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幽霊「お化けだぞー」男「……」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:20:12.51 ID:NEeYd/780
幽「……おい」

男「……」

幽「ねえ……」

男「……」

幽「あの……お化け……」

男「なに?」

幽「あ!あのね!!お化けだぞー!!」

男「そう……」

幽「うん……え?それだけ?」




4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:25:39.14 ID:NEeYd/780
幽「まったく、つまらんな」

男「流石に慣れたよ」

幽「もう二年だもんねー」

男「だなー」

幽「ねー……って、違うよ!!いくらなんでも慣れすぎだよ!!」

男「いや、毎回「お化けだぞー」ってくるだけだし」

幽「それでも!それでももっと驚いてよ!!」

男「いや、無理だろ」

幽「むう……」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:30:54.04 ID:NEeYd/780
男「もう少しバリエーションをだな……」

幽「だって私死んでるから最近のとか知らないし」

男「テレビとかでもやってるだろ、鏡から出てくるとか、井戸から出てくるとか」

幽「あんなの私にはできないもん!」

男「そうなのか?」

幽「だって私、浮いてるだけでただの女の子だし、文字通り浮遊霊だし」

男「なんだ、そうだったのか、つまらんな」

幽「つまらんって言うな!!」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:36:09.04 ID:NEeYd/780
男「とにかく、もう少し工夫しろ、出来る範囲でいいから」

幽「なんだよ、まったく……」

男「ちなみに、お前は何ができるんだ?」

幽「んー、モノマネとかなら、少しは……」

男「お、面白そうだな、やってみろ」

幽「よし、見てろよー」ボワン

男「……?」

幽「……」

男「いや、あの、コップに化けるってのは、モノマネとは違うだろ」

幽「え!そうなの!?え?じゃあ何?モノマネってなんなの?」

男「もっとこう、有名人の真似とか、死んだばあちゃんの真似とか……」

幽「だから、そんなの知らないってば!!」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:44:38.29 ID:NEeYd/780
男「まったく、使えん奴だな」

幽「使えんって言うな!!」

男「まあ、なんだ、出来ないなら無理すんな」

幽「かわいそうな目でみるなー!!」

男「それにしても、お前は何時になったら成仏するんだ?」

幽「私に聞かれてもわかんないよ、心残りとか良く解らないし……」

男「何かあるだろ、プリンを食べ損ねたとか、プールに行きたかったとか」

幽「そんな事で幽霊になんかならないもん」

男「でもこの前、俺がプリンを食べてたら欲しがったじゃないか、お供え物にしろーとか言って」

幽「あれは、別に……本気じゃないもん……」

男「そうだったのか、じゃあ駅前のプリンは要らないな、お供え物にしようと思ってたのに」

幽「なに!それは要るぞ!!食べたら死ぬからな!!私死んじゃうからな!!」

男「……」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:49:49.27 ID:NEeYd/780
男「なんとかお前を成仏させてやれないものかな……」

幽「……」

男「なにかあるはずだろ、幽霊になった原因が」

幽「……」

男「思い出の場所に行きたかったとか、両親が心配でとか、よく言うだろ?」

幽「……?」

男「何か手がかりでもあれば良いんだけど……何か……」

幽「ぷはあ、で、何をさっきからぶつぶつ言ってるの?」

男「なっ!お前聞いてなかったのかよ!人がせっかく考えてたのに」

幽「ん?まあ、元気だしなよ、あ、プリンおいしかったよ」

男「お前な……」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 22:56:24.82 ID:NEeYd/780
男「お前、何か覚えてる事とか無いのか?」

幽「んー特に無いんだよねー、気付いたら幽霊だったし」

男「俺がこの部屋に来る前とかはどうしてたんだよ?」

幽「君が来る前かー、今とあんま変わらないかなー」

男「ずっと「お化けだぞー」ってやってたのか?」

幽「うん、大抵の人はそれで居なくなったし。君くらいだよ、初対面で無視したの」

男「いや、だっておまえ怖くないし」

幽「なにおー!」

男「お前元気すぎるんだよ、顔色も良いし。浮いてなければただの女の子じゃんか」

幽「やだもー、女の子だなんてー、このこのお」

男「喜ぶなよ幽霊のくせに……」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:03:35.89 ID:NEeYd/780
男「なんでこんなのが幽霊やってんのかねぇ」

幽「そうでさぁねぇ」

男「いっそのこと幽霊やめちゃえば?」

幽「やめて何するの?」

男「んー、神様になるとか?」

幽「なるほど!それで信者からお供え物を巻き上げるってわけか」

男「いや、今の発言は無しだ、お前は神様になれそうもない」

幽「何を言うか!こんな可愛い神様が居れば信者なんて腐るほど集まるわ!!」

男「自分で言うなよ、そもそもお前は浮く以外には何も出来ないじゃんか」

幽「あ、そうだった、神様の奇跡とかできないや、どうしよう」

男「諦めて幽霊やってろって事だな」


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:09:52.58 ID:NEeYd/780
幽「あ!解った!ホラー映画の主役なんてどうかな?」

男「幽霊だからぴったりだとでも?」

幽「先にオチを言うなよー」

男「ボケにもなってないぞ、そもそもお前はカメラに映らないだろ」

幽「あ、そっか、じゃあ駄目だ、私も貞子になりたかったなー」

男「お前じゃせいぜい通行人Bだな」

幽「本物が映ったーとかいって大ヒット間違いなしだね!」

男「ドヤ顔でなに寝言を……」

幽「あ、私カメラに映らないんだった……」

男「駄目だな」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:13:25.09 ID:NEeYd/780
幽「もうしょうがないから成仏するまでアンタを驚かすことにするよ」

男「しょうがなくやるくらいなら出て行ってくれて構わんぞ」

幽「なにをー!私の方が先にここに居るんだから出て行くのはお前の方だー!!」

男「家賃を払ってるのは俺なんだから出て行くのはお前だろ」

幽「そんな人間の理屈、幽霊の私にはきかんわー!」

男「俺が出て行ったら寂しいくせに」

幽「むぅ……」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:20:00.78 ID:NEeYd/780
幽「と、とにかくだな、お前は私の暇つぶし相手なんだから、最後まで付き合ってもらうぞ」

男「最後ねー、どうやったら成仏できるのかねー」

幽「お前が死んだら成仏できるかもな」

男「そんな理由で死にたくないけどな、そもそもお前との接点なんて無いし」

幽「なんだよー二年の付き合いだってのに冷たいじゃんかー」

男「今更だろ……」

幽「むぅ、じゃあじゃあ、私が成仏したら寂しくないのかよー」

男「……どうだろうなー、試しに成仏してみろよ」

幽「よしきた!って、成仏できるならしてるってのー!」

男・幽「HAHAHAHAHAHA」

男「寝るか……」

幽「うん……」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:25:31.54 ID:NEeYd/780
幽「ほら……朝だぞー、早く起きろー」

男「ん……」

幽「早く起きないとー……ちゃうぞー」

男「……?」

幽「ほらー……早く起きろー、か・な・し・ば・り、かけちゃうぞー」

男「うわ!やめろ!!」ガバ

幽「はっはっはー、どうだ、驚いたか!」

男「いや、うん、驚くとは違うかな……」

幽「なんだよまったく、可愛い幽霊が起こしてあげたんだからもっと喜べー」

男「なんで幼馴染ポジションに着こうとしてるんだよ」

幽「えへへー、昨日の深夜にやってたから真似してみた」

男「わけがわからん……」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:29:14.04 ID:NEeYd/780
幽「今日はバイトでしょ?」

男「ああ」

幽「暇だから私も憑いて行っていいかな?」

男「いや来るなよ、迷惑だし」

幽「なんだよケチー」

男「お前はおとなしく成仏の方法でも考えてろ」

幽「はーい」

男「まったく……」

幽「浮気すんなよー」

男「なっ!」

幽「他の幽霊に、浮気すんなよー」

男「なんだそれ……。しねーよ」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:33:19.50 ID:NEeYd/780
幽「まだかなー」

男「ただいまー」

幽「お!帰ってきたな!」

男「遠慮しないであがってー」

女「はーい」

幽「誰だその女??」

男「じゃあすぐ作っちゃうから少し待ってて」

女「あ、私も手伝いますー」

幽「おい、誰だこの女は」

男「じゃあ人参の皮剥いてくれるかな」

女「はーい」

幽「おい……おいってば……」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:35:44.91 ID:sqHlzUby0
これは…


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:36:27.11 ID:NEeYd/780
男「やっぱり二人だと早いなー」

女「先輩ってお料理上手なんですねー」

幽「……」

男「一人暮らしだと自然とねー、君も上手じゃないかー」

女「そんなことないですよー」

幽「なんだよもう、デレデレしやがって」

男「よし、じゃあ食べようか」

女「はーい」

幽「おい、私の分は・おい、無視すんな、おい……ねえ……」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:40:44.06 ID:NEeYd/780
男「さて、じゃあ始めるか」

女「はい!」

幽「くすん……」

男「この部分はこうして、この場所ではこうな」

女「なるほど、この売り場はこうなんですね」

男「そうそう、それで、ここではこうな」

女「なるほどー、やっぱり先輩に聞いてよかったですー」

男「あ、もうこんな時間だ、そろそろ……」

女「あ、そうですねー、今日はありがとうございました」

男「じゃあ送って行くね」

幽「なんだよ、まったく……」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:47:11.96 ID:NEeYd/780
男「ただいまー」

幽「で、あの女はなんなんだ?」

男「帰ってすぐにおれかよ……。バイト先の後輩だよ」

幽「随分仲が良いみたいだな」

男「そんなこともないだろ、解らない事があるって言うから教えてただけだ」

幽「晩御飯まで出してか?私を無視してか?」

男「いや、晩御飯はついでだよ、それに他の人が居る前でお前と話すのは変だろう」

幽「そんなこと知らん!!私はとっても嫌な気分になったんだ!!」

男「はあ、まあ、悪かったよ、お詫びにほれ、駅前のプリン、買ってきた」

幽「なっ、そんなもので私の機嫌がっ……!」

男「でも食べるんだな」

幽「残すのはもったいないしな、ま、まあちょっとは許してやるぞ」

男「はいはい」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:53:01.15 ID:NEeYd/780
男「で、なんでお前は俺に乗っかってるんだ?」

幽「なんだ、不満か?」

男「当たり前だ!!微妙に気だるくなるんだよ!!」

幽「幽霊に触られてるんだから当たり前だろう」

男「たく、なんなんだよ、プリンを食べ終わってからベタベタと」

幽「まあ涼しくていいでしょ」

男「ん、まあ、そうだけども。なんだかなあ」

幽「で、あの女とは先輩後輩という関係以外何もないんだな?」

男「無いよ。さっきから何度も言ってるだろ」

幽「そかそか」

男「なんだよニヤニヤして、気持ち悪いな」

幽「お前は私の暇つぶし相手だからな、あんなのに取られる訳にはいかないんだよ」

男「はいはい」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:55:41.21 ID:NEeYd/780
幽「そろそろIDが変わるな」

男「そうだなー」

幽「>>1もめんどくさくなってきてるみたいだぞ?」

男「まあ、やる気も無いしね」

幽「このまま終われば誰かが続けてくれるかな?」

男「なんとかなるんじゃね?」

幽「誰か私を成仏させてくれないかなー」

男「そうだなー」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:56:21.74 ID:BrJ3i1En0
おいおい、ROMってるだけで見てるんだからちゃんとつづけてくれよ


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/26(火) 23:59:20.99 ID:NEeYd/780
正直に言おう。ネタも無いまま始めてしまってもう限界なんだ


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:00:40.17 ID:OfsN3wNOO
続きはまだかおい


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:02:21.01 ID:L5nNahq1O
じゃあまたネタ考えたら書いてくれ


46: 忍法帖【Lv=19,xxxPT】 :2011/07/27(水) 00:03:39.49 ID:JvaTY7zg0
それまで保守


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:04:08.24 ID:Mi2IBHad0
んだよ、誰も書かないのかよ


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:06:11.31 ID:Mi2IBHad0
幽「結局誰も書かないみたいだね」

男「まあ、こんな幽霊の話なんて書きたくないだろ」

幽「なにおー!」

男「まあまあ、適当にグダグダ続けてればいいさ」

幽「そうだね、オチなんて適当でいいもんね」

男「じゃあ再会するかね」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:10:31.42 ID:Mi2IBHad0
幽「そろそろ2ちゃん見るのも飽きてきたね」

男「寝るか?」

幽「うん」

男「そういえば、今まで聞いてなかったっけど、お前って寝るのか?」

幽「え?普通に寝るけど、どうして?」

男「いや、幽霊の活動時間って夜だとばかり思ってたから……」

幽「やだなー、そんな漫画じゃあるまいしー」

男「お前が言うか……」

幽「ちゃんと夜に寝ないとお肌が荒れちゃうんだよ」

男「もうお前、幽霊やめろよ」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:14:04.41 ID:Mi2IBHad0
幽「今日はお休みでしょ?」

男「そうだけど」

幽「じゃあ外に行こう」

男「は?」

幽「こんな狭い部屋に引きこもって過ごすなんてもったいないよ」

男「まあ、良いけど……どこ行くの?」

幽「そうだなー、じゃあ、私の記憶を取り戻す旅に行こう!」

男「ああ、散歩ね、おkおk」

幽「散歩って言うなー!」

男「いやいつもそう言って散歩になるじゃんか」

幽「そうだけど、今日は本気なの!」

男「はいはい」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:19:09.23 ID:Mi2IBHad0
男「じゃあ、川沿いから行くか」

幽「うん!」

男「やけに楽しそうだな」

幽「そんな事ないですよー」

男「そっか、まあいいけどさ」

幽「あ、犬がいるよ!犬ーおーい、雑種ー!!」

男「おい!また吠えられるぞ!!」

犬「ワンワン!!」

幽「ひぃ!!」

男「たく動物には好かれないんだから」

幽「うぅ、私は動物大好きなのに……、こんな現実ってないよ……」

男「早く来世が来るといいな」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:24:23.32 ID:Mi2IBHad0
男「生きてた頃の記憶って殆ど無いんだよな」

幽「うん、この辺に見覚えがあるくらいかな」

男「そうか、じゃあ、なんであの部屋に居るんだ?」

幽「始めは誰も居なかったから、ちょうど良いかなって」

男「迷惑な話だな」

幽「えへへー」

男「いや、照れるところじゃないぞ」

幽「あ!!あそこの屋台!!」

男「なんだ?記憶にあるのか?」

幽「アイスクリーム売ってるよ!!食べよう!買え!!」

男「……お前、殴っていいか?」

幽「優しくしてね……」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:27:54.75 ID:Mi2IBHad0
男「ほら、バニラ」

幽「やたー!やっぱり暑い日はアイスだねー」

男「そうだなー、暑い中で食べるとまた一段となー」

幽「寒い日に暖房のきいた部屋で食べるのも良いよねー」

男「北海道ではそれがデフォだからなー」

幽「そうなんだー」

男「夏場は氷菓子が系が売れて、冬場はクリーム系が売れるらしいぞー」

幽「雪国のくせに意味わかんないねー」

男「だなー」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:32:37.41 ID:Mi2IBHad0
男「すっかりノンビリしてしまった……」

幽「まあまあ、休みなんだしいいじゃない」

男「お前、記憶を探すって目的忘れてないだろうな」

幽「やだなー、こう見えても私って記憶力良いんだよー」

男「お前が言うな」

幽「この前アンタが寝言で「愛してるー」って言ってた事も覚えてるんだから」

男「捏造するな!!」

幽「むっふっふっふ」

男「え、言ってない……よな?」

幽「どうでしょうねー」

男「ちょ!言ってないよな!?な!?」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:38:48.81 ID:Mi2IBHad0
男「さて、適当に歩き回っていたら夕方なわけだが」

幽「そうだねー」

男「お前、何か思い出したか?」

幽「なーんにも」

男「お前なー」

幽「始めから無いのかも知れないねー」

男「え?」

幽「ほら、私って幽霊になる前の事なーんにも覚えてないでしょ?」

男「うん」

幽「この辺を覚えてるのだって、幽霊としてフワフワしてたからかも知れないし」

男「……」

幽「私が生きていた頃なんて、無かったのかもなーなんて、思ってしまうわけですよ」

男「お前……」

幽「……帰ろっか。お腹も空いたしねー」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:46:19.36 ID:Mi2IBHad0
男「ほら、できたぞ」

幽「はーい、やった、ハンバーグだ!」

男「いただきます」

幽「いただきまーす」

男「……」モグモグ

幽「んーおいしー、やっぱりアンタは料理上手だねー」

男「……」

幽「んー、うまー」

男「お前さ……」

幽「ん?」

男「不安になんないのか?」

幽「何が?」

男「記憶のこと、無いかも知れないとか言ってたけど……」

幽「あーあれねー、なんとなくだよー。そんなに気にしなくていいよ」

幽「優しいね……」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:51:22.47 ID:Mi2IBHad0
幽「私ね、記憶が無くても良いと思うんだ」

男「……」

幽「もちろん、有るなら有った方がいいけどさ、でも今は、楽しいから」

男「でも」

幽「いーの!私は幽霊なんだから!勝手気ままに生きるのさー」

男「なんだそりゃ」

幽「試験もなんにも無ーい。だよ」

男「そっか」

幽「うん!」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:56:27.31 ID:Mi2IBHad0
男「でもな、俺は早くお前に成仏して欲しいんだ。だから、記憶探しはまたするぞ!」

幽「なにそれ、デートに誘うならもっと上手く言えー!」

男「ば、そんなんじゃねーよ!」

幽「やーい、ツンデレーツンデレー」

男「誰がお前みたいな幽霊なんかとデートするか!バーカバーカ!!」

幽「なにおー!!金縛るぞ貴様ー!!」

男「うせ、バーカ!お札もらってくるぞお札!!」

幽「そんなん効くの悪霊だけじゃボケー」

男「お前悪霊じゃんかよ!!」

幽「なにおー!可愛い女の子に対して悪霊だとー!!」

男・幽「ボケー!アホー!!」


77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 00:59:27.04 ID:Mi2IBHad0
男・幽「ハアハアハアハア」

幽「疲れた……」

男「なにやってんだろ俺……」

幽「もう、寝ようか……」

男「そうだな……」

幽「じゃあ、電気消すね」

男「おう、お休み」

幽「お休み」

男「……」

幽「……ありがとね」

男「…………いいよ」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:14:19.63 ID:Mi2IBHad0
男「ほらー、朝だぞー」

幽「うう、あと五年」

男「幽霊の感覚で寝るなー」

幽「もう、うっさいなー幽霊には学校なんてないんだぞー」

男「そのネタもういいから、早く起きろ、朝飯だぞ」

幽「今日はなーに?」

男「味噌汁白米それに目玉焼き」

幽「デザートはー」

男「んなもんねーよ!良いから早く起きろ!!」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:16:48.90 ID:Mi2IBHad0
幽「はあ、今日もバイトかー」

男「何か問題でも?」

幽「つまんないー!」バタバタ

男「しらん」

幽「私も連れてけー!」

男「断る」

幽「祟るぞ!連れてけー!!」

男「あーもーうるさいな!好きにしろ!!」

幽「やった!!」


83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:22:07.95 ID:Mi2IBHad0
幽「むふっふっふー」

男「おとなしくしてろよ」

幽「はーい」

男「……」

幽「わくわく」

男「おはようございまーす」

女「あ、先輩、おはようございます」

男「おー、今日もシフト入ってたんだ」

女「はい、先輩も入ってたんですねー」

男「そうなんだよー、お互い大変だねー」

幽「おい、またか、またなのか?」

女「この前はご馳走様でしたー」

幽「つまらん、この女と居ると特につまらん」

男「さって、じゃあ、はじめますか」

女「はーい」


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:27:38.15 ID:Mi2IBHad0
幽「むー憑いて来ても暇だったな……」

幽「ただのスーパーじゃないか、こんなの何も面白くないぞ」

男「そっち終わった?」

女「あ、はーい、もうすぐです」

幽「なにが「はーい」だ、まったく」

幽「ん?おお!!あれは試食コーナーじゃないか!!」

幽「ウィンナー!!」

幽「オレンジ!!」

幽「うっは!カニ雑炊wwww」

幽「いやースーパーもなかなか侮れないなー」

男「お前もう帰れよ」


86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:30:59.57 ID:Mi2IBHad0
幽「なんだ、もうバイトは良いの?」

男「いやまだだけど、お前がちょろちょろうるさかったから」

幽「ふーん、ところで、こんな所で話していていいのか?」

男「??」

幽「人目につくけど、たぶん変態っぽいぞ」

男「は!しまった!!」

男「イラッシャイマセー」

幽「誤魔化してるつもりかね」

女「……」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:34:28.83 ID:Mi2IBHad0
男「ふう、疲れた」

女「あの、先輩……」

男「おお、お疲れ」

女「お疲れ様です……。あの、先輩……」

男「ん?」

女「先輩って、もしかして……見えるんですか?」

男「は?」

女「あ、いや、なんでも……」

幽「おーい終わったのかー?」ダキ

男「うわ!」

女「ひ!!」

男・幽「へ?」


89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:38:52.77 ID:Mi2IBHad0
男「え、えっと……」

女「や、やっぱり、見えるんですね先輩!」

男「えっと、見えるというのは……」

女「幽霊ですよ!幽霊!!」

幽「?」

男「あの、えっと」

女「ほら、いまそこのロッカーの前に居る黒いの!」

男「黒いの?」

幽「私?」

女「先輩の家に行った時にも見えてたんです、先輩にも見えてるんでしょう?」

男「あの、えっとね、あれはその」

幽「黒いのとはなんだー!!」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:42:43.97 ID:Mi2IBHad0
女「あれって悪霊なんですか?」

男「えっと、とりあえず、落ち着こうか」

幽「悪霊だとー!ふざけるなー!!」

女「先輩にはどんな風に見えてるんですか?私もう心配で」

男「あの、えっと、君は幽霊が見えるのかな?」

女「はい!!先輩も見えますよね!!」

男「いや、えっと、気のせいじゃないかなあ」

女・幽「え?」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:47:27.39 ID:Mi2IBHad0
幽「気のせいとはなんだー!!」

女「気のせいって……え?」

男「いや、ほら、幽霊なんて居るはずないし、ちょっと疲れてるだけじゃないかな?」

女「そんな……信じて、くれないんですか?」

男「いや、だって、ねえ、黒いのなんて見えないし……」

幽「そうだ!私は黒くないぞーー!!ん??」

女「そ、そうですか……そうですよね、ははは、やだなー、疲れてるのかなー」

男「そうだよ!疲れてるだけだよきっと!!」

幽「くっそー!気のせいじゃないぞ!!憑いてやろうか!!くっそー」

女「すみませんでした、突拍子も無いこと言ってしまって」

男「いやいいよ、それじゃあ、お先」

女「はい、お疲れ様でした」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:51:36.68 ID:Mi2IBHad0
幽「……なんで嘘ついたの?」

男「……いや、なんとなく」

幽「そ」

男「うん……」

幽「私と一緒に居るの恥ずかしい?」

男「いや!そんなことないぞ!!」

幽「じゃあ、なんで?」

男「いや、なんていうか、お前が黒いのって言われるのが何となく嫌だったんだよ」

幽「なんだそりゃ、わけわかんないぞー」

男「いいんだよ!!」

幽「ふーん」ニヤニヤ

男「ほら、さっさと帰るぞ!!」

幽「はーい」


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:54:49.24 ID:Mi2IBHad0
男「ごはんできたぞー」

幽「……」

男「ん?どーした?」

幽「……これ」

男「ん?ああ、夏祭りか」

幽「明日だって」

男「そうだな」

幽「明日だよ」

男「そうだね」

幽「……行きたい」

男「は?」

幽「夏祭り!行きたいの!!」

男「え、ああ、良いけど」


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 01:57:45.51 ID:Mi2IBHad0
幽「本当か!?」

男「おお、どうした、そんなに行きたかったのか?」

幽「もちろんだ!」

男「そうか、まあ、明日はバイト無いし、うん」

幽「楽しみだなー」

男「あ、ああ、そうだな……」

幽「よし、さっさと食べて寝るぞ!!」

男「え、ああ、はいはい」

幽「はー夏祭り……!!」

男「……??」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:02:57.07 ID:Mi2IBHad0
幽「ほら、準備できたかー?」

男「ちょっとまて」

幽「早くしろ!!祭囃子がまってるぞ!!」

男「お前昨日からテンション高いな」

幽「当たり前だ!!夏祭りだぞ!!」

男「意味がわからん」

幽「女の子にとって夏祭りは最大のイベントなんだ!!」

男「まったく解らん、そもそもお前は女の子の前に幽霊だろ」

幽「細かいことは気にするな!!夏祭りだ!!」

男「はいはい」

幽「はー楽しみだなー!な!?」

男「な?って言われても……」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:06:19.44 ID:Mi2IBHad0
幽「ひょー!!夏祭りだー!!」

男「久しぶりにきたなぁ」

幽「祭囃子だぞー!!」

男「こら、そんなはしゃぐな」

幽「まあまあ」

男「お前は他の人に見えないんだから、おとなしくしてろ」

幽「はいはい」ワクワク

男「まったく」

幽「みろ!!金魚すくいだぞ!!」

男「やりたいのか?」

幽「いいのか!?」

男「ばれないように俺の影からな」

幽「やった!!」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:09:45.84 ID:Mi2IBHad0
幽「もう少し右だ」

男「ここか」

幽「そうそう、よし!!」

男「おお、うまいもんだな」

おやじ「??」

幽「いやーとれたとれた、満足満足」

男「リリースするぞ」

幽「うむ」

男「さて、何か食べるかな」

幽「焼きそばだ!!」

男「そうだな、ついでにお好み焼きも買おう」

幽「わたあめも忘れるな!!」

男「お前こそ、りんご飴を忘れているぞ」

幽「そうだったー!!」


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:12:54.91 ID:Mi2IBHad0
男「さて、ここじゃ人目につくし……」

幽「あっちの社の方で食べよう」

男「そうだな」

幽「やっぱり夏祭りは良いなぁー」

男「そんなに好きなのか?」

幽「うん!!なんだかこう魂が燃える感じ!!」

男「そっか」

幽「うん!!」

男「来年も、あるからな」

幽「そういえば、毎年やってるもんね」

男「ああ、だから、来年もまた来ような」

幽「うん!!」


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:16:43.08 ID:Mi2IBHad0
幽「流石にこっちは誰も居ないね」

男「少し疲れたしちょうど良いよ」

幽「さてさて、まずは焼きそばから……」

男「じゃあ俺はお好み焼きから」

幽「やっぱり夏祭りで食べる焼きそばは美味しいなー」

男「一口くれよ」

幽「しょうがないなー、はい、あーん」

男「いや自分で食べるし」

幽「だめだ、あーん」

男「……あーん」

幽「夏祭りだからな、大サービスだ」

男「まったく、恥ずかしいやつだな」


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:19:15.31 ID:Mi2IBHad0
幽「ふう、美味しかった」

男「だなー」

幽「ん?」

男「どうした?」

幽「いや、あれ、なんだろ」

男「ん?なんだアレ」

幽「なに?」

男「え?ちょ、どうしたよお前」

幽「なんか、呼んでる……」

男「は?ちょ、どこ行くんだよ!おい!!」

幽「行かなきゃ……呼んでる……」


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:23:45.67 ID:Mi2IBHad0
男「おい!なんも聞こえないぞ!!おい!!」

幽「……」

男「なんだってんだよ、まったく」

幽「……」

男「おい、待っ!!」

幽「ああ、そっか」

男「なんだ、これ……」

幽「えへへ、そっか、そうだよね」

男「なんだよこの光……おい!お前なにやって!!」

幽「うん、なんか、成仏できるみたいだよ……」

男「なに言って……!!」

幽「夏祭りだもんね、そりゃ、神様も来るよね……」


113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:30:17.03 ID:Mi2IBHad0
男「は?だからお前は何を……」

幽「あのね、私の心残り、無くなったみたい。神様が言ってる」

男「訳わかんねぇよ!!おい!!」

幽「ありがとね……」

男「……やめろよ、似合わねえよ、なに言ってんだよ……行くなよ」

幽「泣くなよ、やっと私が成仏するんだぞ。もっと祝えよ」

男「そう、だよな、成仏、できるんだもんな……」

幽「天国だってさ!!どんな所かなぁ……」

男「きっと、いい所だろうよ」

幽「駅前のプリンより美味しいものあるかな……」

男「それは、解んねえけど、いろいろあるだろ、天国なんだし……」

幽「そう、だよね、じゃあ、ちょっくら行ってくるね」

男「ああ……」


114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:34:58.43 ID:Mi2IBHad0
男「行っちまったな……わけわかんねぇままだったけど、成仏できたんだし、良いよな」

男「……まったく、りんご飴、忘れて行きやがって……まったく」

男「帰るか……」

男「これからはあの部屋に一人かー、まあ、うるさい奴も居なくなったし、家賃は安いし」

男「良いことばっかりだー!!」

男「くそ、泣いてねーぞ、くそ!!」


116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:39:50.94 ID:Mi2IBHad0
男「ただいま……」

男「あ、そうか、一人だった、癖になってるな、なんか疲れた……肩も重いし」

男「風呂入って寝るかなー」

幽「そだねー」

男「え?」

幽「ん?」

男「なんで、いるし……!!」

幽「いやー天国行ったけど帰ってきちゃった」

男「はぁ?」

幽「だってプリン無いんだもん。それどころか肉も無いんだよ?訳わかんないよね」

男「いやいや、ちょっとまて」

幽「あ、私お茶がいいな、あとおせんべいも」


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:43:24.52 ID:Mi2IBHad0
男「だから!!ちょっと待てよ!!意味解んないから!!」

幽「だから!食べ物が野菜ばっかで嫌だったの!!」

男「いやいや、こんな短時間で……はあ?」

幽「短時間って、地上の時間と天国の時間が一緒だとでも思ってんの?」

男「は?」

幽「もう三週間も野菜ばっかで、嫌になっちゃうよ、まったく、あ、りんご飴じゃんいただき」

男「……」

幽「あープリン食べたい駅前の……ね、買ってきて?」

男「いいから早く成仏しろ!!」


119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:47:52.94 ID:Mi2IBHad0
はい、もうネタも尽きたしめんどくさいので終わりです。
こんな感じのネタなら無限に書けるだろとか思って始めた俺を殴りたいです
IDが変わる時に心優しい誰かが書いてくれると思ってたのに誰も居ないし
じゃ、この辺で、

あ、続きとか書きたかったら誰か乗っ取ってもいいんじゃよ?


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:50:09.07 ID:xLOJ8qme0
いや、よかった乙
幽霊飼いたいわマジ


125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 02:58:18.56 ID:4pf92t6x0
追いついてなおニヤニヤが止まらない


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/27(水) 04:32:22.51 ID:xUoOfBexO
>>1のお陰で心が温かくなった
ありがとう





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