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竜「うわ……人間じゃん」
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 22:42:14.63 ID:zUCLp+6U0
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少女「うわぁ、竜って初めて見たけど、結構大きいなぁ……」
竜「君はボクを見ても驚かないんだね」
少女「うーん、驚きより好奇心が勝ったというか……何でだろうね?」
竜「さぁ?」
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 22:49:43.97 ID:zUCLp+6U0
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竜「で、なんで君みたいな人間がこんな所にいるの?」
少女「散歩してたらついつい森の奥に入っちゃってさ、迷っちゃった」
竜「帰れるの?」
少女「うーん、どうだろう? 道なき道をかき分け過ぎちゃったしなぁ」
竜「どうするのさ?」
少女「……しばらくここで考えさせて」
竜「えー」
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 22:57:56.67 ID:zUCLp+6U0
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少女「ねぇ」
竜「何さ?」
少女「あなたは私を食べたりしないの?」
竜「いきなり何さ、食べられたいの?」
少女「え? やっぱり食べるの?」
竜「やだよ。君骨ばってて不味そうだもん」
少女「なぁんだ……ちょっと残念」
竜「?」
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12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:02:25.81 ID:zUCLp+6U0
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少女「あなたって」
竜「ん?」
少女「とても真っ白なのね。私の髪とおそろいね」
竜「ふぅん」バサッ
少女「うん、素敵」
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14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:10:21.19 ID:zUCLp+6U0
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少女「……そろそろ帰るわ」
竜「あ、そう」
少女「また、来ても良い?」
竜「別に良いよ。最近暇だったし、話し相手になってくれるなら」
少女「ん、ありがと。またね」
竜「うん」
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15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:16:52.35 ID:zUCLp+6U0
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~~~~~~
少女「……帰ってきてしまった」
村人1「やだ、またあの子よ……おぞましい白髪の女の子」
村人2「どこかに行ったと思ったら……気味が悪いね」
少女「……」
少女「……ッ!」ガッ
少女「石……」
子供1「やーい化け物ー!」
子供2「さっさとでてけー!」
少女「……」
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16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:22:34.28 ID:zUCLp+6U0
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~~~~~~
少女「また来ちゃった」
竜「やぁ」
少女「何から話そっか」
竜「そうだなぁ……じゃあ、君の事から話してよ」
少女「……」
竜「どうしたの?」
少女「ううん、何でもないわ」
少女「私はね……」
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20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:32:27.63 ID:zUCLp+6U0
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むかしむかし、ある村で一人の女の子が誕生しました
はじめは、村の住人総出で彼女の誕生を祝いました
しかし、少女の成長と共に村人達は彼女に対して嫌悪感を抱くようになりました
何故なら、成長する度に伸びる髪は雪のように真っ白で、瞳は火のように真っ赤に燃え盛っていたのだからです
村人達は気味悪がり、彼女の母親は病で倒れこの世からいなくなりました
少女はひとりぼっちになってしまいましたとさ
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25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:39:50.55 ID:zUCLp+6U0
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竜「へぇ、割と大変なんだね」
少女「もう慣れたわ」
竜「そのおでこの傷は」
少女「村の子供達につけられたの。こんなのしょっちゅうよ」
竜「ボクがこんなこと言うのは変だけど、ひどいなぁ。ちょっとこっち来て」
少女「……ちょっと、なめないでよ」
竜「こうしたら傷はすぐ治るらしいよ」
少女「……臭いわ」
竜「我慢我慢」
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26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:43:48.59 ID:zUCLp+6U0
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少女「今度はあなたのことお話してよ」
竜「えー」
少女「私は話したんだから話さないのは不公平よ」
竜「仕方ないなぁ……」
竜「ボクはね……」
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30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:49:58.15 ID:zUCLp+6U0
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むかしむかし、あるところに竜が一頭いました
他の竜とは違って、その竜の体は真っ白でした
なので、仲間の竜からはいつも仲間外れにされていました
でもその竜は独りが好きなのであんまり気にはしていませんでした
そんなある日、白い竜は一人の、自分と似たような人間の女の子と出会いましたとさ
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31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:53:21.39 ID:zUCLp+6U0
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少女「なあんだ、私と一緒じゃない」
竜「そういわれてみれば、確かに一緒だね」
少女「……ふふっ」
竜「……ははっ」
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33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/04(木) 23:59:35.75 ID:zUCLp+6U0
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「ねぇ、私たち、友達にならない?」
「うん、良いよ。なろう」
その日から、一人の髪の白い少女は、来る日も来る日も森の奥の湖の畔で、一頭の体の白い竜とたわいのない話を、日が暮れるまで続けていたのでした
そんなある日の事です
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35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 00:19:05.21 ID:H4k9fnCB0
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少女「~♪」
村人3「おい、行ったぞ」
村人4「あいつ、ここ最近毎日森の中へ出かけていて不自然だから何をしてる可見てこいって村長が言ってたが、本当に何をしに行ってるんだろうな?」
村人3「見失わないようにさっさとつけるぞ」
~~~~~~
少女「でね……」
竜「……うん」
村人4「なんてこった……あのガキ、本当に魔女だったんだ」
村人3「は、はやく村長と最寄りの騎士団に連絡して竜とあのガキを討伐してもらわないと……!」
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37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 00:24:13.34 ID:H4k9fnCB0
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少女「そろそろ帰るわ。お話、面白かったわ」
竜「そう、じゃあまた明日」
少女「……ねぇ」
竜「何?」
少女「あなた、誰かを好きになったことはある?」
竜「ないよ? 大体ボクら竜にそんな感情はいらないから」
少女「……そう。じゃあ、また明日ね」
竜「うん」
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41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 00:38:35.73 ID:H4k9fnCB0
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少女「……」スタスタ
騎士団長「君が少女だね?」
少女「……何?」
村人3「コイツです! コイツが竜と話していたんです!」
騎士団長「……そいつを捕らえろ」
少女「ちょ……や、やめてっ! いやっ!」
騎士団員「おとなしくしろ!」ガッ
少女「あ……ぅ」ガクリ
少女(助けて……竜さん……)
~~~~~~
竜「……ッ!」
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42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 00:45:07.65 ID:H4k9fnCB0
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騎士団長「竜はどこだ! どこにいる!」
少女「……私が言ったら、あの子を殺すつもりなんでしょ。イヤよ、教えない」
騎士団長「……鞭だ、やれ」
騎士団員「はっ!」バシィン!
少女「あぐぅっ!」
騎士団員「この、魔女め!」バシィン! バシィン!
少女「ぎっ! がぁ!」
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44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 00:50:13.29 ID:H4k9fnCB0
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少女「……はひゅーっ、はひゅー」
騎士団長「これだけ鞭で打たれても口を割らんとは……」
騎士団長「仕方があるまい。この魔女を礎にして燃やせ。竜はまた後で探して始末する」
騎士団員「はっ!」
騎士団員「おい! さっさと立て!」
少女「ぅぁ……ぁ」
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47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 01:03:21.07 ID:H4k9fnCB0
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騎士団長「お集まりの皆さん、お聞きください! 今日もまた一人、悪しき魔女がこの世から浄化されます!」
騎士団長「見てください! この忌々しい程白い髪を! そして竜と会話をしたというこの少女こそ、今宵の贄となる魔女です」
村人1「やっちまえ!」
村人2「やっぱりそいつは魔女だったんだ!」
村人3「燃やせぇ!」
村人4「いけー!」
騎士団長「よし、燃やせ」
騎士団員「了解」ボッ
騎士団長「さぁ! これでまた一歩、我々の社会は平和になるのです!」
少女(お願い……助けて……!)
村人4「お、おい! あれなんだ!?」
村人3「り、竜だぁああああ!」
少女「……!」
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50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 01:22:22.02 ID:H4k9fnCB0
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少女が礎になっている広場は蜘蛛の子を散らしたような騒ぎになりました
純白の竜が雄叫びを挙げ、騎士達を次々と薙払っていきます。それは普段白い竜が見せないような荒々しく、気高い本来の竜の姿でした
「ごめんね、遅くなっちゃった」
「ありがとう……ありがとう……」
白い竜の体に、次々と剣や矢が刺さり、そのからだを紅く染めあげます
それでも白い竜は少女をかばうように騎士達に立ち向かいます
しかしついに竜が地に伏せてしまいました。これでもかとばかりに矢が突き刺さります
そんなとき、少女が白い竜にささやきました
「もういい、やめて。友達が傷つくのは見たくないの。だから、やめて」
竜はしばらく逡巡したあと、少女を器用に礎から外し、背中に乗せて飛び立っていきました
広場に、白い竜の真っ赤な血が飛び散りました
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51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 01:27:46.85 ID:H4k9fnCB0
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少女「ごめんね、私のせいで」
竜「大、丈夫だよ……これ、くらい」
少女「でも、血が……」
竜「……」
竜「ちょっと、だけ……休ませて。そこの、花畑に降りよう」
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54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 01:37:22.23 ID:H4k9fnCB0
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少女「はぁっ……はぁっ」
竜「ごめん……友達なのに、何もできないや」
少女「……私、あなたの事が好きよ。初めての、お友達」
竜「……さっき、君は聞いたよね。誰かを好きになるかって」
少女「……えぇ」
竜「前言撤回するよ。ボクは君を好きになってしまった。君とは違う感性かもしれないけど、ボクも君が大好きだと、思ったよ」
少女「……おそろいね」
竜「……ははっ」
少女「……ふふっ」
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56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 01:43:28.93 ID:H4k9fnCB0
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少女「少し……寝かせて、もらえるかしら?」
竜「……どうぞ」
少女「ふふっ……あなたとなら気持ち良く眠れそう」
竜「……」
少女「……大好き」
少女「……」
竜「……」ペロッ
竜「ボク……も、さ」
竜「……」
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61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 02:01:53.54 ID:H4k9fnCB0
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むかしむかしあるところに、一人の白い髪の少女と、一頭の白い体の竜がいました
二人とも、最初は独りぼっちでした。しかし、独りぼっちの二人が出会い、友達になりました
それからは二人は楽しい毎日を送っていました
次第に少女は竜の事が好きになってしまいました
しかしある時、二人は離ればなれになってしまいました
たった一人の友達の為に竜は命を賭けて少女を探し出しました。竜も少女の事を好きになっていたのです
二人の体は満身創意でした。竜は今にも事切れそうな少女を担ぎ、今にも事切れそうな体で飛びました
やがて竜は力尽き、花畑に降り立ちます
その花畑で二人は胸の内を、愛を告げ合いました
二人共、お互いの最後が近いと悟っていたのです
死の間際でやっと二人は結ばれました
それをみていたのは、色とりどりに咲いた花達なのでした
~fin~
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63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/05(金) 02:03:52.70 ID:0WRFbVU+0
-
(´;ω;`)ブワッ

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