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安価で行動決める 俺GMする ファンタジー世界放浪

1:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:27:06.94 ID:1N6xZWoM0

やぁ、よく来たね

この世界は君たちが住む世界とは少し様相が違う

「剣と魔法の世界」と言えば、通りがいいかもしれない

魔族やモンスター、冒険者にダンジョンに、国同士の大きな戦争

君たちがおおよそ体験してきた様々な要素がこの世界にはあると思ってくれていいだろう

では自由な放浪を始める前に、まず「君」という人間を作っていこう

まずは性別を決めてくれ

「君」は男でもいいし、女でもいい

性別不明というのも面白いかもしれない

>>3



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:28:04.69 ID:Cb4RPauT0

ふたなり


4:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:29:20.29 ID:1N6xZWoM0

面白いね、「君」は男性、女性両方の特徴を備えている不思議な存在だ

次に「君」の特徴を決めてくれ

例えば、「弓の名手」や「貴族の出身」といった具合に

「生粋のじゃじゃ馬」や「大酒のみ」なんて特徴があっても面白いし

「誰もが振り向く美人」といった容姿に関することや、「一族を全て殺された不幸な女」といったものも面白い

この放浪に目的はないから、その特徴が生かせる場所はないかもしれない

それでも「君」という人間を形作るには、とても大事な要素には違いないはずだ

では一つ目の特徴を教えてくれ

>>8


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:30:33.50 ID:Cb4RPauT0

人形破壊者しろがね


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:31:09.81 ID:Xi8SbuVbi

騎士の名門の家系


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:31:32.02 ID:eFj5+1pP0

ファイナルファイトではガイしか使わない


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:33:09.62 ID:pUnZR4fXO

パンダ大好き


9:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:36:11.19 ID:1N6xZWoM0

なるほど、「君」は無類のパンダ好きという特徴を得た

「君」は白と黒がはっきりと分かれたものが好きなのかもしれない

この特徴はきっと面白いものになるだろう

それではもう一つ、特徴を決めてくれ

特徴は外見に関するものも面白いかもしれない

>>13


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:39:13.60 ID:pUnZR4fXO

重そうな変な帽子被ってる


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:40:05.38 ID:XbFLYynE0

キチガイ


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:40:08.32 ID:hA6eMJP80

露出狂


15: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2011/04/13(水) 16:40:10.62 ID:Z4cdFSeC0

モヒカン


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:40:08.10 ID:eClShZdf0

パンダアレルギー


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:40:44.44 ID:EEyrZScT0

パンダ好きのパンダアレルギーか可愛いな


18:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:45:43.08 ID:1N6xZWoM0

面白い、「君」は無類のパンダ好きという特徴を持ちながら、

「君」の体はその生き物を受け付けないようだ

よろしい、これで「君」という人間はおおよそ完成した

「君」は男性と女性、両方の特徴を持ちながら、

パンダという生き物を受け付けない身体を持ち、

それでいてその生き物を心から愛している

これから君の放浪はスタートする


19:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:46:35.34 ID:1N6xZWoM0

よし、それでは素晴らしき放浪の旅を始めよう

「君」はまだ、何も無い空間に居る

目の前は真っ暗でもあり、真っ白でもある

「君」は眠っているのだ

そしてゆっくりとその小さな瞼を動かし、「君」は目を覚まそうとしている

君が目を覚ました場所、それは一体何処か教えてくれ

それは緑が多い茂る大平原でも良いし、霧の立ち込める森の中でもいい

はたまた魔物が歩き回るダンジョンでも良いし、街の片隅や暖かいベッドでもいいだろう

>>24


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:46:36.55 ID:pUnZR4fXO

パンダ装備を求めて国土をさ迷ってるのかもしれない


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:47:20.64 ID:XbFLYynE0

樹海


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:48:17.94 ID:pUnZR4fXO

酒場の女子便所


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:49:24.43 ID:Cb4RPauT0

上野動物園


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:50:56.47 ID:57qPxvG5O

キングダムハーツみたいだな


家が一軒だけある丘の上


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:49:56.67 ID:eClShZdf0

目が覚めたらパンダになっていた


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:51:41.30 ID:57qPxvG5O

>>24
場所じゃねえwww


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:52:26.95 ID:pUnZR4fXO

GMが画面の向こうでひきつってるのが目に浮かぶようだ


28:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 16:54:39.66 ID:1N6xZWoM0

そうだ、続ける前に一つだけ忠告をしておこう

この放浪記で出される「安価」についてだ

「安価」は「君」自身の行動を示すものであって、

それ以外の事象には触れられないと覚えておいてほしい

それから、問いかけと答が一致しないと、「君」は上手く行動する事が出来ないだろう

注意してくれ


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:56:45.68 ID:XbFLYynE0

やはりそう来るか
で、安価はどうした?


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 16:57:10.62 ID:57qPxvG5O

確かに。

じゃあ再安価?


32:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:00:35.83 ID:1N6xZWoM0

「ん……」

「君」はゆっくりと目を覚ます

何処からともなく差し込んでくる日差しが、「君」の身体を包んでいる

「君」はぐうっと背を伸ばして、まずは頭に手をやった

「……はぁ」

するり

ひょっこりと丸い耳がついた、白と黒の帽子が「君」の頭から落ちる

膝の上に落ちたそれを見ながら、「君」は浮かない表情を浮かべている

次に、「君」は自分の身体に触れてみる

「……はぁ」

そしてまた、もう一つ深いため息を吐く

「君」の手は模様は帽子と同じ様に白と黒で統一された、毛並みの深い「服」に埋もれている

「……やっぱりパンダに……なってないや」


34:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:04:54.53 ID:1N6xZWoM0

「君」はがっくりとうな垂れて、その服と、手、足に巻きつけられた「服」を脱ぎ捨てる

積み重なったそれらは白と黒で統一されていて、きっと眠っている「君」を側で見れば、

「本当のパンダになった」様に見える事だろう

しかし「君」の願いも空しく、今日も今日とて「君」は「君」として目を覚ました

簡単な服に着替えた君は、笹を模した寝床の上に座りながらぼうっと呆けている

朝は毎日こうなのだ

「君」は目をとじて深く息を吸い込み、自分に語りかける

一体私は何者なのか、と

>>39


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:05:10.78 ID:pUnZR4fXO

西洋ファンタジー世界なのか中華系ファンタジーなのかでエキセントリック度が変わるな
安価↓


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:07:34.92 ID:57qPxvG5O

とりあえず朝食


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:07:47.59 ID:XbFLYynE0

パンダ


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:07:46.51 ID:eClShZdf0

人類を滅ぼし世界にただ一人残った人間


42:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:13:03.03 ID:1N6xZWoM0

「…………」

「君」はゆっくりと目を開ける

笹を模した寝床、竹で出来た住処、パンダ柄の寝巻き

そしてその奥、窓という名の穴の奥に広がっている世界

「……誰も、居ないんだ」

青く澄み渡る空と、多い茂る緑

飛び交う鳥達の声はやかましく、今一匹の獣が駆けていった

しかし、この世界に「君」以外の「人」は存在していない

なぜならそれは

「……私が消したのだから」

「君」はまた瞳を閉じて、白黒の毛皮をひしと抱き締める


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:14:50.38 ID:57qPxvG5O

いきなり鬱な始まりだなww
「君」の外観はどんな感じだろ


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:16:17.14 ID:57qPxvG5O

パンダ柄の寝間着いいじゃないか
できれば普段着もそれだと個性的でいい


46:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:19:39.61 ID:1N6xZWoM0

――――――

遅くなってすまなかったが、放浪を始める前に一つだけ聞いておこう

「君」には三つの選択肢がある

この世界で放浪を続ける事

新たな世界の「君」に出会いに行く事

それから、

以前の「君」の放浪を続ける事

どれを選ぶのも、「君」の自由だ

それから、この選択は放浪のいつでも出来ると覚えていて欲しい

「君」が望むのなら、「君」はいつでも以前の「君」に会えるし、

「君」が望むのなら、いくつでも「君」は生まれるだろう

>>52


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:25:41.06 ID:pUnZR4fXO

ヒトがいないなら亜人種がいればいい


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:27:01.66 ID:57qPxvG5O

パンダ姿で放浪


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:27:52.57 ID:UXJCT2cI0

前スレの続き


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:30:33.89 ID:57qPxvG5O

>>53は選択肢3番目ってことか
それもちょっと見てみたかったな


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:27:47.18 ID:ii/hAdM50

新しく


55:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:32:31.31 ID:1N6xZWoM0

なるほど、それが「君」の選択というわけか

わかった、では新しい「君」に出会いに行く事にしよう

もう一度言うが、「君」には三つの選択肢をいつでも選ぶ事が出来るのを忘れないで欲しい


それでは、まずは性別を決めてくれ

「君」は男でもいいし、女でもいい

性別不明というのも面白いかもしれない

>>59


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:34:12.02 ID:/P43yPa6O

少年


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:34:13.12 ID:Cb4RPauT0

オカマ


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:34:27.83 ID:pUnZR4fXO

元の性別を忘れてしまった


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:36:37.60 ID:57qPxvG5O

今のリセットだったのかwww
ちなみに最初の性別は「ふたなり」


63:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:37:28.77 ID:1N6xZWoM0

なるほど、「君」自身は自らの性別に関心が無い

つまり、「君」の性別は不詳だ

「君」は男でも女でもない

少なくとも今は

次に「君」の特徴を決めてくれ

容姿、生まれ、性格なんでもいい

「君」の冒険を彩るエッセンスだ

考えて決めるといい

>>68


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:38:54.26 ID:BUM4CJcwI

魔法使い


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:40:48.30 ID:57qPxvG5O

大きなリュックを背負ってる


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:41:16.89 ID:UXJCT2cI0

神の使い


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:41:33.79 ID:pUnZR4fXO

行き詰まると陶器を破壊する癖がある


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:41:35.67 ID:ii/hAdM50

アルビノっ娘


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:41:38.98 ID:lZpurgwr0

棺桶売り


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:41:35.51 ID:eClShZdf0

パンダ好きのパンダアレルギーのパンダ


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:42:02.08 ID:kQdDpa1t0

パンダループ


74:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:45:30.45 ID:1N6xZWoM0

なるほど、今回の「君」は「人」ではないようだ

同属を愛しながらも、自らを嫌う

そんな悲しき「君」の放浪はどうなることか

ではもう一つ、「君」の特徴を決めてくれ

>>79


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:49:31.86 ID:XbFLYynE0

頭脳明晰


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:49:30.63 ID:kQdDpa1t0

呪いで人間の姿になってしまっている


84:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 17:53:56.86 ID:1N6xZWoM0

悲しき「君」よ、「君」には呪いがかけられているようだ

つるつるとして非力な、「人間」という姿に変えられてしまう恐ろしき呪いが

これで「君」という存在はおおよそ完成した

それではそろそろ放浪を始めよう

「君」はまだ、何も無い空間に居る

目の前は真っ暗でもあり、真っ白でもある

「君」は眠っているのだ

そしてゆっくりとその小さな瞼を動かし、「君」は目を覚まそうとしている

君が目を覚ました場所、それは一体何処か教えてくれ

それは緑が多い茂る大平原でも良いし、霧の立ち込める森の中でもいい

はたまた魔物が歩き回るダンジョンでも良いし、街の片隅や暖かいベッドでもいいだろう

>>89


85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:54:40.87 ID:vCLxdGzl0

UFOの中


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:56:10.35 ID:pUnZR4fXO

移動サーカス団の控えテントの中


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:56:15.35 ID:lZpurgwr0

アニマル王国


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:56:27.71 ID:57qPxvG5O

小さな舟の上


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:55:14.51 ID:63eiAd0B0

水の中


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 17:56:14.59 ID:63eiAd0B0

>>86


92:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:00:50.28 ID:1N6xZWoM0

「君」は苦しんでいる

何も見えず、何も聞こえない

そんな中で「君」は暴れている

自分の手は、自分の足は、こんなにも動かし辛いものだっただろうか

まるで全身が他人の物であるかのような感覚に、「君」は戸惑いながら苦しんでいる

「君」は今、ほの暗い水の中にいた

必死に、必死になってもがき続ける「君」はやがて

「……!!! っぶはっ……!! はぁーっ! はぁーっ……!!!」

揺れる水面から、「君」はやっとの思いで顔を出した

未だ感覚のズレた手足をばたつかせて、岸まで辿り着く

どうやら「君」は、静かな小川の中に溺れていたようだった


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:03:26.15 ID:vCLxdGzl0

よかった、太平洋のど真ん中とかじゃなくてww


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:03:54.62 ID:kQdDpa1t0

確かに


95:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:05:56.04 ID:1N6xZWoM0

「ごほっ……! ごほ!」

「君」は大量に水を吐く

そして自らの顔についた水を払おうと、「君」は自分の顔に触れる

「……こ……れは……!!」

ただでさえ早すぎた心臓の鼓動が、さらにさらに加速していく

「君」は自らの手が、明らかに以前とは変わり果てている事に気がついたのだ

「わ、私は……一体……!!」

「……っ!!」

今度は自らの口を塞いだ

「君」は「言葉」に驚いた

なぜなら、「君」は今まで「言葉」など発した事はなかったのだから


97:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:12:38.70 ID:1N6xZWoM0

「君」は完全に混乱していた

「君」の身体は、もっと大きく、毛深く、力強かったはずだった

それが今、「君」が「君」の身体として動かしているソレは、

華奢で、つるつるとしていて、何の力も無さそうに見える

そう、「君」は「人間」になっていた

「あ……あぁ……!!」

喉の奥から出る嗚咽さえ、「君」には自分のものだと感じられない

震える身体を引き摺り、「君」は水面に向かう

そして最後の望みをかけて、「君」はそこを覗き込んだ

「なん……で……!!」

静まった水面に写っていた顔は、やはり、「人間」のそれだった


98:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:17:47.43 ID:1N6xZWoM0

どれくらいそうしていただろうか、「君」はさらさらと流れていく水の側で

自らの身体を抱きながら座っていた

呼吸が落ち着き、やっと冷静になれた頃、「君」は自分の身体を確認する

「…………」

一糸纏わぬ「君」の伸びた手足は細く、白い

自分の身体が男性か、女性か

「君」にはわからなかった

今はそんな事に興味がなかったし、何より「君」は「人間」の性別など分からなかったからだ

「……あー……あー」

喉を震わせてみる

「君」は思った事が言葉として紡がれる事に、少しだけ馴れた

それでも、「君」は一体自分の身に何が起こったのか、全くわからない

>>103

なお、こうした「安価」が出た時は、何も言わずとも「君」は行動を求められていると思ってくれていいだろう


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:20:53.99 ID:pUnZR4fXO

あたりを見渡してみる


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:22:12.82 ID:XbFLYynE0

服を探す


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:22:21.67 ID:ii/hAdM50

パンダのふりして人の町へ


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:22:26.67 ID:kQdDpa1t0

とりあえずそのまま辺りを散策する


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:22:19.27 ID:lZpurgwr0

仲間を探す


106:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:28:17.91 ID:1N6xZWoM0

「君」は仲間を探そうと思い立った

自分がこうしてここに居るのなら、もしかすれば仲間も居るかもしれない

だが、「君」の手足は簡単には言う事を聞いてはくれない

突然伸びた足にバランスを崩し、何度も転び

まともに立ち、歩けるようになる頃にはすっかりあたりは茜色に染まり始めていた

ざり、ざりと、疲れきった身体をひきずりながら「君」は歩き出す

「君」の両脇には深い林があり、その間を縫うように川が流れている

「……い」

「君」は声を振り絞る

「……おー……い。 おーい……!! 誰か……居ないか……っ!」

落とした視線の先に伸びる影は、一体誰なのだろう

本当の身体を失った「君」はあてもなく川沿いの道を歩く

すると少し遠くから、何かの物音が聞こえた気がした

>>112


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:34:05.29 ID:pUnZR4fXO

密猟者


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:34:43.86 ID:57qPxvG5O

チリンチリン


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 18:34:45.59 ID:ii/hAdM50

反射的に胸を隠す


116:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:39:23.54 ID:1N6xZWoM0

がさり

「……っ!!」

確かに感じる「生き物」の気配

それは「君」が以前の姿だった頃にもよく感じていたものだった

「君」の心臓は高鳴っている

こんな姿の自分を、仲間が見たら一体どう思うだろう

もしも、違う生き物が、例えば恐ろしい魔物だったら

こんなか細い身体で逃げる事は難しいだろう

がさり

その音はもう間近まで迫っている

どうしてそうしたのか、「君」は咄嗟に自らの胸を抱いた

それが鼓動を抑えるためか、それとも別の理由か「君」にはわからないが

がさ

そしてそれは、「君」の眼前に現れた


118:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:43:15.30 ID:1N6xZWoM0

「うわっ……!!」

現れたのは、「人間」だった

突然出くわした「君」の姿に面くらい、大きな口を開けている

その風貌から、どうやら森を探索していた冒険者の類であるとわかる

逃げなければ

本当の「君」が本能からそう警告していたにも関わらず、

「君」は胸を抑えたまま、力なくその場にへたり込んでしまう

極度の疲れと緊張から、「君」の細い足は限界にきてしまったのだ

「あ……だ、大丈夫か!!」

「人間」は倒れそうになる「君」にかけより、その肩を支える

「君」は「人間」に触れられた事などなかったから心底驚いたが、抵抗する力は残っていない


122:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:48:33.54 ID:1N6xZWoM0

「魔物にやられたのか……? と、とにかくこれを……」

「人間」は何処からか一枚の大きな布を取り出し、「君」に被せた

「あ……っ!」

「君」にとって「人」の肌というのは、恐いほどに過敏だ

始めて触れる布感覚に、「君」は身体を跳ねさせる

「冷え切ってるじゃないか……」

「君」の手にそっと触れた「人間」の手はとても暖かく、

「君」はそこで初めて、自分の身体がどうしようもないほどに震えている事に気がついた

「君……どうしてこんな所……いや、今はとにかく動いた方がいい。もうすぐ日が暮れてしまう」

「立てるか?」

「君」の顔を覗き込んだ「人間」は、とても逞しい顔つきで「君」の目をまっすぐに見る

何故か野生動物を思わせる彼から目を逸らし、「君」小さく頷いた


123:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 18:55:54.16 ID:1N6xZWoM0

「人間」に手を引かれ、何度も支えられながら、「君」小さな小屋に辿り着いた

「さぁ、早く入るんだ。すぐに火を焚くから」

木々が開けたその場所にあった小屋は木製で、冒険者が休憩に使うようなものらしい

「君」は「人間」の言われるままに小屋の中に入ると、倒れこむようにしてベッドの上へたりこんだ

緩いオレンジ色をしたランプの光が、「君」の頭上でゆらゆらと揺れている

「最後の発火具を持っていて助かった……。これでよし」

あっという間に暖炉の中に火が灯り、小屋の中に温かみが満ちていく

「さて……」

「人間」は重そうな荷物と、腰にぶらさげた火薬銃を机に下ろすと、「君」に向き直った

「どうして君はあんな所に? あの場所がどんな所か知っているのか?」

「…………」

「人間」の顔は「君」を心から心配しているようにも見えたし、また、深い怒りに満ちているように見えた


126:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 19:04:45.70 ID:1N6xZWoM0

彼は「君」が何かを言おうとするのを、じっと「君」を見つめたままで待っている

「私……」

「君」は壁を背に膝を抱えて座り直し、小さく口を開く

「言葉」を発する事に、不思議ともう違和感は覚えていなかった

「なにも……」

「……覚えていないのか?」

「…………」

「君」は記憶の糸を辿ってみても、自分が本当はこんな姿では無い事しか覚えていなかった

気がつけば「君」は川の中に沈んでいて、彼に助けられた

それだけしか、今の「君」にわかる事はない

「記憶喪失か、失踪者か……。尋ね人の依頼は目を通すようにしてるが、君のような子は知らないな……」

ぼりぼりと乱暴に頭をかきながら、彼は暫く悩んだ後、ふっと顔を上げる

「あぁ、そうだ。俺はウォードだ。この森の警備員をやってる」

「君の事を教えてくれないか? 無理にとは言わない、わかる範囲でいい」

>>131


128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 19:06:31.70 ID:HHTLdFKO0

パンダの居る地域なのに西洋風なのか!?


133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 19:09:17.28 ID:pUnZR4fXO

>>128
ゴクドーくん漫遊記みたいな感じなんだよきっと


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 19:08:18.82 ID:TNAcFnlrO

メズビュートが恋しいです

安価なら魔法が使える


132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 19:08:29.59 ID:kQdDpa1t0

自分の身の変化について語る


131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 19:08:24.99 ID:lZpurgwr0

「仲間のパンダを知りませんか?」と尋ねる


162:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 22:36:38.09 ID:1N6xZWoM0

暖かく包み込む火の様な瞳に見据えられ、「君」は口を開く

「……仲間の」

「……? 仲間?」

「……仲間の、パンダを……知りませんか」

「パンダ……?」

あっけにとられたのか、はたまた冗談だと思ったのか

さっきまで引き締めていた彼の表情がふっと緩む

「ええと、パンダというと東から来た動物だな。一度だけ見た事があるが……それは、君のペットという事か?」

「違う……っ!!」

「君」は思わず声を荒げた

何よりも大切な「同胞」をペット呼ばわりされた事が、許せなかったのだ

「そ、そうか……」

彼は「君」の豹変ぶりに驚き、また表情が少し引き締まる


165:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:03:30.11 ID:1N6xZWoM0

「要するに、君は何かの理由でパンダを探して、あの森の中をうろついていた、と」

「それも……一糸纏わぬ姿で」

「…………」

「君」は小さく頷く

すうすうと足の間から流れてくる空気がくすぐったく思える

今までの「君」ならば、こんなにも直接的に空気を感じる事はなかったから、落ち着かない

それに「君」は、変わり果ててしまった姿を見られるのがこの上なく恥ずかしく思えてきてしまった

厚手の布をしっかりと身体に巻きつける

「寒いのか? ちょっと待ってくれよ、確か何か着るものが……」

震える「君」を見て、彼は大きな荷物を、背を丸くしてごそごそと漁り始める

その様子を見ながら「君」は、まるで彼は「熊」のようだと思っていた

「あったあった……! このチュニックなら、サイズは問題ないと思う。デザインは簡素だが、この際だ、許してくれ」

満面の笑みを浮かべて、彼は優しい色合いの衣服を「君」の方へと差し出した


170:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:17:01.03 ID:1N6xZWoM0

「あり……がとう」

彼の手からその衣服を受け取った「君」は、俯きながら呟く

「なに、ずっとそのままの格好でいられても困るからな」

「…………」

「どうした? 着ないのか?」

彼は不思議そうな目で「君」を見ている

「君」は手にもった布が「服」という名の、

彼が身につけている物と同じ物だという事はわかるのだが、

そんなものを着た経験などあるはずがない

「君」はチュニックを見つめたままで固まってしまう

>>174


175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:19:55.11 ID:ii/hAdM50

恥ずかしいけど着ない


174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:19:54.17 ID:QNQVEFTp0

リセット


176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:21:05.84 ID:kQdDpa1t0

・・・どうなるんだ


177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:25:45.63 ID:rQB5eB+k0

ここでリセットか


178:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:29:30.42 ID:1N6xZWoM0

――――――

おや、どうやら「君」は新しい「君」に出会いたくなったようだ

よろしい、それも一つの選択だ

ではこの放浪記は一旦ここでおしまいとしよう

さぁ、次の「君」はどんな「君」になるのだろうか

まずは性別を決めてくれ

「君」は男でもいいし、女でもいい

性別不明というのも面白いかもしれない

>>183


179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:29:52.44 ID:kQdDpa1t0

リセットキター


180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:30:57.11 ID:FfaaaRZLP




181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:31:13.57 ID:FfaaaRZLP




182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:31:28.78 ID:FfaaaRZLP




184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:31:35.53 ID:iWcrATfY0




185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:31:40.98 ID:kQdDpa1t0




183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:31:30.46 ID:QNQVEFTp0

女の子


186:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:34:00.22 ID:1N6xZWoM0

よろしい、「君」は若い女性だ

それでは次の特徴を決めてくれ

「君」の放浪はここから既に始まっている

ゆっくり考えて決めるといい

>>193


188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:36:36.37 ID:FfaaaRZLP

お嬢様


192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:39:31.60 ID:TNAcFnlrO

ボーイッシュロリ


194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:39:32.68 ID:kQdDpa1t0

長髪長身の美人だがバカ


195:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:39:32.73 ID:FfaaaRZLP

貴族のお嬢様


193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:39:32.39 ID:QNQVEFTp0

年齢: 10歳
身長: 130cm
体重: 35kg
髪の色: 若干くすんだブロンド
髪型: ポニーテール
性格: やさしく温和 だがやると決めたら必ずやる 意志が強い


197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:41:03.42 ID:kQdDpa1t0

>>193 の気合


199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:43:13.80 ID:TNAcFnlrO

>>193
お前メズビュートのときも安価取っただろ


198:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:43:11.37 ID:1N6xZWoM0

なるほど、「君」は落ち着いた黄金色の髪をもつ、10歳の小柄な少女で、

幼いながらに強い心をもっているようだ

では、もう一つ特徴を聞いておこう

>>203


201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:45:18.73 ID:eRfruv9+0

こそ泥


202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:45:21.84 ID:FfaaaRZLP

百合好き


203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:45:22.67 ID:QNQVEFTp0

貴族出身だが両親が謎の失踪をとげた後、家は没落。
悲しみにくれるも、自らの力で生き抜いていく決意をした彼女は
その頃、王国が力を入れていた魔術研究に希望を見出し、
魔法学校の門戸を叩く。


205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:45:41.26 ID:kQdDpa1t0

なんかすごい執念が


206:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:48:06.05 ID:1N6xZWoM0

よし、「君」は落ち着いた黄金色の髪をもつ、10歳の小柄な少女で、

辛い過去を持ちながらも、現実に向かっていく強い心を持っている

「君」がこれから何処に行くかまでは特徴に入れられないから、そこは注意してくれ

よし、それでは素晴らしき放浪の旅を始めよう

「君」はまだ、何も無い空間に居る

目の前は真っ暗でもあり、真っ白でもある

「君」は眠っているのだ

そしてゆっくりとその小さな瞼を動かし、「君」は目を覚まそうとしている

君が目を覚ました場所、それは一体何処か教えてくれ

それは緑が多い茂る大平原でも良いし、霧の立ち込める森の中でもいい

はたまた魔物が歩き回るダンジョンでも良いし、街の片隅や暖かいベッドでもいいだろう

>>211


212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:53:07.40 ID:kQdDpa1t0

酒場の酒ダルの中


213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:53:07.40 ID:ii/hAdM50

牢屋


211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/13(水) 23:53:07.15 ID:Nyl6j8UI0

どこかに向かう馬車の中


215:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/13(水) 23:59:52.29 ID:1N6xZWoM0

がらがら、がたん

「君」は揺られながら、眠っている

蹄の奏でる規則的な音の中で

「……さい」

「……きてください」

誰かが「君」の肩を優しく叩く

「ん、ぅう……ん」

そこで「君」の眠りはゆっくりと覚めた

「ふぁあ……あ」

「君」はぐうっと背を伸ばして、ふうっと息を吐く

「私はどれくらい眠っていたの? クリス」

「君」の目の前には、「君」の身の回りの世話を長年努めてくれていた女性が座っていた

「ほんの一時間ほど。お嬢様、もうすぐ”セルディナ”に到着します……」


216:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:06:14.28 ID:n3lm7rpw0

彼女はクリスという名で、目を細めて微笑む仕草が美しい「君」の家のメイドだ

「君」は彼女に正確な歳を聞いた事がないのでわからないが、見た目には恐らくは20代といったところだろう

「……お嬢様、本当にお心は変わりませんか」

窓の外を眺める「君」を見て、彼女は小さな声で呟く

「……ありがとう、クリス。でも、もう決めたの」

「そう……ですか」

「君」の決意の眼差しを見て、彼女はそれ以上何も言わなかった

蹄の音だけが鳴り響く馬車は、それから暫くして止まった

「つきましたよ」

そう言いながらドアを開けた運転手に一礼をして、「君」は馬車を降りる

「ここが……セルディナ……」

「君」を乗せた馬車は、王国で唯一にして最大の魔法学校、『セルディナ魔法学園』の前に停まっていた


218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 00:15:34.03 ID:VptGRizo0

前回のシナリオ見たがメズが学園に着いたとこで終わっちゃったのか
もうちょい続けてほしかったなぁ


219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 00:16:08.93 ID:N3zrj7N1O

>>218
安価次第では合流出来そうじゃね?


220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 00:16:58.99 ID:VptGRizo0

あ、リセットで前回の続きを選ぶこともできるのか
なるほどね


222:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:20:18.81 ID:n3lm7rpw0

「君」の生家はこの王国でも有数の資産家で、

両親は共に貿易商を営み、一代で莫大な資産を築き上げた

大金を得ても両親は共に働く事を生き甲斐とするような、良き両親だった

だが、ある日を境に「君」の人生は変わってしまった

「不思議な品物の情報があってね。きっと、仕入れてくる」

そういい残し、「君」の両親はそれ以来帰ってこなかった

だが「君」は泣かなかった

「君」は絶望を知らなかったからだ

10歳になったと同時に、「君」はセルディナに通う事を決心した

「パパとママは、私が必ず探し出す」

胸に光るロザリオにそう誓って


224:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:26:58.92 ID:n3lm7rpw0

学園の前で自らの決心を思い返す「君」を、クリスは言い知れぬ目で見ている

「お嬢様……、クリスは……」

「そんな顔しないでよ、”お姉ちゃん”」

「お、お嬢様……っ!」

クリスは驚いた

「君」が彼女の事を「お姉ちゃん」と呼んだからだ

「そ、そんな呼び方は……っ!」

「えへへ……、昔を思い出して、久しぶりにそう呼びたくなったの。いいでしょ!」

「……お嬢様……」

「君」は少し俯いた後、「姉」の胸に飛び込んだ

「私……頑張るからね、お姉ちゃん」

「……はい。辛くなったら、いつでも戻ってきてください」

優しく「君」の髪を撫でる彼女の瞳から、一つ、二つ、光る粒が落ちたのを

「君」は気付かないフリをして、振り返った


227:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:31:51.82 ID:n3lm7rpw0

「じゃあ……行ってくるね!!」

「君」は小さく纏められた荷物を片手に、手を振る

「どうか……どうかお嬢様に女神の加護を!」

「姉」の笑顔を瞳に焼き付けた「君」は、再び学園へと向き直る

そして、一歩ずつ、新たな人生へと踏み出していく

ただの一度も、振り返らずに

学園は一度入ると卒業するまで自由に外出出来ない規則がある

その上、「君」の生家は学園から遥か遠く、飛行具を使っても何日もかかる場所にあった

帰る時は、卒業する時

「君」はそれをもう一度自分に言い聞かせて、重々しい門をくぐった


230:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:36:51.56 ID:n3lm7rpw0

「ええと、学園長室……学園長室は……」

「君」は早速道に迷っていた

セルディナ魔法学園の敷地はあまりにも広大だ

生徒達は日常、地図を片手に歩くのが基本となっているほどで、

その複雑な構造で当ても無しに歩けばすぐに迷ってしまう

「……はぁ」

「君」は装飾豊かな廊下の途中、吹き抜けの真ん中にある小さな噴水に腰掛ける

例え小さな荷物とて、長く歩いた「君」の手は汗ばんでいる

「早速迷っちゃった……どうしようかしら」

>>235


233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 00:40:02.09 ID:N3zrj7N1O

適当な店に入り、場所を聞く


235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 00:42:41.13 ID:EjcTXe1G0

歌って踊りながら道案内をしてくれそうな人を探す


236:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:48:26.13 ID:n3lm7rpw0

「……うん、ここで悩んでいても仕方ない!」

「君」は悩む事が好きではなかった

明るく暮らす事が両親の教えでもあったし、それは「君」生来の気質でもあった

「君」は「いつもの様に」足を軽やかに動かす

「ワン、ツー……! ここで、ステップ!」

カンカン、と「君」の靴底が奏でる音はメロディーになり、廊下の隅々に響き渡っていく

映える緑に誘われて 小鳥が一匹 ウサギが二匹

私の声に 共に歌えと躍り出る

メロディーに合わせて、君は喉を震わせて大好きな歌を歌う

すると

「……っせぇな」

「……っ!!!!」

何処からともなく聞こえてきた低い声に、君の歌声は止まってしまった


238:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 00:57:29.68 ID:n3lm7rpw0

「だ、誰ですか……!?」

「君」は軽やかな歩みを止めて、辺りをきょろきょろと見渡す

しかしあるのは乳白色の石で出来た柱と、等間隔に備えられた美しいランプ、絵

それ以外何も見つけられない

「ど、何処に……」

「ここだ、ここ」

「君」は声のする方に視線を向ける

陽射しの差し込む廊下の外、広がる青空の中空に「君」は不思議な物をみつけた

「……絨毯が……喋ってる?」

「君」の目に飛び込んできたのは、ふわふわと漂う絨毯だった

自らの理解を超えた光景に呆気にとられていると、

東方風の装飾が施された一枚の絨毯は、ゆっくりとこちらに向かって下りてくる


240:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 01:06:06.09 ID:n3lm7rpw0

「あ……!」

「君」の視線と同じ位置に絨毯が下りてきた時、「君」はやっと声の主を見つける事が出来た

「ったく、どんな奴が人の昼寝を邪魔しやがったかと思ったら、ガキじゃねえか」

空中を揺れる絨毯の上には、黒髪の青年があぐらをかいて座っていた

青年は大きくひとつあくびをすると、まっすぐに「君」の瞳を見据えた

切れ長の目は鋭く、まるで野生の狼を連想させるほどに威圧感がある

火に透ける瞳の奥は鈍く赤に光っていた

「なんだぁ? 見ねえ服だな。 迷子か?」

浮かぶ絨毯の上に座ったままで、青年は「君」を上から下までじっくりと眺めている

「あ、あの、起こしてしまってごめんなさい……。私……学園長室を探してて……」

「学園長室? そんなとこに何の用が……。あ」

「お前もしかして、入学したいとかそういうクチか?」

細い目をかっと見開いて、青年は驚きに満ちた表情を浮かべる


242:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 01:18:52.39 ID:n3lm7rpw0

「はい。手続きはもう済ませました。でもさっき着いたばかりで……」

「なるほどな。ま、ここは無駄に広いから迷うのも当然か」

「その……貴方はここの生徒さんなのですか?」

「ま、一応な」

青年は興味が無さそうにまた大あくびをして首をこきこきと鳴らしている

横柄な態度に「君」はこの青年があまり素行がよく無い事を感じ取った

しかし、「君」にとっては渡りに船だ

「じゃあ!! 学園長室まで連れて行ってください!!」

「はぁ!? な、なんで俺が……!」

青年は「君」の叫びに思わず絨毯から身を落としそうになっている

「お願いします! このままじゃ私、一生辿り着けないもの!」

「わりいがごめんだね。自分の行くトコくらい自分でみつけな」

青年は絨毯に座りなおすと、ふわふわと再び浮かび始めた

このまま飛び去ってしまうつもりらしい

>>247


248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 01:26:02.91 ID:1PyK2ehC0

飛びついて止める


247:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 01:25:55.26 ID:OHh/+UCS0

自力で探す


249:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 01:32:23.43 ID:n3lm7rpw0

「そ、そんな……!」

「じゃ、な。おつかれさーん」

「あ……!!」

「君」の頼みに聞く耳持たず、青年はまたゆっくりと青い空に向かって浮かび始めた

「~~っ!!」

「君」はあまりに素っ気無い態度に腹が立つ

少なくとも、今まで人に邪険な態度をとられた事などなかったからだ

「もういいです! 自分で探しますから!!」

歌の何倍も大きな声で喚いてから、「君」は荷物を手に取った

あんな青年に頼んだ自分が馬鹿だったと、胸の内で恨み言を言いながら

「はぁ、腕が痛い……」

「………………」

「えっと、さっきはこっちから来たから……あれ? こっちからだったかな? えっと、えっと……」

「……あぁあーーもう!! めんどくせぇガキだな!!!!!」


251:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 01:42:17.41 ID:n3lm7rpw0

「わぁ……! すごい!すごい!!!」

「おい、はしゃぐな!! バランスがとれねーだろうが!!」

「君」は今、空を飛んでいる

風を身体で感じ、屋根よりも高い場所から、セルディナ魔法学園を見下ろしている

「君」はあの青年の絨毯に乗せてもらったのだ

「私飛行具に乗るのなんてはじめてで……! 魔法ってすごい……!!」

「あぁあぁわかったわかった! 初体験でしにたかねーだろ! ちゃんと座ってろ!」

「あはははは!!」

「ったく……! これだからガキは嫌いなんだ!!」

短い空の旅を終えた「君」は、広い庭園の中に着地した

「わぁ! 素敵な庭……」

「はぁ……疲れた。いいか、あそこだ! あそこのドアをくぐって右に曲がれば学園長室だ」

青年は庭園に見惚れる「君」の顔の前で大袈裟にドアを指差している

馴れない飛行に疲れたのか、さっきよりも余裕が無い表情に、「君」はまた可笑しくて笑ってしまう


254:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 02:34:14.75 ID:n3lm7rpw0

「さっさと行け! もうすぐ生徒が出てくるから、お前みたいなチビ埋もれちまうぞ」

「はい! ありがとうございました!」

「君」が元気よく頭を下げると、青年は少しだけ照れくさそうにそっぽを向いた

案外悪い人ではないのかもしれない

人を疑う事を知らぬ「君」は、既にこの青年に親近感を抱いていた

「じゃあな。せいぜい頑張れよ、ちっこいの」

浮かび上がり、「君」前から去ろうとする青年に「君」は声をかける

「あ! 名前……!」

だが彼はまるで聞こえていないように絨毯をふわりと浮かせ続ける

「あ、あの……!」

「……”ロウ”だ。ほんと、うるさい奴だな」

自分の名を呟くと、彼はほんの少しだけ微笑んで飛び去っていった

そして彼が残した風を背に受けて、「君」は再び荷物を抱えなおし、運命を変える大きな扉へと、踏み出していく


257:GM ◆FPJ9P.6QFg :2011/04/14(木) 02:55:07.86 ID:n3lm7rpw0

――――――

すまないね

今回の放浪はここで一旦お休みとしよう

この放浪期の名と、語り部の名さえ覚えていてくれれば

「君」が望めばきっとまた、出会う事が出来るはずだ

それではまた何処かで会おう

多くの「君」達よ


258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 02:57:02.25 ID:sDRbEyJ5O




259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 02:59:21.83 ID:JKiQLiE60




260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/14(木) 03:20:07.26 ID:HzIZUAyf0




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