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真「ボクだって合法です!」
- 1 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:38:21.77 ID:0OcaSI+K0
- 一同「「「真/真ちゃん/真クン/まこちん」」」
一同「「「お誕生日おめでとう!」」」
真「みんな、ありがとう!」
春香「ケーキですよ、ケーキ!」
真「わぁ、すっごいや! 可愛くて食べるのがもったいないぐらいだね」
やよい「春香さんと雪歩さんと私で作りました!」
雪歩「えへへ、喜んでもらえたなら嬉しいな」
真「うん。三人ともありがとう!」
- 2 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:42:21.55 ID:0OcaSI+K0
- 亜美「よし、コヨイはブレーカーだ!」
小鳥「無礼講よ、亜美ちゃん」
真美「朝まで飲んで食べて騒ごうぜ!」
律子「ダメに決まってるでしょ」
あみまみ「「ノリ悪いよー!」」
真「あはは……あ、プロデューサー!」
P「おう、18歳の誕生日おめでとう、真」
真「ありがとうございます! 18歳って、全然実感ないですけど」
真「ボクって、ちゃんと大人になれてるのかな、って……」
P「そうか? 真はみんなのいいお姉さんになってくれてるよ」
真「お、お姉さんですか? お姉さん……へへっ///」
真「あの、プロデューサー……」
P「ん?」
真「ボク、18歳になったら……」
P「なんだ?」
真「うぁ……あの……///」
美希「あー! 真クン、誕生日だからって抜け駆けはズルイの!」
真「み、美希!? 別に抜け駆けなんてしてないよ!」
美希「信用ならないの! ほら、二人ともこっち来て!」
P「ははは、わかったわかった」
真「うぅ、もう……」
しょうがないなぁ、明日でいいか。
18歳になったら、絶対に言おうって決めてたからね。
ボクの気持ちを、プロデューサーに……。
- 3 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:44:10.56 ID:0OcaSI+K0
- ── 翌朝 765プロ事務所 ──
18歳かぁ……お酒はまだダメだけど、ボクももう大人なのかな。
可愛い女の子には……ちょっとなれなかったかもしれないけど。
でもいいんだ! これからは素敵な大人の女性を目指すんだから!
プロデューサーも、ボクのことみんなのいいお姉さん、って……。
ちゃんと、女の子? ううん、女の人? として見てくれてるってことだよね。
うはっ/// 照れちゃうなぁ///
ガチャ
真「おはようございます!」
あれ? 誰もいないのかな?
鍵が空いてたから、プロデューサーか小鳥さんはいるはずだけど。
P「zzz……」
あ、プロデューサー……机で寝ちゃってる。
どうしよう? 起こしたほうがいいのかな?
起こして……。
今なら誰もいないし、昨日言えなかったことを……。
だ、ダメダメ! プロデューサー疲れてるんだから。
こんなときぐらい、少しでも休んでもらわないと。
- 4 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:45:33.90 ID:0OcaSI+K0
- 真「大変ですよね。9人もアイドルを支えて……」
真「それなのに、ボクたちには少しも辛そうな素振りなんて見せないで……」
真「ボクがもうちょっと大人だったら、少しは頼ってくれましたか?」
真「……」
P「zzz……」
真「へへっ、油断しすぎです」
真「いたずらしちゃいますよ~?」
P「ん……zzz……」
真「嘘です……そんなことしません」
真「いつもありがとうございます、プロデューサー」
P「zzz……」
真「……」
真「ボクは、プロデューサーのこと……」
ううん、こんなの違う。
今言ったって、気持ちを伝えたつもりになって、それで自己満足するだけだ。
ちゃんと伝えなきゃ。
大切なことなんだから……。
- 5 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:48:31.24 ID:0OcaSI+K0
- ふぅ……なにか飲もうかな。
お茶は……ボクが淹れると渋くなるんだよなぁ。
雪歩はなんであんなに美味しく淹れられるんだろ?
とりあえずコーヒーでいいか。
あ、だったらプロデューサーの分も淹れよう。
少しは女らしいところもアピールしないとね。へへっ。
真「え~と、コーヒーコーヒーと……あった」
真「わぁ~、いい香りだなぁ」
粗挽き? ああ、なんか聞いたことあるかも。
でも、こんなのお湯に溶けるのかな?
前に律子が淹れてたのとは、全然違う気がするけど……。
ま、いっか。なんでもやってみないとね!
眠気覚ましには濃いほうがいいだろうから……よし、いっぱい入れよう!
ザザー
真「お湯を注いで……」
ジャー
真「かき混ぜれば……」
シャカシャカ
真「……」
シャカシャカシャカシャカ…
真「あれ? 溶けないぞ?」
- 6 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:50:33.26 ID:0OcaSI+K0
- おかしいなぁ。
コーヒーっぽい色にはなってるのに、なんで具入りみたいになってるんだろ?
粗挽きっていうぐらいだから溶けにくいのかな?
よし、すりつぶそう!
そうすれば溶けやすくなるよね!
ゴリゴリ…
ゴリゴリゴリゴリ…
うん、だいぶ粉っぽくなった。
さっきより少なめにして、お湯を注げば……。
ジャー
これなら溶け……てるの、これ?
なんだか、すごくドロドロで毒々しい液体だなぁ。
僕の知ってるコーヒーとは違う気がするけど……。
で、でも、これなら眠気なんて一発で覚めるよね!
それじゃ、ボクの分も淹れて……。
<ガチャ
<オハヨウゴザイマス…オヤ?
誰か来た? あ、貴音か。
あ~あ、事務所じゃなかなか二人っきりってわけにはいかないかぁ。
でも、ちょうどいいや。
コーヒー冷めちゃったら美味しくないし、そろそろプロデューサーを起こそう。
- 7 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:53:12.74 ID:0OcaSI+K0
- 貴音「あなた様。そのような姿勢では、休んでも疲れが取れませんよ」
P「zzz……」
貴音「ふむ……では」
貴音、なにしてるんだろ?
プロデューサーに……え!? 後ろから抱きついた!?
貴音「体を起こして……えいっ!」
グイッ
こ、これは!?
貴音が後ろから支えて……。
ポフッ
プロデューサーの頭が90に! 90に埋もれて!
貴音「ふふっ、貴音枕です」
真「!?」
貴音「む! 何奴!?」
真「」ビクッ
貴音「……」
真「……」
P「ぅ……zzz……」
貴音「……わたくしとしたことが、気のせいでしたか」
- 8 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/28(水) 23:57:24.16 ID:0OcaSI+K0
- ボク、いま声出してないよね?
思わず隠れちゃったけど……気配で他人がわかる人なんて初めて見た……。
すごいなぁ……どうすればそんな達人みたいなことができるんだろ?
今度教えてもらおうかな……。
じゃなくて!
貴音「日頃から、このように素直に休んでくれればいいのですが……」
貴音「起きているときは、なにを言っても聞き流してばかりで……」
P「ん……zzz……」
貴音「今だけは……ゆっくりお休みください」
貴音……。
貴音「わたくしの胸の中で……」
ぐっ……!
なんだろう、この敗北感は。
ボクが同じことをしたら……。
ペタペタ
ちくしょう……。
- 9 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:00:23.16 ID:inbDNLsx0
- 真「……」
貴音「さて……そろそろ姿を見せたらどうですか?」チラッ
真「ひっ!?」
貴音「やはりあなたでしたか、真」
真「あ、あはは……おはよう」
貴音「おはようございます。ふふふ……」
真「……」
貴音「どうかしましたか?」
真「い、いや! なんでも!」
貴音「ふふっ、おかしなこと」
真「あはは……」
貴音「……」
真「……」
貴音「今見たこと……他言無用ですよ?」ニコッ
真「う、うん! 絶対に誰にも言わないよ!」
貴音「よい心がけです」ニコニコ
真「どういたしまして……」
貴音「ふふふ……」
真「……」ゾクッ
765プロの仲間が、初めて怖いと思いました……。
- 10 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:02:40.88 ID:inbDNLsx0
- P「ん……くぁ……!」
ムクッ
真「あ、プロデューサー起きましたか?」
P「ん……おお」
P「真と貴音か、おはよう」
真「おはようございます!」
貴音「おはようございます、あなた様」
P「あ~……寝ちゃってたか」
真「もう少し休んでたほうがいいんじゃないですか? ボクが起こしますよ」
P「いや、朝のうちにやっておくことがあるんでな」
真「そうですか……」
P「時間になったら現場に送るから、二人ともそれまで適当にくつろいでいてくれ」
真「はい」
貴音「かしこまりました」
- 11 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:04:56.15 ID:inbDNLsx0
- 貴音「おや? あなた様、おぐしが……」
P「ん? 寝ぐせか?」
貴音「はい。こちらが……」
サッ…サッ…
P「お、おい。いいよ、自分でやるから」
貴音「遠慮なさらず」
P「遠慮っていうか……」
真「……」
貴音にこんなことされたら、男の人はたまらないだろうなぁ……。
ボクが同じことをやったって……女の子ぐらいしか喜んでくれないよね。
それにしたって……。
プロデューサー、デレデレしすぎです!
もう……!
P「も、もういいから。ありがとな貴音」
貴音「礼には及びません」
- 12 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:07:10.96 ID:inbDNLsx0
- 貴音も、やっぱりプロデューサーのこと……なのかな?
美人だし、あずささんと同じぐらい……すごいし。
ボクなんて、なにひとつ勝てないよな……。
でも、ボクとひとつしか違わないのに大人だと思ってたけど……。
貴音枕とか……あはは。
ちょっと可愛いかも。
貴音「……」ジー
真「!?」
貴音「忘れさせて……あげましょうか?」
真「うん、忘れた! いえ、なにも見てません!」
貴音「ふむ……」ジー
真「……」ゴクッ
貴音「まあ、それはいずれ……」
真「えぇ!?」
P「なんの話だ?」
貴音「なんでもありませんよ。ふふっ」
真「あは、は……」
貴音「では、わたくしは向こうにいます」
P「おう」
真「はぁ……」
- 13 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:08:55.89 ID:inbDNLsx0
- P「ん~~~!さて、遅れを取り戻さないと……ん?」
真「ん?」
P「なんだか、コーヒー豆をぶちまけたみたいな匂いが……」
真「あ! ボク、コーヒー淹れたんです! よかったら」
P「え? 真が?」
真「むっ。どういう意味ですか?」
P「いやいや、せっかく真が淹れてくれたんだ。ありがたくいただくよ」
真「えっ、あ……はい、どうぞ」
P「いただきま……あ~、これは匂いだけで眠気が吹っ飛ぶな」
P「飲んだら意識も吹っ飛びそうだ……」
真「な、なにか変でしたか?」
P「コーヒー豆はな、お湯には溶けないんだよ」
真「え? でも、前に律子が……」
P「それはインスタントだな」
真「違うものなんですか!? ボク、そんなことも知らないで……」
P「まあ、よほど好きじゃないと、わざわざ豆から落とさないだろうからな」
真「……」
- 14 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:11:10.91 ID:inbDNLsx0
- P「できれば飲んでやりたいんだが……これはさすがに体に悪いな」
真「ごめんなさい……」シュン
なにやってんの、ボク……。
こんなの、女らしいとか以前の問題だよね……。
P「せっかく淹れてくれたのに、すまないな」
真「いえ、ボクが悪いんですから……」
P「今度一緒にコーヒーを淹れよう。やり方ぐらいは知ってるから」
真「え……?」
P「真なら、すぐに美味いコーヒーが淹れられるようになるよ」
真「ボクが……?」
P「ああ、真さえよければな」
真「は、はい! お願いします!」
失敗しちゃったのは恥ずかしいけど……怪我の功名っていうのかな?
プロデューサーと一緒に……へへっ、嬉しいな///
絶対に美味しいコーヒーを淹れられるようになりますからね!
今度こそ、プロデューサーに飲んでもらうんだから!
プロデューサーに……。
- 15 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:13:07.60 ID:inbDNLsx0
- よ、よし! 貴音は向こうに行ってるし、今なら二人きりで話せるはず。
とっくに覚悟は決まってるんだ。
あとはプロデューサーに伝えるだけ。
たぶん、ボクの望むような結果にはならないと思うけど……。
自分で決めたことだから!
ガチャ
小鳥「おはようございます」
P「おはようございます、音無さん」
伝えるだけなんだけどなぁ……。
小鳥「あら、真ちゃんと……貴音ちゃんも。今日はずいぶん早いのね」
真「はい、プロデュ……じゃなくて! 朝から収録なんです」
小鳥「みんな、もう売れっ子ねぇ」
真「ボクなんて、まだまだ……」
P「そんなことないぞ。最近は男性ファンもだいぶ増えたじゃないか」
真「そ、そうですね……へへっ」
小鳥「真ちゃん可愛いもの。当然ですよ」
真「かゎ……///」
P「たしかに、こういうところが真の可愛いところですね」
小鳥「ね~」
真「もう! からかわないでください!」
小鳥「うふふ♪」
P「はは」
真「もう……///」
- 16 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:15:11.84 ID:inbDNLsx0
- 小鳥「あ、私お茶淹れてきますね」
真「……」
P「お願いします」
小鳥「真ちゃんと……え~と、貴音ちゃ~ん」
貴音「なんでしょう?」
小鳥「お茶飲む?」
貴音「いただきます」
小鳥「お煎餅があったはずだから、お茶請けに出すわね」
貴音「なんと……!?」グゥ~
貴音「あ、いえ……お茶にはやはりお煎餅ですね」グゥ~
小鳥「あら、うふふ」
P「お~い貴音。アイドルなんだから、こっちまで聞こえるような腹の虫はダメだぞ」
貴音「あなた様、それはいけずです……」
小鳥「急いで用意するわね~」
小鳥さんか……。
意外となんでもできる人なんだよなぁ。
お料理だって上手だし。
ボクなんて、コーヒーひとつで失敗しちゃうぐらいなのに……。
たまに理解できないことを口走るけど……。
あの薄い変な本?のコレクションも、どうかと思うけど……。
美人だし優しいし、素敵な大人の女性だよね。
小鳥さんはプロデューサーのこと、どう思ってるんだろ?
プロデューサーは小鳥さんのこと……?
この二人は全然わからないよ……。
- 17 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:18:05.82 ID:inbDNLsx0
- 小鳥「はい、貴音ちゃん。お茶とお煎餅お待たせ」
貴音「まるでわたくしが急かしたようではないですか」グゥ~
小鳥「うふふ、体は正直よね~」
貴音「はて、なんのことか……いただきます」
小鳥「はい、プロデューサーさんと真ちゃんも」
P「お、ありがとうございます」
真「いただきます!」
小鳥「それじゃ私も……」
P「うん?」
小鳥「はい?」
P「俺と音無さんの湯呑が入れ替わってるんですけど?」
小鳥「え? あらら、いっけな~い。ウッカリシテタワー」
P「そうですか、うっかりですか……はい」
小鳥「は~い。こっちがプロデューサーさんのでしたね~」
P「まったく……なにか変なものは入ってないでしょうね?」
小鳥「え~? 私をなんだと思ってるんですか~?」
小鳥「それはちょっとひどいですよ~」
P「どの口が言うんだか……」
小鳥「えへへ」
なんか、無性に腹立つのはなんでだろ……。
……。
ううん、気のせいだよね!
この二人は、やっぱりよくわからないけど……。
こういう関係……ちょっとだけ羨ましいな。
- 18 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:20:24.28 ID:inbDNLsx0
- プロデューサー、忙しそうだな……。
全然話しかけられないや……。
今日こそは、って……思ってたのに。
ボク、なんでこんなに間が悪いんだろ……。
P「よし、終わり!」
真「!」
い、今だ!
で、でも、ここじゃ小鳥さんががいるから……。
真「ぷ、プロデューサー!」
P「なんだ、真?」
真「ちょっと顔を貸してください!」
P「えっ」
真「えっ」
小鳥「……」
真「あ、あぁ……」
P「な、なに? 俺シメられちゃうの?」
真「ち、ちがっ……!」
P「え?」
真「なんでもないです……」
トボトボ
ケンカ売ってどうするんだよ、ボク……。
まだなにも言えてないのに、こんなんじゃ嫌われちゃうよ……。
- 19 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:23:23.60 ID:inbDNLsx0
- ── 律子・あずさin ──
律子「あ、プロデューサー殿。昨日の企画書の件なんですが……」
P「ああ、どうだった?」
律子「スポンサーは好印象だったんですが、あちらのディレクターが……」
P「あの人はなぁ……」
また仕事の話かぁ。
プロデューサー、休んでる暇あるのかな。
P「今日、時間見て挨拶してくるよ」
律子「お願いします。あの企画はどうしても通したいですから」
P「わかってる。任せろ」
律子はすごいよなぁ。
ボクとふたつしか違わないのに、プロデューサーと対等に仕事できるんだもん。
プロデューサーだって、たぶん律子のこと一番信頼してるよね。
もしボクが律子より年上だったら……?
ボクが一番になれた?
ううん、そういうことじゃないって、わかってる……。
- 20 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:27:30.96 ID:inbDNLsx0
- あずさ「あら、どうしたの真ちゃん?」
真「いえ、なんでも……」
あずさ「?」
あずささんは……反則だよなぁ。
大人の女性としてほぼ完璧な人なのに、その上すごく可愛いなんてさ。
貴音とか律子ならあずささんにだって負けないだろうけど、ボクなんか……。
律子「あずささん、ちょっといいですか?」
あずさ「あ、は~い」ドタプーン
真「……」
歩いただけで……。
あ、足元が見えないのは危ないよね!
ボクなんて足元の視界バッチリだし、運動の邪魔にもならないし!
それに……小さいほうが可愛い服だって多いもんね!
春香とか雪歩のほうが、そういうの似合うけど……。
そのくせボクよりも……大きいってどういうこと?
で、でも、大きいと肩がこるっていうし。
大変そうだよね、肩こり。なったことないからわからないけど!
律子「ふぅ……」トントン
あずさ「律子さん、肩こりですか? 私も最近ひどくて……」
小鳥「辛いですよね~、肩こり」コキコキ
貴音「なるほど、この肩の違和感が……」
真「くっ……!」
心が折れそうだ……。
ここに美希が来たら、ボクはもうダメかもしれない……。
- 21 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:31:23.68 ID:inbDNLsx0
- あずさ「真ちゃん、真ちゃん!」
真「は、はい? なんですか、あずささん?」
あずさ「この雑誌で紹介されてるカフェって、このあいだ真ちゃんと雪歩ちゃんがロケで行ったお店よね?」
真「そうです! ここのケーキ、すごく美味しかったんですよ!」
あずさ「いいわねぇ、私も行ってみたいわ~」
真「じゃあ、今度みんなで行きますか?」
貴音「参りましょう、ぜひ」ズイッ
真「うわっ!?」
あずさ「あらあら~」
貴音「けぇき……なんと甘美なる誘惑……」
真「あはは……簡単に背後を取られると、ボク自信なくしそうだよ」
貴音「?」
真「プロデューサーと律子と小鳥さんも一緒にどうですか?」
P「う~ん……甘いものは嫌いじゃないけど、わざわざ食べに行くほどでもなぁ」
真「でも、ほんとに美味しいんですよ」
律子「私はパス」
真「えぇ? なんで?」
律子「……聞かないで」ボソッ
真「なに? 聞こえな……」
律子「聞かないで!」バンッ
真「は、はい! ごめんなさい……」
- 22 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:33:27.97 ID:inbDNLsx0
- 真「小鳥さんは?」
小鳥「私もスイーツは好きだけど……大人には大人の嗜みが、ね」
真「大人の?」
小鳥「というわけで、今夜にでもどうですか?」
あずさ「あら、うふふ。ちょうど大人組が揃ってますね」
小鳥「いうなれば……そう! 765プロ合法部!」
P「合法部って……」
律子「そんないかがわしい集団の一員なんて、思われたくないんですけど……」
小鳥「健全ですよ! 合法なんですから!」
律子「はいはい……」
P「まあ、あずささんと音無さんだけじゃ不安だから、つきあいますよ」
P「なあ、律子?」
律子「……」
小鳥「20歳以上は強制参加だから、抵抗しても無駄ですよ?」
律子「……」
あずさ「律子さんも、諦めが良くなりましたね~」
律子「……」
貴音「ふむ……まだお酒は飲めませんが、わたくしも興味がありますね」
小鳥「あら、貴音ちゃんも大人の世界を覗いちゃう?」
貴音「面妖な……」
18歳って、大人なのか子供なのかよくわからない年齢だよね。
20歳にならないと出来ないことのほうが多いし。
- 23 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:35:36.12 ID:inbDNLsx0
- そういえば、貴音はボクより誕生日が後だから、まだ18歳なんだ。
うん、立場は同じじゃないか。
だったらボクだって!
真「ぼ、ボクも!」
小鳥「え?」
真「ボクも参加したいな、って……」
P「真はダメだ」
真「ど、どうしてですか? 貴音だって……」
P「真はまだ高校生だろ」
真「あ……」
あずさ「そうね。もうちょっとだけ待ってから、一緒に行きましょうね?」
真「……」
わかるけど……。
貴音は大人で、ボクは子供?
真「ボクだって、もう子供じゃ……」
P「そんなことを言ってるようじゃ、まだ子供だ」
真「……!」
やっと……やっとプロデューサーと対等の立場になれたと思ったのに……。
高校を卒業したら、大人って認めてくれるんですか?
そこまで待っても、次は20歳じゃないから……?
20歳になったって、どうせ……。
どうせ、ボクのことなんてずっと子供扱いなんでしょ!?
- 24 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:37:43.59 ID:inbDNLsx0
- 真「ボクだって合法です!」
律子「は?」
あずさ「え?」
貴音「?」
小鳥「んなっ!?」
P「お、おう……」
真「あれ?」
律子「真……それはちょっと」
小鳥「はっ! 閃いた!」
律子「閃くな」
P「忘れろ」
小鳥「ぐぬっ……!」
真「あ、ああ……」
うあぁぁぁぁ……! なに言ってんのボク!?
人前でこんな自己主張する人、どこにいるのさ!?
あ、ここにいた……。
真「……」プルプル
P「お、おい……真?」
真「うわあぁぁぁぁん!!」
ダッタタタッ…
P「真!?」
- 25 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:39:21.18 ID:inbDNLsx0
- ── 児童公園 ブランコ ──
キィ……キィ……
みんなの前で、あんな……。
最悪だよ……。
もう事務所に戻りたくない……。
真「今日はもう休んじゃおうかな……」
P「それは……ゼェ……困るな……ハァ……」
真「ふわっ!? プロデューサー!?」
P「おう……スゥゥ……ハァァ……」
真「だ、大丈夫ですか?」
P「真のペースを追って走ったからな……死ぬかと思った」
真「そこまでして追ってこなければいいじゃないですか……」
P「そういうわけにはいかないだろ」
P「お、ブランコか、懐かしいな。よ……っと」
真「……」
- 26 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:41:25.66 ID:inbDNLsx0
- P「大人でも座れるものなんだな」
キィ……キィ……
真「ボクのことなんか放っておいてくださいよ」
P「放っておけるわけないだろ」
真「仕事があるからですか?」
P「は?」
真「そうですよね、どうせ……」
P「仕事があってもなくてもだ。俺はプロデューサーだぞ」
真「わかってますよ! プロデューサーはみんなのプロデューサーですからね!」
真「ボクのせいで、みんなに迷惑がかかるっていうんでしょ!?」
ギィ…ギィ…
P「みんなに迷惑をかけたいのか?」
真「そんなわけないでしょ!」
P「だったら、子供みたいに聞き分けのないことを言うんじゃない」
真「子供ですよ……ボクなんて!」
P「……」
なにが大人の女性だよ……!
18歳になったらなんて……勝手に思い込んでただけじゃないか。
バカみたいだ……。
- 27 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:42:40.86 ID:inbDNLsx0
- 真「うっ……ひぐっ……」グスッ
真「うぁ……うぅ……」ポロポロ
P「……」
真「み……見ないで、ください……」ポロポロ
P「見てないよ」
真「ひぐっ……ほんと、ですか……?」ポロポロ
P「ほんとに」
真「……」チラッ
P「……」
真「見てるじゃないですか……」
P「のヮの」
真「……怒りますよ?」
P「似てなかったか……」
真「似せようとしてたんですか!?」
P「春香には内緒な?」
真「できればボクも忘れたいぐらいです……」
P「そこまで言わなくても……」
真「……」
P「……」
真「バカ……」
P「ん?」
- 28 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:44:30.06 ID:inbDNLsx0
- 真「プロデューサーのせいで、泣いてるのがバカバカしくなりました」
P「そっか、俺のせいか」
真「仕事の前に、もうちょっと発散しておきたかったんですけどね」
P「できれば、そうさせてやりたいんだけどな」
真「もう時間ないですよね?」
P「そうだな。少し急がないと」
真「走りますか?」
P「やめてくれ。今度こそ倒れる」
真「もう、だらしないですよ! 今度ボクと一緒に走り込みして鍛えましょうね」
P「ああ、今度な。そのあと一緒にコーヒーでも淹れるか?」
真「え? あ……はい///」
真「へへっ、約束ですからね!」
P「おう、約束だ」
真「えへへ……///」
ボクって単純だなぁ……って自分でも思うけど。
でも、いいや。
嬉しいことを嬉しいって思えるほうが幸せだもんね!
- 29 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:46:28.43 ID:inbDNLsx0
- P「歩きながら……少し話すか」
真「はい……あの」
P「なんだ?」
真「ボク、どうしてもプロデューサーに話したいことがあって……」
真「昨日から、なかなか言い出せなかったんですけど……」
P「……」
真「18歳になったら、きっと言おうって決めてたんです!」
P「18歳になったらか」
真「はい! ボクは……」
P「その前に俺からいいか?」
真「え? ええ!?」
ま、また言えないの!?
プロデューサーと二人っきりなんて、今しかないのに……・
P「俺もな、真が18歳になったら言おうと思ってたことがある」
真「へ?」
プロデューサーも? ボクが18歳になったら?
このタイミングでなんて……ええ!? まさか!?
- 30 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:48:15.36 ID:inbDNLsx0
- ど、ドキドキがやばい……。
顔に出てない……わけないよ! 絶対真っ赤だよ、ボク!
どうしよう……こ、こここ、こ告白されちゃったら……。
P「ほんとはな、昨日の誕生日までに真をトップアイドルにするつもりだったんだ」
真「とっ……え?」
P「そうできなかったのは、俺の力不足だ」
真「い、いえ、そんなこと……」
あ……ああ、なんだ。結局仕事の話か。
そうですよね! あのプロデューサーですからね!
別に期待してたわけじゃ……ありますよ! まったくもう!
鈍感! 朴念仁!
- 31 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:50:34.37 ID:inbDNLsx0
- 「トップアイドルに育てることが、俺なりのけじめだったんだ」
真「けじめ?」
P「真に告白するためのな」
真「はあ、告白ですか…………告白ぅ!?」
P「驚きすぎだろ」
真「だ、だって……告白って?」
P「言ったぞ。たぶん真が考えてる通りの意味でな」
真「そ、そんな急に……///」
真「……って、あれ?」
P「どうした?」
真「するつもりだったってことは……?」
P「ああ、保留だ」
真「ええぇぇぇ!?」
P「少し落ち着け」
真「だって!」
少女漫画だったら、今まさにクライマックスですよ?
さあ、いよいよ次回! ってところで長期休載やられた気分ですよ!
いくらなんでも、乙女心をわかってなさすぎです!
- 32 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:51:49.93 ID:inbDNLsx0
- P「こればっかりはな。最低限のけじめとして決めてたことだ」
真「それならボクだって……」
真「18歳になったからって、大人になれたわけじゃないですけど……」
P「……」
真「でも、それがひとつのけじめだから、絶対に言おうって決めてたんです!」
P「ダメだ」
真「どうして!?」
P「その先を言って……アイドルを続けられるか?」
真「それは……!」
たぶん無理……。
プロデューサーの気持ちを……はっきりとじゃないけど知っちゃったから。
ボクはそんなに器用に、プライベートとアイドルを分けて振る舞えない。
それは自分でもわかってる。
P「少なくとも、俺は真のプロデューサーを続けられないな」
真「え……?」
なんで……そんなこと言うんですか?
イヤですよ、そんなの……。
絶対イヤです!
- 33 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:53:06.33 ID:inbDNLsx0
- P「真が可愛いくて、俺のほうが我慢できそうにない」
真「そんな言い方…………え?」
P「ん?」
真「……」
P「……」
真「……///」
P「どうした?」
真「……ズルいです///」
P「なにが?」
真「そういうのにボクが弱いと思って……///」
P「心外だな。正直に話したのに」
真「そんなこと言ってもごまかされませんからね///」
P「うん、やっぱり真は可愛いなぁ」
真「ぅぁ……///」
P「ん?」
真「プロデューサーのイジワル!///」
P「ははは」
- 34 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:54:59.35 ID:inbDNLsx0
- P「少し急ぎすぎたな」
真「え?」
P「あと一年待ってくれるか?」
真「あと一年? 次の誕生日ですか?」
P「ああ、それまでに真をトップアイドルにして……」
P「今度こそちゃんと告白するよ」
真「……」
P「ダメか?」
真「ボクの告白も、今度は聞いてくれますか?」
P「もちろん」
真「それ以上は待てないですよ?」
P「そこまで甲斐性無しじゃないよ」
真「ボクをほったらかして、他の娘となんて……」
P「ないない」
真「え~と、え~と、それから……」
P「まだあるのか?」
真「あ、そうだ!」
P「なんだ?」
真「ボクのこと、まこりんって呼んでください!」
P「ごめん、それは無理」
真「なんでですかー!」
───
──
─
- 35 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:57:03.74 ID:inbDNLsx0
- ── 一年後 8月29日 ──
真「プロデューサー!」
P「おう、パーティーもそろそろお開きかな」
真「そうですね、もう遅いし」
P「律子と手分けしてみんなを送らないとな……」
真「その前に、なにか忘れてません?」
P「?」
真「もう! ボク、さっきから待ってたのに!」
P「わかってるよ。忘れてません」
真「だったら……」
真「この一年で、ちゃんとトップアイドルになったんですからね」
P「うん」
真「もう言い訳は聞きませんよ?」
P「しないよ、そんなこと」
真「今からボクのことはまこりんで!」
P「はいはい、まこりんまこりん」
真「愛がない!」
P「それは誤解だ」
真「へへっ、わかってますよ」
- 37 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 00:58:40.98 ID:inbDNLsx0
- P「よし! せっかくだから、みんなの前で発表するか」
真「はい! ……はい!?」
P「コソコソするよりはいいだろ?」
真「それはそうですけど……」
P「けど?」
真「もう、わかりましたよ!」
P「うん。じゃあみんなを……」
真「その前に」
P「ん?」
真「一年も待ったんだから、今日はボクのほうが先に言います」
ボクはプロデューサーが大好きです!
これからも、ずっと!
おわり
- 38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/29(木) 00:59:43.57 ID:n4x1QaLJo
- まこりん可愛いわ
乙乙! - 40 : ◆PQxO3wwU7c 2013/08/29(木) 01:01:39.30 ID:inbDNLsx0
- 真は元の髪型のほうが可愛かったと思うんだ……
もちろん今の真も可愛いですよ! 誕生日おめでとう!
次はいよいよピヨちゃんの誕生日か
それじゃ、読んでくれてありがとう
- 41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/29(木) 01:39:11.43 ID:CQg+w0H9o
- おつん!
誕生日おめでとうまこりん - 42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/08/29(木) 01:43:50.87 ID:pJCxjGlAO
- 乙
まこりん誕生日おめでとー!!

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