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ジャン「なんで俺がクリスタと……」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:07:15.54 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「二人きりなんだよ……」
クリスタ「……」
ジャン「ああ……」
ジャン「どうしてこうなった……」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:08:31.01 ID:gvUvlMUEI
- 前日
ジャン「は?俺がクリスタに……」
クリスタ「立体機動を!?」
ユミル「そ」
ジャン「なんで俺が……」
ミカサ「ジャンは立体機動ではトップクラス」
ミカサ「私でも敵わないことがある」
ジャン「そ、そうか?」テレテレ
ユミル「んで、クリスタはまだ少し」
ユミル「立体機動が苦手なんだよな?」
クリスタ「そ、そうだけど……」
ユミル「ならいい機会だ」
ユミル「ジャンに色々教えてもらいな」 - 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:10:32.21 ID:gvUvlMUEI
- ライナー「おい、ちょっと待て」
ベルトルト「そういうことなら僕だって……」
グニッ
ライナー「いでっ!?」
ベルトルト「!!」
アニ「……」
ユミル「ま、そういうことだ」
ユミル「よろしく頼んだぞ、ジャン」
ジャン「え、ちょ……勝手に決めてんじゃねえ!」 - 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:12:40.45 ID:gvUvlMUEI
- アルミン「まあまあ二人とも」ヒソヒソ
アルミン「落ち着いて」ヒソヒソ
ライナー「落ち着けるか!」ヒソヒソ
ベルトルト「よくも僕のクリスタを……」ヒソヒソ
アルミン「いやいや、ものは考え様だよ」ヒソヒソ
ライナー「……?」
アルミン「ジャンはミカサ一筋なんだ」ヒソヒソ
アルミン「クリスタに手を出すことはまず無いよ」ヒソヒソ
ベルトルト「……まぁ確かに」ヒソヒソ
ライナー「そうかもしんねえけどよ……」ヒソヒソ - 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:17:07.01 ID:gvUvlMUEI
- ユミル(正直、クリスタと離れ離れになるのは嫌だが)
ユミル(変態どもから守られると思えば……)
ミカサ(鬱陶しいジャンを遠ざけ)
ミカサ(エレンに付く虫も排除)
ミカサ(これは私にとっても一石二鳥)グッ
アニ(……) - 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:23:03.77 ID:gvUvlMUEI
- アルミン(……まぁ、女子が考えてることは)
アルミン(大体察しがつくけれど……)
ライナー「ぐぬぬぬ……!」
ベルトルト「くうっ……!」
エレン「お、おい……大丈夫かよお前ら」
アルミン(……本当に大丈夫かなあ) - 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:30:03.90 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「はぁ……」
クリスタ「……」
クリスタ(またため息ついてる)
ジャン「……」
クリスタ(そんなに私といるのが嫌なのかな)
ジャン「……」
クリスタ(……私だって)
クリスタ(ほとんど話したこともないし)
ジャン「……」
クリスタ(正直怖いんだよね……この人) - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:37:02.83 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……あー、くそっ!」
ジャン「あれこれ考えたって仕方ねえ!」
クリスタ「!」
ジャン「やるぞ、クリスタ!」
ジャン「まずは俺に立体機動を見せてみろ!」
クリスタ「えっ……う、うん!」 - 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:41:08.90 ID:gvUvlMUEI
- シュッ…
バシューーッ!
スタッ
クリスタ「……ど、どうかな」
ジャン「ああ」
ジャン「ダメだな」
クリスタ「うっ……」
クリスタ(そんなにストレートに言わなくても……)
ジャン「無駄な動きが多い」
ジャン「それと、力み過ぎだ」
クリスタ(……わかってるよ)
クリスタ(でも、一体どう直せばいいのか……) - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:47:04.96 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「ゆりかごだ」
クリスタ「……え?」
ジャン「通常、アンカーを固定してガスを噴出させれば」
ジャン「あとは勝手に導いてくれる」
ジャン「お前の場合……」
ジャン「無意識のうちに、それに抗おうとしてるんだ」
クリスタ「……!」
ジャン「だからここは……」
ジャン「ゆりかごにいるような気持ちで、全身を預けろ」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 18:51:20.54 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ(ゆりかご……)
クリスタ(変な例え……)
ジャン「……」
クリスタ(でも……)
ジャン「……」
クリスタ(……)
クリスタ(ゆりかご……ゆりかご……) - 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:00:02.67 ID:gvUvlMUEI
- シュッ…
バシューーッ!
スタッ
クリスタ「!!」
クリスタ(えっ……!?)
ジャン「お、良いぞ」
ジャン「そんな感じだ」
クリスタ(えっ……すごい!)
クリスタ(飛距離が伸びた!)
ジャン「よし」
ジャン「その調子でどんどんやってみろ」
クリスタ「う、うん!」 - 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:09:02.12 ID:gvUvlMUEI
- 数日後
コニー「クリスタのやつ」
コニー「急に立体機動上手くなったよな」
エレン「ああ、ジャンが付きっきりで指導してるからな」
コニー「は!? ジャンが!?」
アルミン「う、うん……」
コニー「どういう風の吹きまわしだよ……」 - 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:15:05.88 ID:gvUvlMUEI
- アルミン(……僕も最初は)
アルミン(どうなることかと思ったけど……)
ジャン「ダメだ、やり直し」
クリスタ「は、はい!」
アルミン(案外ジャンって)
アルミン(教官とか向いてるのかも) - 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:25:04.99 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「ここをもっと……」
クリスタ「うん」
アルミン(……)
アルミン(……あれ)
アルミン(でもなんでだろう)
ジャン「もう一回!」
クリスタ「はい!」
アルミン(……なんだか少し)
アルミン(嫌な予感がするよ……) - 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:30:12.18 ID:gvUvlMUEI
- シュッ…
バシューーッ!
スタッ
クリスタ「……こ、今度はどうかな?」
ジャン「おお」
ジャン「大分上達したな」
クリスタ「……!」パアアア - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:33:12.52 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「でも、まだダメだ」
クリスタ「ぇ……」シュン…
ジャン「無駄な動きはかなり減ったが」
ジャン「力が抜け切ってない」
クリスタ「……」 - 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:40:01.72 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「どうすればいいの……?」
ジャン「恐怖心の克服だ」
クリスタ「きょ、恐怖心……?」
ジャン「見たところ……お前はまだビビってんだよ」
ジャン「立体機動の高スピードに」
クリスタ「……!」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:43:05.61 ID:jxV0mZx10
- これはいいジャン
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:43:47.39 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「で、でも……」
クリスタ「怖いものは怖いし……」
ジャン「……」
ジャン「はぁ……」
クリスタ(ううっ……またため息……)
クリスタ(さすがに呆れちゃったのかな……) - 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:50:01.97 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……ったく、しょうがねえな」
クリスタ(うぅ……)
ジャン「練習方法を変えてみるか」
クリスタ「……えっ」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 19:58:40.89 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「おい、とりあえずどこでもいいから」
ジャン「アンカー固定してみろ」
クリスタ「え……う、うん」
シュッ…
バシッ!
クリスタ「……固定したよ?」
ジャン「よし、それじゃ……」 - 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:00:54.36 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「!?」
ジャン「あ? 何だよ」
クリスタ「何だよじゃないよ!」
クリスタ「何やってるの!?」
ジャン「いいから、ゴタゴタ言ってねえで」
ジャン「俺に飛び込んでこい」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:01:33.79 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「そ、そんなの危ないよ!」
クリスタ「軌道のど真ん中じゃない!」
ジャン「アホか、本当に飛び込むんじゃねえよ」
ジャン「俺の目の前でギリギリ止まるんだ」
クリスタ「ええっ!?」 - 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:02:58.47 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「立体機動にはコントロール能力も不可欠だ」
ジャン「それを鍛えるんだよ」
クリスタ「……!」
ジャン「コントロール能力が鍛えられれば」
ジャン「操作にも自信がつく」
ジャン「そうすれば……恐怖心も克服できる」 - 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:04:09.84 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「それにお前……俺のこと怖がってるだろ?」
クリスタ「えっ……!?」
ジャン「見え見えなんだよ」
クリスタ「……!」
ジャン「そんなに俺が怖いなら」
ジャン「正面から向かってこい」 - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:07:45.81 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ(うぅっ……)
クリスタ(ジャンを怖がってること……やっぱりバレてたんだ)
ジャン「……」
クリスタ(目が怖い……)
クリスタ(や、やっぱりこんなの……) - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:12:20.66 ID:gvUvlMUEI
- 『あれこれ考えたって仕方ねえ!』
『恐怖心の克服だ』
クリスタ(……いや、何を考えるの。クリスタ・レンズ)
クリスタ(これは私のための訓練じゃない……)
ジャン「……」
クリスタ(ジャンは自分の時間を削って)
クリスタ(私に付き合ってくれてるのに……) - 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:15:30.50 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「あん? どうした」
ジャン「さっさと来いよ」
クリスタ(うん、そうだよ……女は度胸!)
クリスタ(覚悟決めなきゃ……!)
クリスタ「行くよ……ジャン!」 - 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:17:48.22 ID:gvUvlMUEI
- シュッ…
バシューーッ!
クリスタ(女は……)
クリスタ(度胸!!)
バシューーッ!
ジャン「!」
クリスタ(え……!? あ……あっ……) - 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:22:04.00 ID:gvUvlMUEI
- ドガッ!!
ジャン「……っ!」
クリスタ「あいたっ……!」
クリスタ(ど、どうしよう!)
クリスタ(本当に飛び込んじゃった!)
ジャン「……っつー……」
ジャン「……おい」
クリスタ(……!)
クリスタ(怒られる……!) - 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:27:55.53 ID:gvUvlMUEI
- ポン
ジャン「大丈夫か?」
クリスタ「……えっ」
ジャン「まさか本当に飛び込んでくるなんてよ……」
ジャン「大したやつだな、お前」
ワシャワシャ
クリスタ「……!!」
ジャン「……ま、これで恐怖心は克服できただろ」
ジャン「コントロールはまだまだだけどな」
クリスタ「……!……!」 - 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:30:16.27 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……どうした?」
ジャン「顔真っ赤だぞ?」
クリスタ「!!」
ジャン「あ? 何だよ急に顔逸らして」
クリスタ「な、何でもない!」
ジャン「……?」
クリスタ「……とりあえず、今日はありがと」 - 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:36:46.30 ID:gvUvlMUEI
- 数日後
ジャン「よう」
クリスタ「!」
ジャン「悪りぃな、待たせちまって」
クリスタ「う、ううん!いいのいいの!」
クリスタ「誘ったのは私だし!」
ジャン「おう、そうか」
クリスタ「ごめんね、せっかくの特別休暇なのに」
ジャン「あーいいよ別に。どうせやることなかったし」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:40:09.05 ID:gvUvlMUEI
- ライナー「……なあ、アルミンよぉ」
ベルトルト「あれはどういうことなのかな……?」
アルミン(ああ……ああ……)
アルミン(ついに恐れていたことが起こってしまった……)
ユミル「ち、ちくしょう、ジャンのやつ……!」
ユミル「クリスタには気が無いんじゃなかったのかよ!?」 - 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:44:19.84 ID:gvUvlMUEI
- エレン「……何話してんだ?お前ら」
アルミン「エレンは本当に気楽でいいよね……」
エレン「?」
アルミン「……ていうか、なんでミカサまでいるの」
ミカサ「エレンがいるところなら、私はどこへでも行く」
アルミン「……あ、そう」 - 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:47:47.10 ID:gvUvlMUEI
- エレン「つーかお前ら、なんでコソコソ隠れてんだよ」
エレン「せっかくだからジャンとクリスタ連れて飯行こうぜ」
ライナー「ばっ、バカ!よせ!」
ベルトルト「見つかっちゃうだろ!」
エレン「は?何言って……」
アルミン(ああ、もう……)
アルミン(胃が痛いよ……) - 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 20:52:39.75 ID:gvUvlMUEI
- カランカラン♪
店員「いらっしゃいませ!」
店員「2名様ですか?」
クリスタ「あっ、はい!そうです!」
店員「こちらへどうぞー」 - 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:01:26.70 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「へへへ……」
クリスタ「なかなかいい所でしょ」
ジャン「まぁ……そうだな」
クリスタ「……? どうしたの?」
ジャン「いや……」
ジャン「だってこの店の客……」
キャッキャッ
ウフフ…
女「はいっ、あーん♪」
男「あーん♪」
ジャン「……カップルばっかりじゃねえか」 - 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:06:35.85 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「……う、うん」
クリスタ「そうみたいだね……」モジモジ
ジャン「女ってのは、こういう店が好きなのか?」
クリスタ「えっ……う、うん」
クリスタ「そうかな……えへへ」モジモジ
ジャン「ほーう……」
ジャン(……)
ジャン(今度ミカサを誘ってみるか)グッ - 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:09:09.41 ID:QyOVwqG80
- ああこれはダメジャンですね
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:15:50.24 ID:gvUvlMUEI
- ライナー「お、おい!おいいい!」
ベルトルト「なんだあれは!なんだあれは!」
アルミン「グエッ……く、苦しいよ……」
ユミル「くそっ、くそっ!こんなはずでは!」ギュゥゥゥ
アルミン「ユ、ユミル……痛い、痛いって!」
エレン「あの二人、いつの間に仲良くなってたんだ?」
ミカサ「私も意外。これは驚き」
アルミン(ちくしょう……人の気も知らないで……!) - 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:20:38.60 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「さっ、今日は私の奢りだよ!どんどん食べてね!」
ジャン「奢り?マジでか」
クリスタ「うん!今日は練習に付き合ってもらったお礼だからね!」
ジャン「そ、そうか」
ジャン「じゃあお言葉に甘えて……」
クリスタ「えへへへ」
ジャン(ラッキー!金欠だったから助かったぜ) - 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:24:46.00 ID:gvUvlMUEI
- 30分後
ジャン「ぷはーっ、食った食った」
クリスタ「美味しかった?」
ジャン「いっつも味気ない食事だったからな」
ジャン「最高だったぜ」
クリスタ「そ、そう?よかった……えへへ」 - 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:26:40.26 ID:gvUvlMUEI
- 店員「そろそろデザートをお持ちいたしますか?」
クリスタ「あっ、お願いします」
店員「かしこまりました」
店員「どうぞごゆっくり」 - 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:28:24.52 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……」
クリスタ「……? どうしたの、ジャン」
ジャン「……なあクリスタ」
クリスタ「?」
ジャン「お前って……」
ジャン「なんで入隊したんだ?」 - 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:31:24.84 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「えっ……」
ジャン「いや、今の店員とのやり取り見てて思ったんだよ」
ジャン「お前ってやっぱり兵士って感じじゃねえなって」
クリスタ「え……」
クリスタ「……そうかな」
ジャン「ああ」
ジャン「普通の女の子って感じだ」
クリスタ「……」 - 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:35:15.35 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……俺が入隊したのはな」
ジャン「憲兵団に入るためだ」
クリスタ「……うん、知ってる」
ジャン「頑張って成績上位10番以内に入って」
ジャン「安全な内地へ行く」
ジャン「そのために入隊したんだ」 - 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:38:17.32 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「立派な動機だと思うよ」
ジャン「だろ?そうだよな?」
クリスタ「……?」
ジャン「なのにあいつは……」
ジャン「そんな俺を、ことごとく馬鹿にしやがる」
クリスタ「……エレンのこと?」
ジャン「ああ」 - 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:45:32.21 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「巨人から逃げるなんて卑怯だの……」
ジャン「内地に行かなくてもお前は快適だ、だの……」
ジャン「しょっちゅう俺に突っかかってきやがる」
クリスタ「……でも、それはジャンも同じでしょ」
ジャン「……ああ、そうだよ」
ジャン「死に急ぎ野郎だの、頭湧いてるだの……」
ジャン「俺もしょっちゅう喰ってかかってるさ」 - 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:49:48.00 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「やっぱりジャンは、エレンのこと嫌いなんだね」
ジャン「ああ、本当大嫌いだぜ」
ジャン「顔見ただけで殴りたくなってくる」
クリスタ「ははは」
ジャン「……でもな、それだけじゃねえんだ」
クリスタ「……?」
ジャン「あいつを見てると……やるせない気持ちになるのさ」 - 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 21:54:36.87 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「……やるせない気持ち?」
ジャン「知ってるか?エレンってよ」
ジャン「夕食のあと、こっそり抜けてどっか行ってるんだぜ」
クリスタ「そうなの?」
ジャン「ああ」
クリスタ「でもそれって規則違反じゃ……」
ジャン「俺もそう思ってよ……一回だけ後を尾けてみたんだ」
ジャン「教官にチクってやるつもりでな」 - 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:00:36.10 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「どうせこっそり町に出て母ちゃんにでも会ってくるんじゃねえか……」
ジャン「ニヤニヤしながら俺が目にしたものは……」
ジャン「全く違った」
クリスタ「えっ……」
ジャン「あいつ……走ってやがったんだよ」
ジャン「訓練場の周りを……」
ジャン「ゼエゼエいいながらな」 - 115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:08:05.33 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「……!」
ジャン「最初のころは本当に嫌いだった」
ジャン「とんだ口だけ野郎もいたもんだってな」
クリスタ「……」
ジャン「でもよ……俺たちは今日まで耐えてきた」
ジャン「血を吐くような思いをしながら」
ジャン「そうだろ?」
クリスタ「うん……」 - 121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:12:57.37 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「そういう意味では……あいつのことを認めてるんだ」
ジャン「だからこそ、あんなこと言われると腹が立ってよ」
ジャン「あいつを見てるともう……痛々しくてダメだ」
クリスタ「ジャン……」
ジャン「死に急ぎ野郎って言ったのも、もちろん半分は本心さ」
ジャン「でももう半分は……」 - 124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:17:38.69 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「……」
ジャン「まぁこんなこと……あいつの前では」
ジャン「口が裂けても言わねえけどな」
クリスタ「……」
ライナー「……」
ベルトルト「……」
ユミル「……」
アルミン「……」
ミカサ「……」
エレン「……あいつ」 - 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:19:21.39 ID:WpdLDDzn0
- ええ話や
- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:20:53.63 ID:gvUvlMUEI
- 店員「あの……」
店員「そろそろお会計の方、よろしいですか?」
クリスタ「えっ、あ、ああ、はい!」
ジャン「……いや、やっぱり俺が払う」
クリスタ「えっ、でも……」
ジャン「いいんだ」
ジャン「なんか知らねーけど……今日は気分がいいからよ」 - 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:28:27.16 ID:gvUvlMUEI
- 翌日
クリスタ「おはよう、ジャン」
ジャン「おう」
クリスタ「昨日はごめんね……結局奢ってもらっちゃって」
ジャン「ああ、気にすんな。俺が払うって言ったんだから」
クリスタ「うん……」
ジャン「……?」
クリスタ「あ、あのねっ」
クリスタ「もしよかったら、また……」 - 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:31:56.26 ID:gvUvlMUEI
- エレン「おい」
ジャン「!」
エレン「……正直、俺はまだお前のことが気に入らない」
ジャン「は?」
ジャン「何だよてめぇ……朝からケンカ売ってんのか?」
エレン「そうじゃねえよ。ただ……」
ジャン「あ?」
エレン「……」
エレン「……悪かったな」 - 130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:34:44.09 ID:gvUvlMUEI
- ジャン「……?」
ジャン「何だよあいつ……」
クリスタ「……ジャ、ジャン?」
ジャン「ん? おお、悪りぃな、話の腰折っちまって」
クリスタ「ううん!いいのいいの!」
クリスタ「今度一緒にまた……」 - 131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:39:32.87 ID:gvUvlMUEI
- ミカサ「ジャン」
ジャン「……!? ミ、ミカサ!」
クリスタ「……!」
ミカサ「私も悪かった」
ジャン「な、なんでミカサが謝るんだよ?」
ミカサ「私もあなたを誤解していた」
ミカサ「あんな風に思ってくれていたなんて」
ジャン「??」
ミカサ「少しだけ、見直した」 - 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:43:11.28 ID:gvUvlMUEI
- ジャン(えっ……えっ、どういうことだ!?)
ジャン(ミカサが俺のこと見直した!?)
ジャン(えっ、えっ)
ジャン(脈ありってことか!?)
クリスタ「……」
ジャン「お、おお、悪いなクリスタ」
ジャン「それで、一体何の話だったんだ?」 - 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:47:16.23 ID:gvUvlMUEI
- クリスタ「……」
ジャン「……クリスタ?」
クリスタ「……ううん」
クリスタ「やっぱり何でもない」ニコッ
ジャン「?」
教官「こら!さっさとしろノロマ共!」
教官「訓練の時間だぞ!」
クリスタ「……ほら」
クリスタ「早く行こ?」
ジャン「……? お、おう」
おしまい - 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 22:57:56.94 ID:JKFkGeZu0
- 乙
ジャンかっこいい - 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/16(木) 23:04:47.27 ID:SXJnXy1HO
- >>1乙
ほのぼのしたのも良いな
104期生は全員好きだわ - 144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/17(金) 00:15:25.29 ID:3HEOGuFY0
- 乙
日常の一コマ系っていいよな

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