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澪「こむゅぎゅけーしょん」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:31:12.24 ID:yw7JQl7+0
- 紬「りっちゃん達ってスキンシップでコミュニケーションをとるよね」
唯「うん」
紬「私も澪ちゃんとあんな風に接してみたいと思って色々試してたの」
唯「ムギちゃん達の様子がおかしかったのはそういうことなんだね」
紬「ええ…」
唯「そっかぁ。でも、それは賢くないかもしれないねー」
紬「…どうして?」
唯「澪ちゃんとりっちゃんの暴力的コミュニケーションはあの二人だから成り立つものだよ」
紬「やっぱり私じゃ駄目ってことかしら…」シュン
唯「そうじゃないよ! あの二人の真似をしても上手くいかないってこと」
紬「?」
唯「ムギちゃんと澪ちゃんの間にはきっと二人にしかできないスキンシップがあると思うんだ」
紬「私と澪ちゃんにしかできないスキンシップ?」
唯「うんうん。そうだよー」
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:33:47.54 ID:yw7JQl7+0
- 紬「…どうすればいいのかしら?」
唯「そうだね~。あっ、あずにゃん発見! それっ!!」ムギュッ
梓「…! わわっ、唯先輩!! 死角から飛びつくのはやめてください!」
唯「ね、ムギちゃん、こうするんだよー」
紬「なるほど…興味深いわね」
梓「なんの話ですか?」
唯「あずにゃんには関係ない話だよ」
梓「むっ…」
紬「えいっ」ムギュッ
梓「わわわ、ムギ先輩まで//」
紬「…なるほど」
唯「ムギちゃん、ファイト! だよ」
梓「だから一体何の話ですか…」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:34:17.37 ID:yw7JQl7+0
- >後日
紬(あら、廊下に立ってるの澪ちゃんね)
紬(窓から外を見てる…目線の先は…桜ね)
紬(……よしっ)
紬「みおちゃん!!」ムギュッ
澪「ムギ?」
紬(…なんだか反応が薄い?)
澪「どうしたんだ、突然抱きついて」
紬「ええっと…」
澪「唯の真似でもしたくなかったのか?」
紬「えーっと…うん。まぁ、そんなところかしら」
澪「まったくムギは仕方ないな―」
紬「ぅ~~//」 - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:35:07.54 ID:yw7JQl7+0
- 澪「…」
紬(すっかり離れるタイミングを逃しちゃった…)
紬「…澪ちゃん、何を見てたの?」
澪「桜を見てたんだ」
紬「桜?」
澪「あぁ、綺麗だろ」
紬「うん…」
澪「そうだ。今度お花見にでもいかないか。唯達も誘ってさ…」
紬「いいわね」
澪「今度の日曜日とかどうだろう」
紬「うーん。天気予報では雨だった気がするわ」 - 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:37:05.20 ID:yw7JQl7+0
- 澪「雨か…じゃあ土曜日が最後のチャンスかな」
紬「部活が始まったらみんなに確認しなきゃ」
澪「あぁ、桜の木の下でみんなで騒ぎたいよ」
紬「…ちょっと意外。澪ちゃんって騒がしいの苦手じゃないの?」
澪「唯や律と付き合ってれば嫌でも慣れるよ。それに…」
紬「それに…?」
澪「花見は特別だから」
紬「そうなんだ」
澪「…ところでムギ」
紬「うん?」
澪「いつまで抱きついてるんだ?」
紬「ご、ごめんなさいっ」パッ
澪「私は別にいいけど、目立ってたから…」
ヒソヒソ ヒソヒソ - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:37:47.37 ID:yw7JQl7+0
- 紬「ごめんね澪ちゃん。私…」
澪「いや、別にいいんだ。唯だっていつも梓とかに抱きついてるし」
紬「でも、唯ちゃんの抱きつきは邪な感じがしないから」
澪「クスッ」
紬「…澪ちゃん?」
澪「ならムギは邪な気持ちでもあるのか?」
紬「な、ないけど…」
澪「ならいいじゃないか」
紬「…」
澪「実を言うとさ、ほんの少しだけ唯と梓の関係が羨ましいと思ってたんだ」
紬「澪ちゃんも?」
澪「ムギもか」 - 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:38:30.72 ID:yw7JQl7+0
- 紬「ええ。でもなかなか二人のようにはいかないわ」
澪「あぁ、唯みたいに抱きつくのは勇気がいるし…」
紬「それに、梓ちゃんが嫌がる素振りをするところまで含めてコミュニケーションだから…
私や澪ちゃんが抱きついたら、梓ちゃんは真っ赤になっちゃうでしょ」
澪「確かに…ごめんなムギ」
紬「澪ちゃん?」
澪「また今度抱きついてくれムギ。今度は思いっきり拒むから」
紬「…澪ちゃんって時々天然よね」
澪「…?」
紬「もう、許さないんだから」ダキッ ムギュギュギュギュ
澪「お、おいムギ…痛いって……ってシャレにならない肋骨が折れるぅぅぅぅぅぅ」
紬「ご、ごめん。澪ちゃん?」
澪「…」
紬「やりすぎちゃった」テヘ
澪「…テヘっじゃない! 本当に痛かったんだぞ」 - 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:39:40.94 ID:yw7JQl7+0
- 紬「叩く?」
澪「…抱きつく」ムギュッ
紬「み、みおちゃん//みんな見てるわ///」
澪「気にしなくていいって」
紬「そ、そんなこと言ったって//」
澪「ムギは意外と恥ずかしがり屋さんなんだな」
紬「澪ちゃんはもっと恥ずかしがり屋さんだと思ってたけど」
澪「不思議だな。ムギが恥ずかしがってると、平気になるんだ」
紬「そんなのって……ズルい…」
澪「それにさ、実は私、ムギに抱きつくの結構好きなんだ」
紬「えっ」
澪「梓が入ったばっかりの頃、いつも唯が抱きついてただろ」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:41:19.96 ID:yw7JQl7+0
- 紬「ええ」
澪「それを見て、私はちょっと羨ましいと思ってたんだ」
紬「どっちを?」
澪「唯を。私も梓に抱きつきたいなって、そう思ってた」
紬「そうなんだ」
澪「あぁ、あんなちっこくて、かわいくて、私を尊敬の眼差しでみてくれる後輩が入ったんだ
抱きつきたいって思うだろ」
紬「そうねぇ……」
澪「理由もなく梓に抱きつける唯が羨ましかった。
だからだよ。律にからかわれたりするとムギに抱きつくようにしてたんだ」
紬「それは初耳」
澪「梓を抱きしめるとさ、なんだか小動物を愛でているような、
もっとぎゅーって抱きしめたい衝動に襲われるんだけど」
紬「わかる! わかるわ!」
澪「紬に抱きつくとあったかくて落ち着くんだ。
梓を抱きしめるのとは全然違うけど、私はそれが好きなんだ。
だからムギが私に抱きつきたいというなら、今度は私がムギを受け止めなきゃいけないと思う」 - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:42:27.80 ID:yw7JQl7+0
- 紬「…」
澪「ムギ? なんで顔を伏せてるの?」
紬「…ちょっとニヤケ過ぎちゃって」
澪「ムギでもそういうことあるんだな」
紬「…嬉しかったから」
澪「嬉しかった?」
紬「私と澪ちゃんの間にはもうスキンシップコミュニケーションがあったんだなって」
澪「あぁ、それか」
紬「殴りあうだけが愛のかたちじゃないのね」
澪「そもそも殴り合いは愛のかたちじゃない」
紬「ふふ、あれも愛だと思うけど」
澪「こら」ムギュッ
紬「み、澪ちゃん//」
澪「これ、結構いいかも」
紬「もう、澪ちゃんったら//」 - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:44:20.47 ID:yw7JQl7+0
- >土曜日
紬「私達しか集まらないなんて…」
澪「唯は家族でお花見だから仕方ないとして」
紬「まさかあのりっちゃんが…」
澪「あぁ、あの律が…」
紬「……」
澪「……」
紬「……」
澪「……」
紬「……」
澪「……」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:45:59.75 ID:yw7JQl7+0
- 紬「まぁ、ただの普通感冒なんだけどね」
澪「あぁ。鼻水が止まらないらしい」
紬「そういえば梓ちゃんはどうして来なかったのかしら」
澪「メールには用事があるとだけ書いてあったけど」
紬「ちょっと寂しいね」
澪「でもムギと二人で出かける機会って少なかったから私は新鮮だぞ」
紬「ふふ、そう言ってくれると嬉しいわ」 - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:46:31.88 ID:yw7JQl7+0
- 澪「さっそく桜を見に行こうか」
紬「うんっ!」
澪「結構人が多いな」
紬「ええ、明日には散っちゃうみたいだから」
澪「そうだった」
紬「でも、はぐれるほどじゃないかな」
澪「うん。だけど手を繋ごうよ」
紬「み、澪ちゃん?」
澪「先に進むにつれて人も増えていくからさ」ギュ
紬「あっ・・・」
澪「やっぱりムギの手はあったかい」
紬「澪ちゃんの手はちょっと冷たいね」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:47:02.33 ID:yw7JQl7+0
- 澪「実はほんのちょっと肌寒かったんだ」
紬「あっ、私の手はカイロの代わりだったんだ」
澪「気を悪くした?」
紬「ううん。澪ちゃんのお役に立てるならどうぞどうぞ」
澪「ムギは優しいな」
紬「ふふふ、澪ちゃんだって優しいわ」
澪「そういうことにしておこう。さっ、歩こうよ」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:47:55.73 ID:yw7JQl7+0
-
紬(道の両側に桜並木)
紬(たくさんの人が桜を見るために、ここにいる)
紬(私と澪ちゃんもその一人)
紬(澪ちゃんの頭の上に桜の花びらがひとつ)
紬(澪ちゃんはそれに気づかずに歩く)
紬(私が自由な左手で桜をとってあげると、澪ちゃんがはにかんだ)
紬(『気が利くな』って褒めてくれる)
紬(澪ちゃんと繋いでた右手がじんわり温かくなる)
紬(なんだろうこの気持・・・)
紬(とってもあったかい感じ)
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:48:52.44 ID:yw7JQl7+0
- 澪「お団子食べよっか」
紬「うんっ!」
澪「どれにしようか」
紬「私は…みたらしかな」
澪「うん。美味しそう…あっ、でもお花見と言えば三色花見団子も……」
紬「両方食べるのは?」
澪「春休みの間に…」
紬「あっ…」
澪「ムギは…」
紬「私は現状維持…」
澪「…っ」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:49:21.97 ID:yw7JQl7+0
- 紬「そ、そうだ! 半分こしましょう」
澪「いいの?」
紬「ええ、私も三色団子もちょっと食べてみたかったから」
澪「じゃあそうしよう。すいません」
>少女たち買い物中
紬「あそこに座って食べましょうか」
澪「うん」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:49:43.66 ID:yw7JQl7+0
- 紬「桜の下でこうしてお団子を食べるのもいいわね~」パクッ
澪「あぁ、いつもより美味しく感じるよ」パクッ
紬「あっ、また頭に乗ってる」ヒョイ
澪「ムギの頭にも乗ってるよ」ヒョイ
紬「ありがとう」
澪「どういたしまして」
紬「澪ちゃん、あ~ん」
澪「あ~ん」パクッ
紬「み、澪ちゃん//」
澪「どうしたんだ?」
紬「いまあ~んって」 - 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:50:37.61 ID:yw7JQl7+0
- 澪「ムギからやってきたんだろ?」
紬「だって、そんなに素直にやってくれるとは思わなかったから……」
澪「私だっていつも拗ねてばっかりじゃないんだぞ。ほらムギもあ~ん」
紬「あ、あ~ん//」パクッ モグモグ
澪「美味しい?」
紬「味なんてわかんない…」
澪「ムギって意外と押しに弱いんだな」
紬「澪ちゃんってサディストさん?」
澪「違うよ」
紬「どうしてそう言えるの?」
澪「だって、血を見るのは嫌いだから」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:51:24.59 ID:yw7JQl7+0
-
紬「さて、食べ終わったことだし、並木道を最後まで歩きましょうか」
澪「あぁ、そうだな」
紬「手、つなぐ?」
澪「うん」ギュ
紬「・・・」ギュッ
澪「やっぱりムギの手はあったかい」
紬「澪ちゃんの手もあったかいよ」
澪「じゃあ行こっか」
紬「はい」 - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:52:42.54 ID:yw7JQl7+0
-
澪(ムギが私とスキンシップとりたがってると知って、無性に嬉しかった)
澪(どうしてかな。あんまり理由なんてない気がする)
澪(ムギのことはよく知ってるつもりだったけど、最近はもっと色んな顔があるんだってわかってきた)
澪(私に対して照れてるムギも、そのひとつ)
澪(律といるときの落ち着いた感じでもないし、梓や唯といるときの心地良い温かな感じでもない)
澪(ムギといるとなんだか・・・そう。心の奥のほうが揺れてる感じ)
澪(・・・やっぱりあんまりうまく言葉にできない)
澪(でも、これだけは言えると思う)
澪(悪くない感じ) - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:54:25.81 ID:yw7JQl7+0
- 澪「桜、綺麗だね
紬「うん」
澪「でも、すぐ散っちゃう」
紬「そうね」
澪「ううん。すぐ散っちゃうから綺麗なのかな」
紬「どうだろうね」
澪「どうなんだろう」
紬「ずっと咲いたままなら、こんな桜吹雪は見れないものね」
澪「でも、散らなくたって綺麗だ」
紬「そうね。咲いてる桜はそれだけで綺麗」 - 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:55:30.04 ID:yw7JQl7+0
- 澪「そう。咲いてるだけで綺麗なんだ」
紬「・・・澪ちゃん?」
澪「ねぇ、ムギ」
紬「なぁに?」
澪「ムギのこと、抱きしめてもいい?」
紬「いいよ」
澪「どうして?」
紬「澪ちゃんから言ってきたんじゃない」
澪「どうして抱きしめられてもいいの?」
紬「そういう気分だから、じゃ駄目かしら」
澪「気が合うね。私もちょうどムギを抱きしめたい気分だったんだ」ムギュッ - 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:55:47.21 ID:yw7JQl7+0
- 紬(澪ちゃんがギュッと抱きしめれくれる)
紬(その抱擁は、唯ちゃんとは違ってとても優しい)
紬(・・・優しいというより少し遠慮がちなのかも)
紬(ちょっと不器用な抱擁のせいで、いっそう桜が綺麗に見えた)
紬(明日には散ってしまう桜。どうせ散ってしまうなら、という思いが心を占める)
紬(私も優しく澪ちゃんを抱きしめた)
紬(澪ちゃんが顔を上げる)
紬(ほんのり桜色に染まった澪ちゃんの顔は、さっきまでと違って弱々しく見える)
紬(私に甘えてくれてるんだと思うと、嬉しくなる)
紬(私の顔も同じ色。きっとほんのり桜色)
紬(二人は見つめ合って―――)
おしまいっ! - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:56:35.29 ID:Ih1QWa0l0
- おつ!
またけいおん見たくなったよ - 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:57:42.33 ID:MpH9WpgD0
- 乙
こんな話が見たかった - 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/22(月) 23:58:21.15 ID:dyMgV7UHP
- 乙
初っ端から唯がいい事言った
と言うか核心を突いたな - 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/23(火) 00:00:49.74 ID:NgN65QPZ0
- 乙めっちゃ和んだ

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