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妹「お姉ちゃんが怖い」姉「妹、邪魔」
- 1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/23(金) 00:09:17.97 ID:RdOyuuQh0
- オリジナル。百合。書きためなしです
姉の部屋
妹「お姉ちゃん、あの……借りてた辞書なんだけど、学校に忘れて来ちゃって」
姉「は? ふざけないでよね。今から、走ってとってきなさい」
妹「え、でももう夜9時だし……」
姉「なんで、それまで気づかなかったわけ?」
妹「友達と遊んでて……」
姉「……私、明日授業あるんだけど……?」
妹「ご、ごめんなさい」
姉「昨日も絶対返してって言って、約束したよね?」
妹「う……ん」
姉「……はあ、もういいよ。出てって」
妹「あ……」
姉「ばいばい……」
- 2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:15:45.79 ID:RdOyuuQh0
- 廊下―――
妹「……」
妹(なんで、忘れたくらいでこんなにきつく言われるんだろう……忘れた私が悪いけど……)
妹(今から学校……)
妹(前は、こんな風に一方的に言われるなんてなかったのに)
妹(……きっと、明日忘れたらまたきつく言われるんだろうな)
妹(先生たちが残ってるから、まだ開いてるかな)
妹(どうしよう……)
妹(上着着て行こう……) - 3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:24:39.68 ID:RdOyuuQh0
- ガチャ――
母「あら、妹どこ行くの? こんな遅くに」
妹「あー、ちょっとノート無くなったからコンビニ買いに行ってくるね」
母「じゃあ、お姉ちゃんも一緒に連れていきなさい。ついでに牛乳と小麦粉買ってきてちょうだい」
妹「あ……いや」
母「お姉ちゃーん?! 降りて来て、ちょっと妹と一緒に買い物行ってきて!」
妹「い、いいよ。お姉ちゃん、勉強で忙しそうだし」
母「何言ってんの。いっつも1番か2番なんだから今晩勉強しなくたって罰当たらないでしょ」
妹「そういう問題かなあ?」
トタトタ――
母「ああ、お姉ちゃん」
姉「なに?」
妹「……あ」
母「買い物、牛乳と小麦粉」
姉「……」
妹「……」
母「こんな遅くに高校生1年の妹一人で出歩かせるわけに行かないの。お姉ちゃん高3でしょ?」
姉「そんなに歳離れてないけど」
母「いいから」
姉「……はいはい」 - 5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:30:45.54 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……あ、別に私一人でも」
母「いいの。お姉ちゃんなんだから」
姉「……行くよ」
妹「え、あ、うん」
外――
妹「……」
姉「……」
妹(お姉ちゃんに学校に行くって言わないと)
妹「あ、あのお姉ちゃん?」
姉「……」
妹(声、小さくて聞こえなかったわけじゃないよね。無視された……)
姉「……」
妹(買い物行った後でいいかな) - 8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:39:11.70 ID:RdOyuuQh0
- スーパー
姉「牛乳」
妹「……えっと」
姉「私は小麦粉持ってくるから、妹は牛乳。早く帰りたいの、私は」
妹「りょ、了解」
姉「さっさと行く」
妹「はいっ」
姉「3分後にレジにいなさいよ」
妹「う、うん」
姉「散れ」 - 10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:45:59.24 ID:RdOyuuQh0
- 妹(どうしよ学校行くって……言えない)
妹(……牛乳……牛乳)
妹(……あ、らくれん? ゆきじるし? どれ……?)
ドン――
妹「あ、すいませ……」
ギャル「ちょっと痛いんですけど」
妹「すいません」
ギャル「あんた、中学生?」
妹「え?」
ギャル「ガキくさ」クスクス
妹「ひどッ……」
姉「中学生はあんたでしょ……」
妹「お姉ちゃん!」
ギャル「はあ?」
姉「はあ?」ギロ
ギャル「……ッち、なんなわけ、あんた」
姉「痛い目見たくなかったら消えて」
ギャル「……ッう」
姉「散れ。汚ギャル」
妹「お、お姉ちゃん……そこまで言わないでも」 - 12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:52:04.46 ID:RdOyuuQh0
- ギャル「こわッ……なに、怖すぎあんた」タタタ――
姉「……」
妹「…‥お、お姉ちゃん」
姉「ちょっと、先にレジ行っておいて」
妹「え?」
姉「あんたノート忘れてるでしょ」
妹「そ、それなんだけど……実は、学校に行くための口実なの」
姉「どういうこと」
妹「辞書、取りに行こうと思って……その」
姉「はあ? こんな遅くに?」
妹「だ、だって、さっき」
姉「……冗談くらいわかれ」
妹「え、冗談なの?」
姉「あんたさ、鈍すぎ」
妹「ご、ごめんなさい」
- 13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 00:57:59.63 ID:RdOyuuQh0
- 姉「すぐ謝って、情けないわね、ほんとに」
妹「……ッう」
姉「だいたい明日、あんたが私の教室に忘れずに持ってこればいいでしょ」
妹「あ、でも」
姉「同じこと2度も言わせないで」
妹「う、ん」
妹(明日、忘れちゃったら……また怒られるよ)
姉「これ清算してくるから外で待ってなさい」
妹「……」
- 16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:04:53.07 ID:RdOyuuQh0
- スーパーの外――
妹「…‥」
姉「あんた、明日辞書忘れたら罰として……」
妹「……う、うん」
姉「そうね、ケーキ奢ってもらうからそのつもりで」
妹「え……」
姉「え、じゃないでしょ。そのくらい当然」
妹「放課後、友だちと遊びに…」
姉「懲りないわね。そのせいで、忘れたんでしょ。姉妹だからって、甘えたりさせない。そういうのはお断りだから」
妹「……お姉ちゃん」
姉「何?」
妹「……前は、そんな風に言わなかったのに」
姉「前? 知らないわね」
- 17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:10:21.10 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……ううん、なんでもない」
姉「帰るわよ」
妹「はい……」
翌朝――
姉「お母さん、どこ行くの?」
母「あ、あのねー、お父さん出張先でインフルエンザになっちゃったらしいの」
妹「……え」
姉「聞いてなかったけど、それいつの話?」
母「一昨日かなー」
姉「……もっと早く教えてよ」
母「ごめんねー。でも、大丈夫そうだって、でも買い物とか大変だって行ってたからちょっと行ってくるね」
- 19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:16:37.88 ID:RdOyuuQh0
- 姉「……いつ帰るの?」
母「1週間くらいかな?」
姉「ながッ……その間、妹のご飯とかどうするわけ? 私は、そんな暇ないよ?」
妹「だ、大丈夫、お母さん、心配しないで」
母「心配してないわ。だって、お姉ちゃんいるし。妹、困ったらお姉ちゃんに言ってね」
妹(……お姉ちゃんが怖い……なんて言えない)
姉「……はあ」
母「じゃ、行ってくるわね」
妹(あ……お母さん。お母さんいなくなったら……私、すごく心細いよ)
姉「はいはい……」
母「お土産は、栗饅頭ねー」
姉「お土産はいいから、インフルエンザもらってこないでよ」
母「はーい」
- 20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:27:40.55 ID:RdOyuuQh0
- ――学校
窓際――
妹「はあ……」
友「どうした?」
妹「最近さ、お姉ちゃん怖いって話したじゃん」
友「あー、生徒会長? あんな美人で頭良くて、人当たりもいい人が、妹にはきついって話?」
妹「……信じてないでしょ」
友「っていうか、信じられなーいってだけ」
妹「それを、信じてないって言うんじゃないかな……」
友「何落ち込んでんの?」
妹「そのお姉ちゃんと……今日から1週間二人っきりなの」
友「……ふーん……あ」
窓の外―――
『会長! こんにちは!』
『こんにちは』
『今日もうつくすいいい』
『こんにちは』
『あの、分からないところが』
『こんにちは』
友「いつもながら、エレガントに捌いてるね」
妹(エレガント……? こんにちはしか言ってないし、あのお姉ちゃんの目、全く興味ない時の目だよ)
友「うらやましい。あんな美人のおねえたまがいて」
妹「……あげる」
友「いやいや……」
- 21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:31:55.76 ID:RdOyuuQh0
- 妹「ううん、むしろ私をもらって」
友「あんたはいらないけど、お姉さんは欲しいかな」
妹「……ひどいよお」
友「重症だね……ま、そんなにお姉さんが怖いなら、お姉さんの弱みでも握ればいいじゃん」
妹「そんなものあるのかな」
友「そりゃ、人間だもの」
妹「人間……」
友「あんた、実の姉をなんだと思ってるの?」
妹「……恐怖の象徴」
友「……」
妹「……」 - 22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:40:20.98 ID:RdOyuuQh0
- 放課後――
姉「こんにちは。妹いる?」
1年生「せ、生徒会長だ……おい、妹。お姉さん、来てるぞ」
妹「あッ……」
妹(た、大変なことに気が付いてしまったよ……辞書返すの忘れてたよ)
友「……妹」
妹「ひッ」
友「……びびりすぎ」
姉「妹」
妹「……あ」
姉「今日は、もう借りていってもいいかしら?」
友「あ、どーぞどーぞ」
妹(友ちゃん……!)
友(いや、美人のお願いは断れない)
妹(死にたくな……)
姉「行くわよ、妹。辞書は持っていて?」
妹「入れる、入れてる……入れましたッ」
姉「そう、来なさい」
妹「あ、う、うん……」
友「またね」
妹「……うん」 - 24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:48:29.46 ID:RdOyuuQh0
- とある喫茶店――
姉「コーヒー二つ」
店員「畏まりました」
『あの子、すごい美人ね――』
『ねえ、コーヒー私が持って行っていい?』
姉「……」ぴくッ
妹(私がコーヒー飲めないの知ってるくせに……ひどいよお)
姉「なに、その反抗的な目。立場が分かってないみたいだけど、今、あなたの制裁中なわけ」
妹「は、はい」
姉「それに、ケーキにはコーヒーが合うのよ」
妹(そんなの、知らないもん……)
『髪もさらさらだわ――』
『妹? 似てないわね』
姉「……」ダン!
妹「ど、どうしたの……いきなり机たたいて」ビクビク
姉「蚊がいたの」 - 26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 01:56:05.05 ID:RdOyuuQh0
- 店員「ご注文のコーヒーになります……」チラ
姉「ありがとうございます」
妹(……お姉ちゃん、なんだか怒ってる?)
店員「失礼いたします」チラチラ
姉「……」
妹「ありがとうございます」
姉「ねえ」
妹「?」
姉「辞書返す気あったの?」
妹「あったよ……」
姉「ふーん」
妹(……忘れちゃいけない、怒られるって思って、でもそれがかえってストレスになって、同じこと繰り返しちゃったのかな……なんて、分析しても、お姉ちゃんの中では……)
姉「甘いわね」
妹(って、言われるの)
妹(……私、お姉ちゃんみたいに人間できてないもの)
妹(って、言えたらなあ) - 29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 02:02:28.44 ID:RdOyuuQh0
- 姉「……ケーキがよ」
妹「……え」
姉「あのさ、あんた、私のこと嫌いでしょ」
妹「……そんなこと」
姉「私だってあんたのことは妹だとは思ってないから」
ガタッ――(妹、椅子から立ち上がる)
妹「……おね、ちゃ……ん」
姉「……」ジッ
妹「そこまで……言わなくても」ウルッ
姉「……そこまで言わないと、分かんないでしょ」
妹「分かったって、悲しいだけだよ……」
姉「泣くなら、家で泣きなさい」
妹「ねえ……どうして、そこまで私にひどく言うの……?」
姉「どうして? 言う必要がある?」 - 30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 02:10:00.01 ID:RdOyuuQh0
- 妹「ない……よね。ううん、ごめん、帰るよ……」
姉「ええ」
妹「……ッ」
タタタタ――
姉「……」モグ
『食べる姿も上品……』
『あら、妹みたいな子、いつの間にかいなくなっちゃったわね』
『いいわよ、どうでも……目の保養ね』
姉「……」ゴク
パリンッ――!
姉「……」
店員「お客様どうされました?」
姉「ごめんなさい。カップを割ってしまって」
店員「お怪我はありませんでしたか?」
姉「ええ、大丈夫よ」 - 38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 08:40:02.35 ID:RdOyuuQh0
- 家――
妹「……ッハア……ハァ……ゴホッ」
妹「……ッウ……ヒックッ」ポロポロ
妹「……なんでここまで、言われないといけないの……」
妹「私……嫌いなんて……一度だって言ったことないのに……」
妹「怖いけど……ひどいこともいっぱい言われたけど……嫌いなんて思ったこともないのに……」
妹「ッう……うえええッ……ヒッ……」
妹「お姉ちゃん……ッ……お姉ちゃんッ……」
妹はリビングのソファーに顔を埋めて泣き続けた。
妹「……昔、みたいに戻れないの……かな」
妹「でも……お姉ちゃんが怖くて……言葉も上手く伝える自信が……」
――弱みでも握ればいいじゃん
妹「……それとこれとは違うような……」
妹「でも、今の立場だと……言いたいことも言えない……」
妹「……」 - 39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 08:49:17.71 ID:RdOyuuQh0
- 姉の部屋――
妹「弱みと言ったら……やっぱりこういう所に……」
妹「……なんていうか、お姉ちゃんの部屋って殺風景だよね……」
妹「私がぬいぐるみ置きすぎなのかな……ベッドの半分は埋まってるし」
妹「……う、部屋にいるだけでドキドキする……お姉ちゃんが帰る前に……な、なんでもいいしね……ほんとに」
妹「机の引き出しとかは……」
ガラ――
妹「アルバム……恥ずかしい写真とか……」
ゴソ――
妹「いや、やっぱり、人のアルバムを勝手に見るのは……」
妹「あ、こっちは日記かな……で、でも日記はさらにまずいような」
妹「……私、何しにお姉ちゃんの部屋来たんだろ……」
妹「……後で怒られるって思ったら……思うように手が進まない……」 - 40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 08:58:12.80 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……こっちの引き出しは……手紙? あ、これラブレター……お姉ちゃんて、こういうのとっておくタイプなんだ……意外……」
妹「……美人で、気が利いて、人当たりもいい……お姉ちゃん」
妹「私とは違うよね……」
妹「……私、やっぱりお姉ちゃんのこと……」
妹「どうして、みんな……お姉ちゃんなんだろ。お姉ちゃんの何を知ってるって言うんだろ……」
妹「なんで、私ばかり……こんなつらい気持ちにならなきゃいけないの……」
妹「お姉ちゃん……が憎い」
妹「……ッは」
妹「ダメ……嫌いじゃない、嫌いじゃない……」
妹「好きになる努力しないと……ううん、私が好きになってもらう努力……しないと」
妹「……いつまでかな。……いつまで我慢しないといけないのかな……」 - 41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 09:07:12.43 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……お姉ちゃん中心で生活する意味なんて……あるのかな」
妹「……一度くらい仕返ししたって、罰は当たらないんじゃない……」
妹「理由のない言葉の暴力で傷つけられて……よく我慢してきたよ……そうだよ」
妹「昔は優しかったなんて、いいわけだよ……今以上に嫌われたりするのが怖いだけ」
妹「……いいよね。いいんだよね」
妹「もっと、何かないか探そう……」
ゴソゴソ――
ガチャ――バタン――
妹「ッ大変……夢中になってたらお姉ちゃん帰ってきた……」
妹「出たら、音でばれちゃう……」
妹「クローゼット……は絶対に開ける」
妹「ベッドの下……」
ゴソゴソ――
- 42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 09:14:50.51 ID:RdOyuuQh0
- 『妹――帰ってるの? 返事しなさい』
妹(あ、靴が……玄関に)
妹(なんとかやり過ごさないと)
妹(息をひそめて……)
妹(体ちっさくて良かった。お姉ちゃんサイズだと入らなかった)
トタトタ――
『いないのか……』
妹(上ってくる)
トタトタ――
ガチャ――
姉「……」
妹(……)ビクビク
姉「ふう……」
椅子を引いて、机に座る。
- 43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 09:32:56.20 ID:RdOyuuQh0
- 妹(お願い……買い物とか行って……)
姉「……」
姉は椅子に座って動かない。
妹(……もしかして、携帯いじってる? それとも寝ようとしてる?)
10分程経過した。
姉「よし……着替えるか」
妹(……)
姉がクローゼットを開ける。ファスナー音の後、スカートがぱさりと床に落ちた。
妹(……お姉ちゃんの着替え覗いてるみたい……ばれたら……ほんとに殺されるかも)
姉「……」
着替え終わったのか、姉がドアへと向かう。
妹(ほッ……)
姉「……」ピタ
妹(え、なんで立ち止まるの)
姉「……」クル
妹(こ、こっち向いた)
姉「……」テクテク
姉はベッドの上にとさりと座った。30㎝程先に姉の足首。
妹(ちかいちかいちかい……)ドドドッ
- 44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 09:41:29.95 ID:RdOyuuQh0
- 姉「……ッん」
妹(なになになに……)ドドドッ
姉「ッン……ッ」
妹(……何この声)ドキッ
姉「……ンァッ……」
衣擦れ音。
妹(なんで、こんな艶っぽいの……?)
姉「ンクッ……」
ピチャ――
妹(なんの音? 水?)ドキドキッ
姉「……フッ」
プチュッ――クチュッ
姉「ン……」
妹(……もし、もしかして……一人で始めちゃったの……?)ドドドッ
妹(わーわー!? どうしよう、どうしよう! わたし、ここにいる! ここにいるよ!)
妹(じゃなくて、耳を塞いで……っわわ聞こえてくる……!?)
妹(あ、あれでも……これって、お姉ちゃんの弱み……?)
姉「……ッァ、妹ぉ……」
妹(……え)ドキ
姉「妹ぉ……やァッ……そこ、だめぇッ」
- 45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 09:48:04.54 ID:RdOyuuQh0
- 妹(ちょ……やめて……やめてよ……)
姉「……アアッ」
妹(やめて、私の名前……呼ばないでやめて……最低……最低)
姉「……ッァ…ヒッ」
妹「やめて!」ゴン!
妹「い、いったああ!!」
姉「妹?!」
姉はベッドの上でバタバタと物音を立て、やや合ってベッドしたを覗いてきた。
妹「あ」
姉「……ッ」
妹(びっくりしてる……そりゃそうだよね……私だって、びっくりだけど)
- 46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 10:03:58.91 ID:RdOyuuQh0
- 数分後――
姉はベッドに座り、妹を見ないようにしていた。
妹は姉の前に立って、見下ろす形だった。
姉「あんた、なんで人の部屋に勝手に入ってるわけ」
姉はこちらを見ずに言った。
妹「ご、ごめんなさい……」
姉「友だち、なくすよ。そういうことしてると」
妹「……」
姉「まあ、まず家族からか」
妹「……」
姉「私、用あるから」
姉が立ち上がる。
妹「……」
彼女がドアノブに手をかける前に、妹は引き留めた。
姉「何、腕放しなさいよ」
妹「……お姉ちゃん」
姉「放せって言ってるの」
妹の腕を、姉は振りほどこうとした。
妹(……あ、れ。お姉ちゃんて、こんなに力弱かったんだ)
姉「しつこいわね」
妹「……」ぎゅう――
姉「ッいた」 - 47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 10:15:49.60 ID:RdOyuuQh0
- 妹「行きたかったら、行ったらいいよ……」
姉「は?」
妹「私の手、振りほどけないんだ……」
姉「ちょっと、ふざけるな」
妹「完璧超人なお姉ちゃんも、性格と腕力は人並み以下だったんだね……」
姉「あんた、そんなこと言える立場ッつう?!」
姉は端正な顔を苦痛に歪めた。
妹「私だって、こんなことするつもりなかった……」
妹「お姉ちゃんが……いつもいつも私をいじめるから」
妹「しかも! 私をせ、性欲処理に使ってッ! ほんとに、信じられない! 最低、最低!!」
姉「ッ……」
妹「私の気持ちなんて、どうでもいいんだろうけど……」
姉「放しなさい」
妹「立場がわかってないのはお姉ちゃんの方だよ……」
妹は、姉をドア際に押し付けた。ドアノブが背中に当たったのだろう。姉は苦痛の表情を浮かべた。
妹は少し背伸びして、姉の耳元に口を近づけた。
妹「ねえ……お母さんにお姉ちゃんの秘密言ってもいいんだよ」
- 48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 10:26:14.86 ID:RdOyuuQh0
- 姉「……」
妹「なんで、睨むの。お姉ちゃんいつもそう。どうして、そうやって人の事そんな目で見れるの? やられた方の気持ちなんて考えてないんでしょ」
姉「はッ、考えてやってるに決まってるでしょ。わからないの?」
妹「……そっか、じゃ、こんなことされてもいいんだよね」
妹は、右手で姉の頬を思い切り引っ叩いた。
姉「……ッ」
姉は少しよろめいた。痛かっただろうに、声を我慢して。
妹「……」
妹(手がじんじんする……やった方も痛いんだ……)
姉「あんた」ギロ
妹(昨日まで、あんなに怖かったお姉ちゃんが……今は、なんだか違う人みたい)
妹「殴り返せばいいよ……」
姉「どうして、そんな不毛なことにつきあわなければいけないの」
妹「ひどいこと言うよね……」
姉「あんた、私に何を期待してるの? 謝罪? 優しい言葉? そんなものが欲しいのなら母親にでも言えばいいじゃない」 - 49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 10:40:07.83 ID:RdOyuuQh0
- 妹「私は……復讐……したいの」
姉「勝手にやれば」
妹「いいんだ。いいんだね」
姉「あんたが何をしようが、どうでもいいの」
妹「……私たち、なんでこんなに分かり合えないのかな」
姉「あんたと分かり合う気なんてさらさらないからよ」
妹「お姉ちゃん……ッ」
妹はこれほど怒りを覚えたことはなかった。目の前の人間は差し伸べた手を叩き落していく。これ以上、こちらが何を譲歩すればいいのだろうか。否、する必要などない。
妹「……」
妹は姉の頬をもう一度思い切り叩いた。彼女はよろめいて、もう一度背中をドアに打ち付けてずるずると力なく崩れた。
姉「ッ……」
妹(弱い。お姉ちゃんてこんなに弱い生き物だったの……? これじゃあ、私今まで怯えてきたのがバカみたいだよ……)
妹「張り合いない……」
姉は右頬だけを赤くしていた。見下ろした姉は、未だに毅然としていたが。その態度は、妹の腹内を沸々と煮え渡らせた。
- 50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 10:49:46.09 ID:RdOyuuQh0
- 姉「気が済んだ? 私、用があるのよ」
妹「済むわけないよ……」
姉「さっさと済ませなさい」
妹「……」
何か、ないのか。この姉を屈服させる方法は。
妹「あ、ねえ、さっき私の名前呼びながらしてたことしてみてよ」
姉「するわけないでしょ」
妹「……そんなの許されないもん」
姉「ちょッ……」
妹は姉のスカートをたくし上げた。両足の間に体を埋める。姉が妹の肩を押し返して抵抗してきた。
妹「ほんと、変態……だよ」
姉の手を無理やり下腹部に持ってこさせる。
姉「ッ……やめ」
姉は2度思い切りぶたれたせいもあるのか、その抵抗も力ない。
妹「自分でこすってたの?」
紫のレースで編まれたショーツは、秘所を覆っている部分だけ、やけに黒っぽい。濡れているのだ。
姉「だまれ」
妹「……どうして、私の名前でやるの? そんな嫌がらせ思いつくのお姉ちゃんだけだね、きっと」 - 52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 11:01:14.77 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……お姉ちゃんを精神的に辱めないと……心を折ることはできないかな」
姉「……」
妹「……ふふ」
キスして、胸を揉みしだいて、私の指を下に入れてみたらどうなるだろう。
妹「どうして、こんなこと思いつくのかな」
不思議と、抵抗はなかった。
妹「私も、やっぱりひどい姉のひどい妹なんだね……」
姉「何してッ……ンムッ」
姉の口を塞ぐように、妹は唇を押し当てた。
姉「チュッ……ル…‥ァッ……」
妹「ッ……ハァッ……ンッ」
妹(口内を犯すってこういう感じかな)
妹は舌で、姉の歯列をなぞり、吸い尽くすようにじゅるじゅると音を立てた。
姉「……ハッ」
唇を放す。互いに慣れないためか息を荒げた。姉は陶器のように白い頬をさらに真っ赤にさせていた。苦しかったのか、嫌悪からか、目じりに少し涙を溜めている。
妹「ふうッ……お姉ちゃんでも泣くことあるんだ……ッ」
- 53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 11:10:36.95 ID:RdOyuuQh0
- 姉「……」
妹「もっと泣いて」
姉のシャツのボタンを外していく。
妹「抵抗しないんだ」
姉は、少し足が震えていた。見ると、手も微動している。妹は背筋を這い上がるものがあった。
妹「震えてるよ。大丈夫?」
姉「……だまれ」
妹「あ、もしかして……びっくりして腰が抜けちゃったとか……」
姉「ッ……」
妹「図星? 立ってみてよ、ねえ」
姉は立ち上がろうとしたようだった。だが、くてりと膝が折れた。
妹「……もしかして、私の事怖い?」
姉「そんなわけないでしょ」
妹「ふーん……そっか」
妹は両手で姉の胸をわし掴んだ。豊満な胸は、自分のより一回りは大きい。ブラを乱暴にずり下げると、たわわに実った胸が、上下にぶるんと揺れた。
- 54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 11:28:31.35 ID:RdOyuuQh0
- 何度も何度も、姉が苦痛の顔を浮かべるのを期待して胸を揉みしだいた。
姉「ッ……」
敏感な部分を触られて、さすがの姉も悶えるように体を振っていた。
妹「柔らかいんだね……おっきいとやっぱり。羨ましいなあ」
姉「いッ……」
乳首を親指と人差し指の腹でつねってやるとうめき声を出した。
妹「……」ゾクゾク
姉「……ッ」
息の荒い姉に、妹は興奮した。
妹(……見た目だけなら、やっぱり美人なんだよね)
妹「お姉ちゃん、えっちな顔だよ……」
姉は口半開きにして、こちらを力なく睨んだ。
姉「だ、まれ」
妹「それしか言えないの……?」
妹は胸をいじるのを止めて、右手の人差し指と中指を口に含む。唾で少し艶のついたその二本を、今度は姉の口にねじ込んだ。
姉「ふッぐッ?!」
妹「舐めて……ね?」
姉は噛むことはしなかったものの、顔を左右に揺らして抵抗した。
妹「こんなものかなあ……」スポッ
涎で指がべとべとになった。銀色の糸が一本、抜いた指と姉の顎に架かっていた。それを、ぷつりと切る。姉はますます呼吸を荒くしていた。
- 55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 11:39:46.45 ID:RdOyuuQh0
- 妹「……よし」
妹は姉の膝を押し広げる。むちむちとした太ももから、むわっと色香が漂っている。
続いて、ショーツの隙間に指を差し込んだ。
姉「止めッ」
姉は初めて抵抗らしき抵抗を見せた。
妹「だめだもん……止めないもん」ゾク
姉「入れるなッ、バカッ」
姉の言葉も空しく、二本の指は姉の濡れそぼった秘所に姿を消していく。
姉「ふんくッ……」
姉はぷるぷると、体を震わせていた。潤滑の良くなったそこは、ぬるぬると気持ちがよい。
妹「ね、どんな感じなの? 嫌いな妹にえっちなことされるのって」
姉は返事をしない。妹は、つまらないと思い、指をゆっくりとかき回す。姉の身体が魚のようにびくびくと跳ねた。
妹「お姉ちゃん、どうしたの? 痛いの? 何か言ってよ」
姉「ぬ……けッ……」
姉は何を必死になっているのか。それだけを何とか言い終え、耐えるように口を結ぶ。
妹「もっと激しい方がいい?」
泡立てるように、妹は膣内を乱暴にかき回した。奥の方のひだをこすると、姉の腰はその度に宙に浮いた。
妹「まるで喜んでるみたいだね……下品」 - 56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 11:54:56.12 ID:RdOyuuQh0
- 妹「どうして抵抗しないの? なんで、されるがままなの?」
姉「ッ…‥ァッ」
姉は非常に快感に弱かった。無様だった。
妹「……もうイきそうなの?」
姉「なわけッ……」
妹「素直じゃないよね……」
姉「ひッ……ぐ」
妹「イかせてあげる。私は、お姉ちゃんと違って優しいから……」
ひと際強く指をこすり上げた。姉は背中を反らす。膣内の指が締め付けられた。彼女は声を我慢しようとして、
姉「ッ……ふッうんッ……ァアアッ―――!」
失敗に終わっていた。それを聞きながら、妹は微笑んだ。姉なんて、簡単で卑猥な生き物だった。生徒会長だとか、優等生だとか、いったい彼女の何を語っていたのだろうか。恐怖の対象が、今は面白い玩具のようにも思えた。
妹「……動物みたい」
姉「……ッはあ……」
乱れた姉は、少し可愛かった。それから、もっといじめて鳴かせてやりたいとわずかに思った。姉はふらりと体を前に傾ける。自分で体重を支えられないのか。妹は反射的に受け止める。
妹「……お姉ちゃん?」
姉「ッ……ッハア」
姉は行為の最中、一切妹の体に触れてこようとはしなかった。けれど、彼女は無言のまま、両手を妹の体に回して、縋るように抱き付いてきた。甘ったるい匂いが、姉の細い首筋から漂い、鼻孔をくすぐった。
妹「な、なに……」
姉「……ッン…ハァ」
- 57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 12:14:20.02 ID:RdOyuuQh0
- 突然のことで、妹は少し混乱した。何かの作戦だろうか。
姉「……最悪」
姉はぽつりと呟く。そんなことを言いながら、なぜ抱きしめてくるのだろうか。
妹「ちょ……放してよ」
妹は姉の腕を引きはがすことは可能だった。ただ、それができない。
姉は体を少し引いて、妹の正面に体を移動させる。
姉「……」
姉は泣いていた。
妹「どうして、お姉ちゃんが泣くの? お姉ちゃんにそんな権利ない……」
妹は動揺した。
妹「泣きたいのは、私の方だもん。……なんで、なんで大好きだったお姉ちゃんに……こんなことしなくちゃいけないの? 私、何か悪いことした? 私、お姉ちゃんを憎いだなんて……思いたくないよ」
姉「好きなように……すれば。ただ、私はあんたを受け入れない……」
妹「私はお姉ちゃんがわからない。ひどいよ……どうして、抱きしめてきたの? ねえ、私に……何を隠してるの」
姉は何も言わない。外れたボタンを止めていく。何事もなかったかのように。
妹「……私を見てよ。お姉ちゃん、認めてよ」
姉は衣服を整えて、ふらふらと立ち上がる。彼女は泣きながら言った。
姉「……あんたが妹じゃなかったら、良かったんだよ」
姉はくるりと背を向けた。
妹はその背を呆然と眺めることしかできなかった。
- 58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 12:26:36.77 ID:RdOyuuQh0
- 4年後――
とある喫茶店
妹「……お姉ちゃん」
姉「な、何よ……」
妹「っていう昔話、覚えてる?」
姉「知らないわね。忘れた」
妹「……もう! いつまでもいつまでも、素直じゃないんだから!」
姉「ッ……はいはい、ごめんなさいね」
『ねえ、あの子すごい美人――』
『ほんと、綺麗……となりは妹かしら?』
姉「……」ピキッ
妹「お、お姉ちゃん?! カップそんなに力強く握ったら割れちゃう」
姉「知らないわよ」
妹「もうッ」
姉「……あなたの方がよっぽど」ボソ
妹「なに?」
姉「いいえ、なんでもないわ」
妹「でも、まさかあの一週間後に、お姉ちゃんから誘ってくるとは思わなかったなあ」
姉「あなたが焦らしプレイなんて覚えてくるからでしょ」
妹「お姉ちゃんこそ、好きなら好きって最初から言ってよ」
姉「言えるわけないでしょ」
妹「……あーあ、なんで、私こんな人のこと好きなんだろ」
姉「泣きたいならお家に帰ってどうぞ」
妹「泣かないもん……だいたい、家に帰って鳴くのはそっちの方でしょ」
姉「……ッ言うようになったものね」
妹「ふふん……」
おわり
- 59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 12:27:21.75 ID:RdOyuuQh0
- おしまいです。短いですが、読んでくれた方ありがとう。
- 62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/05/23(金) 12:30:01.21 ID:BCczNioL0
- 乙。
面白かった

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