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雪歩「音無さん、ちょっと相談が……」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:03:28.13 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「あら、こんにちは雪歩ちゃん。今日のレッスンはもういいの?」
雪歩「はい。一通り、メニューはこなしましたぁ」
小鳥「そうなんだ。それはお疲れ様でした!」
雪歩「あ、ありがとうございますぅ! それでぇ、そのぅ……」
小鳥「うんうん」
雪歩「相談の内容なんですけどぉ……」
小鳥「もしかして、また恋の悩み相談?」
雪歩「ふぇ!?」
小鳥「うふふ! その顔を見る限り、図星かしら?」
雪歩「…………」コクリ
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:07:12.08 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「それにしても、まさか雪歩ちゃんに好きな人ができるとはねぇ」
雪歩「か、からかわないでくださいぃ!」
小鳥「ふふ。ごめんなさいね、雪歩ちゃん」
雪歩「あのぅ……」
小鳥「ん?」
雪歩「音無さん、前に言ってましたよね? あの人も、私のことが好きだと思うって」
小鳥「まあ、あくまでも私の主観、だけどね」
雪歩「どうして、音無さんはそう思うんですかぁ?」
小鳥「だっていつも、雪歩ちゃんに熱っぽい視線を送ってるし」
雪歩「…………」
小鳥「雪歩ちゃんとお話ししてる時は、他の娘の時に比べて饒舌になってるしね」
雪歩「そう、なんでしょうかぁ?」
小鳥「はっきり言って、バレバレだと思うわよ?」
雪歩「うーん……」 - 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:10:24.59 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「まあ雪歩ちゃんも、想い人の前では同じことをしてるけどね」
雪歩「え!?」ギクッ
小鳥「あら、もしかして気づいてなかった?」
雪歩「…………」カアァ
小鳥「うふふふふ!」
雪歩「……うぅ」
小鳥「だから、ね? 思い切って告白しちゃっても、大丈夫だと思うけど?」
雪歩「で、でもぉ……」
小鳥「あなた達の関係を咎める人なんて、この事務所には誰もいないだろうし」
雪歩「はうぅ……」モジモジ
小鳥「踏ん切りがつかない?」
雪歩「はいぃ……。もし拒否されたら、って考えると……怖くって」
小鳥「ま、そうよねぇ。同じ乙女として、その気持ちはよーくわかるわ」
雪歩「音無さんが言うから、大丈夫だとは思うんですけど……」 - 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:13:29.74 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「確かにこればっかりは、100パーセント確実とは断言できないわよね……」
雪歩「手っ取り早く確実に相手の気持ちを知る方法なんて、知りませんかぁ?」
小鳥「う、うーん……。それはまた随分、都合のいい注文ね……」
雪歩「やっぱり、無理ですよねぇ……」
小鳥「そうねぇ……お」ピコーン
雪歩「? あ、あの……音無さ――」
小鳥「ティンときた!」
雪歩「ひゃっ!?」ビクッ
小鳥「とっておきの方法があるわよ、雪歩ちゃん!」
雪歩「ビ、ビックリしたぁ……。音無さん、本当ですか?」
小鳥「ええ! 昔、本で読んだのを思い出したの!」
雪歩「そ、それで、どうすればいいんですかぁ?」
小鳥「くすぐるのよ!」
雪歩「……へ?」 - 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:17:50.02 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「だから、くすぐるの! 相手をコチョコチョってして、笑わせるのよ!」
雪歩「あ、あのぉ……。それ、冗談ですよね?」
小鳥「あら、私はいたって真面目よ?」
雪歩「そんな方法で、相手の気持ちがわかるわけないと思うんですけど……」
小鳥「ところがわかっちゃうのよねー、コレが!」
雪歩「どうしてですかぁ?」
小鳥「くすぐられた時に笑っちゃうのって、相手を信用してる証拠らしいの」
雪歩「そう、なんですか?」
小鳥「嫌な人にやられると不快感が先に立って、とても笑えたもんじゃないらしいわよ?」
雪歩「へえぇ……」
小鳥「逆に、好きな人にくすぐられた時のくすぐったさは、ハンパじゃないんですって!」
雪歩「知らなかったですぅ……。音無さんって、物知りなんですねぇ」
小鳥「うふふ! ま、乙女のたしなみ、ってやつかしら?」 - 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:20:22.59 ID:TPWt64FN0
- 雪歩「じゃあ、くすぐってあの人が思いっきり笑ってくれれば……」
小鳥「そ! 雪歩ちゃんに好意を持ってる証拠になる、ってわけ!」
千早「で、でもあの人の体に触るなんて……。何だか、恥ずかしいですぅ……」
小鳥「さ、どうする雪歩ちゃん? 試してみる?」
雪歩「ええっとぉ……」
小鳥「何ならくすぐりやすいように、私がターゲットを捕まえててあげてもいいけど?」
雪歩「でも……。もし、後で怒られたりしたら……」
小鳥「大丈夫! 私がいくらでもフォローしてあげるわよ!」
雪歩「じゃ、じゃあ……」
小鳥「やってみる?」
雪歩「……はいぃ」コクリ
小鳥「決まりね! それじゃあこれから、早速実行しましょ!」
雪歩「えっ?」 - 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:23:54.60 ID:TPWt64FN0
- 雪歩「こ、こ、これからですかぁ?」
小鳥「もちろん、善は急げよ! 予定だと、もうすぐここに帰ってくるはずだし」
雪歩「あ、あの」
小鳥「それに今日はもう、あの人以外は誰も事務所に来ないはずよ」
雪歩「で、でもまだ、心の準備が――」
ガチャ
千早「お疲れ様です」
雪歩「っ!!」
小鳥「あ、お帰りなさい千早ちゃん! 待ってたわよ!」
千早「え? 待ってた?」
雪歩「お、おか、おかおかお帰りなさい千早ちゃん」
千早「あら、萩原さんも一緒だったのね」ニコッ
雪歩「は、はうぅ……」プシュー
小鳥「……やれやれ、ね」 - 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:26:15.01 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「さて、と。それじゃ雪歩ちゃん、準備はいいかしら?」ボソボソ
雪歩「え、えっとえっと……」ボソボソ
小鳥「さ、勇気を出してくすぐってみましょ」ボソボソ
雪歩「で、でも、やっぱり、ちょっと気が引けて……」ボソボソ
小鳥「大丈夫よ。さ、私を信じて」ボソボソ
雪歩「…………」コクリ
千早「あの……二人とも、何をこそこそ話してるんですか?」
小鳥「ん? ああ、別に大した話じゃないの。それよりも、千早ちゃん」
千早「はい?」
小鳥「ちょっと、こっちに来てくれるかしら?」
千早「このあたりですか?」スタスタ
小鳥「そうそう。で、私に背中を向けて立ってくれる?」
千早「はぁ……」
小鳥「千早ちゃん、隙ありぃ! えいっ!」ガシッ
千早「きゃあっ!?」 - 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:29:54.25 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「さあ雪歩ちゃん、羽交い締めにしてあげたわよ!」
千早「え、う、あ!?」
小鳥「千早ちゃんは無防備よ! 思う存分、やっちゃいなさい!」
雪歩「……は、はいぃ」コクリ
千早「え、ちょ、な、何!? い、一体何なんですか!」
小鳥「千早ちゃん、少しだけ苦しいと思うけど、我慢してね?」
千早「く、苦しいって、音無さん! これは、どういう――」
雪歩「千早ちゃん」ジリジリ
千早「は、萩原さん!? これって、これって……?」
雪歩「こんな方法でしか勇気が出せない私を、許してね……」スッ
千早「え、え、え?」
雪歩「……こちょこちょこちょ」コチョコチョ
千早「きゃ、きゃあああああああっ!?」 - 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:33:48.86 ID:TPWt64FN0
- 千早「きゃ、きゃはははははははははぁ!」
雪歩「……!」コチョコチョ
千早「や、やめて! やめて萩原さん! きゃははははは!」
雪歩「千早ちゃんが……笑った」コチョコチョ
小鳥「ほーら、やっぱりね!」
千早「や、やだ! 脇の下はだめ! あは、あはははは!」
雪歩「ねえ、千早ちゃん」コチョコチョ
千早「だ、だめ! あはははは! あはははははは!」
雪歩「くすぐったい?」コチョコチョ
千早「くすぐったい! くすぐったいに決まってるでしょ! あぁははははは!」
雪歩「本当にくすぐったいんだよね? 演技とかしてないよね?」コチョコチョ
千早「ひへへへへへ! あ、当たり前でしょ! やめてってば!」
小鳥(ああ……。私の腕の中で暴れ回る千早ちゃんのスレンダーな肢体……)
千早「やめて! やはははははは! やめてええええ!」
小鳥(役得役得ピヨピヨピヨヘヘヘ) - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:36:25.35 ID:TPWt64FN0
- 千早「ひぃぃーっひははははは! こ、こんなにくすぐったいの、初めてぇ!」
雪歩「っ! ち、千早ちゃん! い、今の、本当だよね!?」コチョコチョ
千早「ほ、ホント! ホントだからもうやめて! 死んじゃううぅ!」
雪歩「……さっきの音無さんの話が正しいなら」コチョコチョ
千早「は、萩原さんやめて! あはははははは! お願いもうやめて!」
雪歩「千早ちゃんも、私のことを……」コチョコチョ
千早「萩原さん! 萩原さんってばああああ!」
雪歩「ああ……。千早ちゃん、本当に……」コチョコチョ
千早「もういやああああああ! 誰か助けてええええ!」
小鳥「はいストップ! 雪歩ちゃんストッープ!」
雪歩「ふぇ?」コチョコチョ
千早「死ぬ死ぬ死んじゃう! 死んじゃううぅぅ!」
小鳥「そのぐらいにしておいてあげましょ? 千早ちゃん、本当に死んじゃうわ」
雪歩「……あっ!」 - 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:39:25.62 ID:TPWt64FN0
- 雪歩「ご、ごめんね千早ちゃん!」パッ
小鳥「千早ちゃん、苦しかった? 今、放してあげるわね」パッ
千早「うあ……はうあう、あう……」ドサッ
雪歩「ち、千早ちゃん……大丈夫?」
千早「ううぅ……。まだ、脇の下がムズムズするわ……」
雪歩「やりすぎちゃった……。本当にごめんなさい!」ペコリ
千早「けほっ……。萩原さんって、くすぐるがずいぶん上手なのね」
雪歩「そ、そんなにくすぐったかった?」
千早「ええ。今までくすぐられた中で、一番苦しかったかもしれないわ」
雪歩「そっかぁ……。本当によかったぁ……」
千早「え? よかった?」
雪歩「あっ! い、いや、何でもないよ! 何でもないから!」
千早「はぁ……?」
雪歩「え、えへへへへ……」
小鳥「ピヨピヨピヨピヨ!」ニヤニヤ - 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:42:19.79 ID:TPWt64FN0
- 千早「それにしても萩原さん。どうして急に、私をくすぐったりしたのかしら?」
雪歩「えっ?」ギクッ
千早「普段の萩原さんなら、こんなこと絶対にしそうにないのに」
雪歩「あ……。え、ええっと……それはぁ……」
小鳥「まあまあ千早ちゃん! 別にいいじゃない!」
千早「音無さん?」
小鳥「雪歩ちゃんだって、たまには誰かにイタズラしたくなる時もあるのよ!」
千早「そうなの、萩原さん?」
雪歩「う、うん! む、昔はよく、クラスメイトをくすぐったりしてたんだよ!」アセアセ
千早「ふぅん……。萩原さんって、意外にイタズラっ子だったのね」
小鳥「ま、そんな細かいことは置いておいて。雪歩ちゃん、ちょっといいかしら?」
雪歩「は、はいぃ……」
小鳥「あのね……」ヒソヒソ
千早「またひそひそ話……。何だか今日の二人、ずいぶん怪しい雰囲気ね……」 - 15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:45:25.10 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「どう? 今のくすぐられた時の反応でわかったでしょ?」ヒソヒソ
雪歩「な、何がですかぁ?」ヒソヒソ
小鳥「千早ちゃんも、雪歩ちゃんのことが好きだって」ヒソヒソ
雪歩「そ、そうなんでしょうかぁ?」ヒソヒソ
小鳥「間違いないわ。安心していいわよ」ヒソヒソ
雪歩「どうして音無さんは、そこまで断言できるんですか?」ヒソヒソ
小鳥「決まってるじゃない、乙女のカンよ」ヒソヒソ
雪歩「うぅ……。今一つ、信用しきれないですぅ……」ヒソヒソ
小鳥「そ・こ・で。私から一つ、提案があるんだけど」ヒソヒソ
雪歩「はい? 何ですかぁ?」ヒソヒソ
小鳥「どうかしら? 今ここで、告白しちゃうっていうのは?」ヒソヒソ
雪歩「えええええっ!?」
千早「きゃっ!?」ビクッ - 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:49:02.70 ID:TPWt64FN0
- 千早「は、萩原さん? 急に大声出してどうしたの?」
雪歩「な、何でもないよぅ! ビ、ビックリさせてごめんね!」
千早「え、ええ……別にいいけど……」
雪歩「お、音無さん、それだけは無理ですぅ」ヒソヒソ
小鳥「あら、どうして?」ヒソヒソ
雪歩「だ、だだだだって……。女の子同士だし……」ヒソヒソ
小鳥「大丈夫! 愛に性別の壁なんて存在しないわ!」ヒソヒソ
千早「ねえ……。今日の萩原さん、やっぱり何かヘンよ?」
小鳥「雪歩ちゃん。チャンスの神様は、一度逃がすと捕まえるのが大変よ?」ヒソヒソ
雪歩「で、でも……。恥ずかしいですよぅ」ヒソヒソ
小鳥「じゃあこのままずっと、煮え切らない思いを抱え続けていくの?」ヒソヒソ
雪歩「そ、それは……」ヒソヒソ
千早「萩原さん、萩原さんってば!」
小鳥「もう、しょうがないわねぇ」ヒソヒソ
雪歩「だ、だってぇ……」ヒソヒソ - 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:51:18.48 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「ま、いいわ。今日の所はこれぐらいで勘弁してあげましょうか」ヒソヒソ
雪歩「うぅ……ごめんなさい、音無さん……」ヒソヒソ
千早「ちょっと、さっきから二人で何の話を――」
小鳥「あ、ごめんね千早ちゃん。雪歩ちゃんが、この後一緒にご飯を食べに行きたいって」
千早「あら? そうなの、萩原さん?」
雪歩「ふぇっ? あ、え、ええっと――」
千早「ふふっ……いいわよ。私でよければ、喜んでお付き合いするわ」
雪歩「あ……。ありがとう千早ちゃん!」
千早「本当は別の意味で、萩原さんとはお付き合いをしたいのだけれど……」ボソッ
雪歩「え? 千早ちゃん、今何か言った?」
千早「な、何でもないわ。さ、行きましょう、萩原さん」
雪歩「……うん! あ、音無さん、相談に乗ってくれてありがとうございましたぁ!」
小鳥「はいはい、いってらっしゃい。二人とも、楽しんできてね!」
ガチャ バタン
小鳥「……ふぅ」 - 18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:54:17.08 ID:TPWt64FN0
- 小鳥「うーん。あと一押し、足りなかったかしら?」
小鳥「やれやれ、全く……。どう考えても、両想いなのにねぇ……」
小鳥「どうすればあの二人は、一歩を踏み出してくれるのかしら――」
スベテーモーエーテハイニナレー
小鳥「あら、メール?」
小鳥「……雪歩ちゃんからだわ。ええっと……」
『千早ちゃんから、今晩泊りに来ない? って誘われちゃいましたぁ! えへへへへぇ』
小鳥「…………」
小鳥「どうやら、無用な心配だったかしら?」
小鳥「……お幸せに」
おしまい - 19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/29(火) 01:55:50.63 ID:TPWt64FN0
- 以上になります。
ちはゆきと頼れる小鳥さんを書きたかったはずなんです。
何かよくわからん感じになってしまった気が……。
読んでくれた方、ありがとうございました。 - 20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/29(火) 02:11:35.11 ID:wpPfVGDF0
- 乙!
ちはゆきわっほい!!

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