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エクレール「こんなの、いやだ……」

5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:18:23.10 ID:ffT6zmCA0
ミルヒ「エクレ、まだ休んでいなかったんですか?」

エクレ「……」

ミルヒ「シンクは、あなたが倒れることなんて望んでいませんよ。だから、ちゃんと休みを取ってください」

エクレ「……」

ミルヒ「……」

リコッタ「姫様、エクレは?」

ミルヒ「まだ、落ち込んでいるみたいです……」

リコッタ「……そう、ですか」




24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:27:18.61 ID:ffT6zmCA0
時はさかのぼる事3日前。

シンク「たあっ!」

エクレ「ぐっ、また腕を上げたな……だがっ!」

シンク「うっ、まだまだっ!」

リコッタ「相変わらず、鍛錬ですか」

ミルヒ「2人とも楽しそうです。いいじゃないですか」

アメリタ「姫様」

ミルヒ「わかっています。御2人とも、一度お話を聞いていただけませんか?」

シンク「ミルヒ? 何か用事?」

エクレ「なんでしょうか?」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:32:20.29 ID:ffT6zmCA0
ミルヒ「実は、先日近くの森で魔物を見たという情報があって、その調査を依頼したいんです」

シンク「魔物って、昔封印されたって言う?」

ミルヒ「はい。調査といっても、少し森の周辺の様子を見に行っていただけば十分です。何かあったら、すぐに戻ってきてください」

エクレ「わかりました」

ミルヒ「それじゃあ、2人とも、お願いしますね」

シンク・エクレ「「はい!」」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:35:50.12 ID:ffT6zmCA0
シンク「うーん、やっぱり怪しい気配とかはないと思うけど」

エクレ「しかし、何で私がお前とペアなんだ?」

シンク「ミルヒは僕たちが仲良しだと思ってるんじゃないかな?」

エクレ「何で私とお前が仲良しなんだ!?」

シンク「い、いや、僕に言われても……」

エクレ「ともかく、こうしていても埒が明かん。一度二手に分かれて見回りをするぞ」

シンク「わかった。エクレ、気をつけて」

エクレ「お前もな」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:38:34.61 ID:ffT6zmCA0
エクレ「……やはりなにもいない……か。何かの見間違いだったんじゃないか?」

がさっ

エクレ「! 誰だ!」

………………

エクレ「出てこないと、攻撃をするぞ!」

がさっ

エクレ「……忠告はした」

エクレ「紋章砲!」

きんっ

エクレ「っ!? はじかれたっ!?」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:42:54.77 ID:ffT6zmCA0
魔物「がるるっ」

エクレ「な、何だ、この、黒い狼のような……まさか、これが魔物……?」

魔物「がるっ!」ばしゅっ!

エクレ「っ!? まさか、紋章術!? だが、こんな剣を作って飛ばすような術、見たことがない……」

シンク「エクレ! 今の音は!」

エクレ「勇者! 遅いぞ、魔物を見つけた!」

シンク「! こいつが、魔物!」

エクレ「予想以上に強い。ここは、同時に攻撃して一気に決める!」

シンク「わかった!」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:50:04.88 ID:ffT6zmCA0
エクレ「いくぞっ!」

シンク「うん!」

エクレ「……っ!?」ずきっ

シンク「エクレ!?」

エクレ(さっきの紋章術、足に当たっていたのか……?)

シンク「エクレ、前っ!」

エクレ「え?」

魔物「がるっ!」ぴかっ

エクレ(しまった、よけられな……)

シンク「エクレール!!!」だっ

エクレ「……えっ……」

シンク「ぐっ……」ぐさっ

エクレ「どう、して……ゆう、しゃ……? なんで……いや、だ……こんなの、いやだ……」

エクレ(私の記憶がはっきりと残っていたのは、そこまでだった)


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 00:58:23.80 ID:ffT6zmCA0
エクレ「う、うぅ……」

ユキカゼ「あ、気がついたでござるか?」

エクレ「ユキ、カゼ……? 私は、何で……っ、そうだ、勇者は!?」

ユキカゼ「……」

エクレ(城の医務室で目覚めた私は、ユキカゼにそれまでのことを聞かされた)

エクレ(私の放った紋章術は爆音をあげ、それを聞いたユキカゼとダルキアン卿が応援に駆けつけてくれたらしい)

エクレ(それに驚き、魔物が逃げ出したおかげで、私は軽症で済んだらしい。そして……)

エクレ「ユキカゼ、勇者は……?」

ユキカゼ「シンク殿は……」

エクレ「頼む、教えてくれ……勇者は、あいつはどうしたんだ!」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:03:10.07 ID:ffT6zmCA0
ユキカゼ「隣の、病室で寝てるでござる」

エクレ「っ、よかった……無事、だったんだな……」

エクレ(安堵した。紋章術が胸を貫き、血があふれ出ていた光景は、きっと私の錯覚だったんだ)

エクレ(あの、馬鹿勇者がこんなことで大事に至るはずがない。そう、自分に言い聞かせた)

ユキカゼ「……あまり、隠し事は、いけないのでござるな……」

エクレ(わかっていた。もし、無事ならばユキカゼがこんなにつらそうな顔をするはずがない)

エクレ(それでも、私は、認めたくなかった)

ユキカゼ「もしかしたら、シンク殿は、もう、目を覚まさないかもしれないでござる」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:09:11.51 ID:ffT6zmCA0
閣下出したいけど、国が違うし出せそうにないかも

エクレ「何を、言っているんだ? あいつが、目を覚まさない?」

ユキカゼ「シンク殿の血は、この世界の住人の血とは全く別のものでござる」

ユキカゼ「しかし、今回の出血は、シンク殿の命にかかわるレベルの量。今、まだ生きていることが奇跡なのでござるよ……」

エクレ「嘘だ、そんなの認めるものか!」

ユキカゼ「お、落ち着くでござる! このまま安静にしていれば回復の可能性も……」

エクレ「何で、あいつが……ついさっきまで、私と稽古をしていたんだぞ! あんなに、楽しそうに……」

ユキカゼ「気持ちはわかるでござる……しかし、これだけは覚悟をしておいてほしいでござる」

ユキカゼ「もし、1度でも状態が悪化したら……」

エクレ「言うな! ……それ以上、言わないでくれ……」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:14:41.44 ID:ffT6zmCA0
ユキカゼ「……今は姫様がお見舞いに行っているでござる。それが終われば、病室には入れるでござるよ」

エクレ「……わかった」

エクレ(それから数分、いや、数時間……どちらかもわからないくらいに時が流れた)

エクレ(私は、何度も戦いに集中していなかった自分を呪った)

エクレ(もしも、あの時私があの紋章術をよけていればこんなことにならずに済んだ)

エクレ(勇者は、何で私なんかを庇ったんだ?)

エクレ(同じ言葉を頭の中で何度も繰り返していたとき、不意にドアをノックする音が聞こえた)

ミルヒ「エクレ、入っても大丈夫ですか?」

エクレ「姫、さま……?」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:21:15.92 ID:ffT6zmCA0
ミルヒ「エクレ。怪我は大丈夫ですか?」

エクレ(姫様は温かい笑顔を私に向けてくれた。けど、その頬には涙の後があることに、私は気づいていた)

エクレ(たぶん、姫様は勇者を呼んでしまった自分に責任があると感じているんだろう)

エクレ(私を庇って、勇者が傷を負ったことを知っているのは、私だけなのだから)

ミルヒ「……ごめんなさい。私が、森にいかせたせいで、こんなことになってしまって……」

エクレ「そんな、姫様は、何も悪くありません」

エクレ「あれは……あの、バカ勇者が……」

エクレ(その瞬間、私は完全に硬直した)

エクレ(命がけで私を救ってくれた勇者を、侮辱しようとしてしまった)

エクレ(怖かったんだと思う。私のせいで、勇者が瀕死の傷を追ったのがばれそうで)

エクレ(その気持ちとは矛盾した別の気持ちが、私の中で混ざり、まるで化学反応を起こしたかのように、弾けた)


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:24:23.34 ID:ffT6zmCA0
エクレ「……ぁ……っ」

ミルヒ「エクレ!? どこか痛むのですか!?」

エクレ「ちが、います……わたしが、私のせいで……勇者はぁ……」

ミルヒ「……え?」

エクレ(泣きながら、私は本当のことを話した)

エクレ(最初に、魔物を見つけたこと)

エクレ(紋章術で、足に怪我したこと)

エクレ(そして、勇者が、私を庇ったこと)

エクレ(姫様は、優しい笑顔のまま、すべての話を聞いてくれた。そして……)


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:28:30.00 ID:ffT6zmCA0
ミルヒ「大変だったのですね」

エクレ「……」

ミルヒ「ごめんなさい。私のせいで、つらい思いをさせてしまって」

エクレ「そ、そんなこと……」

ミルヒ「シンクのことなら、きっと大丈夫です。ですから、あなたも……」

エクレ「……わかって、ます」

エクレ(落ち込んでばかりいられない。ガレットとの戦争はまだ続いているのだから)

エクレ(しかし、いくら元気を出そうと思っても、私は、笑顔を取り戻すことはできなかった)


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:34:48.66 ID:ffT6zmCA0
エクレ「姫様、勇者のところへ、いってもいいですか?」

ミルヒ「もちろんです。シンクもきっと喜びます」

エクレ「わかりました……失礼します」

エクレ(ベッドから起き上がり、痛む足を引きずりながら、隣の病室へと歩き出した)

エクレ(隣の病室には様々な機械が置かれていて、その中心に勇者がいた)

エクレ(私は、ベッドの隣にあったいすに腰を下ろし、いくつもの機械につながれた勇者の顔を見た)

エクレ(私の知っている、勇者の顔ではないことがすぐにわかった)

エクレ(周りを元気にさせる笑顔も、何かのために怒る顔も、恥ずかしいことがあって赤面する顔も……)

エクレ(そこには、なかった)

エクレ(ただ、苦しそうに機械から送られる空気を吸ってはく。それだけを繰り返す、見たことのない勇者の顔だけが、そこにあった)


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:36:50.34 ID:ffT6zmCA0
エクレ「……バカ、勇者……どうして、私なんか、庇ったんだ……」

エクレ(その声は勇者に届くことはなく、部屋の冷たい空気に消えていった)

エクレ(そして、私はその日から、ずっと勇者の隣で、勇者が目覚めるのを待ち続けた)


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:41:45.78 ID:ffT6zmCA0
5日後(冒頭から2日後)

エクレ(突然だった。周りの機械が激しく警告音をならした)

エクレ(リコッタに病室を無理やり出され、病室の中には勇者と医者だけになってしまった)

エクレ(私の頭の中で、ユキカゼの言葉が何度も響き渡る)


ユキカゼ「もし、1度でも状態が悪化したら……」


エクレ(怖かった。もう、勇者の顔が見れなくなるのが)

エクレ(病室の前に姫様、リコッタ、ユキカゼ……ほかにもたくさんの人が集まり、勇者の無事を祈る中、私は……)

エクレ(逃げ出した)


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:48:18.28 ID:ffT6zmCA0
エクレ(久々に出た外は、雨だった)

エクレ(まるで、勇者の状態の悪化を悲しむかのように)

エクレ(雨が降る訓練場の隅で小さく丸まり、今までたまりにたまった涙と弱音を吐き出し続けた)

エクレ(雨の音が声を、そしてその雨が涙を隠してくれると信じて)

閣下「勇者が危うい状態だと聞いてきてみれば、たれ耳、そんなところで何をしておる?」

エクレ(不意に聞こえた声に振り返ると、そこにはガレット獅子団領の領主であるレオンミシェリ閣下がいた)

エクレ「私の、せいだっ……あいつが、勇者が……死ぬのは……」

エクレ(誰がいようと関係なかった。私は、一度吐き出し始めた弱さを止めようとは思わなかった)

閣下「……甘えるなっ!」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 01:54:27.16 ID:ffT6zmCA0
閣下「勇者が死ぬ? あいつはまだ生きておろう! なぜ勝手に殺す!」

エクレ「……それは……」

閣下「そうやって、逃げ出してきたのであろう? 仮にあやつが死ぬとしても、なぜ最後まで一緒にいてやらん!?」

エクレ「……」

閣下「最後まであきらめるな! お前はビスコッティ騎士団・ミルヒオーレ直属親衛隊の隊長であろう!」

エクレ「……」

閣下「さっさと戻れ、この阿呆」

エクレ「……はい」

エクレ(結局、レオン閣下は勇者の様子を見ることはなくそのまま帰っていった)

エクレ(私は、閣下に言われた通り、勇者の病室の前に戻り、祈り続けた。勇者には、死んでほしくないから)


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:00:57.34 ID:ffT6zmCA0
エクレ(何時間もの時が過ぎ、閉ざされていた扉が開いた)

エクレ(勇者は一命を取りとめ、順調に回復しているとのことだった)

エクレ(歓喜にあふれた廊下で、医者は辛そうにその言葉を口にした)

医者「ただ、仮に意識が戻ったとしても、二度と今までのように戦に参加することはできないでしょう」

エクレ「どういう、ことですか……?」

エクレ(勇者は、紋章術で神経を傷つけられたらしい)

エクレ(今回、病状が崩れたときに、神経に入った傷が大きく開いてしまい、下半身を自由に動かせなくなった)

エクレ(それが、医者の説明だった)

エクレ(ついさっきまでの、明るい雰囲気は、完全に、途絶えていた)


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:05:52.44 ID:ffT6zmCA0
さらに3日後

エクレ「……」

シンク「……うっ……」

エクレ「っ! 勇者!?」

エクレ(勇者の怪我のうわさがビスコッティ中に広まった頃。勇者が意識を取り戻した)

シンク「……こ、こは……っ、エクレ、怪我はない!? ……あ、あれ……」

エクレ(このバカは、自分の心配よりも、私の心配をしていた。そして、そのワンテンポ後に、自分の身体の異変に、気がついた)

シンク「おき、上がれない……」

エクレ「……すまない! ……すまない、すまない……」

エクレ(何度も、何度も謝り続ける)

エクレ(それでも、足りなかった)


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:10:54.20 ID:ffT6zmCA0
エクレ(すぐ後に、姫様や、他の仲間たちも勇者に会いに病室に来た)

エクレ(勇者は「大丈夫。きっとすぐによくなる」と笑顔で言い続けた)

エクレ(けど、私は知っていた。下半身の異変に気づいたときの勇者の表情を)

エクレ(恐怖におびえるような。そして、とても悲しそうなその顔を……見て、しまった)

エクレ(怖かった。いつ、勇者が私に怒りをぶつけてくるのか)

エクレ(逃げ出したい気持ちを抑え、病室のいすの上で、俯き続けた)

エクレ(そんな私に、勇者が声をかけてきたのは、見舞いに来た人たちが帰り、病室に二人きりになった時だった)

シンク「エクレ、大丈夫?」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:14:53.59 ID:ffT6zmCA0
エクレ「大丈夫じゃないのは、お前だろう」

シンク「うん、下半身が、全く動かないなんて、初めてだよ」

エクレ「……」

シンク「でも、エクレはさっきから、一度も笑ってない」

エクレ「笑える、わけがないだろ!!!」

エクレ(気がつくと私は大声を上げていた)

エクレ「お前は、私のせいでこんなことになったんだぞ! 私が憎くないのか!?」

シンク「エクレ……」

エクレ「もしも、私がお前と同じ立場なら、憎んでいる! 殺したい! きっとそう思っている!!! お前も、そうなんじゃないのか!?」

シンク「エクレ!」

エクレ「っ!」びくっ


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:19:55.71 ID:ffT6zmCA0
シンク「……僕は、エクレのことを恨んでなんていないよ」

エクレ「……嘘だ。お前の、あんな顔、見たことなかった……」

シンク「それは、下半身が動かなくて、確かに怖くなったよ。でも、恨んでなんか、いないよ」

エクレ「なぜだ! お前は、私のせいで!」

シンク「違うよ。エクレール」

エクレ「っ」どきっ

エクレ(まっすぐ、私を見つめる勇者の顔に、心臓がバクバク音を立てる)

シンク「僕が、君を庇ったのは君を恨みたいからじゃない。君の、守りたかったからだ」

エクレ「……」

エクレ(誰も、溶かせなかった凍りついた心が瞬く間に解け始める。そんな、暖かい声だった)

エクレ(そして、止まっていた感情が、動き出した)


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:23:17.60 ID:ffT6zmCA0
エクレ「っ、シンクっ! シンクぅっ!」だきっ

シンク「え、エクレ!?///」

エクレ「怖かった……シンクに、嫌われるのが……!」

シンク「……大丈夫、エクレのことは、絶対に嫌いになんてならないよ」

エクレ「うぅ……」ぐすっ

エクレ(それから、長い時間シンクの胸の中で私は泣き続けた。今度は、隠さなくてもいい)

エクレ(私の感情を、受け止めてくれる人がいるから)


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:29:03.41 ID:ffT6zmCA0
1ヵ月後

実況『さぁ、始まりました! 今回の戦、なんと言っても注目はビスコッティの勇者シンクの復活でしょう!』

エクレ(シンクの傷ついた神経はリハビリを続けるうちに奇跡的な速度で治っていった)

エクレ(リコッタ曰くパラディオンのおかげではないかという話だ)

エクレ(身体能力も今までと同じくらいに回復して、今ではすべて元通り)

エクレ(そしてついに、ドクターストップもなくなり、戦場に舞い戻ってきたのだ)

エクレ(……いや、さっきのすべて元通りというのは少し間違っていたか)

エクレ(なぜなら……ひとつだけ違うことがある)


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:33:34.64 ID:ffT6zmCA0
シンク「いくよ、エクレ」

エクレ「あぁ、シンク」

実況『おっと、勇者シンク! 恋人であるエクレールと一緒に入場だ!』

エクレ「じ、実況! うるさいぞ!///」

エクレ(あれから私とシンクの距離は一気に縮んでしまった。今では恋人同士になってしまったくらいだ)

エクレ(ちなみに、告白したのは私だ。告白を受けたときのシンクの顔は忘れられないくらいかわいかった)

エクレ(……話がそれたな。ともかく、こうしてまたシンクと一緒に戦場に立てるのは本当にうれしい)


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:35:35.14 ID:ffT6zmCA0
エクレ「シンク」

シンク「何、エクレ?」

エクレ「ずっと一緒だ。もう二度と遠くへは行かないでくれ」

シンク「うん、約束するよ」

エクレ「絶対だぞ」

エクレ(私と、シンクの日々は、始まったばかりだ)


END


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:37:42.44 ID:ffT6zmCA0
エロは書けなかった。ごめん
シンクが元の世界に帰ってなかったり普通に1ヶ月経過させてたり
閣下の星読みがなかったことになってたりするのは気にしないで!
後、エクレかわいいよエクレ


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:38:00.03 ID:yYphVd3XO
エクレは良いものだ



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:38:11.69 ID:jmoCjBG/0
乙、面白かったぜ


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:47:21.04 ID:2cUul0FyO
1ヶ月後

そこにはなんと元気にアスレチックを楽しむシンクの姿が!!

シンク「もう二度と魔物調査なんてしないよ」

なんともマヌケな勇者であった


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/06/08(水) 02:55:32.09 ID:ffT6zmCA0
>>89がうまくまとめてくれたし寝る。読んでくれた人ありがとな





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