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人面犬「おいおい、そこのお姉さん。拾ってくれないか?」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 15:57:39.07 ID:9194njFn0
人面犬「損はさせないよ?拾ってくれよ」

女「ひ!!」

人面犬「餌は激安のドッグフードでも残飯でもいいからよぉ。拾ってくれよ。腹減ってんだ」

女「い、いや……」

人面犬「顔が人間なだけで体はブルドッグよ?問題ないっしょ?」

女「ひ……!!」

人面犬「なあ、飼ってくれや」

女「―――いやぁぁぁぁぁ!!!!!!」

人面犬「おい!!待て!!!」

人面犬「くそ!!なんで誰も拾ってくれねえんだよ!!」

人面犬「世知辛いぜ。ったくよぉ」




2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 15:59:31.96 ID:xS19JeBW0
普通拾いたくないだろww


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:01:15.35 ID:9194njFn0
翌日

人面犬「はぁ……」

猫「人面犬さん!あそぼーよ!」

犬「あにきー♪」

カラス「どうかなされたのですか?」

人面犬「おう。お前らか……」

猫「元気ないね?」

犬「あにき?」

人面犬「おれよぉ。野良に疲れたんだ」

カラス「なんと……あの一匹狼な人面犬様が……?!」

人面犬「俺ももう40歳よ?そろそろ腰を落ち着かせないとと思ってな」

犬「あにきぃ」

猫「飼い主を探しているの?」

人面犬「ああ、でも見つからねえ。やっぱり、この歳じゃあ厳しいみてえだな」


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:06:02.59 ID:9194njFn0
カラス「しかし、人面犬様の人格……いや、犬格ならすぐに拾い手が見つかりそうなものですが」

猫「そうだよね。人面犬さんってすっごくかっこいいもん……///」

犬「うんうん。僕が野犬に襲われてるのを助けてくれたり、飼ってくれる人を必死に探してくれたりさ!」

カラス「はい。私も怪我をして他の仲間に食べられそうになっているところを助けていただきました」

猫「わ、わたしだって!危うくレイプされそうになったところを人面犬さんにた、たすけてもらったんだからぁ!」

人面犬「はは。お前らに好かれるのは嬉しいが、人間はそうもいかない。やっぱり、見た目が大事さ」

カラス「……そんなことは」

人面犬「やめろ。わかってるさ。ブルドッグの体を持ちながら人の顔を持つ俺が、人間に好かれることはないことぐらいな」

猫「人面犬さん……」

犬「あにき……」

人面犬「すまねえな。一人にしてくれ……今はな……」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:10:37.46 ID:9194njFn0
カラス「ふむ。人面犬様も苦労されているようですね」

犬「なんとかしてあげられないかな?」

猫「そうだね……」

カラス「人面犬様……」


人面犬「今日もゴミ箱漁るか」

野良犬「おいおい、なにやってんだ?」

人面犬「あ?」

野良犬「ここは俺の縄張りよ?どっかいけよ、ゴミが」

人面犬「そうか。そりゃ悪かったな」

野良犬「へ!屑が!」

人面犬「―――てめえを倒さないと、そりゃ申し訳ねえよな」

野良犬「あ?」

人面犬「礼儀知らずの糞餓鬼を公正させてやらないと世間様に悪いっていったんだよ」

野良犬「てめえ……!!」

人面犬「こいよ。野良犬。てめえは残飯の残りカスがお似合いだ」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:13:54.99 ID:9194njFn0
野良犬「―――キャンキャン!!」

人面犬「ちっ……俺も歳だな。あんな奴、昔なら眼光だけでどうにかなったのに」

人面犬「はぁ……こんな弱い俺なんか誰も拾って……」

少女「あの……」

人面犬「……あ?」

少女「わ!!顔がある!!!」

人面犬「なんだこら!?舐めてると噛みつくぞ?」

少女「えと……」

人面犬「どっかいけ。あんたみたいな純粋な少女が俺と関わってもいいことないぜ?」

少女「あの……猫さんのこと知ってる?」

人面犬「あ?」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:16:49.23 ID:9194njFn0
少女「私の飼い猫なんだけど……」

人面犬「知らんな。他を当たれ」

少女「う、うん……」

人面犬「……まちな」

少女「え?」

人面犬「なんで俺に声を掛けた?」

少女「えと。犬さんとか猫さんに声を掛けてたんだけど……まさか顔があってお話できるとは思わなかったよ、えへへ」

人面犬(ただのお花畑娘か)

少女「じゃ、じゃあね」

人面犬「車に気を付けろよ」

少女「うん。ありがとう!」

人面犬「……」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:19:55.30 ID:9194njFn0
翌日

人面犬「よお」

野良猫「あらぁ。ひさしぶりね。どうかしたの?」

人面犬「この猫、知らねえか?」

野良猫「あら?かわいいじゃない。惚れたの?」

人面犬「よせよ。こんなションベンくせえ子猫を好きになると思うか?」

野良猫「まあ、そうね」

人面犬「探してる」

野良猫「そう。ちょっと待ってね」

人面犬「……」

野良猫「……向こうの三毛猫がしってるわ」

人面犬「すまないな。……愛してるぜ?」

野良猫「ふふ、ありがと」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:25:04.64 ID:9194njFn0
三毛「ん?アンタが噂の人面犬?中々、イカすじゃない」

人面犬「そりゃどうも。お前も別嬪だな。三毛には婆しかいねえと思ってたが、どうやら俺の耳が腐っていたらしい」

三毛「ふふふ。面白いわね。で、何が聞きたいわけ?」

人面犬「この猫、知ってんだろ?どこにいる?」

三毛「ああ。最近、この街にやってきた子じゃない」

人面犬「どこにいるんだ?」

三毛「三丁目の空き地で一人で遊んでいるのをよく見たわ。でも、そういえばここ三日ぐらいはみてないわ」

人面犬「……そうか」

三毛「あの空き地には昔から変な猫とか犬がいるからねえ。もしかしたら……」

人面犬「分かった。それだけきけりゃあ十分だ」

三毛「……お代、くれないの?」

人面犬「……お前が美しくしすぎて、何を渡しても文句を言われそうだからやめとく」

三毛「ふん。甲斐性なし」

人面犬「すまんな」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:30:19.72 ID:9194njFn0
三丁目の空き地

人面犬「ここか……一見、変わったところはないようだが……」

人面犬「少し張り込みしてみるか……」

人面犬「……」

少女「あのー」

人面犬「……なんだ、お前か。驚いたじゃないか」

少女「全然、そうは見えないけど」

人面犬「まあ、犬の耳は良いんでね。後ろから誰かが近付いているのはだいぶ前から気付いてた」

少女「そ、そうなんだ」

人面犬「で、どうかしたのか?ここは見ての通り、お前を笑顔にできる要素は皆無だが?」

少女「ここにいつもいたの。私の猫」

人面犬「そうなのか」

少女「だから、探すときはここから。でね、最後にもここを見に来るの」

人面犬「そうか」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:34:33.26 ID:9194njFn0
少女「でも、今日もいないみたい」

人面犬「だな。がんばれよ」

少女「うん。ありがとう」

人面犬(あんな子に飼われて逃げ出す奴はまずいねえ)

人面犬(何かに巻き込まれと考えた方がいいな)

人面犬「ふう……」

人面犬「長丁場になりそうだ」

カラス「―――人面犬様」

人面犬「おう。どした?」

カラス「猫探しをしていると聞いたもので」

人面犬「まあ、暇潰しだ。どうせ俺を飼ってくれる人間はいねえからな」

カラス「お手伝いします」

人面犬「……必要ねえよ」

カラス「……空から探してみます。それでは!」

人面犬「ったく。余計なことを……すまねえな、恩に着るぜ」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:38:29.82 ID:9194njFn0
夕方

人面犬「ふぁぁぁ……」

少女「まだ、いたんだ」

人面犬「おう。ここで昼寝してたら一日が終わったぜ」

少女「そうなんだ」

人面犬「ん?その手に持ってるのはなんだ?」

少女「あの子がお腹を空かせてるかもしれないから、いつも買ってからここに戻ってくるんだ」

人面犬「お前……」

少女「もう家にいっぱい猫缶あるの。えへへ」

人面犬「それを持ってきたらいいだろ。バカか?」

少女「ううん。だって、あの子には一番新鮮な猫缶あげたいもん。もうずっと何も食べてないと思うから」

人面犬「もったいない話だね」

少女「……あ、じゃあ、これ食べる?」

人面犬「はあ?いらねえよ。俺は犬だぜ?」

少女「でも……ここに居てくれたから……あげる」


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:42:07.04 ID:9194njFn0
人面犬「だから、俺はここで昼寝をしてただけで……」

少女「お願い……受け取ってほしいな……」

人面犬「……そこに捨てろ」

少女「え?」

人面犬「どうせ、家に持って帰ってもゴミになるだけだろ?そこに捨てろ」

少女「……うん」

人面犬「それから、もうこんなことはするな。もったいないからな」

少女「そうかな?」

人面犬「ああ。その猫もきっと望んでないと思うぜ?」

少女「そっか」

人面犬「ふん」

少女「じゃあ、ここに捨てていくね。あ、でも一応、蓋はあけとくから」

人面犬「分別は大事だからな」

少女「ふふ……そうだね」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:46:38.66 ID:9194njFn0


人面犬「……」

鼠「おやおや?人面犬の旦那。どうしたんですかい?」

人面犬「じゃまだ。消えろ」

鼠「つれねえなぁ。まあ、情報通のオイラはなんでも知ってますけどね」

人面犬「そうかい。俺はお前が嫌いだ」

鼠「おやー?これは猫缶ですねえ?食ったんですか?」

人面犬「ただのゴミだ。中身がないからわかるだろ」

鼠「へえ」

人面犬「何の用だ?」

鼠「カラスの奴から頼まれたんでさぁ、猫の所在についてを。鼠のオイラがなんで猫のことを……」

人面犬「おい」

鼠「ぐぇ!ぐるじぃい!!おざえづげないで……!!」

人面犬「早く教えろ」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:56:34.03 ID:9194njFn0
鼠「わがりまじた……!!だがら……足を……!!」

人面犬「……」

鼠「はぁ……はぁ……酷いですね」

人面犬「俺はてめえみたいに裏でこそこそする野郎が嫌いなだけだ」

鼠「へえへえ。そうですか」

人面犬「で、猫は?」

鼠「嫌いなのに頼るんですかい?」

人面犬「お前……」

鼠「あーはいはい!暴力は無しで行きましょう。でも、オイラも今日を生きる身でしてね……」

人面犬「……わかった。今度、ありったけの食糧を渡してやる」

鼠「流石。話が早い!」

人面犬「早く言え」

鼠「どうやらその猫、今はとある施設にいるみたですよ」

人面犬「施設?」

鼠「人間に捕まったみたいですね」


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 16:59:09.83 ID:9194njFn0
人面犬「人間……」

鼠「ええ。まあ、なんでその猫を探しているのか知りませんが、この山からは手を引いた方がいいですよ?」

人面犬「そうか」

鼠「人間には敵いませんしね」

人面犬「そうだな」

鼠「じゃ、食糧待ってますよ?」

人面犬「まて」

鼠「はい?」

人面犬「参考までに聞いておく、どこだ?」

鼠「はあ?」

人面犬「その施設だ」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:02:56.74 ID:9194njFn0
翌日

人面犬「……」

カラス「人面犬様!!」

人面犬「おう。どうだった?」

カラス「情報通り、そこは『保健所』でした」

人面犬「そうか……」

カラス「……どうされるのですか?」

人面犬「俺の仕事はここまでだな」

カラス「え?」

少女「あ……またいた」

カラス「彼女は?」

人面犬「猫の飼い主だ。―――お嬢ちゃん、猫は保健所にいる。迎えにいってやりな」

少女「え?さ、さがしてくれたの……?」

人面犬「馬鹿言うな。偶々、鼠の会話が聞こえただけだ」

少女「ありがと!いってみるよ!!」


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:06:06.94 ID:9194njFn0
カラス「……ふふ」

人面犬「なんだ?」

カラス「いえ。やはり、人面犬様は偉大なお方だと思いましてね」

人面犬「ふん。買被るな。ただの気持ち悪い犬だよ」

カラス「そんなご謙遜を」

人面犬「……さてと、カラス」

カラス「分かっております。その保健所にご案内いたしましょう」

人面犬「バカ野郎。ただの散歩に付き合えって言おうとしたんだ」

カラス「ふふ、分かっております。でも、そのコース上に保健所があっても不思議ではありませんよね?」

人面犬「ま、そういう可能性もあるな」

カラス「ふふ」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:09:12.49 ID:9194njFn0
保健所 前

人面犬「あれか」

カラス「ええ」

人面犬「あのお嬢ちゃんはどうなったんだ……?」

カラス「ふふ……人面犬様ったら……」

男「さぁ、帰るんだ!」

少女「で、でも!!」

人面犬「―――なんだ?」

カラス「穏やかではなさそうですね」

男「そんな猫はいない!帰りなさい!」

少女「そんなはずないもん!!ここにいるって聞いたの!!」

男「帰れ!!」

ドンッ!

少女「きゃッ!」

人面犬「―――あのやろう!!」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:12:46.33 ID:9194njFn0
カラス「人面犬様!?」

男「ったく。仕事の邪魔だ」

人面犬「まちな」

男「あ?誰だ?」

人面犬「下を見ろよ。屑人間。お前に空を見上げる資格なんざぁねえんだよ」

男「あ……んあ!?」

人面犬「お前、こんな子供に手を上げて恥ずかしくねえのか?ああ?」

少女「あ……犬さん……」

男「な、なんだ!?こ、こいつぅぅ!?」

人面犬「猫を出しな」

男「ひぃぃぃ!!!」

バタン!

人面犬「っち!中に逃げやがったか」

少女「あの、ありがとう……」

人面犬「散歩の途中だったんだ。運が良かったな、お前」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:16:38.89 ID:9194njFn0
空き地

少女「はぁ……」

人面犬「そうか。猫がいないと言ってきたのか」

少女「うん」

カラス「……」

人面犬(鼠野郎が嘘を掴ませたとは考えにくいな。あいつならもっと巧妙なはったりをかましてくるはずだ)

カラス(ですね。すぐにバレる嘘は吐かないでしょうし)

少女「はぁ……どうしたのかぁ……」

人面犬「悪かったな。デマでお前の耳を汚しちまって」

少女「ううん。いいの。また探すから」

人面犬「そうか」

少女「じゃあ、そろそろ行くね」

人面犬「ああ。頑張れよ」

少女「ありがとう」

人面犬「……ったく、強がりやがって」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:20:06.76 ID:9194njFn0


犬「あにき、どうしたの?」

猫「人面犬さんから呼び出すなんて珍しいですね」

カラス「……」

人面犬「カラス、鼠は捕まったか?」

カラス「もう間もなく来ます」

猫「鼠!?」

人面犬「あー、今回は協力者だ。捕食はなしな」

猫「えー?」

人面犬「勿論、アイツが少しでも裏切ろうとしたらその限りじゃないが」

猫「ひゃほー♪裏切らないかなぁ……うふふ♪」

鼠「ちょっと、何をこわい話してるんですか」

人面犬「来たか。よし、じゃあお前ら、ちょっと俺の遊びに付き合ってくれ」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:24:00.94 ID:9194njFn0
保健所

男1「昼間のガキはなんだったんだ?」

男2「ああ、前に捕まえた猫の飼い主だったみたいだな」

男1「なんだ、あの猫のか」

ネコ「みゃぁぁ……」

男1「闇取引で高く売れるからな、メスは」

男2「ああ、腹が壊れるまで子供を産ます機械になってもらわないとな」

男3「……」

男1「お前、昼間から変だな?なんかあったのか?」

男3「い、いや。別に……」

男2「へ、なんだよ。まるで―――」

―――ワンワン!!ワンワン!!―――

男1「なんだ?」


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:28:39.99 ID:9194njFn0
ワンワン!!ウゥゥゥ……!!ワンワン!!!

男1「なんだよ、うっせえなぁ。外からかだな、野良犬か?」

男2「おい、お前見に行けよ」

男3「あ、ああ……」

ワンワン!!ワンワン!!!」

男3「なんだ……何を吠えてやがる……?」

男3「くそ……!犬の顔は見たくねえのに!」

ガチャ

犬「ワンワン!!!ワンワン!!!」

男3「なんだ?こいつ?」

犬「ウゥゥゥ……!!」

男3「うぜぇ……とりあえず、蹴って黙らせるか……」

犬「ワンワン!!!」

男3「うるせえ!!」

人面犬「―――お前の言葉よりも上品だと思うけどな」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:32:21.87 ID:9194njFn0
男3「は?」

人面犬「やっちまえ。カラス」

カラス「御意」

男3「お、おまえ……!」

カラス「お覚悟を……!!」

ヒュウゥゥゥ!!

男3「なんだ?!なんか、飛んで―――」

グヂャァァ!!!

男3「ひゃがぁぁぁあああああああああ!!!!め、めぇぇぇ!!!!!!!いでえええええええええ!!!!!!」

カラス「うむ。あなたの目玉は酷くマズイですね」

人面犬「わりいな。そんなもん食わせて」

カラス「いえいえ」

男3「ぎゃぁぁぁあああああああああ!!!!!!!」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:36:29.22 ID:9194njFn0
男1「なんだ?」

男2「どうしたんだ?」

男1「おい、ちょっと見てこい」

男2「わ、わかった」

男1「俺は念のため商品を見てくる」

男2「ああ」


猫「仲間の匂いがするわ」

カラス「ええ。悲しい声も聞こえます」

犬「みんなここに無理矢理捕まったみたいだね」

人面犬「鼠。うまくやれよ?」

鼠「はいはい。食糧、弾んでくださいよ?」

人面犬「カマンベールチーズでいいだろ?」

鼠「うは!!がんばります!!」

人面犬「現金なやろうだ」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:42:08.98 ID:9194njFn0
男2「おい!何があった!?」

男3「うぁぁぁ……!!いでぇぇ……!!」

男2「おい!どうしたんだ!?」

男3「か、からす……」

男2「カラス?カラスにやられたのか?」

男3「あぁぁぁ……いでぇぇ……」

男2「わ、分かった!今すぐ救急車を―――」

人面犬「三台、呼んどけよ?」

男2「なに?……ひ!!」

人面犬「三台、呼んどけ。中にもうひとり仲間がいるだろ?」

男2「な、なな……!!」

人面犬「おいおい、男だろ?犬見て縮みあがってんじゃねえよ!!!」

男2「ひぃぃぃぃ!!!」

猫「フシャァァァァ!!!!」

犬「ガァァァァウゥゥ!!!!」


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:46:11.80 ID:9194njFn0
男2「あがぁぁぁ!!!!いでぁぁ!!!!な、くそ!!離れろ!!!」

猫「フゥゥゥゥゥ!!!!!」

犬「ウゥゥゥゥゥ!!!!」

男2「この野郎!!人間を舐めるな!!!」

ドゴォ!!

猫「にゃぐぅ!!」

犬「キャン!!」

人面犬「お前ら!!」

男2「くそが!ニンゲンに勝てるとでも思ってんのかよ!!あぁ!!!」

人面犬「……ふん」

男2「なんだ、こら?!」

人面犬「愛玩動物に怯えるお前が滑稽で笑える」

男2「くそがぁぁぁぁ!!!!」

人面犬「―――甘いな」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:50:34.15 ID:9194njFn0
保健所内

男1「ふう……別に異常はないみたいだな」

鼠「ひええ。名だたる獣ばっかり……」

鼠「ドーベルマンとか……こっちはワニ!?」

鼠「こええ!!」

ドーベルマン「おい……お前」

鼠「あ、はいはい?」

ドーベルマン「何をしてやがる?」

ワニ「助けるなら助けてほしいが……」

土佐犬「ご主人様のところに帰りたいんだ」

鼠「はいはい。ちょっとまってくださいよぉ……」

鼠「あ、やっぱりいたいた」

チンパンジー「なんだよぉ?」

鼠「へへへ。ここはやっぱり違法ペット業者みたいっすね。チンパンジーさん、手伝ってくだせえ」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 17:56:10.03 ID:9194njFn0
男2「くそ!!ちょろちょろと動きやがって!!」

ブン!!ブン!!

人面犬「はっ!ほっ!よっと!」

男2「はぁ……はぁ……」

人面犬「どした?終わりか?」

男2「っそがぁぁぁ!!!」

人面犬「そうそう。男は向かってこないとなぁ」


鼠「……いまだ!!」

ささささ……!!

男1「ん?」

鼠「……これですかい?」

ドーベルマン「ああ。それだ。それが檻のカギだ」

鼠「じゃあ……咥えてっと」

男1「あ、鼠!?」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:00:04.20 ID:9194njFn0
鼠「やばい!!」

男1「どっから入りやがった!!この野郎!!」

鼠「ひえぇぇぇ!!!」

シュバ!!

男1「にげんじゃねえ!!」

ドーベルマン「所詮は鼠か……」

ワニ「期待して損した……」

土佐犬「はぁ……」


男2「はぁ……はぁ……」

人面犬「ったく、鼠の野郎なにしてやがる」

猫「う……う……ん……」

犬「いてて……」

人面犬「おう。起きたか」

猫「人面犬さん!」

人面犬「中の様子を見てこい。鼠が遅いからな」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:03:35.10 ID:9194njFn0
鼠「ひえええ!!!」

男1「待ちやがれ!!」

ヒュウゥゥゥ!!

鼠「お!?」

男1「なんだ!?」

鼠「パース!!」

男1「なんか通り過ぎたような……」

鼠「チューチュー!!!」

男1「くそ!!待ちやがれ!!!」


カラス「さてと、このカギを……」

チンパンジー「おお?!カラスだぁ!!」

カラス「では、自分で開けてください」

チンパンジー「わかったー」

カラス「残りの鍵もお願いしますね」

チンパンジー「任せといてぇ」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:07:47.64 ID:9194njFn0
猫「鼠!?」

鼠「猫?!」

男1「おお?野良猫かぁ?よし、これで大丈夫だな」

猫「カラスには渡したの?」

鼠「ばっちり」

猫「もう、遅いから人面犬さん心配してたよ?」

鼠「ええ?本当に?」

猫「あれでも信頼してるからね」

鼠「へへへ、少し照れますね」

猫「さてと、じゃあ外に逃げるよ」

鼠「あーい」

猫「じゃあ、咥えるね」

鼠「甘噛みでお願いしますね」

猫「……(じゅるり」

鼠「よだれー!!!くわないでー!!!」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:12:13.71 ID:9194njFn0
男2「あぁぁぁ!!!」

ブン!!

人面犬「ふぁぁぁ……」

男2「く……はぁ……はぁ……」

人面犬「ったく。弱すぎ」

男2「っのやろう!!!」

人面犬「はぁ……ほいっと」

鼠「人面犬の旦那ー!!!」

猫「……(じゅるり」

鼠「たすけてー!!!食べられちゃうぅぅぅ!!!」

人面犬「お、やっと出てきたか」

カラス「全て終わりました。この猫も無事です」

ネコ「みゃぁぁ」

人面犬「おーし、帰るぜ。俺達の出番はここまでだ」

犬「おっしゃー!!!」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:16:10.40 ID:9194njFn0
男2「あ、おい!!待ちやがれ!!!」

人面犬「じゃあな。お前らの罪は重いぜ?」

男2「な、なんだと?」

人面犬「もうすぐ聞こえてくるだろうよ。懺悔にもならねえ無様な断末魔がな」

男2「な、なにをいって―――」

―――ぎゃぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!

男2「?!!?」

人面犬「あばよ!」

男2「ど、どうしたんだぁ!!おい!!」

カラス「ふふ、少し可愛そうですね」

鼠「いい気味じゃないかな?」

猫「そうよ。動物の体を弄んで許せない」

犬「うんうん」

人面犬「ま、あとはあいつ等に任せるか」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:21:31.96 ID:9194njFn0
男2「どうしたぁ!?」

男2「―――ひぃぃぃ!!!!」

男1「ぁ……だ、ずげ……」

ワニ「……お腹すいてたのよねえ……(もぐもぐ」

バリ……バリ……

男1「ひゃぎぃ……!!」

男2「うぁぁぁああああああ!!!!!」

チンパンジー「にがさないよぉ」

ガシッ!!

男2「ひぃぃぃ!!!!!」

チンパンジー「ひひひ……」

ギリ……ギリ……

男2「いでぇぇ!!!はなせ!!!!うでをはなせぇえええ!!!!!おれる!!!!おれる!!!!」

チンパンジー「けけけけ」

ギリ……ギリ……ボキィ!!


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:26:14.41 ID:9194njFn0
男2「あがぁぁっぁぁ!!!!!」

チンパンジー「おお。簡単に折れたぁ」

男2「あぎゃぁぁぁ!!!!ひぐぅぅ!!!」

土佐犬「……まだだ」

ドーベルマン「だな」

男2「あ……やめ……!!!」

土佐犬「俺が頭でいいか?」

ドーベルマン「じゃあ、俺がこいつの金玉をかみ砕くのかよ」

土佐犬「いいだろ?」

ドーベルマン「しゃーないな」

男2「あ……あ……あぁっぁぁあああああああああああああああああ!!!!!」

ガブッ!!!!

ブジュゥゥゥゥ!!!!!!

男2「ひゃぎゃぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:30:29.99 ID:9194njFn0
翌日

テレビ『では、次のニュースです。本日未明、○県○市の保健所で男性三名が死亡しているのを―――』

母「また、探しにいくの?」

少女「うん」

母「あのね、もう……」

少女「行ってきます」

母「待ちなさい!」

母「はぁ……」

ガチャ

少女「あ……」

ネコ「みゃぁぁ」

少女「あ……あ……」

ネコ「みゃぁぁん♪」

少女「おか、えり……おかえり……」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:32:25.97 ID:Pk6kBNi+0
ネコかえってきた!


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:34:45.84 ID:9194njFn0
人面犬「はぁ……腹減った……」

野良犬「おいこら」

人面犬「あん?おーおー、前にぼろ負けしてくれた駄犬か」

野良犬「てめえ……これだけの数を相手にしようってのか?」

野良犬達「ぐるるるる……!!」

人面犬「ほぉ……いっぱい連れてきたなぁ。それだけいないと勝てねえか?」

野良犬「うるせえ!!やっちまえ!!!」

人面犬「はいはい……こりゃ、無傷は無理だな……」


猫「結局、人面犬さんの飼い主見つからないの?」

犬「心当たりは探してるんだけど」

カラス「はぁ……力になってあげたいですね」

ネコ「ねえねえ、ちょっといいかな?」

犬「え?」

少女「……」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:41:40.98 ID:9194njFn0
野良犬「っけ!もうここに来るんじゃねーぞ、ジジイ」

人面犬「へっ……いわれ、なくても……」

人面犬「はぁ……無様だねぇ……」

ネコ「いたぁ!!」

少女「あ!大丈夫!?」

人面犬「なんだ?」

ネコ「酷い怪我……」

少女「すぐに手当てしてあげるから!」

人面犬「必要ねえ。舐めたら治る」

少女「ダメだよ!―――よいしょ」

人面犬「おいこら!何しやがる!?」

少女「私の家に連れて帰ります」

ネコ「私を送り届けたのあなただって信じてるから……諦めてね♪」

人面犬「なにぃ?!おい!おれは何もしてねえぞ!?下ろせこら!!カッコ悪いだろ!!」

少女「ダメです。もう決めたから。―――ありがとう、助けてくれて。これから一緒に住もうね♪」
                                                           おわり


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:45:12.47 ID:O/ZxqRQN0
乙ッッッッ-----!!!


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:46:05.16 ID:hkVIUPEd0
乙 よかった


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:48:31.66 ID:9194njFn0
まあ、このあと少女の母親が本気で気持ち悪がって、人面犬さんはまた野良になるんですけどね
それはまた別のお話


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/30(土) 18:50:45.31 ID:beHOQv0Q0
>>73
人面犬ーーーーっ!





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  1. 名無し 2011/08/02(火) 22:34:46

    人面犬可愛そう・・・。
    俺なら世話をする。


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