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櫻子「……私も、私も向日葵のことが――」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 22:55:06.37 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「お久しぶりですわね」
櫻子「う、うん」
向日葵「……よく似合ってますわよ」
櫻子「と、当然じゃん!だって私だもん」
向日葵「くすっ」
櫻子「?」
向日葵「櫻子は、相変わらずですわね」
櫻子「な、なんだと」
向日葵「ふふ」
櫻子(……なんか変、やっぱ変)
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 22:55:56.26 ID:OJlB2bYt0
- 向日葵「あ、赤座さんと吉川さん?」
あかり「あ、向日葵ちゃんと櫻子ちゃん!」
ちなつ「久しぶり~」
あかり「なんだか向日葵ちゃん、キレイになったね」
向日葵「ありがとう。赤座さんもとっても素敵ですわ」
あかり「えへへ」
ちなつ「櫻子ちゃんも大人っぽくなったね」
櫻子「そりゃ、二十歳ですしぃ!大人の色気もばっちりっしょ」
ちなつ「……中身は昔のまんまだね」
向日葵「ふふ」
あかり「あ、みんなで写真撮ろうよ!成人式の記念に」
ちなつ「いいね」
櫻子「撮ろう撮ろう!」
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 22:57:06.47 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵と再会したのは、東京に住むお姉ちゃんのところに遊びに行った時だった。
花子「迷ったし?」
櫻子「迷ってねーし」
花子「はぁ」
櫻子「これがあれで、あれがこれだから……うん、間違いないはず!」
花子「信用できないし」
櫻子「む……あ、そこにいる人に聞けばいいんじゃん」
櫻子「すいませーん」ダダッ
花子「あっ!……櫻子のやつ……」
??「はい?」
櫻子(うあぁ……美人)
??「あら?」
櫻子「あ、あの……道を」
??「櫻子?」
櫻子「……え?」
- 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 22:58:11.82 ID:OJlB2bYt0
-
??「やっぱり櫻子ですわね」
櫻子「……ひ、向日葵?」
花子「はぁはぁ……櫻子は後先考えずに走り出すくせ止めろし」
向日葵「花子ちゃんも」
花子「え、え?」
向日葵「ふふ、久しぶりですわね」
花子「ひま姉?」
あの日、偶然、私は向日葵と再会した。
すぐに向日葵だってわかんなかった。
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:09:35.03 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「撫子さんのところに遊びに来たんですね」
花子「案の定迷子だし」
向日葵「櫻子らしいですわね」
櫻子「むっ」
向日葵「ふふふ♪……櫻子は相変わらずですわね」
櫻子「喧嘩売ってる?」
向日葵「変わってなくて安心したんですわ」
櫻子「……向日葵は」
向日葵「え?」
櫻子「……なんでもない」
向日葵は、変わっちゃったの?
なんて、怖くて聞けなかった。
何ビビってんだろ?私らしくない。
- 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:11:41.59 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「なんだかんだで、中学校の卒業式以来だったかしら?」
櫻子「そーかも」
向日葵「私がいなくても大丈夫みたいですわね」
櫻子「?……初めっから向日葵の助けなんかなくても大丈夫だったし」
向日葵「……そうですわね」
高校は別々に進学した。
向日葵は家からちょっと遠い進学校。
私は家から1番近い高校。
朝、家を出る時間も、方向も、下校時間も……全部違ってしまったのが高校時代だった。
その時、ふと思ったことがある。
――私、向日葵がいなくてもやっていけるんだなぁ、と。
- 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:14:41.92 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「ここを曲がったところですわね」
花子「はぁーやっと着いたし」
櫻子「向日葵は」
向日葵「私はこれから用事があるんですの」
櫻子「……そっか」
向日葵「でも、成人式で会えますわ」
櫻子「ん」
向日葵「じゃあ、失礼します。撫子さんによろしくとお伝えください」
思えば、あの時、どこかおかしいなって感じてた。
久しぶりだったせいだって気にしないようにしていたけど、たぶん違った。
- 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:18:24.48 ID:OJlB2bYt0
-
成人式で再会した向日葵はやっぱり別人に思えた。
あかり「うぅ~……今度、みんなで遊ぼうねぇ」
ちなつ「ほら、あかりちゃん、しっかり立って」
あかり「立ってるよぅ、ちなつちゃん」
ちなつ「お酒弱いのに、あんなに飲むからだよ」
あかり「ごめんねぇ」
ちなつ「じゃあ、私、あかりちゃんを送って帰るから」
向日葵「はい」
ちなつ「あかりちゃんも言ってるけど、また4人で集まって遊ぼうね」
櫻子「……」
向日葵「櫻子?」
櫻子「もっちろん!」
ちなつ「うん、じゃあまたね」
あかり「えぇー、あかりもっとみんなといたいよぅ」
ちなつ「酔っ払いが何を言うか」ポコッ
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:19:53.05 ID:OJlB2bYt0
-
櫻子「……」
向日葵「赤座さんって変わっていませんね」
櫻子「うん」
向日葵「私達も帰りましょうか」
櫻子「うん」
向日葵「ふふ、久しぶりですわね」
櫻子「?」
向日葵「あなたとこうやって帰るのは」
櫻子「……向日葵、何か変」
向日葵「アルコールのせいですね」
櫻子「そういうのじゃなくて」
向日葵「……ふふ」
櫻子「!」
昔みたいに言い争いをすることはないけど、向日葵の態度や物腰は同じで。
なんだか悔しいし、悲しい。
私だけ置いて行かれちゃったような気がした。
- 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:21:24.29 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「ねぇ、櫻子」
櫻子「ん?」
向日葵「中学校の卒業式、覚えてる?」
櫻子「……」
向日葵「……」
櫻子「あ、あかりちゃんがゴーキューしちゃって大変だったよね」
向日葵「ええ」
櫻子「そんなあかりちゃんにつられてちなつちゃんも泣いてたっけ」
向日葵「ええ」
櫻子「それと、うーっと……」
向日葵「櫻子」
櫻子「っ」ビクッ
向日葵「私ね、あなたに言っていない事があるんですの」
- 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:22:51.99 ID:OJlB2bYt0
-
――聞きたくない。
櫻子「ね、ひま」
向日葵「私ね、昔、あなたのことが好きでした」
櫻子「……」
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:24:25.18 ID:OJlB2bYt0
-
中学校の卒業式の帰り道。
向日葵「とりあえず櫻子が高校になんとか合格できてよかったですわ」
櫻子「櫻子様が本気を出せばこんなのちょれーし」
向日葵「はぁ……あなたはまったく……」
櫻子「へっへーん」
向日葵「余裕ぶっているみたいですけど」
櫻子「?」
向日葵「高校では朝迎えに行ったり、宿題を見せたりはないんですからね」
櫻子「余裕余裕!」
向日葵「私がいなくても櫻子はやっていけるのでしょうかって心配ですわ」
櫻子「ふんっ!高校は別々だからせいせいするし!!」
櫻子(それはこっちのセリフですわ)
向日葵「……」
櫻子(って言うんじゃねーのかよ)
- 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:25:26.07 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「……」
櫻子「ひ、向日葵?」
向日葵「」チュッ
櫻子「!」
向日葵「……」ダダダッ
櫻子「……」
櫻子「え……い、今のって」
櫻子(キ、キス……?)
あの時の向日葵も、向日葵であって向日葵じゃなかった。
なんか気まずくて、高校が別なのを理由に会う機会はどんどん減っちゃったんだ。
- 15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:26:56.26 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵「あの時は、いきなりキスなんかしちゃってごめんなさい」
櫻子「……」
向日葵「櫻子?」
櫻子(この向日葵って本当に本物の向日葵?)
向日葵「あ、着きましたわね」
櫻子「……」
向日葵「昔はもっと長く感じたのに、不思議ですわ」
櫻子「……」
向日葵「じゃあね、さく」
櫻子「……」ギュッ
向日葵「櫻子?」
櫻子「今日、泊まってもいい?」
向日葵「……」
櫻子(なに言ってるんだろう)
向日葵「仕方ないですわね」
櫻子「……うん」
櫻子(私も変になってるみたいじゃん)
- 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:28:35.14 ID:OJlB2bYt0
-
本当はね、分かってるよ。
私達の関係が昔と違うってこと。
「好きでした」も「泊まってもいい?」も昔の私達ならありえない。
私さ、向日葵。
向日葵がいなくてもやっていける自分に気付いた時、どうだ!っていう自慢の気持ちより、寂しい気持ちの方が大きかったんだ。
ちょっとだけだけど。
櫻子「ね、向日葵」
変わってしまった関係を本当は否定したい。
昔のままの私達でいたい。
でも、もうそんなの無理。
だって向日葵も、向日葵との関係も変わっちゃったんだ。
- 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:29:16.51 ID:OJlB2bYt0
-
櫻子「あ、のさ……」
変わってしまった関係を受け入れる魔法の言葉。
私達が未来に向かって歩き出すために必要な言葉。
言わないと……。
向日葵は言ってくれたから……だから……。
もし、あの時、向日葵のキスをちゃんと考えてたら……。
告白されていたら……何か変わっていたのかな。
ううん、あの頃の私は、そんな素直に受け入れられない。
たぶん、今よりもっと気まずくしてた。
だからね、向日葵。
これで、いいんだよね……?
櫻子「……私……私も昔、向日葵のことが――――――――」
- 18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:31:24.99 ID:OJlB2bYt0
-
二十歳の古谷向日葵様
こんにちは。中学3年生の古谷向日葵です。
二十歳というと今頃私は大学生でしょうか。
今の私からは想像がつきません。
二十歳の私お隣には、変わらずあの子がいるでしょうか。
私は変わらず、あの子の隣にいるでしょうか。
私は、卒業式の日に櫻子に告白しようと思っています。
今までの関係が壊れてしまう不安があったから、進学先は別にしました。
でも……でも、それでも変わらず、私達は一緒にいられるのでしょうか。
これを読んでいる私はもう知っているのでしょう。
告白の結果も。二十歳の私と櫻子の関係も。
……好きだと自覚してしまったあの日から、ずっとずっと悩んできました。
面倒見て、嫌いだと言い合って、今まではそれが楽しかったのに、
いつの間にか胸が張り裂けそうで、楽しいはずなのに涙が出そうで……。
たぶん、もう、このままじゃいられない……。
上でこの関係が壊れるのが怖いと書きましたが、もう、私の中では壊れてしまったんですね。
もう戻れなくて、今のままじゃいられない……だから……。
だけど、変わらず隣にいたいなって本当は思っています。
ねぇ、二十歳の私。
恋人でも、ただの幼馴染でも構わないです。
今、あなたの隣にあの子はいますか?
もしいるのなら、告白の結果がどうあれ、私はとても幸せです。
中学3年生の古谷向日葵より
- 19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:32:27.09 ID:OJlB2bYt0
-
向日葵(ねぇ、中学3年生の私……。)
向日葵(あの日、私は告白はできませんでしたわ)
櫻子「……」zzz
向日葵(今になってやっと言えました)
向日葵(あの頃ほどの重さはなくて……だけど……)
向日葵(あの頃の必死さもない……)
櫻子「……んん……」zzz
向日葵(ただ好きと、それだけでいいと……)
向日葵「ねぇ、櫻子」
向日葵「もし、もし……あの卒業式の日」
向日葵「ちゃんとあなたに告白出来ていたら、何か変わっていたのでしょうか」
向日葵「……なんて……たぶん、無理でしょうね」
向日葵(中学3年生の私……)
向日葵(今、私の隣にあの子がいます)
向日葵(……だから、とっても幸せです)
おわり - 20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/02(水) 23:35:46.63 ID:Enz0bEySO
- ひまさくはハッピーエンドが一番やね
乙

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