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える「折木さん、好きです」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:46:20.27 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「ああ、俺も好きだ、千反田」
える「では、お付き合いいたしましょう、折木さん」
奉太郎「そうだな、俺からも頼む。千反田、付き合ってくれ」
える「ふふ、ではこれからよろしくお願いします」
奉太郎「ああ、こちらこそよろしく頼む」
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:47:09.14 ID:KkPVXjy10
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える「折木さん、この前の期末試験どうでした?」
奉太郎「お前が勉強を見てくれたおかげで、赤点を免れるどころか、クラスでも上位に入れた」
える「そうでしたか。それは良かったです」
奉太郎「お前のおかげだ。本当にありがとう」
える「当然のことをしたまでです。なにせ、私たちはお付き合いをしているのですから」
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:47:52.56 ID:KkPVXjy10
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える「折木さん、今度の文化祭ですが」
奉太郎「そうだな~。一緒に回るか」
える「はい。古典部の店番はどうしましょう?」
奉太郎「この前、里志と相談して店番のシフトを作っといたよ」
える「なら安心ですね」
奉太郎「ああ」
える「今年は私たちにとって最後の文化祭ですから、悔いが残らないように」
奉太郎「最後くらい楽しんでみるか」
- 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:48:29.96 ID:KkPVXjy10
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える「折木さん、今度の土曜日に東京へ行きませんか?」
奉太郎「いきなりどうした、千反田」
える「私、東京の大学に行きたいんです」
奉太郎「奇遇だな。俺もそうだ」
える「今度の土曜日に、丁度私の志望校のオープンキャンパスがあるんです」
奉太郎「なるほど、下見といったところか」
える「はい。折木さんもご一緒にどうですか?」
奉太郎「そうだな。行くよ」
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:49:09.88 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「千反田、実際の大学を見てどうだった?」
える「ええ、私の思ったとおり、とても良さそうな大学でした」
奉太郎「そうか」
える「はい。私、あの大学に行きます。迷っていましたが、実際に大学に行ってみて、あそこしか無いと確信しました」
奉太郎「そうか。じゃあ、俺も同じ大学に行く」
える「ふふ、折木さんならそう言ってくれるのではないかと思っていました」
奉太郎「これからもお前と離れるつもりはない」
える「ふふ。そう言ってくださって、私はとても嬉しいです」
奉太郎「俺はお前のことが好きだからな」
える「私も折木さんのことが好きです」
- 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:49:51.61 ID:KkPVXjy10
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える「うっ……。グスッ……」
奉太郎「泣いているのか、千反田」
える「いえ……、と言ったところで、折木さんには嘘が通じないのはわかっています」
奉太郎「なかなかに感動できる卒業式だったな」
える「ええ。私、始まって10分で涙がこぼれてしまって」
奉太郎「いや、7分だった」
える「細かいですね、折木さん」
奉太郎「たまたま時計を見てただけだ」
える「その時にさりげなく、ハンカチを貸してくださいました」
奉太郎「たまたま今日は姉貴に言われてハンカチを持っていただけだ」
える「摩耶花さんや福部さんとは今日でお別れですが」
奉太郎「俺たちは、4月から」
奉太郎・える「同じ大学だ(です)」
- 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:50:36.12 ID:KkPVXjy10
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える「大学にはいろんなサークルがありますね」
奉太郎「聞いてはいたが、本当にこんなに多いんだな」
える「折木さんはどサークルに入るか決めましたか?」
奉太郎「いや、俺はサークルに入る予定は今のところ無い」
える「ふふ、折木さんらしいですね」
奉太郎「そういうお前は何に入るか決めたのか」
える「はい。『経営戦略研究会』に入ろうかと」
奉太郎「サークルでも勉強するとはお前らしいな」
- 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:51:30.29 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「た、た~だ~い~ま~」
える「お帰りなさい、折木さん」
奉太郎「ああ、気持ち悪い……」
える「また飲んできたんですか」
奉太郎「まあな~。先輩が離してくれなくてな~」
える「去年の今頃は『サークルに入る予定は無い』とおっしゃってたのに」
奉太郎「そんなこと言ったか~?」
える「とにかく、もう寝てください。明日も授業あるんでしょう?」
奉太郎「明日は休む~」
える「だめです。私と同棲してるからには、休むことなんてありえませんよ?」
奉太郎「厳しいな~、千反田は」
- 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:52:10.25 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「バイトを始める?」
える「ええ、小さな事務所の書類整理のお仕事です」
奉太郎「そうか。でも何でまた?」
える「折木さんはバイトをしてらっしゃいますが、私はしていないので」
奉太郎「別に良いじゃないか」
える「いえ、折木さんや両親の仕送りに頼ってばかりでは、私の気が済まないんです」
奉太郎「お前らしいな」
える「はい」
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:53:01.53 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「いや、危なかった」
える「ほんと、危なかったですね」
奉太郎「あと一つ単位落としてたら、卒業できなかった」
える「サークルで遊びすぎたんですよ、折木さんは」
奉太郎「フル単のお前に言われては、言い訳のしようがないな」
える「何はともあれ、卒業できて良かったです」
奉太郎「なんとか就職も決まったしな」
える「明日、私は実家に戻ります」
奉太郎「ああ。必ず、迎えに行くからな」
える「ふふ……。ずっと、ずっと、待ってますから……」
- 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:54:58.29 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「俺は幸せ者だ」
える「奇遇ですね。私もです」
奉太郎「思えば、あれから10年か」
える「そうですね。思ったより、長くは感じませんでした」
奉太郎「奇遇だな。俺もだ」
える「こうして、子どもにも恵まれ」
奉太郎「考えてみれば、高校の時、古典部に入らなければ、お前とこうして出会うことは無かった」
える「お姉さんに感謝しなくてはいけませんね」
奉太郎「そうだな。今度姉貴を飲みに誘ってみるかな」
- 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:56:15.73 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「……なあ、える……」
える「……何ですか、奉太郎さん……」
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:58:04.34 ID:KkPVXjy10
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奉太郎「……える、好きだ……」
える「……私も好きです、奉太郎さん……」
- 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 03:58:43.91 ID:KkPVXjy10
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以上です。
ありがとうございました。
- 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 04:04:39.43 ID:AMzJnyueo
- 乙たそ~
この展開なら年老いて死ぬまでしても良かった気はする - 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/22(土) 07:24:17.38 ID:6v3IsUTko
- 確かに
でもこれもまた良い

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