にするんだ」
ウィーグラフ「成る程。で、その証拠とは?」
オーラン「それは……」
ティータ「オーボンヌ修道院に行きましょう」
ミルウーダ「オーボンヌ修道院?」
ティータ「アルマがよく話していたの。オーボンヌ修道院には、シモンという優れた神学家の先生がいるって」
ウィーグラフ「神学家シモン……聞いた事があるな」
ミルウーダ「よし、行ってみましょう! 迷ったら動くのが私の信条なの」
ジャギ「決まりだな」
-
858:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 20:07:59.07 ID:hu7d9de4O
-
=オーボンヌ修道院=
シモン「オヴェリア様! よくぞご無事で!」
オヴェリア「シモン先生、ご心配をおかけしました」
シモン「アグリアス殿も、お変わりないようでこのシモン、安心しました」
アグリアス「シモン先生、お久しぶりです」
ラムザ「ラムザ・ベオルブです。アルマがお世話になっています、シモン先生」
シモン「おお! バルバネス殿の。面影がありますな」
ラムザ「今日はシモン先生に相談があって来ました」
シモン「存じております。教会の謀についてですな」
-
863:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 20:41:26.02 ID:hu7d9de4O
-
……
シモン「オヴェリア様からお預かりした聖石は、ここオーボンヌの地下に保管してあります」
シモン「そしてこれが、グレバドス教の全てを覆してしまう程の力を持つ、『ゲルモニーク聖典』!」
ラムザ「ゲルモニークと言うと、聖アジョラの弟子で、聖アジョラを裏切ったという?」
シモン「いかにも」
アグリアス「そのゲルモニークの書が残っていたとは……歴史的発見ですね」
シモン「歴史的発見どころではありませんよ。イヴァリースの正史が、この中に記されているのです」
ムスタディオ「イヴァリースの正史……?」
-
864:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 20:55:38.70 ID:hu7d9de4O
-
シモン「詳しくお話ししたいところですが、今は時間がありません」
ディリータ「どういう事です?」
シモン「聖石を狙って神殿騎士団がオーボンヌへ向かっているのです」
ラムザ「なんだって!」
シモン「オヴェリア様が誘拐されて間も無く、イズルードと名乗る神殿騎士が引き渡しを要求してきました」
シモン「あの時確信したのです。オヴェリア様誘拐の黒幕は教会である、と」
シモン「……結局、その時は引き下がりましたが、先日、ミュロンドを神殿騎士団が発ったとの報が入ったのです」
アグリアス「どうするラムザ、迎撃するか?」
ラムザ「聖石の確保を優先しよう。敵の戦力がわからない以上、対策が練れない。」
ラムザ「それに、シモン先生も安全な場所へ避難させないと」
-
867:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:14:24.17 ID:hu7d9de4O
-
=オーボンヌ修道院 入口=
ウィーグラフ「ミルウーダ、お前の勘はよく当たるが……」
イズルード「あれは……異端者ミルウーダ!」
バルク「七つの傷の男もいるぞ! この場で処刑してやるッ!」
ヴォルマルフ「オーボンヌに赴くとは……やはり聖石の秘密に気付いているな」
ウィーグラフ「まさか鉢合わせるとはな!」
-
870:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:23:10.93 ID:hu7d9de4O
-
ミルウーダ「兄さんは中へ! その傷では戦えないでしょう?」
ティータ「さ、こっちです!」
ウィーグラフ「すまない! 後は頼んだ!」
バタン
ヴォルマルフ「三人とは……なめられたものだな」
ジャギ「俺からすれば、たった20人で俺に挑む貴様等の方が余程なめているんだが」
イズルード「なんだとッ!?」
――ゴウッ
イズルード「!?」
ジャギ「――来い、八つ裂きにしてやる……!」スゥゥ
-
873:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:34:50.26 ID:hu7d9de4O
-
バルク「ふざけやがって! 野郎共、かかれッ!」
『オオオオオオオッ!!』
ドドドドドドドッ
ジャギ「北斗……」
羅 漢 撃
『……え?』プシッ
『な、なんだ?』ブシャッ
ジャギ「痛くねぇだろ、死ぬのなんて一瞬だ」
ドサァ…ッ
-
876:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:43:01.20 ID:hu7d9de4O
-
バルク「ば、馬鹿な!? 精鋭20人が一瞬で!?」
ミルウーダ「相手が悪かったわね。洗いざらい吐いてもらうわよ!」
イズルード「ち、父上……」
ヴォルマルフ「何をしている、さっさと奴らを殺さぬか」
バルク「なッ!?」
イズルード「む、無理です父上! あんな化け物相手に……」
ヴォルマルフ「そうか……無理か」
イズルード「は、はい!」
ヴォルマルフ「ならば化け物同士なら戦えるだろう」
ドォォォォォォォンッ
-
878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:49:16.73 ID:hu7d9de4O
-
『ぎゃあああああああああッ!!』
『うわぁぁぁああああああッ!?』
オーラン「……ッ!?」
ミルウーダ「まさか……奴ら聖石を!?」
眷属騎士「ぁ……ァア……」
眷属剣士「ゥ……アア……」
ヴォルマルフ「さぁ、化け物同士殺し合うがいい」
-
879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 21:59:19.42 ID:hu7d9de4O
-
眷属バルク「ゥゥ……」
眷属イズルード「チチ……ウエ……」
ミルウーダ「非道い……人間を悪魔にするなんて……」
ヴォルマルフ「戦えぬ兵など無用だろう。だから私が使えるようにしてやったまで」
ミルウーダ「人間は道具じゃないのよ! 人間は自分の意志で戦う生き物なのッ!」
ヴォルマルフ「だから人間は道具以下なのだ。戦えぬなら、意志など無い方が良い」
ミルウーダ「!!」
ジャギ「悪魔に何を言っても無駄だミルウーダ。馬鹿は死んでも治らねぇよ」ザッ
-
880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 22:05:14.05 ID:hu7d9de4O
-
眷属竜騎士「ァ……う……」
ジャギ「来いよ。もう一度地獄へ突き落としてやる」
眷属剣士「ウァァ……!」バッ
ジャギ「むんッ」スッ
ズグッ
眷属剣士「グァア!!」ブンッ
ジャギ(致命の秘孔が効かない!?)
ジャギ「岩山両斬波!!」バッ
眷属剣士「グギッ」メコォッ
ジャギ「体まで悪魔になっちまったって事か!?」
-
882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 22:24:16.56 ID:hu7d9de4O
-
……
ティータ「大丈夫ですか?」
ウィーグラフ「ああ、歩くぐらいはできる……ん?」
シモン「貴方達、ここで何をしているのです?」
ティータ「私はティータ・ハイラルと申します。失礼ですが、シモン様でしょうか?」
シモン「いかにも、私がシモン・ペン・ラキシュですが」
ウィーグラフ「ここは危険だ。神殿騎士団がすぐそこまで来ている!」
シモン「存じています。ですが、オヴェリア様達を置いてはいけません」
ウィーグラフ「オヴェリア王女が……!?」
-
883:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 22:37:08.16 ID:hu7d9de4O
-
ガタンッ
ウィーグラフ「!」
メリアドール「! シモン・ペン・ラキシュと……何者だ」
ウィーグラフ「俺はウィーグラフ・フォルズ。……裏口か、盲点だった」
メリアドール「骸騎士団のウィーグラフか……何故ここに」
クレティアン「聖石を渡してもらおう。手荒な真似はしたくないんでね」
ウィーグラフ「ティータはシモン殿と奥へ! ここは俺が引き受けるッ!」チャキッ
-
887:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 22:52:16.97 ID:hu7d9de4O
-
……
眷属騎士「がぁぁぁ!!」ググッ
ミルウーダ「く……なんて力なのッ」
オーラン「星天停止!」
眷属騎士「……」
オーラン「ミルウーダ、今だ!」
ミルウーダ「せぁ!!」ザクッ
眷属バルク「ぁ!! ぁ!! ぁ!!」ダンッダンッダンッ
ジャギ「ふッ! はッ!」サッ
眷属イズルード「ガァ!!」ビュンッ
ジャギ「おぉっと!」バッ
ズガンッッ
眷属イズルード「……グルル」
ジャギ「……確かに人間離れしているな」
-
890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 23:20:39.02 ID:hu7d9de4O
-
ジャギ「フフフ……お前達なら俺がどの程度成長したか試せそうだ」
ヴォルマルフ「……む?」
ジャギ「ぬぅぅぅぅううんッッ」ゴゴゴゴッ
眷属イズルード「ぎィ!?」
眷属バルク「あ、ぁ……!!」バァンッ
『 北 斗 剛 掌 波 』
――ドガァァァァンッッ
-
895:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 23:34:31.20 ID:hu7d9de4O
-
ガキィンッ
ウィーグラフ「ふ……っ」ザッ
メリアドール「……く、強い!」
『大気に潜む無尽の水……』
ウィーグラフ「! 無双稲妻突きッ!!」バッ
メリアドール「しまった!? クレ」
クレティアン「ぐぁぁぁぁぁッ!!」バシュンッ
メリアドール「クレティアーンッ!!」
-
899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 23:40:47.09 ID:hu7d9de4O
-
メリアドール「よくも……クレティアンをッ!!」ギリッ
ウィーグラフ「俺にも退けぬ理由がある。貴殿が仇を討つというなら、俺も剣で応えよう……!」
メリアドール「……剣で応える?」
メリアドール「ならばその剣、我が剛剣で砕いてくれるッ!!」ゴウッ
ウィーグラフ(!? なんだ……この気迫は!?)
-
900:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 23:47:18.68 ID:hu7d9de4O
-
メリアドール「はぁぁぁぁぁあ……!!」グオッ
ウィーグラフ「上段! 隙あり!」バッ
地 獄 の 鬼 の 首 折 る 刃 の 空 に 舞 う
無 限 地 獄 の 百 万 由 旬
ウィーグラフ「な!? 速」バッ
冥 界 恐 叫 打
『ぐぁぁぁぁあああッ!?』
-
904:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/05(日) 23:54:57.86 ID:hu7d9de4O
-
パラ…パラ……
眷属バルク「……ぁ……あ」
眷属イズルード「……チチ……上」
ドサッ
ミルウーダ「なんで……なんでそんな奴庇ったのよ」
ジャギ「庇ったんじゃない、盾にされたんだ」
ヴォルマルフ「使えん奴らだ……所詮人間だな」
-
911:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:02:58.58 ID:ckXTWc/WO
-
『ぐぁぁぁぁああああ!?』
ミルウーダ「あの声は!?」
オーラン「ウィーグラフ!」
ジャギ「行け!! こいつは俺が始末する!!」
オーラン「ジャギ……」
ミルウーダ「…………行くわよ」
バタンッ
ヴォルマルフ「一人で俺を止める? 愚かな」
ジャギ「さっさと変身でも何でもしたらどうだ、腐れ外道」
ヴォルマルフ「……地獄で後悔するがいいッッ!!」
――ドォォォォオオオオンッッ――
-
914:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:15:45.64 ID:ckXTWc/WO
-
統制者ハシュマリム「ククク……どうだ、お前のリクエストに応えてやったぞ」
ジャギ「ああ、最高だ。実に殺し甲斐がある」
ハシュマリム「ククク……見える、見えるぞ。お前は悪魔だ、私に引けを取らぬ腐れ外道だよ!」
ジャギ「ああ、そうだ。俺は何人もの罪無き人間を手に掛けた外道……ジャギ様だ!」
スウ…ッ
ジャギ「故に、貴様を殺す事に一片の迷いは無い……!」
-
916:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:26:40.99 ID:ckXTWc/WO
-
ウィーグラフ「ぁあ……ッ、腕が……!!」ブシャッ
メリアドール「剣は折れ、腕は砕けた。お前はもう戦えない」
メリアドール「クレティアンの仇、取らせてもらうッ!!」
バシュッッ
ウィーグラフ「ぐぁあぁぁぁ……!!」ブシャァッ
-
919:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:32:06.19 ID:ckXTWc/WO
-
メリアドール「……」
グイッ
メリアドール「……ん!?」
ウィーグラフ「剣は……抜かせぬよ……ッ」グッ
メリアドール「は、離せ!」グイッ
ウィーグラフ「ぐゥゥ……!? 離さぬッ! 先へは進ませぬッ!!」ブシャッ
『兄さーんッ!!』
『ウィーグラフー!!』
メリアドール「!」
ウィーグラフ「私の……勝ちだ……!」
メリアドール「……見事だ」ザッ
-
922:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:40:06.61 ID:ckXTWc/WO
-
ミルウーダ「兄さーん!」
『ミルウーダか?』
オーラン「ウィーグラフ、さっきの悲鳴は何だ?」
『裏口からの侵入者を迎撃した時に叫んだだけさ、オーラン』
ミルウーダ「侵入者!? 兄さん、傷は大丈夫なの!?」
『私は大丈夫だ。それより、礼拝堂の奥にティータとシモン殿がいる。二人の安否が気掛かりだ』
オーラン「礼拝堂だな、わかった」
ウィーグラフ「ここは私が死んでも通さん。早く二人の下へ」ドクドク
『兄さん、また後で』
ウィーグラフ「ああ……また後で…………」ガクッ
-
925:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:52:08.92 ID:ckXTWc/WO
-
ジャギ「これから貴様に生き地獄を味わわせてやろう」ユラッ
ハシュマリム「人間風情が……粋がるな!!」ボウッ
グワァァアンッ
ハシュマリム「さあ、解放しろ! 己が内の恐怖をッ!」
北 斗
ハシュマリム「ムッ!?」ピクッ
羅 漢 撃
ブワッッ
ハシュマリム「ぬぉ!?」バッ
-
927:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 00:59:19.36 ID:ckXTWc/WO
-
ジャギ「オラオラオラァッ!!」バババババッ
ハシュマリム「くッ、はッ!」サササッ
キラッ
ハシュマリム「ッ!?」ブスッ
ジャギ「もらったッ!!」
ハシュマリム「ぐッ!?」
ドクンッ
ジャギ「!」
ジャギ(今……俺の中を誰かが通り過ぎていった……)
ハシュマリム「ククク……一人死んだな」
-
928:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:01:00.00 ID:ckXTWc/WO
-
ジャギ「ウィーグラフ……!」
ハシュマリム「ジャギ……その名、覚えたぞ!」
バシュウンッ
ジャギ「……」
タタタ…
バタン
-
930:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:09:48.78 ID:ckXTWc/WO
-
オーボンヌ修道院で神殿騎士団を撃退した事により、
私達は、ゲルモニーク聖典と聖石、オヴェリア王女を守る事に成功した。
ウィーグラフ兄さんという、大きな代償と引き換えに……
そして、私達は聖石の力……
ルカヴィの邪悪さを再認識する事となる。
世界は、『ゾディアックブレイブ』を利用した
覇権争いという域に留まらず、
人間と悪魔の戦いへと発展していた……
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932:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:12:47.96 ID:ckXTWc/WO
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Chapter3 End
お話はここまでです
約一週間の長きに渡りお付き合いありがとうございました
皆様のおかげで、とても充実した一週間を過ごせました
改めて御礼申し上げます
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933:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:13:17.60 ID:AT1+WsTh0
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乙
本当良かった
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942:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:30:16.91 ID:ckXTWc/WO
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えらい中途半端なところでスレ消化ですが、勘弁して下さい
ミルウーダとジャギ様のカップリングが見たかっただけなんで、ジークデンまでしか考えてなかったんです
ブレイブストーリとwiki読み漁って考えたシナリオなんで、無理があったかと思いますが、それは愛嬌って事で
プレイヤーキャラファンの方々、出番少なくてごめんなさい
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943:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:37:23.71 ID:BP6xVI/n0
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続きはどうする予定なのだ
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947:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 01:45:40.59 ID:ckXTWc/WO
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>>943
書くとすれば1スレ内で終わるのでSS速報に立てるまでもなかと思うので、シナリオまとまり次第書こうかと思います
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961: 忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/06/06(月) 07:44:35.13 ID:1BlcdXBl0
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乙
すごくおもしろかった
期待してます
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964:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 10:06:21.33 ID:g8/O430k0
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おお、ひとまず終わりか
乙
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965: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/06/06(月) 10:22:57.80 ID:wfFGfRmu0
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乙
続き楽しみです
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1000:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/06(月) 19:20:01.35 ID:qYT7w6dti
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愛にすべてを

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