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小鳥「はじめての……ちゅっ」
- 1 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/08(日) 23:15:46.93 ID:vLoNS2X80
- 今日は何日だっけ? 9月8日。
私の誕生日は? 9月9日。
そう、明日。
ていうか、16進法だったらまだ10代だし?
全然焦る必要ないみたいな?
小鳥「……」
この期に及んで現実逃避かよ!
1E歳です。なんて言っても微妙な顔されるだけだよ!
残りは……あと3時間ぐらい。
今日、なにしてたっけ?
2X年間、なにしてたっけ……。
- 2 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:17:27.81 ID:vLoNS2X80
- 私と同世代の友達なんて、みんな彼氏がいたり、旦那や子供がいたり……。
せっかくの休日に、辛気臭い喪女なんか誰も構っちゃくれない。
職場の同僚は、みんな平日も休日も無く大忙し。
忙しさは人気のバロメーターだから、アイドル事務所としては喜ばしいことだけど。
労基の限界に挑戦っていうか、とっくに突破してるわよね。
特にプロデューサーさん。
アイドル9人のプロデュース兼マネージメントとか正気じゃないですよ。
今日は、さすがにもうお仕事は終わったかな。
もともと不定期で少なかった休日が、最近はあるのかないのかわからないぐらい。
結果を出してるから、仕事は充実しているのかもしれないけど……。
倒れたりしないか心配してる人だっているんですからね?
誰とは言いませんけど!
- 4 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:18:53.83 ID:vLoNS2X80
- 一緒にお休みを取れるような仕事だったら、こんな日は二人でとか……。
なんてね。休みが別々なのを言い訳にしてるだけよね。
お昼とか、お酒だって何度もご一緒してるんだし。
あと一歩を踏み出す勇気がないだけ……。
でも……彼がどう思ってるかなんて、私にはわからないもの。
この歳で、しかも職場の同僚相手に玉砕なんてした日には……。
ま、おかげでこのザマですけどね。
彼氏いない歴、Ξ○thアニバーサリーとか……ははは。
10年前の自分に教えてあげたら、助走付きで殴られそうね。
あはは…………。
おっと、いけないいけない。
今日はまだ2X年と364日だったわ。
364日と21時間30分。
まだ2時間半もある! 余裕余裕!
- 5 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:21:02.17 ID:vLoNS2X80
- ♪~~
電話? ……って、プロデューサーさん!?
ちょっ、えっ? マジ?
あわわ……私いま半裸ですよ、半裸!
いくら自宅だからって、これは乙女としてありえないっての。
とにかくなにか着て……いや、落ち着け!
これは電話だ。
半裸だろうがコスプレだろうが、バレなければ問題ない。
今すべきは、急いで電話に出ることではないか?
よし! 理解した。
それじゃ出ますよ? 出ちゃいますよ?
- 6 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:23:31.61 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「も、もしもし」
P『あ、音無さんですか? お休みのところすいません』
小鳥「いえいえ! プロデューサーさんこそ、今日はお仕事は?」
P『さっき終わって、いま事務所を出るところです』
小鳥「こんな遅くまで……お疲れ様です」
P『音無さんに労ってもらうと、頑張って仕事した甲斐があります』
小鳥「え? な、なに言ってるんですか、もう……///」
P『ははは……それでですね』
小鳥「は、はい」
P『今から会えませんか?』
小鳥「そうですね、特に用事は……って、ええ!?」
P『?』
小鳥「今から会うというのは……その?」
P『そのままです。会って話したいな、と』
- 7 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:25:29.58 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「……」
P『どうしました? もし都合が悪いようなら……』
小鳥「い、いえ! さっきまで半裸でグダってただけですから!」
P『は?』
小鳥「なんでもないです! ど、どこかで待ち合わせを?」
P『ちょっと荷物があるので、タクシーでそちらに行きます。たぶん……1時間ぐらいで』
小鳥「1時間ですね。外出の準備をしておいたほうがいいですか?」
P『別に半裸のままでも』
小鳥「」
P『ん?』
小鳥「そういうのは聞かなかったフリをしてください!///」
P「はは、ごめんなさい」
小鳥「もう……/// 外出は無しってことでいいですか?」
P『時間が時間ですからね』
小鳥「わかりました。待ってますね」
P『はい。着いたらまた電話します』
- 8 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:26:58.38 ID:vLoNS2X80
- これって……あれよね?
大台目前の崖っぷちで……ついに? ついに!?
私、始まった!?
と、とにかく服を着て……。
外出しないんだし、変に気合が入ってない自然な感じのほうがいいわよね。
下着も……念のためよ、念のため!
だってほら、もしかしてよ?
部屋に上がってもらったりとか……。
……。
あるわね!
別に散らかってはいないけど、あんな本やそんなゲームは片付けておいて……。
だって、ここは乙女の部屋ですから!
1時間……ギリギリね。
でも、間に合わせる! なにがなんでも!
- 9 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:28:22.91 ID:vLoNS2X80
- ── 1時間後 ──
身だしなみ……OK!
部屋……OK!
心の準備……お、OK?
そこはまあ、なりゆきで……ね?
誕生日直前のこんな時間にお誘いを受けて、なにもないなんて……。
私の経験上からはまったくわからないけど、常識的に考えてありえないわね。
小鳥「あとは、プロデューサーさんからの連絡を……」ソワソワ
♪~~
来た!
小鳥「はい!」
P『お待たせしました。今、マンションの前なんですけど』
小鳥「わかりました。迎えに出ますね」
P『お願いします』
鏡、鏡……っと。
大丈夫よね、私?
うん、大丈夫!
- 10 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:30:50.01 ID:vLoNS2X80
- ── マンション前 ──
小鳥「あ、プロデューサーさん。こんばんは」
P「こんばんは。遅くに押しかけてごめんなさい」
小鳥「そんなこと……わぁ!」
すっごい花束!
私の年齢より……うん、確実に多いわ。
これって、やっぱり……。
P「日付が変わるまで隠しておきたかったんですけどね」
小鳥「それまで気がつかないフリをしておきましょうか?」
P「はは、お願いします」
小鳥「うふふ」
P「それと、ケーキとシャンパンを買ってきたんで……」
小鳥「あ……それなら、私の部屋で一緒に……」
P「そうですね。日付が変わる瞬間を、一緒にお祝いしたいですから」
小鳥「はい……///」
- 11 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:32:24.51 ID:vLoNS2X80
- ── 小鳥自宅 ──
日付が変わるまで、あと30分ちょっと。
会話も途切れがちだし、二人してソワソワ落ち着かないけど……。
P「……」チラッ
小鳥「……」チラッ
P小鳥「「あ」」
P「あはは……」
小鳥「ふふっ……///」
なにこれ甘酸っぱい。
1時間近く、向かい合ったままこんな感じで……。
じれったいような、いつまでもこうしていたいような……。
いつもと違う、二人の距離感。
P「もうすぐですね」
小鳥「ええ……」
現実逃避してまで無かったことにしたい瞬間だったはずなのに……。
今はちょっとだけ待ち遠しいです……。
- 12 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:33:45.70 ID:vLoNS2X80
- ── 30分後 ──
P「そろそろですね」
小鳥「ええ……」
P「……」
小鳥「……」
<ドoンゴガ、ゴゼン0ジクライヲ…
P「お、9日になりましたね。誕生日おめでとうございます」
小鳥「あはは……ありがとうございます」
P「えっと、たしか……」
小鳥「1E歳です」
P「……」
ほんとに微妙な顔された!
そこは軽く受け流してくださいよ。
P「それじゃ、1E歳を祝して……」
P小鳥「「乾杯」」
チンッ
- 13 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:36:02.96 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「誕生日なんて、一年で一番ありがたくない日だったんですけどね」
P「どうしてですか?」
小鳥「どうしてって、そんなこと聞いちゃダメですよ」
P「……」
小鳥「女の人に、そういうの……」
P「俺にとっては、音無さんの誕生日は特別な日です」
小鳥「え?」
P「花束を受け取ってもらえますか」
小鳥「あ……はい。ありがとうございます」
P「……」
小鳥「……」
両腕にいっぱいの花束。
あなたのどんな想いが込められてますか?
言ってくれなきゃ、わかりません……。
- 14 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:37:10.15 ID:vLoNS2X80
- P「俺は花のことなんてわからないから……」
小鳥「……」
P「大切な想いを伝えるために、ってことで選んでもらいました」
小鳥「はい……」
P「小鳥さん」
小鳥「はい」
P「……」
小鳥「……」
P「好きです」
小鳥「あ……」
- 15 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:38:04.70 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「わた……私も……」ポロポロ
P「……」
小鳥「あれ? なんで……泣いちゃってるんだろ?」ポロポロ
小鳥「嬉しいのに……へ、変ですね……ふふ」ポロポロ
P「小鳥さん……」
小鳥「わ、私も……」グシッ
P「はい」
小鳥「私も……プロデューサーさんが好きです!」
生まれてきたことに心から感謝した誕生日なんて、初めてかも……。
素敵なプレゼントをありがとうございます。
大好きです、プロデューサーさん……。
───
──
─
- 16 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:39:03.13 ID:vLoNS2X80
- P「それじゃ、俺は帰ります」
小鳥「え?」
か、帰っちゃうんですか?
泊まっていって、その……一緒に朝を迎えたりとか……。
心の準備、できてたんですけど……。
小鳥「でも、もう終電も……」
P「途中でタクシーを拾いますよ」
小鳥「そうですか……」
P「ごめんなさい。俺も小鳥さんと一緒にいたいんですけど……」
P「明日の仕事で、どうしても帰って準備しておきたいものがあるんで」
小鳥「今から帰ってじゃ、休んでる時間が」
P「仕事に支障が出ない程度には、ちゃんと休みます」
小鳥「ほんとですか?」
P「信じてください」
小鳥「……」ジー
P「……」
小鳥「ふぅ……わかりました、信じます」
P「小鳥さん」
ギュッ
小鳥「ふゎ……!」
- 17 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:40:19.89 ID:vLoNS2X80
- え、え~と、抱きしめられたときはどうすれば……。
私にわかるわけないっての!
わからないけど……たぶん。
こういう場合は、目を閉じて待ってれば……いい?
小鳥「……」
P「……」
パッ…
私のファーストキ……あ、あら?
プロデューサーさん、離れちゃった?
P「また明日。おやすみなさい」
小鳥「え? あ……」
小鳥「おやすみなさい……」
行っちゃった……。
そりゃまあ、ついさっき恋人同士になったばかりですけど……。
こういうの、男の人から求めてくるものですよね?
私ばっかりその気になってて、バカみたいじゃないですか……。
わからないことばっかり。
恋愛って難しい。でも……。
プロデューサーさんと恋人同士♪ えへへ///
- 18 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:43:08.06 ID:vLoNS2X80
- ── 翌朝 AM6:00 ──
月曜の朝なのに、なにこの爽やかな目覚めは?
お肌のハリも……やだ! 昨日とは別人みたい!
これならスッピンで仕事に行っても大丈夫かも!
……。
ごめんなさい、言いすぎました。
どんな幸せでも覆い隠せないものって、悲しいけどあるんですね。
小鳥「あ、メール……」
彼からだ。
この時間に起きてて、寝る時間なんてあったのかしら?
2時間もなかったりして……。
同棲とかは……まだ早いかな?
でも、なるべく一緒にいて、もっとしっかり休んでもらわないとね。
その……恋人として。
小鳥「恋人……うふふ///」
おっと、妄想に耽ってる場合じゃなかったわ。
返信……っと。
昨夜はいろいろとお預けになっちゃったけど、今はあれでよかったのかなって思う。
なんたって、恋愛初心者ですからね。少しずつ、ゆっくりでいいんです。
彼と一緒なら……。
- 19 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:44:58.87 ID:vLoNS2X80
- ── 朝 765プロ事務所 ──
小鳥「おはようございます!」
P「おはようございます、小鳥さん」
音無さんじゃなくて小鳥さん。
昨夜の夢のような出来事が、夢じゃなかったということ。
小鳥「プロデューサーさん……」
P「はい?」
小鳥「いえ、その……///」
P「?」
小鳥「……」
P「……」
P小鳥「「あの」」
P小鳥「「あ……」」
小鳥「ぷっ」
P「はは」
小鳥「いい大人がなにやってるんでしょうね」クスッ
P「お似合いってことじゃないですか、俺たち」
小鳥「ふふっ、そうですね♪」
- 20 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:46:13.99 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「ところで」
P「はい?」
小鳥「昨夜は帰ってからちゃんと休みましたか?」
P「え? ええ……それはまあ」
小鳥「約束しましたよね?」
P「はい……」
信じてください、なんて言っておいて、もう……。
みんなのために頑張るのもいいけど、自分のことも少しはいたわってもらわないと。
小鳥「そういうことだったら、今夜は……」
P「ええ、うちに来てください」
小鳥「そんなこと言っても、約束を守れない人は……え?」
P「え?」
小鳥「あ、いえ。それじゃ、今夜お邪魔します……」
P「ええ。今日はずっと一緒に」
小鳥「はい……///」
P「……」
小鳥「……///」
律子「……」
- 21 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:47:25.95 ID:vLoNS2X80
- P小鳥「「!?」」
律子「……」
P「律子!?」
小鳥「いたんですか!?」
律子「ええ。朝からお邪魔しちゃったみたいで」
P「いやいや! おはよう律子!」
小鳥「お、おはようございます、律子さん!」
律子「……おはようございます」
あ……これもうごまかせないわ。
律子さんにだったら、正直に話しちゃってもいいですよね。
律子「まあ、だいたい察しはつきますが、いちおう説明してもらいましょうか?」
P小鳥「「はい……」」
───
──
─
- 22 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:48:53.85 ID:vLoNS2X80
- 律子「話はわかりました。お二人のプライベートに口出しはしません」
小鳥「さ、さすが律子さん! 話のわかるいい女!」
P「助かるよ」
律子「ただし!」
P小鳥「「え?」」
律子「まだ、みんなには内緒にしておいてください」
律子「あの年頃の子たちは、影響を受けやすいですから」
P「そうだな……」
小鳥「ええ……」
律子「社長には報告しておいたほうがいいと思いますけど」
小鳥「それはもちろん!」
P「わかってるよ」
律子「それと……不本意ながら事情を知ってしまいましたが……」
P小鳥「「……」」
律子「だからといって、私の前ではイチャつかないこと!」
小鳥「え? ダメなんですか?」
P「ダメなのか?」
律子「……正座しますか?」
P小鳥「「ごめんなさい……」」
律子「まったく……」
- 23 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:50:22.46 ID:vLoNS2X80
- 律子「まあ、みんなの前で気をつけてさえもらえれば……」
ガチャ
春香「おはようございます!」
P「おう、おはよう春香」
小鳥「おはよう、春香ちゃん」
律子「おはよう、春香」
春香「あれ? プロデューサーさんと小鳥さん、また律子さんに怒られてたんですか?」
P「そんな、いつも怒られてるみたいな……」
律子「こっちだって好きで怒ってるわけじゃないわよ」
小鳥「律子さんなりの親愛表現ですもんね!」
律子「はいはい……」
春香「あはは……あれ?」ジー
小鳥「どうしたの?」
春香「ん~……気のせいかな?」ジー
小鳥「なにが?」
- 24 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:51:46.47 ID:vLoNS2X80
- 春香「髪型もカチューシャも変わってないし……やっぱり気のせいですね」
小鳥「ど、どういうこと?」
春香「小鳥さん、なんだか少し雰囲気変わったかなって」
小鳥「うぇ!?」
P「……」
律子「……」
春香「えへへ、変なこと言ってごめんなさい」
小鳥「う、ううん! 気にしないで!」
こういうことに疎そうな春香ちゃんでも、なんとなく感づくって……。
もし勘のいい美希ちゃんとか、ニュータイプみたいな貴音ちゃんだったら……。
まあ、気をつけてもどうにもならないことだし、なるようになれよね。
───
──
─
- 25 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:53:19.00 ID:vLoNS2X80
- ── 夜 765プロ事務所 ──
高木「やあ、バースデーパーティは楽しんでもらえたかな?」
小鳥「はい! まさかみんなにお祝いしてもらえるなんて……」
高木「そのみんなのお願いで準備させてもらったんだよ」
高木「ねえ、律子君」
律子「え!? わ、私はみんなを代表しただけで……」
小鳥「ありがとう、律子さん」
律子「やめてくださいって……///」
高木「それにしても、音無君と彼がねぇ」
小鳥「いやぁ、自分でも信じられないですよ」
高木「なんとなくそうなるんじゃないかとは……いや、そうなってくれたらとは思っていたが」
小鳥「……」
高木「音無君のことは、自分の娘のように心配していたからね」
小鳥「あはは……不孝者の娘で申し訳ないです」
高木「彼なら安心して任せられるよ」
小鳥「はい!」
社長が見出して、私が好きになって、私を選んでくれた人ですからね。
ありがとうございます、社長。
- 26 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:55:02.26 ID:vLoNS2X80
- 高木「ところで、その彼はどうしたのかね?」
律子「遠い子たちの送迎です。そろそろ戻ってくるはずですが」
高木「なら、音無君のことは彼に任せて、私は先に上がらせてもらおうかな」
律子「私もそうします」
小鳥「えぇ!? 律子さんも一緒に帰りましょうよ」
律子「私がいたら邪魔にしかならないでしょ」
小鳥「そういうことじゃなく、夜道の一人歩きななんてさせられません!」
律子「それは、今日に限ったことじゃ……」
小鳥「いつもは、こんなに遅くならないでしょ?」
律子「……」
高木「音無君の言うとおりだ。社用車を使っていいから、一緒に送ってもらうといい」
律子「はあ……社長がそう仰るなら」
小鳥「ありがとうございます!」
高木「では、お先に失礼するよ」
律子「お疲れさまでした」
小鳥「お疲れさまでした~」
───
──
─
- 27 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:57:23.97 ID:vLoNS2X80
- ── P自宅 ──
律子さんを送ってから私の部屋に寄って、最低限お泊まりに必要な準備はしてきました。
プロデューサーさんの部屋……来るのは初めて。
そもそも男の人の部屋自体はじめてなんだけど。
彼と、朝まで一緒……。
今夜、どこまで進展するかは彼次第。
ちょっとだけ怖いけど……なにもなかったら、やっぱり寂しい。
小鳥「それじゃ、ご飯作りますね」
P「手伝いましょうか?」
小鳥「ダメですよ。今日は私の手料理を食べてもらうんですから」
P「そうですね。期待してます」
小鳥「任せてください」
うちから持ってきたエプロンを着けて……。
これでも、お料理には自信あるんだから。
惚れ直させておげますね♪
- 28 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/08(日) 23:59:09.31 ID:vLoNS2X80
- 小鳥「冷蔵庫の食材を少し使ってもいいですか?」
P「好きなだけ使ってもらっていいですよ」カタカタ…
小鳥「は~い……ん?」
P「ん?」カタカタ…
小鳥「お仕事ですか?」
P「ええ。テレビ局の編成会議で、うちの企画案が好評だったみたいで……」
P「急いで企画書を仕上げていこうかと」
小鳥「そうですか……」
毎日人一倍働いて、結果だって出してるのに、家に帰ってもまた仕事。
アイドルのみんなのことを考えてない時間なんて無いんじゃ……。
プロデューサーさんと同じぐらい、みんなのことも大好きだけど。
みっともないな、嫉妬なんて……。
- 29 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:00:38.46 ID:6WfIwa5r0
- 彼のために初めて作ったお料理は……ちょっとだけ失敗。
味付けを間違えたのか、肉じゃがが少し甘すぎちゃった。
私たちの甘~いイチャラブぶりに、お料理もあてられちゃったのかも。ふふっ。
美味しそうに食べてはくれたけど、私の腕がこんなものだとは思わないでくださいね。
次はもっと美味しいご飯を食べてもらいますから!
小鳥「ふぅ……」
私が洗い物をしているあいだに彼にお風呂に入ってもらって、今は私の番。
なにがあってもいいように、念入りに綺麗にしておかないと。
小鳥「今日こそは……かな」
いやいや! 彼は昨夜まともに寝てないみたいだから……。
ちゃんと休んでもらわないと、なんのために私が来たのかわからないじゃない。
だから、焦っちゃダメ。
でも、キスも……まだなんだもん。
そのぐらいは、ね……?
- 30 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:02:01.81 ID:6WfIwa5r0
- 小鳥「お風呂いただきました~……あれ?」
P「zzz……」
机に突っ伏して……寝ちゃってる。
企画書を作ってる途中だったみたいだけど……。
念のため保存、っと。
さて、どうしよう。
起こすのも申し訳ないし、かといって、私の力じゃベッドまで抱えてなんていけなし。
でも、この姿勢じゃ腕が痛くなるわよね。
ん~……あ、そうだわ。
小鳥「ちょっと失礼しま~す」
少しだけ頭を浮かせて……枕替わりにクッションを。
そーっと、そーっと……よし。
それじゃ、もうひとつ椅子を並べて。
添い寝しちゃいま~す。
小鳥「もう……私のことほったらかして、先に寝ちゃうなんてひどいです」
P「ん……zzz……」
小鳥「かまってくれないとキスしちゃいますよ~?」
なんてね、ふふっ。
こんな歳でお恥ずかしい限りですが、私のファーストキスですから。
二人の思い出になるように……お願いしますね?
おやすみなさい……。
- 31 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:05:18.73 ID:6WfIwa5r0
- ── 翌朝 765プロ事務所 ──
朝ですよ、朝! 彼と一夜を共にして、初めて迎える朝!
昨夜はあのまま寝ちゃったけど、今朝こそは……!
……の、はずだったんだけど。
律子「二人揃って、定時ギリギリにご出勤ですか? ふ~ん……?」
P小鳥「「ごめんなさい……」」
二人して寝坊して、このザマです……。
仕事に影響が出ない限りは、社長も律子さんも多少のことは見逃してくれるだろうけど。
律子「私も野暮なことは言いたくないですから、これからは気をつけてくださいね」
P小鳥「はい……」
ずっと年下の律子さんに、こんなことで気を遣わせるなんて……。
無駄に歳を重ねただけの年長者なんて、みっともないだけよね。
はぁ……もっとしっかりしないと。
- 32 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:06:46.72 ID:6WfIwa5r0
- 一昨日からのことも、これからのことも、私にとっては初めてのことばかり……。
恋人らしいことはあまり出来てないけど……どうなのかな?
まだ進展なしって、遅い?
……わからない。
事務所には、恋愛相談できそうな相手はいないし……。
同世代の友達に、今更こんな相談はさすがに……。
こんなこと、グ○グル先生だって答えてくれない……。
小鳥「はぁ……」
雪歩「はい、音無さんお茶です」
小鳥「え? あ……ありがとう、雪歩ちゃん」
雪歩「どうしたんですか、ため息なんてついて?」
小鳥「この歳になっても、色々と悩みはあるものなのよ……」
雪歩「この歳なんて……音無さん、まだお若いのに」
小鳥「あら……ふふっ。ありがとう」
P「雪歩、ちょっといいか」
雪歩「あ、はい」
- 33 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:08:21.70 ID:6WfIwa5r0
- P「今日の仕事なんだけどな、ちょっとこれを見てくれるか」
雪歩「はい」
後ろから肩ごしにモニターを覗いて……体がくっつきそう。
雪歩ちゃん、男の人が大の苦手だったのに……ていうか、今でも苦手ではあるみたいだけど。
プロデューサーさんだけは特別みたい。
P「でな」クルッ
ポフッ
雪歩「きゃっ!?」
P「うお!? すまない、すぐ後ろにいるとは思わなかった」
雪歩「いえ、こちらこそ……///」
いま振り向きざま、顔が胸に……うん、当たってた。
いや、わざとじゃないのはわかってるし、こんなことで取り乱したりはしませんよ?
私はまだ、触ってもらってもいませんけどね!
- 34 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:10:47.05 ID:6WfIwa5r0
- 千早「あ、プロデューサー。少し相談したいことが……」
P「ん? 今か?」
千早「はい、できれば」
P「わかった。5分待ってくれ」
千早「ありがとうございます!」
あの気難しい千早ちゃんも、今ではプロデューサーさんを信頼しきってる。
ちょっと依存しすぎで心配なところはあるけど……。
プロデューサーとアイドルの信頼関係が深まるのは、事務所の一員として歓迎すべきこと。
なのに、いつからか素直に喜べなくなってる。
どうしても……恋人になった今でも、誰よりも私があの人にふさわしいと自信を持てないから。
お若いなんて言われても、ここはもっと若くて可愛い娘たちばっかりなわけで……。
プロデューサーさんだって、あずささんや律子さんの方が年齢的にはお似合いだし。
ほんとに私なんかでいいのかな……?
小鳥「……」
律子「どうしたんですか、小鳥さん?」
小鳥「いえ、なんでも……」
律子「?」
私も千早ちゃんのこと言えないか……。
- 35 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:12:21.12 ID:6WfIwa5r0
- ── 昼休み たるき亭 ──
小鳥「恋人が女の子にモテすぎるのも考えものです……」
P「は? 俺のことですか?」
小鳥「他に誰がいるんですか?」
P「いや、俺がモテるって言われても……」
小鳥「えっ」
P「えっ」
小鳥「……」
P「……」
小鳥「はぁ……そうですよね、自覚してないのがプロデューサーさんですよね……」
P「はあ」
ええ、わかってましたよ。
私だって、気づいてもらえなくて悩んだり落ち込んだりしましたから。
そのぐらいじゃないと、アイドルのプロデューサーなんて務まらないでしょうけどね。
- 36 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:13:45.84 ID:6WfIwa5r0
- 小鳥「あの、今夜は?」
P「遅くなると思います」
小鳥「ええと……」
P「たぶん、日付が変わる頃に」
小鳥「お仕事ですか?」
P「ええ」
小鳥「仕事仕事もいいですけど、もうちょっと摂生してもらわないと困りますよ」
P「好きでやってることですから」
小鳥「……」
たぶん仕事に関してだけは、私がなにを言っても聞かないと思う。
仕事に嫉妬してもしょうがないけど……。
今度「私より仕事のほうが大切なんですか!?」ってやってみようかしら。
やめとこ……めんどくさい女だと思われるだけだし。
小鳥「今日は、私も自分の部屋に帰ります……けど」
P「?」
小鳥「私がいなくても、ちゃんと休んでくださいね」
P「ええ、わかってます」
小鳥「そう言って、わかってないから困るんですよー!」
今夜は独りぼっち。
そんな日もあるだろうけど……。
- 37 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:15:16.76 ID:6WfIwa5r0
- ── 午後 765プロ事務所 ──
小鳥「ふぅ……」カタカタ…
律子「……」カタカタ…
小鳥「はぁ……」カタカタ…
律子「……」カタカタ…
小鳥「空になりたいわぁ……」カタカタ…
律子「なに言ってるんですか……」カタカタ…
小鳥「津軽レインボーってなんだよ……」カタカタ…
律子「知らないっての……」カタカタ…
小鳥「……」カタカタ…
律子「……」カタカタ…
小鳥「律子さんをめいっぱい抱きしめたい……」カタカタ…
律子「窓からうっちゃりますよ?」カタカタ…
小鳥「もー律子さんてばツンデレなんだからー」カタカタ…
律子「デレてないデレてない」カタカタ…
小鳥「……」カタカタ…
律子「……」カタカタ…
小鳥「ふぅ……」カタカタ…
律子「……」カタカタ…
小鳥「律子さんのメガネになりたい……」カタカタ…
律子「ウザい……」カタカタ…
- 38 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:19:20.22 ID:6WfIwa5r0
- ── 夜 765プロ事務所 ──
小鳥「私は先に上がりますけど……」
P「はい」カタカタ…
小鳥「くれぐれも無理だけはしないでくださいね?」
P「わかってますって」カタカタ…
小鳥「……」
全然わかってない。
ちゃんと聞いてるのかも怪しいんですけど……。
P「あ、小鳥さん」
小鳥「はい?」
P「明日の夜は、今度は小鳥さんの部屋に行っていいですか?」
小鳥「そんなこと言って、また……」
P「約束します」
小鳥「ほんとですか?」
P「ええ、俺だって……」
ガチャッ
高木「やあ、君たち。遅くまでご苦労様」
小鳥「あ……社長、お疲れ様です」
P「お疲れ様です、社長」
- 39 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:23:35.25 ID:6WfIwa5r0
- 高木「ああ、君。ちょうどよかった」
P「はい?」
高木「急で申し訳ないんだが、明日朝から出張で名古屋まで行ってもらえないか」
P「出張ですか? もちろん行かせてもらいますが」
高木「すまないね。私が行くつもりだったんだが、事情があって行けなくなってしまったんだ」
P「いえ、構いませんよ」
小鳥「……」
高木「君なら安心して任せられるよ」
P「ははは、光栄です」
高木「そうそう、任せられるといえば……」
P「?」
高木「出張を頼んでおいて、言えた義理ではないが……」
高木「君の仕事に対する熱意には感心するがね、可愛い恋人に寂しい思いをさせてはいかんよ」
小鳥「えっ?」
P「それは……」
高木「ははは、差し出口だったかな」
P「いえ……」
小鳥「……」
そんなことないですって、どうして言えなかったんだろ……。
……ううん、自分でわかってるでしょ。
自分に嘘をついたってしょうがないよね……。
- 40 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:25:59.78 ID:6WfIwa5r0
- ── 翌日 765プロ事務所 ──
プロデューサーさんは、早朝から出張。
結局、戻ってこれるのは明日になるとか。
今夜の約束も、なくなっちゃった……。
また仕事に彼を取られちゃった気分……。
もちろん、私のわがままで引き止めるなんて出来っこない。
そのぐらいはさすがに弁えてますよ、ええ……。
律子「小鳥さん」
小鳥「……」
律子「小鳥さん!」
小鳥「は、はい! なんですか律子さん?」
律子「今日は私も一日外での仕事になるんで、事務所のほうはお任せします」
小鳥「えぇ!? 律子さんまで私を置いていっちゃうんですか!?」
律子「はあ?」
小鳥「一人ぼっちは寂しいですぅ……」
律子「だから、プライベートを仕事に持ち込まないでくださいと……」
小鳥「わかってますよぉ……」
律子「わかってないから困るんですよ」
うぅ……どこかで聞いたようなこと言われちゃった……。
そりゃ、公私の切り替えができない私が悪いのはわかってますけどね。
寂しいものは寂しいんですよー!
- 41 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:27:25.76 ID:6WfIwa5r0
- ── 夜 小鳥自宅 ──
また独りぼっちの夜……。
私なんて、半裸で手酌酒がお似合いよね……ふふ。
こんなお酒、少しも美味しくないけど。
小鳥「プロデューサーさんのバカぁ!」
電話ぐらい掛けてきてくれたっていいじゃないですか!
ふーんだ! もうプロデューサーさんなんか知りませんですよーだ!
♪~~
小鳥「ぅひゃっ!?」
電話!? って……プロデューサーさん!?
あわわ! 早くなにか着て……って、それはいいから!
落ち着いて……取り乱しちゃダメ。
深呼吸よ、深呼吸。
スゥ~~~…ハァ~~~…
よし、出るわよ!
- 42 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:29:15.53 ID:6WfIwa5r0
- 小鳥「も、もしもし……」
P『小鳥さんですか? 遅くにごめんなさい』
小鳥「いえ……」
P『もうお休みでしたか?』
小鳥「まだ起きてましたよ」
P『よかった。いま大丈夫ですか?』
小鳥「え?」
P『今、マンションの前です』
小鳥「えぇ? 帰りは明日になるんじゃ……?」
P『その予定だったんですけどね。なんとか早く終わらせて、急いで帰ってきました』
小鳥「そ、そうですか」
P『今夜一緒に過ごすって、約束だったでしょ?』
小鳥「え、ええ。それじゃ今、下に迎えに……」
って、うわぁ……。
空き缶ぐらいは片付けておかないと、さすがにドン引きされるわ、これ……。
小鳥「ご、5分だけ待ってもらえますか?」
P『ええ、いいですよ』
うん! まずなにか着よう、私!
部屋の惨状より、半裸のほうがまずいよね!
- 43 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:30:44.12 ID:6WfIwa5r0
- P「怒ってます?」
小鳥「別にー」
P「怒ってますよね?」
小鳥「怒ってませんよーだ」
P「困ったな。どうすれば許してくれますか?」
小鳥「えー」
チョロい女なんて思われたくないですからね。
簡単には許してあげません。
小鳥「朝まで一緒にいてくれたら、気が変わるかもしれませんけど……」
P「もちろん! 帰れって言われたらどうしようかと思ってました」
小鳥「言いませんよ、そんなこと……」
P「ええ」
小鳥「帰ったりしたら、今度こそほんとに許しませんからね?」
P「わかってます。隣にいっていいですか?」
小鳥「いいですよ……」
ま、まだ許しませんよ。
恋人として、そのぐらいは当然なんですから。
- 44 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:33:51.75 ID:6WfIwa5r0
- P「今度の日曜日、なんとか休みをもらえました」
小鳥「え?」
P「その分、前倒しで仕事を進めなきゃならなかったんですけど」
小鳥「最近、仕事が立て込んでたのって……?」
P「ええ、そうです。これで一日一緒にいれますね」
小鳥「は、はい」
P「二人でどこか出かけましょう」
小鳥「お任せします……///」
ずるいですよ……。
そんなこと言われたら、許したくなっちゃうじゃないですか……。
P「俺ね……」
小鳥「?」
P「仕事が大変でも頑張ってこれたのは、小鳥さんのおかげなんです」
小鳥「私の……?」
P「初めて小鳥さんに会ったとき、すごく綺麗な人だと思って……」
小鳥「へ?」
P「一緒に仕事をして、すごく優しくて素敵な人だとわかって……」
小鳥「え? え?」
P「でも、すごく可愛らしい人で……すぐに好きになりました」
小鳥「ぅぁ……///」
P「全然気づいてくれなかったですよね」
小鳥「それはお互い様ですよ……」
P「はは、そうですね」
小鳥「ふふっ」
- 45 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:35:15.41 ID:6WfIwa5r0
- P「ほんとは、もっと早く告白したかったんですけど……」
小鳥「……」
P「少なくとも、自分の仕事に自信を持てるようになるまでは、と……」
小鳥「自信を……」
私は、こんな歳になっても自分に自信を持てなかった……。
どうすれば自信を持てるかなんて、たぶん考えたこともなかった。
でも、まだ手遅れなんかじゃない。
あなたがいてくれれば……。
P「やっと結果が出せるようになって……自信があるなんて、まだ胸を張って言えないですけどね」
小鳥「……」
P「アイドルプロデューサーとしてやっていく覚悟は出来ました」
小鳥「はい」
P「それに……」
小鳥「?」
P「迷ってるあいだに、他の誰かに小鳥さんを取られたら困りますからね」
小鳥「そんなこと……!」
P「……」
小鳥「いつまでだって……プロデューサーさんを待ってましたよ。きっと……」
P「ええ……」
小鳥「だいたい、他の誰かにって……それはこっちのセリフですよ」
P「はい?」
小鳥「わからないなら、それでいいです!」
P「そうですか」
- 46 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:36:29.59 ID:6WfIwa5r0
- P「小鳥さん……」
グイッ
小鳥「あ……」
今度こそ……ですよね?
チュッ
P「……」
小鳥「……」
ファーストキス……。
プロデューサーさんと……。
P「……」
小鳥「……///」
ああ、もうチョロくていいです……。
- 47 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:37:48.19 ID:6WfIwa5r0
- P「許して、もらえましたか?」
小鳥「許しました!」
P「はは、よかった」
小鳥「ふふっ///」
ずっと一緒にいたい。
大好き……。
P「こんな奴だから、また小鳥さんを怒らせることがあるかもしれないけど……」
小鳥「……」
P「悲しませることだけはしません」
小鳥「はい。嘘だったら許しませんからね?」
P「ええ、絶対に」
大丈夫です。
私があなたのそばにいれば、嘘にはなりませんから。
- 48 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:38:42.85 ID:6WfIwa5r0
- だから、ずっと一緒にいてくださいね。
大好きです!
P「もう一度、キスしていいですか?」
小鳥「次は私からです♪」
おわり
- 50 : ◆PQxO3wwU7c 2013/09/09(月) 00:46:25.61 ID:6WfIwa5r0
- ピヨちゃん、誕生日おめでとう!
2XのXはいくつなんだろー謎だわー
まあ、いくつだろうとピヨちゃんは可愛いから問題ない
それじゃ読んでくれてありがとう
- 51 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 06:52:49.04 ID:tQr6ghsFo
- おっつおっつ
ピヨちゃんとバースデーケーキ食ったぜ - 52 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 14:06:10.78 ID:yv6DVAK8o
- よし、乙だってば!
- 53 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/09(月) 18:58:11.51 ID:FMmvMwxZ0
- 乙 リアルタイムで歳重ねてたらピヨちゃんアラフォーなんだよなぁ……オレも歳とった訳だわ
ピヨちゃん誕生日おめでとう!

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