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千早「雨塊を破らず」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:25:46.69 ID:eRVTPGuR0
- ふと窓の外を見る
雨が降ってきたようだ
「夕立か、最近多いな」
プロデューサーが言う
「梅雨ですから仕方ないかと」
「それもそうだな」
「・・・」
「・・・」
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:29:30.77 ID:eRVTPGuR0
- 雨の音が大きくなる
どうやら小雨ではないようだ
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
私は、自分の新曲の楽譜を読む
プロデューサーは、書類を処理しているようだ
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
互い、何も喋らない
- 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:31:16.55 ID:eRVTPGuR0
- 「そうだ、千早」
プロデューサーは突然私の名を読んだ
「はい、何ですか?」
「明後日春香が出る歌番組あるだろ、あの番組に一つ空きが出来たらしくてな」
「それでその枠をうちに譲ってくれたんだ」
「それに出て欲しいと?大丈夫ですよ」
「助かる、本決定したら資料を渡す」
「了解です」
私は、楽譜を読む
プロデューサーは、電話をかける
- 4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:34:09.24 ID:eRVTPGuR0
- 雨が次第に勢いを増し、アスファルトを打ち鳴らす
最近、大雨というのが多いように感じる
「・・・」ペラ…
「はい・・・はい、その方向でよろしくお願いします、では」
「・・・ふぅ」
私は、楽譜を読む
プロデューサーは、電話を切る
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
互い、必要以上は喋らない
- 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:37:05.91 ID:eRVTPGuR0
- 雨は勢いを保ちながら降り続ける
雨車軸の如しとはよく言ったものだ
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
私は、歌い方に悩む所を見つける
プロデューサーは、書類を処理する
「あの、プロデューサー」
「何だ?」
「少し、どう歌えばいいか分からない所があって」
「ふむ、何処だ?」
私は、楽譜を覗き込む
プロデューサーは、楽譜を覗き込む
暫しの、沈黙 - 6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:38:59.83 ID:eRVTPGuR0
- 「・・・って感じでいいんじゃないかな、これなら千早の持ち味も活かしやすいだろう」
「成る程・・・ありがとうございます」
「新曲、楽しみにしてるぞ」
プロデューサーは的確なアドバイスをして椅子へと戻った
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
私は、楽譜を読む
プロデューサーは、書類を処理する
互い、喋らない
- 7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:40:18.24 ID:eRVTPGuR0
- 耳を突く音が柔らかくなった
雨の強さは峠を越したようだ
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
日本人は、無言であることに不安を覚える動物らしい
かく言う私もそうだ
「・・・」ペラ…
「・・・」カリカリ
しかし、今のこの時間は嫌いじゃない
- 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:42:44.62 ID:eRVTPGuR0
- 雨が止んだ
最近、通り雨というのも多いように感じる
「・・・よし」
「・・・こんな所か」
私は、楽譜を読み終える
プロデューサーは、仕事をひと段落つけたようだ
「・・・雨も止んだようですし、私はそろそろ帰りますね」
「送っていこうか?」
「良いのですか?」
「お安い御用さ」
「それにどうせ今日も出来合い夕食なんだろ?ついでにたるき亭で飯でも食っていこう」
「夕食が出来合いなことについてはプロデューサーにあまり言われたくないのですが」
「それもそうか。さて、行こうか」
「ええ」
私は、事務所の扉を開ける
プロデューサーは、事務所の鍵をかける
互い、階段を降りる
- 9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:45:12.14 ID:eRVTPGuR0
- 雨上がりの匂いが鼻腔をかすめる
この匂いは、嫌いじゃない
「そういえば、私もう16歳なんですよ」
「知ってるが、それが?」
「青田買いがお得ですよ」
私は、冗談めかしてそう言った
プロデューサーは、顔を歪めた
「千早がそういう冗談を言うとは思わなかったよ」
「私もこういう冗談を言うとは思いませんでしたよ」
「・・・まあ千早と結婚しても、どうせ今日みたいな時間を過ごすだけだろうがな」
「プロデューサーは、それは嫌ですか?」
「まあ、嫌いじゃないさ」
- 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:48:18.72 ID:eRVTPGuR0
- 私は、それを聞き口を閉じた
プロデューサーは、それを言い口を閉じた
互い、建物を出る
私は、朱く染まった空を見上げる
プロデューサーは、朱く染まった空を見上げる
互い、何も喋らない
彼の隣は、嫌いじゃない - 11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 22:51:33.51 ID:eRVTPGuR0
- おしまい
やはり即興で書くものじゃないですね
HTML化申請してきます - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 23:14:58.71 ID:08yTo+Iso
- こういう雰囲気好きだわ
- 14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/18(水) 00:02:55.70 ID:eJQ6LwdF0
- おつおつ

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