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勇者「う…嘘だろ…お前が…魔王だったなんて…」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:16:28.09 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「この体、可愛いでしょ?私のお気に入りの体なんだよね」
魔王「あはは、さっきまで殺す気まんまんだったのにどうしたの?怖気づいた?」
勇者「の……だ…で……」
魔王「うん?聞こえないわよ、ちゃんと言ってよ」
勇者「その体で遊ぶなァァァ!!!」
魔王「ふふっ…恋人の体を使われて不服なのは分かるけど今のこの体の所有者は私なの。だから何しようが私の勝手」
魔王「どう?殺された恋人の為に必死に修行して、最後はその恋人に殺されるなんて…」
魔王「すごくロマンチックじゃない?」
勇者「貴様みたいな奴がッ!使っていい体じゃないッ!!」
魔王「ふ~ん…勇者、恋人さんとキスすらした事ないんでしょ?」
勇者「な…何を…言ってる…」
魔王「私だったら…好きなだけしてあげてもいいわよ…?」
魔王「私の下僕になるなら、ね」
魔王「正直あなたみたいに強い男なら、次期魔王も任せそうだわ」
勇者「だ…誰がお前なんかのッ!!」
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:22:09.20 ID:FeiXQrEr0
- 勇者(くそ…このままじゃコイツのペースに飲み込まれる…)
勇者「一気にカタをつける…!!!」
魔王「いいの?そんな事したらこの子の体に傷がつくわよ?」
勇者「一度死んだ人間だ!迷いはない!」
勇者「その方が彼女も…喜ぶ……」
勇者「……」ギュッ
勇者「これで終わりだッッ!!魔王ッッッ!!!」
魔王「……流石ね…迷いももうないんだ…」
勇者「当たり前だッ!!」
魔王「いいわよ、かかってきなさい、勇者」
勇者「うおらああああああああああああああッッ!!」
ド バ コ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ッ ン - 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:27:58.49 ID:FeiXQrEr0
- 勇者「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
勇者「………」
勇者「終わった……終わったよ……」
勇者「ちゃんと俺が…君を救ってあげたからね……」
モワモワモワモモワモワ
魔王「……ぅ…ぁ…ぁ…」ピクピク
勇者「……」スタスタスタ
魔王「や……やめて……ゆ…うしゃ…おねがい……」
勇者「……」チャキンッ
魔王「あ…あぁ……やめて……おねがい…おねがいだから……」
勇者「これで本当のおしまいだ…魔王…」サッ
魔王「………」
魔王「まおうを…たおしたら…けっこんしようって……いってくれたよね……」
勇者「……ッ!?」 - 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:36:04.23 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「…どこか…しずかな…むらで…ふたりだけでくらそうって……」
勇者「……っ」ピタッ
魔王「あのときね……わたし……うれしかった……」
魔王「ちゃんと…ゆうしゃは…わたしのことも……かんがえてくれてたんだって……」
勇者「……」
魔王「ごめんね…ゆうしゃ……わたしね…もうながくもたないんだ…」
魔王「うまれかわったら、また…あなたと…あいたい……」
勇者「村娘……村娘…なのか……?」
勇者「ま…待ってろッ!! 今すぐ回復魔法を…!!」
魔王「私を…助けてくれるの…?」
勇者「あぁ!もちろんだ!」
勇者「帰ったら…帰ったらすぐにでも結婚式をあげよう……」
勇者「それで…それで…」
魔王「ふふっ… いっぱいいっぱい子供をつくろうね…」
勇者「…ああ!…ああ!」 - 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:37:27.70 ID:bsxyT8+H0
- これは…
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:40:47.16 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「あのね…勇者…分かるんだ…」
勇者「な…何が…」
魔王「勇者の魔法は聖なる魔法なの…だから…私の体が崩れてくだけ…」
勇者「……で…でも…!!」
魔王「だかね…ほんのちょっと…ほんのちょっとだけ魔力を分けてほしいの…」
勇者「そ…それでいいのか…?それで助かるのか?」
魔王「うん…間違いないと思う……」
勇者「どうすればいい…? どうすれば…お前に魔力が…」
魔王「まずね……私を抱きしめて…」
勇者「ああ…抱きしめるとも…抱きしめるとも……」
ギュウウッ
魔王「ふふっ…勇者の体暖かい……」
勇者「そ…その次は…その次はどうすればいい……」
魔王「うん……次はね……」
魔王「ちょっと寝ててね、勇者」
勇者「ッ!?」 - 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:46:45.46 ID:FeiXQrEr0
- 勇者「……く……う……」
魔王「あ…やっと起きた、勇者って魔法耐性、案外低いのね」
魔王「鍛えてるのは体だけって事か、なぁんだ、たいした事ないじゃないっ」
勇者「村娘ッ!! 村娘はどこだッ!! どこへやった、魔王ッ!!」
魔王「ふふ、馬鹿じゃない?そんな子、もう居るわけないじゃない」
勇者「じゃ…じゃあ…さっきのは……」
魔王「ふふっ ちょっとだけ記憶を貸してもらったのよ」
魔王「こんなにころっと騙されると思わなかったわ、もう未練はないんじゃなかったの?」
勇者「……ッ!!」
勇者「こ…殺せ! こんな羞恥をうけるくらいならッ!俺はッ!」
魔王「嫌に決まってるじゃない」
魔王「記憶を共有してるって事は…その分あなたの事が好きになるって事なのよ?」
魔王「今私は…あなたの事が何度も何度も何度も何度も何度も殺したいくらい」
魔王「だいすきなの」
魔王「だから、私のモノになってね、勇者」 - 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 04:53:30.77 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「もう古い記憶はいらないでしょ?勇者」
魔王「ずっとずっとずっと愛しあうには、私を憎む気持ちなんていらないよね?」
勇者「やめろ…!!俺の記憶は…!!お前なんかが弄って良い物じゃない!!」
勇者「何度も辛い思いもした、だがその分何度も成長した!」
勇者「そんな記憶をお前なんかにッ!!」
魔王「ふぅぅん、じゃあ今あなたは何歳でしょうか」
勇者「ッ!!そ…そんなのッ!!」
魔王「ふふ…思い出せないでしょ?」
魔王「好きな食べ物は?」
勇者「ッッッ!!!」
魔王「新しい記憶を植え付けるためには、今までの記憶なんて全部いらないよね」
魔王「後少し、後少しであなたの大好きな人も 私という人格をもったこの子になるわ」
勇者「そんなの嘘だっ!!」
魔王「嘘じゃないわよ、第一そんな嘘とついても私には何のメリットにもならないもの」
勇者「……ッ!!」 - 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:00:47.55 ID:FeiXQrEr0
- 勇者「う…く……ううう!!」グググググ
魔王「無駄よ、その手枷、足枷はあなたじゃ壊せないわ」
魔王「魔法じゃないと壊せないの、あなた、魔法の抵抗もなければ魔法も苦手でしょ?」
魔王「今までいきてこれたのは、この女神のお守りのおかげ、でしょ?」
勇者「くッ……!!」
魔王「迷惑をかけたくないからって他の人間を仲間に加えなかったのが仇となったわね」
魔王「今ここに魔法使いがいれば、私はとっくにやられてるのにね」ニヤニヤ
勇者「ッッッ!!!」
魔王「もうっ…そんな怖い顔しないでよ、勇者」
魔王「大丈夫だよ、心配ないよ よしよし、よしよし」ナデナデ
魔王「昔もこうして勇者が辛い時は慰めてあげたっけ… ね?」
勇者「そ…それは…お前じゃない!」
魔王「私だよ?この子の記憶が私の一部であれば、魔王の記憶もこの子の記憶の一部でしかないの」
魔王「分かるよね?勇者」
勇者「…ち…ちがう……お…お前は……お前は……」 - 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:09:52.48 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「ねえ、そんな風に現実逃避して楽しい?勇者」
勇者「……」
魔王「現実を見て、今の私を見て、お願い、勇者」
勇者「い…いやだ…ちがう…ちがうんだ…お…おまえは…お前は…」
魔王「怖いんだね…勇者…」
ギュウッ
魔王「ほら、私の胸暖かいでしょ?」
魔王「一杯一杯泣いていいからね、勇者…」
魔王「今まで辛かったでしょ?何度も死にそうになって、その度に我慢して」
魔王「それでも国が与えるのは、わずかな食料と、軍資金 何度も何度もあきらめそうになったよね?」
魔王「私、知ってるよ?でも…勇者は…ようやくたどり着いたんだよね、ゴールまで…」
魔王「じゃあご褒美あげないと…今まで辛かったでしょ? だからその分の…ご褒美…」
魔王「私が一杯一杯慰めてあげるからね、勇者」
勇者「………」ポロポロ
魔王「うん、一杯泣いていいんだよ?勇者」 - 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:16:01.40 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「さ、今までの記憶にバイバイしようか、勇者」
魔王「みんなみんなみんな、もうどうでもいいもんね」
魔王「私にはあなただけがいればいいように、あなたにも私だけいればそれでいい…」
勇者「……」
勇者「ぁっ…ぁぁ……」
魔王「…よしよし、よしよし もうはなさないからね、勇者」ナデナデ
勇者「ぁ…ぁぁ…ぁぁ……」
魔王「じゃ、新しい記憶にこんにちわしようか、勇者」
勇者「……」
勇者「怖い……俺…怖い……」
魔王「大丈夫、私が居てあげるから、だから何の心配もないよ」
勇者「……ありがとう……」
魔王「うん…じゃあキスしよっか、これで、おしまいだよ」
勇者「…あぁ……ちゅっ……」
魔王「んむっ……」 - 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:24:05.94 ID:FeiXQrEr0
- 国王「ははは、勇者が魔王を倒してから、もう1月がたつ」
国王「こんなにこの国が平和なのも…勇者のおかげという事だな…」
姫「お父様、私、勇者様と暮らす日々が待ち遠しいです」
国王「そうだな、お前は幼い頃から勇者に恋い焦がれていたからな…」
国王「勇者がこの国に居ない間にあの娘を殺して…正解だったのかもしれないな…少し可哀想な気もするが…」
姫「この国の未来を考えれば、邪魔な存在でした……むしろ居なくなって清々します……」
国王「そうだな…それでもよい…それでもよいのだ…」
兵士「お…王様!」
国王「どうした、そんなに慌てて」
兵士「北の方角から騎士が!黒い鎧を着た騎士がやってまいりました!!」
国王「? 騎士とな? どこの国の者だ…」
兵士「そ…それが…分かりません!国の中央で暴れているのです!
兵士「我が国の兵士ではまったく歯がたちません!」
兵士「ここにくるのも…時間の問題かと……」
国王「な…なんと……」 - 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:29:49.54 ID:FeiXQrEr0
- ド グ ォ ン
国王「な…なんだ…! 今の音は!」
兵士「恐らく…もうすぐそこまで着ているのでしょう……」
兵士「で…ですがご安心ください!私の命に掛けても王様と姫はお守りします!」
国王「お…おお…心強い…頼んだぞ…!」
兵士「もちろんでございます!」
ド バ ァ ァ ァ ン
騎士「……フゥ……ハァァァァァ……」
国王「こ…こやつが…!」
兵士「は…はなれていてください!王様、姫!」
姫「あ…勇者様…!勇者様ではありませんか!」
姫「よかった…よくぞご無事で…!!」
兵士「ひ…姫! おはなれください!」
騎士「……ハァァァァ……」
姫「何を言うのですか!勇者さんではありませんか!失礼な!」 - 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 05:51:19.42 ID:FeiXQrEr0
- 姫「あぁ、勇者様…ご無沙汰しております…よくぞ、戻られました…」
姫「さぁ…今すぐ結婚の儀式を…」
騎士「…オマエラ…ナノカ……カノジョヲコロシタノハ……」
兵士「ひ…姫様…!」
姫「勇者様…何のことでしょうか、話が見えてきません…」
騎士「……ソレハ…オボエルカチスラナカッタ…トイウコトカ…?」
姫「…?彼女…?…ああっ!あの女の事でしたか勇者様…」
姫「はい、確かにあの女をころしたのは私です…でも、勇者様にはあんな女、似合いません…」
姫「いつも勇者様に媚びるしか能がなく、たいして才能もなくベタベタと…」
姫「あんな品の無い女につきまとわれても勇者様にとって害悪でしかありません」
姫「ですから、私の独断で…ッ!?」
ブシャァァァァァ
騎士(この程度だったのか…俺が信じていたものは…)
騎士(こんなちっぽけでばかばかしい物だったのか…俺は…俺は…) - 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 06:01:08.39 ID:FeiXQrEr0
- 魔王「お疲れ様、どうだった?」
騎士「………」
魔王「そっか…辛かったんだね…おいで…」
騎士「……オレガ……」
魔王「うん?なぁに?聞いてあげるからね、よしよし…」
騎士「……オレガアイシテルハ…オマエダケダ…」
騎士「ズット…ズット…オレト…コ…ここで……」
魔王「うん、分かってる。ずっとずっと愛してあげるからね…」
魔王「私だけの騎士さん…」
おしまい - 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 06:03:36.74 ID:ea5D38IqO
- 乙
短い割に面白かった
こういうシチュが好きなせいでもあるけど - 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/07/27(土) 06:03:44.19 ID:FeiXQrEr0
- たまには俺もファンタジーがかきたいんや
たまには俺もエロなしでかきたいんや
ここまで付き合ってくれた人、ありがとう!
解散!

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