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雪歩「LOST」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:24:20.28 ID:nO8YoHBp0
- ―765プロ事務所 屋上
雪歩「…」
P「…」ガチャ
P「…ここにいたか」
雪歩「あ、プロデューサー」
雪歩「ふふ、主役が抜けてきていいんですか?」
P「主役はおれじゃないさ」
雪歩「…そうですね。プロデューサーはいつもそう言うんです」
雪歩「『がんばったアイドルの力だ!』って…ふふ」
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:27:17.09 ID:nO8YoHBp0
-
P「…」
雪歩「改めて…IA大賞受賞、おめでとうございます」
P「ああ…ありがとう」
雪歩「…」
雪歩「なんだか懐かしくなっちゃいました…」
P「…」
雪歩「…プロデューサー、覚えてますか?」
P「…なにをだ?」
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:27:56.27 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「私が…最後の日、プロデューサーに」
雪歩「ここで歌を歌ったこと…」
P「…忘れるわけないさ」
雪歩「ふふ、嬉しいです」
P「…」
雪歩「ねえ、プロデューサー?」
P「…」
雪歩「私を…プロデュースしてくれませんか?」
- 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:30:09.76 ID:nO8YoHBp0
-
―出会いの日
P『初めまして、今日から君をプロデュースすることになった!』
雪歩『…ええ!?』
雪歩『ぷ、ぷろでゅーす…プロデューサー、さん?』
P『ああ、今日から君のプロデューサーだ!』
雪歩『…ええと、あの、その…!』
P『?』
雪歩『ふ!ふつつかものですが!がんばりますぅ!』
雪歩『がんばりますので!』
P『あ、ああ…がんばろうな』
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:31:20.03 ID:nO8YoHBp0
-
―出会いから一日後
雪歩『挨拶なんて無理ですよぅ…』
P『ってもなぁ…やっぱり営業先に挨拶ぐらいはできるようにならないと』
雪歩『うう…やっぱりこんな私じゃ…私なんか…』
P『ちょ、ちょっと…萩原…さん』
雪歩『穴!掘って!!』ジャキン!
P『!?』
雪歩『埋まってますぅぅぅぅぅうううう!!』ザクザクザクザク…
- 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:32:37.65 ID:nO8YoHBp0
- ・
・
雪歩『で、電話ならなんとかだいじょうぶでしたぁ!』
P『うんうん!そうやって少しづつでいいから頑張ろうな』
雪歩『はい』
P『じゃ、戻ろうか萩原さん』
雪歩『あの!…ゆ、雪歩…で』
P『…え?』
雪歩『雪歩って…名前で、いいですぅ…』
P『…じゃ、戻るか雪歩』
雪歩『…はい!』
- 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:34:21.45 ID:nO8YoHBp0
-
―1ヶ月後
雪歩『ぷぷぷぷぷ、ぷろっ…』
P『お、落ち着け雪歩』
雪歩『むむむ、無理ですぅ!』
P『あちゃー…』
P『…!』
P『雪歩!』
雪歩『ぅ…はい…』
P『あのな…最初の一曲はおれのために歌ってくれないか?』
- 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:36:03.89 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩『…は…え?』
P『MCもなにもいらん。取りあえずステージに出たらいきなり一曲歌ってくれ』
P『おれが観客席にいる。おれの姿を探しておれを見ながら歌うんだ』
雪歩『そ、それで…』
P『それで大丈夫だ。歌ってるうちに落ち着く』
雪歩『ほほ、ほんとですかぁ?』
P『大丈夫。おれを見て、いつものように歌うんだ…できるな?』
雪歩『は、はいぃ…』
P『一曲終わる頃にはステージに慣れてるさ…よし!』
P『いけ!雪歩!ステージデビューだ!』
雪歩『は、はい!行ってきます!!』
- 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:37:14.14 ID:nO8YoHBp0
- ・
・
P『やったな!雪歩!』
雪歩『はい!やりました!私ちゃんとできました!私…あれ?』ペタン
P『はは、今になって足の力が抜けたか?』
雪歩『えへへ…私まだドキドキしてますぅ!』
P『…そうか』
雪歩『みんなが声援をくれて、私の声に応えてくれて…』
雪歩『私、アイドルやってよかったですぅ!!』
P『…そうか!』
P『今日のライブは成功だ!大成功だよ!』
雪歩『プロデューサー…はい!ありがとうございますぅ!』
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:38:13.63 ID:nO8YoHBp0
-
―5ヶ月後
P『雪歩!この前のシングル…』
P『初動の売り上げが30万枚突破したんだ!』
雪歩『えーと…』
雪歩『それって…すごいんですか?』
- 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:39:50.18 ID:nO8YoHBp0
-
―6ヶ月後
P『すまん…』
雪歩『もぉ~なんでプロデューサーが謝るんですかぁ』
雪歩『まあぎりぎりトップ30に入れなかったのは残念ですけど…』
雪歩『でも私、そんなに落ち込んでませんよ?』
P『…』
雪歩『…正直、プロデューサーに初めて会ったころは』
雪歩『やっぱり私にはアイドルなんて無理なんだって思ってたんです』
P『え…?』
- 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:42:48.30 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩『でもプロデューサーに会って、よし頑張ろうって…思ったら』
雪歩『今度は社長に、一年間でIA大賞を取るべし!なんて言われて…』
雪歩『そんなの絶対無理ですぅ!ってまた落ち込んじゃったんです』
雪歩『でもそんな私をプロデューサーはいつも励ましてくれて…』
雪歩『プロデューサーの言うとおりに頑張ってたらお仕事も増えてきて…』
P『雪歩…』
雪歩『プロデューサーのやっていることは間違ってません!わかってるから私は落ち込んでないんです!!』
雪歩『だからプロデューサーも落ち込まないでください!』
P『雪歩…ああ、わかったよ』
P『…ありがとな』
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:44:17.30 ID:nO8YoHBp0
-
―7ヶ月後
高木『祝!萩原雪歩くんアイドルアカデミー大賞ノミネート!』
『おめでとー!かんぱ~い!!』
P『よし、これからが本番だな!』
雪歩『はい!あの…プロデューサー?』
P『ん?』
雪歩『あ、あのもし…もしですけど私たちがIA大賞を取ることができたら…』
雪歩『取れたら…私のことを…その…ずっと…!』
高木『…君ぃ、ちょっといいかね?』
P『あ、はい!…雪歩すまん、あとでな』
雪歩『は、はぃ…』
- 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:45:22.85 ID:nO8YoHBp0
-
―8ヶ月後
雪歩「す、すいませぇん…」
P「いいって…次は気を付けような」
雪歩「はい…やっぱりプロデューサーがいないとだめですね…えへへ…」
P「…」
P「雪歩、話がある……」
- 15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:46:14.21 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「……海外…けん、しゅう……?」
P「…」
- 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:47:19.95 ID:nO8YoHBp0
-
―9ヶ月後
雪歩「すいません…」
P「…この前も同じミスだったな?」
雪歩「…そ、そうでしたか?」
P「…雪歩」
雪歩「…」
雪歩「…私、やっぱりプロデューサーがいないと…じゃないと…」
P「…」
- 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:48:31.49 ID:nO8YoHBp0
-
―10ヶ月後
雪歩「ダメ…!ダメです…やっぱりプロデューサーがいなくなるって考えると…うぅ…!」
P「雪歩…」
雪歩「だって…だって私、プロデューサーのことぉ…!」
P「雪歩!」
雪歩「…!!」
P「それ以上は言っちゃいけない…雪歩はアイドルなんだ」
雪歩「…そんなの!」
P「そしておれは…プロデューサーだ」
P「…プロデューサーなんだ」
雪歩「うぅ…うぐ……私…わ………!」
- 18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:50:17.86 ID:nO8YoHBp0
-
―11ヶ月後
P「トップアイドルにするっていう約束…守れなかったな」
雪歩「…」
P「…すまん」
雪歩「…行ってしまうんですね」
P「…すまん」
雪歩「…私、待ってます」
P「…」
雪歩「待ってますから」
- 19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:51:49.44 ID:nO8YoHBp0
-
―1年1ヶ月後
雪歩「あの、律子さん」
律子「ん…なぁに?」
雪歩「私に…アポの取り方とか、営業の仕方とか…」
雪歩「プロデューサーがやっていた仕事のことを教えてくれませんか?」
律子「…?」
- 20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:53:59.81 ID:nO8YoHBp0
-
―1年3ヶ月後
春香「雪歩、すごいね…」
雪歩「ん?なにが?」
春香「自分で仕事取ってきたり、スケジュール調整したり…」
雪歩「そうかな?」
春香「うん…私たちは律子さんにお願いしてるのに」
春香「でも、どうして急に?」
雪歩「…えへへ…ちょっとね」
- 21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:55:16.85 ID:nO8YoHBp0
-
―2年後
P「ただいま…かな」
雪歩「はい!お帰りなさい、プロデューサー!」
P「はは、変わらないな。なんだかホッとするよ」
雪歩「ふふ…それはよかったですぅ」
雪歩「あ、久々にお茶淹れてもいいですか?」
P「ああ、頼もうかな」
- 22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:57:11.48 ID:nO8YoHBp0
-
―2年1ヶ月後
P「雪歩、ちょっといいか?」
雪歩「はい?」
P「律子に聞いたんだが…」
P「仕事を取ってきたり、打ち合わせとかひとりでやってるらしいな?」
雪歩「はい」
P「なんでだ…プロデューサーがついたほうが…」
雪歩「ふふ…じゃあ、プロデューサーが私をプロデュースしてくれますか?」
P「それは…」
P「…」 - 23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 04:58:31.44 ID:nO8YoHBp0
-
―2年7ヶ月後
P「ドラマの方、無事クランクアップだな」
雪歩「はい。ありがとうございますぅ」
P「はは、『ありがとうございますぅ』か」
雪歩「あ…!うぅ…気をつけてるんですけど…」
P「まぁおれはその方が親しみがあっていいんだがな」
雪歩「えへへ…ねぇプロデューサー?」
雪歩「私をプロデュースしてくれませんか?」
P「…」
雪歩「…ふふ、いいんです」
雪歩「じゃあ私、もう少し挨拶してきますね」
P「ああ…」
- 24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:00:10.75 ID:nO8YoHBp0
-
―2年10ヶ月後
P「雪歩もハタチか…なんかあっという間だな」
雪歩「そうですねぇ…じゃあ20歳の記念に、私をプロデュースしてくれません?」
P「それハタチ関係あるか…?」
雪歩「ふふ…じゃあ今度お酒飲みに連れてってください」
P「…ああ」
雪歩「やったぁ!えへへ…楽しみだけど、なんだか変な感じがしますね、ふふ」
P「…そうだな」
- 25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:00:57.32 ID:nO8YoHBp0
-
―3年8ヶ月後
雪歩「そうですか…あずささんが」
P「ああ…」
雪歩「なんだか…やっぱり変わっていっちゃうなぁって…思います」
P「そうだな…」
雪歩「プロデューサー、私をプロデュースしてくれませんか?」
P「…」
雪歩「…そうですね。わかりました、えへへ…」
- 26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:01:55.19 ID:nO8YoHBp0
-
―3年11ヶ月後
雪歩「綺麗でしたね、千早ちゃん」
P「そうだな」
雪歩「来年度のプロデュース、私なんてどうですか?」
P「…それは」
雪歩「…そうですか」
雪歩「じゃあ、また今度言ってみたいと思います。気にしないでくださいね…えへへ」
P「…」
- 27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:03:40.18 ID:nO8YoHBp0
-
―4年3ヶ月後
美希「雪歩、さん?まだハ…プロデューサーに頼んでるの?」
雪歩「ん?うん」
美希「…正直、重いなって思うの」
雪歩「…あは、そうかもね。よく言われる」
美希「…」
雪歩「…でも、変わってくれないんだぁ」
雪歩「変わらないんだ、私の………困ったね、えへへ…」
美希「…かなわないの」
雪歩「え?」
美希「ううん、なんでもない」
美希「…」
美希「…かなわないなぁ」
- 28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:07:11.29 ID:nO8YoHBp0
-
―4年9ヶ月後
雪歩「今年もIA大賞ノミネートなんてすごいですねぇ」
P「はは、俺の力じゃないがな」
P「…美希は今度のIA大賞授賞式が終わったら、アイドル活動を控えていくってさ」
P「モデルの専門になるそうだ」
雪歩「…!知らなかった…です」
- 29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:08:25.31 ID:nO8YoHBp0
-
P「そう…するそうだ…」
雪歩「…プロデューサー、来年度の予定は決まってるんですか?」
P「いや…」
雪歩「それなら…」
雪歩「…」
P「…」
雪歩「…やっぱりなんでもないです…えへへ、気にしないでください」
P「雪歩」
雪歩「…はい?」
P「…もう少しだけ、時間をくれ」
- 30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:09:01.87 ID:nO8YoHBp0
-
―4年11ヶ月後
雪歩「…」
P「…」ガチャ
P「…ここにいたか」
雪歩「あ、プロデューサー」
雪歩「ふふ、主役が抜けてきていいんですかぁ?」
P「主役はおれじゃないさ」
雪歩「そうですね。プロデューサーはそう言うんです」
雪歩「『がんばったアイドルの力だ!』って…ふふ」
- 31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:09:45.23 ID:nO8YoHBp0
-
P「…」
雪歩「改めて…IA大賞受賞、おめでとうございます」
P「ああ…」
雪歩「なんだか懐かしくなっちゃいました…」
P「…」
雪歩「…プロデューサー、覚えてますか?」
P「…なにをだ?」
雪歩「私がいなくなってしまうプロデューサーに、」
雪歩「ここで歌を歌ったこと…」
P「…忘れるわけないさ」
- 32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:10:29.44 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「ふふ、嬉しいです」
P「…」
雪歩「ねえ、プロデューサー?」
P「…」
雪歩「私を…プロデュースしてくれませんか?」
P「…」
雪歩「ふふ、いいんですよ」
雪歩「私はいつまでも…」
- 33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:10:57.33 ID:nO8YoHBp0
-
P「雪歩」
雪歩「はい…?」
P「…」
P「…いろんなことがあったな」
雪歩「…そうですねぇ」
P「思えば1年目のおれはほんとに何もわからなかった」
雪歩「そうですか?私にとってはすごく頼もしかったですけど」
P「…わかってなかったよ」
P「まぁ今だから言えるのかもな」
雪歩「…」
- 34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:12:20.14 ID:nO8YoHBp0
-
P「…なぁ、なんで…自分で仕事を管理してるんだ?」
雪歩「わかってて聞いてませんか?」
雪歩「私のプロデューサーは…プロデューサー一人だからです」
P「…」
雪歩「美希ちゃんにも言われましたよ」
雪歩「『雪歩さんは重い』って」
雪歩「…やっぱり世間一般的に、私って『重い』んですかね?ふふふ」
P「…そうかもな」
雪歩「えへへ…実は自分でもそう思います」
- 35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:15:00.22 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「でも、変わってくれないんですよ」
雪歩「この気持ちは…変わってくれないんです」
雪歩「距離が離れても…何年経っても…」
P「…」
雪歩「だから、私だけは否定しないであげようって…そう思ってるんです」
雪歩「みんなに何か言われても…思いが届かなくても…私だけは」
雪歩「…あなたと過ごした…17歳の私の思いを」
P「…雪歩」
雪歩「あ、でもプロデューサーが『もう言わないでくれ』って思うなら今言っちゃってください」
雪歩「…思っているだけしますから」
- 36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:15:39.51 ID:nO8YoHBp0
-
P「…」
雪歩「…」
P「…ははは」
雪歩「む?笑うなんてひどくないですか?」
P「いや…」
P「雪歩は変わらないな」
- 37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:16:21.51 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「…そうですか?」
P「最初から何か…意志の強さみたいなのを感じたんだ。出会った時から」
P「…もうどのくらいになる?」
雪歩「…次に春が来たら、5年です」
P「5年…か」
雪歩「5年ですね」
雪歩「ふふ、すごく短かったです」
P「そう、感じるか?」
雪歩「はい。すごく幸せでしたから」
- 38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:16:58.93 ID:nO8YoHBp0
-
P「…」
雪歩「幸せでしたよ…私は」
雪歩「だからこれからも…」
雪歩「答えてくれなくてもいいんです。それでも…」
P「雪歩」
雪歩「…?」
P「待たせた…」
P「本当に待たせたな」
- 39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:18:05.38 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「ふふ、だからいいんですよ。例え応えてくれなくても、思っているだけで私は…」
P「雪歩を…」
P「…」
P「プロデュースさせてくれないか?」
雪歩「…」
雪歩「…え?」
P「すまない…」
P「おれは…17歳の時の雪歩よりも、子供だったみたいだ」
雪歩「…」
- 40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:19:15.56 ID:nO8YoHBp0
-
P「初めて会った時から…17歳の時から」
P「雪歩は大事なものが何か…きっとわかってたんだな」
雪歩「…」
雪歩「出会えてよかった…あなたで…」
P「雪歩…」
- 41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:19:42.63 ID:nO8YoHBp0
-
『出会えてよかった… あなたでよかった…』
雪歩(覚えてますか…あなたは初めて会った時から)
『「傍にいる」 それだけでただ嬉しくて… 笑ったときは 笑ってくれた…』
雪歩(私のことを気遣ってくれました)
- 42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:20:23.72 ID:nO8YoHBp0
-
『「一緒だね」 でも泣いた時は 抱いててくれた…』
雪歩(覚えていますか…あなたは初めて会った時からずっと)
『暖かなぬくもり 包まれてくやさしさ 私に喜びを 教えてくれた人』
雪歩(私を励まし続けてくれました)
- 43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:21:03.65 ID:nO8YoHBp0
-
『「あなたがすき」 いつからだろう ずっと傍にいたくて…』
雪歩(今の私がいるのは、全部あなたのおかげ…)
『甘えじゃなく 弱さじゃなく ねぇ…初めての恋でした』
雪歩(届かなくても、伝わらなくても、傍に居てくれるだけで―)
- 44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:21:31.77 ID:nO8YoHBp0
-
『「あなたがすき」 「あなたがすき」 ずっと言いたかったのに―』
雪歩(それだけでよかった…はずなのに)
『いつも言えなかった―』
雪歩(でも…それでもあなたには言葉にして言いたい。何度でも、何度でも―)
- 45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:22:22.78 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「「あなたがすき」 「あなたがすき」 ずっとずっとすきだから―」
P「…」
雪歩「今は泣いていいよね―」
雪歩「…」
雪歩「…う…………ひぐ…すいませ、っ……」
雪歩「なか…!……ながな、いっって………きめ…てた…ひっ…」
雪歩「…きめ…てたの、に……!」
雪歩「うぅぅ…」
- 46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:23:00.87 ID:nO8YoHBp0
-
P「…待たせた」
P「…本当に、長い間待たせてしまった」ギュ
雪歩「あ…」
P「すまん…あと、ありがとう」
雪歩「…ぅ…ひっぐ…ぁぁぁぁぁぁぁああ…」ギュウ
- 47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:31:40.38 ID:nO8YoHBp0
- ・
・
雪歩「…」
P「…」
雪歩「…プロデューサー」
P「…うん?」
雪歩「どうして…私をプロデュース…してくれる気になったんですか?」
P「…」
P「そうだな…いろいろ理由はある」
- 48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:33:39.44 ID:nO8YoHBp0
-
P「…前から雪歩の気持ちはなんとなくわかってたんだが」
P「雪歩はこれからどんどん伸びる子だと思っていたし、プロデュースしてた時はまだ17歳だったからな」
P「この先もおれ以上に素敵な人は現れる、それに」
P「…正直、おれに対する好意は憧れみたいなものだと思ってたんだ」
雪歩「…」
P「あとはまだまだプロデュースしなければならないアイドルもたくさんいたし」
P「…それも今年で終わりだ」
P「みんなもう仕事を取るんじゃなく、仕事が来るようにはできた」
雪歩「そうですね…だいぶみんな有名になりましたから」
- 49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:34:57.79 ID:nO8YoHBp0
-
P「とか…まぁ言葉にするといろいろあるんだが」
P「…単純にもう」
P「雪歩のことを、好きになってしまった…ってところかな」
雪歩「え…?」
P「はは…ハズい」
雪歩「…もう」
P「でも、きっと1年間活動した時からもう惹かれてたんだと思う」
P「でもプロデューサーとアイドルだからとか、他にも仕事が…とか」
P「雪歩の気持ちはきっと憧れみたいなものだとか」
P「…自分に言い訳をしてただけだったと思う」
雪歩「…」
- 52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:37:27.71 ID:nO8YoHBp0
-
P「でも…雪歩は変わらなかった」
P「何年経っても、距離が離れても、な…」
P「…さっきも言ったが、雪歩はわかってたんだろうな」
P「本当に、大切にするべきものを」
雪歩「…」
雪歩「…そうなんですかね」
P「ああ…多分な」
- 53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:38:14.43 ID:nO8YoHBp0
-
雪歩「ふふ…じゃあプロデューサーの目は正しかったんですね」
P「え?」
雪歩「『出会った時から、意志の強さを感じた』ってさっき言ってくれたじゃないですか」
P「…そうだな」
雪歩「…」
雪歩「…私、最初は弱い自分が嫌いでした」
雪歩「何にでも怯えちゃうし、言いたいことも言えないし…」
雪歩「…でもプロデューサーが私を変えてくれました」
P「そうか…?」
雪歩「はい…もちろんプロデュースしてもらって教えていただいたことも大きいですけど」
雪歩「なんていうか、プロデューサーといるだけで私は強くなれたんです」
雪歩「…えへへ、なんだかうまく言えないです」
- 54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:39:19.88 ID:nO8YoHBp0
-
P「…そうだな、難しい。思っていることを伝えるのは」
雪歩「でもこれだけははっきりしてます」
P「?」
雪歩「私は、プロデューサーが好きです」
雪歩「そしてプロデューサーのことが好きな自分のことも好き」
雪歩「そんな2人が大好きなんです」
P「そうか…ありがとう」
雪歩「はい…」
P「…」
- 55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:45:39.28 ID:nO8YoHBp0
-
P「しかし…」
雪歩「?」
P「雪歩、歌がまた上手くなったんじゃないか?」
雪歩「そうですか?ふふ、ありがとうございますぅ」
P「はは…『ございますぅ』な…」
雪歩「あ…!もう…!」
P「はは…この歌は…」
P「『LOST』…か」
雪歩「…プロデューサーが行ってしまうときに歌ったのも、この歌でしたよね…」
- 56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:46:37.13 ID:nO8YoHBp0
-
P「そうだな…」
雪歩「ねぇプロデューサー…『LOST』って…失恋の歌…ですかね?」
P「ん…雪歩はどう思うんだ?」
雪歩「…そう思ってました…けど」
P「けど?」
雪歩「プロデューサーの言葉を聞いて、願いが…夢のように思っていたことが、叶って」
雪歩「そうしたら…自然に歌いたくなったんです」
P「…」
- 57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:49:20.08 ID:nO8YoHBp0
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雪歩「泣いてもいいよね…うれしい時も…うれしくてどうしようもない時も」
雪歩「…涙って出ちゃうんですね、えへへ」
P「…そうだな」
雪歩「…あは、なんだか話がまとまってなくてすいません」
雪歩「だから、えーと…悲しい歌じゃなくって、その…歌っている人の気持ち次第というか、聞く人の…」
P「雪歩」
雪歩「はい?」
P「…来年から一緒に活動しような」
雪歩「…はい」
- 58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:50:05.30 ID:nO8YoHBp0
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P「まだまだ成長した雪歩の歌が聞きたいな、『ALRIGHT』とか…あれ好きなんだよ」
雪歩「えへ、そうなんですか。いつでも歌いますよ!」
P「営業にもいかないとな。またプロデュースすることになりました!ってな、はは」
雪歩「そうですね」
P「地方に行くのもありだな。各地方を回って、部門賞を取って…」
雪歩「はい…」
P「…IA大賞を完全制覇とかな」
雪歩「ふふ…プロデューサーとならできる気がしてくるから不思議です」
- 59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:50:40.49 ID:nO8YoHBp0
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P「それで…」
P「…」
P「いつまでも…一緒にいような」
雪歩「…はい!」
おわり - 60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 05:51:43.49 ID:nO8YoHBp0
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以上です。読んでいただいた方お疲れ様でした&ありがとうございました - 62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 06:53:32.53 ID:dKntQ5mxo
- 乙乙
すごいよかったよ - 63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/29(水) 07:22:43.99 ID:HW2wzhklo
- 乙
雪歩はやればできる子

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