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美女「ぬし、七夕のお願いごとはなんじゃ?」男「誰だ貴様」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:51:40.25 ID:OSQ6xm+50
美女「誰だ貴様、とは、ご挨拶だの」

男「挨拶じゃない、質問だ」

美女「ぬし、ここは何処じゃ?」

男「神社だ」

美女「なら分かるだろう?」

男「全く分からないな」

美女「鈍感な奴じゃのう、ぬしは。わらわは神じゃよ」




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 20:56:44.24 ID:OSQ6xm+50
男「巷ではそんな遊びが流行っているのかね」

美女「信じていないのかの」

男「信じるに値する証拠がないしなぁ」

美女「うむ、それもそうじゃのう」

男「随分あっさりと認めたな」

美女「歳を取れば、物分りが良くなるものなのじゃよ」

男「ははぁ」

美女「ちなみに今年、御年900歳じゃ」

男「へぇ」

美女「ううむ、反応が薄いのう。面白くないぞよ」

男「わぁ、びっくりした、とでも言えばいいのか?」

美女「それもそれで露骨で嫌じゃ」

男「まぁ露骨に言ったしな」

美女「ほれ、ナチュラルに言って見れ」

男「御年900歳の神様が外来語使っていいのかね・・・・・」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:03:22.51 ID:OSQ6xm+50
美女「当たり前じゃ。神も学習するのじゃよ」

男「じゃあその古風な喋り方を直すんだな」

美女「これは、わらわのアイデンティティーじゃ。譲れぬ」

男「アイデンティティーって」

美女「ぬし、清純系の女がよ、突然髪をピンクに染めたらどうじゃ」

男「パッと見、誰か、わかんなくなるだろうな」

美女「それと一緒じゃよ。わらわも、この喋り方じゃないと誰だか判らなくなるのじゃ」

男「ははぁ、随分とキャラを気にする神様もいたものだ」

美女「・・・・・・・っと、話が過ぎたの」

男「過ぎたも何も、何処にも戻る場所がないだろう」

美女「何を言ってるのじゃ、ぬし。最初の言葉を思い出すんじゃ」

男「七夕のお願いごとは何か、か」

美女「そうじゃ、わらわは、ぬしの願いを叶えにきてやったのじゃよ」

男「・・・・・・・・・はぁ」

美女「どうした、喜ぶがいい」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:09:30.92 ID:OSQ6xm+50
男「先ず、俺は貴様が何処の誰で、どういう奴なのかをまだ把握していない」

美女「ううむ、そうだったかの」

男「そうだ。一つづつ、証明して欲しいものだ」

美女「そうじゃのう・・・・・・、何から話したものか」

男「迷子なら送るぞ」

美女「馬鹿にするでない。ぬしにも分かるように話すための、算段を立てておるのじゃ。」

男「わかった。では存分に算段を立ててくれ」

美女「うむ」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

美女「ううむ、どうしたものかのう・・・・・・・・・・あれを使うかの・・・・・・・・いや、しかしあれはのぅ」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

美女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・閃いたぞ、あれでいこう・・・・・・・・・・・・・・くくく、驚かせてやろうかの」

男「あの、良いか?」

美女「む? どうしたのかえ」

男「全て筒抜けだ」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:16:46.68 ID:OSQ6xm+50
美女「うぅ、わらわとしたことが、こんな簡単な失敗をしてしまうとはの・・・・・・」

男「神様、へぇ、神様ね」

美女「馬鹿にするでない。あまり人と話すなどということは、せぬのでな。ついつい口に出して言ってしまってるのじゃよ」

男「ほう、人と話さないのか」

美女「わらわ達は、基本的に見守るだけじゃ。それにこの神社は随分廃れているのでのぉ」

男「本当にな、俺のような奴しか来ないだろう」

美女「そうじゃの。久しぶりの来客じゃ」

男「へぇ。聞くが、どれくらい振りだ?」

美女「ううむ、詳しくが覚えていないが、ざっと10年振りぐらいじゃろ。最後の参拝者は小さな子供じゃった」

男「・・・・・・・・・・・・へぇ」

美女「だからの、わらわは結構嬉しいのじゃよ、ぬしがきてくれたのは」

男「わかったわかった、取り敢えず証明したあとに、その話は聞こうか」

美女「そうじゃの。うむ、じゃあぬし、こっちへ来い」

男「ん、奥へ入れ、ってか」

美女「そうじゃ、百聞は一見にしかず、じゃろ?」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:21:39.68 ID:OSQ6xm+50
男「・・・・・・・・・・・・・暗いな」

美女「月明かりで我慢せぇ」

男「ああ。いや、しかしつまづきそうで」

美女「っとと」

男「・・・・・・・神様がつまづいてどうする」

美女「具現化するのは、もうそれはそれは久しいのじゃ」

男「言い訳はいいから」

美女「手厳しいのう。・・・・・・・・・ほれ、これを見るんじゃ」

男「ん、なんだこれは。・・・・・・・・・・水晶か。まさかこれで占ってあげましょう、とかじゃないよな」

美女「ち、違うぞ」

男「図星だったのか」

美女「違うと言っておろうに。ぬし、ぬしの家をこの水晶で見せてやる」

男「ほう」

美女「ちゃんと見ておくのじゃぞ。・・・・・・・・・・・・・・・・・ほれ、どうじゃ」

男「おお、我が家だ」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:27:20.09 ID:OSQ6xm+50
美女「ふふん」

男「神様がこれぐらいで得意満面になっていいものだろうか」

美女「いいのじゃよ。ほれ、どうじゃ、ぬし。信じたかえ?」

男「妥協点」

美女「本当に厳しいの」

男「水晶がモニターで、グーグ○マップを見てたという可能性も捨てがたい」

美女「科学脳じゃ・・・・・・」

男「まぁ、うん。良いだろう。取り敢えず信じた」

美女「信じたというのに、敬意の念を微塵も感じぬな。どこのお偉い様じゃ」

男「ここで謙ったら此方の話がしにくい」

美女「まぁ、それもそうじゃの」

男「うむ」

美女「で、お願いごとの話に戻ろうかの」

男「戻すのか? 俺は良いよ、神様と遭ったっていう事実だけでお腹いっぱいだ」

美女「そういう訳にも行かないのじゃ」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:34:38.03 ID:OSQ6xm+50
男「何故だ。どうしても叶えなければならないのか?」

美女「折角具現化してきたしの。何よりもわらわが、叶えてやりたいのじゃ」

男「どうしてそこ迄」

美女「ううむ、まぁ、ぬしは久しぶりの客だしの」

男「それだけの理由で、か?」

美女「・・・・・・・・・神は気まぐれなのじゃよ」

男「困ったものだ」

美女「ところでぬし」

男「なんだ、お願いごとを聞きたいのか?」

美女「その前に聞きたいことがあるのじゃが」

男「なんだ。神の頼みなどそうそう聞けるものじゃないしな。喜んで聞こうか」

美女「何故神社へきたのじゃ?」

男「何を言うかと思えば」

美女「まぁ、好奇心じゃよ。こんな廃れた神社、誰が来るか、と思ってのう」

男「祀られている神様がそんな事を言って良いのかね」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:40:12.45 ID:OSQ6xm+50
美女「事実じゃろ?」

男「事実だがな」

美女「なぁ、教えてくれはせぬか?」

男「・・・・・・・・・・・・・気になって」

美女「気になって?じゃと」

男「この神社が気になって」

美女「ほう、気になって、か。面白い奴じゃ」

男「あと、まぁ、神様は元気かなって」

美女「? わらわは元気じゃぞ」

男「・・・・・・・・・・・前言撤回、星を見に来た」

美女「それが本音かの。ここは星が綺麗に見えるからの。絶好のデートスポットじゃ。くくく」

男「なんだ、俺に対する当て付けか」

美女「どうじゃ、一時、わらわが彼女になってやろうかの?」

男「お断りする」

美女「そう照れるでないぞ。ほれ、近う寄れ」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:45:50.48 ID:OSQ6xm+50
男「近う寄れ、とか言いつつなんで近寄ってくる」

美女「ぬしが、寄ってきてくれぬからじゃ」

男「甘えん坊かよ」

美女「甘え神じゃな」

男「別に上手くないぞ」

美女「そうかの。それは失敬」

男「というか暑い、ちょっと離れてくれ」

美女「わらわは体温調節できるからの。全然暑くないのじゃよ」

男「貴様の事じゃない、俺のことだよ、俺の。そのゴテゴテした着物がもう、これ以上無いぐらいに暑い」

美女「お気に入りの十二単なのじゃが」

男「関係ない」

美女「仕方ないのう、脱いでやろう」

男「お前、ちょっと」

美女「ぬ? くくく、興奮したかの」

男「当たり前だろう。姿形は人間と一緒だ、気をつけろ」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 21:54:23.51 ID:OSQ6xm+50
美女「そうか、そうか。興奮したのか」

男「言いつつ脱ぐな」

美女「半裸じゃ」

男「実況するな」

美女「くくく、どうじゃ、わらわを襲うかの?」

男「やるわけ無いだろう。神様にそんな事をしたらどんな罰が待ち受けているか」

美女「懸命な判断じゃ」

男「妥当な判断だ」

美女「仕方ないの、着直すとしようかの」

男「着なおせ、あっちで」

美女「それとなく、離れるのを指示するとは。ぬしはわらわと居るのが嫌か?」

男「嫌じゃないな」

美女「ならのう」

男「それとこれとは話が別だ。ほら、早く」

美女「くくく、真面目な奴じゃ」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:00:39.97 ID:OSQ6xm+50
男「終わったか」

美女「うむ」

男「・・・・・・・・・・ここからの眺めは、本当に綺麗だな」

美女「そうじゃろ、星空満点眺めも満点じゃ」

男「ちょっと石畳の隙間から草が生えすぎだが」

美女「そこは勘弁じゃ」

男「ふぅ、風も気持良いな」

美女「そうじゃろう、そうじゃろう」

男「嬉しそうだな」

美女「自分のことをほめられているようなもんじゃしの」

男「自分の神社だもんなぁ」

美女「そうじゃ」

男「・・・・・・・・・・・・ああそうか、今日は七夕か」

美女「天の川を見て思い出したのかの。というより最初から言っておろう」

男「発言のインパクトが強くて七夕というのを思い出すのを忘れていた」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:08:21.38 ID:OSQ6xm+50
美女「七夕じゃよ、ぬし」

男「七夕だよな」

美女「7月7日は、七夕じゃ」

男「そう、だな」

美女「だからの、ぬし、お願いごとを叶えてやろう」

男「・・・・・・・・・・・・・・そうだな」

美女「やっと言う気になったか」

男「・・・・・・・・・・・・・本当は、最初からここで言うことは決まっていたんだよな」

美女「? どういう意味じゃ」



男「有難う御座いました・・・・・・だな」

美女「・・・・・・・・・・・・ぬし、どういうことじゃ」

男「10年前の子ども、アレは俺だ」

美女「・・・・・・・・・・・・・・・ふぅむ、面影が無いのう。可愛くない」

男「余計なお世話だ」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:16:56.20 ID:OSQ6xm+50
美女「しかし、ぬしが、あの時の子供か」

男「そうだ。あの時俺は、神様にお願いに来てた」



男「―――――近所で一つしか無い神社」

男「――そこがここだった」

男「・・・・・・・・・・・・あの時、両親が交通事故で瀕死だったんだ」

男「医者は、助からないかも知れない、と、俺に言った」

男「だから此処へ来た。もう俺は神頼みしか無かった」

男「俺は此処で願った」
____________________________________

「お父さんとお母さんをを助けてください」
____________________________________

男「とね。」

男「助かったよ。助かった。でも、父親はケガの都合で転勤になった。」

男「だからお礼に来れなかった」

男「でもしかし、大きくなって、自由になった今、やっと。ここへお礼に来たのだよ」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:24:52.90 ID:OSQ6xm+50
美女「――――くくく、律儀な奴じゃ」

男「可笑しいか?」

美女「いや、嬉しい」

男「・・・・・・・そう、か」

美女「はっきり言ってな、私の神としての力は、あの時、もう既にそんなに無かった」

男「そう、なのか?」

美女「そうじゃ。もう、信仰が殆ど無かったしの。だから、ぬしの両親も、助けられるか、助けられないか、半々だった」

男「・・・・・・・・・・そう、か」

美女「わらわは、な、お前がお礼に来なかったとき、助からなかったのだと思った」

男「・・・・・・・済まない」

美女「いいのじゃ、それは。それでな、わらわは思ったのじゃ。次、次にお願いに来た奴は、絶対に叶えてやろうと。絶対に笑顔にしてやろうと」

男「・・・・・・そうか」

美女「そうじゃ。そして、次に来たのが、ぬし」

男「ああ」

美女「―――またお前じゃったな」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:30:15.77 ID:OSQ6xm+50
美女「あーあ、早合点も良い所じゃの。」

男「悪い悪い」

美女「もうお嫁にいけぬぞ」

男「それは違うだろう・・・・・」

美女「・・・・・・・・・・・・なぁ、ぬし」

男「ん、なんだ」

美女「願い事、叶えてやろう」

男「お前、今の話を聞いた上で、か?」

美女「ああ、そうじゃ。もうこの神社も廃れた。いい潮時じゃ。最後の願いを、叶えてやろう」

男「最後の願い、って」

美女「最後の願いじゃ。わらわの力は、信仰によって溜まるようなものなのじゃ。ようするに電池の充電と同じかの」

男「電池って」

美女「そうじゃ、で、もうそれは底を突きそうなのじゃよ。最後の願い、叶えたら終わり、じゃ」

男「いや、でも俺の願いは半々だって・・・・・」

美女「そうじゃ、保身を考えておったからの」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:42:04.88 ID:OSQ6xm+50
男「・・・・・どういう意味だ」

美女「わらわの存在、それを維持するのにも力がいるのじゃ。その力を、願い事を叶えることに使用する、ということじゃ」

男「それじゃあお前はどうなるんだ」

美女「消える。それだけじゃ」

男「・・・・・・」

美女「だらだらと生き過ぎた。いや、神は生きてる、のではなかったかの? くくく」

男「良いのか」

美女「まぁ、嫌じゃよ」

男「なら」

美女「なら、なんじゃ。これが神の仕事じゃ」

男「・・・・・・・・・・・」

美女「仕方ないのじゃ、定めじゃ。ほら、ぬし。願いを言うがいい。」

男「・・・・・・・・っ」

美女「早くわらわを殺してくれ。いや、生きてないのだから殺す、も間違いか」

美女「・・・・・・・・・・・わらわを、助けてくれ」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:54:26.59 ID:OSQ6xm+50
男「助ける、ね」

美女「そうじゃ、助けるのじゃ。暇を持て余した神を、解放してあげるのじゃよ」

男「解放?」

美女「うむ、飽きたのじゃよ、神に。」

男「・・・・・・・・本音か?」

美女「どうじゃろうね」

男「・・・・・・・・・・」

美女「ほれ、決まったか?お願いごとは」

男「そんなに焦るな・・・・よ」

美女「そうじゃのう。くくく、ぬしが決めている間に、わらわは最後の星空鑑賞と行こうかの」

男「最後・・・・って」

美女「最後じゃろう。」

男「最後・・・・かもな」

美女「ほら、境内へ出ようかの。ぬしも一緒にどうじゃ」

男「ああ、行くよ」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 22:59:26.15 ID:OSQ6xm+50
美女「最後、と思うと感慨深いのう」

男「そう、なのかな」

美女「そうじゃ。感慨深い」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

美女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

男「なんだ、昔語りとか、しないのか」

美女「忘れてしまった」

男「忘れたって・・・・・」

美女「忘れたものは忘れたのじゃ」

男「・・・・・・ふぅん」

美女「なんじゃ、深くは聞かないのかの」

男「野暮だろ?」

美女「本当に真面目な男じゃ」

男「褒め言葉として受け取っておく」

美女「うむ」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:04:19.56 ID:OSQ6xm+50
美女「で、どうじゃ。決まったかの」

男「・・・・・・・・・・・・ああ、決まった」

美女「わかった。それと、最初に言っておく。願い事を言った瞬間、願いは叶う。その瞬間、わらわは居なくなるからの。心の準備をしておくのじゃ」

男「わかった」

美女「では、こっちに」

男「・・・・・・・・・・社前、か」

美女「そうじゃ、ここじゃないと、全力が出ないからの」

男「ああ、ね」

美女「さて、お願いをしてもらおうか」

美女「わらわに、最後のお願いを」

男「言うぞ」

美女「・・・・・・・・・・・・うむ」



男「俺の願いは――――――――――――――――――――


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:09:25.81 ID:OSQ6xm+50
美女「・・・・・・・・・・・・・・・? あれ、何故消えぬ」






男「それが、俺の願い事だ」

男「消えないで欲しい・・・・・・・・・ってね」

美女「狡猾な奴じゃの・・・・・・・・全く」

男「違う、俺の純粋な願いだ。消えてほしくない、ただ、それだけだ」

美女「ぬし・・・・・・・っ・・・・・・・」

男「泣いてるぞ。神様でも泣くのか」

美女「な、く・・・・・ぞ。それにこれは、嬉し涙だしの、良い涙じゃ。神が流しても良いのじゃよ」

男「良い涙があったのが驚きだよ」

美女「くくく・・・・・」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:13:55.27 ID:OSQ6xm+50
____________________________________

男「じゃあ、俺はもう、帰るよ。願いも叶った。することもした」

美女「ぬし、待て」

男「なんだ」

美女「存在は消えぬようじゃが、どうやらわらわに、神の力は無いらしい」

男「というと」

美女「ただの女じゃ」

男「ほう」

美女「ただの女を、こんなボロボロの神社にひとり置いてゆくのかえ?」

男「・・・・・・・・・・何が言いたいんだ」

美女「ぬしの嫁になる。連れてゆけ」

男「神様じゃないのに高圧的だな」

美女「なんじゃ、じゃあどう言えばいいのじゃ」

男「下から、頼む感じで」

美女「わらわを、そなたの嫁にしてください・・・・・・・・・・・・でいいのかの?」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:16:50.02 ID:OSQ6xm+50
男「及第点」

美女「厳しいのう」

男「・・・・・・・・・・さて、帰るか」

美女「何処にじゃ」

男「俺の家だ」

美女「やはり置いてゆくのか?」

男「何言ってるんだ」



男「俺の家は、お前の家だろ?」

美女「・・・・・・くくく、そうじゃったの。わらわはぬしの嫁じゃった」

男「じゃあ帰ろうか」

美女「うむ、帰るとしよう」






                  ~fin~


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:18:21.49 ID:GOvqOIaj0

さっぱりしてて良かった


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:20:04.98 ID:NJBFbmkhO
さっくり終わったな、乙


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:21:15.24 ID:OSQ6xm+50
七夕、ということで、一つ書いてみました。此の様な幻想物語系は初めてだったので、矛盾、その他もろもろ、甘く見てやってください。

連日、お付き合いいただいている方は、有難うございます。見ていただけていて嬉しいです。


此処迄お付き合いいただき、有難う御座いました。


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/07(木) 23:28:31.58 ID:WxDl003l0
乙でした





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  1. 名無しの日本人 2014/01/05(日) 20:26:02

    広告の 「こうやって稼ぐのね」 (みんなも同じかな?)
    が    「こうやって嫁ぐのね」に見えて えっ って思った。

    お話、ほっこりした。グッドでした


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