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絢瀬亜里沙「お姉ちゃんが希さんとキスしてた……」
- 1 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:08:29.66 ID:KnRyYw3S0
- 亜里沙「あれって、どういう……どういうこと……?」
亜里沙「き、きっとただのスキンシップだよね。そうに決まってるよ」
亜里沙「だって……だって、女の子同士なのに」
亜里沙「でも、日本ではそういうスキンシップは、あまり一般的じゃないって聞いた気がする……」
亜里沙「それに、あの時の二人の雰囲気……」
亜里沙「ああ、どうしよう。聞きたい。お姉ちゃんに本当のことを聞きたいよ」
亜里沙「でも、聞くのが怖い……」
亜里沙「お姉ちゃん……」
- 2 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:10:29.27 ID:KnRyYw3S0
- ーさかのぼること数時間前。音ノ木坂学院生徒会室。
コンコンッ
希「はーい」
カチャ
亜里沙「……すみません」
希「はいはい……あれ?……えーと、あなたは確か……」
亜里沙「亜里沙です。絵里の妹の……」
希「そうそう、亜里沙ちゃんや。久しぶりやね」
亜里沙「お久しぶりです、希さん。あの……お姉ちゃんは……?」
希「絵里ちに用事?せやったら、もうちょっとしたら来る思うし、座って待ってて」
亜里沙「あ、いえ……えっと、これを届けに来ただけですから」
ゴソゴソ
亜里沙「今朝、間違えてお姉ちゃんの携帯を亜里沙が持って行っちゃって……」 - 3 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:13:04.90 ID:KnRyYw3S0
- 希「ああ、そう言えば今日は携帯忘れたって言うてたわ、絵里ち。亜里沙ちゃんが犯人やったんやね」
亜里沙「はい……。きっと、困ってると思って」
希「そこに置いといてくれたら、うちの方から渡しとくよ」
亜里沙「じゃあ、お願いしちゃっていいですか?」
希「了解や」
亜里沙「……あの、それともう一つ」
希「ん?」
亜里沙「亜里沙が謝ってたって、お姉ちゃんに……」
希「あれ?絵里ちって、ひょっとして怖いお姉さんなん?」
亜里沙「……ときどき」
希「ふふっ。それも了解。絶対怒ったらあかんよ、って言うとくわ」
亜里沙「ありがとうございます。じゃあ、失礼します」
パタン
希「……お姉さん思いの、いい子やね……」 - 4 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:14:41.85 ID:KnRyYw3S0
- ー10分後。
絵里「ごめんね、希。遅くなっちゃって」
希「うちもいま来たとこや」
絵里「あら……?これ、私の携帯じゃない」
希「さっき、亜里沙ちゃんが持って来てくれたんや」
絵里「亜里沙が……?別に一日くらい携帯がなくても大して困らないし、わざわざ届けてくれなくてもよかったのに」
希「怖い絵里ちお姉ちゃんに怒られると思ったみたいやで?」
絵里「あの子ったら、そんなこと言ったの……?まったく……」
希「それはそうと、他の生徒会の子たちはどうしたんやろ?誰も来ないんやけど……」
絵里「それが、学園祭が近いでしょう?みんなそっちの準備が忙しいみたいで……。行けたらいく、とは言ってくれてるんだけど……」
希「あ、ふぅん。そうなんや……」 - 5 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:15:42.39 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「私たちだって、学園祭に向けてμ'sの練習に顔を出したいところだけど、さすがにこの書類の山を放置って訳にはいかないしね」
希「……ほな、今日は二人で頑張るしかないね。うちと絵里ちの、二人で……」
絵里「あ、希もμ'sの練習に行って貰って構わないわよ?たぶん、私一人でも何とかなると思うから……」
希「!!そんな……絵里ち一人に押し付けるなんてでけへんよ。うちには気使わんでええから……」
絵里「そう……?そう言って貰えると助かるわ。じゃあ、一緒にお願いできるかしら」
希「う、うん……」 - 6 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:16:49.93 ID:KnRyYw3S0
- ーその頃。
亜里沙「そうだ。せっかく音ノ木坂に来たんだから、校内の見学でもして行こうかな」
亜里沙「でも、勝手に歩き回ったりしたら怒られるかも」
亜里沙「どうしよう……」
亜里沙「!そうだ、お姉ちゃんにお願いしてこよう。生徒会長さんなんだし、お姉ちゃんに許可を貰えば、きっと大丈夫だよね」
亜里沙「お姉ちゃん……。もう生徒会室に来てる頃かな……」 - 7 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:18:10.69 ID:KnRyYw3S0
- ー生徒会室。
絵里「……ふう。なかなか片付かないわね」
希「せやね……」
絵里「やっぱり希がいてくれてよかったわ。一人だったら、とても手に負えなかったかも」
希「……」
絵里「さあ、もうひと頑張りして……」
希「……あ、あのな、絵里ち」
絵里「どうしたの?」
希「……そ、その、と、隣に座って作業してもええかな」
絵里「え?」
希「あ、ほら、お互い近くで作業した方が、効率がええかな?と思って……」
絵里「あ、ああ、そうね。確かにそれぞれで作業するよりも、連携して処理した方が早いかも知れないわね……」
希「ほ、ほな、うちがそっちに行くわ……」
スッ - 8 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:19:48.38 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「……」
希「……」
絵里「……な、何だかこの広い部屋に二人きりっていうのも、変な気分ね……」
希「せ、せやね」
絵里「最近は、生徒会のみんながいることが多かったから……」
希「でも、今日はうちと絵里ちの二人きり……」
絵里「む、昔はよく二人だけで生徒会の仕事をしていたものだけどね……?」
希「こんなん、いつ以来やろね……」
絵里「……」
希「……」 - 9 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:21:25.32 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「……なかなか、終わりそうもないわね……」
希「……やっぱり、今日はみんな来ないんかな……?」
絵里「どうかしら……」
希「……」
絵里「……」
希「そ、そう言えば、亜里沙ちゃんやけど」
絵里「え……?あ、ああ、亜里沙がどうしたの……?」
希「絵里ちに謝っといてって、言ってたわ。携帯持ってっちゃったこと、けっこう気にしてみたいや」
絵里「そんなの……。気にしなくていいのに」
希「かわいい妹さんやね。亜里沙ちゃん……」
絵里「でも、ああ見えてけっこう世話が焼けるのよ?ただでさえ日本の暮らしに慣れていないのに、今日みたいにそそっかしいところがあるから……。私も目が離せなくて」
希「そうなん?せやったら、絵里ちも似たようなもんやけどね」 - 10 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:22:43.89 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「わ、私はあの子ほどそそっかしくはないと思うけど」
希「どうやろ」
絵里「もう、希ったら……」
希「……」
絵里「……あ、希……?」
希「え……?」
絵里「ちょっとこっち向いて、じっとしてて……」
希「絵里ち……?」
スッ
絵里「……ほら、髪の毛がほつれて、唇に……」
希「あ、ああ……。おおきに……」
絵里「希は、ほんとうに綺麗な黒髪をしてるわね。羨ましいわ……」
希「……」
絵里「……どうしたの、希。私の顔をじっと見て……」
希「絵里ち……」
絵里「希……」
希「生徒会のみんな……来えへんね……」
絵里「今日は、もう……来ないんじゃない……」 - 11 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:23:50.41 ID:KnRyYw3S0
- 希「……」
グイッ
絵里「!!」
ギュッ……
絵里「……!!」
バッ
絵里「……の、希……!?」
ハァ、ハァ
希「……」
絵里「いきなり、そ、その……キス……するなんて……」
希「……怒った……?」
絵里「そ、そう言うわけじゃ……。でも……」
希「……気づいてたんやろ?うちの気持ち……」
絵里「わ、私は……」
希「……」
絵里「その……」
希「……」
絵里「……」 - 12 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:25:59.17 ID:KnRyYw3S0
- 希「……ごめん」
絵里「……」
希「ごめん、絵里ち。うち、どうかしてたわ」
絵里「希……?」
希「……冗談やってん。今のは、冗談やったんよ?絵里ちがあんまり真面目に仕事してるから、ついからかいたくなって……。あはは、び、びっくりしたやろ……?」
絵里「の、希」
希「せ、せやから、今のは忘れて。何考えてたんやろね、うち。忘れて。全部忘れて……」
絵里「希、私は……」
希「ごめん、絵里ち。悪いけど、ちょっと疲れたから先に帰らせて貰うわ……。また明日から、今までどおりにちゃんと仕事するから……。ほな……」
絵里「待って、希!」
ガシッ - 13 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:26:58.80 ID:KnRyYw3S0
- 希「絵里ち……?」
絵里「わ、私の方こそごめんなさい。さっきは突き飛ばしたりして……」
希「……」
絵里「ただ、気持ちの準備ができていなくて、ほんとうに驚いただけなの。だから……」
希「……」
絵里「もう一度……今度は、ちゃんと……」
希「!絵里ち……」
絵里「希……」
ギュッ
絵里「……」
希「ん……」
絵里「希……好きよ……」
希「絵里ち……うちも……うちも……」
絵里「希……」
希「絵里ち……」 - 14 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:27:56.94 ID:KnRyYw3S0
- ―一方、生徒会室前の廊下。
亜里沙(お姉ちゃん、いるかな……?)
亜里沙(……でも、何だか部屋の中が静かみたい。ひょっとしたら、みんなもう帰っちゃったのも)
亜里沙(あ、ドアが少し開いてる……。ちょっと覗いてみよう)
ソーッ……
亜里沙「!!!」
亜里沙(お、お姉ちゃん……?) - 15 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:29:01.95 ID:KnRyYw3S0
- ガタッ
希「……!?」
絵里「……どうしたの?」
希「いや、今、入り口の方に誰か……」
絵里「え?」
カチャッ
希「……誰もおらんみたいや」
絵里「もう、おどかさないでよ」
希「うちの気のせいみたいやね。生徒会のみんなだって、こんな時間からはもう来ないやろうし……」
絵里「他にこの部屋に用事がある生徒なんて、たぶんいないわよ」
希「せやね……」
希(ひょっとしたら)
希(いや、まさか、な。この部屋に戻ってくる理由なんか、ないやろうし……)
希(やっぱり、うちの気のせいやったんやろ……) - 16 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:29:42.35 ID:KnRyYw3S0
- ハアッハアッ
亜里沙「……夢中で逃げて来ちゃった」
亜里沙「何だったんだろう、今の……」
亜里沙「あれ……キスだよね」
亜里沙「どういうことなの……?」
亜里沙「お姉ちゃん……」 - 17 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:33:18.84 ID:KnRyYw3S0
- ―その夜。絢瀬邸。
絵里「亜里沙、もう食べ終わったの?」
亜里沙「う、うん……」
絵里「なら、食器はその辺に置いておいて。後は私が片付けておくから」
亜里沙「……」
絵里「……?どうしたの、亜里沙?」
亜里沙「あ、あのね、お姉ちゃん」
絵里「……?」
亜里沙「今日、生徒会室に行ったんだけど……」
絵里「ああ、そう言えばわざわざ携帯を届けてくれたそうね。ありがとう」
亜里沙「あ、え……と、うん」
絵里「で?それがどうかしたの?」
亜里沙「!う、ううん……なんでもない」
ピューッ
絵里「……?おかしな子ね……」 - 18 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 15:35:18.08 ID:KnRyYw3S0
- ―亜里沙の部屋。
亜里沙「どうしよう。とてもじゃないけど、お姉ちゃんに面と向かってそんなこと聞けない」
亜里沙「だいたい、なんて聞けばいいの?「お姉ちゃん、希さんとキスしてたでしょ」って聞くの?」
亜里沙「そんなの無理だよ……」
亜里沙「そ、それに、亜里沙の見間違いかも知れないのに」
亜里沙「でも、あの時のお姉ちゃんの顔……」
カアアアッ
亜里沙「!!な、何これ……。思い出すだけで、何だか顔が熱く……」
亜里沙「どうすればいいの……」 - 24 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:22:21.80 ID:KnRyYw3S0
- ―翌日。
雪穂「どうしたの?亜里沙。今日は何だか元気ないみたいだよ?」
亜里沙「別に、何でもないよ」
雪穂「だったらいいけど」
亜里沙「……ねえ、雪穂。一つ聞きたいことがあるんだけど」
雪穂「なに?」
亜里沙「雪穂は、その……誰かと、キスしたこと、ある?」
雪穂「え……?え、ええっ……!?」
亜里沙「こ、声が大きいよ、雪穂……」
雪穂「で、でもキスって……」
亜里沙「……そんなに驚くことなの?」
雪穂「そりゃ驚くよ!い、いきなりそんなこと聞かれたら……」
亜里沙「で、でも、ロシアだと挨拶がわりにキスしたりすることもあるから……」
雪穂「あ、ああ……なるほど。そういうこと」
亜里沙「日本だと、やっぱり違うの……?」
雪穂「日本じゃ、そういうことはほとんどないかなー。やっぱり、キスって、その……こ、恋人同士がするもんだと思うけど……」
亜里沙(やっぱり……) - 25 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:25:28.96 ID:KnRyYw3S0
- 雪穂「……なんでいきなりそんなこと聞くの?」
亜里沙「え?……そ、それは、日本のことをもっと色々知りたいなって」
雪穂「あやしい」
亜里沙「あ、あやしくないよ。亜里沙はただ……」
雪穂「……ふぅん」
亜里沙「あ、あのね雪穂。もう一つだけ、聞いてもいい?」
雪穂「……?」
亜里沙「そ、その……。た、例えば、お、女の子同士でキスすることって……あったりするのかな……?」
雪穂「えっ!?ええっっ!!?」
亜里沙「だから、声が大きいってば……!」
雪穂「ないよ!それはないよ!!」
亜里沙「そうなの……?」
雪穂「なんでそんなこと……ま、まさか亜里沙……?」
亜里沙「え……?」
雪穂「ひょっとして、わ、私のこと……」
亜里沙「!!ち、違うよ!そういうことじゃなくて……」
雪穂「じゃあどういうこと……?」
亜里沙「……本当に何でもないの。何でも……」
雪穂「亜里沙……?」
亜里沙「……」 - 26 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:27:43.14 ID:KnRyYw3S0
- ―数日後。
絵里「はぁ……」
希「あれ?どうしたん、絵里ち。ため息なんかついて」
絵里「それが、最近亜里沙の様子がおかしくて……」
希「亜里沙ちゃんが……?」
絵里「そうなの。家でも口数が妙に少ないし、私ともあまり目を合わせてくれなくって……」
希「……!」
絵里「初めは風邪でもひいているのかと思ったけど、どうもそういう訳でもないらしいし……」
希「そ、それっていつからなん……?」
絵里「え?そうね、この5日ほどのことかしら……」
希「……」 - 27 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:29:30.15 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「あ、そうそう。希のところに私の携帯を持って来てくれたことがあったでしょ?ちょうど、あの日あたりからかしら……」
希(やっぱり……)
絵里「え?何か言った?」
希「い、いや。何でもあれへん」
絵里「……?」
希(きっと亜里沙ちゃんは、うちと絵里ちの、あの場面を……)
希(もしそれが原因なんやったとしたら……うちの責任やね……) - 28 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:31:07.75 ID:KnRyYw3S0
- ―その日の放課後。亜里沙の通学路。
希「亜里沙ちゃん……」
亜里沙「!!希さん……?」
希「今、学校の帰り……?」
亜里沙「そうです……けど」
希「もし、時間があるんやったら、ちょっとだけお話したいんやけど……」
亜里沙「……」
希「それとも、何か約束とかあるんかな……?せやったら、うちもまた出直して……」
亜里沙「……あの日、生徒会室で何してたんですか?お姉ちゃんと」
希「!!」
亜里沙「答えて……ください」 - 29 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:33:01.32 ID:KnRyYw3S0
- 希「……やっぱり、見られてたんやね」
亜里沙「お、お姉ちゃんと、キ、キス……」
希「……」
コクリ
亜里沙「!!」
希「そのことで、ちゃんとお話ししとかなあかんと思って……もし、亜里沙ちゃんに嫌な思いさせたんやったとしたら……」
亜里沙「聞きたくない……」
希「え……?」
亜里沙「聞きたくない。聞きたくないです……!」
ダッ
希「あっ、亜里沙ちゃん!待って……」
亜里沙「……」
ハアッハアッ
希「亜里沙ちゃん……」 - 30 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:39:23.07 ID:KnRyYw3S0
- ―その夜。亜里沙の部屋。
亜里沙「お姉ちゃん、やっぱり希さんと……」
亜里沙「いつから……なのかな」
亜里沙「そうなんだって考えるだけで、亜里沙の知ってたお姉ちゃんとは、全然違う人になっちゃったみたいに思えるよ……」
亜里沙「希さん……」
亜里沙「……お姉ちゃんのこと……好き、なんだよね……」
亜里沙「それに、亜里沙のことだって……」
亜里沙「今日も亜里沙のことを気遣って、わざわざ会いに来てくれた」
亜里沙「優しい人なんだ……」
亜里沙「なのに、亜里沙は……」
亜里沙「希さんに、悪いことしちゃったかな」
亜里沙「でも、でも……。亜里沙、どうしたら……」
亜里沙「お姉ちゃん……」 - 31 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:40:58.10 ID:KnRyYw3S0
- コンコン
絵里「亜里沙?起きてるの?」
亜里沙「!!」
絵里「……入るわよ」
カチャリ
亜里沙「……」
絵里「この頃、元気がないみたいだけど……。どこか体の具合でも悪いの?」
亜里沙「……ううん」
絵里「ならいいけど……」
亜里沙「ちょっと疲れてるだけだよ。やっぱり、ロシアとだいぶ気候も違うから……」
絵里「もし、悩み事とかがあるんだったら、いつでも私に言ってね?」
亜里沙「……」
絵里「……それじゃ、もう寝るわね。おやすみ」
亜里沙「お姉ちゃん」 - 32 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:43:29.25 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「え?」
亜里沙「お姉ちゃん、亜里沙のこと好き?」
絵里「もちろん、好きよ。当たり前じゃない」
亜里沙「誰よりも好き……?」
絵里「どうしたの?亜里沙……」
亜里沙「答えて、お姉ちゃん。誰よりも、亜里沙のことが好き?」
絵里「亜里沙」
亜里沙「……」
絵里「誰かへの愛情を、何か他のものと比べたりするのは好きじゃないわ」
亜里沙「……」
絵里「もちろん、あなたへの愛情も、他のなにものにも代え難いものよ。これじゃだめかしら?」
亜里沙「……」
絵里「……何かあったの?亜里沙」
亜里沙「……おやすみ」
絵里「亜里沙……?」
亜里沙「……」
絵里「……おやすみ」 - 33 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:52:20.00 ID:KnRyYw3S0
- ―一週間後。学園祭翌日の、μ'sの部室。
希「穂乃果ちゃん、大丈夫やろか……」
絵里「そうね……。でも、やっぱり今まで無理しすぎたのかも」
希「せっかくの学園祭やし、張り切り過ぎたんやろね……。かわいそうに」
絵里「まあ、私たちまで落ち込んでいても仕方ないわ。また、お見舞いに行ってあげましょう」
希「せやね……」
絵里「何も、これでμ'sの活動が終わりってわけじゃないんだものね!?」
希「!う、うん……」
絵里「……」
希「……」
絵里「……そうは言っても、なかなか切り替えられるものじゃないけど……。気分転換に、窓でも開けましょうか」
ガラッ
フワッ……
のぞえり「……!」 - 34 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 18:56:34.47 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「風が冷たい……」
希「もうじき、秋も終わりやね……」
絵里「……そうね」
希「秋が終わったら、すぐに冬が来て……そしたらうちらは……」
絵里「……」
希「……ねえ、絵里ち」
絵里「え?」
希「絵里ちはもう……将来のこととか決めてるの?」
絵里「大学に行った後のことは、まだ何も……。希は?」
希「うちは全然や」
絵里「……」
希「自分がこの先どうなってしまうのか……全然分からへんのよ」 - 35 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:03:40.21 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「の、希お得意のカードで占ってみたら?希のことだから、きっとすごい幸運が待ってるんじゃないかしら」
希「占い師は、自分のことは占ったらあかんのよ。知らんかった……?」
絵里「……」
希「せやからうちは、何にも分からへん。うち自身のことも……」
絵里「希……」
希「……うちと絵里ちが、いつまで一緒にいられるのかも……」
ギュッ…
絵里「!!……希、だめよ……。まだμ'sの誰かが、ここに戻って来ちゃうかも……」
希「分かってる……。だから、今だけや……」 - 36 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:08:24.27 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「……そんなに強く抱きしめなくても、私はどこかへ行ってしまったりしないわよ……?」
希「うん。知ってる……」
絵里「私たちは、いつまでも、いつまでも一緒よ……?」
希「知ってる。知ってる……。だから……」
ウルッ
絵里「希……」
希「……だから、今だけは……今だけは……」
ボロボロボロ
絵里「!!ど、どうして泣いたりするのよ、希。それじゃ、それじゃまるで……」
希「……」
絵里「私が、嘘を……ついてるみたいじゃない……」
ボロボロ
希「絵里ち……声が、震えてるよ……」
絵里「希こそ……」
希「うち、いやや……。絵里ちと離れ離れになってしまうなんて、耐えられへん……」
絵里「私だって……私だって……」
希「未来のことなんて、別に知りたない。未来なんていらへん。だから神様、お願いやから、今だけは……」
希「……今という時間だけは、うちから取り上げんといて……」
絵里「希……」
希「絵里ち……」 - 37 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:13:07.77 ID:KnRyYw3S0
- ―数時間後。通学路。
希「……」
トボトボ
亜里沙「希さん……」
希「!!亜里沙ちゃん……」
亜里沙「……」
ペコリ
希「ど、どうしたん?こんなところで……。今、学校の帰り……?」
亜里沙「……どうしても希さんとお話がしたくて、ここで待ってました」
希「うちと……?」
亜里沙「はい……」
希「ほ、ほな立ち話もなんやし、ちょっとその辺のお店にでも入ろうか?うち、ええとこ知ってるんやで」
亜里沙「……」 - 38 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:15:41.54 ID:KnRyYw3S0
- ―希行きつけのカフェ。
希「……ここは甘いものも美味しいけど、風水にも凝ってるし、よく来るんよ。パワーがもらえるんや」
亜里沙「でも、希さん、元気がないみたい……」
希「あ、あはは。学園祭とか色々あったし、ちょっと疲れてるんかもね」
亜里沙「……この間は、ごめんなさい」
希「……!」
亜里沙「亜里沙、話も聞かずに逃げ出したりして……」
希「ううん。謝らないかんのは、うちの方や。そのつもりはなかったにせよ、亜里沙ちゃんを傷つけてしもて……」
亜里沙「希さんは……お姉ちゃんのこと、好きなんですか?」
希「……」
コクン
希「……好きや」 - 39 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:20:16.17 ID:KnRyYw3S0
- 亜里沙「……どのくらい?」
希「こうして想いを言葉にするだけで、唇が震えちゃうくらい……」
亜里沙「……」
希「……亜里沙ちゃん、お姉ちゃんのことが……絵里ちのことが、ほんとうに好きなんやね」
亜里沙「え……?」
希「亜里沙ちゃんだってつらいやろうに、こうしてわざわざ、またうちに会いに来たりしてくれて……」
亜里沙「……正直、あの日は……ショックでした」
希「……」
亜里沙「お姉ちゃんが取られちゃったというか、どこか遠くへ行っちゃったというか……亜里沙の知らないお姉ちゃんになっちゃったというか」
希「亜里沙ちゃん……」 - 40 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:25:46.43 ID:KnRyYw3S0
- 亜里沙「とにかく、急に一人ぼっちで取り残されたような、そんな気がして……。そしたらもう、自分でもどうしたらいいか分からなくなって」
希「ごめんな……ごめん」
亜里沙「!!別に、希さんを責めてるわけじゃないんです。ただ……」
希「……」
亜里沙「……その後も、ずっと一人で考えて……。やっぱりこれじゃいけない、このままじゃいけないって、そう思って……。それで、今日こうして……」
希「……ふふっ」
亜里沙「希さん……?」
希「うち、お姉さん失格やね……。亜里沙ちゃんの気持ちを、こんなにかき乱して……」
亜里沙「……」
希「これでも、μ'sの中じゃお姉さん的な存在なんよ?みんなの前では、精いっぱいおどけてみせたりしてるんやけど……」
希「自分のこととなると、全然あかんみたいやね……」
亜里沙「希さん……」 - 41 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:31:20.36 ID:KnRyYw3S0
- 希「あはは、まったく、何を話してるんやろね、うち。亜里沙ちゃんを傷つけちゃったうえに、こんなことまで……」
亜里沙「!!希さん、亜里沙は……」
希「でも、安心して。絵里ちは……お姉ちゃんは、亜里沙ちゃんのそばを離れたりせえへんよ。ずっと亜里沙ちゃんと一緒やで」
亜里沙「それって……」
希「ほんとうは、心の奥底に……誰にも気づかれへんくらい、心のずっとずっと奥の方に、秘めておかなあかん想いやったってことは、分かってたん……。ましてや、亜里沙ちゃんを……好きな相手の大切な妹さんを傷つけてまで……」
希「ごめんな、亜里沙ちゃん……」
亜里沙「……」
希「けど、明日から元どおりや。絵里ちは生徒会長で、うちは副会長。μ'sの仲間で、そして、一番大事な、何よりも大事な……親友。そしてもちろん、亜里沙ちゃんの大事なお姉ちゃん……」 - 42 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:34:25.18 ID:KnRyYw3S0
- 亜里沙「……希さん……」
希「何もかも……な、何もかも、元どおりやで……」
亜里沙「希さん。声が……震えていますよ」
希「……!」
亜里沙「……」
希「うち、ほんまに……ほんまにあかん子やね。なんで、なんでこんな……」
亜里沙「希さん、亜里沙は……亜里沙は、お姉ちゃんのことが大好きです」
希「!……うん」
亜里沙「亜里沙はまだ子供だけど……。それでもきっと、希さんに負けないくらい、お姉ちゃんのことが大好きです」
希「うん。せやね……」
亜里沙「……だから」
希「……?」 - 43 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:37:11.15 ID:KnRyYw3S0
- 亜里沙「希さんも、お姉ちゃんのこと、本気で好きになってください」
希「……!!」
亜里沙「ほんとうに本気で、好きになってください。そうじゃなかったら……誰かのことを気遣ってみたり、自分の想いに蓋をしたり、そんな中途半端な"好き"だったら……」
希「……」
亜里沙「亜里沙は絶対に、お姉ちゃんを渡さないですよ」
希「亜里沙ちゃん……」
亜里沙「言いたいことは、それだけです」
希「それは……うちへのエール……?」
亜里沙「……」
希「それとも、宣戦布告……かな?」
亜里沙「……両方です」 - 44 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:38:58.10 ID:KnRyYw3S0
- 希「ふふっ」
亜里沙「……」
希「……そっか。せやったら、うちらは……ライバル、といったところやね」
亜里沙「亜里沙は……手ごわいですよ」
希「……うちも、負けへんよ。なにせ、うちはμ'sいちのラッキーガールなんやからね」
亜里沙「ふふっ」
希「……うふふっ」
亜里沙「……じゃ、亜里沙は行きますね。あ、そうそう、この店すごく美味しかったです」
希「ほんまに?気に入って貰えてよかったわ」
亜里沙「……だから今度、お姉ちゃんを誘って二人で来てみますね」
希「おやおや。ちゃんとうちが教えた店やって言ってくれんと、フェアやないなあ」
亜里沙「どうしようかな?」
希「ふふっ。……じゃあね、亜里沙ちゃん」
亜里沙「はい、希さん。またそのうちに」
希「うん……!」 - 45 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:44:31.17 ID:KnRyYw3S0
- ―そして、学園祭からしばらくが経ち……。
絵里「……色々あったけど、μ'sもようやく元どおりね」
希「一時はどうなることか思たけど……」
絵里「穂乃果も戻って来たことだし、またみんなで一つになってやって行けると思うわ」
希「……そう言えば、亜里沙ちゃんの様子は最近どうなん?」
絵里「ああ、亜里沙もまた元気になってきて、私ともよく話してくれるようになったわ。と言うか……」
希「……?」
絵里「何だか、前よりも甘えて来るようになったみたい。もう来年は高校生だって言うのに……」
希「ふふっ。そうなんや」
絵里「笑いごとじゃないわよ。まっく」
希「まあ、ええやん?絵里ちかて、うちに甘えてもええんやで……?」
絵里「もう、希ったら……。からかわないでよ」
希「……じゃあ、うちが絵里ちに甘えるわ」
ポスッ - 46 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:46:26.83 ID:KnRyYw3S0
- 絵里「ちょ、ちょっと希……!誰か来たらどうするの……」
希「そん時は……そん時や……」
希(うちも……ライバルには負けてられへんからね……!)
絵里「えっ?何か言った……?」
希「ううん。別に……」
絵里「……もうすぐ……冬ね」
希「うん。そうやね……」
希(亜里沙ちゃん。うち、負けへんで……。絵里ちと一緒に、いつまででも歩いていく)
希(ずっと、ずーっと先の、未来まで……) - 47 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 19:47:11.43 ID:KnRyYw3S0
- ーーおしまいーー
最後まで読んでいただき、ありがとうございました - 48 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 20:03:08.49 ID:mufG8xfPo
- 乙ーチカ
- 49 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 21:00:31.53 ID:2LeSYWi9o
- 乙やで~
- 50 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/16(月) 21:23:26.38 ID:NG1kwgpCo
- ええなぁ……乙よ~
- 52 :以下、新鯖からお送りいたします 2013/09/17(火) 00:00:39.10 ID:Gy0FPyV4o
- ハラショー
乙

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- ことり「か、会話がない!」
- 絵里「あの>>3、本で見たことある!」
- 穂乃果「希ちゃんって、μ'sに入る前から歌とかダンスとかやってたの?」
- 真姫「今日はパパもママも家にいないのね……寂しくないけど……」
- にこ「にこにー禁止!?」
- 海未「腕を上げましたね、亜里沙」
- 魔女真姫「女の子を捕まえたわ! これから太らせて食べちゃうんだから!///」
- 絵里「夏祭り?…日本の文化って好きよ」
- 真姫「もぐもぐ………」海未「………」
- 海未「過ごしやすい季節でなによりです」ブッ! μ's「!」
- 希「えいちー…のんたんれすよー」ギュー 絵里「!?」
- テレビ『今日の最下位は天秤座のあなた!』絵里「げっ」
- 穂乃果「ことりちゃんはレズかもしれない」
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- 海未「私と絵里の関係は」
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