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アルル「ルルーは、やっぱりサタンのことが好きなの……?」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:31:21.18 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「ふふ、カレーたくさん作っちゃったわ。サタン様におすそ分けに行きましょ」

アルル「あ、ルルー!」

ルルー「あら、アルルじゃない。どうしたの?」

アルル「えへへ、特に用はないけど、ルルーを見かけたから声をかけたくなって」

ルルー「あらそう……それじゃ、私はこれからサタン様のもとにカレーを持っていくんだけど、一緒に来る?」

アルル「えっ……サタンのところに?」

ルルー「そうよ。あなたがいれば、サタン様も態度が軟化するしね」

アルル「う、うん……いいよ、ルルーが、そうしたいのなら……」シュン

ルルー「? 急にしおらしくなっちゃって、変な子ね」

アルル「き、気にしないで!さ、さっそくいこっ?」




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:32:56.65 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「着いたわね」

アルル「相変わらず趣味が悪いお城だなぁ……」

ルルー「そうかしら?素敵なセンスだと思うけど」

アルル「……ルルーにとっては、そうだもんね」

ルルー「ふふ、今日こそサタン様に私のカレーを食べてもらえるかしら?」

アルル「ルルーは、やっぱりサタンのことが好きなの……?」

ルルー「何を言ってるのよ。好きじゃなきゃここまで来ないわよ?」

アルル「そっか、そうだよね」

ルルー「? まぁいいわ、行きましょ♪」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:34:10.56 ID:P9Mz+G9G0
~サタンの居室~

ルルー「サタン様ー♪」

サタン「げっ、ルルー!?」

ルルー「サタン様ぁ……お会いしたかったですわ!」

サタン「は、ははは……それはよかったな……ん?」

アルル「……」

カーバンクル「ぐぅ」

サタン「おおっ、我が妃に、カーバンクルちゃんも来ていたのか!」

アルル「……やぁ、サタン。言っとくけどボクはキミの妃になんかならないから」

カーバンクル「ぐうっ!」

サタン「ふふ、照れなくともよいのだぞ?なんせ私の妃なのだ」

ルルー「サタン様……そっけないアルルよりも、このルルーをあなたの妃にしませんか?」

アルル「!?」


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:37:34.76 ID:P9Mz+G9G0
サタン「ぐっ……!?う、そ、それは考えておこう」

アルル「……」ホッ

ルルー「考えておいてくださるのですね!サタン様、私、とっても嬉しいですわ!」

サタン「あ、あぁ……そのうち、考えておくぞ。考えるだけ、な……」

ルルー「あ、そうだサタン様……実は、今日はあなたの為に、カレーを作って来たんです。どうか、お召し上がりになってください!」

サタン「な、なんだと……ルルーのカレーだと?ちょっと、遠慮させてもら」

アルル「……サタン?ルルーが作ってくれたカレーを食べないなんて……ボク怒るよ?」

サタン「うっ……し、仕方がないなぁ!我が妃の頼みだ、慎んでいただこう!」

ルルー「まぁっ!うれしいですわ!」

サタン「それでは、覚悟して……」モグモグ

ルルー「ど、どうですの?お味の方は」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:38:35.66 ID:P9Mz+G9G0
サタン「……ま、まず」

アルル「……」ギロッ

サタン「……う、う、うまいぞ、ルルー?」プルプル

ルルー「ほっ……お口にあったようで、安心いたしましたわ」

アルル「ルルー、食べてもらって、満足したでしょ?もう帰ろうよ!」グイッグイッ

ルルー「えっ、ちょっと、アルル!押さないでよ!」

アルル「じゃーねサタン!」

サタン「あ、ちょ……ちょっと、待て、我が妃……うぷっ」プルプル


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:39:58.10 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「ちょっと、アルル!サタン様に挨拶できなかったじゃないの!」

アルル「ご、ごめん……」

ルルー「まぁ、いいわ……カレーは食べて貰えたし……それに」

アルル「……」

ルルー「サタン様、相変わらずとっても素敵だったわ……」

アルル「……」

ルルー「しかも、私との結婚を考えておいてくれるって」

アルル「……」

ルルー「ふふ、嬉しいわ……って、アルル?さっきから押し黙っちゃって、どうしたの?」

アルル「なんでもないよ……」

ルルー「なんだからしくないわよ?そんな静かだなんて」

アルル「わかってるよ……」

ルルー「そんなんじゃ、サタン様に見捨てられちゃうわよ?」

アルル「……いいかげんにしてよっ!」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:40:56.12 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「ひゃっ!?な、なによ、いきなり怒鳴って」

アルル「ボクの気持ちも知らないで、ルルーはいっつもサタンサタンって!」

ルルー「あんたの気持ち……?やっぱり、あなたサタン様のことが好」

アルル「違うよっ!もう、ルルーなんて知らないっ!このばかぁ!」タッタッタ

ルルー「ば、馬鹿ですってぇ!待ちなさいアルル!」

ルルー「くっ……行っちゃったわ」

ルルー「それにしても、どうしちゃったのかしら……あんな怒ってるアルル、初めて見たわ」

ルルー「……なんだか私が悪いことしちゃったみたいじゃない」

ルルー「なんだかむしゃくしゃするわ……こういう時は、修行をするに限るわね」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:41:52.17 ID:P9Mz+G9G0
~ルルーの家~

ルルー「ただいまっ!」

ミノタウロス「あ、お帰りなさいませ、ルルー様」

ルルー「ミノ、早速だけど、相手をしなさい!」

ミノタウロス「へ!?い、いきなりどうしたんです!?」

ルルー「つべこべ言わず、付き合いなさい!」

ミノタウロス「は、はい!わかりました!」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:43:02.16 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「えぃっ、やぁっ……とぉりゃぁぁああああっ!」ドゴォッ

ミノタウロス「ぶごぉっ!?……ルルー様、もう無理です……!」

ルルー「もう終わり?なっさけないわねぇ……それにしても、調子悪いわ」

ミノタウロス「あ、あれで調子悪かったんですか?」

ルルー「そうよ、いつもより技のキレがなかったでしょ?……もしかして、そんなこともわからなかったの?」

ミノタウロス「も、申し訳ありません……ルルー様の技は、私から見ると速すぎて……」

ルルー「はぁ……仕方ないわね、今日はもういいわ。晩御飯にでもしましょうか」

ミノタウロス「は、はいっ」

ルルー(これじゃ、ちっとも気分が晴れないわ、まったく……)


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:44:14.50 ID:P9Mz+G9G0
~翌日~


パキスタ「いらっしゃりーの」

ルルー「あら、大根が安いわね……今日はおでんにでもしようかしら」

パキスタ「私はたべられないーの」

ルルー「あんたじゃなくて商品の方よ!」

アルル「こんにちはー」

ルルー「あ、アルルじゃない」

アルル「る、ルルー……!」

ルルー「昨日、あんたったらあんなに怒っちゃって、どうしちゃったのよ?」

アルル「……」プイッ

ルルー「な、なによ、無視?」

アルル「……」

ルルー「ふ、ふんっ、そっちがその気ならそれでいいわよ!パキスタ、はい、お金!」

タッタッタ


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:44:58.25 ID:P9Mz+G9G0
パキスタ「あ、ちょっと、お客さん!お釣り忘れてーの……行っちゃったーの」

アルル「……っ」ポロポロ

パキスタ「!? お、お客さん、泣いてるーの?」

アルル「うぅっ……ひっく……ご、ごめんなさい……」ポロポロ

パキスタ「ほ、ほら……人参おまけするから、元気だすーの!」

アルル「ありがと……ひっく」ポロポロ


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:46:09.88 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「……アルルったら、いったいなんなのよ!」

ルルー「私がなにか悪いことしたとでも言うの!」

ルルー「……ああもうっ、なんでこんなことで悩まなきゃいけないのよっ!」ドゴォ

ギィィィィ…… ズシャァ

ルルー「はぁっ、はぁっ……」

ドラコ「が、街路樹が……ルルー、荒れちゃってるね……」

ルルー「あら、あなたはドラコ……ちょうどいいわ、ちょっと相手してくれるかしらっ?」

ドラコ「え、ちょっとあたしはウィッチと待ち合わせしてて」

ルルー「そんなの後にしなさい!ちょっと話を聞いてもらうわよ!」ガシッ

ドラコ「そ、そんなぁ!」ズザザザ


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:47:13.68 ID:P9Mz+G9G0
~喫茶店ももも~

ももも「ご注文はなににするのー?」

ルルー「コーヒー二つで」

ドラコ「えっと……じゃあ、ショートケーキください」

ももも「かしこまりましたのー」

ドラコ「それで、ルルーどうしたの?」

ルルー「アルルが、私のこと避けてるみたいなの」

ドラコ「えっ、な、なんでさ!?」

ルルー「昨日、アルルに会った時にこんなことがあって……」

~かくかくしかじか~

ドラコ「……なるほど」

ももも「お客さん、コーヒー二つとショートケーキなのー」

ルルー「あら、ありがとう」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:48:25.98 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「それで、話の続きだけど、なんでアルルが私に対してこんな態度をとるのか、わからなくて困ってるのよ……」

ドラコ「うーん……」ズズー

ドラコ「あちちっ……話の流れからすると、アルルはルルーがサタンの話ばかりするのが気に入らないってことかな」

ルルー「サタン様の話をするのが気に入らない?」

ドラコ「うん、例えば、アルルがサタンのことを好きだったりとか……」

ルルー「それはないわ。昨日問いただしてみたら違うって言ってたし……そもそも、今までの態度からしてそれはないわね」

ドラコ「うーん……となると、もしかして……」

ルルー「なにか、心当たりあるの?」

ドラコ「いや……これ言っちゃっていいのかなぁ」

ルルー「もう、じれったいわね!言いなさいよ!」

ドラコ「わ、わかったよ、言うから……あの、あくまで予想の話だからね?」

ルルー「わかってるわよ!こっちはそれですごく悩んでるんだから!」

ドラコ「アルルは、ルルーのことが、好きなんじゃないかなって」パクッ

ルルー「……へ?」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:49:50.67 ID:P9Mz+G9G0
~公園~

アルル「……」ぐすっ

ウィッチ「ドラコさんったら、待ち合わせの場所に来てないじゃありませんの!……あら?」

アルル「……」

ウィッチ「おいっす、アルルさん。そんな黄昏てどうしたんですの?」

アルル「ウィッチ……」

ウィッチ「らしくないですわよ。あなたはもっと元気じゃないと」

アルル「ほっといてよ……ぐすっ」

ウィッチ「……何かあったのなら、私が相談に乗りますわよ?」

アルル「ありがとう……でも、今はそっとしておいて……」

ウィッチ「そう、ですの……それじゃ、しばらくここのベンチで寝っころがってるので、相談したくなったら、乗ってあげますわ」ゴロン

アルル「うん……」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:50:41.10 ID:P9Mz+G9G0
ウィッチ「ふわぁーあ……それにしても、ドラコさん、いったいどこで道草食ってるのやら……」

アルル「……」

ウィッチ「待ち合わせをすっぽかすなんて、どういう神経をしてるのかしら……」ブツブツ

アルル「……ウィッチはさ」

ウィッチ「ん?」

アルル「好きな人が、自分じゃない人を好きだったら、どうする?」

ウィッチ「……ははーん、恋煩い、ですわね」

アルル「ウィッチ、真面目な話だよ」

ウィッチ「ごめんあそばせ……そうですわね」

ウィッチ「もしそうなったら、意地でも自分の方を見てくれるように、少しでも多くアピールしますわ」

アルル「……ウィッチは、強いね」


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:51:56.30 ID:P9Mz+G9G0
ウィッチ「とんでもないですわ。ただ、我慢ができない子供のようなものなのかもしれませんし」

アルル「そうか、アピールかぁ……でも、ボクの好きな人は」

ウィッチ「?」

アルル「女性、だからなぁ」

ウィッチ「……ほんとですの!?」

アルル「うん」

ウィッチ「……アルルさん、ひとつだけ言っときますけど……」

アルル「?」

ウィッチ「相手が女性だからって、遠慮する必要はないですわ」

アルル「そ、そう?」

ウィッチ「現に私だって……いや、私の話はやめましょう。とにかく、そんなことであきらめちゃだめですわよ!」

アルル「ふふ、ありがとうウィッチ……少しだけ元気が出たよ」

ウィッチ「それでこそアルルさん、ですわ。元気のないアルルさんなんて柄のない箒みたいですもの」

アルル「くすっ、なにそれ」

ウィッチ(ほっ、アルルさん、やっと笑ってくれましたわね……まったく)


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:53:04.97 ID:P9Mz+G9G0
~喫茶店ももも~

ルルー「好き……!?」

ドラコ「うん、好き」モグモグ

ルルー「……ま、まぁ、アルルは私の妹みたいなものだしね!」

ドラコ「ルルー?」

ルルー「だから、家族みたいなもの……だから好きでも問題ないわよね!私も好きだし!」

ドラコ「あの……あたしが言いたいのは、そういう『好き』じゃなくて、恋愛的な意味での『好き』だよ」

ルルー「……マジ?」

ドラコ「うん、マジ」

ルルー「……」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:54:09.44 ID:P9Mz+G9G0
ドラコ「ま、まぁ、あくまでも予想だから……」

ルルー「そ、そう……アルルが、私のことを……ね……」

ドラコ「ね、ねぇ?予想の話だよ?本気にしなくとも」

ルルー「ドラコ、いいのよ……多分、あなたの予想は当たってるわ」

ドラコ「なにか確証があるの?」

ルルー「えぇ、私だってサタン様に恋する乙女ですもの……」

ドラコ「ルルーは乙女って感じじゃないような」

ルルー「うふふ……なにか言ったかしら、ドラコ?」ゴゴゴゴゴ

ドラコ「ひぃっ!?な、なんでもないですっ!」

ルルー「そう、ならいいのよ……発言には気を付けることね」シュゥン

ドラコ「は、はいっ……」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:55:26.19 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「話を戻すわね……私はサタン様のことをお慕いしているわ。でもサタン様はアルルのことばかり求めておられて……」

ドラコ「ああ、そういえば、そうだよね」

ルルー「最初は、アルルに対して、ものすごく嫉妬してた……でもね、ある時感情の矛先がアルルじゃなくて、サタン様の方に向かっていったの」

ドラコ「どういうこと?」

ルルー「私が、こんなにサタン様のことをお慕いしているのに、アルル、アルル、ってアルルのことばかり……ちょっとだけ怒りを覚えたの」

ドラコ「それって……つまり昨日のアルルと」

ルルー「そう。おんなじよ……だから、あなたの予想はきっと合っていると思うわ」

ドラコ「それで……これから、ルルーはどうするの?」

ルルー「……ひとまず、アルルに会いに行ってみるわ。とにかく、恋愛感情云々は抜きにして、今は仲直りしたいもの」

ドラコ「そうだね、このままじゃ、お互いによくないもんね」

ルルー「そうね。それにアルルに避けられるのは、私もちょっと寂しいし……」

ドラコ「ふーん……ところで、ルルーはアルルに恋愛感情抱かれてることについては、どう思ってるのさ?」

ルルー「え?」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:56:13.93 ID:P9Mz+G9G0
ドラコ「ルルー自身はどう感じてるかって」

ルルー「そ、それは……ま、まぁ好かれるのなら、男女関係なくとも、嬉しいものじゃない?」

ドラコ「つまり、ルルーはアルルに好かれて満更でもない、と」ニヤニヤ

ルルー「う、うるさいわねっ!」

ドラコ「いっそのこと、アルルと付き合っちゃったら?」

ルルー「そ、そんなことできるわけないでしょ!だって!」

ドラコ「女同士だからっていうのは、なしだよ?」

ルルー「うっ……そ、その……」

ドラコ「大事なのはさ……相手の性別じゃなくて、自分が相手自身をどう思っているか、でしょ?」

ルルー「……そうね、あなたの言う通りかもしれないわ」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:57:17.99 ID:P9Mz+G9G0
ドラコ「ね、だから、アルルのことも、真剣に考えてあげてね」

ルルー「うん……ありがとうね、ドラコ。あなたに相談してよかったわ」

ドラコ「ふふ、あたしは二人のことを応援してあげるよ?」

ルルー「い、今は気持ちだけでいいわよ、それは……」

ルルー「あ、ももも。これお勘定ね」

ももも「ありがとなのー」

ルルー「それじゃあね、ドラコ。私、さっそくアルルのとこに行ってくるわ!」タッタッタ

ドラコ「うん、行ってらっしゃい」

ドラコ「……ふぅ」

ドラコ「まさかアルルがルルーのことを好きだなんて、びっくりだよ……アレ?」

ドラコ「……あぁっ!?やばっ!ウィッチとの約束を忘れてたーっ!」ガーン


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:58:06.94 ID:P9Mz+G9G0
~公園~

ウィッチ「~ということなんですの」

アルル「へぇ、その魔法薬にはそんな効果があったんだ」

ウィッチ「まだ試作段階なので、実用には至りませんが……」

アルル「ウィッチって物知りだねぇ」

ウィッチ「私は知識ばかりですわ。魔法の腕前に関してはあなたの方が数倍上でしてよ?」

アルル「えへへ……ありがとう、ウィッチ。キミと話してて、だいぶ気持ちが軽くなったよ」

ウィッチ「あまり思いつめてもよくありませんからね」

アルル「うん、とりあえず、今日は家に帰ってゆっくり考えてみるよ」

ウィッチ「それがいいですわ」

アルル「それじゃあ、またね、ウィッチ……」

ウィッチ「ええ……行っちゃいましたわね……いつか、実るといいですわね、アルルさんの恋」

ウィッチ「さぁーって……まだ来ないなんて、あのダメドラゴン娘はどこをほっつき歩いているのかしら?」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 22:59:10.34 ID:P9Mz+G9G0
~アルルの家~

アルル「ふぅ……」

カーバンクル「ぐ、ぐぅ……?」

アルル「あ、カーくん……大丈夫だよ」

カーバンクル「ぐぅ」

アルル「ウィッチが慰めてくれたから、少し楽になったんだ」

カーバンクル「……」

アルル「でもやっぱり、ボクとルルーは女同士だし……それに、ルルーにはサタンっていう大事な想い人もいるから……」

アルル「だから、ボク、ルルーのことはあきらめるよ」

カーバンクル「ぐ、ぐぅ」

ガチャ

ルルー「あきらめるのはまだ早いんじゃないかしら」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:00:19.10 ID:P9Mz+G9G0
アルル「え……!?る、ルルー!?な、なんでキミがここに!?」

ルルー「そんなことは後よ……あなたは好きな人に想い人がいるくらいで、あきらめちゃうのかしら?」

アルル「ルルー……」

ルルー「私の知ってるアルルはもっと芯が強かったはずだけど?」

アルル「ルルー……聞いてたでしょ?ボク、もういいんだ……」

ルルー「はぁ……なっさけないわねぇ」だきっ

アルル「えっ!?」ドキッ

ルルー「あら、あなたあきらめるんじゃなかったの?胸がすごいドキドキしてるわよ?」

アルル「だ、だってルルーが、いきなり抱きしめてきて!」かぁぁ

ルルー「……アルル、可能性がないわけではないのよ?」ナデナデ

アルル「え?」

ルルー「想い人がいるから……女同士だから……そんなの、些細なことでしかないわよ」

アルル「で、でも……今日、ルルーのこと、無視しちゃったし……」

ルルー「そのくらい気にしてないわよ……それに、あなたの気持ちもよくわかるもの」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:01:20.89 ID:P9Mz+G9G0
アルル「……サタンのことは、いいの?」

ルルー「あら、サタンサタンって言われるのは嫌じゃなかったのかしら?」

アルル「そ、それは……確かに、嫌だけど……知りたい、よ」

ルルー「そうね……私の中で、サタン様はやっぱり大きな存在だわ」

アルル「やっぱり……」

ルルー「でもね、あなたの存在も大きなものなのよ?」

アルル「えっ?」

ルルー「だから……これからのあなた次第よ、アルル」

アルル「……!」

ルルー「もしかしたら、あなたの存在の方が大きくなることもあるかもしれないわ」ナデナデ

アルル「ボクの、存在が?」

ルルー「そう、だから、そんなに落ち込まないで」

アルル「う、うん……ねぇ、ルルー?」

ルルー「なにかしら?」

チュッ


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:02:37.21 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「」

アルル「え、えへへ……これで、ボクの存在、大きくなったかな?」

ルルー「な、なっ~~~!////」カァァ

アルル「ルルー……?顔真っ赤だよ?」

ルルー「な、何してんのよ、あんたはっ////」

アルル「あはは、ごめんごめん、嬉しくて、つい……」

ルルー「し、心配して来てあげたのに!今日のところはもう帰るわっ!」

アルル「ルルー、良かったら泊まってかない?」

ルルー「だ、だ、誰が泊まっていくもんですかぁっ!馬鹿っ!」

バタンッ


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:03:31.41 ID:P9Mz+G9G0
アルル「ありゃりゃ、逃げられちゃった……」

アルル「でも……ルルーの中で、ボクもちゃんと存在してたんだ……」ジワッ

カーバンクル「ぐ?」

アルル「ふふっ、カーくん……ボク嬉しいよ……嬉しくて涙が止まらないや」ポロポロ

カーバンクル「ぐぅぐぅ」ポンポン

アルル「えへへ、ありがと……でも、泣いてなんかいられないよね」ゴシゴシ

アルル「こうなったら、絶対ルルーをボクに振り向かせてやるんだから!」

カーバンクル「ぐっぐぐぅっ!」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:05:10.46 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「ま、まさかアルルにあんなことされちゃうだなんて」

ルルー「……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チュッ

アルル「え、えへへ……これで、ボクの存在、大きくなったかな?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ルルー「っ~~~!////」ブンブンブンッ

ルルー「な、何を思い出してるのよ!」

ルルー「まだ!まだ、サタン様の方が私の中では大きい、はずよ!」

ルルー「でも、アルル……あなたは……」

ルルー「はぁ、悩み、また増えちゃったわ」

ギャーギャー

ルルー「ん……?あそこで言い争いしてるのは……ドラコとウィッチ?」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:06:17.92 ID:P9Mz+G9G0
ドラコ「だ、だからごめんって……ルルーに捕まっちゃっててさ」

ウィッチ「許しませんわよ!だいたい断ればいいじゃないですの!」

ドラコ「そ、そんなこと言ったって、強引に……」

ウィッチ「ご、強引に……?ど、ドラコさん、なんか変なことされたんですの!?」

ドラコ「ああもうっ、そんなんじゃないってば!ちょっと相談を聞いていただけだってば!」


ルルー「今は出て行かない方がいいわね……そこの茂みにでも隠れてましょ」


ウィッチ「う、嘘ですわ!それじゃなきゃ、そんなに顔が紅潮してるはずありませんもの!」

ドラコ「いや、これは急いで走ってきたからだってば……」

ウィッチ「ドラコさんの変態!女なら誰だっていいんですね!」

ドラコ「……ウィッチ、あたしのこと、信じられない?」

ウィッチ「そうですわ!少なくとも今は信じられませんわ!」

ドラコ「そう、これでも?」

ウィッチ「ふん、なんですの……!?」

チュッ


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:07:09.40 ID:P9Mz+G9G0
ルルー(!?)


ドラコ「ん──むぅ──」

ウィッチ「──」

ドラコ「ぷはっ、どう?」

ウィッチ「ど、ドラコさん……不意打ちは卑怯でしてよ////」

ドラコ「でも、これであたしのこと、信じてくれる?」

ウィッチ「……////」コクリ

ルルー(あ、あの二人、そんな関係だったなんて!)

ルルー(……女同士ってことで、こだわるのは、やっぱり間違いのようね)

ルルー(どちらにしても、これ以上の覗き見は無粋ね。早々に立ち去りまし)

パキッ

ルルー(!? な、なんでこんなとこに都合のいい小枝が!)


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:08:12.92 ID:P9Mz+G9G0
ウィッチ「だ、誰ですの!?」

ルルー「……にゃーん」

ドラコ「なんだ猫か」

ウィッチ「猫なら仕方ないですわね」

ルルー(ほっ、二人とも馬鹿で助かった……)


ウィッチ「なーんて騙されるとでも思って?」ガシッ

ルルー「きゃあっ!?」

ドラコ「あれ、ルルーじゃん……って、あぁっ!?」

ルルー「な、なによ!」

ドラコ「も、もしかして、さっきの見ちゃった?」

ルルー「……え、えぇ」

ウィッチ「の、覗き見なんて、趣味が悪いですわよ!」

ルルー「覗き見も何も……道のど真ん中で、そういうことするあなた達もどうかと思うけど?」

ウィッチ「うっ、そ、それは……////」

ドラコ「く、悔しいけど言い返せない……////」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:09:08.70 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「まあ、でも……あなた達のおかげで、少しは悩みが軽くなったわ」

ドラコ「……やっぱりアルルとのこと?」

ルルー「そうよ」

ウィッチ「話が、よく分からないのですが……」

ルルー「ドラコ、ウィッチに説明してあげて。私は、今日はいろいろあって疲れたから、帰らせてもらうわ」

ドラコ「うん、わかったよ。それじゃあね……あ、ルルー?」

ルルー「なに?」

ドラコ「あの、さっき見たことは、秘密だからね?」

ルルー「安心なさい、こんなこと言いふらすたちじゃないわよ……それにあなたにはお世話になったし」

ウィッチ「お世話にって……やっぱりドラコさん、ルルーさんといかがわしいことをやって来たんですわね!」

ドラコ「だぁぁっ!どうしてそうなるの!」

ルルー「ふふっ、二人とも仲がいいわね……それじゃあね」

ドラコ「あ、待ってよルルー!誤解を解くのするの手伝ってよー!」

ウィッチ「こうなりゃお仕置きですわね……鞭で叩こうかしら?それとも蝋燭で……」

ドラコ「ひ、ひぃぃ……勘弁してよ……」


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:09:59.71 ID:P9Mz+G9G0
~ルルーの家~

ガチャ バタン

ルルー「ただいまー」

ミノタウロス「お帰りなさいませ、ルルー様」

ルルー「今日は、いろいろあって疲れたわ。しばらく寝るから、晩御飯の時間になったら起こしてちょうだい」

ミノタウロス「わかりました」


~ルルーの部屋~


ルルー「ふぅー……」ドサッ

ルルー「……やっぱりアルルの顔が、頭から離れないわ」

ルルー「でも……私の中では、まだサタン様がいるし……」

ルルー「……こういう時は、何も考えずに寝るのが一番だわ!」

ルルー「よしっ、寝るわよっ!」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:10:46.89 ID:P9Mz+G9G0
ルルー「……」

ルルー「…………」

ルルー「……………………」

ルルー「………………………………………………眠れないわ」

ルルー(羊でも数えてみようかしら?)

ルルー(バロメッツが一匹……バロメッツが二匹……)

~~

ルルー(バロメッツが百六十九匹……バロメッツが……百七十……ぴ…き…)

ルルー「……すぅ……すぅ」スヤァ



─────────────────

───────────

─────


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:11:39.59 ID:P9Mz+G9G0
アルル「ねぇ、ルルー……」

ルルー「なによ?」

アルル「その、さ……ボクたち、付き合ってから結構経つよね……」

ルルー「そうね……」

アルル「でも、ボクたち、まだ……キス以上のことは、してないよね」

ルルー「キス以上のこと…… ……!?」

ルルー「な!?あ、あんた何言って!」

アルル「ルルー……キミが、欲しい」

ルルー「あ、アルル……」

アルル「ルルー……服、脱がすね」

ルルー「だ、ダメよ……!まだ、私、覚悟が……!////」

アルル「ごめん……ボク、もう我慢できないんだ」

ルルー「や、あぁっ……!アルル、だめっ!」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:12:41.51 ID:P9Mz+G9G0
─────

───────────

─────────────────

がばっ

ルルー「」

ルルー「はぁ、はぁ、ゆ、夢……」

ルルー「私、なんて夢見てんのよ……!////」

ルルー「……アルルと、あんなことを////」

ルルー「……じゃなくて!もうっ!」ムギュー

ルルー(私、これじゃ、アルルにぞっこんみたいじゃないの!////)ジタバタ


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:13:36.12 ID:P9Mz+G9G0
コンコン ガチャ

ミノタウロス「ルルー様、晩御飯の用意ができまし……なにしてるんです?」

ルルー「はっ!?」

ミノタウロス「あのー、枕に顔を埋めて、じたばたして、何を……」

ルルー「~~~~っ!勝手に入ってくるんじゃないわよ!このバカウシ!」ドゴォ!

ミノタウロス「ぶもぉっ!?そ、そんな、理不尽な……!」バタッ

ルルー「ふぅ……まったく……」

ルルー(アルル……私、もしかしたらすでにあなたに……)

ルルー「うぅ……もう惚れちゃってるのかも……////」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:15:00.75 ID:P9Mz+G9G0
~それから一週間後~

サタン「さーて、今日こそ我が妃とカーバンクルちゃんを私の城に連れて帰るぞ!」

サタン「そしてゆくゆくは、星空のハネムーンでエキゾチックな夜を……むふふ」ダラー

サタン「お、おっと闇の貴公子たる私が、よだれを垂らすなど、はしたなかったな」

サタン「待っててねー、我が妃ぃーん♪」



~アルルの家~

サタン「さーて……服装を正して……ん?」

ミノタウロス「……」シクシク

サタン「おい、ミノタウロス、なんでお前がここにいる?」

ミノタウロス「あ、あなたはサタン様……うぅっ」

サタン「なぜ、玄関の前で泣いているのだ?」

ミノタウロス「……そこの窓から、中を覗いてみればわかります……」グスッ

サタン「ふむ、なら覗いてみるか……」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:16:11.32 ID:P9Mz+G9G0
「はい、ルルー、あーん♪」

「あ、あーん……このケーキ、なかなかおいしいじゃないの」

「でしょ?ルルーの為に早起きして作ったんだ!」

「私の為に……アルル、あなたはほんと可愛いわね」ぎゅっ

「えへへ……ボク、こうやってルルーに撫でられるの、好きなんだ」

「私も、あなたをこうして抱きしめて、撫でていると心が安らぐの」

「ね、ルルー……なでなでだけじゃなくて、さ」

「もう……仕方ないわね。こっち向いて?」

「う、うん」

チュッ

「えへへ……ルルー、大好き!」

「私もよ……アルル」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:17:13.13 ID:P9Mz+G9G0
サタン「」

ミノタウロス「……ね、わかったでしょう?」

サタン「う、嘘だろ……」

ミノタウロス「うぅっ、ルルー様ぁ……」シクシク

サタン「アルルぅ……」シクシク


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:18:34.58 ID:P9Mz+G9G0
シェゾ「さぁて、今日こそアルルの魔導力を貰いに……」

サタン「」シクシク

ミノタウロス「」シクシク

シェゾ「な、なんだあいつら……」

サタン「ん、そこにいるのは……!」

サタン「シェゾォッ!!!」

シェゾ「な、なんだよ!?」

サタン「ちょっと憂さ晴らしに付き合え、飲みに行くぞッ!!」

ミノタウロス「嫌とは言わせんぞ、モォッ!」

シェゾ「わわっ、ちょ、ちょっと待った!俺はアルルの魔導力を!」

サタン「今行っても、絶望するだけだ!さぁ、飲むぞッ!」

ミノタウロス「うおおおおおおおおっ、ルルー様あああああああああっ!」

シェゾ「お、おい、引きずるなお前ら!や、やめろぉっ!」ズルズル


~おしまい~


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:19:59.84 ID:R4zcz0D0P
魔導SSはいいものだ


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:20:13.29 ID:Crwtey9D0
GJ!

百合も好きだがサタンさまも嫌いじゃないから胸が痛むな
乙おつ


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:20:39.57 ID:Pxarc+IM0

ぷよぷよの百合スレちょくちょく経つけど毎回超いい塩梅の百合加減で素晴らしい


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/24(金) 23:21:16.71 ID:P9Mz+G9G0
以上で終わりです
駄文ながら読んでくださった方々ありがとうございました

もっとぷよぷよ系のSSもっと増えないかな


元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1369402281/


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 「魔導物語・ぷよぷよ」カテゴリの記事


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  1. 2015/05/23(土) 00:49:41

    最後のサタンが一番萌えた


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