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あずさ「私がセーラー服に着替えたら」
- 1 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:19:29.66 ID:hHK52BtS0
- 今日は7月18日。
律子さんから特別にお許しをいただいて、プロデューサーさんと一日お出かけです。
ほんとは明日の誕生日の方がよかったけど……。
忙しい彼と私が揃ってお休みを取れるのは、今日だけ。
今日はデート……なのかな?
彼がどう思っているかはわかりません。
でも、私にとっては、とてもとても大切な日。
やっと見つけた、私の運命の人。
あなたも、私に気づいてくれるといいな……。
- 2 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:21:22.21 ID:hHK52BtS0
- それじゃ、そろそろ着替えて……。
あら、これ……高校の制服?
白と黒のオーソドックスなセーラー服……ふふ、懐かしいわね。
時間はまだ少しあるし……久しぶりに着てみようかしら。
体型はそれほど変わってないはず……よね?
うん、胸周りは少し苦しくなった気がするけど……。
お腹……お腹!?
気のせいよ! きっと気のせい!
ほら、入った!
お酒は少し控えよう……。
外出用のメガネをかけて……はい、できた。
ふふ……このまま待ち合わせに行ったら、彼どんな顔するかしら?
本物の女子高生みたいで、私だって気づかない?
ないわね、うん……。
- 3 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:22:43.37 ID:hHK52BtS0
- あら、こんなことしてるあいだに、もう時間が……。
急いで着替えないと。
♪~~♪~~
携帯に……プロデューサーさん?
あらあら、早く出ないと。
あずさ「もしもし、お待たせしました。…………はい、おはようございますプロデューサーさん」
ウロウロ…
あずさ「はい、今から出るところで…………ええ、そうです」
ウロウロ…
あずさ「大丈夫ですよ、そこなら私一人でもいけます…………もう、どういう意味ですか?」
ウロウロ…
あずさ「ふふ……はい、それじゃ10時に…………はい、失礼します」
ピッ
もう、プロデューサーさんったら。私が迷子になるって決め付けて。
私のほうが先に行って、驚かせて……あら?
ここは……どこかしら?
- 4 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:24:25.21 ID:hHK52BtS0
- あずさ「あの……ここはどこでしょうか?」
通行人「はい? ○○駅前ですよ?」
あずさ「あら、ほんと。あ……ありがとうございました」ペコッ
通行人「いえ?」
おかしいわね。お家にいて、プロデューサーさんと携帯で話してたはずなのに……。
ん~……?
まあ、まだ待ち合わせには時間あるし、大丈夫!
○○駅だから、地下鉄から……あら、JRだったかしら?
え~と…………乗れば思い出すわよね!
それじゃ切符を……大変。お財布を持ってこなかったみたい。
ど、どうしましょう?
そうね、とりあえずプロデューサーさんに連絡ね!
- 5 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:25:35.78 ID:hHK52BtS0
- あずさ「あ、プロデューサーさんですか? あずさです……はい」
ウロウロ…
あずさ「ま、迷子というか…………はい、ごめんなさい……」
ウロウロ…
あずさ「今、○○駅…………だったはずなんですけど……どこかしら、ここ?」
ウロウロ…
あずさ「あ、はい。なんだか見覚えのない場所に…………うぅ、ごめんなさい……」
ウロウロ…
あずさ「目印ですね?…………はい。なにか見つけたら、また連絡します」
ピッ
どこかの住宅街……かしら?
目印になりそうなもの……といってもお家ばっかり。
あら、人がいっぱい歩いてる?
高校生ぐらいの子たち? ああ、あそこに見えるのが学校なのね。
ちょうど登校時間だったみたい。
- 7 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:29:33.47 ID:hHK52BtS0
- 女生徒「春香、おっはよ~!」
春香「あ、おはよ~」
女生徒「ごめん、急いでるから先行くね」
春香「うん、気をつけてね」
女生徒「春香も転んじゃダメだよ~」
春香「そんな、いつもいつも転ばないよ~」
あずさ「あら? 春香ちゃん、おはよう」
春香「え?」
春香「あずささん? あ、おはようございます!」
あずさ「こんなところで会うなんて奇遇ね~」
春香「そうですね、びっくりしました」
あずさ「春香ちゃんは今から学校? いいわね、楽しそうで」
春香「あははっ、2年生になると楽しいことばっかりでもないですよ」
あずさ「そうねぇ、そろそろ受験とか考えなきゃいけないし」
春香「ほんとに……。そういえば、あずささんも今から学校ですか?」
あずさ「学校?」
春香「だって、制服で……って、ええぇ!?」
あずさ「え?」
春香「な、なんでセーラー服なんですか!?」
あずさ「あ、あらあら……すっかり忘れてたわ」
- 8 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:31:35.00 ID:hHK52BtS0
- あずさ「ん~……似合わないかしら?」
春香「そ、そそ、そんなことないでしゅですよ!」
あずさ「でしゅ?」
春香「ふ、普通に女子高生みたいだなぁって!」
あずさ「うふふ/// それは言いすぎよ、春香ちゃん」ニコニコ
春香「あはは……」
春香「って、今日は撮影かなにかですか?」
あずさ「ううん、今日はオフよ」
春香「ですよね。たしかプロデューサーさんと……」
春香「……」
あずさ「?」
春香「まさか……プロデューサーさんの趣味!?」
あずさ「趣味?」
春香「だ、だからって、なにもあずささんに……」
春香「現役女子校生には見向きもしてくれないくせに……」ボソッ
あずさ「現役?」
春香「い、いえいえ! 今日はプロデューサーさんとお出かけですよね?」
あずさ「そうなんだけど……」
春香「もしかして、気がついたらここに?」
あずさ「ええ。ここってどこなのかしら?」
春香「あ~……今、プロデューサーさんに連絡します」
あずさ「あら、それなら自分で……」
春香「いえ、お構いなく!」
あずさ「?」
- 9 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:34:01.66 ID:hHK52BtS0
- 春香「おはようございます、春香です…………いえ、いま通学……」
春香「今日はまだ転んでませんよ、もう!」
春香「そうじゃなくて…………はい、あずささんが…………今、一緒にいます」
あずさ「うふふ、ここにいますよ~」
春香「ええ、いつもの…………いえ、ただの偶然です……」
あずさ「あら? あそこ……」
フラ~…
春香「はい! あずささん、動かない!」
ガシッ
あずさ「あ、あら。そんなつもりじゃ……」
春香「私も授業があるので…………はい、正門前にですね?」
春香「言ってはおきますけど…………はあ、わかりました……」
春香「はい、それじゃ……」
ピッ
春香「あずささん?」
キョロキョロ
春香「……」
春香「やっぱりね! もういないよね!」
春香「ふぅ……」
春香「うん! 学校行こっと」
- 10 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:35:32.42 ID:hHK52BtS0
- 高校かぁ……懐かしいわね~。
あら? そういえば、春香ちゃんはどこいっちゃったのかしら?
どこかで迷ったりしてなければいいけど……。
心配だわ……。
あ! あのお店!
よく学校の帰りに寄ったわね。
ふふ、あの頃を思い出すわ。
うん、このへんはよく覚えてる。
登校中に迷っても、不思議と遅刻はしなかったのよね。……友達が見つけてくれて。
今は、律子さんとプロデューサーさんに頼ってばっかり……。
大人なんだから、もっとしっかりしないと……。
母校か……何年ぶりかしら?
そんなに昔じゃないわよね、うん!
教室は……そうそう、廊下の一番奥で……。
窓際の後ろから二番目が私の席。
- 11 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:38:05.38 ID:hHK52BtS0
- ザワ…ザワ…
「だ、誰あれ?」
「あんな娘、このクラスにいたっけ?」
「でも、うちの制服だよね?」
「転校生?」
あずさ「?」
「ねえ……竜宮小町の三浦あずさじゃない?」
「マジ!?」
「そういえば、ここの卒業生のはずだけど……」
あずさ「あら?」
「なんで教室にいるの? テレビのロケかなにか?」
「知らないよ……」
あずさ「あらあら?」
教師「え~と……三浦さん?」
あずさ「はい! お久しぶりです、先生」
教師「え、ええ……お久しぶりね」
教師「あの……」
あずさ「はい?」
教師「……」
生徒一同「……」
教師「授業を始めます……」
- 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/18(木) 23:39:24.35 ID:acpIUjiso
- 先生諦めたー!
- 13 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:40:21.47 ID:hHK52BtS0
- 教師「では、この場合の活用として正しいのは……」
あずさ「はい、先生!」
教師「ええと……ど、どうぞ三浦さん」
あずさ「私……なんで教室にいるんでしょうか?」
教師「こっちが聞きたいよ!」
ザワ…ザワ…
あずさ「?」
教師「あ、いや……ほら、みんな静かに!」
♪~~♪~~
あずさ「あら? プロデューサーさんから……」
教師「三浦さん、授業中に携帯は……」
あずさ「はい、あずさです」
ザワ…ザワ…
教師「もう、どうしろってのよ……」
あずさ「春香ちゃんですか? …………いえ、いま母校で授業を……」
あずさ「それが、私もどうしてなのか…………不思議ですねぇ」
教師「……」
あずさ「はい? 先生にですか? …………わかりました、代わりますね」
教師「私?」
あずさ「事務所のプロデューサーさんなんですけど……先生に代わってくださいって」
教師「はあ……? ええと、電話に出ればいいのね?」
あずさ「はい、お願いします」
- 14 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:43:23.50 ID:hHK52BtS0
- 教師「お電話代わりました…………はい、765プロの……」
教師「お世話になってます、というか…………いえ、こちらもなにがなんだか……」
あずさ「うふふ、私もなにがなんだか」
教師「……」
教師「あ、なんでも…………まあ、昔からこんな子なので……」
あずさ「?」
教師「はい? 当校で保護ですか? …………お迎えにいらっしゃるまで」
教師「卒業生ですから、それは構いませんが…………いえいえ、お気遣い無く!」
教師「はい……はい…………では、三浦さんに代わります」
あずさ「代わりました…………はい……わかりました、ここで待ってれば……」
あずさ「むぅ、そんな何度も同じことはしませんよ~…………ええ、大丈夫です!」
教師「……」
あずさ「はい……ふふ、待ってますね」
ピッ
あずさ「先生、ありがとうございました」ペコッ
教師「い、いえ……それじゃ」
あずさ「外で待ってますね。また今度、プロデューサーさんと一緒にご挨拶に来ます」
教師「いや、ここで……!」
あずさ「それでは、失礼します」
ガラ……ピシャ
教師「……」
ザワ…ザワ…
教師「授業を再開します……」
- 16 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:45:26.45 ID:hHK52BtS0
- うふふ、授業なんて受けちゃって、ちょっとだけ高校時代に戻った気分。
あの頃は、アイドルになるなんて考えもしなかったなぁ……。
運命なんてわからないものだけど……アイドルになって、あの人と出会ったのはきっと運命よね。
うん! 頑張ろう!
あ、そうだわ。
せっかくだから、ほかの先生方にも挨拶していきましょう。
職員室はたしかこっちよね?
ここを曲がって……あら? おかしいわね、こっちじゃなかった?
じゃあ、こっちに行って……外? 職員室に行くのに、外なんて通ったかしら?
で、でも方角的にはこっちのはずよね。
……。
あそこの信号を右ね! きっとそう!
ほら、見覚えのある場所に……。
第2スタジオ?
- 17 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:47:50.18 ID:hHK52BtS0
- カメラマン「伊織ちゃんはそのまま」
伊織「はいはい」
カメラマン「亜美ちゃんは、もうちょっと伊織ちゃんに寄って」
亜美「は~い。こう?」
カメラマン「うん、そこで! じゃ、1枚いくよ」
パシャッ
伊織「セーラー服ねぇ……私が着るにはちょっと地味ね」
亜美「そっかな。似合ってて可愛いよ?」
伊織「ま……まあね! この伊織ちゃんが着こなして可愛くないわけないでしょ!」
あずさ「ほんとねぇ……さすが伊織ちゃんだわ」
伊織「な、なによあずさまで」
あずさ「亜美ちゃんも、とっても似合ってて可愛いわ」
亜美「ほんと? ありがと、あずさお姉ちゃん!」
伊織「まあ、亜美も悪くないんじゃない?」
亜美「んっふっふ~、いおりんもありがと♪」
伊織「ふ、ふんっ!」
律子「こらっ! 撮影中におしゃべりしない!」
亜美「うへっ」
あずさ「うふふ、ごめんなさい」
カメラマン「じゃあ伊織ちゃんを中心に……亜美ちゃんはそこで」
カメラマン「あずささんは……え?」
伊織「え?」
亜美「え?」
律子「え?」
あずさ「はい?」
- 19 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:49:53.45 ID:hHK52BtS0
- 亜美「うあうあ!? あずさお姉ちゃん!?」
伊織「な、なに自然に混ざってるのよ!?」
律子「あずささん、オフなのになにやってるんですか!?」
律子「ていうか、衣装まで揃えて……」
あずさ「衣装?」
亜美「うおっ!? 亜美たちとお揃いのセーラー服だと!?」
伊織「なによこれ? サプライズ?」
律子「私もこんなの聞いてないんだけど……」
亜美「今日は、あずさお姉ちゃんは兄ちゃんとお出かけだったよね?」
あずさ「ええ、そうよ」
律子「……」
律子「ってことは、これはプロデューサー殿の差金ですか!?」
あずさ「ち、違います。待ち合わせで、その……」
律子「待ち合わせ?」
あずさ「はい。プロデューサーさんとなかなか合流できなくて……」
律子「気がついたら、ここに迷い込んでたと?」
あずさ「はい……」
律子「……」
伊織「なんだ、いつものあずさじゃないの」
亜美「あはは……さすがあずさお姉ちゃん」
あずさ「うぅ……」
- 20 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:52:34.82 ID:hHK52BtS0
- 伊織「で、そのセーラー服はなに?」
あずさ「え?」
伊織「あいつの趣味?」
あずさ「趣味?」
亜美「兄ちゃん、あんたって人は……」
律子「あずささん……そういうのはちゃんと断ってくださいよ」
あずさ「え? え?」
律子「と、とにかく、プロデューサー殿を呼び出さないと」
あずさ「あの……」
律子「私が連絡するから、伊織と亜美はあずささんがどこか行かないように……」
伊織「はいはい」
亜美「ラジャ!」
あずさ「そうじゃなくて……ちょっとした手違いで着てきちゃっただけで」
いおあみ「ん?」
あずさ「嫌々着てるみたいに見えるって……」
いおあみ「……」
あずさ「そんなに無理があるほど……似合ってない?」グスッ
亜美「うぇっ!?」
伊織「……」
亜美「そ、そんなことないっしょ!」
あずさ「ううん、いいのよ……」
亜美「いやいや! あずさお姉ちゃんは美人さんだから、なに着ても似合うし」
亜美「……ね、いおりん?」
- 21 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:55:04.47 ID:hHK52BtS0
- 伊織「まあ、さすがに無理があるわね」
亜美「ちょっ、いおりん……」
あずさ「うぅ……」
伊織「だからなによ? だったら、あずさに合わせた衣装が私や亜美に似合う?」
亜美「そ、そうだよね! 亜美たちじゃ、あずさお姉ちゃんみたくせくちーにならないし!」
伊織「同じことでしょ?」
あずさ「え? う、うん?」
伊織「あんたねぇ……」
亜美「あ、あずさお姉ちゃんのほうがセーラー服似合ってたら、亜美たちの立場がないし!」
亜美「……ってことだよね?」
伊織「そういうことよ」
あずさ「うん……それはわかるけど」
あずさ「プロデューサーさんに……変だと思われないかな?」
亜美「それは……どうだろ?」
あずさ「き、嫌われたりしないかな?」
伊織「あいつの趣味なんか知らないわよ」
あずさ「やっぱり、こんな……」
伊織「ああ、もう!」
伊織「別に……似合ってないとも、可愛くないとも言ってないでしょ」
あずさ「え? あ、あら……」
伊織「ま、私ほどじゃないけど」
亜美「そうだよ! でも、イチバン可愛いのは亜美だけどね!」
あずさ「ふふっ、そうね。ありがとう伊織ちゃん、亜美ちゃん」
伊織「どういたしまして」
亜美「へへっ」
- 22 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/18(木) 23:57:36.72 ID:hHK52BtS0
- 亜美「そうだ! この際だからさ」
亜美「……」ヒソヒソ
伊織「ふ~ん……」ヒソヒソ
あずさ「あら、いいわね……」ヒソヒソ
律子「なにしてるの?」
亜美「ん~?」
伊織「なんでもないわ」
あずさ「ええ、なんでも」
律子「なんなのよ……。あずささん、プロデューサー殿、すぐに迎えに来るそうですよ」
あずさ「はい、ありがとうございます。うふふ……」ニコニコ
亜美「んっふっふ~……」ニタァ
律子「な、なに?」
亜美「まあまあ、いいからいいから」ガシッ
あずさ「律子さんも一緒に……ね?」ガシッ
律子「ま、まさか……」
伊織「そのまさかよ」
律子「伊織、あんたまで」
伊織「多数決よ。諦めなさい」
律子「む、無理よ! 私にそんな……」
あずさ「私が着てるんだから、律子さんなら大丈夫ですよ~」
律子「そういう問題じゃ……!」
- 23 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:00:08.70 ID:kX0HcZx20
- 亜美「おーじょーぎわが悪いよ、りっちゃん」
あずさ「恥ずかしいのは最初だけですから。うふふ」
律子「やっぱり恥ずかしいんじゃないですか!」
伊織「恥をかいたぐらいで死にはしないわよ」
律子「プロデューサー来るんだから! ほんと無理!」
亜美「おやおや~? 兄ちゃんのこと意識してるっぽい?」
あずさ「……」
律子「違うから! あずささんも間に受けないで……」
カメラマン「休憩しますかー?」
亜美「ごめんなさーい! 10分で戻りまーす!」
カメラマン「はーい。あずささんと律子さんの撮影分も追加しますねー」
律子「ええぇ!? そ、それだけは……!」
あずさ「ダメです。逃しませんよ?」グイッ
亜美「スタッフさんを待たせちゃダメっしょ?」グイッ
伊織「ちゃんと可愛くしてあげるわよ。にひひ♪」
ズルズル…
律子「いやあぁぁぁぁ……!!」
- 24 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:01:48.76 ID:kX0HcZx20
- ───
──
─
P「あずささん、今度こそいてくれよ」
律子「……」
P「お、律子。手間かけさせてすまな……いぃ!?」
律子「お構いなく……」
P「い、いや……なんでセーラーふ」
律子「見なかったことに! してください……」
P「あ、ああ……」
P「ところで、あずささんは?」
律子「撮影に参加してます……」
P「は? 撮影?」
律子「見ればわかります……」
P「お、おう? じゃあ、ちょっとお邪魔させてもらうぞ」
律子「どうぞ……」
P「あ、律子」
律子「はい?」
P「セーラー服、似合ってるよ」
律子「は……はあ!?」
P「おさげにしてると、ほんとに高校生アイドルって感じだな」
律子「そ……///」
P「ん?」
律子「そういうことは、あずささんに言ってあげてください!」
P「あずささんに?」
律子「私のことはいいですから、ほら」
P「お、おう」
律子「もう……バカ///」
- 25 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:03:40.06 ID:kX0HcZx20
- あずさ「あ、プロデューサーさ~ん」
タッタッタ…
P「あずささ……ん?」
P「あ~……母校で授業を受けてたって、そういうことか」
あずさ「うふふ、やっと待ち合わせできましたね」
P「うふふ、じゃないですよ。だから朝迎えに行くって言ったのに」
あずさ「ごめんなさい……」
P「これから待ち合わせをするときは、俺が迎えに行きますからね?」
あずさ「はい、お願いします……あら?」
P「ん?」
あずさ「これからって……また一緒にお出かけしたりとか?」
P「ええ、あずささんさえ良かったら」
あずさ「も、もちろんです! あの……よろしくお願いします」
P「毎回、律子にお伺いを立てるのが大変そうですけどね」
あずさ「ふふっ、そうですね」
- 26 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:05:15.30 ID:kX0HcZx20
- P「ところで……律子もあずささんも、なんでセーラー服を?」
あずさ「私のほうは、なりゆきというか……」
P「なりゆきで高校の制服着て、授業まで受けるってのは……」
あずさ「そ、それは私も不思議かなぁって」
あずさ「あの……私がセーラー服なんて着てたら変ですか?」
P「そんなことは言ってませんよ」
P「いつもの大人っぽいあずささんとは違う、可愛らしさがあっていいと思います」
あずさ「そ、そうですか……ふふ、照れちゃいます///」
P「それに……」
あずさ「?」
P「俺の知らない、高校の頃のあずささんに会えたみたいで……」
P「なんていうか……嬉しいですよ」
あずさ「あ、あら……/// うふふ///」
- 27 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:07:29.47 ID:kX0HcZx20
- 亜美「……」
伊織「……」
P「んん!? 二人ともいたのか?」
伊織「ええ。お邪魔だったみたいだけど」
亜美「亜美たちはお仕事だかんね~」
P「そうだったな。こっちのほうが邪魔してるな」
あずさ「迷惑かけちゃってごめんね? 伊織ちゃん、亜美ちゃん」
伊織「別に。イチャイチャするなら、よそでやってほしいけどね」
P「イチャイチャって……」
あずさ「そんなつもりじゃ……」
亜美「今日はデートっしょ? イチャイチャしないでどうすんのさ」
あずさ「デート……で、いいんですか?」
P「ええ。俺はそのつもりですよ」
あずさ「は、はい……!」
律子「おおっぴらにデートとか言ってもらっちゃ困るんですけど」
亜美「あ、りっちゃん……」
亜美「ぷぷっ……そのかっこだと委員長って感じだね」
律子「大きなお世話よ」
律子「言わなくてもわかってるとは思いますけど、二人ともくれぐれも……」
P「ああ、わかってるよ委員長」
あずさ「ええ、気をつけます、委い……あ、あら」
律子「……」
伊織「にひひ♪ なにか言うことは、委員長?」
律子「もう……デートでもなんでも、さっさと行け!」
P「あはは、それじゃ」
あずさ「いってきまーす」
- 28 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:09:47.42 ID:kX0HcZx20
- 待ち合わせから何時間も過ぎちゃったけど……。
今日はちょっとだけ高校時代に戻って……プロデューサーさんとデート♪
私だけじゃなくて、プロデューサーさんも制服だったらよかったのに。
P「勘弁してください。ただの不審者にしか見えませんよ」
あずさ「だったら私だって」
P「あずささんは、ちょっと大人っぽい子ってことで、充分高校生でも通せますよ」
あずさ「ふふ、お世辞でも嬉しいです」
P「お世辞じゃないんですけどね」
あずさ「え?」
P「可愛い人に可愛いと言ったって、お世辞にはならないでしょ?」
あずさ「え~と……?」
P「あずささんは可愛いってことですよ」
あずさ「な、なにかバカにしてませんか?」
P「してませんって」
あずさ「むぅ……」
P「うん、むくれても可愛い」
あずさ「もう……!」
P「ははっ」
あずさ「///」
いつもは、こんなこと言う人じゃないのに……。
今日はデートだからですか?
……本気にしちゃいますよ?
- 29 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:13:01.25 ID:kX0HcZx20
- P「ところで、あずささんはお昼は?」
あずさ「え? いえ、まだです」
P「俺もまだなんで、腹減ってるんですよ」
あずさ「私もです。ふふっ」
P「ちょっと行ったところに商店街がありますから、そこで食べ歩きでもしましょう」
あずさ「食べ歩きですか?」
P「高校生の頃は、よく帰りに買い食いしてたんですよ」
あずさ「ふ~ん……女の子と一緒に?」
P「俺の高校時代に、あずささんはいなかったはずですよ?」
あずさ「あら、ずるい言い回しですね」
P「そういうあずささんこそ、男子と?」
あずさ「私の高校時代にも、プロデューサーさんはいませんでした」
P「もしいたら、こうしてデートしてくれました?」
あずさ「今、デートしてるじゃないですか」
P「そうですね……それじゃ、はい」
あずさ「え? あ……」
プロデューサーさんの……右手。
私は左手を差し出せば……いいのよね?
ギュッ
P「……」
あずさ「……///」
P「デートですからね」
あずさ「はい……///」
- 30 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:18:32.86 ID:kX0HcZx20
- 食べ歩きなんて今までしたことなかったけど……。
プロデューサーさんと同じ高校の先輩と後輩だったら、こんなふうに放課後に二人で……なんて。
そんなことを考えてるだけでもすごく楽しくて……。
時間はあっという間に過ぎて、もうすっかり夜。
都会じゃ満天の星空とはいかないけど、あれが織姫様かしら?
七夕の一日だけ運命の人と……そんなの私にはたぶん耐えられない。
ずっとそばにいて、こうして手をつないでいてくれるのが、私の運命の人。
そうですよね……?
P「ここからだとちょっと遠いけど……ほら!」
ヒュゥゥゥゥゥ……パアァン
あずさ「花火……」
P「隅田川とかと比べると、小さい花火大会ですけどね」
あずさ「いえ……大きい花火って、テレビぐらいでしか見たことがなかったので……」
あずさ「ちょっと感動です……」
P「それは大げさですよ」
あずさ「そんなことないですよ! 感動ぐらいさせてください」
P「はは、ごめんなさい」
- 31 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:19:54.30 ID:kX0HcZx20
- P「ここはちょっと遠い分、人が少なくて花火がよく見える穴場なんですよ」
あずさ「ここもプロデューサーさんの……」
P「ええ、思い出の場所です」
P「なんだか、俺の思い出巡りみたいになってますね」
あずさ「私の知らないプロデューサーさん……」
P「え?」
あずさ「い、いえ! なんでも……」
P「……」
あずさ「……」
P「今度は、あずささんの思い出の場所に行きたいですね」
あずさ「私の、ですか?」
P「ええ」
あずさ「男の人が楽しめるような場所は……」
P「あずささんと一緒なら、きっと楽しいですよ」
あずさ「え……」
P「次に、一緒に休みが取れたときにでも」
あずさ「はい……///」
次は、いつになるのかな?
二人だけの、今日みたいな特別な日。
たぶんずっと先になるけど、約束だから忘れちゃダメですよ。
- 32 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:21:18.35 ID:kX0HcZx20
- あずさ「花火……終わっちゃいましたね」
P「そうですね……」
あずさ「いつ終わったのか、全然気がつかなかったです……」
P「俺もですよ」
あずさ「考え事ですか?」
P「ええ。あずささんのことを考えてました」
あずさ「奇遇ですね。私もプロデューサーさんのことを考えてました」
P「はは、光栄です」
あずさ「……」
P「……」
あずさ「考えただけ……ですか?」
P「ええ……」
あずさ「こういうときは、いつものプロデューサーさんに戻っちゃうんですね」
P「いつもの意気地なしですか?」
あずさ「そういうの、ズルイです」
P「本当のことですよ」
あずさ「それは、私だって……」
担当は違っても、あなたはプロデューサー。私はアイドル。
これ以上を望んだら、あなたは私の望まない答えを返さなきゃいけない。
今は、まだ……。
- 33 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:22:39.99 ID:kX0HcZx20
- P「もうこんな時間か……。送りますよ」
あずさ「はい……あの」
P「ん?」
あずさ「もう、デートは終わりですか?」
P「いや、家に帰るまでがデートです」
あずさ「ふふっ……遠足ですか?」
P「そういうわけですから、またお手を」
あずさ「はい、よろしくお願いします」
ギュッ
P「ゆっくり行きますか?」
あずさ「お任せします♪」
言葉にできなくても、想いはきっと伝わりますよね。
あなたの想いは、ちゃんと私に届いています。
私の想いは、あなたに届いていますか?
いつか、言葉に出来るまで……。
- 34 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:24:06.17 ID:kX0HcZx20
- ??「ちょっと、そこの君たち!」
P「え?」
あずさ「あら?」
警官「そちらの女性は高校生?」
あずさ「い、いえ!」
警官「制服着てたらねぇ」
あずさ「これは……」
警官「君のほうは……高校生じゃないね?」
P「違いますが……彼女も未成年では」
警官「ほんとに? 年齢を証明できるもの持ってる?」
P「な、なにか持ってないですか?」
あずさ「い、いえ……なにも」
警官「あ~……時間が時間だし、念のため交番まで来てもらえるかな?」
P「はい……」
あずさ「わかりました……」
- 35 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:26:41.66 ID:kX0HcZx20
- 結局、律子さんに連絡して、身元確認が取れたので帰らせてもらいました。
事情を察した律子さんが、撮影の帰りということで話を合わせてくれたけど……。
私もプロデューサーさんも、明日はお説教から逃げられそうにありません……。
P「まあ、律子の説教ぐらいで済むと思えば……ふぅ……」
あずさ「私もご一緒しますから……」
P「あずささんがいれば、律子も少しは手加減してくれるかな?」
あずさ「そんなことないですよ~」
あずさ「も~……これ以上律子さんを怒らせちゃダメですよ?」
P「気をつけます……」
あずさ「ふふっ、よろしい」
P「あはは」
もう、私のマンションは目の前。
誕生日前日の素敵な一日は、ここでもうおしまい。
手を離したら、また昨日までのアイドルとプロデューサー……。
うん……わかってる。
わかってるけど……。
- 36 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:28:24.59 ID:kX0HcZx20
- P「それじゃ、ここで……」
あずさ「はい……」
P「あ、ちょうど日付が変わったところですね」
あずさ「え? もうそんな時間……」
P「誕生日、おめでとうございます」
あずさ「あ……ありがとうございます」
いろいろあったせいで、自分の誕生日だってこと忘れてました……。
もう昨日だけど、21歳最後の日は忘れられない日です。
P「これを受け取ってもらえますか?」
あずさ「え……?」
彼が懐の小箱から取り出したのは、親指の先ほどのペンダント。
とても可愛らしいデザインで、紅い……たぶんルビーと、見慣れないオリーブ色の宝石が飾られている。
ルビーは7月の誕生石。
もうひとつはなんだろ? 不思議な宝石……。
- 37 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:31:23.31 ID:kX0HcZx20
- あずさ「これは……?」
P「ルビーと、ペリドットです」
あずさ「ペリドット?」
P「花言葉と同じように、宝石言葉っていうのがあって」
P「『運命の絆』……だそうです」
あずさ「運命の……」
P「俺のほうも、お揃いでこれを……」
あずさ「タイピン……ですか?」
P「小さいけど、ここにルビーとペリドットを埋め込んであるんです」
あずさ「ほんとだ……」
あずさ「私とプロデューサーさんで、お揃い……」
P「運命の絆なんて、大げさですけどね」
P「あずささんがどこにいても……きっと、すぐに見つけることができますよ」
あずさ「あ……」
あずさ「はい……/// すごく、嬉しいです」
P「はは……喜んでもらえてよかった」
あずさ「大切に……いつも身につけておきます」
P「ええ。俺のほうも」
あずさ「だから……私がどこにいても、きっとすぐに見つけてくださいね?」
P「必ず。俺の運命の人ですから」
あずさ「はい……!」
まだ始まったばかりだけど、22歳最初の日は、生まれてから一番幸せな日です。
あなたとともに迎えられて、心から……。
ありがとう。
- 38 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:33:27.33 ID:kX0HcZx20
- ───
──
─
P「だーかーらー! 迷子になるぐらいなら、俺が迎えに行くと」
あずさ「うぅ……ごめんなさい」
あずさ「で、でも……ちゃんとすぐに見つけてくれましたよね?」
P「ええ。どこにいたって、絶対に見つけますよ」
あずさ「で、ですよね!」
P「迷子にならないのがなによりなんですが」
あずさ「あ、はい……」
あずさ「だったら……手を」
P「ええ、もちろん」
あずさ「ふふっ」
ギュッ
P「このまま、少し歩きますか」
あずさ「はい♪」
私が道に迷わないように、その手を離さないでください。
私がついていけるように、あまり急がずに歩いてください。
ゆっくり、たまには寄り道しながら。
二人で、寄り添って。
一緒に歩いていきましょうね。
おわり
- 40 : ◆PQxO3wwU7c 2013/07/19(金) 00:37:06.69 ID:kX0HcZx20
- あずささん、誕生日おめでとう!
可愛い大人の女性はやっぱり素晴らしい
春香の学校とか遠すぎだろとは思ったけど、書き直すのがめんどくさかった
ごめんなさい
来月の真の誕生日はだいぶ先なので、次はたぶん他のキャラメインのを書きます
それじゃ、読んでくれてありがとう
- 43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/19(金) 03:44:26.10 ID:xsQ5pNzDO
- セーラー服あずささんはやはり高校生でも通じる若さがあるな乙
だがイメクラぽいとも思える妖艶な魅力があるんだよな - 44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/19(金) 08:32:17.66 ID:evwupJW3o
- 乙
あずささんだったら、春香の高校ぐらいの距離なら余裕であらあら
- 45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/19(金) 09:09:38.91 ID:R2l2pM2F0
- 乙
あずささん誕生日おめ!

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